【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、1又はそれ以上のオリフィスを含む横断バリアを有する流量制限要素を含む喫煙物品が提供される。喫煙物品は、流量制限要素の横断バリアから喫煙物品の口側端部に延びる口側端部キャビティを定める。喫煙物品は、横断バリアの下流に、口側端部キャビティを少なくとも部分的に定める第1の下流管状部分も含む。第1の下流管状部分内には、第1の下流管状部分の外周と口側端部キャビティの間に連通路を形成するように1又はそれ以上の開口部が設けられる。
【0007】
流量制限要素内に開口部を設けると、循環空気と主流煙の混合が有利に改善され、消費者に送達される煙流の分散がさらに向上することが分かっている。これにより、フィルタの口側端部における染色の発生がさらに低減される。さらに、煙の味及び口内感覚に対する煙の分散効果が強化される。
【0008】
本発明による喫煙物品は、流量制限要素を含む、口側端部キャビティを定めるフィルタと、このフィルタを取り囲むフィルタラッパーとを含むことが好ましい。
【0009】
本発明によれば、1又はそれ以上のオリフィスを含む横断バリアを有する流量制限要素と、フィルタを取り囲むフィルタラッパーとを含むフィルタがさらに提供される。フィルタは、流量制限要素の横断バリアからフィルタの口側端部に延びる口側端部キャビティを定める。口側端部キャビティは、フィルタの構成要素の1つ又はそれ以上により形成される、フィルタの口側端部における空間である。フィルタは、口側端部キャビティを少なくとも部分的に定める、横断バリアの下流の第1の下流管状部分も含む。第1の下流管状部分内には、第1の下流管状部分の外周と口側端部キャビティの間に連通路を形成するように1又はそれ以上の開口部が設けられる。
【0010】
以下の説明では、特に明記しない限り、本発明によるフィルタに対するあらゆる言及は、本発明による喫煙物品のフィルタにも当てはまる。
【0011】
本発明によるフィルタは、タバコ材料を燃焼させて煙を生じるフィルタ付きシガレット及びその他の喫煙物品で有利に使用することができる。本発明によるフィルタは、タバコ材料を燃焼させるのではなく加熱してエアロゾルを生成する喫煙物品でも使用することができる。本発明によるフィルタは、燃焼又は加熱を伴わずにタバコ材料、タバコ抽出物又はその他のニコチン源からニコチン含有エアロゾルを発生させる喫煙物品にも使用することができる。
【0012】
本明細書において使用する「煙」という用語は、フィルタ付きシガレットなどの可燃性喫煙物品によって生じる煙、及び上述したタイプの加熱式又は非加熱式喫煙物品などの非可燃性喫煙物品によって生じるエアロゾルを示すために使用するものである。
【0013】
「流量制限要素」という用語は、主流煙を吸い込まなければならない通路のサイズ又は断面を縮小することによってフィルタ内を通る主流煙の流れを制限する構造的フィルタ挿入物を示すために使用するものである。フィルタの全体的サイズに対して通路のサイズを縮小すると、フィルタを通じて煙を吸い込むことが困難になり、吸引抵抗が増すようになる。本発明によるフィルタでは、流量制限要素が、1又はそれ以上のオリフィスを含む横断バリアを有する。主流煙は、オリフィス内のみを通過するように制限される。主流煙を吸い込まなければならない1又は複数の通路の横断面積は、フィルタ全体の横断面積の約75%未満であることが好ましく、約50%未満であることがより好ましく、約10%未満であることが最も好ましい。
【0014】
「上流」及び「下流」という用語は、本発明によるフィルタを組み込んだ喫煙物品の喫煙中にフィルタ内を通る主流煙の流れ方向を基準とした、本発明によるフィルタの構成要素の相対位置を示すために使用するものである。
【0015】
「口側端部」という用語は、喫煙中に消費者の唇間に配置されるように意図されたフィルタの端部を示す。組み立てた喫煙物品では、フィルタの口側端部が、喫煙物品の点火される端部とは反対側の端部に位置する。
【0016】
「横断」という用語は、フィルタ及び喫煙物品の長手方向軸又は主軸に対して実質的に垂直な構成要素又は方向を示す。
【0017】
本発明によるフィルタは、フィルタの吸引抵抗(RTD)を高めるように流量制限セグメントを組み込む。流量制限要素は、特に換気フィルタに応用される。フィルタには、タール又は一酸化炭素などの主流煙成分の送達を抑えるために換気部が組み込まれる。しかしながら、換気レベルを高くすると、RTDレベルが受け入れ難いほど低下することがある。従って、流量制限要素をフィルタ内に有利に組み込むと、許容できるRTDを有していながら依然としてタール及び一酸化炭素の送達を低減できるフィルタを実現することができる。
【0018】
本発明によるフィルタは、口側端部キャビティを含む。以下でより詳細に説明するように、このキャビティは、フィルタ要素の1つ又はそれ以上により形成又は規定される。従って、本発明によるフィルタは、フィルタの口側端部に空間を設けて、流量制限要素とフィルタの口側端部との間にさらなるフィルタ要素が存在しないようにする。従って、喫煙中、主流煙は、流量制限要素の横断バリア内のオリフィスを通過した後、実質的に遮られることなく口側端部キャビティ内を流れて、フィルタの口側端部から外に出る。
【0019】
フィルタに口側端部キャビティを設けるということは、フィルタの口側端部から流量制限要素の横断バリアが見えることを意味する。口側端部キャビティの内面も見えるようになる。有利なことに、フィルタの口側端部に繊維状濾過材料の代わりにキャビティを使用すると、喫煙後のフィルタの目に見える染色が大幅に低減されることが分かっている。このフィルタの構成は、流量制限要素の横断バリアの下流における主流煙の濾過が最小限に抑えられ、従って主流煙からの粒状物質が最低限しか堆積しないようなものである。具体的には、フィルタの口側端部における目に見える表面上に、粒状物質が最低限しか堆積しないようになる。
【0020】
また、流量制限要素の横断バリアの下流に口側端部キャビティを設けると、フィルタを通じて吸い込まれる際の主流煙の流動力学が、従来のフィルタ構成で観察される流動力学に比べて変化する。フィルタの最も下流の要素として濾過材料のプラグを含む従来のフィルタでは、主流煙が、チャネルを通じて濃縮された煙流の形でフィルタの口側端部から消費者に送達される傾向にある。本発明によるフィルタでは、主流煙が、横断バリア内の1又はそれ以上のオリフィスを通過して口側端部キャビティに入り、ここで膨張し分散してから消費者に送達される。
【0021】
フィルタ内に換気部を設けた場合、口側端部キャビティは、主流煙がいくらかの循環空気とより効果的に混合された後でフィルタの口側端部から希釈煙を送達できるようにする空間も提供する。
【0022】
この分散した煙流は、消費者の口内に異なる感覚をもたらす可能性が高く、従来のフィルタによる濃縮度の高い煙流よりも好ましい場合がある。
【0023】
口側端部キャビティは、主流煙の適切な混合及び膨張にとって十分な空間を提供するために、横断バリアからフィルタの口側端部まで少なくとも約2mm延びることができる。口側端部キャビティは、横断バリアから少なくとも約5mm延びることが好ましく、少なくとも約10mm延びることがより好ましく、少なくとも約12mm延びることが最も好ましい。循環空気を供給するための換気孔は、フィルタの口側端部から少なくとも約8mmの位置に存在することができ、少なくとも約10mmの位置に存在することが好ましく、少なくとも約12mmの位置に存在することがより好ましい。
【0024】
本発明によるフィルタの口側端部キャビティは、フィルタラッパーによって少なくとも部分的に定められることが好ましい。「部分的に定められる」という用語は、フィルタラッパーがその長さの一部のみに沿って口側端部キャビティを定めることを意味するものである。好ましい実施形態では、口側端部キャビティが、流量制限要素の下流端を越えて延び中空の円筒管を定めるフィルタのプラグラップによって少なくとも部分的に定められる。この管の内周は、フィルタの口側端部キャビティの全部又は一部を形成する円筒形キャビティを定める。後述するように、プラグラップが口側端部キャビティの下流部分のみを長手方向に定める場合、口側端部キャビティの残り部分は流量制限要素によって定められることが好ましい。
【0025】
プラグラップは、口側端部キャビティを少なくとも部分的に定める場合、従来のプラグラップ材料よりも坪量の高い紙材料で形成されることが好ましい。これにより、口側端部において硬質の中空管を形成する剛性の高いプラグラップが実現され、消費者の唇間でフィルタが圧迫された際に口側端部キャビティが崩壊することが避けられる。
【0026】
プラグラップは、1平方メートル当たり約40グラム〜1平方メートル当たり約130グラムの坪量を有することができる。具体的には、プラグラップは、1平方メートル当たり約40グラム〜1平方メートル当たり約60グラムの比較的低い坪量を有することもでき、或いは1平方メートル当たり約60グラム〜1平方メートル当たり約130グラムの比較的高い坪量を有することもできる。
【0027】
或いは、例えば透明プラスチック材料などのプラスチック材料でプラグラップを形成することもできる。プラスチック材料の坪量は、1平方メートル当たり約40グラム〜1平方メートル当たり約70グラムとすることができ、このプラスチック材料は、約25ミクロン〜50ミクロンの厚みを有することができる。いくつかの実施形態では、プラグラップを実質的に無孔性とすることができ、例えば、その多効度を約20コレスタ単位未満、より好ましくは約10コレスタ単位未満とすることができる。他の実施形態では、プラグラップを多孔性とすることができ、例えば、その多効度を約20コレスタ単位よりも大きく、より好ましくは約100コレスタ単位よりも大きく、最も好ましくは約1000コレスタ単位よりも大きくすることができる。
【0028】
本発明による喫煙物品のいくつかの実施形態では、プラグラップに加えて又はプラグラップの代わりに、フィルタをタバコ材料のロッドに取り付けるチップペーパーが、口側端部キャビティを少なくとも部分的に定めることができる。例えば、いくつかの実施形態では、プラグラップとその上のチップペーパーの両方が同一の広がりを有し、流量制限要素の下流端を越えて延び、口側端部キャビティを少なくとも部分的に定める。別の実施形態では、チップペーパーが、流量制限要素及びプラグラップを越えて延び、口側端部キャビティを少なくとも部分的に定める。
【0029】
本発明のフィルタの流量制限要素は横断バリアを含み、このバリアは、バリアを通過する煙のための制限通路を提供する1又はそれ以上のオリフィスを有する。横断バリアは、このオリフィスがフィルタを通過する唯一の通路を煙に対して効果的に提供するように煙不透過性材料で形成される。横断バリア内に設けられるオリフィスの数及び各オリフィスの寸法は、所望のRTDを達成するように選択することができる。横断バリアは、単一の、実質的に中心的なオリフィスを含むことが好ましい。或いは、横断バリアは、複数の離間したオリフィスを含むこともできる。
【0030】
横断バリア内の各オリフィスのサイズは、約0.2mm〜約1.2mmであることが好ましく、約0.3mm〜約0.8mmであることがより好ましく、約0.5mm〜約0.7mmであることが最も好ましい。また、各オリフィスの長さは、約0.2mm〜約2.0mmであることが好ましく、約0.5mm〜約0.7mmであることがより好ましい。「長さ」という用語は、オリフィスの上流入口からオリフィスの下流出口までのオリフィスの通路長を示すために使用するものである。好ましい実施形態では、オリフィスの長さが、一般に横断バリアの厚みにほぼ等しい。オリフィスの「サイズ」は、オリフィスを横断する最大寸法を示すために使用するものである。好ましい実施形態では、オリフィスの形状が円形であり、オリフィスのサイズが、この円形形状の直径である。
【0031】
流量制限要素の横断バリアは、あらゆる好適な形状を有することができる。例えば、横断バリアは、好ましくはフィルタの長手方向軸に対して実質的に垂直な、実質的に平坦な円盤であってもよい。或いは、横断バリアが裁頭円錐形であり、フィルタを通じて吸い込まれる主流煙の方向に対して収束していても、又は末広であってもよい。さらなる実施形態では、横断バリアを、フィルタを通じて吸い込まれる主流煙の方向に対して凹形又は凸形とすることもできる。横断バリアは、主流煙の方向に対して凹形であること、すなわち上流方向に凹形であることが好ましい。これには、本発明によるフィルタの製造中に流量制限要素を容易に圧縮できるという利点がある。
【0032】
第1の下流管状部分の内周は、口側端部キャビティを少なくとも部分的に定める。第1の下流管状部分が横断バリアからフィルタの口側端部まで延びる場合、このフィルタ内の第1の下流管状部分によって口側端部キャビティを完全に定めることができる。或いは、上述したように、口側端部キャビティは、第1の下流管状部分によって定められる上流部分と、第1の下流管状部分の端部を越えて延びるフィルタラッパーによって定められるキャビティの一体化された下流部分とを含むこともできる。
【0033】
第1の下流管状部分は、フィルタの外径に比べて縮小された外径を有することが好ましい。従って、包装フィルタ内には、フィルタラッパーと第1の下流管状部分の外面との間に環状空間が存在する。以下でより詳細に説明するように、この環状空間を有利に用いてフィルタ内に換気領域を提供することができる。
【0034】
この構成により、喫煙中にこの換気領域を通じて空気が吸い込まれ、第1の下流管状部分内の開口部を通じて口側端部キャビティ内に直接導かれるようにすることができる。
【0035】
流量制限要素は、第1の下流管状要素の下流に第2の下流管状要素をさらに含むことができる。第2の下流管状要素は、両下流管状要素の隣接する端部間に間隙が存在しないように第1の下流管状要素に接続されることが好ましい。第1及び第2の下流管状部分は一体に形成されることが特に好ましい。第2の下流管状部分の内周は、第1の下流管状要素及び任意にフィルタラッパーによって定められる部分と共に、口側端部キャビティの一部を定める。第2の下流管状部分は、実質的にフィルタの外径に対応する外径を有することが好ましい。これにより、特に第1の下流管状部分の外径が第2の下流管状部分に比べて縮小されている場合、フィルタの崩壊を防ぐための構造及び補強がフィルタに有利に与えられる。
【0036】
流量制限要素は、この1又はそれ以上の下流管状部分の代わりに又はこれらに加えて、横断バリアから上流に延びる上流管状部分を含むことが好ましい。上流管状部分の内周は上流キャビティを定める。上流管状部分の外径は、フィルタの外径と実質的に同じであることが好ましい。上流キャビティは、主流煙が横断バリア内の1又はそれ以上のオリフィスの周囲に集中した後でオリフィスを通じて下流に吸い込まれるようにするという利点を有することができる。また、上流キャビティは、喫煙中に1又はそれ以上のオリフィスの閉塞を防ぐ役にも立つことができる。
【0037】
流量制限要素は、第1及び第2の下流管状部分に関連して上述した構成と同様の構成で、第1の上流管状部分の上流に第2の上流管状部分を含むことができる。2つの上流管状部分を設ける場合、横断バリアに隣接する第1の上流管状部分の外径はフィルタの全径に比べて縮小されていることが好ましく、第2の上流管状部分の外径は実質的にフィルタと同じであることが好ましい。
【0038】
特に好ましい実施形態では、横断バリアの下流に2つの一体管状部分が設けられ、横断バリアの上流に単一の管状部分が設けられる。
【0039】
横断バリアの両側の管状部分は、流量制限要素が横断バリアを中心に対称性を有するように、互いに実質的に同じサイズ及び形状を有することができる。或いは、横断バリアの両側の管状部分は、流量制限要素が横断バリアを中心に非対称性を有するように、互いに異なるサイズ又は形状を有することもできる。
【0040】
2又はそれ以上の接続部分から成る流量制限要素を形成することも可能ではあるが、流量制限要素の構成部品は、単一の一体要素として一体に形成されることが好ましい。流量制限要素は、押し出し成形又は射出成形によって形成されることが好ましい。
【0041】
流量制限要素は、あらゆる好適な材料又は材料の組み合わせによって形成することができる。流量制限要素は、押し出し成形又は射出成形に適した材料で形成されることが好ましい。流量制限要素は、通過する主流煙の粒状物質をそれほど保持しないように、従来のセルロースアセテートのフィルタ材料よりも粒子効率の低い材料で形成されることが好ましい。流量制限要素を形成できる好適な材料としては、以下に限定されるわけではないが、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(ヒドロキシアルカン酸類)、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ヒドロキシブチラートヒドロキシバレラート、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート又はポリカプロラクトン)、セルロース材料、でんぷん系材料、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせ又は複合物が挙げられる。
【0042】
流量制限要素は、1種類又はそれ以上の水溶性ポリマーで形成された溶解性ポリマー材料から形成されることが好ましい。溶解性ポリマー材料は、1種類又はそれ以上の水溶性熱可塑性物質で形成されることが特に好ましい。「溶解性」という用語は、ポリマー材料が水溶媒によって溶液中に溶解できることを意味する。これは、1種類又はそれ以上の水溶性材料を使用して材料を形成することにより達成される。流量制限要素は、完全に溶解性ポリマー材料で形成することもでき、或いは溶解性ポリマー材料を、溶解性であっても又はそうでなくてもよい不活性無機充填剤などの不活性成分と組み合わせることもできる。溶解性材料を使用して流量制限要素を形成することにより、フィルタを廃棄した後のフィルタの分解率が有利に増加する。
【0043】
流量制限要素は、生分解性ポリマー材料から形成されることが特に好ましい。好ましいポリマー類は、欧州標準EN13432に概説されている水性好気性生分解試験(シュトゥルム試験(Sturm test))に定められるように完全に生分解性である。好ましい生分解性ポリマー類としては、でんぷん、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0044】
流量制限要素を形成する材料の厚みは、約0.2mm〜約2.0mmであることが好ましく、約0.5mm〜約0.7mmであることがより好ましい。例えば、横断バリアの厚み、並びに上流及び下流管状部分を形成する壁の厚みは、これらの範囲内にあることが好ましい。
【0045】
流量制限要素の長さは、約6mm〜約20mmであることが好ましく、約6mm〜約14mmであることがより好ましい。流量制限の直径に対する流量制限要素の長さの比率は、少なくとも約1.2であることが好ましく、少なくとも約1.5であることがより好ましく、少なくとも約1.8であることが最も好ましい。流量制限要素が1又はそれ以上の管状部分を含む場合、各管状部分の長さは、少なくとも約3mmであることが好ましく、少なくとも約4mmであることがより好ましい。流量制限要素の外径は、約6mm〜約9mmであることが好ましく、約7mm〜約8.5mmであることがより好ましく、標準サイズのシガレットでは約7.5mm〜約7.9mmであり、或いは小径シガレットでは約6.6mm〜約7.6mmであることが最も好ましい。
【0046】
本発明によるフィルタ及び喫煙物品は、喫煙中にフィルタ内に空気を流入させるために、フィルタに沿った位置に換気領域を備えることが好ましい。フィルタ内に侵入する循環空気は主流煙を薄め、喫煙中の一酸化炭素及びタールの送達を低減する。換気領域は、タバコ材料のロッドにフィルタを取り付けるチップペーパーを貫く1又はそれ以上の円周方向のミシン目の列の形をとることが好ましい。このミシン目は、下にあるプラグラップが実質的に空気不透過性である場合、チップペーパーとプラグラップの両方を貫いて設けられることが好ましい。ミシン目は、下にあるプラグラップが少なくとも部分的に空気透過性である場合、チップペーパーのみを貫いて延びることもできる。
【0047】
換気領域は、流量制限要素の横断バリアの上流又はその下流に循環空気を供給することができる。循環空気は、横断バリアの下流に供給されることが好ましい。循環空気は、第1の下流管状部分内に供給されることが好ましい。
【0048】
上述したように、第1の下流管状部分は、フィルタの全外径に比べて縮小された外径を有することが好ましい。これにより、第1の下流管状部分上に換気領域を設けた実施形態では、チップペーパーと第1の下流管状部分の外周との間に形成される環状空間が循環空気を引き込める空間を形成するので特に有利になる。この構成により、主流煙の換気が向上する。
【0049】
第1の下流管状部分内の各開口部は、第1の下流管状部分の壁を外面から内面に貫いて延びる通路を含むことが好ましい。この通路は、長手方向断面で見た場合、フィルタの長手方向軸に対して上流方向に傾斜していても、下流方向に傾斜していてもよく、或いは垂直であってもよい。この通路は、フィルタの長手方向軸に対して非垂直な角度アルファ(α)で延びることが好ましい。例えば、角度アルファ(α)は、上流又は下流方向に約30度〜約90度であることが好ましく、上流又は下流方向に約45度〜約90度であることがより好ましい。角度アルファ(α)は、通路の中心軸とフィルタの長手方向軸との間の最小角度として測定される。通路が真っ直ぐでない場合、角度アルファ(α)は、フィルタの長手方向軸と通路の出口方向との間で測定される。
【0050】
いくつかの実施形態では、全ての通路が、空気を口側端部に向かう下流方向に導く。他の実施形態では、全ての通路が、空気を口側端部から離れた上流方向に導く。さらに別の実施形態では、通路の一部が煙を上流方向に導き、残りが煙を下流方向に導く。
【0051】
喫煙物品の長手方向に対して傾斜した開口部又は通路を設けるということは、喫煙中に循環空気が主流煙の流れに対して角度を成して口側端部キャビティ内に導かれることを意味する。これにより、煙と空気の混合が有利に最適化され、主流煙の流れが分散する。この混合により、口側端部キャビティ内を通過する煙及び空気流の乱流を増加させることもできる。主流煙の流動力学に対するこれらの効果により、上述した利点を高めることができる。
【0052】
流量制限要素の横断面では、各通路が、横断面の半径に沿って、又は半径から角度ベータ(β)だけオフセットされた線に沿って延びることが好ましい。「半径」は、横断面の中心から横断面の縁まで延びるあらゆる線を意味する。角度ベータ(β)は、半径と通路の中心軸との交点間の最小角度として測定される。通路が真っ直ぐでない場合、この角度は、フィルタの長手方向軸と通路出口の間で測定することができる。
【0053】
角度ベータ(β)は、下流方向から断面を見た場合、半径に対して時計回り方向に向いてもよく、反時計回り方向に向いていてもよい。
【0054】
通路が半径からオフセットされている場合、角度ベータ(β)は、時計回り方向又は反時計回り方向に、約60度未満であることが好ましく、約45度未満であることがより好ましく、約15度未満であることが最も好ましい。角度ベータ(β)が半径からオフセットされている場合、煙と循環空気の混合を強化することができる。場合によっては、全ての通路を時計回り方向又は反時計回り方向に向けることもでき、或いは通路の一部を時計回り方向に向け、一部を反時計回り方向に向けることもできる。
【0055】
第1の下流管状部分内の開口部又は通路のサイズは、約1.0〜約4.0平方mm(mm
2)の総開放領域を提供することが好ましく、この領域は、は約1.5〜約3.5平方mm(mm
2)であることがより好ましい。開口部又は通路は、実質的に円形又は楕円形であることが好ましいが、他の形状の横断面も可能である。
【0056】
第1の下流管状部分内には、単一の開口部又は通路を設けることができる。或いは、第1の下流管状部分内に、2又はそれ以上の離間した開口部又は通路を設けることもできる。例えば、1つの好ましい実施形態では、一対の実質的に対向する通路が設けられる。2又はそれ以上の開口部又は通路が存在する場合、これらの開口部又は通路は、互いに同じ開放領域を有していても、又は異なる開放領域を有していてもよい。2又はそれ以上の通路は、長手方向軸に対して同じ又は異なる角度アルファ(α)で、また流量制限要素の横断面の半径に対して同じ又は異なる角度ベータ(β)で設けることができる。開口部又は通路は、第1の下流部分の長さに沿って実質的に同じ位置に配置することも、或いは互いに異なる長手方向位置に配置することもできる。
【0057】
横断バリアの上流に換気領域が設けられた別の実施形態では、換気領域が、流量制限要素の上流管状部分の上に重なることが好ましい。このような実施形態では、第1の下流管状部分内の開口部に関連して上述したように、上流管状部分が、上流管状部分により形成される上流キャビティと換気領域の間に連通路を形成するように1又はそれ以上の開口部を含むことができる。このような実施形態では、煙が横断バリアを通過する前に主流煙と循環空気の混合が行われる。
【0058】
流量制限要素が2つの上流管状部分を含む場合、開口部は、第1の上流部分内に横断バリアに隣接して設けられることが好ましい。第1の上流部分は、第1の上流管状部分の外面とその上に重なるプラグラップとの間に環状チャネルを形成するように、フィルタの全径に比べて縮小された外径を有することが好ましい。
【0059】
本発明によるフィルタは、流量制限要素の上流に1又はそれ以上の追加のフィルタセグメントをさらに含むことができる。流量制限要素の上流には、セルロースアセテートトウ、セルロース不織物(例えば紙)、セルロース系ヤーン、水溶性繊維及び生分解性繊維のうちの1つ又はそれ以上などの繊維状濾過材料から成る1又はそれ以上のプラグが設けられることが好ましい。各濾過材料プラグの長さは、約5mm〜約12mmであることが好ましく、約6mm〜約8mmであることがより好ましい。繊維状濾過材料を形成する繊維は、実質的にセグメントに沿って長手方向に整列していてもよく、ランダムに配向されていてもよい。
【0060】
1又はそれ以上の繊維状濾過材料の上流プラグが設けられる場合、少なくとも1つのプラグは、フィルタを通じて吸い込まれる主流煙から少なくとも1種類の気相成分を除去できる吸着剤を含むことができる。この少なくとも1種類の吸着剤は、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト類、セピオライト類、分子篩類及びシリカゲルから成る群から選択されることが好ましい。これとは別に又はこれに加えて、少なくとも1つの繊維状濾過材料のプラグは、喫煙中における消費者への香味送達をさらに強化するように、1種類又はそれ以上の香味料、好ましくは1種類又はそれ以上の液体香味料を含むことができる。
【0061】
流量制限要素、及び存在する場合には1又はそれ以上の繊維状濾過材料の上流プラグは、帯状のプラグラップによって取り囲まれることが好ましい。このプラグラップは、実質的に空気透過性であっても、又は実質的に空気不透過性であってもよい。上述したように、この帯状のプラグラップは、流量制限要素の下流端を越えて延び、少なくとも部分的に口側端部キャビティを定めることが好ましい。
【0062】
帯状のプラグラップは、流量制限要素の少なくとも一部の円周方向外面に取り付けられることが好ましい。帯状のプラグラップは、流量制限要素の外面に実質的に気密性のシールを形成するように流量制限要素に取り付けられることが好ましい。これにより、喫煙中に流量制限要素の外側周囲に主流煙が漏れることが有利に防がれて、主流煙の実質的に全てが横断バリア内の1又はそれ以上のオリフィスを通過せざるを得なくなる。このようにして、流量制限要素は、所望のRTDレベルを効果的に維持することができる。
【0063】
フィルタが1又はそれ以上の繊維状濾過材料の上流プラグをさらに含む場合、帯状のプラグラップは、各プラグの円周方向外面に取り付けられることが好ましい。
【0064】
プラグラップは、紙材料で形成されることが好ましい。しかしながら、代わりにプラグラップを、例えば透明プラスチック材料などのプラスチック材料で形成することもできる。帯状のプラグラップは、好適な接着剤を使用して流量制限要素及びいずれかのフィルタプラグに取り付けることができる。
【0065】
全ての換気を遮断してRTDを測定した場合、本発明によるフィルタの総RTDは、約250mmWG〜約500mmWGであることが好ましく、約275mmWG〜約400mmWGであることがより好ましく、約300mmWG〜約400mmWGであることが最も好ましい。全ての換気を遮断して喫煙前にRTDを測定した場合、本発明による喫煙物品の総RTDは、少なくとも約30mmWGであることが好ましく、少なくとも約40mmWGであることがより好ましい。
【0066】
本明細書では、フィルタ又は喫煙物品のRTDを「mmWG」すなわち「水位計mm」という圧力単位で表現し、ISO6565:2002に従って測定している。
【0067】
本発明によるフィルタの全長は、約18mm〜約36mmであることが好ましく、約27mmであることがより好ましい。本発明による喫煙物品の全長は、約70mm〜約128mmであることが好ましく、約84mmであることがより好ましい。本発明によるフィルタ及び喫煙物品の外径は、約5mm〜8.5mmであることが好ましく、約7.9mmであることがより好ましい。
【0068】
本発明によるフィルタは、様々な異なる種類の喫煙物品に有利に組み込むことができる。例えば、本発明によるフィルタは、喫煙中に燃焼するタバコカットフィラー又はその他の喫煙可能材料のロッドを有するフィルタ付きシガレットなどの可燃性喫煙物品に組み込むことができる。喫煙可能材料のロッドは、ラッパーに取り囲まれたタバコを含むことが好ましく、ラッパーに取り囲まれたタバコカットフィラーを含むことがより好ましい。
【0069】
或いは、本発明によるフィルタを、材料を燃焼させるのではなく加熱してエアロゾルを生成する上述した種類の加熱式喫煙物品に組み込むこともできる。例えば、本発明によるフィルタは、可燃性熱源と、この可燃性熱源の下流のエアロゾル発生基質とを含む、国際公開第2009/022232号に開示されるような可燃性熱源を備えた加熱式喫煙物品に組み込むこともできる。本発明によるフィルタは、例えば化学的熱源、又は電気抵抗加熱素子などの電気熱源のような、不燃性熱源を備えた加熱式喫煙物品に組み込むこともできる。
【0070】
或いは、本発明によるフィルタは、国際公開第2008/121610号及び国際公開第2010/107613号に記載されるような、燃焼も加熱も伴わずにタバコ材料又はその他のニコチン源からニコチン含有エアロゾルが生成される喫煙物品に組み込むこともできる。
【0071】
本発明による喫煙物品は、例えばソフトパック又はヒンジ蓋式パックなどの容器内にパックすることができる。容器内の喫煙物品を内側ライナで包装し、この内側ライナの少なくとも1つの表面に任意に香味料を加えることができる。
【0072】
本発明によるフィルタは、流量制限要素及びいずれかのさらなる上流フィルタセグメントを含むフィルタの連続アレイを準備するステップと、これらのフィルタの連続アレイをプラグラップの連続シートで包装するステップと、この連続する包装フィルタロッドを切断して個々のフィルタ、或いは2連又は4連フィルタなどの多連フィルタを形成するステップとを含む連続法で製造することができる。これらのフィルタは、流量制限要素の下流端に隣接して空間が形成されるように連続アレイで配置されることが好ましい。その後、これらの個々の又は多連の包装フィルタロッドを既知の工程でタバコ材料の包装ロッドと組み合わせて、組み立てた喫煙物品を提供する。上述したように、フィルタロッドは空間の位置で切断されて、プラグラップにより形成された口側端部キャビティを有するフィルタが提供される。
【0073】
流量制限要素及びいずれかの追加の上流フィルタセグメントは、従来のフィルタ製造装置及び技術を用いて、フィルタの連続アレイを形成するのに適した順序で整列させ配置することができる。流量制限要素がその長さに沿って非対称である場合、全ての組み立てたフィルタにおいて正しい方向が得られるように、流量制限要素の方向を交互にすることが必要となり得る。連続する包装フィルタロッドは、一貫した長さの口側端部キャビティが製造されるように切断位置の見当を合わせるのに適した手段を使用し、従来の切断装置を用いて適切な位置で切断することができる。
【0074】
フィルタの製造中には、フィルタの連続アレイの周囲にプラグラップを巻き付けた後にプラグラップがフィルタ要素の外周面に接着するように、プラグラップの内面、フィルタ要素の外面又はこれらの両方に好適な接着剤を塗布することが好ましい。
【0075】
以下、添付図面を参照しながら本発明をほんの一例としてさらに説明する。