特許第6044516号(P6044516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044516
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20161206BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20161206BHJP
   B60W 50/14 20120101ALI20161206BHJP
【FI】
   G08G1/16 F
   B60W40/08
   B60W50/14
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-233947(P2013-233947)
(22)【出願日】2013年11月12日
(65)【公開番号】特開2015-95090(P2015-95090A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山岡 功佑
【審査官】 高田 基史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−232945(JP,A)
【文献】 特開2008−243031(JP,A)
【文献】 特開2013−105263(JP,A)
【文献】 特開2011−019921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
B60W 10/00−50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が直進中であるか否かを判定する走行判定手段(S100,S205)と、
自車両の直進中に、自車両の正面方向と、ドライバの顔の向きとの間の隔たりである顔向きを測定する顔向き測定手段(S105,S210)と、
前記顔向きが測定された際の、自車両の直進方向と、自車両の進行方向との間の隔たりであるふらつきを測定するふらつき測定手段(S105)と、
前記顔向き、及び、該顔向きと共に測定された前記ふらつきの測定結果に基づき、前記顔向きと前記ふらつきとの相関関係を示す相関データを生成する生成手段(S110)と、
前記相関データに基づき、前記ふらつきが予め定められたふらつき警告レベルに達する可能性が高い前記顔向きである顔向き警告レベルを特定すると共に、自車両の直進中、前記顔向きが、前記顔向き警告レベルとなったか否かを判定する警告判定手段(S215,S220)と、
前記警告判定手段により前記顔向きが前記顔向き警告レベルに達したと判定されると、運転支援を行う運転支援手段(S225)と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転支援装置において、
前記運転支援手段は、前記運転支援として、ハンドル操作に関する警告を行うこと、
を特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の運転支援装置において、
前記相関データに基づき、前記ふらつきが、前記ふらつき警告レベルには達せず、且つ、前記ふらつき警告レベルよりも低いふらつきアドバイスレベルに達する可能性が高い前記顔向きである顔向きアドバイスレベルを特定すると共に、自車両の直進中、前記顔向きが、前記顔向きアドバイスレベルとなったか否かを判定するアドバイス判定手段(S215)と、
前記アドバイス判定手段により前記顔向きが前記顔向きアドバイスレベルとなったと判定された場合に、予め定められたタイミングで、ハンドル操作に関するアドバイスを行うアドバイス手段(S240)と、
をさらに備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記生成手段は、
複数の前記測定結果が得られると、前記顔向きが同程度である前記測定結果をグループとし、各グループについて、該グループに属する前記測定結果をなす前記ふらつきに対し重み付けを行うと共に、重み付けがなされた該ふらつきに基づき予め定められた指標を算出し、さらに、それぞれの前記グループの前記顔向きと、該グループについて算出された前記指標とが対応付けられたデータを、前記相関データとして生成し、
より新しく測定された前記ふらつき程、前記指標への影響が大きくなるよう、前記重み付けを行うこと、
を特徴とする運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転を支援する運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライバの視線方向と自車両の正面方向との間の隔たりが大きくなった場合に、車線逸脱を防止するための走行制御の度合いを高めたり、警告のタイミングを早めたりする運転補助制御装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−222055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、ドライバが顔を傾けるという挙動がハンドルを握っている手の筋肉に影響を与え、ドライバが顔を向けた方向にハンドルが切られてしまうという現象が生じる場合がある。このため、例えば、高速道路の合流地点を走行する際や車線変更の際等に、自車両の側方を視認するためにドライバが顔を横方向に向けた結果、ハンドル操作がふらついてしまう場合がある。
【0005】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ドライバの顔の動きに起因するハンドル操作のふらつきを防止することができる運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の運転支援装置は、自車両が直進中であるか否かを判定する走行判定手段(S100,S205)と、自車両の直進中に、自車両の正面方向と、ドライバの顔の向きとの間の隔たりである顔向きを測定する顔向き測定手段(S105,S210)と、顔向きが測定された際の、自車両の直進方向と、自車両の進行方向との間の隔たりであるふらつきを測定するふらつき測定手段(S105)と、を備える。
【0007】
また、顔向き、及び、該顔向きと共に測定されたふらつきの測定結果に基づき、顔向きとふらつきとの相関関係を示す相関データを生成する生成手段(S110)と、相関データに基づき、ふらつきが予め定められたふらつき警告レベルに達する可能性が高い顔向きである顔向き警告レベルを特定すると共に、自車両の直進中、顔向きが、顔向き警告レベルとなったか否かを判定する警告判定手段(S215,S220)と、警告判定手段により顔向きが顔向き警告レベルに達したと判定されると、運転支援を行う運転支援手段(S225)と、を備える。
【0008】
このような構成によれば、相関データから、自車両の直進中にドライバがどのような顔向きとなった際にハンドル操作のふらつきが生じるかを把握することができる。そして、相関データに基づき、ふらつきが大きくなる危険性が高い顔向きである顔向き警告レベルが特定され、直進中の顔向きが顔向き警告レベルになると、運転支援がなされる。
【0009】
このような運転支援としてハンドル操作に関する警告がなされた場合には、ドライバは、直進中にどのような顔の動きをするとハンドル操作のふらつきが生じるかを学習することができる。このため、例えば、高速道路の合流地点を走行する際や、車線変更の際等において、自車両の側方を視認するために顔を横方向に向けた時のハンドル操作のふらつきを改善することが可能となる。
【0010】
また、顔向きが顔向き警告レベルとなった際に運転支援がなされるため、実際にハンドル操作のふらつきが生じる前の段階でドライバに対する警告や自車両の走行制御等を行うことができ、ハンドル操作のふらつきを未然に防ぐことができる。
【0011】
したがって、請求項1に係る運転支援装置によれば、ドライバの顔の動きに起因するハンドル操作のふらつきを防止することが可能となる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
図2】相関データ生成処理のフローチャートである。
図3】相関データの説明図である。
図4】ふらつき警告処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0014】
[構成の説明]
本実施形態のナビゲーション装置10は、位置検出器11,記憶部12,制御部13,カメラ14,表示部15,音声出力部16,操作部17,車内LAN通信部18,操舵角センサ19等から構成される(図1参照)。
【0015】
位置検出器11は、自車両の現在地を検出するよう構成されており、GPS受信器11aや、ジャイロセンサ11bや、加速度センサ11c等を有している。
GPS受信器11aは、図示しないGPSアンテナを介してGPS用の人工衛星からの信号を受信して自車両の位置,方位,速度等を検出し、ジャイロセンサ11bは、自車両に加えられる回転運動の大きさを検出する。また、加速度センサ11cは、自車両の前後方向の加速度を検出する。そして、これらは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。
【0016】
また、記憶部12は、例えば、HDDやフラッシュメモリ等といった書き換え可能な不揮発性の記憶媒体から構成されており、地図DB等の各種データが保存されている部位である。
【0017】
また、制御部13は、CPU,ROM,RAM,I/O等から構成され、ROMや記憶部12に保存されたプログラムを読み出して実行し、ナビゲーション装置10を統括制御する。
【0018】
また、カメラ14は、自車両のドライバの顔を撮影する部位である。
また、表示部15は、例えば、液晶ディスプレイ等として構成されており、制御部13からの指示に応じて各種画像を表示する。
【0019】
また、音声出力部16は、スピーカ等として構成されており、制御部13からの指示に応じて各種音声を出力する。
また、操作部17は、キースイッチやタッチパネル等として構成されており、ドライバや同乗者等から各種操作を受け付ける。
【0020】
また、車内LAN通信部18は、CAN等の規格に準拠した車内LAN20を介して、該車内LAN20に接続された他のECU30と通信を行う部位である。
また、操舵角センサ19は、自車両のハンドルの操舵角を測定するための部位である。
【0021】
[動作の説明]
次に、本実施形態のナビゲーション装置10の動作について説明する。
ナビゲーション装置10は、ドライバ等からの操作に応じて、自車両周辺の地図画像の表示や、経路案内や、各種施設の検索等を行うよう構成されている。
【0022】
また、ドライバが顔を左右に傾けるという挙動がハンドルを握っている手の筋肉に影響を与え、ドライバが顔を向けた方向にハンドルが切られてしまい、その結果、ハンドル操作のふらつきが生じる場合がある。
【0023】
これに対し、ナビゲーション装置10は、自車両の直進中、ドライバの顔の画像に基づき、右方向或いは左方向の顔向き角度(自車両の正面方向とドライバの顔の向きとの水平方向の角度)を測定する。また、該顔向き角度を測定した際に、自車両の直進方向を基準とした右方向,左方向の操舵角を測定し、ドライバ毎に、顔向き角度と操舵角との間の相関関係を示す相関データを生成する。
【0024】
また、自車両の直進中、ナビゲーション装置10は、ドライバの顔の画像に基づき顔向き角度を測定する。そして、該ドライバに対応する相関データに基づき、測定された顔向き角度が、操舵角が大きくなる危険性(ハンドル操作のふらつきが生じる危険性)が高いものであるかどうかを判定し、このような危険性が高い場合には、ドライバへの警告等といった運転支援を行う。
【0025】
これにより、ドライバは、直進中にどのような顔の動きをするとハンドル操作のふらつきが生じるかを把握することができ、ドライバに対し、このようなハンドル操作のふらつきの防止を促し、ハンドル操作の癖を改善させることができる。
【0026】
以下では、ナビゲーション装置10の動作について詳しく説明する。
(1)相関データ生成処理について
まず、ドライバ毎に相関データを生成する相関データ生成処理について、図2に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、自車両の運転中、ナビゲーション装置10の制御部13により周期的なタイミングで実行される。
【0027】
S100では、制御部13は、自車両が直進しているか否かを判定する。
具体的には、位置検出器11により自車両の現在地を特定すると共に、記憶部12に記憶されている地図DBにアクセスする。また、該現在地と地図データとに基づき走行中の道路区間を特定し、該道路区間の形状を特定する。
【0028】
そして、該道路区間が直進道路であり、且つ、現在地が高速道路の合流地点の付近や交差点内でないという条件を満たす場合には、自車両が直進中であるとみなす。
なお、制御部13は、車内LAN20を介して他のECUから受信したコマンドに基づき、自車両のウインカが稼働しているかどうかを判定し、上記条件を満たす場合であっても、ウインカが稼働している場合には、自車両が直進中でないとみなしても良い。こうすることにより、車線変更中等に測定された顔向き角度及び操舵角に基づき、相関データが生成されてしまうことを防ぐことができる。
【0029】
また、このほかにも、例えば、カメラやレーダ等により走行中の道路の形状を検出し、検出結果に基づき、走行中の道路区間が直進道路であるか否かを判定しても良い。また、一定以下の曲率を有する緩やかなカーブについては、直進道路とみなしても良い。
【0030】
そして、制御部13は、肯定判定が得られた場合には(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S100:No)、本処理を移行する。
S105では、制御部13は、カメラ14により撮影されたドライバの顔画像を解析し、ドライバの顔の向きを特定すると共に、顔向き角度を測定する。また、操舵角センサからの信号に基づき操舵角を測定すると共に、時計機能に基づき現在の年月日時を特定する。
【0031】
ここで、制御部13は、運転開始時等にドライバを特定するよう構成されている。具体的には、例えば、カメラ14により撮影された画像に基づきドライバを特定しても良いし、ドライバが所持している携帯機器から無線通信等を介して取得した情報に基づき、ドライバを特定しても良い。
【0032】
また、例えば、自車両にスマートエントリー(登録商標)が搭載されている場合には、ドライバが所持する携帯機から取得した情報に基づきドライバを特定しても良い。また、例えば、ドライバから運転開始時に受け付けた操作に基づき、ドライバを特定しても良い。
【0033】
そして、制御部13は、顔向き角度及び操舵角の測定結果と現在の年月日時とを、現在のドライバに対応付けて測定データとして保存し、S110に処理を移行する。
S110では、制御部13は、現在のドライバの顔向き角度及び操舵角の測定データに基づき、該ドライバに対応する相関データの生成或いは更新を行い、本処理を終了する。なお、相関データの生成方法や更新方法については、以下に記載する。
【0034】
(2)相関データの生成方法等について
ドライバに対応する相関データが存在しない場合には、該ドライバに対応する顔向き角度及び操舵角の測定結果が所定数に達した段階で、該ドライバに対応する測定データに基づき相関データが新たに生成される。なお、以下では、同じタイミングで測定された顔向き角度及び操舵角の測定結果を、単に測定結果と記載する。
【0035】
具体的には、まず、測定データが示す各測定結果について、顔向き角度の測定値が同一であるもの毎にグループ化がなされる。そして、各グループについて、該グループに属する測定結果をなす操舵角の測定値に基づき指標が算出され、各グループの顔向き角度の測定値と、該グループについて算出された指標とを対応付けたデータが相関データとして生成される。
【0036】
本実施形態では、この指標の一例として操舵角の測定値の加重平均が用いられ、該加重平均を算出する際には、新しく測定されたもの程影響が大きくなるように操舵角の測定値に重み付けがなされる。
【0037】
具体的には、例えば、最新の測定時期から2週間以内に測定された操舵角の重みを1.0、2週間前〜4週間前に測定された操舵角の重みを0.8、4週間前〜6週間前に測定された操舵角の重みを0.5としても良い。また、最新の測定時期から6週間前の時点よりも前に測定された操舵角の重みを0.1としても良いし、このような操舵角を排除して加重平均を算出しても良い。
【0038】
また、例えば、同一ドライバに対応する顔向き角度及び操舵角の測定回数に着目して重み付けを行っても良い。すなわち、最新の測定から100回前の測定までの間に測定された操舵角の重みを1.0、100回前の測定から200回前の測定までの間に測定された操舵角の重みを0.8、200回前の測定から300回前の測定までの間に測定された操舵角の重みを0.6としても良い。また、300回前の測定よりも前に測定された操舵角の重みを0.1としても良いし、このような操舵角を排除して加重平均を算出しても良い。
【0039】
なお、このほかにも、操舵角の指標として、例えば、最新の測定時期から所定期間内に測定された操舵角の平均値を用いても良い。
このようにして生成された相関データは、左右方向の顔向き角度の各測定値と、該測定値と共に測定された右方向或いは左方向の操舵角の加重平均値とを示すデータとして構成される(図3参照)。
【0040】
なお、上述した例では、測定データが示す各測定結果について、顔向き角度の測定値が同一であるもの毎にグループ化がなされる。
しかしながら、このほかにも、右方向の顔向き角度として0°〜10°,10°〜20°…、左方向の顔向き角度として0°〜10°,10°〜20°…といった具合に、予め顔向き角度の領域を複数設定しておいても良い。そして、測定データが示す各測定結果について、顔向き角度の測定値が同一の領域に属するもの毎にグループ化を行っても良い。
【0041】
このような場合には、同様にして、グループ毎に操舵角の測定値に基づく指標を算出し、各グループの顔向き角度の領域と、該グループについて算出された指標とを対応付けたデータを、相関データとして生成しても良い。
【0042】
また、ドライバに対応する相関データが存在している状態で、該ドライバについての新たな測定結果が得られると、これに基づき該相関データが更新される。
具体的には、測定データに基づき、最新の顔向き角度の測定値と同一の測定値を含む測定結果を特定し、特定した特定結果と、最新の測定結果とに基づき、同様にして、該顔向き角度の測定値に対応する操舵角の加重平均を算出しても良い。そして、相関データを更新し、該顔向き角度の測定値に対応付けられている加重平均値を、新たに算出した加重平均値としても良い。
【0043】
なお、相関データの更新が行われている場合には、定期的なタイミングで相関データを保存し、相関データの変化の履歴を残しても良い。
また、上述したように、ナビゲーション装置10は、直進中のドライバの顔向き角度と、該ドライバの相関データとに基づき、ハンドル操作のふらつきの危険性を判定し、該危険性が高い場合には該ドライバに対する警告等を行う。
【0044】
このため、相関データにおける右方向,左方向の各操舵角の加重平均値に対する閾値として、警告閾値とアドバイス閾値が設けられている。また、操舵角の加重平均値が警告閾値を超える顔向き角度は警告領域とされ、操舵角の加重平均値が、アドバイス閾値以上、且つ、警告閾値以下となる顔向き角度は、アドバイス領域とされる(図3参照)。
【0045】
そして、直進道路を走行中のドライバの顔向き角度が警告領域となった場合には、ドライバに対し、ハンドル操作のふらつきに関する警告がなされ、該顔向き角度がアドバイス領域となった場合には、ハンドル操作のふらつきに関するアドバイスがなされる。
【0046】
(3)ふらつき警告処理について
次に、ドライバに対し、ハンドル操作のふらつきに関する警告やアドバイスを行うふらつき警告処理について、図4に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、自車両の運転中、ナビゲーション装置10の制御部13により周期的なタイミングで実行される。
【0047】
S200では、制御部13は、運転開始時等に特定された現在のドライバに対応する相関データの生成が完了しているか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S200:Yes)、S205に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S200:No)、本処理を移行する。
【0048】
S205では、制御部13は、S100と同様にして、自車両が直進しているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S205:Yes)、S210に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S205:No)、S235に処理を移行する。
【0049】
S210では、制御部13は、S105と同様にして、カメラ14により撮影されたドライバの顔画像に基づき顔向き角度を測定し、S215に処理を移行する。
S215では、制御部13は、測定した顔向き角度が、警告領域或いはアドバイス領域となっているか否かを判定し、S220に処理を移行する。
【0050】
S220では、制御部13は、測定した顔向き角度が警告領域である場合には(S220:Yes)、S225に処理を移行すると共に、そうでない場合には(S220:No)、S230に処理を移行する。
【0051】
S225では、制御部13は、表示部15或いは音声出力部16を介して、ドライバに対し、ハンドル操作のふらつきが生じる危険性がある旨の警告メッセージを出力し、S230に処理を移行する。
【0052】
なお、この時、制御部13は、相関データに基づき、測定された顔向き角度に対応する操舵角の加重平均値を特定しても良い。そして、該加重平均値に応じて警告メッセージの内容や出力態様を変え、該加重平均値が大きくなる程、より大きなふらつきが生じ易いとみなし、よりドライバの注意を引き付けることができる態様で警告メッセージを出力しても良い。
【0053】
また、この時、制御部13は、ハンドル操作のふらつきを防止したり、ハンドル操作のふらつきによる事故の危険性を低下させるための走行制御を行っても良い。
具体的には、例えば、制御部13は、車内LAN20を介して自車両のブレーキを制御するECU30と通信を行い、ブレーキを作動させて車速を低下させても良い。
【0054】
また、例えば、自車両に電動パワーステアリングシステムが搭載されている場合であれば、車内LAN20を介して該システムを制御するECU30と通信を行い、アシスト操舵力を低下させることで、ハンドル操作のふらつきが生じ難くしても良い。
【0055】
S230では、制御部13は、S215における顔向き角度の領域についての判定結果を判定データとして保存し、S235に処理を移行する。
S235では、制御部13は、アドバイス出力タイミングが到来したか否かを判定する。
【0056】
具体的には、例えば、運転中、周期的なタイミング(例えば、30分間隔)でアドバイス出力タイミングが到来するものとしても良いし、運転開始時や運転終了時をアドバイス出力タイミングとしても良い。また、例えば、運転中、自車両が停車した時や、自車両が発進する時を、アドバイス出力タイミングとしても良い。
【0057】
そして、肯定判定が得られた場合には(S235:Yes)、S240に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S235:No)、本処理を終了する。
S240では、制御部13は、判定データに基づき、顔向き角度がアドバイス領域や警告領域となったか否かを判定し、判定結果に応じて、表示部15或いは音声出力部16を介して、ドライバに対し、ハンドル操作のふらつきに関するアドバイスメッセージを出力する。
【0058】
具体的には、例えば、所定期間内に所定回数以上、顔向き角度がアドバイス領域となった場合には、ハンドル操作のふらつきが生じている旨を報知し、ハンドル操作の改善を促すアドバイスメッセージを出力しても良い。
【0059】
なお、例えば、今回のアドバイス出力タイミングから前回のアドバイス出力タイミングまでの期間を、上記所定期間としても良い。
また、例えば、所定期間内に、所定回数以上、顔向き角度が警告領域となった場合には、ハンドル操作のふらつきについて警告し、ハンドル操作の改善を促すアドバイスメッセージを出力しても良い。
【0060】
また、例えば、上記所定期間における顔向き角度に関わらず、一定以上の頻度で顔向き角度がアドバイス領域或いは警告領域となった場合には、同様のアドバイスメッセージを出力しても良い。
【0061】
また、これとは逆に、顔向き角度がアドバイス領域或いは警告領域となった頻度が一定未満である場合には、ハンドル操作のふらつきが生じていない点についてドライバを称賛するメッセージを出力しても良い。
【0062】
また、制御部13は、相関データの履歴に基づき、操舵角の加重平均値や、アドバイス領域や警告領域に変化が生じているか否かを判別しても良い。
そして、操舵角の加重平均値が増加している場合や、アドバイス領域や警告領域が拡大している場合には、ハンドル操作のふらつきが悪化している旨を報知するアドバイスメッセージを出力しても良い。
【0063】
また、操舵角の加重平均値が低下している場合や、アドバイス領域や警告領域が縮小している場合には、ハンドル操作のふらつきが改善されている旨を報知するメッセージを出力しても良い。
【0064】
そして、メッセージを出力すると、制御部13は、本処理を終了する。
[効果]
本実施形態のナビゲーション装置10によれば、直進中のドライバの顔向き角度が警告領域となると、ハンドル操作のふらつきの危険性についての警告メッセージが出力される。また、アドバイス出力タイミングになると、ドライバの顔向き角度がアドバイス領域となった場合には、ハンドル操作のふらつきに関するアドバイスメッセージが出力される。
【0065】
このため、ドライバは、直進中にどのような顔の動きをするとハンドル操作のふらつきが生じるかを学習することができ、このようなハンドル操作のふらつきを改善することが可能となる。したがって、ドライバの顔の動きに起因するハンドル操作のふらつきを防止することが可能となる。
【0066】
また、相関データを生成する際、顔向き角度の各測定値に対応する操舵角の加重平均が算出されるが、加重平均の算出の際には、新しく測定された顔向き角度程影響が大きくなるように重み付けがなされる。
【0067】
このため、ドライバの顔向き角度と操舵角の関係性に変化が生じた場合であっても、新たな関係性を迅速に相関データに反映させることができ、ドライバの顔向き角度に基づくハンドル操作のふらつきの危険性の有無を、精度良く判定することができる。
【0068】
[他の実施形態]
(1)本実施形態では、ナビゲーション装置10にて相関データ生成処理やふらつき警告処理を実行し、ドライバの顔向き角度や操舵角に基づき、ハンドル操作のふらつきに対する運転支援を行っている。
【0069】
しかしながら、ナビゲーション装置10に限らず、他の車載装置において、同様の処理を行っても良い。このような場合であれば、該車載装置は、例えば、車内LAN20等を介してナビゲーション装置から取得した情報等に基づき、自車両が直進中であるか否かを判定しても良い。また、車外カメラ等により検出した自車両前方の道路形状に基づき、自車両が直進中であるか否かを判定しても良い。
【0070】
また、本実施形態では、ドライバの顔向き角度と共に操舵角を測定しているが、操舵角に替えて、例えば、ジャイロセンサにより測定されたヨーレート等を用いても良い。
また、車外カメラにより撮影された画像に基づき、走行中の車線における自車両の位置を特定すると共に、自車両の位置と車線中央との隔たりを特定し、操舵角に替えて、車線中央からの隔たりを用いても良い。
【0071】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(2)また、本実施形態のナビゲーション装置10は、ドライバを識別する機能を有し、ドライバ毎に相関データを設ける構成となっている。しかしながら、これに限定されることは無く、例えば、1人のドライバにより自車両が運転されるという場合であれば、ドライバの識別を行うことなく、1つの相関データを設ける構成としても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0072】
(3)また、本実施形態のナビゲーション装置10は、相関データに基づき特定された、警告領域或いはアドバイス領域となる顔向き角度を提示しても良いし、該相関データが示す顔向き角度と操舵角との対応関係をそのまま提示しても良い。
【0073】
このような場合であっても、ドライバは、ハンドルのふらつきが生じ易い顔向き角度を把握することができ、ハンドル操作のふらつきを改善することが可能となる。
(4)また、本実施形態における相関データは、顔向き角度の各測定値と、該測定値と共に測定された操舵角の測定値の加重平均とを示す。
【0074】
しかしながら、これに限定されることは無く、例えば、操舵角の測定値を、警告閾値を超えるA種別と、アドバイス閾値以上警告閾値以下のB種別と、アドバイス閾値未満のC種別のいずれかに分類しても良い。そして、顔向き角度の測定値毎に、該測定値と同時に測定された操舵角の分類結果を示すデータを相関データとして生成しても良い。
【0075】
また、相関データに基づき、例えば、A種別に分類された操舵角の割合が高い顔向き角度を警告領域として特定すると共に、B種別に分類された操舵角の割合が高い顔向き角度をアドバイス領域として特定しても良い。
【0076】
そして、自車両の直進中に測定された顔向き角度が警告領域となった際に、同様の運転支援を行うと共に、顔向き角度がアドバイス領域となった際には、アドバイス出力タイミングの到来によりアドバイスメッセージを発しても良い。
【0077】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0078】
本実施形態のナビゲーション装置10が運転支援装置に相当する。
また、相関データ生成処理のS100が走行判定手段に、S105が顔向き測定手段,ふらつき測定手段に、S110が生成手段に相当する。
【0079】
また、ふらつき警告処理のS205が走行判定手段に、S210が顔向き測定手段に、S215が警告判定手段,アドバイス判定手段に、S220が警告判定手段に、S225が運転支援手段に、S240がアドバイス手段に相当する。
【符号の説明】
【0080】
10…ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…記憶部、13…制御部、14…カメラ、15…表示部、16…音声出力部、17…操作部、18…車内LAN通信部、19…操舵角センサ。
図1
図2
図3
図4