(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のパターンに基づいて設定された第1のサーチスペース又は第2のパターンに基づいて設定された第2のサーチスペースにマッピングされた下り制御情報を含む信号を受信し、各パターンは、複数の集約レベル(aggregation level)の各々について一つ又は複数のPDCCH候補を定義し、各PDCCH候補は、1つのコントロールチャネルエレメント(CCE)又は集約された複数のCCEによって構成され、前記第1のパターンにより定義される複数の集約レベルは、前記第2のパターンにより定義される複数の集約レベルと重複し、前記第2のパターンは、前記第1のパターンにより定義される前記複数の集約レベルのうちの少なくとも一つを有する一つ又は複数のPDCCH候補、及び、前記複数の集約レベルのいずれよりも高い集約レベルを有する一つのPDCCH候補を定義し、前記第1のサーチスペース中に含まれる各PDCCH候補のリソース位置は、前記第2のサーチスペースに含まれるPDCCH候補のリソース位置のいずれとも重ならない、受信部と、
前記第1のサーチスペースに含まれる一つ又は複数のPDCCH候補又は前記第2のサーチスペースに含まれる一つ又は複数のPDCCH候補をモニタして、自装置宛の下り制御情報を取得するモニタリング部と、
を具備する受信装置。
第1のパターンに基づいて設定された第1のサーチスペース又は第2のパターンに基づいて設定された第2のサーチスペースにマッピングされた下り制御情報を含む信号を受信し、各パターンは、複数の集約レベル(aggregation level)の各々について一つ又は複数のPDCCH候補を定義し、各PDCCH候補は、1つのコントロールチャネルエレメント(CCE)又は集約された複数のCCEによって構成され、前記第1のパターンにより定義される複数の集約レベルは、前記第2のパターンにより定義される複数の集約レベルと重複し、前記第2のパターンは、前記第1のパターンにより定義される前記複数の集約レベルのうちの少なくとも一つを有する一つ又は複数のPDCCH候補、及び、前記複数の集約レベルのいずれよりも高い集約レベルを有する一つのPDCCH候補を定義し、前記第1のサーチスペース中に含まれる各PDCCH候補のリソース位置は、前記第2のサーチスペースに含まれるPDCCH候補のリソース位置のいずれとも重ならず、
前記第1のサーチスペースに含まれる一つ又は複数のPDCCH候補又は前記第2のサーチスペースに含まれる一つ又は複数のPDCCH候補をモニタして、受信装置宛の下り制御情報を取得する、
受信方法。
【背景技術】
【0002】
例えば3GPP(third generation partnership project)で標準化されたUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)などの第3世代(3G)の移動システムは、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)(登録商標)無線アクセス技術に基づいている。今日、3Gシステムは世界中に広範な規模で配備されつつある。HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)、および、HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)とも呼ばれる強化されたアップリンクを導入することによってこの技術を拡張した後、UMTS標準の発展における次の主要な段階では、ダウンリンクでのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)と、アップリンクでのSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiplexing Access)との組合せが取り入れられた。このシステムは、将来の技術発展に対応していくことを意図しているため、LTE(Long Term Evolution)と名付けられている。
【0003】
LTEシステムは、低待ち時間かつ低コストでIPに完全に基づく諸機能を提供する、パケットを利用した効率的な無線アクセスおよび無線アクセスネットワークに相当する。詳細なシステム要件は、非特許文献1(http://www.3gpp.org/で入手することができ、その内容は本明細書に援用される)で得られる。ダウンリンクは、QPSK、16QAM、および64QAMのデータ変調方式に対応し、アップリンクは、BPSK、QPSK、8PSK、および16QAMに対応する。
【0004】
LTEのネットワークアクセスは、5MHzにチャネルが固定されたUTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)と対照的に、1.25〜20MHzの間のいくつかの規定チャネル帯域幅を使用し、柔軟性が非常に高い。スペクトル効率はUTRAと比べて最高で4倍まで向上され、アーキテクチャおよびシグナリングの改善により往復の待ち時間が短縮される。MIMO(Multiple Input/Multiple Output)のアンテナ技術により、3GPPの当初のWCDMA無線アクセス技術に比べて1セル当たり10倍のユーザに対応できるようになる。可能な限り多くの周波数帯割当の配置に適合するために、ペアになった帯域動作(FDD:Frequency Division Duplex)およびペアをなさない帯域動作(TDD:Time Division Duplex)の両方に対応する。LTEは、隣接するチャネル内でも以前の3GPP無線技術と共存することができ、すべての3GPPの以前の無線アクセス技術との間で呼を受け渡しすることができる。
【0005】
図1に、LTEリリース8のコンポーネントキャリア(Component Carrier)の構造を示す。3GPP LTEリリース8のダウンリンクのコンポーネントキャリアは、時間−周波数領域でいわゆるサブフレームに分割される。各サブフレームは、1期間T
slotに相当する2つのダウンリンクスロット120に分割される。第1のダウンリンクスロットは、先頭のOFDMシンボルの中に制御チャネル領域を備える。各サブフレームは、時間領域の所定数のOFDMシンボルからなる。各OFDMシンボルはコンポーネントキャリアの帯域幅全体に渡る。スケジューラによって割り当てることができる最小単位のリソースはリソースブロック130であり、これは物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)とも呼ばれる。PRB130は時間領域のN
symbDL個の連続したOFDMシンボルおよび周波数領域のN
SCRB個の連続したサブキャリアとして定義される。実際の運用では、ダウンリンクリソースはリソースブロックペアとして割り当てられる。リソースブロックペアは、2つのリソースブロックからなる。1リソースブロックペアは、周波数領域のN
SCRB個の連続したサブキャリアと、時間領域のサブフレームの2・N
symbDL個の全変調シンボルに渡る。N
symbDLは6または7であり、結果として合計12個または14個のOFDMシンボルがあることになる。したがって、物理リソースブロック130は、時間領域の1スロットおよび周波数領域の180kHzに相当するN
symbDL×N
SCRB個のリソースエレメント(Resource Element)140からなる(ダウンリンクのリソースグリッドに関するさらなる詳細は、例えば非特許文献2(http://www.3gpp.org.で入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される)。
【0006】
ダウンリンクの物理リソースブロックの数N
RBDLは、セル内で設定されたダウンリンク送信の帯域幅に応じて決まり、現在LTEでは6〜110個のPRBで規定される。
【0007】
データは、仮想リソースブロックのペアを利用して物理リソースブロックにマッピングされる。仮想リソースブロックのペアが物理リソースブロックのペアにマッピングされる。下記の2種類の仮想リソースブロックが、LTEのダウンリンクの物理リソースブロックへのマッピングに従って定義される。
−LVRB(Localized Virtual Resource Block、局所VRB)
−DVRB(Distributed Virtual Resource Block、分散VRB)
【0008】
局所VRBを使用する局所送信モードでは、eNBが、どのリソースブロックをどれくらい使用するかについて完全に制御し、通常はその制御により、スペクトル効率が高くなるリソースブロックを選択する。大半の移動通信システムでは、その結果、隣接する物理リソースブロックまたは隣接する物理リソースブロックの複数個のまとまりが単一のユーザ機器への送信のために使用されることになる。これは、無線チャネルが周波数領域でコヒーレントであるためであり、1つの物理リソースブロックで高いスペクトル効率が得られる場合には、それに隣接する物理リソースブロックでも同様に高いスペクトル効率が得られる可能性が高いことを示唆する。分散VRBを使用する分散伝送モードでは、充分に高いスペクトル効率をもたらす少なくともいくつかの物理リソースブロックに当たり、それにより周波数ダイバーシチを得るために、同じUE向けデータを伝送する物理リソースブロックが周波数帯に渡って分散される。
【0009】
3GPP LTEリリース8では、アップリンクおよびダウンリンクに1つのコンポーネントキャリアしかない。ダウンリンクの制御シグナリングは、基本的に次の3つの物理的なチャネルによって伝送される。
−サブフレームにおいて制御シグナリングに使用されるOFDMシンボルの数(つまり、制御チャネル領域の大きさ)を指示するPCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、
−アップリンクのデータ送信に関連するダウンリンクのACK/NACKを伝送するPHICH(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)、および
−ダウンリンクのスケジューリング割当およびアップリンクのスケジューリング割当を伝送するPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理ダウンリンク制御チャネル)。
【0010】
PCFICHは、既知の所定の変調および符号化方式を使用して、ダウンリンクサブフレームの制御シグナリング領域内の既知の位置から送信される。ユーザ機器は、サブフレーム中の制御シグナリング領域の大きさ、例えばOFDMシンボルの数に関する情報を得るためにPCFICHを復号する。ユーザ機器(UE:User Equipment)がPCFICHを復号できない場合、または誤りのあるPCFICH値を得た場合、制御シグナリング領域に含まれるL1/L2制御シグナリング(PDCCH)を正しく復号することができず、その結果制御シグナリング領域に含まれるすべてのリソース割当が失われる可能性がある。
【0011】
PDCCHは、例えばダウンリンクまたはアップリンクのデータ送信用のリソースを割り当てるためのスケジューリング・グラントなどの制御情報を伝送する。物理制御チャネルは、1つまたは数個の連続したCCE(Control Channel Element)を集約(aggregation)したもので送信される。各CCEは、いわゆるリソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)にまとめられたリソースエレメントの組に相当する。CCEは、通例、9個のリソースエレメントグループに対応する。PDCCH内のスケジューリング・グラントは、CCEに基づいて定義される。リソースエレメントグループは、リソースエレメントへの制御チャネルのマッピングを定義するために使用される。各REGは、同じOFDMシンボル中にある参照信号を除く4つの連続したリソースエレメントからなる。REGは、1つのサブフレーム内の1番目から4番目のOFDMシンボルに存在する。ユーザ機器向けのPDCCHは、サブフレーム中のPCFICHに従って、先頭の1つ、2つ、または3つのOFDMシンボルで送信される。
【0012】
3GPP LTEリリース8(および後のリリース)において物理リソースへのデータのマッピングに使用される別の論理単位はリソースブロックグループ(RBG)である。リソースブロックグループは、(周波数で)連続した物理リソースブロックの組である。RBGの概念は、指示などのためのオーバーヘッドを最小にし、それにより送信時のデータに対する制御オーバーヘッドの比率を下げるために、受信ノード(例えばUE)に割り当てられるリソースの位置を指示するために特定のRBGをアドレス指定することを可能にする。現在、RBGのサイズは、システム帯域幅、具体的には、N
RBDLに応じて、1、2、3、または4と指定されている。LTEリリース8におけるPDCCHのRBGのマッピングに関するさらなる詳細は、非特許文献3(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得られ、その内容は本明細書に援用される。
【0013】
PDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理ダウンリンク共有チャネル)はユーザデータの伝送に使用される。PDSCHは、1つのサブフレーム中でPDCCHの後に残りのOFDMシンボルにマッピングされる。1つのUEに割り当てられるPDSCHリソースは、サブフレームごとにリソースブロックを単位とする。
【0014】
図2に、サブフレーム内のPDCCHおよびPDSCHのマッピング例を示す。最初の2つのOFDMシンボルが制御チャネル領域(PDCCH領域)を形成し、L1/L2の制御シグナリングに使用される。残りの12個のOFDMシンボルがデータチャネル領域(PDSCH領域)を形成し、データに使用される。すべてのサブフレームのリソースブロックペアで、セル固有の参照信号、いわゆるCRS(Common Reference Signal:共通参照信号)が1つまたは数個のアンテナポート0〜3で送信される。
図2の例では、CRSは、R0およびR1の2つのアンテナポートから送信される。さらに、サブフレームは、ユーザ機器でPDSCHを復調するために使用されるUE固有の参照信号、いわゆるDM−RS(Demodulation Reference Signal:復調用参照信号)も含む。DM−RSは、特定のユーザ機器に対してPDSCHが割り当てられているリソースブロックでのみ送信される。DM−RSを用いてMIMOに対応するために、4つのDM−RS層が定義され、つまり、最大で4層のMIMOがサポートされることを意味する。この例では、
図2で、DM−RS層1、2、3、および4がMIMO層1、2、3、および4に対応している。
【0015】
LTEの主要な特徴の1つは、同期された1つの周波数ネットワークを通じて複数のセルからマルチキャストデータまたはブロードキャストデータを送信できることであり、これはMBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)動作と呼ばれる。MBSFN動作では、UEは、複数のセルから同期された信号を受信し、それらの信号を合成する。これを容易にするために、UEは、MBSFN参照信号に基づいて別個のチャネル推定を行う必要がある。同じサブフレーム内にMBSFN参照信号と通常の参照信号とが混在することを回避するために、MBSFNサブフレームと呼ばれる特定のサブフレームがMBSFN送信から予約される。
【0016】
MBSFNサブフレームの構造が
図3に示され、最初の2つのOFDMシンボルまでが非MBSFN送信のために予約され、残りのOFDMシンボルがMBSFN送信に使用される。1番目から2番目のOFDMシンボルにおいて、アップリンクリソース割当のためのPDCCHとPHICHとを送信することができ、セル固有の参照信号は、非MBSFN送信用のサブフレームと同じである。1つのセル内のMBSFNサブフレームの特定のパターンは、そのセルのシステム情報でブロードキャストされる。MBSFNを受信することができないUEは、1番目から2番目のOFDMシンボルを復号し、残りのOFDMシンボルは無視する。MBSFNサブフレームの構成は、10msおよび40ms両方の周期に対応可能である。ただし、番号0、4、5、および9のサブフレームは、MBSFNサブフレームとして設定することができない。
図3に、MBSFNサブフレームの形式を示す。L1/L2の制御シグナリングで送信されるPDCCH情報は、共有制御情報と個別制御情報に分けることができる。
【0017】
IMT−advancedの周波数スペクトルは、2008年11月に開催された世界無線通信会議(WRC−07)で決定された。しかし、利用可能な実際の周波数帯幅は、地域または国ごとに異なる場合がある。3GPPにより標準化されたLTEの拡張版は、LTE−advanced(LTE−A)と呼ばれ、リリース10の主題として承認されている。LTE−Aリリース10はキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)を用いる。キャリアアグリゲーションでは、より広い伝送帯域幅、例えば最高で100MHzの伝送帯域幅に対応するために、LTEリリース8で定義された2つ以上のコンポーネントキャリアが集約される。キャリアアグリゲーションについてのさらなる詳細は、非特許文献4(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。通例は、1つのコンポーネントキャリアは20MHzの帯域幅を超えないと想定される。端末は、その能力によっては、1つまたは複数のコンポーネントキャリアを同時に受信および/または送信する場合がある。UEは、アップリンクとダウンリンクとで異なる数のコンポーネントキャリア(CC)を集約するように構成することができる。設定可能なダウンリンクCCの数は、UEのダウンリンクの集約能力に応じて決まる。設定可能なアップリンクCCの数は、UEのアップリンクの集約能力に応じて決まる。ただし、ダウンリンクCCよりもアップリンクCCが多くなるようにUEを構成することはできない。
【0018】
用語「コンポーネントキャリア」は、用語「セル」と同義である場合もある。これは、LTEおよびUMTSの過去のリリースで知られるセルの概念と同様に、コンポーネントキャリアは、データの送信/受信のためのリソースを定義し、ワイヤレスノード(例えばUE、RN)に利用されるリソースに追加、再設定、または削除することができるためである。具体的には、セルは、ダウンリンクリソースと場合によってはアップリンクリソース、つまり、ダウンリンクのコンポーネントキャリアと場合によってはアップリンクのコンポーネントキャリアとの組合せである。Rel−8/9では、ダウンリンクリソースの1つのキャリア周波数とアップリンクリソースの1つのキャリア周波数がある。ダウンリンクリソースのキャリア周波数は、セル選択手順を通じてUEに検出される。アップリンクリソースのキャリア周波数は、SIB2(System Information Block 2)を通じてUEに通知される。キャリアアグリゲーションが設定される場合、ダウンリンクリソースの2つ以上のキャリア周波数と、可能性としてはアップリンクリソースの2つ以上のキャリア周波数がある。したがって、ダウンリンクリソースと場合によってはアップリンクリソースの2つ以上の組合せ、つまり2つ以上のサービングセルがあることになる。主要なサービングセルはPCell(Primary Cell)と呼ばれる。他のサービングセルはSCell(Secondary Cell(s))と呼ばれる。
【0019】
キャリアアグリゲーションが設定される場合、UEは、ネットワークとの無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を1つのみ有する。PCellは、RRC接続の再確立またはハンドオーバ時に非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)モビリティ情報およびセキュリティ入力を提供する。UEの能力に応じて、SCellは、PCellと共にサービングセルの組を形成するように構成することができる。RRC接続は、UE側のRRC層とネットワーク側のRRC層との間の接続である。UEとE−UTRAN間のRRC接続の確立、維持、および開放は、UEとE−UTRAN間の一時識別子の割当、RRC接続のためのシグナリング無線ベアラ(SRB:Signaling Radio Bearer(s))、つまり低優先度のSRBおよび高優先度のSRBの設定、を含む。RRCに関するさらなる詳細は、非特許文献5(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。
【0020】
ダウンリンクでは、PCellに対応するキャリアはDL PCC(Downlink Primary Component Carrier)と呼ばれ、一方、アップリンクでは、PCellに対応するキャリアはUL PCC(Uplink Primary Component Carrier)と呼ばれる。DLPCCとULPCCとの関連付けは、PCellからのシステム情報(SIB2)で通知される。システム情報は、各セルからブロードキャストされる共通の制御情報であり、例えば端末へのセルについての情報を含む。PCellのシステム情報の受信に関しては、Rel−8/9のLTEの手順が適用される。Rel−8/9のシステム情報受信手順の詳細は、非特許文献6(http://www.3gpp.orgで自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。ダウンリンクでは、SCellに対応するキャリアはDL SCC(Downlink Secondary Component Carrier)であり、一方、アップリンクではULSCC(Uplink Secondary Component Carrier)である。DL SCCとUL SCCとの関連付けは、SCellのシステム情報(SIB2)で通知される。SCellのすべての必要なシステム情報は、SCellを追加する際に個別のRRCシグナリングを通じてUEに送信される。したがって、UEが直接SCellからシステム情報を取得する必要はない。SCellのシステム情報は、そのSCellが設定されている限り有効であり続ける。SCellのシステム情報の変化は、SCellの除去および追加を通じて処理される。SCellの除去および/または追加は、RRC手順を使用して行うことができる。
【0021】
ダウンリンク・グラント(downlink grant)とアップリンク・グラント(uplink grant)はいずれもDL CCで受信される。したがって、あるDL CCで受信されたアップリンク・グラントが、どのUL CCのアップリンク送信に対応するのかを知るために、DL CCとUL CCとの関連付けが必要となる。
【0022】
UL CCとDL CCとの関連付けにより、当該グラントが適用されるサービングセルを特定することが可能となる。
−PCellで受信されるダウンリンク割当(downlink assignment)は、そのPCell内のダウンリンク送信に対応する。
−PCellで受信されるアップリンク・グラントは、そのPCell内のアップリンクの送信に対応する。
−SCell
Nで受信されるダウンリンク割当は、SCell
N内のダウンリンクの送信に対応する。
−SCell
Nで受信されるアップリンク・グラントは、SCell
N内のアップリンク送信に対応する。SCell
NがUEによるアップリンクの使用のために構成されていない場合は、グラントはUEに無視される。
【0023】
非特許文献7のSection 5.3.3.1において、CIF(Carrier Indication Field)を使用したクロスキャリアスケジューリング(cross-carrier scheduling:キャリア間スケジューリング)の可能性についても記載している。
【0024】
UEは、同時に複数個のサービングセルにまたがってスケジュールすることができる。CIFを用いたクロスキャリアスケジューリングにより、あるサービングセルのPDCCHが別のサービングセルのリソースをスケジュールすることが可能になる。ただし、以下のような制約がある。
−クロスキャリアスケジューリングはPCellには適用されない。すなわち、PCellは常に自身のPDCCHを介してスケジューリングされる。
−SCellのPDCCHが設定される場合、クロスキャリアスケジューリングはそのSCellには適用されない。すなわち、SCellは常に自身のPDCCHを介してスケジューリングされる。
−SCellのPDCCHが設定されない場合は、クロスキャリアスケジューリングが適用され、そのSCellは常に別のサービングセルのPDCCHを介してスケジューリングされる。
【0025】
したがって、CIFがない場合は、DL CCとUL CCとの関連付けによりアップリンク送信のためのUL CCが特定され、CIFがある場合は、CIF値によりアップリンク送信のためのUL CCが特定される。
【0026】
モニタ対象のPDCCH候補の組(「モニタリング」は各PDCCHの復号を試みることを意味する)が「サーチスペース」として定義される。CIFが設定されていないUEは、動作状態にある各サービングセルにおいて各集約レベル(aggregation level)1、2、4、8で1つのUE固有のサーチスペースをモニタする。CIFが設定されたUEは、1つまたは複数の動作状態にあるサービングセルにおいて各集約レベル1、2、4、8で1つまたは複数のUE固有のサーチスペースをモニタする。UEにCIFが設定される場合、UE固有のサーチスペースはコンポーネントキャリアによって決定される。これは、サーチスペースのPDCCH候補に対応するCCEのインデックスがCIFの値によって決まることを意味する。CIFは、コンポーネントキャリアのインデックスを指定する。
【0027】
UEが、CIFを用いて所定のDCIフォーマットサイズの所定のサービングセル内のPDCCH候補をモニタするように設定された場合、UEは、その所定のDCIフォーマットサイズに取りうるCIFのいずれかの値に対応するUE固有のサーチスペースで、その所定のDCIフォーマットサイズを有するPDCCH候補がその所定のサービングセルで送信される可能性があると想定する。すなわち、ある所定のDCIフォーマットサイズが2つ以上のCIF値を有することができる場合、UEは、その所定のDCIフォーマットの取りうるCIF値にそれぞれ対応する、UE固有のサーチスペース内のPDCCH候補をモニタすることになる。
【0028】
LTE−AでPDCCHについて定義される、CIFを使用した、または使用しないサーチスペースの構成についてのさらなる詳細は、非特許文献8(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。
【0029】
LTE−Aの別の主要な機能は、3GPP LTE−AのUTRANアーキテクチャに中継ノードに導入することにより中継機能を提供することである。中継は、LTE−Aでは、高いデータレートの利用可能範囲、グループのモビリティ、一時的なネットワーク配備、セルエッジのスループットを向上させ、および/または、新しい地域に受信可能範囲を提供するための手段と考えられる。
【0030】
中継ノードは、ドナー(donor)セルを介して無線アクセスネットワークにワイヤレスに接続される。中継の手法に応じて、中継ノードは、ドナーセルの一部としても、あるいは独自にセルを制御してもよい。中継ノードがドナーセルの一部である場合、中継ノードは独自のセルID(cell identity)は持たないが、中継IDは持つことができる。中継ノードが独自にセルを制御する場合は、1つまたは数個のセルを制御し、その中継ノードに制御される各セル内で一意の物理レイヤセルIDが提供される。少なくとも、「タイプ1」の中継ノードは3GPP LTE−Aの一部となる。「タイプ1」の中継ノードは、以下の特徴を持つ中継ノードである。
−中継ノードは、ユーザ機器に対してそれぞれドナーセルとは異なる別のセルに見えるセルを制御する。
−それらのセルはLTEリリース8で定義される独自の物理セルIDを持ち、中継ノードは、自身の同期チャネル、参照シンボル等を送信する。
−単一セル動作に関して、UEは、スケジューリング情報およびHARQフィードバックを中継ノードから直接受信し、自身の制御情報(ACK(Acknowledgments)、チャネル品質通知(CQI:Channel Quality Indications)、スケジューリング要求)を中継ノードに送信する。
−中継ノードは、後方互換性をサポートするために、3GPP LTE準拠のユーザ機器に対しては3GPP LTE準拠のeNodeBとして見えなければならない。
−中継ノードは、3GPP LTE−A準拠のユーザ機器に対してさらなる性能の拡張を可能にするために、3GPP LTEのeNodeBに対して異なる形で見えなければならない。
【0031】
図4は、中継ノードを使用した3GPP LTE−Aネットワーク構造の例を示す。ドナーeNodeB(d−eNB)410は、ユーザ機器UE1 415および中継ノード(RN)420に直接サービスし、中継ノード(RN)420はさらにUE2 425にサービスする。ドナーeNodeB410と中継ノード420との間のリンクは、通例、中継バックホールアップリンク/ダウンリンクと呼ばれる。中継ノード420と、その中継ノードに接続されたユーザ機器425(r−UEとも称する)との間のリンクは(中継)アクセスリンクと呼ばれる。
【0032】
ドナーeNodeBは、L1/L2制御およびデータをマイクロユーザ機器UE1 415と、中継ノード420にも送信し、中継ノード420はさらにそのL1/L2制御およびデータを中継ユーザ機器UE2 425に送信する。中継ノードは、送信動作と受信動作を同時に行うことはできない時間多重化モードで動作することができる。具体的には、eNodeB410から中継ノード420へのリンクが中継ノード420からUE2 425へのリンクと同じ周波数スペクトルで動作する場合、中継送信機が自身の受信機に対する干渉を引き起こす。このため、同じ周波数リソースでNodeBから中継ノードへの送信と中継ノードからUEへの送信を同時に行うことは、受信信号と送信信号との充分な分離がもたらされなければ可能でない場合がある。したがって、中継ノード420がドナーeNodeB410に送信を行う際には、その中継ノードに接続されたUE425からの受信を同時に行うことはできない。同様に、中継ノード420がドナーeNodeBからデータを受信する際には、その中継ノードに接続されたUE425にデータを送信することはできない。したがって、中継バックホールリンクと中継アクセスリンクの間にはサブフレームの区分けがある。
【0033】
中継ノードのサポートに関して、3GPPでは現在以下の合意がなされている。
−eNodeBから中継ノードへのダウンリンクの中継バックホール送信が設定される中継バックホールダウンリンクサブフレームは、準静的に割り当てられる。
−中継ノードからeNodeBへのアップリンクのバックホール送信が設定される中継バックホールアップリンクサブフレームは、半静的に割り当てられるか、または中継バックホールダウンリンクサブフレームからのHARQタイミングにより暗黙的に導出される。
−中継バックホールダウンリンクサブフレームでは、中継ノードはドナーeNodeBに送信を行う。したがってr−UEは、中継ノードからデータを受信することは想定しないものとされる。自身が中継ノードに接続されていることを認識しないUE(中継ノードが標準的なeNodeBとして見えるリリース8のUEなど)に対する後方互換性をサポートするために、中継ノードは、バックホールダウンリンクサブフレームをMBSFNサブフレームとして設定する。
【0034】
以下では、例示のために
図4に示すようなネットワーク構成を想定する。ドナーeNodeB410がL1/L2制御およびデータをマクロユーザ機器(UE1)415と、リレー(中継ノード)420に送信し、中継ノード420はL1/L2制御およびデータを中継ユーザ機器(UE2)425に送信する。さらに、中継ノードが、送信動作と受信動作が同時には行われない時分割モードで動作すると想定する。中継ノードが「送信」モードにある時にはUE2は常にL1/L2の制御チャネルおよびPDSCHを受信する必要があるのに対し、中継ノードが「受信」モードにある時、つまり、Node BからL1/L2制御チャネルおよびPDSCHを受信している時には、UE2に送信を行うことはできない。したがってUE2はそのようなサブフレームでは中継ノードから情報を受信することはできない。UE2が、自身が中継ノードに接続されていることを認識しない場合(例えばリリース8のUE)、中継ノード420は、通常の(e)NodeBとして振る舞わなければならない。当業者には理解されるように、中継ノードを有さない通信システムでは、ユーザ機器は常に少なくともL1/L2制御信号がすべてのサブフレームに存在すると想定することができる。中継ノード下で動作するそのようなユーザ機器をサポートするために、中継ノードはすべてのサブフレームでそのような期待される振る舞いを装わなければならない。
【0035】
図2および
図3に示すように、各ダウンリンクサブフレームは、制御チャネル領域とデータ領域の2つの部分からなる。
図5に、中継バックホール送信が行われる状況で中継アクセスリンクのMBSFNフレームを構成する例を示す。各サブフレームは、制御データ部分510、520およびデータ部分530、540を含む。MBSFNサブフレーム中の先頭のOFDMシンボル720は、中継ノード420が制御シンボルをr−UE425に送信するために使用される。サブフレームの残りの部分で、中継ノードは、ドナーeNodeB410からのデータ540を受信することができる。したがって、同じサブフレームで中継ノード420からr−UE425への送信を行うことはできない。r−UEは、1番目から2番目のOFDM制御シンボルを受信し、サブフレームの残りの部分は無視する。非MBSFNのサブフレームは中継ノード420からr−UE525に送信され、制御シンボル510とデータシンボル530はr−UE425で処理される。MBSFNサブフレームは、10msごとまたは40msごとに設定することができる。したがって、中継バックホールダウンリンクサブフレームも10msおよび40ms両方の設定に対応する。MBSFNサブフレームの構成と同様に、中継バックホールダウンリンクサブフレームは#0、#4、#5、および#9のサブフレームには設定することができない。バックホールDLサブフレームとして設定することができないサブフレームは、「イリーガル(illegal)DLサブフレーム」と呼ばれる。したがって、中継DLバックホールサブフレームは、d−eNB側では通常のサブフレームである場合もMBSFNサブフレームである場合もある。現在、eNB410から中継ノード420へのダウンリンクバックホール送信を行うことができる中継バックホールDLサブフレームは準静的に割り当てることが合意されている。中継ノード420からeNB410へのアップリンクのバックホール送信を行うことができる中継バックホールULサブフレームは、準静的に割り当てられるか、中継バックホールDLサブフレームからHARQタイミングにより暗黙的に導出される。
【0036】
MBSFNサブフレームは中継ノードでダウンリンクバックホールのダウンリンクサブフレームとして設定されるため、中継ノードはドナーeNodeBからPDCCHを受信することはできない。したがって、新たな物理制御チャネル(R−PDCCH)を使用してダウンリンクおよびアップリンクのバックホールデータのために準静的に割り当てられたサブフレーム内で動的または「半恒久的」にリソースを割り当てる。ダウンリンクのバックホールデータは、新たな物理データチャネル(R−PDSCH)で送信され、アップリンクのバックホールデータは、新たな物理データチャネル(R−PUSCH)で送信される。中継ノードのR−PDCCHは、サブフレームのPDSCH領域内のR−PDCCH領域にマッピングされる。中継ノードは、サブフレームのその領域でR−PDCCHを受信することを予想する。時間領域では、R−PDCCH領域は、設定されたダウンリンク・バックホール・サブフレームに渡る。周波数領域では、R−PDCCH領域は、上位レイヤのシグナリングにより中継ノードに対して予め設定された特定のリソースブロックに存在する。サブフレーム内のR−PDCCH領域の設計および使用に関しては、標準化で以下の特徴が合意されている。
−R−PDCCHは、送信のために準静的に割り当てられたPRBである。さらに、その準静的に割り当てられたPRB内でR−PDCCHの送信に現在使用すべきリソースのセットは、サブフレーム間で動的に変化してよい。
−動的に設定可能なリソースは、バックホールリンクに利用可能なOFDMシンボルの全セットをカバーするか、またはそのサブセットに制約される。
−準静的に割り当てられたPRB内でR−PDCCHに使用されないリソースは、R−PDSCHまたはPDSCHの伝送に使用することができる。
−MBSFNサブフレームの場合は、中継ノードが制御信号をr−UEに送信する。すると、中継ノードがドナーeNodeBから送信されたデータを同じサブフレームで受信できるように、送信モードから受信モードに切り替えることが必要となる可能性がある。このギャップに加えて、ドナーeNodeBと中継ノードとの間の信号の伝搬遅延を考慮しなければならない。したがって、R−PDCCHは、最初は、中継ノードが受信するにはサブフレーム中で充分に遅いOFDMシンボルから送信される。
−物理リソースへのR−PDCCHのマッピングは、周波数分散方式で行っても周波数局所方式で行ってもよい。
−限られた数のPRBの中でR−PDCCHをインターリーブすることにより、ダイバーシチゲインが得られ、同時に無駄になるPRBの数を制限する。
−非MBSFNサブフレームでは、ENodeBによってDM−RSが設定される場合にはリリース10のDM−RSが使用される。そうでない場合はリリース8のCRSが使用される。MBSFNサブフレームではリリース10のDM−RSが使用される。
−R−PDCCHは、バックホールリンクのダウンリンクグラントまたはアップリンクグラントの割当てに使用することができる。ダウンリンクグラントのサーチスペースとアップリンクグラントのサーチスペースの境界は、サブフレームのスロット境界である。具体的には、ダウンリンクグラントはサブフレームの第1スロットのみで送信され、アップリンクグラントは第2スロットのみで送信される。
−DM−RSで復調する際にはインターリーブは適用されない。CRSで復調する際には、REGレベルのインターリーブとインターリーブなしの両方がサポートされている。
【0037】
中継バックホールR−PDCCHのサーチスペースは、中継ノード420がR−PDCCHの受信を予期する領域である。時間領域では、設定されたDLのバックホールサブフレームに存在する。周波数領域では、上位レイヤのシグナリングにより中継ノード420のために設定された特定のリソースブロックに存在する。R−PDCCHは、バックホールリンクのDLグラントまたはULグラントを割り当てるために使用することができる。
【0038】
クロスインターリーブ(cross-interleaving)を行わない場合の中継バックホールR−PDCCHの特性に関してRAN1で達した合意によると、UE固有のサーチスペースは次のような特性を有する。
−各R−PDCCH候補は連続したVRBを含む。
−VRBのセットは、リソース割当タイプ0、1、または2を使用して上位レイヤで設定される。
−VRBの同じセットが、第1スロットおよび第2スロットに存在する可能性のあるR−PDCCHに対して設定される。
−DLグラントは第1スロットのみで受信され、ULグラントは第2スロットのみで受信される。
−それぞれの集約レベル{1,2,4,8}の候補の数は{6,6,2,2}である。
【0039】
クロスインターリーブを行わないR−PDCCHとは、所定のPRBで他のR−PDCCHとクロスにインターリーブされずに、1つまたは数個のPRBで送信されるR−PDCCHを意味する。周波数領域では、VRBのセットは、非特許文献9(http://www.3gpp.org/で入手可能。その内容は本明細書に援用される。)に従って、リソース割当タイプ0、1、または2を使用して、上位レイヤで設定される。VRBのセットが、分散型のVRBからPRBへのマッピングを有するリソース割当タイプ2で設定される場合は、偶数のスロット番号についての非特許文献2のSection 6.2.3.2の規定が常に適用される。詳細は、非特許文献2(http://www.3gpp.org/で入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明のサーチスペース設計のおかげで、限られた回数のブラインド復号トライアルで異なるシナリオに十分な選択を与えながら、完全な柔軟性の複雑さを回避することができる。
【0066】
以下では、レガシーなPDCCH概念を再利用すること、つまり、1つのePDCCHが{1,2,4,8}個のeCCEの集約であるとする。また、1つのPRBペアが4つのeCCEに分割されるとする。
【0067】
図5を参照して、いくつかの異なるシナリオを次のように定義することができる。UEの位置に応じて、主に3つのシナリオがある。
1.セルの中央に存在するUEからなるシナリオ5101であり、例えば、多くの集約レベルの低い候補で構成されうる。
2.セルの中間に存在するUEからなるシナリオ5102は、集約レベルの高い候補と集約レベルの低い候補とで構成されうる。
3.セルの端に存在するUEからなるシナリオ5103は、多くの集約レベルの高い候補で構成されうる。
【0068】
同時に、UEのフィードバックに応じて、主に3つのシナリオがある。
i.精度の高いフィードバックをもつ、例えば、低速で移動しているUEからなるシナリオ5201であり、好ましくは局在する候補を用いる。
ii.精度の低いフィードバックをもつ、例えば、高速で移動しているUEからなるシナリオ5202であり、好ましくは分散された候補を用いる。
iii.大体正確なフィードバックをもつUEからなるシナリオ5203であり、好ましくは局在する候補と分散された候補の両方を用いる。
【0069】
したがって、シナリオ5101〜5103とシナリオ5201〜5203の可能なすべての組合せに対して目標サーチスペースを提供するためには、9つの可能なサーチパターンを定義しなければならない。しかし、1つのサーチパターンを可能な組合せのそれぞれに関連付けることは、ブロッキングの原因になりうる。さらに、そのようなアプローチは、異なるDCIメッセージを同じPRBペアの中に詰め込むのを困難にする。
【0070】
例えば、
図6を参照して、UE1とUE2(どちらも、例えば、精度の低いフィードバックをもつセル中間のUEである)がどのようにして同じサーチパターンを有するかが見られる。したがって、これは、同じPRBペアの中で異なるUEからサーチスペースを多重化するのを困難にする。実際、このような状況では、同図に示すように、UE1をAP8に、UE2をAP7に割り当てることによって、空間多重化のみが可能である。しかし、システム内にそのようなUEが多く存在すれば、サーチスペース間でのブロッキングはますます重大になる。
【0071】
これは、少なくとも2つのサーチパターンに対して同じ集約レベルのサーチパターンの重なりを回避するように、1つ以上の集約レベルに対して一定数の候補を持つ複数のサーチパターンを提供することによって改善可能である。
【0072】
より具体的には、
図7は、本発明の実施形態に係る2つのパターン(パターン0とパターン1)を概略的に示している。
【0073】
特に、
図7において、横軸はVRBインデックスを表し、縦軸はAP値を表し、残りの軸は集約レベルを表している。2つのパターン0と1は、それぞれ、任意の集約レベル1、2、4、および/または8に配置された複数の候補を有する。同図に示すように、パターン0は、集約レベル1と集約レベル2に候補を有する。同様に、パターン1も、集約レベル1と集約レベル2に候補を有する。加えて、2つのパターンは、互いに重ならないように設計されている。特に、パターン0の集約レベル1の候補のマッピングは、パターン1の集約レベル1の候補と重ならない。同様に、パターン0の集約レベル2の候補のマッピングは、パターン1の集約レベル2の候補と重ならない。
【0074】
代わりにまたは加えて、パターン0と1は、同じ集約レベルおよび同数の候補が存在するように設計されている。また、代わりにまたは加えて、候補のeCCEへのマッピングは、それぞれの集約レベルに対して両方で互いに相補的である。すなわち、パターン0の集約レベル1に対するeCCEは、パターン1の集約レベル1に対しては使用されず、これは集約レベル2に対しても同様である。
【0075】
このようにパターン0とパターン1を定義することによって、パターンが重ならないため、異なるDCIメッセージの同じPRBへの詰め込み(packing)つまり多重化が達成される。特に、同じPRBペアにおいて、同じUEへのダウンリンクおよびアップリンクの割当てが送信可能である。さらに、パターン0とパターン1はともに同じ集約レベルに同じ数の候補を定義しているため、両者、同じシナリオにおいて異なるUEに適用可能である。例えば、パターン0とパターン1は、それぞれ、
図6のUE1とUE2に、重なりなく、適用可能である。これにより柔軟性が高まる。なぜなら、チャネル上にブロッキングが生じることなく、可能なアクティブUEの数を増加させることができるからである。
【0076】
代わりにまたは加えて、
図8は、本発明の実施形態に係る、さらなるサーチパターンの定義に関するさらなる基準を概略的に示している。
【0077】
特に、
図8のパターン0は、
図7で既に定義されたパターン0に相当する。パターン3は、
図8に示されており、パターン0の集約レベル2の候補との重なりをなくしながら、パターン0に比べて高い集約レベルの候補を提供するように構成されている。これは、同時にパターン0とパターン3の両方を用いる可能性を与える。
【0078】
さらに、これは、高い集約レベルの候補で構成されたUEからのDCIメッセージと、低い集約レベルの候補で構成されたUEからのDCIメッセージとの多重化を可能にする。同じUEに対してさえも、UEのシナリオが変更された場合でもUEサーチスペースの再構成が必要とならないように、集約レベル1、2、4の候補を構成することができる。
【0079】
加えて、この設計は、異なるパターンが異なる集約レベルの候補を持つことができるため、有益である。例えば、セル中央のUEを、低い集約レベルの候補を有するパターン(例えば、パターン0)と関連付けることができる。同時に、セル端のUEを、高い集約レベルの候補を有するパターン(例えば、パターン3)と関連付けることができる。このように、限られた回数のブラインド復号トライアルで、異なるUEを、異なる数の低い集約レベルの候補および高い集約レベルの候補で構成することができる。
【0080】
代わりにまたは加えて、
図9は、本発明の実施形態に係る、さらなるサーチパターンの定義に関するさらなる基準を概略的に示している。
【0081】
特に、
図9は、集約レベルが最も高い候補のみを使用するパターン4を示している。このようなアプローチは、少なくとも最高の集約レベルに対して、フォールバックモードとして、空間ダイバーシチおよび/または周波数ダイバーシチが得られるという利益を与える。さらに、他の利益は、集約レベル8の候補は他の集約レベルの候補を容易にブロックできるため、パターン4を常に他のアンテナポートに構成して他の集約レベルの候補のブロッキングを回避することができる。
【0082】
上記の実施形態では単に5つのサーチパターンのみが定義されているが、本発明はこれに限定されず、パターンの数を、上記のルールに従って、他のパターンを構成することによって増加させ、または、減少させることができる。
【0083】
図10は、本発明の実施形態に係る5つの可能なサーチパターンの組合せを概略的に示している。
【0084】
同図に示すように、パターン0と1も、パターン2と3も、それぞれ、相補的な候補を提供する。これは、異なるDCIメッセージを同じPRBに詰め込むことを可能にする。また、パターン0と1は、低い集約レベルに候補を提供し、パターン2と3は、主に高い集約レベルに、候補を提供する。これは、限られた回数のブラインド復号トライアルで、異なるUEを、異なる数の低い集約レベルの候補および高い集約レベルの候補で構成できるため、有益である。加えて、パターン4は、AL8に候補を提供するため、少なくとも最高の集約レベルに対して、フォールバックモードとして、空間ダイバーシチおよび/または周波数ダイバーシチを得ることができる。さらに、これらのパターンは、候補が同じ集約レベルで重ならないようになっていることが見られる。
【0085】
上記のサーチパターンを用いると、以下のパラメータを用いてパターンを構成することによってサーチスペースを定義することができる。
・上記に定義したパターンID(例えば、パターン0、1、2、および/または3)、および/または、
・どのDM−RSポートを用いてePDCCHを復調するかを決める、アンテナポート、および/または、
・どのRB上でeCCEを検出すべきかを決める、RBセット、および/または、
・PRBへのマッピングに対して、例えば、LVRB、DVRB、SFBCが使用されるか否かを決める、ダイバーシチ構成。
【0086】
特に、アンテナポートを用いて、パターンがマッピングされるDM−RSポートを定義し、それによって、空間領域(spatial domain)を定義することができる。当該パラメータの利点は、空間スケジューリングゲインを与え、それによって、空間領域により多くの候補を許容すること、また、より多くの候補にブロッキング回避の可能性を与えることである。また、RBセットを用いて、パターンがマッピングされる一連のRBを決定し、それによって、周波数領域(frequency domain)を定義することができる。当該パラメータの利点は、周波数スケジューリングゲインを与え、それによって、周波数領域により多くの候補を許容すること、また、より多くの候補にブロッキング回避の可能性をも与えることである。最後に、ダイバーシチ構成を用いて、PRBへのマッピングに対して、例えば、LVRB、DVRB、SFBCが使用されるか否かを決めることができる。当該パラメータの利点は、チャネルが不明であるとき、例えば、周波数/空間選択的スケジューリングが実行可能でないとき、空間ダイバーシチおよび/または周波数ダイバーシチを与えることである。
【0087】
本発明の実施形態に係る例示的構成が、
図11に概略的に示されている。
【0088】
特に、当該構成は、以下を有する。
・
図6の場合のように、精度の低いフィードバックをもつセル中間のUEであり、かつ、分散モードでパターン3をAP8に、分散モードでパターン4をAP7に構成された、UE1、および、
・
図6の場合のように、精度の低いフィードバックをもつセル中間のUEであり、かつ、分散モードでパターン2をAP8に、分散モードでパターン4をAP7に構成された、UE2。
【0089】
したがって、似た状況にあるUE1とUE2は、同じ性能を達成するために相補的なパターンを使用することができる。当該構成のおかげで、パターン2と3は相補的であるため、UE1およびUE2サーチスペースのAL2およびAL4候補を1つのPRBペアの中で多重化することができる。したがって、これは、異なるDCIメッセージの同じPRBへの詰め込み、つまり、多重化を可能にする。加えて、パターン4は、2つのAL8候補を含む。したがって、UE1およびUE2からのAL8候補のブロッキングはない。さらに、AL8候補はAP7に構成されるため、AL8候補とAL2/AL4候補との間のブロッキングはない。
【0090】
したがって、上記のパターンに基づく上記の構成は、完全な柔軟性と比べて限定された複雑さを持つ異なるUEシナリオに対して十分な柔軟性を持つサーチスペース構成を与える。
【0093】
さらに、本発明は、少なくとも最大の集約レベルに対して周波数ダイバーシチおよび/または空間ダイバーシチを得ることによってフォールバックをサポートする。加えて、本発明は、複数のDCIメッセージの同じPRBへの詰め込みを可能にすることによって周波数ICICをサポートする。さらに、本発明は、同じUEまたは異なるUEからの異なるDCIメッセージによって候補のブロッキングを回避する。最後に、本発明は、SSフレームワークを提供する。SSフレームワークは、例えば、動作の好みおよび/または展開シナリオに応じて、ePDCCHをスケジュールおよび/または構成するさまざまな異なるネットワークポリシーの運用を可能にする。
【0094】
上記の実施形態において、サーチスペースは、アンテナポート、RBセット、および/またはダイバーシチ構成をパラメータとして有する一連のパターンを構成することによって定義されているが、本発明はこれに限定されない。
【0095】
代わりにまたは加えて、適用可能な一連のサブフレームをサーチスペース構成に加え、それによって、時間領域のダイバーシチをも提供することができる。特に、
・高干渉サブフレームの場合、および/または、共通のサーチスペースをモニタする必要があるとき、多数の高集約レベルの候補、つまり、パターンを構成することができ、
・低干渉サブフレームの場合、リソースを節約するために、多数の低集約レベルの候補、つまり、パターンを構成することができる。
【0096】
例として、CSI報告に対して一連のサブフレームをサブセットの定義に結び付けることができる。代わりにまたは加えて、一連のサブフレームを低電力ABSサブフレームおよび非低電力ABSサブフレームに結び付けることができる。
【0097】
図12は、本発明の実施形態に係る、集約レベルによって分離されたさらなるパターン設計を示している。
【0098】
本実施形態では、パターンは、集約レベルに応じて設計されている。特に、各パターンは、1つの集約レベルの候補を含んでいる。さらに、集約レベル1、2、4に対しては、互いに相補的な2つのパターンがある。加えて、同図は、各パターンの右手に、対応する候補の数(例えば、パターン0と1ではNc=8)を示している。
【0099】
この解決法は、パターンのより柔軟な組合せと構成を可能にするという利益を与える。
【0100】
図13および
図14は、本発明のさらなる実施形態に係るサーチパターン構成を概略的に示している。
【0101】
特に、
図13では、フィードバックが少ないセル中央のUEは、分散された送信で、
図10のパターン0と1で構成されている。特に、
図13の上部は、次の2つのパターンを示している。
・SS1:パターン0、AP7、VRBセット0、DVRB
・SS2:パターン1、AP8、VRBセット0、DVRB
なお、
図13の下部は、結果として生じる構成を示している。
【0102】
加えて、
図14では、フィードバックが少ないセル中央のUEは、分散された送信で、
図10のパターン2、3、4で構成されている。特に、
図14の上部は、次の3つのパターンを示している。
・SS1:パターン2、AP7、VRBセット0、DVRB
・SS2:パターン3、AP7、VRBセット0、DVRB
・SS3:パターン4、AP8、VRBセット0、DVRB
なお、
図14の下部は、結果として生じる構成を示している。
【0103】
さらに、
図15は、本発明の実施形態に係るサーチパターンを概略的に示している。
【0104】
特に、
図15では、1つのパターン内の候補はすべて互いに重ならないため、1つのパターンの中で候補のブロッキングはない。代わりにまたは加えて、パターン0と1、および、パターン0と3は、それぞれ、相補的な候補を有する。さらに、代わりにまたは加えて、パターン3の集約レベル2およびパターン0の集約レベル1は、相補的な候補を与える。