【実施例】
【0013】
(実施例1)
上記電力変換装置にかかる実施例について、
図1〜
図3を参照して説明する。
図1及び
図2に示すごとく、電力変換装置1は、複数の半導体モジュール11と複数の冷却管13とを交互に積層した半導体積層ユニット10と、半導体モジュール11と共に電力変換回路を形成する補助電子部品2と、半導体積層ユニット10を積層方向Xに加圧する加圧部材5と、これらを収納するケース6とを有している。複数の半導体モジュール11は半導体素子をそれぞれ内蔵している。
ケース6は、積層方向Xにおいて、前方側に配設された前方壁部631と、後方側に配設された後方壁部632と、前方壁部631及び後方壁部632の横方向Yにおける両端部同士をつなぐ一対の側方壁部633と、前方壁部631、後方壁部632及び一対の側方壁部633の内側に設けられた内側壁部64とを備えている。
【0014】
内側壁部64は、前方壁部631と対向して配設された隔壁部641と、隔壁部641の後端面から後方壁部632側に向かって延びるように形成された支持壁部642とを有している。隔壁部641と前方壁部631との間には、半導体積層ユニット10を収納するユニット収納空間61が形成されている。また、隔壁部641と後方壁部632との間には、補助電子部品2が収納される補助収納空間62が形成されている。
【0015】
以下、さらに詳細に説明する。
本例においては、半導体積層ユニット10における半導体モジュール11と冷却管13との並び方向を積層方向Xとし、一対の側方壁部633の並び方向を横方向Yとし、積層方向X及び横方向Yに直交する方向を高さ方向Zとして説明する。また、積層方向において、冷却管13から冷媒導入管133及び冷媒排出管134が突出した方向を前方とし、その反対側を後方として説明する。また、高さ方向Zにおいて、半導体モジュール11から制御端子113が突出する方向を上方とし、その反対側を下方として説明する。
本例における電力変換装置1は、ハイブリッドカー等の車両に搭載されるものである。電力変換装置1は、バッテリーから供給される直流電力を、三相交流回転電機を駆動させるための三相交流電力に変換することができる。
【0016】
図1〜
図3に示すごとく、電力変換装置1におけるケース6は、積層方向Xにおいて、前方側に配設された前方壁部631と、後方側に配設された後方壁部632と、前方壁部631及び後方壁部632の横方向Yにおける両端部同士をつなぐ一対の側方壁部633と、前方壁部631、後方壁部632及び一対の側方壁部633の内側に設けられた内側壁部64と、高さ方向Zと直交して設けられた中間壁部67とを備えている。
【0017】
前方壁部631、後方壁部632及び一対の側方壁部633は、四角筒状をなしており、高さ方向Zの上方及び下方にそれぞれ配された開口は、蓋部65及び底部66によって塞がれている。
また、前方壁部631、後方壁部632及び一対の側方壁部633における上方側の位置には、高さ方向Zと直交して形成された中間壁部67が形成されている。
【0018】
内側壁部64は、隔壁部641と支持壁部642とを有している。隔壁部641は、中間壁部67から下方に向かって延びると共に、前方壁部631と平行に形成されている。横方向Yにおいて、隔壁部641の一方の端部は、一方の側方壁部633と繋がっており、他方の端部は、他方の側方壁部633から離れた位置に配置されている。この側方壁部633から離れた位置に配置された端部と、前方壁部631とは、接続壁部643によって接続されている。前方壁部631、と隔壁部641との間には、半導体積層ユニット10を収納するユニット収納空間61が形成されている。本例において、ユニット収納空間61は、前方壁部631、隔壁部641、接続壁部643及び側方壁部633によって囲まれた空間によって形成されている。また、隔壁部641と後方壁部632との間には、補助電子部品2を収納する補助収納空間62が形成されている。
【0019】
支持壁部642は、中間壁部67から下方に向かって延びると共に、隔壁部641の後面と後方壁部632の前面とを繋ぐよう側方壁部633と平行に形成されている。高さ方向Zから見たとき、支持壁部642は、隔壁部641と直交するように配置されており、横方向Yにおいて、後述する冷却器12における冷媒導入管133及び冷媒排出管134の間に配置されている。また、補助収納空間62は、横方向Yにおいて、支持壁部642によって分割されており、第1補助収納空間621及び第2補助収納空間622を形成している。本例において、第1補助収納空間621には、半導体モジュール11と共に電力変換回路を構成する補助電子部品2としてのコンデンサ21が配置される。また、第2補助収納空間622には、補助電子部品2として、電流センサを内蔵したセンサユニット22が配置される。
【0020】
また、ユニット収納空間61及び補助収納空間62と、横方向Yにおいて隣り合う位置には、端子台3を配置するための端子台収納空間623が形成されている。
端子台3は、三相交流回転電機におけるU相、V相、W相と、車両のバッテリーにおける正極及び負極とにそれぞれ電気的に接続される接続端子312を有している。
【0021】
図1及び
図2に示すごとく、ユニット収納空間61に配置される半導体積層ユニット10は、複数の半導体モジュール11と、複数の冷却管13とを交互に積層してなる。
半導体モジュール11は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子やFWD(フリーホイールダイオード)等のダイオードを内蔵した本体部111と、高さ方向Zの一方に突出した主電極端子112と、高さ方向Zの他方に突出した制御端子113とを有する。制御端子113は、制御回路基板4と電気的に接続されている。また、主電極端子112は、バスバー321、322と電気的に接続されている。
【0022】
主電極端子112と接続されたバスバー321、322は、端子台3に設けられた接続端子312又はコンデンサ21と接続されている。バスバー321は、コンデンサ21を介して、車両のバッテリーにおける正極及び負極と電気的に接続される接続端子311と電気的に接続されている。バスバー322は、センサユニット22に内蔵された電流センサに挿通された後、接続端子312と接続されている。
【0023】
図1及び
図2に示すごとく、複数の冷却管13は、横方向Yに長く形成されており、隣り合う冷却管13同士は、横方向Yの両端部において、変形可能な連結管135によって連結されることで冷却器12を構成している。つまり、隣り合う冷却管13の間には、連結管135の長さ分の空間が形成されており、この空間に半導体モジュール11を配置した後、連結管135の長さが短くなるように連結管135を変形させることにより、冷却管13によって半導体モジュール11が挟持される。
【0024】
冷却器12に冷媒を導入する冷媒導入管133と、冷却器12から冷媒を排出する冷媒排出管134とは、前方側に配置された前方冷却管132から前方に向かって延出されている。冷媒導入管133及び冷媒排出管134は、前方壁部631に貫通形成された貫通孔に挿通されている。
【0025】
冷却器12において、冷媒導入管133から導入された冷媒は、冷却管13へと流入した後、連結管135を適宜通り、各冷却管13に分配される。そして、各冷却管13を流れる間に、冷媒は半導体モジュール11との間で熱交換を行う。熱交換により温度上昇した冷媒は、下流側の連結管135を適宜通り、冷媒排出管134に導かれ、冷却器12から排出される。
【0026】
冷媒としては、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート(登録商標)等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等を用いることができる。
【0027】
加圧部材5は、ゴムによって形成されており、弾性変形することにより加圧力を発生することができる。加圧部材5と半導体積層ユニット10とをユニット収納部61に収納することにより、加圧部材5によって半導体積層ユニット10を積層方向Xに加圧している。尚、加圧部材5としては、板バネ、コイルスプリング等を用いることもできる。
【0028】
次に、本例の作用効果について説明する。
電力変換装置1は、隔壁部641と、隔壁部641の後面から後方壁部632側に向かって延びるように、つまり、積層方向Xに沿うように形成された支持壁部642とを有している。支持壁部642が隔壁部641を補強することにより、支持壁部642における剛性を効果的に増大することができる。したがって、隔壁部641の厚さを増大させることなく、支持壁部642の剛性を向上し、加圧部材5の加圧力による隔壁部641の変形を抑制することができる。これにより、隔壁部641の厚さを低減し、電力変換装置1の軽量化、小型化及びコスト低減をすることができる。
【0029】
また、ケース6内の空間は、隔壁部641と支持壁部642とによって区分されたユニット収納空間61と補助収納空間62とを有しており、ユニット収納空間61及び補助収納空間62にそれぞれ、半導体積層ユニット10と補助電子部品2とを収納している。そのため、半導体積層ユニット10及び補助電子部品2を、ケース6内に整然と配置することができる。これにより、ケース6内のスペースを無駄なく有効活用し、電力変換装置1を小型化することができる。
【0030】
また、複数の冷却管13のうち前方側に配置された前方冷却管132には、複数の冷却管13の内部に形成された冷媒流路131へ冷媒を導入するための冷媒導入管133と、冷媒流路131から冷媒を排出するための冷媒排出管134とが前方側に向かって延びるように配設されており、支持壁部642は、積層方向Xから見たとき、冷媒導入管133及び冷媒排出管134の間に配置されている。そのため、冷媒導入管133と冷媒排出管134との並び方向において、半導体積層ユニット10の中央に近い位置に、支持壁部642を配置することができる。したがって、支持壁部642によって隔壁部641を効果的に補強することができる。これにより、隔壁部641の変形をより抑制することができる。
【0031】
また、補助収納空間62としては、支持壁部642によって隔たれた第1補助収納空間621と第2補助収納空間622とが形成されており、第1補助収納空間621及び第2補助収納空間622の両方に、補助電子部品2がそれぞれ収納されている。そのため、複数の補助電子部品2をケース6内に整然と配置することができる。したがって、ケース6内の空間をより有効活用し、ケース6内に複数の補助電子部品2を配置した場合においても電力変換装置1を小型化することができる。
【0032】
また、ユニット収納空間61及び補助収納空間62に対して横方向Yに隣り合う位置には、外部機器と接続される接続端子311、312を備える端子台3が配設されており、半導体モジュール11、補助電子部品2及び接続端子311、312は、バスバー32によって電気的に接続されていることが好ましい。この場合には、ケース6内に、半導体モジュール11、補助電子部品2及び端子台3を整然と収納すると共に、バスバー32によって、半導体モジュール11、補助電子部品2及び接続端子311、312を容易に接続することができる。
【0033】
以上のごとく、本例の電力変換装置1によれば、軽量化、小型化及びコスト低減をすることができる。
【0034】
尚、上記実施例1において、隔壁部641は、その一端が側方壁部633と接続されており、他端は接続壁部643と接続されている。これ以外にも、他の壁部と接続されていてもよいし、壁部と接続されることなく離れて配置されていてもよい。
また、支持壁部642は、その一端が隔壁部641と接続されており、他端が後方壁部632と接続されている。支持壁部642が中間壁部67に相当する部材から立設するように形成されている場合、支持壁部642と後方壁部632とが離れて形成されていてもよい。
【0035】
また、高さ方向Zから見たとき、支持壁部642は、積層方向Xにおいて、加圧部材5と重なる位置に配設されていることが好ましい。高さ方向Zから見たとき、支持壁部642は、横方向Yにおいて、冷媒導入管133と冷媒排出管134との間に配設されていることがより好ましい。