(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
太陽光発電パネルの上端および下端の間に渡設されるガイドレールと太陽光発電パネルを上下から挟持する一対の固定部材とが装備された太陽光発電パネルに沿って水平方向に移動する移動フレームと、前記移動フレームに装着されガイドレールに沿って垂直方向に移動する太陽光発電パネルを洗浄する清掃体と、太陽光発電パネルに接して水平方向に軸回転する複数の移動用車輪と、該移動用車輪に回転動力を供給する車輪用駆動装置と、該車輪用駆動装置の回転動力を前記移動用車輪に伝達する動力伝達手段と、からなる洗浄装置が、水平方向に移動しながら清掃体を垂直方向に移動する事により太陽光発電パネルの表面を全面に渡って洗浄清掃する太陽光発電パネルの洗浄装置において、
前記清掃体は、太陽光発電パネルの表面に高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射するための清掃体の左右対称位置に設置される複数のノズルからなる噴射装置と、清掃体中央の上下端間に設置される掃拭手段と、を装備することを特徴とする太陽光発電パネルの洗浄装置。
前記掃拭手段は、清掃体の上下端間に回転自在に載架された二本の筒体と、一方の前記筒体に巻装された布体と、掃拭手段用駆動装置とからなり、前記布体は前記太陽光発電パネルに当接して掃拭するとともに、一定の時間間隔で一方の筒体に巻装された布体を他方の筒体が駆動回転して一定の長さで巻き取ることにより布体の掃拭面を未使用の掃拭面と交換する事を特徴とする請求項1記載の太陽光発電パネルの洗浄装置。
太陽光発電パネルの上端および下端の間に渡設されるガイドレールと太陽光発電パネルを上下から挟持する一対の固定部材とが装備された太陽光発電パネルに沿って水平方向に移動する移動フレームと、前記移動フレームに装着されガイドレールに沿って垂直方向に移動する太陽光発電パネルを洗浄する清掃体と、前記清掃体に設置され前記ガイドレールと平行して回転自在に設置される筒状からなる複数の回転洗浄ブラシと、太陽光発電パネルに接する位置に設けられ水平方向に軸回転する複数の移動用車輪と、前記清掃体の左右対称位置に設置され太陽光発電パネルの表面に高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射する複数のノズルからなる噴射装置と、からなる洗浄装置が、水平方向に移動しながら清掃体を垂直方向に移動する事により太陽光発電パネルの表面を全面に渡って洗浄清掃する太陽光発電パネルの洗浄装置において、
前記清掃体は、前記移動用車輪に回転動力を供給する車輪用駆動装置と、前記回転洗浄ブラシに回転動力を供給する回転洗浄ブラシ毎に設けられた回転洗浄ブラシ用駆動装置と、を装備することを特徴とする太陽光発電パネルの洗浄装置。
前記太陽光発電パネルの洗浄装置は、一定量の降雨を検出して前記太陽光発電パネルの洗浄装置を自動的に起動する水分検知センサーを設置したことを特徴とする請求項1または請求項3記載の太陽光発電パネルの洗浄装置。
前記ノズルは、高温スチームを噴射する高温スチーム用ノズル、高圧水を噴射する高圧水用ノズル、洗浄用薬剤を噴射する洗浄用薬剤用ノズルの何れか1つまたは複数からなり、
前記清掃体は、太陽光発電パネルの表面に高温スチーム、高圧水、洗浄用薬剤の1または複数を噴射するため、前記高温スチーム用ノズル、前記高圧水用ノズル、前記洗浄用薬剤用ノズルの何れか1つまたは複数を装備することを特徴とする請求項1または請求項3記載の太陽光発電パネルの洗浄装置。
前記清掃体は、太陽光発電パネルの洗浄効率を上げるため、太陽光発電パネルの表面の汚染度を測定するためのセンサーを具備するとともに、汚染度に応じて移動速度を制御する速度制御装置を装備したことを特徴とする請求項1または請求項3記載の太陽光発電パネルの洗浄装置。
太陽光発電パネルの左右端間に渡設されるガイドレールと太陽光発電パネルを左右から挟持する一対の固定部材とが装備された太陽光発電パネルに沿って垂直方向に移動する移動フレームと、前記移動フレームに装着されガイドレールに沿って水平方向に移動する太陽光発電パネルを洗浄する清掃体と、太陽光発電パネルに接して移動フレームの移動方向に軸回転する前記清掃体に設置される複数の移動用車輪と、該移動用車輪に回転動力を供給する車輪用駆動装置と、該車輪用駆動装置の回転動力を前記移動用車輪に伝達する動力伝達手段と、からなる洗浄装置が、垂直方向に移動しながら清掃体を水平方向に移動する事により太陽光発電パネルの表面を全面に渡って洗浄清掃する太陽光発電パネルの洗浄装置において、
前記清掃体は、太陽光発電パネルの表面に高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射するための清掃体の上下対称位置に設置される複数のノズルからなる噴射装置と、清掃体中央の左右端間に設置される掃拭手段と、を装備することを特徴とする太陽光発電パネルの洗浄装置。
太陽光発電パネルの左右端間に渡設されるガイドレールと太陽光発電パネルを左右から挟持する一対の固定部材とが装備された太陽光発電パネルに沿って垂直方向に移動する移動フレームと、前記移動フレームに装着されガイドレールに沿って水平方向に移動する太陽光発電パネルを洗浄する清掃体と、前記清掃体に設置され前記ガイドレールと平行して回転自在に設置される筒状からなる複数の回転洗浄ブラシと、前記清掃体の太陽光発電パネルに接する位置に設けられ移動フレームの移動方向に軸回転する複数の移動用車輪と、前記清掃体の上下対称位置に設置され太陽光発電パネルの表面に高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射する複数のノズルからなる噴射装置と、からなる洗浄装置が垂直方向に移動しながら清掃体を水平方向に移動する事により太陽光発電パネルの表面を全面に渡って洗浄清掃する太陽光発電パネルの洗浄装置において、
前記清掃体は、前記移動用車輪に回転動力を供給する車輪用駆動装置と、前記回転洗浄ブラシに回転動力を供給する回転洗浄ブラシ毎に設けられた回転洗浄ブラシ用駆動装置と、を装備することを特徴とする太陽光発電パネルの洗浄装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る太陽光発電パネル洗浄装置を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る太陽光発電パネル洗浄装置の使用状態を示す図であり、
図2は、固定部材の太陽光発電パネルとの接触部の拡大図である。
図3は、ノズルと掃拭手段を設置した清掃体の内部機構を示す図であり、
図4は、車輪用駆動装置と回転洗浄ブラシ用駆動装置を設置した清掃体の内部機構を示す図である。
図5は、太陽光発電パネル洗浄装置の清掃体の斜視図であり、
図6は、縦方向へ移動する太陽光発電パネル洗浄装置の使用状態を示す図である。
【0025】
本発明に係る太陽光発電パネルの洗浄装置10は、太陽光発電パネル1を洗浄するための可動式自動洗浄装置であって、
図1に示すように、移動フレーム100と、清掃体200とからなるものであり、清掃体200が水平方向に移動しながら太陽光発電パネル1を洗浄し、適宜に清掃体200の位置を上下移動させることで任意の高さ位置の洗浄が可能となる。
【0026】
移動フレーム100は、後述の清掃体200を上下動自在に保持する枠状部材であり、
図1および
図2に示すようにガイドレール110からなる。ガイドレール110は、太陽光発電パネル1の上端および下端の間に渡設される部材である。ガイドレール110は、本実施例では、2本の棒状部材によって構成されるが、これに限定されるものではなく、1本で構成したり、強度を保つために3本以上とする構成とする事も可能であり、更には板状部材とする事も可能である。また、四角柱で構成する事も可能であり、レール上に車輪を配置する構成とする場合には断面H形状の長棒とすることも可能である。
【0027】
本実施例では、移動フレーム100に固定部材120を設置した構成としている。固定部材120は、
図1または
図2に示すように、太陽光発電パネル1を上下から挟持して洗浄装置10を太陽光発電パネル1に接合
して保持
(支持)するための部材であり、上下一対で構成されている。本実施例では、固定部材120は、ガイドレール110に対して滑動自在に貫設する構成であり、固定部材120がガイドレール110と一体的に設置されている。ガイドレール110の長さを変更することにより、上下に貫挿された固定部材120間の距離が変更自在となり、あらゆる大きさ(長さ)の太陽光発電パネル1に設置することが可能となる。
【0028】
上下一対からなる固定部材120と太陽光発電パネル1とが接触する位置には、
図2に示すように、補助車輪130が接地する構成とすることが可能である。補助車輪130は、一または複数からなる回転する車輪であり、本実施例では、太陽光発電パネル1の上下端面に接する箇所と太陽光発電パネル1の背面に接する箇所に夫々2輪ずつ設置されており、太陽光発電パネル1の上下端面および背面に沿って回転する。この構成とする事により、移動フレーム100を水平方向に移動させることが可能となり、洗浄装置10が太陽光発電パネル1上を水平方向に移動しながら洗浄を行うことが可能となるとともに、補助車輪130の回転による太陽光発電パネル1上の水平移動中に補助車輪130が太陽光発電パネル1の上下端面から外れて洗浄装置10が太陽光発電パネル1から滑落する事を防止している。
【0029】
清掃体200は、太陽光発電パネル1の表面を洗浄するための装置であり、移動フレーム100のガイドレール110に垂直方向に移動自在に設置される。清掃体200は、本実施例では、
図1に示すように、移動フレーム100のガイドレール110に滑動自在に貫設載架することで上下移動が可能な構成となっている。
【0030】
移動用車輪220は、清掃体200と移動フレーム100からなる洗浄装置10が水平方向に移動するための動力を太陽光発電パネル1に伝達するための車輪であり、水平方向に軸回転するように複数設けられる。移動用車輪220は、洗浄装置10を移動可能であれば設置する位置は問わず、例えばガイドレール110に設置することや固定部材120に設置することが可能である。移動用車輪220は、本実施例では、
図3および
図4に示すように、清掃体200の太陽光発電パネル1に接する位置に複数設けられており、移動用車輪220が回転する事により、移動フレーム100と清掃体200とからなる洗浄装置10が水平方向に移動可能となる。
【0031】
また、移動用車輪220は、
図3および
図4に示すように、本実施例では2つの車輪が清掃体200の上下位置に同軸となるように設置されているが、この構成に限定されるものではなく、清掃体200の姿勢を崩さず安定した水平移動を行うことが可能であれば3輪、4輪に変更する事が可能である。
【0032】
車輪用駆動装置230は、
図3に示すように、移動用車輪220に回転動力を供給する装置である。車輪用駆動装置230は、本実施例では電気モータ(図示せず)によって構成しており、該電気モータがバッテリー(図示せず)から電力の供給を受けて回転する構成となっている。また、動力伝達手段240は、車輪用駆動装置230の回転動力を移動用車輪220に伝達する装置である。本実施例では、
図3に示すように、洗浄装置10の清掃体200には複数の移動用車輪220が設置されており、車輪用駆動装置230の回転力によりこれらを回転させて移動する。動力伝達手段240は電気モータの回転を複数の移動用車輪220に効率よく伝達する。
【0033】
以上の構成により、太陽光発電パネルの洗浄装置10は、太陽光発電パネル1上を水平方向に移動しながら清掃体200を垂直方向に移動する事が可能となる。これにより太陽光発電パネル1の表面を全面に渡って洗浄清掃することが出来る。
【0034】
清掃体200は、本実施例では、噴射装置210が設置されている。噴射装置210は、
図3に示すように、太陽光発電パネルの表面に高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射するために設けられる部材であり、清掃体200の左右対称位置であって、後述の掃拭手段214を挟む位置に設置される。噴射装置210は、複数のノズル211からなり、該ノズル211から高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤が太陽光発電パネル1の表面に向けて噴射される構成である。この構成とすることにより、太陽光発電パネル1の表面に付着した乾燥・膠着した塵・ゴミ等を浮き上がらせたり、強制的に剥離することが可能となり、太陽光発電パネル1の表面から容易に除去することが可能となる。
【0035】
また、清掃体200には、
図3に示すように、掃拭手段214が設置されている。掃拭手段214は、太陽光発電パネル1に付着した汚れを拭き取ってパネル表面を清掃するための布製部材からなる掃拭用部材であり、本実施例では、清掃体200の中央に配置されており、清掃体200の上下端間に設置した構成である。この構成としたため、前記ノズル211から噴射された高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤により容易に剥離・除去可能となった太陽光発電パネル1上の塵・ゴミ等を雑巾掛けするように拭き取ることができ、太陽光発電パネル1に負荷を与えることなく清掃を迅速かつ確実に行うことが可能となった。
【0036】
すなわち、太陽光発電パネル1上の汚れを掃いて他の場所に吹き飛ばして移動させるのではなく、布製部材で拭き取る構造となっているため、汚れが他の面に移動する事なく確実に除去することが可能となる。また、高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射して汚れを浮き上がらせて剥離容易としているため、容易に拭き取れると同時に、スチーム、高圧水、洗浄用薬剤による水分も拭き取って太陽光発電パネル1の表面に汚れが定着しづらい乾燥した仕上がりとすることが可能となった。
【0037】
また、
図3に示すように、掃拭手段214を清掃体200の上下端間に設置した構成としたため、一回の清掃動作による拭き取り面積を最大化することが可能となり、より迅速な清掃処理を行うことが可能となった。
【0038】
掃拭手段214は、より詳しくは、二本の筒体(215a、215b)と布体216とから構成されている。二本の筒体は、
図3に示すように、清掃体200の上下端間に回転自在に載架された構成であり、第一筒体215aと第二筒体215bからなる。また、布体216は二本からなる筒体のうち一方の第一筒体215aに予め巻装されており、布体216の先端部は他方の第二筒体215bに接続されている。第二筒体215bが回転すると布体216は第二筒体215bに巻き取られ、それに伴い予め布体216が巻装された第一筒体215aも同時に回転して布体216を第二筒体215bに回転送達する構成となっている。なお、本実施例では、第一筒体215aにはテンショナーが設けられており、第一筒体215a、第二筒体215b間に位置する布体216は張力が掛かった状態としている。
【0039】
また、掃拭手段214は布体216が太陽光発電パネル1に当接するように清掃体200に設置されている。これにより、水平方向に張力が掛かった布体216が太陽光発電パネル1に当接して、太陽光発電パネル1の表面を掃拭するため、太陽光発電パネル1に当接する布体216の面積を最大限とすることが可能となり、確実に清掃を行うことが可能となる。
【0040】
また、掃拭手段214は、駆動装置を一定の時間間隔で起動させて回転させており、一方の第一筒体215aに巻装された布体216を、他方の第二筒体215bが一定の長さで巻き取る構成となっている。これにより、布体216の掃拭面217が掃拭処理によって汚れた場合であっても、自動的に未使用の掃拭面217と交換することが可能となり、常に汚染されていない布体216によって太陽光発電パネル1の表面を掃拭することが可能となる。
【0041】
掃拭手段214には、本実施例では、
図3に示すように、掃拭手段用駆動装置218が設けられており、該掃拭手段用駆動装置218が第二筒体215bに回転動力を与えることにより、布体216を巻き取る構造となっている。また、掃拭手段214には制御装置(図示せず)が設けられており、掃拭手段用駆動装置218を回転させて布体216を巻き取らせる間隔や巻き取るための回転数を制御する構成となっている。なお、掃拭手段214に布体216の汚れ具合を検知するためのセンサーを設ける構造としてもよい。これにより、布体216を無駄なく掃拭処理に使用する事が可能となる。
【0042】
本発明に係る太陽光発電パネルの洗浄装置の他の実施例として、清掃体200に、複数の回転洗浄ブラシ250を設置した構成とすることが可能である。本実施例では、高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射する噴射装置210と掃拭手段214に代えて回転洗浄ブラシ250を設置した構成としているが、噴射装置210および掃拭手段214と、回転洗浄ブラシ250を併用する構成とする事も可能である。この場合、噴射装置210のノズル211は、清掃体200の左右対称位置であって、回転洗浄ブラシ250を挟む位置に設置される。噴射装置210は、複数のノズル211からなり、該ノズル211から高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤が太陽光発電パネル1の表面に向けて噴射される構成となっている。
【0043】
すなわち、太陽光発電パネルの洗浄装置10は、
図4に示すように、清掃体200が、複数の移動用車輪220と、複数の回転洗浄ブラシ250と、車輪用駆動装置260と、回転洗浄ブラシ用駆動装置270とを装備した構成とすることが可能である。
【0044】
移動用車輪220は、清掃体200と移動フレーム100からなる洗浄装置10が水平方向に移動するための動力を太陽光発電パネル1に伝達するための車輪であり、水平方向に軸回転するように複数設けられる。この移動用車輪220に動力が与えられることにより、洗浄装置10が水平方向に移動することが可能となる。移動用車輪220は、洗浄装置10を移動可能であれば設置する位置は問わず、例えばガイドレール110に設置することや固定部材120に設置することが可能であるが、本実施例では、清掃体200の太陽光発電パネル1に接する位置に複数設けられている。また、清掃体200は垂直方向に移動自在に設置されるため、太陽光発電パネル1の表面を全面に渡って洗浄清掃することが可能となる。
【0045】
回転洗浄ブラシ250は、清掃体200にガイドレール100と平行する向きに回転自在に設置される筒状の洗浄用のブラシであり、該筒状のブラシが回転しながら太陽光発電パネル1上をブラッシングすることにより、パネルに付着した砂泥等の汚れを剥離する。
【0046】
本実施例では、
図4に示すように、回転洗浄ブラシ250は螺旋状の刷毛体からなり移動用車輪220を挟む位置に2本(252a、252b)設置されているが、図に示す別の実施例は刷毛体の形状を含むこの構成に限定されるものではなく、汚れが付着する環境に応じて3本以上の回転洗浄ブラシ250を設置することも可能であり、刷毛の形態も適宜選択可能である。
【0047】
車輪用駆動装置260は、移動用車輪220に回転動力を供給する駆動機構である。本実施例では、
図4に示すように、車輪用駆動装置260は上下に二つ設けられた移動用車輪220に対して動力伝達手段240を介して回転動力を供給する構成である。
【0048】
また、回転洗浄ブラシ用駆動装置270は、回転洗浄ブラシ250に回転動力を供給する駆動機構であり、
図4に示すように、回転洗浄ブラシ250毎(第一回転洗浄ブラシ252aと第二回転洗浄ブラシ252b)に回転洗浄ブラシ用駆動装置270(第一回転洗浄ブラシ用駆動装置272aと第二回転洗浄ブラシ用駆動装置272b)を設置した構成となっている。
【0049】
車輪用駆動装置260と回転洗浄ブラシ用駆動装置270はモータからなり、各々回転速度を独立して制御可能な構成としている。本実施例では、車輪用駆動装置260と、第一回転洗浄ブラシ用駆動装置272aと、第二回転洗浄ブラシ用駆動装置272bは、駆動装置制御機構310により、それぞれ独立した回転速度になるよう制御することが可能となっている。この構成とすることにより、太陽光発電パネル1の表面の汚れが強い場所では回転洗浄ブラシ用駆動装置270の回転速度を上げるとともに車輪用駆動装置260の回転速度を下げて念入りに清掃を行い、汚れが弱い場所では、逆に回転洗浄ブラシ用駆動装置270の回転速度を下げるとともに車輪用駆動装置260の回転速度を上げる制御を行うことが可能となり、効率の良い清掃処理を行うことが可能となった。
【0050】
清掃体200は、
図4に示すように、ワイパー280を設けた構成とすることが可能である。清掃体200には、本実施例では、太陽光発電パネル1の表面に高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射する複数のノズル211からなる噴射装置210を設ける構成の他、外部からホース等を経由して供給される水を太陽光発電パネル1の表面に噴射するノズル(図示せず)を設ける構成とすることが可能である。これらの水が太陽光発電パネル1に付着した汚れを浮き上がらせ、回転洗浄ブラシ250がその浮き上がった汚れを螺旋状刷毛体によりブラッシングすることにより、清掃する仕組みとなっている。このとき、余分な水分や汚れが溶け込んだ水分が太陽光発電パネル1上に残留することになるが、ワイパー280がこの残留水分を拭き取ることにより太陽光発電パネル1の表面の汚れが完全に除去される構成である。
【0051】
ワイパー280は、本実施例では、2本からなる回転洗浄ブラシ250(第一回転洗浄ブラシ252aと第二回転洗浄ブラシ252b)を挟む位置に2本設置されている。この構成とする事により、左右に水平移動する清掃体200が汚れを含んだ水分をどちらの方向に移動しても太陽光発電パネル1に残留させずに太陽光発電パネル1上を往復移動して洗浄することが可能となる。
【0052】
清掃体200には、筐体290が設けられている。筐体290は、
図5に示すように、清掃体200を覆うカバー状部材であり、本実施例では、プラスチック等の樹脂によって構成されている。筐体290を設置する事により、高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤の噴射による水分の飛散や、回転洗浄ブラシ250の回転清掃動作に伴う汚れの飛散を防止する事が可能となり、他の太陽光発電パネル1を汚すことなく効率よく太陽光発電パネル1の洗浄を行う事が可能となる。
【0053】
太陽光発電パネルの洗浄装置10は、水分検知センサー300を設置した構成となっている。水分検知センサー300は、一定量の降雨を検出して前記太陽光発電パネルの洗浄装置を自動的に起動する装備であり、本実施例では、
図5に示すように、筐体290の外面に設置した構成である。降雨があった際には、大気中を浮遊する塵等の汚れが雨水と共に太陽光発電パネル1上に落下して、パネル表面を汚すこととなる。水分検知センサー300を設けることにより、このような汚れをいち早く除去する事が可能となり、効率の良い清掃処理が可能となった。
【0054】
噴射装置210のノズル211は、
図3に示すように、高温スチーム用ノズル212aと、高圧水用ノズル212bと、洗浄用薬剤用ノズル212cとによって構成されている。高温スチーム用ノズル212aは高温スチームを噴射するためのノズルであり、高圧水用ノズル212bは高圧水を噴射するためのノズルであり、洗浄用薬剤用ノズル212cは洗浄用薬剤を噴射するためのノズルとなっている。
【0055】
清掃体200に設置する噴射装置210の高温スチーム用ノズル212aと、高圧水用ノズル212bと、洗浄用薬剤用ノズル212cは、何れか1種類または複数種類を選択して装備することが可能である。この構成とする事により、太陽光発電パネルの表面に高温スチーム、高圧水、洗浄用薬剤の1または複数を噴射する事ができる。例えば、汚染度が比較的低い太陽光発電パネル1であれば、高温スチーム用ノズル212aまたは高圧水用ノズル212bのみを装備した洗浄装置10を構成して設置することが可能であり、比較的汚染度が高い場合には、高温スチーム用ノズル212aと高圧水用ノズル212bを併用したり、更に洗浄用薬剤用ノズル212cを設置して洗浄用薬剤を噴射する構成とすることが可能である。
【0056】
また、噴射装置210は、
図3に示すように、高温スチーム配送パイプ213a、高圧水配送パイプ213b、または洗浄用薬剤配送パイプ213cを設置する構成とすることが可能である。高温スチーム配送パイプ213a、高圧水配送パイプ213b、洗浄用薬剤配送パイプ213cは、太陽光発電パネルの洗浄装置10の外部に設置される高温スチーム発生装置(図示せず)から送られてきた蒸気や、高圧水発生装置(図示せず)から送られてきた高圧水や、洗浄用薬剤生成装置(図示せず)から送られてきた洗浄用薬剤を、それぞれ高温スチーム用ノズル212aと、高圧水用ノズル212bと、洗浄用薬剤用ノズル212cに配送するための、それぞれ個別に設けられる管状の部材である。この構成とすることにより、蒸気配送の効率が良くなるとともに、メンテナンス性のよい噴射装置210を構成することが可能となる。
【0057】
清掃体200は、
図3および
図4に示すように、太陽光発電パネル1の表面の汚染度を測定するためのセンサー320を具備する構成とすることが可能である。更に、センサー320が測定した汚染度に応じて移動速度を制御する速度制御装置330を装備する構成とすることが可能である。この場合、センサー320が測定する清掃体200が通過する部分の汚染度が低い場合には、車輪用駆動装置230・260の回転速度を速め、汚染度が高い場合には、車輪用駆動装置230・260の回転速度を下げるように速度制御装置330が車輪用駆動装置230・260の回転速度の制御を行う。これにより、汚れている箇所は時間をかけて清掃を行い、汚れが少ない箇所は短時間で清掃を終わらせることが可能となり、太陽光発電パネル1の洗浄効率を上げることが可能となる。
【0058】
本発明の洗浄装置10の使用方法としては、太陽光発電パネル1の水平方向への洗浄は前記清掃体200の水平方向への自動洗浄動作により行われる。太陽光発電パネル1上の清掃体200の位置は、本実施例では、洗浄位置制御機構(図示せず)によって管理されており、太陽光発電パネル1の両端を往復するように洗浄位置制御機構が清掃体200の水平往復移動を制御する。清掃体200の上下移動に関しては、本実施例では手動により行う仕様としている。すなわち、太陽光発電パネル1上を清掃体200が水平方向に往復して洗浄を行った後、洗浄した縦幅分清掃体200を移動させる。その後、再度清掃体200による水平方向で往復洗浄動作を開始する。なお、清掃体200の上下移動は、上記のように手動で行う仕様に限定されるものではなく、清掃体200の上下移動を自動的に行う構成とすることも可能である。これにより、洗浄装置の全動作を自動化することが可能となる。
【0059】
本発明の更に別の実施例として、
図6に示すように、洗浄装置10を縦に移動させる構成とすることが可能である。すなわち、洗浄装置10の移動フレーム100は、ガイドレール110が太陽光発電パネル1の左右端間に渡設して太陽光発電パネル1を一対の固定部材120により左右から挟持し、太陽光発電パネル1に沿って垂直方向に移動する構成である。また、清掃体200は、移動フレーム100に装着されておりガイドレール110に沿って水平方向に移動して太陽光発電パネル1を洗浄する。
【0060】
また、洗浄装置10には、太陽光発電パネル1に接して移動フレーム100の移動方向に軸回転する複数の移動用車輪220と、移動用車輪220に回転動力を供給する車輪用駆動装置230と、車輪用駆動装置230の回転動力を移動用車輪に伝達する動力伝達手段240とが装備されている。本実施例では、移動用車輪220と車輪用駆動装置230と動力伝達手段240とは、清掃体200に設置されている。
【0061】
また、清掃体200は、清掃体200の上下対称位置に複数のノズル211からなる噴射装置210が設置されており、これにより、太陽光発電パネル1の表面に高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射する。更に、清掃体200の中央の左右端間には太陽光発電パネル1を掃拭するための掃拭手段214が設置されている。
【0062】
この構成により、洗浄装置10を垂直方向に移動しながら清掃体200を水平方向に移動する事が可能となり、太陽光発電パネル1の表面を全面に渡って洗浄清掃する事ができる。
【0063】
本発明の更に別の実施例として、縦に移動する前記洗浄装置10の清掃体200に、掃拭手段214に代えて、回転洗浄ブラシ252a、252bを設置することが可能である。回転洗浄ブラシ252a、252bは、ガイドレール110と平行して回転自在に設置される筒状からなる複数のブラシからなる。
【0064】
この構成とすることにより、清掃体200の上下対称位置に設置された複数のノズル211からなる噴射装置210が太陽光発電パネルの表面に高温スチーム、高圧水または洗浄用薬剤を噴射しながら、清掃体200の太陽光発電パネル1に接する位置に設けられる複数の移動用車輪220が移動フレーム100の移動方向に軸回転することにより洗浄装置10を垂直方向に移動して、洗浄装置10が垂直方向に移動しながら太陽光発電パネル1の表面を洗浄清掃することが可能となる。
【0065】
また、清掃体200は、移動用車輪220に回転動力を供給する車輪用駆動装置260と、回転洗浄ブラシ252a、252bに回転動力を供給する回転洗浄ブラシ用駆動装置272a、272bが設けられており、回転洗浄ブラシ用駆動装置272a、272bは、回転洗浄ブラシ252a、252b毎に設けられている。これにより、清掃体200の垂直方向への移動が容易になるとともに、回転洗浄ブラシ252a、252bの回転力を各々駆動装置から直接得ることが可能となり、強力な回転力による確実な洗浄力を得ることが可能となる。
本実施例では、噴射装置210から、太陽光発電パネル1の表面に洗浄用薬剤が噴射されるが、この薬剤は洗浄用に限らず、その他の薬剤を噴射する構成とすることも、もちろん可能である。