(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
放電用のガスが封入された内部を視認可能な放電用容器及び放電用電極を有し、前記放電用電極に対して前記放電用のガスが電離可能な電圧が付与された場合に前記放電用容器内で放電発光を行うプラズマ放電手段と、
当該放電の放電経路を誘導するように前記放電用電極との間に電位差を生じさせる補助電極と、
を備え、
前記放電用電極は棒状をなしており、
前記放電用容器は球形状をなしており、当該放電用容器には、その一部を内側に凹ませることによって前記放電用電極が挿入可能な凹部が形成されており、
前記放電用電極は前記凹部に対して挿入した状態で配置されており、
前記補助電極は、前記放電経路を前記放電用電極の軸線方向と交差する方向に誘導するように配置されており、
前記凹部の内周面に導電層が設けられ、
前記導電層に対して複数箇所で接触し、前記放電用電極と前記導電層とを電気的に接続する接続手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はパチンコ機10の正面図、
図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、
図3はパチンコ機10の背面図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0010】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製又は合成樹脂製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより遊技ホールに設置される。
【0011】
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
【0012】
本体枠13には、前扉枠14と裏パックユニット15とがそれぞれ回動可能に支持されている。前扉枠14は、正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として本体枠13に対して前方へ回動可能とされている。また、裏パックユニット15は、正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として本体枠13に対して後方へ回動可能とされている。
【0013】
前扉枠14は、本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光体を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
【0014】
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出することで上下2段に膨出部31,32(上側膨出部31、下側膨出部32)が設けられている。上側膨出部31には上方に開口した上皿33が設けられ、下側膨出部32には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射装置側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル36が設けられている。遊技球発射ハンドル36が操作されることにより、後述する遊技球発射装置から遊技球が発射される。
【0015】
前扉枠14の背面には、後述する払出装置により払い出される遊技球を上皿33と下皿34とに振り分けて流通させる通路形成ユニット37が取り付けられている。その他、前扉枠14の背面にはその回動先端側に、本体枠13に対する施錠機構を構成する鉤金具38が上下方向に複数設けられている。
【0016】
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体として構成されており、その回動先端側には、前扉枠14に設けられた鉤金具38を挿入するための挿入孔42が複数設けられている。鉤金具38が挿入孔42に挿入されることで、図示しない施錠装置が係止状態となり、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。樹脂ベース41の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠43が設置されており、シリンダ錠43の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠43の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
【0017】
樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔44が形成されている。樹脂ベース41には、窓孔44の下方に遊技球発射装置45が取り付けられている。遊技球発射装置45は、例えばソレノイド駆動式の発射機構を有しており、ソレノイドへの電気信号の入力により出力軸が伸縮方向に移動し、発射レール上の遊技球を遊技領域に向けて順次打ち出される。
【0018】
また、樹脂ベース41には遊技盤51が着脱可能に取り付けられている。遊技盤51は合板よりなり、遊技盤51の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔44を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0019】
ここで、遊技盤51の構成を
図4に基づいて説明する。遊技盤51には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口52、可変入賞装置53、作動口54、スルーゲート55及び可変表示ユニット56等がそれぞれ設けられている。一般入賞口52、可変入賞装置53及び作動口54に遊技球が入ると、それが図示しない検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤51の最下部にはアウト口57が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口57を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤51には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘58が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0020】
また、遊技盤51には表示領域を有するメイン表示部59が設けられている。メイン表示部59では、作動口54への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、作動口54への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。
【0021】
なお、メイン表示部59の表示領域は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部59にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
【0022】
可変表示ユニット56には、作動口54への入賞をトリガとして図柄を可変表示する表示部61が設けられている。また、可変表示ユニット56には、表示部61を囲むようにしてセンターフレーム62が配設されている。センターフレーム62の上部には、第1特定ランプ部63及び第2特定ランプ部64が設けられている。また、センターフレーム62の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部65,66が設けられている。下側の保留ランプ部65は、表示部61及び第1特定ランプ部63に対応しており、遊技球が作動口54を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部65の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部66は、第2特定ランプ部64に対応しており、遊技球がスルーゲート55を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部66の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0023】
第1特定ランプ部63では、作動口54への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部64では、遊技球のスルーゲート55の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口54に付随する電動役物54aが所定時間だけ開放状態となる。
【0024】
可変入賞装置53は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい開閉動作を行うようになっている。可変入賞装置53の開閉動作態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返し開放されるものが一般的である。
【0025】
遊技盤51には、内レール部67と外レール部68とが取り付けられており、これら各レール部67,68により誘導レールが構成され、遊技球発射装置45から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
【0026】
次に、本体枠13の背面における要部構成について
図5を用いて説明する。
図5は本体枠13の背面図である。
【0027】
遊技盤51に取り付けられる可変表示ユニット56には、図柄の可変表示を制御する表示制御装置が可変表示ユニット56の背面側に設けられている。また、表示制御装置の後方に音声ランプ制御装置71が搭載されている。音声ランプ制御装置71は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
【0028】
また、遊技盤51の背面において、可変表示ユニット56や音声ランプ制御装置71の下方には主制御装置72が搭載されている。主制御装置72は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
【0029】
なお、樹脂ベース41の背面には係止金具74が複数設けられており、これら係止金具74によって、樹脂ベース41に対して遊技盤51が着脱自在に取り付けられている。
【0030】
次に、パチンコ機10の背面構成を
図3を用いて説明する。
【0031】
図3において、裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により成形されてなる裏パック81を備えている。裏パック81は、樹脂ベース41とほぼ同じ外寸法を有しかつ略中央部に矩形状の開口部82aを有するベース部82と、パチンコ機10後方に突出するようにしてベース部82の開口部82aに設けられる保護カバー部83とを有する。保護カバー部83は左右側面及び上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された略直方体形状をなし、少なくとも可変表示ユニット56を囲むのに十分な大きさを有する。
【0032】
ベース部82には、その右上部に外部端子板84が設けられている。外部端子板84には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
【0033】
ベース部82には、保護カバー部83を迂回するようにして払出機構部が配設されている。すなわち、裏パック81の最上部には上方に開口したタンク86が設けられており、タンク86には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク86の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール87が連結され、タンクレール87の下流側には上下方向に延びるケースレール88が連結されている。ケースレール88の最下流部には払出装置89が設けられている。払出装置89より払い出された遊技球は、払出装置89の下流側に設けられた払出通路や遊技球分配部を経由して上皿33や下皿34に供給される。
【0034】
ベース部82において開口部82aの下方には、払出制御装置91と電源・発射制御装置92とが搭載されている。これら各制御装置91,92は、払出制御装置91がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。払出制御装置91は、払出装置89を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。電源・発射制御装置92は、電源・発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル36の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。
【0035】
次いで、遊技盤51に取り付けられている可変表示ユニット56について詳細に説明する。
図6は、遊技盤51に取り付けられた状態で可変表示ユニット56の内部構造を示す縦断面図であり、図の左方がパチンコ機前方(遊技盤51の表側)、右方がパチンコ機後方(遊技盤51の裏側)である。なお、遊技盤51の裏側には、可変表示ユニット56以外に球通路等が設けられるが、説明の便宜上、
図6では図示を省略している。
【0036】
可変表示ユニット56は、遊技盤51の裏面側(背面側)に位置するようにして設けられており、遊技盤51に形成された開口部100を通じてパチンコ機前方から当該可変表示ユニット56の視認が可能となっている。遊技盤51には、その開口部100の周縁部を囲うようにしてセンターフレーム62が取り付けられている。なお、センターフレーム62の正面視の形状については
図4を参照されたい。
【0037】
遊技盤51の開口部100には透明板101が設けられており、透明板101を通じてその後方の可変表示ユニット56の表示図柄が視認可能となっている。この透明板101が表示部61(
図4参照)に相当する。透明板101は、遊技領域(遊技盤51とガラス22との間の空間)を落下する遊技球が可変表示ユニット56内に入らないようにする保護カバーでもある。なお、
図6の構成では、遊技盤51の裏面と面一となるように透明板101が設けられているが、これ以外に、遊技盤51の表面と面一となるように透明板101を設置したり、遊技盤51の裏面よりも後方側に透明板101を設置したりすることも可能である。
【0038】
可変表示ユニット56は、略直方体状をなす本体ケース111を有しており、その本体ケース111内に、絵柄表示手段としての7セグメント表示装置112と、プラズマ放電手段としてのプラズマ放電装置113とが設けられるとともに、これら7セグメント表示装置112及びプラズマ放電装置113による表示態様を鏡面上で合成するミラー部材114が設けられている。
【0039】
本体ケース111は、その上下方向の高さ寸法が遊技盤51の開口部100の上下方向の長さ寸法よりも大きいものとなっており、その前面側には、遊技盤51の開口部100とほぼ同じ大きさを有するケース開口部111aが形成されている。また、本体ケース111の内壁面は黒色となっている。
【0040】
そして、本体ケース111は、ケース開口部111aの位置が遊技盤51の開口部100に一致するようにして遊技盤51に取り付けられ、これにより本体ケース111の前面部においてケース開口部111aを挟んで本体ケース111における上部分と本体ケース111における下部分とが遊技盤51の裏面に重なる状態となっている。なお、上述した透明板101は、ケース開口部111aを塞ぐようにして取り付けられている。
【0041】
かかる場合、本体ケース111のケース開口部111aよりも上方であって、遊技盤51と前後に重複する部分が、プラズマ放電装置113を収容するための収容スペースS1となっており、それよりも下方部分が、ミラー部材114を収容するための収容スペースS2となっている。要するに、パチンコ機前方から見ると、収容スペースS2に収容されているミラー部材114は透明板101を介してその背後に視認される一方、収容スペースS1に収容されているプラズマ放電装置113は、遊技盤51の裏側に隠れて視認されないようになっている。
【0042】
ミラー部材114は、上部が奥側、下部が手前側となるようにして遊技盤51に対して斜めに傾けて(傾斜させて)設置されている。具体的には、ミラー部材114は短形板状をなしており、短手方向の長さ寸法は遊技盤51の開口部100の幅寸法と同一又はそれよりも若干小さくなるように設定されている。また、ミラー部材114の長手方向の長さ寸法は、ミラー部材114が傾斜した状態で本体ケース111に対して引っ掛かることができるように設定されており、具体的には下端部が本体ケース111の手前側の隅角部に配置されている状況において上端部が本体ケース111の奥側の内壁面と当接するように設定されている。
【0043】
ミラー部材114はその上端部が本体ケース111の奥側の側板部に固定されるとともに、下端部が本体ケース111の手前側の側板部に固定されている。ミラー部材114を本体ケース111に固定するための構成として、例えば、本体ケース111の側壁にはミラー部材114を位置決めするための段差状のガイド部が設けられており、そのガイド部にミラー部材114の端部を載置することによって、ミラー部材114が所定の位置及び角度で設置されるようになっている。遊技盤51に対するミラー部材114の傾斜角は、約45°である。すなわち、突出部が本体ケース111の後方から前方に向かって約45°の直線状に設けられている。そして、ミラー部材114の後方に7セグメント表示装置112が配置されている。
【0044】
具体的には、本体ケース111においてケース開口部111aとは反対側の部位には後方に向けて凹んだ収容凹部115が形成されている。収容凹部115はケース開口部111aと同一に形成されており、当該収容凹部115によって7セグメント表示装置112が収容可能な収容スペースS3が形成されている。7セグメント表示装置112は収容凹部115に嵌まり込むようにして収容スペースS3に収容されており、その状態でネジ固定されている。この場合、遊技機前後方向に透明板101、ケース開口部111a、ミラー部材114、7セグメント表示装置112が並んで配置されている。
【0045】
7セグメント表示装置112は、図柄(絵柄)として0〜9までの数字を表示可能な3つの数字表示部を有する3桁のセグメント発光表示器であり、数字表示部が表側となるように(すなわち、ミラー部材114側となるように)配置されている。数字表示部はそれぞれ7つの表示セグメントにより構成されており、これら7つの表示セグメントが選択的に発光されることで、0〜9の数字が表示されるようになっている。表示セグメントは、単色又は複数色で発光可能なLEDによって構成されている。なお、表示セグメントの光源はLEDに限定されるものではなく、例えば白熱灯を用いてもよい。
【0046】
ここで、ミラー部材114は照射された光の一部を透過するとともに反射するように形成されており、具体的には反射率と透過率とが略同一となるように形成されたハーフミラーである。上記機能を実現するための構成の一例について簡単に説明すると、ミラー部材114は透明で所定の厚み寸法を有するベース板と、当該ベース板に対して蒸着された金属薄膜と、を有している。当該金属薄膜の膜厚は、透過率が反射率と同一になるように設定されている。これにより、ミラー部材114の奥側の空間が暗い状況、具体的には7セグメント表示装置112に数字が表示されていない状況においては、ケース開口部111a側から7セグメント表示装置112を視認不可又は視認困難なものとするとともに、ケース開口部111aを介して表側から光が照射された場合には鏡のように反射して周囲の景色を映し出す。一方、7セグメント表示装置112側からケース開口部111aを介して入射される光の強度よりも大きな光が照射された場合には、その光がケース開口部111a側から視認可能となる。
【0047】
ここで、一般的にパチンコ機10は屋内(遊技ホール内)にてケース開口部111aが照明の光に対して交差する方向に開口した状態で設置されており、当該屋内は天井に設けられた照明によって明るくなっている。7セグメント表示装置112の発光強度は、上記状況においてケース開口部111aから入射される光の強度よりも十分大きく設定されている。これにより、7セグメント表示装置112に数字が表示されている状況においては、その数字表示に係る光がケース開口部111a側から視認可能となり、数字を視認することができる。
【0048】
なお、ミラー部材114の構成についてはこれに限定されず、例えば誘電体多層膜からなるミラー部材を用いてもよいし、表面に光を回折する凹凸を設ける構成としてもよい。また、金属薄膜を保護する保護膜を設けてもよい。これにより、金属薄膜が酸化することによる透過率及び反射率の低下を抑制し得る。
【0049】
また、ミラー部材114は反射率と透過率とが略同一のハーフミラーとしたが、これに限られず、反射率と透過率とが異なるミラーであってもよい。要は、所謂ビームスプリッタであればよい。
【0050】
図6に示すように、プラズマ放電装置113はケース開口部111a側から入射されミラー部材114によって反射された反射光の進行方向Xの先側、具体的にはミラー部材114の上方に配置されている。当該プラズマ放電装置113の内部構造について
図7〜
図8を用いて説明する。
図7はプラズマ放電装置113の分解斜視図であり、
図8(a)はプラズマ放電装置113の内部構造を示す縦断面図であり、
図8(b)は
図8(a)の領域Cの拡大図である。
【0051】
図7に示すように、プラズマ放電装置113は、電圧が印加された場合に放電発光を行うプラズマランプ120と、当該プラズマランプ120が設置される設置ケース121と、を備えている。設置ケース121は、第1ハウジング部材122と第2ハウジング部材123とを備えている。両ハウジング部材122、123は難燃性の黒色ABS樹脂で形成されており、両者を重ね合わせることで内部空間が形成されるようになっている。当該内部空間にはプラズマランプ120に対して当該プラズマランプ120が放電可能となる電圧を印加可能な回路が搭載された放電用電源基板124が収容されている。第1ハウジング部材122及び第2ハウジング部材123は放電用電源基板124を収容した状態で、第2ハウジング部材123側からビス125を螺着することによって固定されている。すなわち、プラズマ放電装置113は放電用電源基板124を含めて一体化されている。
【0052】
第1ハウジング部材122においてプラズマランプ120が設置される面には内部空間を開放する円状の設置用開口部131が設けられており、設置用開口部131の周縁には当該設置用開口部131を囲むようにプラズマランプ120が設置される台座部132が設けられている。台座部132はリング状に形成されており、その内径は設置用開口部131の外径と同一に設定されている。当該台座部132に対して絶縁性材料で形成されたゴムリング133を介してプラズマランプ120が設置されている。
【0053】
ゴムリング133はリング状をなしており、その内径は台座部132の内径と同一又はそれよりも若干小さくなるように形成されている。
図8(a)に示すように、ゴムリング133の高さ寸法(軸線方向の長さ寸法)は台座部132のそれよりも大きく設定されている。ゴムリング133の一端部は軸線方向と直交する方向に拡径させて形成されている。ゴムリング133を拡径された一端部とは反対側の端部側から台座部132に対して挿入すると、一端部と台座部132とが当接し、それ以上の挿入が規制され、ゴムリング133は当該位置にて設置される。かかる状態でプラズマランプ120の一部がゴムリング133に嵌まり込むことで、プラズマランプ120が周囲と絶縁された状態で設置される。
【0054】
具体的には、プラズマランプ120は透明なガラスで形成されており、球殻部141と当該球殻部141から外側に向けて突出させるようにして形成された円筒部142とを備えている。球殻部141の外径はゴムリング133の外径よりも大きく設定されている一方、円筒部142の外径はゴムリング133の内径と同一又はそれよりも若干小さく設定されている。プラズマランプ120は、
図8(a)に示すように、円筒部142がゴムリング133に嵌まり込むことによって設置されている。この場合、円筒部142とゴムリング133とが当接し、プラズマランプ120が直接第1ハウジング部材122と当接しないようになっている。なお、球殻部141の外径は台座部132の外径より小さく設定されている。
【0055】
球殻部141と円筒部142とは連通しており、1つの密閉された内部空間143が形成されている。当該内部空間143には放電用のガスとしてアルゴン等の希ガスからなる放電ガス144が封入されている。放電ガス144は、電圧が印加された場合に放電が発生し易いように大気圧よりも小さい気圧で封入されている。プラズマランプ120には、当該放電ガス144に対して電圧を印加する放電用電極150が取り付けられている。
【0056】
具体的には、放電用電極150は棒状に形成されており、その軸線周りは先端部を除いて絶縁体151でコーティングされている。放電用電極150の形状に対応させて、プラズマランプ120には円筒部142の底部の中心から球殻部141の中心に向けて凹ませることによって電極用凹部152が形成されている。
【0057】
電極用凹部152は、絶縁体151により絶縁コーティングされた放電用電極150が挿入可能な大きさに形成されている。電極用凹部152は放電用電極150の先端部が球殻部141の中心に位置するように形成されており、具体的には電極用凹部152の底部153が球殻部141の中心周辺に位置するように電極用凹部152の深さ寸法が設定されている。これにより、放電用電極150は、その先端部が球殻部141の中心に配置された状態で電極用凹部152に挿入されている。
【0058】
かかる構成において、放電用電極150に対して高周波の交流電圧が印加された場合、放電用電極150の先端部(電極用凹部152における底部153及び当該底部153側の内周面)と球殻部141との間に高周波の電界が発生する。当該電界により放電ガス144の粒子が加速され衝突する。この際に、放電ガス144が電離してプラズマ状態となる。すると、上記電離によって発生した荷電粒子の移動によって内部空間143内に電流が流れ易い経路が形成され、当該経路に沿って電流が流れ放電発光が行われる。当該経路を放電経路という。放電経路は荷電粒子の移動経路とも言える。
【0059】
荷電粒子の移動経路は、マクロ的に見れば電界が印加されている方向に沿った方向(放電用電極150の先端部〜球殻部141間)となっているが、ミクロ的に見れば衝突のランダム性によってランダムになっている。また、放電用電極150の先端部は球殻部141の中心に配置されているため、放電用電極150の先端部から球殻部141の内壁面までの距離は方向によらず一定となっており、放電用電極150の先端部及び球殻部141の内壁面間にかかる電界の強さの方向依存性はほぼない。これにより、荷電粒子の移動経路である放電経路は放電用電極150の先端部を中心として球殻部141の内壁面に対してランダムに揺らいでいる。
【0060】
ここで、プラズマランプ120は透明性のガラスで形成されているため、放電発光がプラズマランプ120によって見えにくくなることが抑制されている。また、ガラスは耐熱性に優れているため、放電発光によってプラズマランプ120が発熱した場合であっても変形しにくい。しかしながら、ガラスは外部からの衝撃により割れ易いという課題がある。これに対して、
図7及び
図8(a)に示すように、プラズマランプ120を覆うカバー部材161が設けられている。
【0061】
カバー部材161は透明のアクリル樹脂により形成されており、絶縁体となっている。カバー部材161はプラズマランプ120の形状に対応させて形成されており、カバー側円筒部162と、当該カバー側円筒部162の一端部と連続する半球殻部163とを有している。カバー側円筒部162と半球殻部163とによって収容空間164が区画形成されている。また、収容空間164はカバー側円筒部162の他端側に形成されている開口部165を介して外部に開放されている。
【0062】
収容空間164はプラズマランプ120及び台座部132が収容可能な大きさに形成されているとともに、開口部165は台座部132が入り込み可能な大きさに形成されている。具体的には、カバー側円筒部162の内径は台座部132の外径と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。半球殻部163の内径は球殻部141の外径よりも大きく設定されており、具体的には台座部132の外径と同一に設定されている。開口部165を介して収容空間164内に台座部132及びプラズマランプ120が収容されるようにカバー部材161を移動させると、カバー部材161の開口部165周縁と設置ケース121を構成する第1ハウジング部材122とが当接し、それ以上の移動が規制される。そして、その位置にてカバー部材161が設置ケース121に対して取り付けられる。
【0063】
当該取り付けに関して具体的には、
図8(a)に示すように、台座部132には軸線方向と直交する方向に貫通した一対の貫通孔171、172が形成されている。当該貫通孔171、172内には、設置ケース121から起立させて形成された爪部173、174が設けられている。爪部173、174はその先端が自由端となっており、外力が付与された場合に弾性変形可能となっている。爪部173、174は台座部132の外周面から外側に向けて突出しており、その突出寸法は設置ケース121側に向けて大きくなるように設定されている。
【0064】
爪部173、174に対応させて、カバー部材161には係止用開口部175、176が形成されている。カバー部材161の開口部165周縁と第1ハウジング部材122とが当接している状況において、爪部173、174が対応する係止用開口部175、176の縁部に対して当接するように両者の相対位置関係が設定されている。
【0065】
かかる構成によれば、カバー部材161を取り付け方向に移動させていくと、爪部173、174がカバー部材161に対して当該カバー部材161の移動方向の元側から当接することで貫通孔171、172内に没入する方向に弾性変形する。そして、係止用開口部175、176が爪部173、174に到達すると、爪部173、174が復元力により自然状態に復帰する。これにより、
図8(a)に示すように、爪部173、174が対応する係止用開口部175、176の縁部に対してカバー部材161の移動方向の先側から当接し、上記移動方向の逆方向にカバー部材161を移動させようとしても、上記当接によってそれが阻止される。これら爪部173、174と係止用開口部175、176の縁部との係合によって、カバー部材161が設置ケース121に対して固定されている。
【0066】
なお、
図7に示すように、台座部132の外周面には位置決め用の凸部177が設けられており、当該凸部177に対応させてカバー部材161には凸部177が入り込み可能な溝部178が形成されている。溝部178に凸部177が入り込むようにカバー部材161を取り付けることで、設置ケース121に対するカバー部材161の周方向の位置が決まり、その際自然と爪部173、174と係止用開口部175、176とが係止するようになっている。
【0067】
ここで、既に説明したとおり、プラズマランプ120内で行われる放電発光はランダムなものであるため、プラズマランプ120全体としての輝度が小さくなるという問題がある。特に、プラズマランプ120の放電発光の輝度は、LED等の他の発光素子と比較して小さくなり易いため、放電の発光態様を遊技者に対して視認させにくい。これに対して、本実施形態では放電用電極150とは別に補助電極としての導電シール180が設けられている。当該導電シール180について詳細に説明する。
【0068】
導電シール180は遮光性を有する金属(具体的には銅箔)により構成され、略短形状に形成されている。導電シール180の裏面全体には粘着剤が塗布されている。導電シール180は、プラズマランプ120を放電用電極150の軸線周りに囲むように、カバー部材161の外周面、具体的にはカバー側円筒部162の外周面に貼り付けられている。つまり、導電シール180はプラズマランプ120に対して直接貼り付けられているのではなくカバー部材161に対して貼り付けられている。このため、導電シール180をプラズマランプ120に対して直接貼り付けることによってプラズマランプ120が破壊される不都合を回避することができ、導電シール180の取り付け作業を容易に行うことができる。
【0069】
なお、カバー側円筒部162に導電シール180が貼り付けられることを鑑みれば、カバー側円筒部162は導電シール180が貼り付けられる貼付部ということができる。
【0070】
導電シール180は配線181を介して放電用電源基板124と電気的に接続されている。詳細には、第1ハウジング部材122には配線181が挿通可能なスリット182が形成されており、当該スリット182を介して配線181が設置ケース121の外側に導出されている。そして、配線181の先端が導電シール180に半田付けされている。
【0071】
かかる構成によれば、放電用電極150に対して電圧が印加されている状況において放電用電極150との電位差が生じるように導電シール180を接地すると、静電誘導によってそれまで均一であった放電電流の流れ易さに乱れが生じる。具体的には、
図8(a)に示すように、導電シール180を接地することによって静電誘導が生じ、放電用電極150の先端部及び導電シール180間を電流が流れ易くなり、その間に位置する誘導部183と、放電用電極150の先端部との間に放電経路が集約され易くなる。言い換えれば、放電用電極150と導電シール180との間に位置する部位に、放電用電極150との電位差が他の部位と比較して大きい誘導部183が形成され、放電用電極150と誘導部183との間での放電が他の部位と比較して起こり易くなるため、放電経路が放電用電極150と誘導部183との間に集約され易くなる。
【0072】
ここで、導電シール180は放電用電極150の軸線周りに配置されているため、誘導部183は球殻部141の周方向に亘って形成される。これにより、放電経路は放電用電極150を中心として放電用電極150の軸線方向と交差する方向に形成され易くなる。
【0073】
また、誘導部183に放電経路がトラップされ易くなるように電極用凹部152の内周面には導電性塗料191が塗布されている。導電性塗料191は、
図8(b)に示すように、放電用電極150の先端部の軸線周り、具体的には電極用凹部152の底部153及び電極用凹部152の内周面のうち当該底部153から連続した所定の領域に亘って塗布されている。導電性塗料191と放電用電極150の先端部との間には両者を電気的に接続するスチールウール192が設けられている。当該スチールウール192は放電用電極150と電極用凹部152とによって挟まれており、両者に対して接触している。この場合、スチールウール192は線状の鉄糸を綿状にまとめたものであるため、両者に対して面で接触するのではなく、多数の点で接触している。すなわち、スチールウール192は放電用電極150及び導電性塗料191に対して多接点で電気的に接続しているといえる。この場合、導電性塗料191が電極用凹部152の内周面に塗布されているため、上記多数の接点は放電用電極150の軸線周りに形成されている。
【0074】
かかる構成によれば、放電用電極150に対して電圧が印加された場合、スチールウール192と導電性塗料191との接点を介して導電性塗料191に対して電圧が印加される。すると、両者が面で接触している構成と比較して電界が接点に集中し易いため、当該接点を基点として放電が行われ易い。これにより、放電経路がより多く発生し易い。
【0075】
また、上記接点は放電用電極150の軸線周りに形成されているため、放電は放電用電極150の軸線方向に対して交差する方向に向けて行われ易くなる。これにより、放電経路が誘導部183によりトラップされ易くなる。よって、導電シール180による誘導効果が高められている。
【0076】
さらに、上記接点は放電用電極150の軸線周りに多数形成されており、その多数の接点のうちいずれかの接点を基点として放電経路が形成され易い。これにより、放電経路が誘導部183によりトラップされ易い範囲内において放電経路のランダム性の向上を図ることができる。よって、導電シール180による誘導機能を確保しつつ、当該導電シール180の誘導範囲内における放電経路のランダム性を向上させることができる。
【0077】
つまり、導電シール180を設けることによって放電経路を集約することができる一方、放電経路のランダム性の低下が懸念される。これに対して、本実施形態によれば、導電性塗料191及びスチールウール192を設けることにより、導電シール180の誘導範囲内において放電経路のランダム性の向上が図られている。これにより、放電経路を集約しつつ、放電経路のランダム性を確保することができる。
【0078】
また、放電経路の基点が隅角部に限定されないように電極用凹部152の底部153は湾曲している。これにより、放電経路の基点が限定されてしまうこと、及び放電経路の本数が少なくなることが抑制されている。
【0079】
以上のように構成されたプラズマ放電装置113は、プラズマランプ120及びカバー部材161が収容スペースS1に収容された状態で本体ケース111に取り付けられている。当該取り付けにかかる構成及びプラズマ放電装置113が視認される態様について
図6に加え、
図9を用いて説明する。
図9はプラズマ放電装置113を説明するための説明図であって、プラズマ放電装置113をケース開口部111a側から入射された光の反射光の進行方向Xに見た場合の図である。当該
図9はミラー部材114の反射像を示す図であるともいえる。なお、説明の便宜上、
図6及び
図9において配線181は省略する。
【0080】
図6及び
図9に示すように、カバー部材161の形状に対応させて本体ケース111には開口部201が設けられている。開口部201は、
図6等に示すように、カバー部材161が通過可能な大きさに形成されており、具体的にはカバー部材161の外径と同一又はそれよりも若干大きい円状に形成されているとともに、設置ケース121の通過が不可となるように設置ケース121よりも小さく形成されている。
【0081】
かかる構成によれば、カバー部材161が開口部201を介して収容スペースS1に入り込むようにカバー部材161を挿入先側としてプラズマ放電装置113を挿入すると、設置ケース121の挿入先側の面が本体ケース111と当接し、プラズマ放電装置113の位置が規定される。そして、当該位置にて設置ケース121は本体ケース111にネジ固定されている。
【0082】
詳細には、
図6及び
図9に示すように、設置ケース121において挿入先側の各隅角部には取付部211が設けられている。取付部211は、本体ケース111の壁面(挿入先側の面)に沿う方向に延出させて形成されており、本体ケース111の外側の壁面に対して当接している。取付部211には、固定用貫通孔212が設けられており、当該固定用貫通孔212にネジ213が螺着されることによって、プラズマ放電装置113が、カバー部材161及びその内部空間143内に配置されているプラズマランプ120が収容スペースS1に収容された状態で本体ケース111に固定される。この場合、プラズマ放電装置113は、収容スペースS3の後方に配置されている表示制御装置及び音声ランプ制御装置71に対して離間した位置に配置されている。
【0083】
プラズマ放電装置113が固定されている状況においてプラズマランプ120にて放電発光が行われた場合、
図6に示すように、当該放電発光はミラー部材114を反射し、ケース開口部111aが設けられている方向に向けて進行する。これにより、ケース開口部111aを通じて放電発光が視認可能となっている。この場合、開口部201は設置ケース121によって塞がれているため、開口部201を介して外部からの光が本体ケース111内に入り込まないようになっている。
【0084】
また、7セグメント表示装置112がミラー部材114の後方に配置されているとともにミラー部材114の傾斜角度が45度に設定されているため、7セグメント表示装置112側から入射されミラー部材114を透過した透過光L1と、プラズマ放電装置113のプラズマランプ120にて発生するとともにミラー部材114を反射した反射光L2と、は同一方向となっており、両者がケース開口部111a及び透明板101を介して遊技盤51の前方に向けて進行している。これにより、7セグメント表示装置112の表示態様とプラズマ放電装置113とは共通の表示部61を介して視認可能となっている。
【0085】
ミラー部材114上において7セグメント表示装置112にて表示される数字とプラズマランプ120の放電発光とがオーバーラップするように両者の相対位置関係が設定されている。具体的には、ミラー部材114において7セグメント表示装置112の数字表示部が表示される領域の上方にプラズマ放電装置113が配置されている。これにより、両者の表示(発光)が行われた場合には両者がオーバーラップして視認されることとなる。
【0086】
なお、プラズマ放電装置113をミラー部材114の上方に配置したが、これに限られず、例えばミラー部材114の下方に配置してもよい。この場合、反射光L2がケース開口部111a側に進行するようにミラー部材114の傾きを逆にすればよい。要は、透過光L1と反射光L2とが同一方向となるように7セグメント表示装置112、プラズマ放電装置113、ミラー部材114の相対位置関係及びミラー部材114の傾斜角度が設定されていればよい。
【0087】
次に、プラズマ放電装置113の発光態様について説明すると、プラズマ放電装置113が固定されている状況において、放電用電極150の軸線方向と、ケース開口部111a側から入射されミラー部材114によって反射された反射光の進行方向Xとが一致している。このため、
図9に示すように、放電用電極150は、ミラー部材114においてプラズマランプ120の中心に点状に映し出され、それが遊技者に視認されることとなる。この場合、ミラー部材114の反射像(遊技者に視認される像)は、進行方向Xから見える像であるといえるとともに、放電用電極150の延長上から見える像ともいえる。
【0088】
ここで、導電シール180はカバー側円筒部162の外周面に亘って貼り付けられているため、誘導部183は球殻部141の周方向に亘って形成されることとなる。これにより、
図9に示すように、ミラー部材114には、放電用電極150を中心として放射状に放電経路が形成されている態様が映し出され、当該態様が視認可能となっている。この場合、放電発光による光の成分うち放電用電極150の軸線方向に直交する方向の成分が大きくなるため、放電用電極150の延長上からプラズマ放電装置113を見た場合のプラズマランプ120全体の輝度が向上する。よって、プラズマランプ120全体の輝度が高められている。
【0089】
また、カバー側円筒部162の外径寸法は上記進行方向X(放電用電極150の軸線方向)に依存することなく一定に設定されている。これにより、導電シール180が半球殻部163に貼り付けられている構成と比較して目立ちにくくなっている。
【0090】
すなわち、例えば外径寸法が進行方向Xに依存する半球殻部163の外周面に導電シール180を貼り付けた場合、ミラー部材114の反射像には、導電シール180がリング状に映し出されるため、導電シール180が目立ち易い。かかる不都合を回避するために導電シール180の幅寸法(短手方向の長さ寸法)を小さくすることも考えられる。しかしながら、幅寸法を小さくすると、誘導部183が形成されにくくなることにより導電シール180による放電経路の誘導機能が低下するおそれがあるとともに、貼付面積が小さくなることにより導電シール180が剥がれ易くなってしまうおそれがある。
【0091】
これに対して、本実施形態では、導電シール180がカバー側円筒部162の外周面に貼り付けられているため、上記進行方向Xから(放電用電極150の延長上から)見た場合には、
図9に示すように、カバー部材161の外周面に沿った線状に見える。これにより、導電シール180が目立ちにくくなっている。この場合、導電シール180の幅寸法を大きくしても見た目上の変化はない。よって、導電シール180による放電経路の誘導機能及び導電シール180の接着機能を発揮するように導電シール180の幅寸法を確保しつつ、導電シール180を目立ちにくくすることができる。
【0092】
図9に示すように、ミラー部材114とプラズマ放電装置113との間には開閉手段としての一対の開閉シャッタ221が設けられている。開閉シャッタ221は、
図6に示すように、プラズマ放電装置113に対して上記進行方向Xの元側に配置されており、具体的にはプラズマ放電装置113に対してミラー部材114側であって、7セグメント表示装置112側からの透過光L1を阻害しない位置に配置されている。これにより、開閉シャッタ221により7セグメント表示装置112の表示態様が見づらくなる不都合が回避されている。
【0093】
開閉シャッタ221は矩形板状をなしており、その板面が進行方向Xに対して直交するように、詳細には遊技盤51の盤面に対して直交するように配置されている。開閉シャッタ221の長手方向の長さ寸法(遊技機前後方向の長さ寸法)は本体ケース111の内壁面において遊技機前後方向の長さ寸法と略同一に設定されている。開閉シャッタ221は光透過不可又は困難に形成されており、具体的には黒色に塗装されている。開閉シャッタ221はプラズマ放電装置113が視認可能な開状態と当該プラズマ放電装置113が視認不可又は困難な閉状態とに切り換わり可能に構成されている。
【0094】
具体的には、
図6に示すように、本体ケース111の内壁面のうち遊技機前後方向の側面には、互いに対向する側面に向けて突出するとともに遊技盤51の左右方向に沿って延びた第1突条222、223及び第2突条224、225が設けられている。第1突条222、223及び第2突条224、225は対向配置されている。第1突条222、223及び第2突条224、225の構成は同一であるため、第1突条222、223について説明する。
【0095】
第1突条222、223は上記進行方向Xに間隔を隔てて形成されている。当該間隔は開閉シャッタ221の厚み寸法と同一又はそれよりも若干大きく形成されている。これにより、第1突条222、223によって、開閉シャッタ221の一部が入り込み可能な第1溝部226が形成されている。当該第1溝部226は前後方向に延びている。第2突条224、225についても同様に第2溝部227が形成されており、第1溝部226及び第2溝部227は対向している。これら溝部226、227に対して開閉シャッタ221の長手方向の両端部が入り込むことによって開閉シャッタ221が前後方向に移動可能な状態で取り付けられている。
【0096】
開閉シャッタ221が閉状態となった場合における開閉シャッタ221の短手方向の長さ寸法(遊技機左右方向の長さ寸法)はカバー部材161の直径よりも大きく設定されている。また、開閉シャッタ221が開状態となった場合の開閉シャッタ221間の距離はカバー部材161の直径よりも大きくなるように設定されている。これにより、
図9に示すように、開閉シャッタ221が開状態となった場合にはプラズマ放電装置113が視認される。一方、開閉シャッタ221が
図9の2点鎖線に示す方向に移動し、開閉シャッタ221が閉状態となった場合にはプラズマ放電装置113が視認されないようになっている。
【0097】
なお、開閉シャッタ221は上記構成に限らず、1枚のみ又は3枚以上のものからなる構成でもよい。また、引き戸式に代えて回動式を用いたりしてもよい。要は、プラズマランプ120が視認されにくい状態と視認可能な状態とに切り換わり可能であればその形状は任意である。
【0098】
次に、上記構成の可変表示ユニット56における表示態様について
図10を用いて説明する。
図10(a)は7セグメント表示装置112の表示態様を示す図、
図10(b)は7セグメント表示装置112及び開閉シャッタ221が閉状態となっている場合のプラズマ放電装置113の表示態様をミラー部材114上で合成した状態を示す図、
図10(c)は7セグメント表示装置112及び開閉シャッタ221が開状態となっている場合のプラズマ放電装置113の表示態様をミラー部材114上で合成した状態を示す図である。
図10(b),(c)は、表示部61にて表示される表示態様であるともいえる。
【0099】
図10(a)に示すように、7セグメント表示装置112では3つの数字表示部231において数字の発光表示が行われる。当該数字表示部231による数字の発光表示が行われている状況において開閉シャッタ221が閉状態である場合、
図10(b)に示すように、3つの数字が視認される一方、プラズマ放電装置113のプラズマランプ120は開閉シャッタ221により視認されない。
【0100】
ここで、プラズマランプ120はガラスで形成されているため、プラズマランプ120が放電発光していない状況であっても、プラズマランプ120が周囲の光を反射してミラー部材114に映り込み、それが遊技者に視認される場合がある。これに対して、本実施形態によれば、開閉シャッタ221が閉状態なっている場合にはプラズマランプ120からの光は開閉シャッタ221によりほぼ全て吸収される。これにより、上記映り込みが抑制されている。
【0101】
一方、7セグメント表示装置112の数字表示部231による数字の発光表示が行われている状況において開閉シャッタ221が開状態である場合には、
図10(c)に示すように、7セグメント表示装置112にて表示される3つの数字が視認されるとともに、プラズマランプ120の放電発光が視認される。この場合、両者がオーバーラップして視認される。
【0102】
ここで、プラズマ放電装置113の発光態様は放電経路が揺らいだ態様となっており、LED等の通常の発光態様とは全く異なるものとなっている。また、当該発光態様は液晶表示装置等の既存のFPDでも再現することは困難である。これにより、プラズマ放電装置113の発光態様を視認させることによって斬新な印象を遊技者に与えることができ、遊技者の注目度を高めることが可能となる。特に、7セグメント表示装置112の表示態様とそれとは異なる表示態様のプラズマ放電装置113の発光態様とをオーバーラップさせることで、両者を個別に視認させる演出よりもより斬新な演出を視認させることができる。
【0103】
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図11のブロック図に基づいて説明する。
【0104】
主制御装置72に設けられた主制御基板301には、MPU302が搭載されている。MPU302は、当該MPU302により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM303と、そのROM303内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM304と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU302が有する機能の一部、例えば、ROM303の機能やRAM304の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
【0105】
MPU302には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU302の入力側には、主制御装置72に設けられた停電監視基板305、払出制御装置91及び各種入賞検知センサ311a〜311eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板305には電源及び発射制御装置92が接続されており、MPU302には停電監視基板305を介して電力が供給される。また、各種入賞検知センサ311a〜311eの一部として、一般入賞口52、可変入賞装置53、作動口54及びスルーゲート55などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置72のMPU302において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU302では、作動口54への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート55への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
【0106】
ここで、MPU302にて各種抽選を行うための構成について説明する。
【0107】
MPU302は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部59の表示の設定、7セグメント表示装置112の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図12に示すように、大当たり発生抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、7セグメント表示装置112が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部59及び7セグメント表示装置112における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、作動口54の電動役物54aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
【0108】
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM304の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ304aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ304aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、作動口54への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア304bに格納される。
【0109】
保留球格納エリア304bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、作動口54への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ304aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
【0110】
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、作動口54への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、作動口54への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには作動口54への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【0111】
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0112】
実行エリアAEは、メイン表示部59の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【0113】
上記各カウンタについて詳細に説明する。
【0114】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口54に入賞したタイミングで保留球格納エリア304bに格納される。
【0115】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM303における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア303aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
【0116】
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
【0117】
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口54に入賞したタイミングで保留球格納エリア304bに格納される。
【0118】
本パチンコ機10では、通常大当たり結果と確変大当たり結果とが設定されており、上記大当たり種別カウンタC2を用いてどちらの大当たり結果に当選したかを決定する。
【0119】
具体的には、ROM303には振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア303bに振分テーブル(振分情報群)が記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。振分テーブルでは、0〜29の大当たり種別カウンタC2の値のうち、0〜9が通常大当たり結果に対応しており、10〜29が確変大当たり結果に対応している。
【0120】
通常大当たり結果は、開閉実行モードに移行させるとともに、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0121】
確変大当たり結果は、開閉実行モードに移行させるとともに、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。高確率モードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0122】
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードである状態をいう。
【0123】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口54に入賞したタイミングで保留球格納エリア304bに格納される。
【0124】
ここで、本パチンコ機10には、7セグメント表示装置112における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、大当たり当選に対応した遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、7セグメント表示装置112における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0125】
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【0126】
リーチ表示には、7セグメント表示装置112の表示画面に表示される複数の図柄のうち一部の図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄の変動表示を行うとともに、その背景において所定のキャラクタなどを表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【0127】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部59における変動表示時間(表示継続期間)と、7セグメント表示装置112における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とをMPU302において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部59における変動表示の開始時及び7セグメント表示装置112による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM303の変動表示時間テーブル記憶エリア303c(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
【0128】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート55に遊技球が入賞したタイミングで電役保留エリア304cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物54aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
【0129】
MPU302の出力側には、メイン表示部59が接続されており、これらメイン表示部59の表示制御がMPU302により直接行われる。つまり、各遊技回に際しては、MPU302においてメイン表示部59の表示制御が実行される。
【0130】
また、MPU302の出力側には、停電監視基板305、払出制御装置91及び音声ランプ制御装置71が接続されている。払出制御装置91には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM303のコマンド情報記憶エリア303eが参照される。そして、一般入賞口52への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置53への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、作動口54への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
【0131】
音声ランプ制御装置71には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM303のコマンド情報記憶エリア303eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【0132】
また、MPU302の出力側には、可変入賞装置53を開閉動作させる可変入賞駆動部53a、作動口54の電動役物54aを開閉動作させる電動役物駆動部54b、及びメイン表示部59が接続されている。主制御基板301には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU302は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0133】
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置53の開閉動作が行われるように、MPU302において可変入賞駆動部53aの駆動制御が実行される。また、電動役物54aの開放状態当選となった場合には、電動役物54aが開閉されるように、MPU302において電動役物駆動部54bの駆動制御が実行される。また、MPU302によってメイン表示部59の表示制御が実行される。
【0134】
停電監視基板305は、主制御基板301と電源及び発射制御装置92とを中継し、また電源及び発射制御装置92から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置91は、主制御装置72から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置89により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0135】
電源及び発射制御装置92は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板301や払出制御装置91等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。ここで、主制御基板301や払出制御装置91は直流の24Vで動作するように設計されているため、電源及び発射制御装置92は直流の24V電圧を供給する。また、電源及び発射制御装置92は、遊技球発射装置45の発射制御を担うものであり、遊技球発射装置45は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0136】
音声ランプ制御装置71は電源及び発射制御装置92から直流の+24V電圧が印加されることにより動作するように構成されている。音声ランプ制御装置71にはMPU321が搭載されている。MPU321は、当該MPU321により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM322と、そのROM322内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM323と、を備えている。MPU321は、主制御装置72から入力した各種コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置71と電気的に接続されている各ランプ部24、25、63〜66及びスピーカ部26を駆動制御するとともに、表示制御装置331を制御する。これらランプ部24、25、63〜66及びスピーカ部26には音声ランプ制御装置71から動作電力用の直流電圧が供給されている。表示制御装置331では、音声ランプ制御装置71から入力したコマンドに基づいて、7セグメント表示装置112の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置71では、主制御装置72から入力した各種コマンドに基づいて、7セグメント表示装置112における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
【0137】
ここで、音声ランプ制御装置71は上記各ランプ部24等の電飾装置とともにプラズマ放電装置113と電気的に接続されている。具体的には、プラズマ放電装置113の放電用電源基板124には、プラズマランプ120において放電発光が生じ得る交流電圧を放電用電極150に対して供給する放電用の電源回路350が搭載されており、当該電源回路350が放電用電源基板124に設けられたコネクタを介して音声ランプ制御装置71と接続されている。
【0138】
放電用の電源回路350について
図13を用いて詳細に説明する。
図13は放電用の電源回路350の回路図である。なお、以降の説明においては、放電用の電源回路350を単に電源回路350ともいう。
【0139】
電源回路350は放電用電極150及び導電シール180に接続されている。電源回路350は音声ランプ制御装置71から+12Vの直流電圧の供給を受けている。電源回路350は+12Vの直流電圧から高周波の交流電圧を生成し、当該交流電圧を放電用電極150に対して印加する。
【0140】
具体的には、電源回路350は音声ランプ制御装置71に接続された発振回路351と、変圧手段としてのトランス352と、を備えている。発振回路351は音声ランプ制御装置71から供給される直流電圧により発振して交流電圧を生成する。そして、生成された交流電圧はトランス352によって昇圧されて、放電用電極150に対して印加されるようになっている。
【0141】
詳細には、発振回路351は、スイッチング素子としてのエミッタが接地された第1トランジスタ361及び第2トランジスタ362を備えているとともに各トランジスタ361、362のベースに対して接続されたベース抵抗363、364を備えている。各トランジスタ361、362のベースは対応するベース抵抗363、364を介して音声ランプ制御装置71と接続されており、+12Vの電圧供給を受けている。これにより、各トランジスタ361、362がベース電圧に代えてベース電流に基づいて制御されることとなるため、入力電圧が変化することによって生じ得るコレクタ電流の変動が抑制されている。なお、トランジスタ361,362は同一のものを用いているが、製造段階におけるバラツキに起因して増幅率が若干異なっている。
【0142】
トランス352は、直列に接続された2つの1次側コイル365、366と2次側コイル367とを備えているとともに、上記トランジスタ361、362のスイッチングの切換を行う帰還コイル368を備えている。1次側コイル365、366は説明の便宜上、2つの独立したコイルとして示しているが、実際には回路の小型化の観点から一体のコイルを用いて当該コイルの中点タップを導出している。2次側コイル367の一端は放電用電極150に接続されており、他端は導電シール180に対して接続されている。2次側コイル367の巻き数は、1次側コイル365,366の巻き数よりも大きく設定されており、具体的には1次側コイル365,366を構成する一体コイルの巻き数が10ターンであるのに対して、2次側コイル367の巻き数は1000ターン程度に設定されている。2次側コイル367は、1次側コイル365、366の直列接続体に対して印加される電圧を昇圧するとともに、当該昇圧された電圧を放電用電極150に対して印加するように構成されている。
【0143】
ここで、発振回路351は、1次側コイル365、366及び帰還コイル368を用いて発振するように構成されている。具体的には、1次側コイル365、366からなる直列接続体の中点タップ、詳細には各1次側コイル365、366の一端は音声ランプ制御装置71と接続されている。1次側コイル365の他端は第1トランジスタ361のコレクタに接続されており、1次側コイル366の他端は第2トランジスタ362のコレクタに接続されている。これら1次側コイル365、366に対応させて、発振回路351には上記1次側コイル365、366の直列接続体に対して並列に接続された発振用コンデンサ369が設けられている。発振用コンデンサ369は一端が第1トランジスタ361のエミッタに接続されているとともに、他端が第2トランジスタ362のエミッタに接続されている。
【0144】
帰還コイル368は一端が第1トランジスタ361のベースに対して接続されており、他端が第2トランジスタ362のベースに接続されている。各コイル365、366、367、368の極性は同一に設定されている。
【0145】
かかる構成によれば、音声ランプ制御装置71から+12Vの動作電圧が印加された場合、上記動作電圧がベース抵抗363、364によりベース電流に変換され、当該ベース電流が各トランジスタ361、362に対して付与される。この場合、いずれか一方のトランジスタ(増幅率が高い方のトランジスタ)がオン状態となる。ここで、説明の便宜上、第1トランジスタ361がオン状態となったとする。すると、オン状態となった第1トランジスタ361に対応する1次側コイル365に対して電流が流れる。これにより、発振用コンデンサ369に対して電圧が印加されることとなるため、発振用コンデンサ369と1次側コイル365との間で共振が起こる。
【0146】
かかる共振により帰還コイル368において帰還電流が発生し、当該帰還電流は各トランジスタ361、362のベースに帰還する。この場合、帰還電流は共振の極性変化に伴いトランジスタ361、362のオン/オフが切り換わる向きに流れる。これにより、第1トランジスタ361がオフとなり、それに代えて第2トランジスタ362がオンとなる。すると、1次側コイル366に対して電流が流れる。この場合、1次側コイル365に流れた場合とは反対の極性の誘導起電力が発生する。
【0147】
上記動作が繰り返し行われることにより、1次側コイル365、366の直列接続体の両端の電圧は正弦波となり、当該正弦波の電圧が2次側コイル367により昇圧されて出力されることとなる。これにより、放電用電極150に対して特定周波数(例えば20kHz)で特定振幅(例えば1500V)の交流電圧が印加される。この場合、交流電圧の特定周波数は発振周波数であり、1次側コイル365、366のインダクタと発振用コンデンサ369とによって決まっている。換言すれば、発振周波数は、1次側コイル365,366及び発振用コンデンサ369からなる共振回路(タンク回路)の共振周波数ともいえる。なお、実際には1次側コイル365,366は1つのコイルの中点タップを取る構成となっているため、発振周波数は相互インダクタンスにも依存する。
【0148】
また、中点タップにおける電圧波形は全波波形となる一方、音声ランプ制御装置71からは+12Vの直流電圧が供給されているため、このままでは両者が干渉し、共振が阻害される。これに対して、中点タップから音声ランプ制御装置71との間にはチョークコイル371が設けられている。これにより、全波波形電圧と音声ランプ制御装置71からの直流電圧とが干渉しにくくなっている。
【0149】
なお、チョークコイル371と音声ランプ制御装置71との間にはヒューズ372が直列に設けられているため、過電流による故障を回避することができる。また、音声ランプ制御装置71と発振回路351とを接続するラインに対して並列にバイパスコンデンサ373が設けられており、直流電圧の変動が抑制されている。
【0150】
また、導電シール180は、切換手段としてのNPNトランジスタ381を介して接地されている。NPNトランジスタ381は音声ランプ制御装置71と接続されており、当該音声ランプ制御装置71からの信号に応じて導電シール180を接地状態又はフローティング状態に切り換える。
【0151】
具体的には、NPNトランジスタ381のコレクタが導電シール180に接続されており、エミッタが接地されている。そして、NPNトランジスタ381のベースが音声ランプ制御装置71に接続されている。すなわち、導電シール180がオープンコレクタとなっている。
【0152】
かかる構成によれば、音声ランプ制御装置71からNPNトランジスタ381がオンとなる電圧に相当するHIレベル信号がベースに入力された場合には、NPNトランジスタ381がオン状態となり、導電シール180が接地される。この場合、既に説明したとおり、導電シール180によって誘導部183が形成されることとなり、放電経路が誘導される。
【0153】
一方、音声ランプ制御装置71からLOWレベル信号がベースに入力された場合には、NPNトランジスタ381がオフ状態となる。この場合、導電シール180はフローティングとなり、球殻部141の電位は乱れにくい(導電シール180を電流が流れない)。このため、放電経路は集約しにくい。換言すれば、導電シール180による誘導が緩められているともいえる。
【0154】
以上のことから、音声ランプ制御装置71からNPNトランジスタ381に対して出力する信号が切り換わることにより、放電の発光態様が、放電経路が誘導されている誘導状態と上記誘導状態が解除又は緩められた状態とに切り換わることとなる。
【0155】
なお、導電シール180を接地状態又はフローティング状態に切り換える構成としては、これに限られず、例えばトランジスタ等を用いたリレー回路を用いてもよい。また、2次側コイル367から交流電圧が印加されることによって動作するスイッチング回路を用いてもよい。要は、音声ランプ制御装置71からの信号に基づいて導電シール180を接地状態又はフローティング状態に切り換えるものであれば、その具体的な回路構成は任意である。但し、本実施形態のようにオープンコレクタを用いる構成のほうが、電子部品が少なくて済む点において優れている。
【0156】
ここで、
図11に示すように、音声ランプ制御装置71の出力側には、開閉シャッタ221を開閉動作させるシャッタ駆動部391が設けられている。シャッタ駆動部391はモータ等よりなるアクチュエータであり、音声ランプ制御装置71からの信号に基づいて、開閉シャッタ221を駆動する。なお、本実施形態では、各開閉シャッタ221が各々独立して開閉駆動される構成となっている。つまり、各開閉シャッタ221は両方同時に開放させることに加え、いずれか一方のみを開閉させることも可能である。ただし、1つのアクチュエータにより開閉シャッタ221を同時に開閉駆動する構成であってもよい。
【0157】
<主制御基板301のMPU302における処理構成>
次に、主制御基板301のMPU302により実行される各制御処理を説明する。MPU302では、遊技を進行させるために必要な処理の一部である読み込み処理、遊技回制御処理及び遊技状態移行処理が、タイマ割込み処理と通常処理とに分散して実行している。先ず、タイマ割込み処理について説明した後、通常処理について説明する。
【0158】
図14は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理はMPU302により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0159】
ステップS101では、読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種入賞検知センサの状態を読み込み、これら各種入賞検知センサの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した入賞検知センサ311a〜311eにおいて遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置91に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。
【0160】
続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
【0161】
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。
【0162】
続くステップS104では、スルーゲート55への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリア304cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS104にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア304cに格納する。
【0163】
その後、ステップS105にて、作動口54への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、作動口54への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア304bに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留球格納エリア304bの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。ステップS105の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
【0164】
図15は、通常処理を示すフローチャートである。通常処理は、通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS201〜ステップS209の処理が4msec周期の処理として実行され、その残余時間でステップS210及びステップS211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0165】
ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置91に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置71に対して送信する。
【0166】
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。
【0167】
続くステップS203では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、7セグメント表示装置112による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部59の表示制御などを行う。
【0168】
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、大当たり当選に対応した遊技回が終了している場合に開閉実行モードへの移行処理を実行し、可変入賞装置53の開閉処理を開始する。なお、開閉実行モードを開始する場合、開閉実行モード中、及び開閉実行モードを終了する場合などに、開閉実行モード用の各種コマンドを音声ランプ制御装置71に送信する。また、開閉実行モードが終了した場合には、当該モードの開始契機となった遊技回に係る大当たり種別に対応させて、当否抽選モードの移行を実行する。
【0169】
続くステップS205では、デモ表示用処理を実行する。デモ表示用処理では、開閉実行モード中ではない状況で遊技回の終了後において新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、0.1sec)が経過したか否かの判定処理を実行する。また、MPU302への電力供給が開始されてから又はパチンコ機10がリセットされてから、新たに遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、3sec)が経過したか否かの判定処理を実行する。そして、経過していると判定した場合には、デモ表示用のコマンドを音声ランプ制御装置71に送信する。
【0170】
続くステップS206では、作動口54に設けられた電動役物54aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM304の電役保留エリア304cに格納されている情報を用いて電動役物54aを開放状態とするか否かの判定、電動役物54aの開閉処理などを行う。
【0171】
その後、ステップS207では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置92から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射装置45のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
【0172】
続くステップS208では、RAM304に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグは、電断の発生が確認された場合に格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
【0173】
電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS209にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
【0174】
つまり、ステップS210では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。また、ステップS211では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
【0175】
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【0176】
一方、ステップS208にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS212以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS212では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS213にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS214にてRAM304のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【0177】
次に、ステップS203の遊技回制御処理を
図16のフローチャート等を参照して説明する。
【0178】
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理を実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口54への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
【0179】
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部59が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部59が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。
【0180】
遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、始動保留球数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留球数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア304bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
【0181】
始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS304にて保留球格納エリア304bの保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。具体的には、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEにシフトする。その後、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる。その後、ステップS305にて変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【0182】
ここで、ステップS305の変動開始処理について、
図17のフローチャートを参照しながら説明する。
【0183】
ステップS401にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEにシフトされた保留情報のうち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報と、現状の当否抽選モードに対応した当否テーブルとを参照して、大当たり当選となるか否かを判定する。
【0184】
続くステップS402では大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS403にて種別判定処理を実行する。種別判定処理では、実行エリアAEにシフトされた保留情報のうち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報と、振分テーブルとを参照して、大当たり種別を特定する。
【0185】
続くステップS404では、大当たり結果に対応した停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部59に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM303に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM304に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部59に停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM304に記憶する。
【0186】
一方、ステップS402にて、大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS405にて、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部59に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM303の停止結果テーブル記憶エリア303dに予め記憶されている外れ時用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM304に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【0187】
ステップS404又はステップS405の処理を実行した後は、ステップS406にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
【0188】
かかる処理では、RAM304の抽選カウンタ用バッファ304aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において7セグメント表示装置112にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果ではない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
【0189】
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM303に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM304に設けられた変動表示時間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM303に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。
【0190】
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。
【0191】
ステップS406にて、変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS407にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置71では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
【0192】
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、通常大当たり結果の情報、確変大当たり結果の情報、及び外れ結果の情報のいずれかが含まれる。
【0193】
ステップS407にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(
図15)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置71に送信される。ステップS407の処理を実行した後は、ステップS408にてメイン表示部59において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
【0194】
遊技回制御処理(
図16)の説明に戻り、メイン表示部59が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の処理を実行する。当該処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。
【0195】
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部59における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
【0196】
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS404又はステップS405の処理にてRAM304に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部59にて表示されるように当該メイン表示部59を表示制御する。
【0197】
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(
図15)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置71に送信される。音声ランプ制御装置71では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、それに対応したコマンドが、音声ランプ制御装置71から表示制御装置331に送信され、表示制御装置331ではその遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。その後、本遊技回制御処理を終了する。
【0198】
<音声ランプ制御装置71のMPU321にて実行される処理について>
次に、音声ランプ制御装置71のMPU321にて実行される変動用コマンド対応処理について
図18のフローチャート及び
図19を用いて説明する。
図19(a)〜(c)は表示部61にて表示される表示態様を説明するための説明図である。当該対応処理は所定の周期(例えば2msec周期)で繰り返し起動される。変動用コマンド対応処理では、主制御装置72が送信した変動用コマンドを受信している場合に、その受信している変動用コマンドに含まれている情報に対応した処理を実行する。
【0199】
先ず、ステップS501にて、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、大当たり当選であるか否か、大当たり当選である場合にはその種別、及び変動表示時間を把握する。この場合、変動表示時間に基づいてリーチの発生の有無も把握する。
【0200】
その後、ステップS502にて、ステップS501の把握結果に基づいて今回の遊技回の遊技結果が大当たりであるか否かを判定する。大当たりでない場合には、ステップS503にて外れ用変動パターン決定処理を実行する。当該処理では、外れ結果に対応した7セグメント表示装置112の表示態様を決定する。
【0201】
具体的には、音声ランプ制御装置71のROM322には、変動パターンテーブル記憶エリア322aが設けられており、当該変動パターンテーブル記憶エリア322aには外れ用の変動パターンテーブルが記憶されている。当該テーブルには、7セグメント表示装置112において実行される外れ結果に対応した変動パターンが複数種類設定されている。変動パターンテーブルは、変動表示時間及びリーチの発生の有無に応じて設定されている。ステップS503では、ステップS501の把握結果に基づいて上記変動パターンテーブルを参照することにより、今回の遊技回の変動パターンを決定する。なお、変動パターンには7セグメント表示装置112において最終停止される図柄の組み合わせが含まれている。
【0202】
その後、ステップS504に進み、プラズマ放電装置113を用いる放電演出を行うか否かの放電演出抽選処理を実行する。具体的には、音声ランプ制御装置71のRAM323には演出抽選カウンタエリア323aが設けられており、当該エリアには所定の周期で更新する演出抽選カウンタが格納されている。ステップS504では、現状の演出抽選カウンタの値を取得し、当該カウンタの値が予め定められた当選値に対応しているか否かを判定する。
【0203】
放電演出に当選していないと判定する場合には、ステップS505に進み、開閉シャッタ221を閉状態に設定する。そして、ステップS506にて今回の変動パターンに対応した変動パターンコマンドを表示制御装置331に対して送信する処理を実行し、本コマンド対応処理を終了する。表示制御装置331は変動パターンコマンドを受信することに基づいて、7セグメント表示装置112に表示される図柄の変動表示を開始させるとともに、所定の期間に亘って当該変動表示を維持する処理を実行する。そして、上記所定の期間が経過した場合に、変動パターンコマンドに対応した停止結果、すなわち外れ結果に対応した停止結果を表示させる処理を実行する。これにより、
図19(a)に示すように、7セグメント表示装置112の図柄のみが表示される。この場合、開閉シャッタ221が閉状態であるため、プラズマ放電装置113は視認されない。
【0204】
一方、放電演出に当選していると判定する場合(演出抽選カウンタの値が当選値と一致していると判定する場合)、ステップS508〜ステップS511にて放電演出用の処理を実行する。具体的には、導電シール180の態様を決定するとともに開閉シャッタ221の開閉動作態様を決定する。この場合、リーチ表示を行う場合とそうでない場合とで放電演出の発光態様が異なるように設定する。
【0205】
先ずステップS508にて、ステップS501の把握結果に基づいてリーチ表示を行う遊技回であるか否かを判定する。リーチ表示を行わないと判定した場合には、ステップS509にて導電シール180の電位をフローティングに設定する。具体的には、電源回路350のNPNトランジスタ381のベースに対してLOWレベル信号を出力する。
【0206】
その後、ステップS510にて開閉シャッタ221の動作態様を外れ結果に対応した態様に設定する。外れ結果に対応した態様とは、所定期間に亘って開閉シャッタ221の開閉動作が行われた後に、開閉シャッタ221が閉状態となる態様である。
【0207】
そして、ステップS511にて開閉シャッタ221の開閉動作を開始し、ステップS512にて変動パターンコマンド出力処理を実行して、本対応処理を終了する。
【0208】
かかる処理を実行した場合、
図19(b)に示すように、7セグメント表示装置112の図柄(数字)の変動表示と、放電演出としてプラズマ放電装置113の放電の発光態様と、がケース開口部111aを介して視認される。この場合、両者がオーバーラップして表示される。導電シール180はフローティングに設定されているため、放電経路は集約されていない。このため、プラズマ放電装置113の輝度は、放電経路が集約されている場合と比較して小さくなっている。
【0209】
なお、
図19(b)は開閉シャッタ221が開状態である場合を示しているが、図柄の変動表示が終了した場合には開閉シャッタ221は閉状態となるため、プラズマ放電装置113が視認されず、7セグメント表示装置112の図柄のみが表示される。
【0210】
リーチ表示を行うと判定した場合(ステップS508:YES)、ステップS512にて導電シール180を接地する処理を実行する。具体的には、電源回路350のNPNトランジスタ381のベースに対してHIレベル信号を出力する。これにより、NPNトランジスタ381がオン状態となり、導電シール180が接地される。
【0211】
その後、ステップS513にて開閉シャッタ221の動作態様をリーチ表示に対応した態様に設定する。リーチ表示対応した態様は、外れ結果に対応した態様と比較して開閉動作期間が長く設定されている点を除いて外れ結果に対応した態様と同一である。
【0212】
そして、ステップS511にて開閉シャッタ221の開閉動作を開始し、ステップS507にて変動パター端コマンド出力処理を実行して、本対応処理を終了する。
【0213】
かかる処理を実行した場合、7セグメント表示装置112の図柄(数字)の変動表示と、放電演出としてプラズマ放電装置113の放電の発光態様と、がケース開口部111aを介してオーバーラップして視認される。この場合、導電シール180は接地されているため、放電経路が集約している。このため、プラズマ放電装置113の輝度は、
図19(c)に示すように、リーチ表示を行わない場合と比較して高くなる。これにより、プラズマ放電装置113の発光態様がより鮮明に視認される。
【0214】
ステップS514にて大当たりに当選していると判定した場合(ステップS502:YES)、ステップS514に進み、大当たり用変動パターン決定処理を実行する。当該処理では、大当たり結果に対応した7セグメント表示装置112の表示態様を決定する。
【0215】
具体的には、変動パターンテーブル記憶エリア322aには大当たり用の変動パターンテーブルが記憶されている。当該テーブルには、7セグメント表示装置112において実行される大当たり結果に対応した変動パターンが複数種類設定されており、各変動パターンは、大当たり種別及び変動表示時間に応じて設定されている。ステップSでは、ステップS514の把握結果に基づいて上記変動パターンテーブルを参照することにより、今回の遊技回の変動パターンを決定する。
【0216】
なお、変動パターンには7セグメント表示装置112において最終停止される大当たり結果に対応した図柄の組み合わせが含まれている。具体的には、大当たり結果に対応した図柄の組み合わせとして、確変大当たり結果である場合には奇数の同一数字の組み合わせが設定されており、通常大当たり結果である場合には偶数の同一数字の組み合わせが設定されている。
【0217】
その後、ステップS515及びステップS516にて放電演出を行うための処理を実行する。この場合、放電演出を行うか否かの抽選を行わない。すなわち、大当たり結果である場合には、外れ結果である場合と異なり、常に放電演出を実行するようになっている。なお、大当たり結果である場合にも放電演出を行うか否かの抽選処理を実行する構成としてもよい。この場合、外れ結果の場合における抽選処理と比較して、当選確率が高くなるように設定するとよい。
【0218】
ステップS515では導電シール180を接地する処理を実行する。具体的には、NPNトランジスタ381がオンとなるようにNPNトランジスタ381のベースに対してHIレベル信号を出力する。続くステップS516では、大当たり用の開閉シャッタ221の動作態様を設定する処理を実行する。大当たり用の開閉シャッタ221の動作態様は、外れ用の動作態様及びリーチ用の動作態様と異なり、一連の開閉動作を行った後に、開閉シャッタ221が開状態となるように設定された動作態様である。
【0219】
その後、ステップS511にて開閉シャッタ221の開閉動作を開始し、ステップS507にて変動パターンコマンドを表示制御装置331に出力した後に、本対応処理を終了する。
【0220】
かかる処理を実行した場合、7セグメント表示装置112の図柄(数字)の変動表示と、放電演出としてプラズマ放電装置113の放電の発光態様と、がケース開口部111aを介して視認される。
【0221】
また、開閉シャッタ221の一連の開閉動作が行われた後は、開閉シャッタ221は開状態となるため、7セグメント表示装置112の停止結果とプラズマ放電装置113の発光態様とがオーバーラップして表示される。
【0222】
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
【0223】
カバー部材161の外周面に導電シール180を貼り付けた。これにより、当該導電シール180を接地することにより放電経路が集約されるため、放電発光の輝度が向上する。よって、放電発光を好適に視認させることができ、当該放電発光を表示させる放電演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
【0224】
また、導電シール180を、フローティング状態と接地状態とに切り換えるNPNトランジスタ381を設けた。これにより、放電の発光態様を、輝度が向上した状態とそうでない状態とに切り換えることが可能となる。よって、例えばリーチ表示を行う場合には接地状態とし、リーチ表示を行わない場合にはフローティング状態とすることにより、リーチ表示への注目度を高めることができる。
【0225】
ケース開口部111aの後方にミラー部材114を配置し、当該ミラー部材114の後方に7セグメント表示装置112を配置するとともにミラー部材114の上方にプラズマ放電装置113を配置した。そして、7セグメント表示装置112から発生した光のうちミラー部材114を透過した透過光L1と、プラズマランプ120から発生した光のうちミラー部材114を反射した反射光L2と、が同一方向となるようにミラー部材114を傾斜させて配置した。これにより、同一の表示部61にて放電発光又は図柄の変動表示を表示させることが可能となるとともに、両者をオーバーラップさせて表示させることができる。よって、表示部61にて表示される表示態様を斬新なものとすることが可能となる。
【0226】
ここで、ミラー部材114の後方に配置されている7セグメント表示装置112が表示部61に視認されるようにするためには、7セグメント表示装置112側からケース開口部111aに向けて透過する透過光L1の発光強度がケース開口部111a側から7セグメント表示装置112側に透過する光よりも高い必要がある。
【0227】
これに対して、本実施形態では、相対的に高い発光強度を確保しやすい7セグメント表示装置112をミラー部材114の後方に配置し、相対的に低い発光強度のプラズマ放電装置113をミラー部材114の上方に配置した。これにより、透過光L1の発光強度を容易に確保することができ、7セグメント表示装置112の表示態様とプラズマ放電装置113の放電の発光態様とを表示部61を介して好適に視認させることができる。
【0228】
プラズマ放電装置113は、放電用の電源回路350が搭載されている放電用電源基板124を含めてユニット化されており、当該プラズマ放電装置113は音声ランプ制御装置71から離間した位置に配置されている。これにより、放電用の電源回路350から発生するノイズによって音声ランプ制御装置71が誤作動する不都合を回避することができる。
【0229】
詳細には、放電用電極150と放電ガス144との間に絶縁体としての電極用凹部152の内壁部が設けられている状況においてプラズマランプ120にて放電発光を行わせるためには放電用電極150に対して高周波(例えば20kHz)であって高電圧(例えば1500V)の電圧を印加する必要がある。一方、電源回路350に供給される電圧は音声ランプ制御装置71からの直流+12Vであるため、電源回路350は発振回路351とトランス352とを備える構成とした。このため、トランス352に用いられるコイルによりノイズが発生し、当該ノイズにより周りの周辺機器に対して悪影響を及ぼす可能性がある。これに対して、本実施形態では、電源回路350を搭載する放電用電源基板124を別途設け、プラズマ放電装置113は当該放電用電源基板124を含めてユニット化されているとともに、プラズマ放電装置113は音声ランプ制御装置71に対して離間した位置に配置されている。これにより、音声ランプ制御装置71に与えるノイズによる影響が弱くなるため、上記不都合を回避することができる。
【0230】
また、この場合、音声ランプ制御装置71には、MPU321と電源回路350とを電気的に接続するためのコネクタ等の構成を追加するだけでよい。これにより、プラズマ放電装置113を駆動制御するためによって生じ得る音声ランプ制御装置71の構成の変更が少なくて済むため、プラズマ放電装置113を比較的容易に取り付けることができる。
【0231】
プラズマランプ120を覆うカバー部材161を設けた。これにより、外部からの衝撃によりプラズマランプ120が破壊される不都合を回避することができる。この場合、カバー部材161によって放電光の一部が吸収されるため、放電発光の輝度が低下する。これに対して、本実施形態によれば、カバー部材161に導電シール180を貼り付けることにより、表示部61において視認される放電発光の輝度が高められている。すなわち、導電シール180によってカバー部材161を設けたことによって生じ得る不都合を回避することができるともいえる。
【0232】
また、カバー部材161はカバー側円筒部162を備え、当該カバー側円筒部162の外径は進行方向Xに依存せず同一寸法に設定されている。そして、カバー側円筒部162の外周面に導電シール180を貼り付ける構成とした。これにより、ミラー部材114の反射像において導電シール180は線状に見える。よって、導電シール180が目立ちにくいため、導電シール180により放電の発光態様が見えにくくなるという不都合を回避することができる。
【0233】
さらに、導電シール180はカバー側円筒部162の外周面に貼り付けられているため、内周面に貼り付ける構成と比較して誘導部183の作用が弱い。このため、内周面に貼り付ける構成と比較して放電経路が揺らぐこととなる。よって、放電経路を誘導しつつ、放電経路の揺らぎを確保することができる。
【0234】
プラズマランプ120を視認させる開状態と視認させにくい閉状態とに開閉動作可能な開閉シャッタ221を設けた。これにより、開閉シャッタ221を開閉動作させることにより、放電の発光態様を視認させたり視認させないようにしたりすることが可能となる。
【0235】
ここで、プラズマ放電装置113において放電が開始される場合、局所的に高電界が生じ、当該高電界によって通常時(動作時)よりも大きなノイズが発生する。当該ノイズは、周りの周辺機器、例えば7セグメント表示装置112、7セグメント表示装置112の後方に配置された表示制御装置331等に対して悪影響を及ぼす可能性がある。これに対して、本実施形態では、開閉シャッタ221を開閉動作させることによりプラズマ放電装置113を視認させたり視認させなかったりすることができるため、放電演出の有無に関わらずプラズマ放電装置113において放電発光している状態を維持することができる。これにより、プラズマ放電装置113において放電開始時に発生するノイズによる悪影響を抑制し得る。
【0236】
<その他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記実施形態の構成に適用してもよい。また、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施形態に適用してもよい。
【0237】
(1)上記実施形態では、内部空間143の外側に放電用電極150を設け、当該放電用電極150に対して交流電圧を印加することにより放電発光を行わせる構成としたが、これに限られず、例えば内部空間143内に放電用電極150を配置する構成としてもよい。この場合であっても放電が行われる。但し、放電ガス144の劣化、放電の発光態様の安定性及び絶縁破壊によるプラズマランプ120の破損に着目すれば、放電用電極150を内部空間143の外側に配置する構成の方が優れている。
【0238】
(2)上記実施形態では、プラズマ放電装置113は本体ケース111の収容スペースS1に収容されていたが、これに限られず、例えばプラズマ放電装置113が収容スペースS1に収容されていなくてもよい。この場合、本体ケース111にプラズマ放電装置113の放電発光がミラー部材114に差し込むための開口部を別途設ける。また、この場合であっても、遮光性の導電シール180により放電経路が集約される領域が覆われているため、外部からの光の差し込みが導電シール180により制限される。これにより、外部からの光の差し込みによって放電発光が見づらくなる不都合を抑制し得る。
【0239】
特に、導電シール180により囲まれた領域内に先端部を含めた放電用電極150全体が収容されるように導電シール180の幅寸法を設定するとよい。
【0240】
(3)上記実施形態では、放電用電極150の先端部がプラズマランプ120の球殻部141の中心に配置されている構成としたが、これに限られず、中心からずれた位置に配置されていてもよい。但し、放電経路の揺らぎの大きさの観点に着目すれば、球殻部141の中心に放電用電極150の先端部が配置されている構成のほうが優れている。
【0241】
(4)上記実施形態では、導電性塗料191を塗布する構成としたが、これに限られず、例えば導電性の薄膜を蒸着する構成としてもよい。要は、導電性の層が電極用凹部152の底部153側の内周面に形成されていればよく、その具体的な材料、製法は任意である。
【0242】
また、導電性塗料191を設けなくてもよい。この場合であっても、スチールウール192が電極用凹部152の内壁面に接触しているため、放電経路が放電用電極150の軸線方向と交差する方向に形成され易い。但し、導電性塗料191を設ける構成のほうが放電経路がより上記交差する方向に形成され易い。
【0243】
(5)上記実施形態では、電極用凹部152と多接点接続するものとしてスチールウール192を用いたが、これに限られず、ウール状の金属繊維の集合体であればよい。また、導電性のコロイド物質を含む溶液を注入する構成としてもよい。この場合であっても、コロイド粒子との接触を介して放電用電極150と導電性塗料191とが電気的に接続され、多接点接続が実現される。要は、導電性塗料191(上記(4)に示すように導電性塗料191が設けられていない場合には電極用凹部152の内壁面)に対して多接点で電気的に接続するものであればよい。
【0244】
また、多接点接続ではなく導電性塗料191に対して面接触となる導電部を設けてもよい。但し、面接触の構成にすると、導電性塗料191に対して均等に電圧が印加されるため、放電経路の本数が少なくなるとともに軸線方向と交差する方向への放電が生じにくくなるため、上記の点を鑑みると、多接点接続する構成のほうが優れている。
【0245】
(6)上記実施形態において、導電シール180の粘着剤が塗布されている裏面の反射率を向上させてもよい。これにより、放電発光によって発生した光が導電シール180の裏面にて反射して、当該導電シール180により囲まれている領域、すなわちプラズマランプ120にて放電発光が行われている領域を明るくすることができる。この場合、放電経路とその周囲とで光の強度の差が小さくなるため、放電経路がぼやけて見える。そのため、放電経路を鮮明に視認させることに着目すると、裏面の反射率を小さくする構成のほうが優れている。
【0246】
なお、裏面の反射率を向上させる具体的な構成としては、粘着剤の下層に反射率の高い薄膜を形成する構成が考えられる。
【0247】
(7)上記実施形態では、導電シール180は接地する構成としたが、これに限られず、例えばオフセット電圧を印加する構成としてもよい。この場合であっても、プラズマランプ120において誘導部183が形成されるため、放電経路を集約させることができる。
【0248】
ここで、導電シール180に対して放電用電極150に対して印加される交流電圧よりも振幅が小さく且つ同位相の交流電圧を印加してもよい。これにより、放電用電極150と導電シール180との間の電位差が、導電シール180を接地する構成と比較して、小さくなるため、導電シール180による放電経路の誘導が緩くなる。つまり、放電用電極150と導電シール180との間の電位差が小さくなるように導電シール180に対して電圧を印加することによって、導電シール180による放電経路の誘導を緩めることができ、放電経路を適度に分散させることができる。
【0249】
一方、放電用電極150に対して印加される交流電圧と逆位相の交流電圧を印加した場合には、放電用電極150と導電シール180との間の電位差が、導電シール180を接地する構成と比較して大きくなるため、放電経路をより集約させることができる。
【0250】
(8)上記実施形態では、補助電極として導電シール180を用いたが、これに限られず、例えばリング状の電極を取り付ける構成としてもよい。但し、補助電極が目立ちにくい点及び取り付け容易性の観点に着目すれば、導電シール180を用いる構成のほうが優れている。
【0251】
また、導電シール180は遮光性を有する金属により構成されている構成としたが、これに限られず、例えば透明性の金属(ITO等)を用いてもよい。この場合、カバー部材161において半球殻部163又はプラズマランプ120の球殻部141に貼り付けた場合であっても導電シールが目立ちにくいため、放電発光の邪魔になりにくい。
【0252】
また、導電シール180に代えて金属膜を蒸着する構成としてもよい。また、この場合、金属膜をITO等の透明性の金属薄膜にしてもよい。これにより、上記効果を奏することができる。
【0253】
(9)上記実施形態では、カバー部材161を設けたが、これに限られず、カバー部材161を設けなくてもよい。この場合、プラズマランプ120が外部からの衝撃により割れ易い。また、導電シール180をプラズマランプ120に貼り付けることとなるため、貼り付けの際にプラズマランプ120が割れるおそれがあるとともに、貼り付けられた導電シール180がリング状に見えて目立ち易い。これらの点を鑑みると、カバー部材161を設ける構成のほうが優れている。
【0254】
(10)上記実施形態では、放電用電極150に印加する交流電圧の周波数は一定であったが、これに限られず、例えば上記周波数を可変制御する構成としてもよい。具体的には、
図20に示すように、発振回路351の発振用コンデンサ369をバリアブルコンデンサ401に置き換え、当該バリアブルコンデンサ401の静電容量を切り換える切換駆動部402を別途設ける。そして、切換駆動部402と音声ランプ制御装置71とを電気的に接続し、音声ランプ制御装置71は主制御装置72から送信された変動用コマンドに基づいて切換駆動部402を駆動制御する構成とするとよい。例えば外れの場合において放電演出を行う場合にはバリアブルコンデンサ401の静電容量が大きくなるように切換駆動部402を駆動制御することで発振周波数及び振幅を小さくする。一方、リーチ表示を行う状況において放電演出を行う場合にはバリアブルコンデンサ401の静電容量が小さくなるように切換駆動部402を駆動制御することで発振周波数及び振幅を高くする。これにより、外れの場合の放電演出と比較してプラズマランプ120の放電発光の輝度を相対的に高くすることができる。よって、リーチ表示と外れ表示とで放電演出に差異が生じ、それによってリーチ表示への注目度を高めることができる。
【0255】
特に、発振周波数は1次側コイル365、366のインダクタ及びバリアブルコンデンサ401の静電容量によって決定されるものであり、音声ランプ制御装置71からの直流電圧の電圧値に対する依存性は低い。このため、音声ランプ制御装置71からの直流電圧を変更することなく交流電圧の高電圧化、具体的には振幅を大きくすることができる。よって、既存の音声ランプ制御装置71を用いて周波数変更を容易に実現することができる。
【0256】
なお、周波数を変更する構成としてバリアブルコンデンサ401及び切換駆動部402を用いたアナログ制御を示したが、これに限られず、例えばデジタル制御によって発振用コンデンサの静電容量を変更する構成としてもよい。
【0257】
(11)デモ表示にプラズマ放電装置113を用いてもよい。具体的には、開閉シャッタ221を開状態とする。この場合、導電シール180をフローティングに設定するとよい。これにより、デモ表示とリーチ表示とにおいて、放電の発光態様に差異を生じさせることができる。
【0258】
また、(10)の構成を適用した場合には、周波数が低周波数になるようにバリアブルコンデンサ401の静電容量を大きく設定するとよい。これにより、上記効果に加えて、遊技が行われていない待機状態における消費電力の低減及び発熱による劣化を軽減しえる。
【0259】
(12)上記実施形態では、電源回路350は発振回路351とトランス352とを備える構成としたが、これに限られず、直流電圧を交流電圧に変換するとともに当該変換された交流電圧を昇圧する機能を有するものであればよく、その具体的な回路構成は任意である。
【0260】
(13)放電用電極150に対して印加する電圧は正弦波に限られず三角波、ノコギリ波などでもよい。要は所定の周期を有し、放電ガス144が電離可能な電界を付与できる程度の電圧を有するものであればよい。
【0261】
(14)上記実施形態では、同一の表示部61にて7セグメント表示装置112の表示態様と放電の発光態様とが視認されるようになっていたが、これに限られず、それぞれ専用の表示部を設ける構成としてもよい。
【0262】
(15)上記実施形態では、ミラー部材114の上方にプラズマ放電装置113を配置し、ミラー部材114の後方に7セグメント表示装置112を配置したが、これに限られず両者を逆に配置してもよい。但し、プラズマ放電装置113のプラズマ放電装置113にて行われる放電発光を好適に視認させることに鑑みれば、ミラー部材114の後方に7セグメント表示装置112を配置する構成のほうが優れている。
【0263】
また、ミラー部材114を設けなくてもよい。この場合、ケース開口部111aの後方に透過型液晶パネルを設け、当該透過型液晶パネルの後方にプラズマ放電装置113を設ける。そして、透過型液晶パネルの後方であって本体ケース111の側面に光源としてのバックライトを設ける。これにより、プラズマ放電装置113のプラズマランプ120の発光が液晶パネルを介して外部に視認される。そして、透過型液晶パネルにおいて図柄を表示させることによって表示部61にて図柄が表示される。但し、かかる構成の場合、透過型液晶パネルによりプラズマランプ120の発光が吸収されるため、その吸収分だけ放電発光によって生じる光の強度を高める必要がある。この点を鑑みると、ミラー部材114を用いた構成のほうが優れている。
【0264】
(16)上記実施形態では、透過率と反射率とが同一に設定されているミラー部材114を用いたが、これに限られず、例えば反射率を透過率よりも大きく設定されているミラー部材を用いてもよい。これにより、プラズマ放電装置113からの光の強度を7セグメント表示装置112側からの強度よりも高めることができるため、プラズマ放電装置113の放電発光をより好適に視認させることができる。
【0265】
(17)上記実施形態において、ミラー部材114とプラズマ放電装置113との間にレンズを設けてもよい。当該レンズはミラー部材114の反射像においてプラズマ放電装置113が拡大又は縮小された状態で表示されるようにその位置が調整されているとよい。これにより、
図21(a)に示すようにプラズマ放電装置113を縮小表示させること、又は
図21(b)に示すようにプラズマ放電装置113を拡大表示させることができる。
【0266】
特に、スペースの観点及び放電発光させるのに必要な電圧の確保の容易性の観点からプラズマ放電装置113は小型のものが望ましい。一方、プラズマ放電装置113が小型化になると、放電発光が表示される領域が小さくなり、放電演出への注目度が低下するおそれがある。これに対して、レンズを用いてプラズマ放電装置113の拡大表示を行うことによって、上記不都合を回避しつつプラズマ放電装置113の小型化を図ることができる。
【0267】
なお、レンズに代えてミラー部材114を湾曲させてもよい。但し、この場合、透過光L1が回折することにより7セグメント表示装置112の表示態様が曲がった像になり得る。この点を鑑みると、レンズを別途設ける構成のほうが優れている。
【0268】
(18)上記実施形態では、開閉シャッタ221の開閉動作によりプラズマランプ120を視認させる状態と視認させない状態とに切り換える構成としたが、これに限られず、例えば開閉シャッタ221を設けず、放電用電極150に対する電圧印加のオン・オフ制御により上記切換を実行する構成としてもよい。但し、この場合、プラズマランプ120において放電発光を開始する際に発生するノイズによって他の電子機器が誤作動が生じ得るとともに、放電演出を行わない状況においてプラズマランプ120が映りこんでしまうといった不都合が生じ得る。これらの点を鑑みると、開閉シャッタ221を設ける構成のほうが優れている。
【0269】
(19)上記実施形態では、プラズマランプ120は球状の球殻部141を備え、全体として球状に形成されている構成としたが、これに限られず、例えば卵形状又は円柱形状をなしていてもよい。但し、放電経路の揺らぎの観点に着目すれば、プラズマランプ120は球形状であるのが好ましい。
【0270】
(20)上記実施形態では、作動口54は1つであったが、これに限られず、例えば作動口54を下作動口とし、当該下作動口の上方に上作動口を設けてもよい。この場合、上作動口への入賞に係る保留情報と下作動口への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。この場合に、上作動口への入賞に基づき取得された保留情報及び下作動口への入賞に基づき取得された保留情報のうち、前者の保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、後者の保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
【0271】
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口に対応した第1作動口と、下作動口に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドルの操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、保留予告に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
【0272】
また、上記構成において、メイン表示部59に、上作動口への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
【0273】
(21)上記実施形態では、通常大当たり結果と確変大当たり結果とで開閉実行モードの開閉制御態様が同一である構成となっているが、これに限られず、例えば異なる態様となっている構成としてもよい。具体的には、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置53への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定してもよい。例えば高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置53の開閉動作が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は可変入賞装置53への入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続されるように設定する。一方、低頻度入賞モードでは、例えば開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置53の開閉動作が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は可変入賞装置53への入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続されるように設定する。
【0274】
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける可変入賞装置53の開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置53への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
【0275】
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置53への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の可変入賞装置53の開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置53への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
【0276】
また、電動役物54aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とを設定する構成としてもよい。
【0277】
(22)上記各実施形態では、放電ガス144は大気圧よりも小さい気圧で封入してある構成としたが、これに限られず、例えば大気圧と同一又はそれよりも大きな気圧で封入されている構成としてもよい。但し、大気圧よりも小さい気圧とした方が、同一の電圧が印加されている状況において放電が起こり易いため、放電ガス144を小さい気圧で封入する構成の方が優れている。
【0278】
(23)上記各実施形態では、導電シール180の裏面全体に粘着剤が塗布されている構成としたが、これに限られず、例えば裏面の一部に粘着剤を塗布する構成としてもよい。この場合、粘着剤に対応する抵抗を小さくすることができるため、導電シール180による放電経路の誘導機能が高められる。但し、導電シール180の剥がれにくさに着目すれば、裏面全体に粘着剤を塗布する構成の方が好ましい。
【0279】
(24)上記各実施形態では、放電経路を誘導(集約)する導電シール180を設け、導電シール180をフローティング状態と接地状態とに切り換えることで、プラズマランプ120の放電発光の輝度を調整したが、これに限られず、例えば放電用電極150に対して印加する交流電圧を制御することで、プラズマランプ120の放電発光の輝度を調整してもよい。なお、交流電圧の制御を行う構成としては、例えば上記(10)に示した構成などが考えられる。
【0280】
(25)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【0281】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作される又は所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
【0282】
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
【0283】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0284】
特徴1.放電用のガス(放電ガス144)が封入された内部を視認可能な放電用容器(プラズマランプ120)及び放電用電極(放電用電極150)を有し、前記放電用電極に対して前記放電用のガスが電離可能な電圧が付与された場合に前記放電用容器内で放電発光を行うプラズマ放電手段(プラズマ放電装置113)と、
前記プラズマ放電手段の放電発光の輝度を調整する輝度調整手段(導電シール180及びNPNトランジスタ381)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0285】
特徴1によれば、放電用電極に電圧が付与されることによって、放電用容器に封入された放電用のガスが電離され、放電用容器内で放電発光が行われる。この場合、放電によって発生した荷電粒子の移動はランダムな移動であるため、放電経路はランダムに変動する。これにより、発光態様が固定された発光装置と比較して、遊技者の注意を惹き付けることができる。よって、プラズマ放電手段による表示演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
【0286】
かかる構成において、プラズマ放電手段の放電発光の輝度を調整することによって、放電の発光態様を遊技者に対して好適に視認させることができる。これにより、プラズマ放電手段による表示演出を好適に視認させることができ、当該表示演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
【0287】
特徴2.前記輝度調整手段は、
放電経路を誘導する誘導手段(導電シール180)と、
前記誘導手段による誘導が行われる第1状態と前記誘導が解除される又は緩められる第2状態とに切換可能な切換手段(NPNトランジスタ381)と、
を備えていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0288】
特徴2によれば、放電経路を誘導することによって、放電の発光態様を変化させることができる。当該誘導は切換手段により解除する又は緩めることができる。これにより、放電の発光態様の多様化を通じて遊技への注目度を高めることができる。
【0289】
特徴3.絵柄を表示させる絵柄表示手段(7セグメント表示装置112)と、
前記絵柄表示手段に表示される表示態様を決定する表示態様決定手段(MPU321の変動用コマンド対応処理においてステップS503又はステップS514の処理を実行する機能)と、
前記表示態様決定手段により決定された表示態様に基づいて、前記切換手段の切換制御を行う切換制御手段(MPU321の変動用コマンド対応処理においてステップS509、ステップS512、又はステップS515の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
【0290】
特徴3によれば、絵柄表示手段に表示される表示態様に基づいて、切換手段の切換制御を行うことにより、絵柄表示手段に表示される表示態様と放電手段の発光態様とを関連付けることができる。これにより、両者を1つの表示演出として遊技者に提供することができる。
【0291】
特徴4.前記誘導手段は、前記放電用電極との間に電位差を生じさせることが可能な補助電極(導電シール180)を備え、
前記切換手段は、前記補助電極を前記第1状態として前記電位差を生じさせる電位差発生状態と、前記第2状態としてフローティング状態とに切り換えるものであることを特徴とする特徴2又は特徴3に記載の遊技機。
【0292】
特徴4によれば、補助電極がフローティング状態である場合には放電経路は誘導されにくい一方、補助電極が電位差発生状態である場合には放電用電極と補助電極との間を電流が流れ易くなるため、放電経路が誘導され易くなる。よって、放電経路の誘導を好適に行うことができる。
【0293】
特徴5.前記放電用電極は棒状をなしており、
前記放電用容器は球形状をなしており、当該放電用容器には、その一部を内側に凹ませることによって前記放電用電極が挿入可能な凹部(電極用凹部152)が形成されており、
前記放電用電極は前記凹部に対して挿入した状態で配置されており、
前記補助電極は、前記放電経路を前記放電用電極の軸線方向と交差する方向に誘導するように配置されていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
【0294】
特徴5によれば、球形状の放電用容器に形成された凹部に棒状の放電用電極が挿入されている状況で放電用電極に電圧が付与されると、放電用電極と放電用容器の内壁面との間に放電経路が形成される。この場合、放電用容器が球形状をなしているため、放電経路が放電用電極を中心として放射状に形成されやすい。これにより、放電用電極を中心として放射状に広がる態様の放電発光の表示演出を視認させることができる。
【0295】
ここで、放電経路は補助電極により軸線方向と交差する方向に誘導され易い。これにより、放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見た場合の当該プラズマ放電手段の輝度を向上させることができる。
【0296】
特徴6.前記補助電極は、前記放電用容器を前記放電用電極の軸線周りに囲むように環状に形成されていることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
【0297】
特徴6によれば、補助電極が放電用電極の軸線周りに囲むように環状に形成されているため、放電経路は補助電極による誘導によって放電用電極を中心として軸線方向と交差する方向に形成され易くなる。これにより、放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見た場合に放電用容器全体が明るく見える。よって、放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見た場合に放電発光が見える領域を大きくすることができる。
【0298】
特徴7.前記凹部の内周面に導電層(導電性塗料191)を設けたことを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
【0299】
特徴7によれば、放電用電極に対して電圧が付与された場合、凹部の内壁面のうち導電層が形成された領域から放電が起こり易くなる。当該導電層は凹部の内周面に形成されているため、軸線方向に対して交差する方向に向けて放電が行われ易くなり、放電経路が補助電極にトラップされ易くなる。これにより、補助電極による放電経路の誘導機能を高めることができる。
【0300】
特徴8.前記放電用電極と前記凹部の内周面とを電気的に接続するものであって、前記凹部の内周面に対して複数箇所で接触している接続手段(スチールウール192)を備えていることを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
【0301】
放電用電極は棒状に形成されているため、放電用電極に電圧を付与した場合、放電用電極の先端部周辺に不均一な電界が生じ、当該先端部から放電が行われ易い。
【0302】
これに対して、本特徴によれば、接続手段を介して放電用電極と凹部の内周面とが電気的に接続されているため、放電用電極に対して電圧が付与されると、接続手段と凹部の内周面との接点から放電が行われ易い。当該接点は放電用電極の軸線周りに複数形成されているため、形成される放電経路の数が増加するとともに、軸線方向に対して交差する方向において放電経路の任意性が向上する。これにより、放電経路が軸線方向と交差する方向に形成される範囲内において当該放電経路のランダム性の向上を図ることができる。よって、放電経路の集約と放電経路のランダム性との両立を図ることができる。
【0303】
なお、特徴7との関係によれば、「前記接続手段は、前記導電層に対して複数箇所で接触している」とよい。
【0304】
特徴9.前記接続手段は、金属繊維の集合体からなる綿状の導電材(スチールウール192)を備え、
前記導電材は前記放電用電極と前記凹部の内周面との間に挟まれていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
【0305】
特徴9によれば、綿状の導電材を挟むことによって放電用電極と凹部の内周面とが電気的に接続されるとともに、導電材と凹部の内周面との接点が多数形成される。これにより、凹部の内周面と接続手段との多接点化を容易に実現することができる。
【0306】
特徴10.前記プラズマ放電手段は、前記放電用容器を収容可能な内部空間(収容空間164)を有するカバー部材(カバー部材161)を備え、
前記放電用容器は前記カバー部材に収容されており、
前記補助電極は、前記カバー部材に取り付けられていることを特徴とする特徴4乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
【0307】
一般的に放電用容器は耐熱性及び絶縁性の観点からガラス管等の比較的壊れ易い材料で形成される場合がある。このため、外部からの衝撃により放電用容器が破壊するおそれがある。これに対して、本特徴によれば、放電用容器がカバー部材の内部空間に収容されているため、外部からの衝撃による放電用容器の破壊を抑制し得る。
【0308】
ここで、補助電極はカバー部材に取り付けられている。これにより、補助電極をプラズマ放電手段の外側から取り付けることができるため、補助電極の取付作業を容易に行うことができる。また、補助電極の取り付けの際に放電用容器に直接触れる必要がないため、取付作業において放電用容器が壊れるという不都合を回避することができる。
【0309】
特徴11.前記放電用電極は棒状をなしており、
前記放電用容器は球形状をなしており、当該放電用容器には、その一部を内側に凹ませることによって前記放電用電極が挿入可能な凹部(電極用凹部152)が形成されており、
前記放電用電極は前記凹部に対して挿入した状態で配置されており、
前記補助電極は、一方の面に粘着層が形成されたシール部材(導電シール180)であり、
当該シール部材は、前記カバー部材のうち前記放電用電極の軸線周りの特定箇所に貼り付けられていることを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
【0310】
特徴11によれば、球形状の放電用容器に形成された凹部に棒状の放電用電極が挿入されている状況で放電用電極に電圧が付与されると、放電用電極の先端部と放電用容器の内壁面との間に放電経路が形成される。この場合、放電用容器が球形状をなしているため、放電経路が放電用電極を中心として放射状に形成されやすい。これにより、放電用電極を中心として放射状に広がる態様の放電発光の表示演出を視認させることができる。
【0311】
ここで、補助電極としてのシール部材が放電用電極の軸線周りの特定箇所に貼り付けられているため、放電経路は補助電極により軸線方向と交差する方向に誘導され易い。これにより、放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見た場合のプラズマ放電手段の輝度を向上させることができる。
【0312】
また、例えば特定箇所として放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見た場合に目立ちにくい箇所にシール部材を貼り付けることにより、放電発光の表示演出を行う場合にシール部材が邪魔になりにくくすることができる。よって、補助電極を設けることによって生じ得る不都合を回避することができる。
【0313】
さらに、補助電極がシール部材であるため、補助電極の取り付けを容易に行うことができる。これにより、補助電極の取り付けることによって生じ得る作業性の低下を抑制し得る。
【0314】
特徴12.前記カバー部材は、
円筒状に形成され、その内径が前記放電用容器の外径と同一又はそれよりも大きく設定された円筒部(カバー側円筒部162)と、
前記円筒部の一端部と連続するとともに前記放電用容器の球形状に対応させて略半球殻状に形成された半球殻部(半球殻部163)と、
を備え、
前記内部空間は前記円筒部及び前記半球殻部によって区画形成される空間であり、前記円筒部の他端部を介して開放されており、
前記放電用電極は、その基端部側が前記円筒部の他端部側に配置され且つ先端部が前記円筒部の軸線方向における前記半球殻部側を向くように配置されており、
前記シール部材は、前記特定箇所として前記円筒部の外周面に貼り付けられていることを特徴とする特徴11に記載の遊技機。
【0315】
例えばカバー部材が球形状に形成されている状況においてその外周面の軸線周りにシール部材を貼り付けた場合、放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見るとシール部材が内径と外径とを有するリング状に見えて、放電発光の表示演出を視認させる際に当該シール部材が邪魔になり易い。特に、軸線方向のシール部材の長さ寸法が大きくなるほどシール部材が邪魔になり易い。かといって、上記長さ寸法を小さくすると、シール部材が剥がれ易くなるとともに、放電経路の誘導機能が低下する。
【0316】
これに対して、本特徴によれば、軸線方向が放電用電極のそれと同一の円筒部の外周面にシール部材が貼り付けられているため、プラズマ放電手段を放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見た場合にシール部材は線状に見える。この場合、放電発光が行われる領域に対してシール部材が占める割合が球面に貼り付けた場合と比較して小さくなるため、シール部材が目立ちにくくなる。これにより、シール部材が邪魔になって放電発光の表示演出が見えにくくなるという不都合を回避することができる。
【0317】
また、かかる構成によれば、上記長さ寸法を大きくしても、放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見た場合の見た目上の変化はないため、放電発光の表示演出の際にシール部材が邪魔になることを考慮することなく上記長さ寸法を設定することができる。これにより、シール部材を好適に取り付ける機能及び当該シール部材の誘導機能を好適に発揮させる機能を確保しつつ、上記効果を得ることができる。
【0318】
特徴13.前記シール部材は遮光性を有し、
前記軸線方向における前記シール部材の長さ寸法は、当該シール部材によって囲まれた領域内に前記放電用電極の少なくとも一部が配置されるように設定されていることを特徴とする特徴12に記載の遊技機。
【0319】
特徴13によれば、放電用電極の少なくとも一部が遮光性を有するシール部材によって囲まれているため、放電経路が集約される箇所がシール部材によって覆われることとなる。これにより、放電用電極の延長上からプラズマ放電手段を見た場合の放電の発光態様が一層見え易くなる。
【0320】
特徴14.絵柄を表示する絵柄表示手段(7セグメント表示装置112)と、
遊技機前面に設けられた視認部(表示部61)と、
当該視認部の後方に設けられ、照射された光の一部を反射し一部を透過するミラー部材(ミラー部材114)と、
を備え、
前記絵柄表示手段の表示絵柄及び前記プラズマ放電手段による放電の発光態様のうちいずれか一方は、前記ミラー部材の透過を介して前記視認部から視認可能に構成されている一方、
他方は、前記ミラー部材の反射を介して前記視認部から視認可能に構成されていることを特徴とする特徴1乃至13のいずれか1に記載の遊技機。
【0321】
特徴14によれば、同一の視認部を介して絵柄表示手段による絵柄を視認させたりプラズマ放電手段の放電の発光態様を視認させたりすることができる。これにより、絵柄表示手段とプラズマ放電手段とを単に設けた構成と比較して、斬新な表示演出を遊技者に提供することができる。
【0322】
特に、絵柄を表示させるという絵柄表示手段の表示形態は、プラズマ放電手段の表示形態とはまったく異なる形態であるため、両者の混合により表示演出をより斬新なものとすることが可能となる。これにより、遊技への注目度を高めることができる。
【0323】
また、例えば絵柄表示手段により表示される絵柄とプラズマ放電手段の放電の発光態様とをオーバーラップして表示させることが可能となる。これにより、表示演出の多様化を図ることができる。
【0324】
特徴15.前記プラズマ放電手段は前記ミラー部材の上方又は下方に配置されている一方、前記絵柄表示手段は前記ミラー部材の後方に配置されており、
前記ミラー部材は、前記プラズマ放電手段側から入射される光の反射光が前記絵柄表示手段側から入射される光の透過光と同一方向となるように前記視認部に対して傾斜していることを特徴とする特徴14に記載の遊技機。
【0325】
特徴15によれば、視認部側から入射される光の強度が絵柄表示手段側から透過する光の強度よりも大きい場合、ミラー部材は鏡のように機能する。この場合、プラズマ放電手段がミラー部材に映し出されることとなり、視認部を介してプラズマ放電手段の放電発光を視認させることができる。
【0326】
一方、絵柄表示手段側から透過する光の強度が視認部側から入射される光の強度よりも大きい場合、絵柄表示手段側からの光が視認部を介して視認可能となり、絵柄表示手段を視認することができる。これに対して、かかる状況においてプラズマ放電手段による放電発光が行われた場合には当該発光を視認することができる。以上のことから、透過光を介して視認させるには、反射光を介する場合と異なり、視認部側からの光の強度よりも発光強度を大きくする必要がある。
【0327】
ここで、プラズマ放電手段の放電発光の強度は比較的小さいため、当該放電発光の強度を視認部側からの光の強度よりも大きくさせにくい。これに対して、本特徴によれば、絵柄表示手段を比較的光の強度が要求されるミラー部材の後方に配置し、プラズマ放電手段を比較的光の強度が比較的弱くてもよいミラー部材の上方又は下方に配置する構成となっているため、光の強度が比較的小さい放電発光を好適に視認させつつ、絵柄を表示させることが可能となっている。
【0328】
特に、絵柄表示手段により表示される絵柄とプラズマ放電手段の放電の発光態様とをオーバーラップして表示させる場合に、両者をそれぞれ見易い態様で視認させることができる。
【0329】
特徴16.前記プラズマ放電手段による発光を視認させる開状態と当該発光の一部又は全部を視認させない閉状態とに切換可能な開閉手段(開閉シャッタ221)を備えていることを特徴とする特徴1乃至15のいずれか1に記載の遊技機。
【0330】
プラズマ放電手段による放電発光の開始タイミングではノイズが発生する。当該ノイズは放電発光期間中と比較して大きい。ここで、本特徴によれば、開閉手段を作動させることによって放電の発光態様を視認させる状態と視認させない状態との切換が実現されるため、放電発光のオン・オフ制御を行う必要がない。これにより、放電発光の開始タイミングにおけるノイズによって生じ得る誤作動を抑制し得る。
【0331】
また、プラズマ放電手段の放電発光が行われていない場合であっても、周囲からの光の差し込み具合によっては、プラズマ放電手段が見えてしまうおそれがある。これに対して、本特徴によれば、放電発光の表示演出を行わない場合に開閉手段を閉状態にすることでプラズマ放電手段が見えないようにすることができる。これにより、上記不都合を回避することができる。
【0332】
特徴17.絵柄を表示する絵柄表示手段(7セグメント表示装置112)と、
遊技機前面に設けられた視認部(表示部61)と、
当該視認部の後方に設けられ、照射された光の一部を反射し一部を透過するミラー部材(ミラー部材114)と、
を備え、
前記絵柄表示手段の表示絵柄及び前記プラズマ放電手段による放電の発光態様のうちいずれか一方は、前記ミラー部材の透過を介して前記視認部から視認可能に構成されている一方、
他方は、前記ミラー部材の反射を介して前記視認部から視認可能に構成されており、
前記開閉手段は、前記プラズマ放電手段から前記ミラー部材への光の光路上であって、前記絵柄表示手段から前記視認部への光の光路上から外れた位置に配置されていることを特徴とする特徴16に記載の遊技機。
【0333】
特徴17によれば、同一の視認部を介して絵柄表示手段による絵柄を視認させたりプラズマ放電手段の放電の発光態様を視認させたりすることができる。これにより、絵柄表示手段とプラズマ放電手段とを単に設けた構成と比較して、斬新な表示演出を遊技者に提供することができる。
【0334】
特に、絵柄を表示させるという絵柄表示手段の表示形態は、プラズマ放電手段の表示形態とはまったく異なる形態であるため、両者の混合により表示演出をより斬新なものとすることが可能となる。これにより、遊技への注目度を高めることができる。
【0335】
また、例えば絵柄表示手段により表示される絵柄とプラズマ放電手段の放電の発光態様とをオーバーラップして表示させることが可能となる。これにより、表示演出の多様化を図ることができる。
【0336】
ここで、プラズマ放電手段から視認部への光の光路上に開閉手段が配置されている一方、絵柄表示手段から視認部への光の光路上には開閉手段は配置されていない。これにより、絵柄表示手段から視認部への光が開閉手段により阻害されにくい。よって、開閉手段が閉状態となった場合であっても視認部を介して絵柄表示手段の絵柄を視認させることができる。したがって、絵柄を表示させる場合に開閉手段が邪魔になるという不都合を回避することができる。
【0337】
特徴18.絵柄を表示する絵柄表示手段(7セグメント表示装置112)と、
前記絵柄表示手段に表示される表示態様を決定する表示態様決定手段(MPU321の変動用コマンド対応処理においてステップS503又はステップS514の処理を実行する機能)と、
前記表示態様決定手段により決定された表示態様に基づいて、前記開閉手段の開閉動作を制御する開閉動作制御手段(MPU321の変動用コマンド対応処理においてステップS510、ステップS513、又はステップS516の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴16又は特徴17に記載の遊技機。
【0338】
特徴18によれば、絵柄表示手段に表示される表示態様に基づいて、開閉手段の開閉動作を制御することにより、絵柄表示手段に表示される表示態様とプラズマ放電手段の発光態様とを関連付けることができる。これにより、1つの表示演出として遊技者に提供することができる。
【0339】
また、特徴3との関係においては、「前記表示態様決定手段により決定された表示態様に基づいて、前記開閉手段の開閉動作の制御及び前記切換手段の切換制御を行う制御手段を備えている」構成としてもよい。
【0340】
特徴19.商用電源に接続され、当該商用電源を直流電圧に変換するとともに当該直流電圧を供給する電源手段(電源及び発射制御装置92)と、
前記電源手段から直流電圧が供給された場合に、遊技に関する制御を行う遊技制御手段(音声ランプ制御装置71、主制御装置72)と、
前記遊技制御手段を介して前記電源手段から直流電圧が供給された場合に、前記放電用電極に対して前記プラズマ放電手段が放電可能な特定交流電圧を付与する放電用電源手段(放電用の電源回路350)と、
を備え、
前記プラズマ放電手段は、前記放電用電極に対して前記特定交流電圧が付与された場合に放電を行うものであることを特徴とする特徴1乃至18のいずれか1に記載の遊技機。
【0341】
特徴19によれば、遊技制御手段は直流駆動であり、それに対応させて電源手段は直流電圧を供給するように設定されている。これに対して、プラズマ放電手段は交流駆動となっているため、電源手段から供給される直流電圧をそのまま用いることができない。
【0342】
これに対して、本特徴では、電源手段とは別に放電用電源手段が設けられており、当該放電用電源手段から特定交流電圧が付与される構成となっている。これにより、直流駆動の遊技機において交流駆動のプラズマ放電手段を設けることが可能となっている。よって、既存の遊技機の遊技制御手段の変更を最小限に抑えつつ、プラズマ放電手段を取り付けることができる。
【0343】
特徴20.前記特定交流電圧は、前記電源手段から供給される直流電圧とは異なる電圧であり、
前記放電用電源手段は、
前記遊技制御手段を介して前記電源手段から供給される直流電圧を交流電圧に変換する変換手段(発振回路351)と、
前記変換手段により変換された交流電圧を前記特定交流電圧に昇圧する変圧手段(トランス352)と、
を備えていることを特徴とする特徴19に記載の遊技機。
【0344】
特徴20によれば、遊技制御手段を介して電源手段から供給される直流電圧を用いて特定交流電圧を生成することができる。これにより、遊技制御手段及び電源手段に対して特別な構成を設ける必要がないため、既存の遊技機に対してプラズマ放電手段を好適に取り付けることができる。
【0345】
また、変換された交流電圧を昇圧する構成となっているため、直流電圧を昇圧する構成と比較して昇圧に係る構成の簡素化を図ることができる。これにより、遊技機にプラズマ放電手段を搭載するための構成の簡素化を通じて、遊技機に対してプラズマ放電手段を搭載する際に生じ得るコスト増大を抑制し得る。
【0346】
特徴21.前記プラズマ放電手段とは別に、遊技に関する演出を行う場合に用いられる演出装置(スピーカ部26等)を備え、
前記遊技制御手段は、第1制御手段(主制御装置72)と、当該第1制御手段から送信された情報に基づいて前記演出装置による演出の制御を行う第2制御手段(音声ランプ制御装置71)とを備え、
前記放電用電源手段は、前記第2制御手段から直流電圧が供給された場合に動作するものであり、
前記放電用電源手段と前記第2制御手段とは離間した位置に配置されていることを特徴とする特徴19又は特徴20に記載の遊技機。
【0347】
特徴21によれば、第2制御手段から直流電圧が供給された場合に放電用電源手段が動作するようになっている。この場合、既存の制御体系を変更する必要がないため、既存の遊技機に対する変更を少なくすることができる。これにより、既存の遊技機に対してプラズマ放電手段を好適に搭載することができる。
【0348】
また、第2制御手段から直流電圧が供給されることに基づいて放電用電源手段が動作し、プラズマ放電手段による放電が行われる。当該第2制御手段は演出装置を用いた制御を行うものであるため、プラズマ放電手段と演出装置とを関連付けた演出を実行することが可能となり、演出の多様化を図ることができる。
【0349】
特に、第2制御手段と放電用電源手段とが離間した位置に配置されているため、放電用電源手段から発生するノイズが第2制御手段に対して影響を及ぼしにくい。よって、放電用電源手段を設けることによって生じ得る第2制御手段の誤作動を抑制し得る。
【0350】
特徴22.前記放電用電源手段は、前記特定交流電圧の周波数を変更する周波数変更手段(バリアブルコンデンサ401及び切換駆動部402)を備えていることを特徴とする特徴19乃至21のいずれか1に記載の遊技機。
【0351】
特徴22によれば、特定交流電圧の周波数が変更可能となっているため、当該周波数を変更することで、放電の輝度を制御することができる。これにより、所定のタイミングで放電による輝度を大きくする等によって、プラズマ放電手段による表示演出への注目度を高めることができる。
【0352】
また、例えば遊技が行われていない状況において周波数を小さくすることで、放電を抑え、放電によって生じる熱を抑制することができる。これにより、上記熱によって放電用容器が破損する不都合を回避しつつ、遊技が行われている状況においてはプラズマ放電手段による表示演出を好適に行うことができる。
【0353】
特徴23.放電用のガス(放電ガス144)が封入された内部を視認可能な放電用容器(プラズマランプ120)及び放電用電極(放電用電極150)を有し、前記放電用電極に対して前記放電用のガスが電離可能な電圧が付与された場合に前記放電用容器内で放電発光を行うプラズマ放電手段(プラズマ放電装置113)と、
当該放電の放電経路を誘導するように前記放電用電極との間に電位差を生じさせる補助電極(導電シール180)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0354】
特徴23によれば、放電用電極に電圧が付与されることによって、放電用容器に封入された放電用のガスが電離され、放電用容器内で放電発光が行われる。この場合、放電経路はランダムに変動するため、発光態様が固定された発光装置と比較して、遊技者の注意を惹き付けることができる。よって、プラズマ放電手段による表示演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。しかしながら、発光態様のランダム性により、全体としての輝度が小さくなる。
【0355】
これに対して、本特徴によれば、補助電極が設けられているため、放電用電極と上記補助電極に対応した箇所との間に放電経路が集約され易い。よって、プラズマ放電手段の輝度が高められたように見え、発光態様が見え易くなる。したがって、放電の発光態様を好適に表示させることができ、当該表示を通じて遊技への注目度を高めることができる。
【0356】
また、補助電極を設けることによって、遊技機に設けられた電子機器の周囲にプラズマ放電手段を設置した場合において放電経路の電子機器による影響を受けにくくすることができる。これにより、プラズマ放電手段を設けた場合に生じ得るプラズマ放電手段と電子機器との干渉を抑制し得る。
【0357】
なお、「前記放電用電極との間に電位差を生じさせる」の具体的な構成としては例えば補助電極を接地させる構成が考えられる。
【0358】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0359】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0360】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。