特許第6044577号(P6044577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6044577レーザ加工装置、加工データ作成装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044577
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】レーザ加工装置、加工データ作成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/082 20140101AFI20161206BHJP
   H01S 3/093 20060101ALI20161206BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   B23K26/082
   H01S3/093
   H01S3/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-74318(P2014-74318)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-196168(P2015-196168A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】杉本 裕司
【審査官】 青木 正博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−253099(JP,A)
【文献】 特開2012−038895(JP,A)
【文献】 特開2005−007471(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0297469(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00−26/70
H01S 3/00
H01S 3/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出射する励起用半導体レーザと、
レーザ媒質を有し、前記励起用半導体レーザから出射された前記励起光を受光することにより前記レーザ媒質が励起されて、パルスレーザを発振すると共に、前記パルスレーザを発振しない前記励起光の最大出力値である出力閾値より高い出力の励起光を受光すれば、前記励起光の出力に対応するパルスレーザを発振するよう構成されたレーザ発振器と、
前記レーザ発振器から発振された前記パルスレーザを加工対象物に走査する走査部と、
前記パルスレーザの加工位置を含む加工情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された加工情報に基づいて、前記走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間を算出する第1算出手段と、
前記第1算出手段によって算出された前記移動時間に基づいて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる期間である予備励起期間を算出する第2算出手段と、
前記走査部が前記待機位置から前記加工開始位置に移動する際に、前記第2算出手段によって算出された前記予備励起期間にて、前記予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させ、
前記走査部が前記加工開始位置から移動する際に、前記出力閾値より高い前記励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる出力手段と、を備え、
前記第2算出手段は、
前記レーザ発振器から前記加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な最小予備励起期間以上の前記予備励起期間を算出し、
前記第2算出手段は、
前記最小予備励起期間より前記移動時間が短いか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記移動時間が短いと判断されたことに応じて、前記最小予備励起期間を前記予備励起期間として算出する第3算出手段と、を備えること、
を特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載するレーザ加工装置であって、
前記第2算出手段は
前記判断手段によって前記移動時間が短くないと判断されたことに応じて、前記予備励起期間を拡張する前記拡張予備励起期間に前記最小予備励起期間を加算した期間を前記予備励起期間として算出する第4算出手段を備えること、
を特徴とするレーザ加工装置。
【請求項3】
レーザ加工装置を制御するための加工データを作成する加工データ作成装置であって、
前記レーザ加工装置は、
励起光を出射する励起用半導体レーザと、
レーザ媒質を有し、前記励起用半導体レーザから出射された前記励起光を受光することにより前記レーザ媒質が励起されて、パルスレーザを発振すると共に、前記パルスレーザを発振しない前記励起光の最大出力値である出力閾値より高い出力の励起光を受光すれば、前記励起光の出力に対応するパルスレーザを発振するよう構成されたレーザ発振器と、
前記レーザ発振器から発振された前記パルスレーザを加工対象物に走査する走査部と、を備え、
当該加工データ作成装置は、
前記パルスレーザの加工位置を含む加工情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された加工情報に基づいて、前記走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間を算出する第1算出手段と、
前記第1算出手段によって算出された前記移動時間に基づいて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる期間である予備励起期間を算出する第2算出手段と、
前記走査部が前記待機位置から前記加工開始位置に移動する際に、前記第2算出手段によって算出された前記予備励起期間にて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させ、
前記走査部が前記加工開始位置から移動する際に、前記出力閾値より高い前記励起光を前記励起用半導体レーザに出力させるための加工データを作成する加工データ作成手段と、を備え、
前記第2算出手段は、
前記レーザ発振器から前記加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な最小予備励起期間以上の前記予備励起期間を算出し、
前記第2算出手段は、
前記最小予備励起期間より前記移動時間が短いか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記移動時間が短いと判断されたことに応じて、前記最小予備励起期間を前記予備励起期間として算出する第3算出手段と、を備えること、
を特徴とする加工データ作成装置
【請求項4】
レーザ加工装置を制御するコンピュータに実行されるプログラムであって、
前記レーザ加工装置は、
励起光を出射する励起用半導体レーザと、
レーザ媒質を有し、前記励起用半導体レーザから出射された前記励起光を受光することにより前記レーザ媒質が励起されて、パルスレーザを発振すると共に、前記パルスレーザを発振しない前記励起光の最大出力値である出力閾値より高い出力の励起光を受光すれば、前記励起光の出力に対応するパルスレーザを発振するよう構成されたレーザ発振器と、
前記レーザ発振器から発振された前記パルスレーザを加工対象物に走査する走査部と、を備え、
当該プログラムは、
前記パルスレーザの加工位置を含む加工情報を取得する取得処理と、
前記取得処理によって取得された加工情報に基づいて、前記走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間を算出する第1算出処理と、
前記第1算出処理によって算出された前記移動時間に基づいて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる期間である予備励起期間を算出する第2算出処理と、
前記走査部が前記待機位置から前記加工開始位置に移動する際に、前記第2算出処理によって算出された前記予備励起期間にて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させ、
前記走査部が前記加工開始位置から移動する際に、前記出力閾値より高い前記励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる出力処理と、を備え、
前記第2算出処理は、
前記レーザ発振器から前記加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な最小予備励起期間以上の前記予備励起期間を算出し、
前記第2算出処理は、
前記最小予備励起期間より前記移動時間が短いか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理によって前記移動時間が短いと判断されたことに応じて、前記最小予備励起期間を前記予備励起期間として算出する第3算出処理と、を備えること、
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ発振器を駆動制御するレーザ加工装置、レーザ加工装置を制御するための加工データを作成する加工データ作成装置、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、加工対象物にレーザ光により加工するレーザ加工装置の技術に関し種々提案されている。例えば、特許文献1に、レーザマーキング装置は、印字信号よりも小さいデューティ比を有し、これに基づいた印加電圧がレーザ発振を生じるための閾値電圧より小さくなるような予備信号をレーザ発振がオフの状態にレーザ発振器に出力するレーザマーキング装置が開示されている。これによって、レーザ出力の立ちあがりを急峻にすることができる。その結果、文字の書き始めが途中と比べてくっきり(濃く)印字することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000―22250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この予備信号の出力期間が長いと、立ちあがりが急峻となるが、印字の動作が開始してからの印字時間が長くなってしまう。逆に、予備信号の出力期間が短いと、立ちあがりがゆっくりとなってしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、レーザ発振器によるレーザ加工の印字品質を向上させることができ、かつ、印字時間が長くならないレーザ加工装置、レーザ加工装置を制御する加工データを作成する加工データ作成装置、及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、レーザ加工装置であって、励起光を出射する励起用半導体レーザと、レーザ媒質を有し、前記励起用半導体レーザから出射された前記励起光を受光することにより前記レーザ媒質が励起されて、パルスレーザを発振すると共に、前記パルスレーザを発振しない前記励起光の最大出力値である出力閾値より高い出力の励起光を受光すれば、前記励起光の出力に対応するパルスレーザを発振するよう構成されたレーザ発振器と、前記レーザ発振器から発振された前記パルスレーザを加工対象物に走査する走査部と、前記パルスレーザの加工位置を含む加工情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された加工情報に基づいて、前記走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間を算出する第1算出手段と、前記第1算出手段によって算出された前記移動時間に基づいて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる期間である予備励起期間を算出する第2算出手段と、前記走査部が前記待機位置から前記加工開始位置に移動する際に、前記第2算出手段によって算出された前記予備励起期間にて、前記予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させ、前記走査部が前記加工開始位置から移動する際に、前記出力閾値より高い前記励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる出力手段と、を備え、前記第2算出手段は、前記レーザ発振器から前記加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な最小予備励起期間以上の前記予備励起期間を算出し、前記第2算出手段は、前記最小予備励起期間より前記移動時間が短いか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記移動時間が短いと判断されたことに応じて、前記最小予備励起期間を前記予備励起期間として算出する第3算出手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、請求項に係る発明は、請求項に記載するレーザ加工装置であって、前記第2算出手段は、前記判断手段によって前記移動時間が短くないと判断されたことに応じて、前記予備励起期間を拡張する前記拡張予備励起期間に前記最小予備励起期間を加算した期間を前記予備励起期間として算出する第4算出手段を備えること、を特徴とする。
【0009】
また、請求項に係る発明は、レーザ加工装置を制御するための加工データを作成する加工データ作成装置であって、前記レーザ加工装置は、励起光を出射する励起用半導体レーザと、レーザ媒質を有し、前記励起用半導体レーザから出射された前記励起光を受光することにより前記レーザ媒質が励起されて、パルスレーザを発振すると共に、前記パルスレーザを発振しない前記励起光の最大出力値である出力閾値より高い出力の励起光を受光すれば、前記励起光の出力に対応するパルスレーザを発振するよう構成されたレーザ発振器と、前記レーザ発振器から発振された前記パルスレーザを加工対象物に走査する走査部と、を備え、当該加工データ作成装置は、前記パルスレーザの加工位置を含む加工情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された加工情報に基づいて、前記走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間を算出する第1算出手段と、前記第1算出手段によって算出された前記移動時間に基づいて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる期間である予備励起期間を算出する第2算出手段と、前記走査部が前記待機位置から前記加工開始位置に移動する際に、前記第2算出手段によって算出された前記予備励起期間にて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させ、前記走査部が前記加工開始位置から移動する際に、前記出力閾値より高い前記励起光を前記励起用半導体レーザに出力させるための加工データを作成する加工データ作成手段と、を備え、前記第2算出手段は、前記レーザ発振器から前記加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な最小予備励起期間以上の前記予備励起期間を算出し、前記第2算出手段は、前記最小予備励起期間より前記移動時間が短いか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記移動時間が短いと判断されたことに応じて、前記最小予備励起期間を前記予備励起期間として算出する第3算出手段と、を備えること、を特徴とする。
【0010】
また、請求項に係る発明は、レーザ加工装置を制御するコンピュータに実行されるプログラムであって、前記レーザ加工装置は、励起光を出射する励起用半導体レーザと、レーザ媒質を有し、前記励起用半導体レーザから出射された前記励起光を受光することにより前記レーザ媒質が励起されて、パルスレーザを発振すると共に、前記パルスレーザを発振しない前記励起光の最大出力値である出力閾値より高い出力の励起光を受光すれば、前記励起光の出力に対応するパルスレーザを発振するよう構成されたレーザ発振器と、前記レーザ発振器から発振された前記パルスレーザを加工対象物に走査する走査部と、を備え、当該プログラムは、前記パルスレーザの加工位置を含む加工情報を取得する取得処理と、前記取得処理によって取得された加工情報に基づいて、前記走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間を算出する第1算出処理と、前記第1算出処理によって算出された前記移動時間に基づいて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる期間である予備励起期間を算出する第2算出処理と、前記走査部が前記待機位置から前記加工開始位置に移動する際に、前記第2算出処理によって算出された前記予備励起期間にて、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させ、前記走査部が前記加工開始位置から移動する際に、前記出力閾値より高い前記励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる出力処理と、を備え、前記第2算出処理は、前記レーザ発振器から前記加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な最小予備励起期間以上の前記予備励起期間を算出し、前記第2算出処理は、前記最小予備励起期間より前記移動時間が短いか否かを判断する判断処理と、前記判断処理によって前記移動時間が短いと判断されたことに応じて、前記最小予備励起期間を前記予備励起期間として算出する第3算出処理と、を備えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明であるレーザ加工装置では、走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間に基づいて、予備励起期間を算出する。さらに、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する際に、その算出された予備励起期間にて、出力閾値以下の予備励起光を励起用半導体レーザに出力させる。
つまり、請求項1に係る発明であるレーザ加工装置では、出力閾値以下の予備励起光を励起用半導体レーザに出力させる時間として、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する時間に応じて、予備励起期間を拡張することができる。移動時間が最小予備励起期間より短い場合でも、少なくとも最小予備励起期間で、予備励起光を励起用半導体レーザに出力するため、立ちあがりが急峻になり、レーザ加工の印字品質を向上させることができる。また、移動時間が最小予備励起期間より長い場合でも、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する時間内に、予備励起期間が収まるため、印字時間が長くなることを防ぐことができる。
【0012】
また、請求項に係る発明であるレーザ加工装置では、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)より移動時間が短い場合には、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)を予備励起期間として算出する。
つまり、請求項に係る発明であるレーザ加工装置では、少なくとも、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)を予備励起期間として確保する。よって、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させることができる。その結果、最低印字品質を保証するレーザ発振器出力の立上り特性を得る場合でも、レーザ発振器から発振されるパルスレーザの立ちあがりを急峻にすることができる。
【0013】
また、請求項に係る発明であるレーザ加工装置では、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)より移動時間が短くない場合には、移動時間を予備励起期間として算出する。
つまり、請求項に係る発明であるレーザ加工装置では、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)以上の長い時間(拡張予備励起期間+最小予備励起期間)を予備励起期間として確保する。よって、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させることができる。その結果、最低印字品質を保証するレーザ発振器出力の立上り特性を得る場合でも、レーザ発振器から発振されるパルスレーザの立ちあがりを急峻にすることができる。
【0014】
また、請求項に係る発明である加工データ作成装置では、レーザ加工装置を制御するための加工データを以下のようにして作成する。走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間に基づいて、最小予備励起期間に対し、予備励起期間を拡張する拡張予備励起期間を算出し、予備励起期間を最小予備励起期間と拡張予備励起期間に基づいて算出する。さらに、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する際に、その算出された予備励起期間にて、出力閾値以下の予備励起光を励起用半導体レーザに出力させるための加工データを作成する。
つまり、請求項に係る発明である加工データ作成装置では、レーザ加工装置を制御するための加工データを作成すると、レーザ加工装置に対し、出力閾値以下の予備励起光を励起用半導体レーザに出力させる時間として、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する時間に応じて、予備励起期間を拡張することができる。移動時間が最小予備励起期間より短い場合でも、少なくとも最小予備励起期間で、予備励起光を励起用半導体レーザに出力するため、立ちあがりが急峻になり、レーザ加工の印字品質を向上させることができる。また、移動時間が最小予備励起期間より長い場合でも、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する時間内に、予備励起期間が収まるため、印字時間が長くなることを防ぐことができる。
さらに、請求項3に係る発明である加工データ作成装置では、レーザ加工装置を制御するための加工データを以下のようにして作成する。レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)より移動時間が短い場合には、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)を予備励起期間として算出する。
つまり、請求項3に係る発明である加工データ作成装置では、レーザ加工装置を制御するための加工データを作成すると、レーザ加工装置に対し、少なくとも、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)を予備励起期間として確保する。よって、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させることができる。その結果、最低印字品質を保証するレーザ発振器出力の立上り特性を得る場合でも、レーザ発振器から発振されるパルスレーザの立ちあがりを急峻にすることができる。
【0015】
また、請求項に係る発明であるプログラムでは、そのプログラムが実行されると、レーザ加工装置を以下のように制御する。走査部が待機位置から加工開始位置に移動するまでに要する移動時間に基づいて、印字品質を得るために最小限必要な予備励起期間である最小予備励起期間に対し、予備励起期間を拡張する拡張予備励起期間を算出し、予備励起期間を最小予備励起期間と拡張予備励起期間に基づいて算出する。さらに、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する際に、その算出された予備励起期間にて、出力閾値以下の予備励起光を励起用半導体レーザに出力させる。
つまり、請求項に係る発明であるプログラムでは、レーザ加工装置を制御すると、レーザ加工装置に対し、出力閾値以下の予備励起光を励起用半導体レーザに出力させる時間として、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する時間に応じて、予備励起期間を拡張することができる。移動時間が最小予備励起期間より短い場合でも、少なくとも最小予備励起期間で、予備励起光を励起用半導体レーザに出力するため、立ちあがりが急峻になり、レーザ加工の印字品質を向上させることができる。また、移動時間が最小予備励起期間より長い場合でも、走査部が待機位置から加工開始位置に移動する時間内に、予備励起期間が収まるため、印字時間が長くなることを防ぐことができる。
さらに、請求項4に係る発明であるプログラムでは、そのプログラムが実行されると、レーザ加工装置を以下のように制御する。レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)より移動時間が短い場合には、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力の前記パルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)を予備励起期間として算出する。
つまり、請求項4に係る発明であるプログラムでは、レーザ加工装置を制御すると、レーザ加工装置に対し、少なくとも、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させるために必要な予備励起期間(最小予備励起期間)を予備励起期間として確保する。よって、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力のパルスレーザを発振させることができる。その結果、最低印字品質を保証するレーザ発振器出力の立上り特性を得る場合でも、レーザ発振器から発振されるパルスレーザの立ちあがりを急峻にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るレーザ加工装置1の概略構成を示す図である。
図2】レーザ発振器11の概略構成を示す説明図である。
図3】レーザ加工装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図4】加工対象物6上のガルバノスキャナ18の照射位置を示す図である。
図5】待機位置P0から加工開始位置P1までの移動時間が最小予備励起期間T2より短い場合において、パルスレーザ光Lの出力、ガルバノスキャナ18の位置、及び励起用半導体レーザ28の駆動電流を時間との関係で示す図である。
図6】待機位置P0から加工開始位置P1までの移動時間が最小予備励起期間T2より長い場合において、パルスレーザ光Lの出力、ガルバノスキャナ18の位置、及び励起用半導体レーザ28の駆動電流を時間との関係で示す図である。
図7】レーザ加工装置1のレーザコントローラ3による駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。
図8】ガルバノの移動時間の算出についての処理の一例を示すフローチャートである。
図9】予備励起期間の算出についての処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るレーザ加工装置、加工データ作成装置、及びプログラムを具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るレーザ加工装置1の概略構成について図1乃至図3に基づいて説明する。
【0018】
[1.レーザ加工装置の概略構成]
図1に示すように、本実施形態に係るレーザ加工装置1は、レーザ加工装置本体部2と、レーザコントローラ3と、電源部5とから構成されている。レーザ加工装置本体部2は、レーザ光Lを加工対象物6の加工面6A上を2次元走査して文字、記号、図形等をマーキングする加工を行う。
【0019】
レーザコントローラ3は、コンピュータで構成されて、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)7と双方向通信可能に接続されると共に、レーザ加工装置本体部2及び電源部5と電気的に接続されている。そして、レーザコントローラ3は、PC7から送信された印字情報(加工情報)、制御パラメータ、各種指示情報等に基づいてレーザ加工装置本体部2及び電源部5を駆動制御する。つまり、レーザコントローラ3は、レーザ加工装置1の全体を制御する。
【0020】
レーザ加工装置本体部2の概略構成について図1に基づいて説明する。尚、レーザ加工装置本体部2の説明において、レーザ発振器11からレーザ光Lを出射する方向が、レーザ加工装置本体部2の前方向である。また、本体ベース12のレーザ発振器11を取り付けた取付面に対して垂直方向が、レーザ加工装置本体部2の上下方向である。そして、レーザ加工装置本体部2の上下方向及び前後方向に直交する方向が、レーザ加工装置本体部2の左右方向である。
【0021】
図1に示すように、レーザ加工装置本体部2は、本体ベース12と、レーザ光Lを出射するレーザ発振ユニット13と、光シャッター部15と、不図示の光ダンパーと、不図示のハーフミラーと、反射ミラー16と、光センサ17と、ガルバノスキャナ18と、fθレンズ19等から構成され、不図示の略直方体形状の筐体カバーで覆われている。
【0022】
レーザ発振ユニット13は、レーザ発振器11と、ビームエキスパンダ21等から構成されている。ビームエキスパンダ21は、レーザ光Lのビーム径を調整する(例えば、ビーム径を拡大する。)ものであり、レーザ発振器11と同軸に設けられている。不図示のハーフミラーは、光シャッター部15の前側に配置され、レーザ光Lの光路に対して斜め右後ろ方向に45度の角度を形成するように配置され、後側から入射されたレーザ光Lのほぼ全部を透過する。
【0023】
また、ハーフミラーは、後側から入射されたレーザ光Lの一部、例えば、レーザ光Lの1%を、反射ミラー16へ45度の反射角で反射する。反射ミラー16は、入射されたレーザ光Lを45度の反射角で前側方向へ反射する。光センサ17は、レーザ光Lの発光強度を検出するフォトディテクタ等で構成され、反射ミラー16で反射されたレーザ光Lが入射され、この入射されたレーザ光Lの発光強度を検出する。
【0024】
ガルバノスキャナ18は、本体ベース12の前側端部に形成された貫通孔の上側に取り付けられ、レーザ発振ユニット13から出射されたレーザ光Lを下方へ2次元走査するものである。ガルバノスキャナ18は、ガルバノX軸モータ22とガルバノY軸モータ23とが、それぞれのモータ軸が互いに直交するように外側からそれぞれの取付孔に嵌入されて本体部25に取り付けられ、各モータ軸の先端部に取り付けられた走査ミラーが内側で互いに対向している。そして、各モータ22、23の回転をそれぞれ制御して、各走査ミラーを回転させることによって、レーザ光Lを下方へ2次元走査する。この2次元走査方向は、前後方向(X方向)と左右方向(Y方向)である。
【0025】
fθレンズ19は、ガルバノスキャナ18によって2次元走査されたレーザ光Lを下方に配置された加工対象物6の加工面6Aに集光する。従って、各モータ22、23の回転を制御することによって、レーザ光Lが、加工対象物6の加工面6A上において、所望の印字パターンで前後方向(X方向)と左右方向(Y方向)に2次元走査される。
【0026】
次に、電源部5の概略構成について図1に基づいて説明する。図1に示すように、電源部5は、ケーシング27内に、励起用半導体レーザ28と、レーザドライバ29と、電源31と、冷却装置32とが配置されている。電源31は、励起用半導体レーザ28を駆動する駆動電流をレーザドライバ29を介して励起用半導体レーザ28に供給する。レーザドライバ29は、レーザコントローラ3から入力される駆動情報に基づいて、励起用半導体レーザ28を直流駆動する。
【0027】
励起用半導体レーザ28は、光ファイバ33によってレーザ発振器11に光学的に接続されている。励起用半導体レーザ28は、レーザドライバ29から入力されるパルス状の駆動電流に対して、レーザ光を発生する閾値電流を超えた電流値に比例した出力[W]の波長λのレーザ光を光ファイバ33内に出射する。従って、レーザ発振器11は、励起用半導体レーザ28の波長λのレーザ光(以下、「励起光」という。)が光ファイバ33を介して入射される。励起用半導体レーザ28は、例えば、GaAsを用いたレーザバーを用いることができる。
【0028】
冷却装置32は、電源31及び励起用半導体レーザ28を電子冷却方式により冷却し、励起用半導体レーザ28の温度制御を行っており、励起用半導体レーザ28の発振波長を微調整することができる。尚、冷却装置32は、水冷式の冷却装置や、空冷式の冷却装置等を用いるようにしてもよい。
【0029】
次に、レーザ発振器11の概略構成について図2に基づいて説明する。図2に示すように、レーザ発振器11は、ケーシング35内に、ファイバコネクタ36と、集光レンズ37と、反射鏡38と、レーザ媒質39と、受動Qスイッチ41と、出力カプラー42と、ウインドウ43とが配設されている。ファイバコネクタ36は、光ファイバ33が接続され、励起用半導体レーザ28から出射された励起光が、光ファイバ33を介して入射される。
【0030】
集光レンズ37は、ファイバコネクタ36から入射された励起光を集光する。反射鏡38は、集光レンズ37によって集光された励起光を透過すると共に、レーザ媒質39から出射されたレーザ光を高効率で反射する。レーザ媒質39は、励起用半導体レーザ28から出射された励起光によって励起されてレーザ光を発振する。レーザ媒質39としては、例えば、レーザ活性イオンとしてネオジウム(Nd)が添加されたネオジウム添加ガドリニウムバナデイト(Nd:GdVO)結晶や、ネオジウム添加イットリウムバナデイト(Nd:YVO)結晶や、Nd:YAG結晶等を用いることができる。
【0031】
受動Qスイッチ41は、内部に蓄えられた光エネルギーがある一定値を超えたとき、透過率が80%〜90%になるという性質持った結晶である。従って、受動Qスイッチ41は、レーザ媒質39によって発振されたレーザ光をパルス状のパルスレーザとして発振するQスイッチとして機能する。受動Qスイッチ41としては、例えば、クロームYAG(Cr:YAG)結晶やCr:MgSiO結晶等を用いることができる。従って、レーザ発振器11は、受動Qスイッチ41を介してパルスレーザを発振する。
【0032】
出力カプラー42は、反射鏡38とレーザ共振器を構成する。出力カプラー42は、例えば、表面に誘電体層膜をコーティングした凹面鏡により構成された部分反射鏡で、波長1063nmでの反射率は、80%〜95%である。ウインドウ43は、合成石英等から形成され、出力カプラー42から出射されたレーザ光を外部へ透過させる。
【0033】
従って、レーザ発振器11は、励起用半導体レーザ28から光ファイバ33を介してパルスレーザを発振しない励起光の最大出力値である「出力閾値」より高い出力の励起光を受光し、且つ、励起光の出力期間が該レーザ発振器11がパルスレーザを発振する最小出力期間である「期間閾値」より長い場合に、励起光の出力閾値を超えた出力値に比例した平均出力を持つ波長λのパルスレーザを発振する。「出力閾値」と「期間閾値」は、励起用半導体レーザ28の特性や、Nd:YVO結晶やNd:YAG結晶等の種類、又は、これらの組み合わせによって決定される。
【0034】
次に、レーザ加工装置1の回路構成について図3に基づいて説明する。図3に示すように、レーザ加工装置1は、レーザ加工装置1の全体を制御するレーザコントローラ3、ガルバノコントローラ45、ガルバノドライバ46、レーザドライバ29等から構成されている。レーザコントローラ3には、ガルバノコントローラ45、レーザドライバ29、光センサ17等が電気的に接続されている。
【0035】
また、レーザコントローラ3には、PC7が双方向通信可能に接続され、PC7から送信された印字情報(加工情報)、レーザ加工装置本体部2の制御パラメータ、ユーザからの各種指示情報等を受信可能に構成されている。また、PC7には、不図示の入出力インターフェースを介してマウス63、及びキーボード64等から構成される入力操作部61、液晶ディスプレイ(LCD)62等が電気的に接続されている。
【0036】
レーザコントローラ3は、レーザ加工装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU51、RAM52、ROM53、時間を計測するタイマ54等を備えている。また、CPU51、RAM52、ROM53、タイマ54は、不図示のバス線により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。
【0037】
RAM52は、CPU51により演算された各種の演算結果や印字パターンのXY座標データ等を一時的に記憶させておくためのものである。ROM53は、各種のプログラムを記憶させておくものであり、PC7から送信された印字情報(加工情報)に基づいて印字パターンのXY座標データを算出してRAM52に記憶する等の各種プログラムが記憶されている。ROM53には、フォントの種類別に、直線と楕円弧とで構成された各文字のフォントの始点、終点、焦点、曲率等のデータが記憶されている。ROM53には、後述の駆動制御処理のプログラム(図7乃至図9参照)が記憶されている。
【0038】
そして、CPU51は、かかるROM53に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算及び制御を行なうものである。例えば、CPU51は、PC7から入力された印字情報(加工情報)に基づいて算出した印字パターンのXY座標データ、ガルバノ走査速度情報等をガルバノコントローラ45に出力する。また、CPU51は、PC7から入力された印字情報(加工情報)に基づいて設定した励起用半導体レーザ28の励起光出力[W]、励起光の出力期間[ms]等の励起用半導体レーザ28の駆動パターン(加工データ)をレーザドライバ29に出力する。
【0039】
ガルバノコントローラ45は、レーザコントローラ3から入力された印字パターンのXY座標データ、ガルバノ走査速度情報等に基づいて、ガルバノX軸モータ22とガルバノY軸モータ23の駆動角度、回転速度等を算出して、駆動角度、回転速度を表すモータ駆動情報をガルバノドライバ46へ出力する。ガルバノドライバ46は、ガルバノコントローラ45から入力された駆動角度、回転速度を表すモータ駆動情報に基づいて、ガルバノX軸モータ22とガルバノY軸モータ23を駆動制御して、レーザ光Lを2次元走査する。
【0040】
レーザドライバ29は、レーザコントローラ3から入力された励起用半導体レーザ28の励起光出力[W]、励起光の出力期間[ms]等のレーザ駆動情報等に基づいて、励起用半導体レーザ28を駆動制御する。具体的には、レーザドライバ29は、レーザコントローラ3から入力されたレーザ駆動情報の励起光出力[W]に比例した電流値のパルス状の駆動電流を発生し、レーザ駆動情報の励起光の出力期間[ms]の間、励起用半導体レーザ28に出力する。これにより、励起用半導体レーザ28は、励起光出力[W]の励起光を出力期間[ms]の間、光ファイバ33内に出射する。
【0041】
[2.駆動制御処理]
次に、上記のように構成されたレーザ加工装置1のレーザコントローラ3による駆動制御処理について図4乃至図9に基づいて説明する。
【0042】
図7に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、レーザコントローラ3のCPU51は、PC7から加工情報を取得する。その加工情報には、ガルバノスキャナ18の移動速度、加工開始位置、及び待機位置等に関する情報が含まれる。
【0043】
図4を参照して、本実施形態の加工工程について説明する。
【0044】
図4に示す様に、後述するS15にて、CPU51が、ガルバノコントローラ45、及びレーザドライバ29に加工データを出力する前において、加工対象物6上の照射位置が、待機位置P0(X0,Y0)に配置されている。本実施形態では、待機位置P0は、ガルバノスキャナ18の走査原点であり、fθレンズ19の光軸上をレーザ光Lが通過する加工対象物6上の照射位置である。走査原点とは、ガルバノスキャナ18のモータ22、23に電圧を印加していないときにガルバノスキャナ18が加工対象物6の加工面6Aに照射する位置である。
【0045】
なお、待機位置P0は、走査原点でなくても、fθレンズ19の光軸上でなくてもよい。例えば、待機位置P0は、前回、加工対象物6を加工終了したレーザ光の照射位置であってもよい。この場合、前回、加工対象物6を加工終了したレーザ光の照射位置をガルバノスキャナのエンコーダから読み取って、RAM52に記憶させる。そして、ガルバノスキャナ18を制御して、前回、加工終了したレーザ光Lの照射位置から、今回、加工を開始するレーザ光Lの照射位置まで移動させる。待機位置P0は、印字に関する動作を開始させるタイミングにおける加工対象物6上の照射位置であればよい。
【0046】
後述するS15にて、CPU51が、ガルバノコントローラ45、及びレーザドライバ29に加工データを出力すると、ガルバノコントローラ45は、加工対象物6上の照射位置を、待機位置P0(X0,Y0)から加工開始位置P1(X1,Y1)まで移動速度Vaで移動させる。
【0047】
次に、加工データに従って、レーザドライバ29は、励起用半導体レーザ28に励起光を出力させ、その結果、レーザ発振器11が、パルスレーザ光Lを出力する。レーザドライバ29が、パルスレーザ光Lを出力しながら、ガルバノコントローラ45は、加工対象物6上の照射位置を、加工開始位置P1(X1,X2)からP2(X2,Y2)まで移動させる。
【0048】
さらに、加工データに従って、レーザドライバ29は、励起用半導体レーザ28に出力させ、その結果、レーザ発振器11が、パルスレーザ光Lを出力する。レーザドライバ29が、パルスレーザ光Lを出力しながら、ガルバノコントローラ45は、加工対象物6上の照射位置を、P2(X2,Y2)から加工終了位置P3(X3,Y3)まで移動させる。
【0049】
加工データに従って、加工対象物6上の照射位置が、P3に移動した直後、レーザドライバ29は、励起用半導体レーザ28の励起光の出力を停止させ、その結果、レーザ発振器11が、パルスレーザ光Lの出力を停止する。そして、励起用半導体レーザ28が励起光の出力を停止した状態で、ガルバノコントローラ45は、加工対象物6上の照射位置を、加工終了位置P3から別の位置へ移動させる。このようにして、レーザドライバ29及びガルバノコントローラ45は、パルスレーザ光を照射し、加工対象物6に加工する。
【0050】
S12では、レーザコントローラ3のCPU51は、ガルバノの移動時間の算出についての処理を行う。
【0051】
この処理では、図8に示すように、レーザコントローラ3のCPU51は、先ず、S21において、その加工情報から必要なデータを取得する。その取得されたデータには、ガルバノスキャナ18の移動速度Va、加工開始位置P1、及び待機位置P0に関する各データがある。
【0052】
S22では、レーザコントローラ3のCPU51は、上記S21で取得したデータからガルバノスキャナ18の移動時間を算出する。その算出では、移動時間=(加工開始位置P1−待機位置P0)の距離/移動速度Va、という式を用いる。移動速度Vaは、例えば、300[mm/s]である。
【0053】
その後は、上記図7に戻って、S13に進む。S13では、レーザコントローラ3のCPU51は、予備励起期間の算出についての処理を行う。
【0054】
この処理では、図9に示すように、レーザコントローラ3のCPU51は、先ず、S31において、ガルバノスキャナ18の移動時間が最小予備励起期間T2より短いか否かを判定する。最小予備励起期間T2とは、印字品質を得るために最小限必要な励起用半導体レーザ28の予備励起期間である。最小予備励起期間T2は、前記出力閾値以下の予備励起光を前記励起用半導体レーザに出力させる期間である。ガルバノスキャナ18の移動時間とは、上記図8のS22で算出された移動時間である。なお、詳しくは後述するが、予備励起期間は、少なくとも最小予備励起期間T2以上となる。最小予備励起期間T2は、レーザ発振器11から所定の出力S1のパルスレーザを、加工開始位置にて発振させるために必要な予備励起期間である。最小予備励起期間T2は、レーザ発振器11から所定のパルスレーザの出力S1を、励起光を出力するタイミングであるu3において発振させるために必要なエネルギーをレーザ媒質39に蓄えられる期間である。レーザ媒質39に蓄えられるエネルギーは、励起用半導体レーザ28から出力する励起光のエネルギーと、最小予備励起期間T2とを乗算した総エネルギーから、最小予備励起期間T2分のエネルギーの減衰量を減算したエネルギーである。レーザ媒質39に蓄えられるエネルギーが、レーザ発振器11から所定のパルスレーザの出力S1を、励起光を出力するタイミングであるu3において発振させるためのエネルギー以上となるよう、最小予備励起期間T2が設定されている。所定の出力S1は、例えば、3[W]である。
【0055】
ここで、ガルバノスキャナ18の移動時間が最小予備励起期間T2より短い場合(S31:YES)には、レーザコントローラ3のCPU51は、S32にて、最小予備励起期間T2を予備励起期間として算出し、その算出した予備励起期間を加工情報に含ませる。その後は、上記図7に戻って、S14に進む。
【0056】
このようにして、S32の処理が実行された場合には、後述する上記図6のS14,S15の各処理が実行されることによって、図5に示すケースのようになる。
【0057】
図5を参照して、ガルバノスキャナ18の移動時間T4が、最小予備励起期間T2より短い場合の加工データについて詳細に説明する。
【0058】
印字に関する動作を開始させるタイミングであるタイミングu2から最小予備励起期間T2だけ、レーザドライバ29は、予備励起電流A1を、励起用半導体レーザ28に流す。予備励起電流A1は、例えば、2[A]である。タイミングu2において、パルスレーザ光Lの照射位置は、待機位置P0にある。最小予備励起期間T2は、例えば、20[msec]である。
【0059】
タイミングu5において、レーザドライバ29は、予備励起電流A1を、励起用半導体レーザ28に流した状態で、ガルバノコントローラ45は、移動速度Vaで待機位置P0から加工開始位置P1までの移動を開始させる。タイミングu5から、移動時間T4後のタイミングu3において、パルスレーザ光Lの照射位置が、加工開始位置P1に到達する。移動時間T4は、(加工開始位置P1−待機位置P0)/移動速度Vaである。移動時間T4は、予めS22にて算出され、RAM52に記憶されている。移動時間T4は、例えば、13[msec]である。
【0060】
タイミングu3から、励起期間T3だけ、レーザドライバ29は、励起電流A2を、励起用半導体レーザ28に流す。励起電流A2は、例えば、5[mA]である。タイミングu3において、パルスレーザ光Lの照射位置は、加工開始位置P1にある。ガルバノコントローラ45は、移動速度Vaで加工開始位置P1からP2を経由して加工終了位置P3までの移動を開始させる。励起期間T3は、例えば、44[msec]である。励起期間T3は、パルスレーザ光Lの照射位置が、加工開始位置P1から、P2を経由して、加工終了位置P3まで移動する期間である。従って、励起期間T3は、((P2−P1)+(P3―P2))/移動速度Vaである。励起期間T3は、CPU51によって予めS14にて算出され、加工データとして生成される。レーザドライバ29は、励起電流A2を、励起用半導体レーザ28に流すことによって、レーザ発振器11は、所定の出力S1でパルスレーザ光Lを出力する。タイミングu3におけるパルスレーザ光Lの周波数は、例えば、10[kHz]である。タイミングu3から、パルスレーザ光Lを安定させる期間T8後、パルスレーザ光Lは安定する。具体的には、パルスレーザ光Lの出力が、5[W]、パルスレーザ光Lの周波数が、30[kHz]となる。パルスレーザ光を安定させる期間T8は、例えば、4[msec]である。
【0061】
タイミングu6において、レーザドライバ29は、励起電流A2を、励起用半導体レーザ28を流した状態で、ガルバノコントローラ45は、移動速度VaでP2から加工終了位置P3までの移動を開始させる。
【0062】
タイミングu4において、レーザドライバ29は、励起用半導体レーザ28への電流の印加を停止させる。レーザドライバ29が、励起用半導体レーザ28への電流の印加を停止させると、レーザ発振器11は、パルスレーザ光Lの出力を停止する。加工期間T7は、印字を開始させるタイミングu2から、加工終了のタイミングu4までの期間である。即ち、加工期間T7は、最小予備励起期間T2に、励起期間T3を加算した期間である。このようにして、ガルバノスキャナ18の移動時間T4が、最小予備励起期間T2より短い場合、レーザドライバ29及びガルバノコントローラ45は、励起用半導体レーザ28及びガルバノスキャナ18を駆動する。
【0063】
つまり、ガルバノスキャナ18がP0からP1まで移動する移動時間が、励起用半導体レーザ28の最小予備励起期間T2より短い。そのため、加工期間T7は、励起用半導体レーザ28の最小予備励起期間T2と励起期間T3の和になる。
【0064】
さらに、加工開始タイミングu3直前までの予備励起期間である最小予備励起期間T2は、ガルバノスキャナ18がP0からP1まで移動する移動時間T4よりも長くなる。しかしながら、最小予備励起期間T2は、20[msec]と非常に短い。また、一般的に、待機位置P0から加工開始位置P1までの移動時間は、最小予備励起期間T2である20[msec]以上であることがほとんどである。従って、移動時間が短い場合でも、励起用半導体レーザ28の最小予備励起期間T2で済ますことができる。尚、加工開始タイミングu3直後の励起期間T3は、ガルバノスキャナ18がP1からP2を経由してP3まで移動する移動時間に等しい。
【0065】
これに対して、ガルバノスキャナ18の移動時間が最小予備励起期間T2より短くない場合(S31:NO)には、レーザコントローラ3のCPU51は、S33にて、ガルバノスキャナ18の移動時間T4を予備励起期間として算出し、その算出した予備励起期間を加工情報に含ませる。その後は、上記図7に戻って、S14に進む。
【0066】
このようにして、S33の処理が実行された場合には、後述する上記図7のS14,S15の各処理が実行されることによって、図6が示すケースのようになる。
【0067】
図6を参照して、ガルバノスキャナ18の移動時間T4が、最小予備励起期間T2より長い場合の加工データについて詳細に説明する。
【0068】
印字に関する動作を開始させるタイミングであるタイミングu1から予備励起期間T6だけ、レーザドライバ29は、予備励起電流A1を、励起用半導体レーザ28に流す。予備励起電流A1とは、励起用半導体レーザ28から光ファイバ33を介してパルスレーザを発振しない励起光の最大出力値である「出力閾値」より低い出力の励起光をレーザ発振器11が受光する際に、励起用半導体レーザ28に対して印加される電流である。従って、励起用半導体レーザ28の励起電流A2は予備励起電流A1よりも大きい。タイミングu1において、パルスレーザ光Lの照射位置は、待機位置P0にある。予備励起期間T6は、拡張予備励起期間T1に最小予備励起期間T2を加算した期間である。拡張予備励起期間T1は、例えば、6[msec]である。予備励起期間T6は、例えば、26[msec]である。さらに、タイミングu1において、ガルバノコントローラ45は、移動速度Vbで待機位置P0から加工開始位置P1までの移動を開始させる。タイミングu1から、移動時間T4後のタイミングu3において、パルスレーザ光Lの照射位置が、加工開始位置P1に到達する。移動時間T4は、(加工開始位置P1−待機位置P0)/移動速度Vbである。移動時間T4は、予めS22にて算出され、RAM52に記憶されている。移動速度Vbは、例えば、150[mm/sec]である。
【0069】
タイミングu3から、励起期間T3だけ、レーザドライバ29は、励起電流A2を、励起用半導体レーザ28に流す。なお、励起電流A2とは、励起用半導体レーザ28から光ファイバ33を介してパルスレーザを発振しない励起光の最大出力値である「出力閾値」より高い出力の励起光をレーザ発振器11が受光する際に、励起用半導体レーザ28に対して印加される電流である。タイミングu3において、パルスレーザ光Lの照射位置は、加工開始位置P1にある。レーザドライバ29は、励起電流A2を、励起用半導体レーザ28に流すことによって、レーザ発振器11は、出力S3で、パルスレーザ光Lを出力する。タイミングu3において、ガルバノコントローラ45は、移動速度Vaで加工開始位置P1からP2を経由して加工終了位置P3までの移動を開始させる。出力S3は、例えば、4[W]である。タイミングu3におけるパルスレーザ光Lの周波数は、例えば、15[kHz]である。タイミングu3から、パルスレーザ光Lを安定させる期間T9後、パルスレーザ光Lは安定する。具体的には、パルスレーザ光Lの出力が、5[W]、パルスレーザ光Lの周波数が、30[kHz]となる。パルスレーザ光を安定させる期間T9は、例えば、3[msec]である。
【0070】
タイミングu6において、レーザドライバ29は、励起電流A2を、励起用半導体レーザ28に流した状態で、ガルバノコントローラ45は、P2から加工終了位置P3までの移動を開始させる。
【0071】
タイミングu4において、レーザドライバ29は、励起用半導体レーザ28への電流の印加を停止させる。レーザドライバ29が、励起用半導体レーザ28への電流の印加を停止させると、レーザ発振器11は、パルスレーザ光Lの出力を停止する。加工期間T5は、印字に関する動作を開始させるタイミングu1から、加工終了のタイミングu4までの期間である。即ち、加工期間T5は、予備励起期間T6に、励起期間T3を加算した期間である。このようにして、ガルバノスキャナ18の移動時間T4が、最小予備励起期間T2より長い場合、レーザドライバ29及びガルバノコントローラ45は、励起用半導体レーザ28及びガルバノスキャナ18を駆動する。
【0072】
つまり、ガルバノスキャナ18がP0からP1まで移動する移動時間T4が、励起用半導体レーザ28の最小予備励起期間T2より長い。そのため、加工期間T5は、ガルバノスキャナ18の移動時間T4と励起期間T3との和になる。
【0073】
さらに、加工開始タイミングu3直前までの予備励起期間T6は、ガルバノスキャナ18の移動時間に等しくなるので、励起用半導体レーザ28においては、最小予備励起期間T2に対し、拡張予備励起期間T1を加えた値となる。尚、加工開始タイミングu3直後の励起期間T3は、ガルバノスキャナ18がP1からP2を経由してP3まで移動する移動時間に等しい。
【0074】
従って、図5が示すケースでは、図6に示すケースと比べると、励起用半導体レーザ28の最小予備励起期間T2に対し、励起期間T3を増やすことなく、拡張予備励起期間T1を加える。さらに、拡張予備励起期間T1を最小予備励起期間T2に加えることにより、タイミングu3におけるレーザ発振器11のレーザ出力がより安定する。
【0075】
上記図6に戻って、S14では、レーザコントローラ3のCPU51は、ガルバノスキャナ18、及び励起用半導体レーザ28の加工データを加工情報(予備励起期間を含む)から生成する。S15では、レーザコントローラ3のCPU51は、その加工データをガルバノコントローラ45、及びレーザドライバ29に出力する。S15終了後、CPU51は、駆動制御処理を終了させる。
【0076】
[3.まとめ]
すなわち、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、ガルバノスキャナ18が待機位置P0から加工開始位置P1に移動するまでに要する移動時間に基づいて、最小予備励起期間T2に対し、予備励起期間を拡張する拡張予備励起期間T1を算出し(S21,S22)、予備励起期間を最小予備励起期間T2と拡張予備励起期間T1に基づいて算出する(S31,S32,S33)。さらに、ガルバノスキャナ18が待機位置P0から加工開始位置P1に移動する際に、その算出された予備励起期間T6にて、出力閾値以下の予備励起光を励起用半導体レーザ28に出力させる(S14,S15)。
【0077】
つまり、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、図6のケースのように、出力閾値以下の予備励起光を励起用半導体レーザ28に出力させる時間として、ガルバノスキャナ18が待機位置P0から加工開始位置P1に移動する時間まで延長させるケースがある。この場合、タイミングu3以降のパルスレーザの出力が一層安定し、励起光の出力に対応するパルスレーザを発振するよう構成されたレーザ発振器11によるレーザ加工の印字品質を向上させることができる。
【0078】
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力S1のパルスレーザを発振させるために必要な励起用半導体レーザ28の予備励起期間(最小予備励起期間T2)よりガルバノスキャナ18の移動時間が短い場合(S31:YES)には、最小予備励起期間T2を予備励起期間として算出する(S32)。
【0079】
つまり、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、図5のケースのように、少なくとも、励起用半導体レーザ28の予備励起期間(最小予備励起期間T2)を予備励起期間として確保する。よって、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力S1のパルスレーザを発振させることができる。その結果、最低印字品質を保証するレーザ発振器11の出力の立上り特性を得る場合でも、レーザ発振器11から発振されるパルスレーザの立ちあがりを急峻にすることができる。
【0080】
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、励起用半導体レーザ28の予備励起期間(最小予備励起期間T2)よりガルバノスキャナ18の移動時間が短くない場合(S31:NO)には、ガルバノスキャナ18の移動時間を予備励起期間として算出する(S33)。
【0081】
つまり、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、図6のケースのように、励起用半導体レーザ28の予備励起期間(最小予備励起期間T2)以上の長い時間(拡張予備励起期間T1を最小予備励起期間T2に加算した期間)を予備励起期間として確保する。よって、レーザ発振器から加工開始位置にて所定の出力S1のパルスレーザを発振させることができる。その結果、レーザ発振器11から発振されるパルスレーザの立ちあがりを一層急峻にすることができる。
【0082】
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、ガルバノスキャナ18が待機位置P0から加工開始位置P1に移動するまでの距離(P1−P0)とガルバノスキャナ18の移動速度Vaとに基づいて、ガルバノスキャナ18が待機位置P0から加工開始位置P1に移動するまでに要する移動時間を算出する(S21,S22)。
【0083】
つまり、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、ガルバノスキャナ18が待機位置P0から加工開始位置P1に移動するまでに要する移動時間を精度良く算出することができる。
【0084】
[4.その他]
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、図7乃至図9に示された駆動制御処理をPC7が行ってもよい。但し、そのようなケースでは、図7乃至図9に示された駆動制御処理のプログラムはPC7自身に記憶され、加工情報の取得(図7のS11)はPC7自身から取得し、加工データの出力(図7のS15)はレーザコントローラ3に対して行われる。
【符号の説明】
【0085】
1 レーザ加工装置
3 レーザコントローラ
7 PC
11 レーザ発振器
18 ガルバノスキャナ
22 ガルバノX軸モータ
23 ガルバノY軸モータ
28 励起用半導体レーザ
29 レーザドライバ
45 ガルバノコントローラ
46 ガルバノドライバ
51 CPU
52 RAM
53 ROM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9