(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すなわち、特許文献1の技術は、接着剤を用いなければ組み立てられないため、接着剤が付属していない場合には、まず接着剤を用意しなければならない。また、特許文献1の技術は、接着剤が付属していても、スタンドに付着した接着剤が乾燥するまでスマートフォン等を載置することができず、組み立てて使用するまでに時間がかかってしまう。そのため、特許文献1の技術は、使用時にスタンドを容易に組み立てることが困難である。
【0006】
さらに、特許文献1の技術は、接着剤を用いて組み立てていることから、容易に元の平面形状に戻すことができない。そのため、特許文献1の技術は、スタンドを組み立てた後においては、立体形状になっているので収納時に嵩張りやすく、旅行や出張等で携帯することは困難である。
そこで、本発明は、簡単に組み立てられ、かつ、旅行や出張等での携帯が容易なスマートフォンやタブレット端末等である被支持部材のスタンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成を備える。
【0008】
(第1の発明)
本発明のうち第1の発明に係るスタンド7は、板部材から成る本体部10を備え、前記本体部10は、前記本体部10を上下方向に、左板12、中央板14、右板16と三分割したときに、前記中央板14を下方に向けて凹形状となるように切断して形成された載置部20と、前記中央板14の左側に連設する前記左板12又は前記中央板14の右側に連設する前記右板16に設けられた嵌入部30と、前記中央板14の右側に連設する前記右板16又は前記中央板14の左側に連設する前記左板12に設けられた受入部40とを備えており、前記嵌入部30は、前記左板12又は前記右板16の下辺から上方に向けて形成された嵌入溝32を備え、前記受入部40は、前記右板16又は前記左板12の上辺から下方に向けて形成され、前記嵌入溝32と嵌合可能な受入溝42を備え、前記本体部10は、前記嵌入溝32と前記受入溝42とを嵌合させて、前記中央板14を前記左板12及び前記右板16より前後方向に突出させることで、前記載置部20の下辺に被支持部材1が載置可能となることを特徴とする。
【0009】
(第2の発明)
本発明のうち第2の発明は、前記した第1の発明の特徴に加え、前記中央板の下辺15の両端付近から、前記左板12又は前記右板16の下辺にかけて、各々の下辺が上方へ傾斜していることを特徴とする。
ここで、「前記中央板の下辺15の両端付近」とは、中央板の下辺15のうち、必ずしも両端である必要はなく、両端よりもやや内側あるいは外側の位置も含むことを意味する。
【0010】
(第3の発明)
本発明のうち第3の発明は、前記した第1又は第2の発明の特徴に加え、前記載置部20は、前記載置部20の下辺の両端付近に、さらに下方へ凹となる2箇所の載置溝22が形成されており、前記本体部10は、前記嵌入溝32と前記受入溝42とを嵌合させて、前記中央板14を前記左板12及び前記右板16より前後方向に突出させることで、2箇所の前記載置溝22に被支持部材1をはめて載置できるように形成したことを特徴とする。
【0011】
ここで、「前記載置部20の下辺の両端付近」とは、載置部20の下辺のうち、必ずしも両端である必要はなく、両端よりもやや内側あるいは外側の位置も含むことを意味する。
ここで、「さらに下方へ凹となる2箇所の載置溝22」とは、載置溝22は、載置部20の下辺から下方へ向けて凹ませることで形成されたことを意味する。
ここで、「載置溝22」とは、その左右方向の幅が被支持部材1の厚みよりもやや大きめに形成された溝である。
【0012】
(第4の発明)
本発明のうち第4の発明は、前記した第1、第2又は第3の発明の特徴に加え、前記嵌入溝32は、前記左板12又は前記右板16の下辺から上方に向けて形成された嵌入溝第一部32aと、前記嵌入溝第一部32aの上端から右方又は左方に向けて形成された嵌入溝第二部32bと、前記嵌入溝第二部32bのうち、前記嵌入溝第一部32aの上端と連設しない一端から上方に向けて形成された嵌入溝第三部32cとからなり、前記嵌入溝第二部32bと前記左板12又は前記右板16の下辺との間が第1係止突起50となり、前記受入溝42は、前記右板16又は前記左板12の上辺から下方に向けて形成された受入溝第一部42aと、前記受入溝第一部42aの下端から左方又は右方に向けて形成された受入溝第二部42bと、前記受入溝第二部42bのうち、前記受入溝第一部42aの下端と連設しない一端から下方に向けて形成された受入溝第三部42cとからなり、前記受入溝第二部42bと前記右板16又は前記左板12の上辺との間が第2係止突起52となり、前記嵌入溝第三部32cと対向する前記左板12又は前記右板16の上辺には、前記第2係止突起52と係合可能な第2係止溝56が形成され、前記受入溝第三部42cと対向する前記右板16又は前記左板12の下辺には、前記第1係止突起50と係合可能な第1係止溝54が形成され、前記本体部10は、前記嵌入溝第三部32cと前記受入溝第三部42cとを嵌合させた際に、前記第1係止溝54と前記第1係止突起50とが係合可能であり、さらに、前記第2係止溝56と前記第2係止突起52とが係合可能であることを特徴とする。
【0013】
ここで、「前記嵌入溝第一部32aの上端と連設しない一端」とは、嵌入溝第二部32bが、嵌入溝第一部32aの上端から右方に向けて形成された場合には、嵌入溝第二部32bの右端が「前記嵌入溝第一部32aの上端と連設しない一端」に該当する。一方、嵌入溝第二部32bが、嵌入溝第一部32aの上端から左方に向けて形成された場合には、嵌入溝第二部32bの左端が「前記嵌入溝第一部32aの上端と連設しない一端」に該当する。
【0014】
ここで、「前記受入溝第一部42aの下端と連設しない一端」とは、受入溝第二部42bが、受入溝第一部42aの下端から左方に向けて形成された場合には、受入溝第二部42bの左端が「前記受入溝第一部42aの下端と連設しない一端」に該当する。一方、受入溝第二部42bが、受入溝第一部42aの下端から右方に向けて形成された場合には、受入溝第二部42bの右端が「前記受入溝第一部42aの下端と連設しない一端」に該当する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、本体部を構成する左板に形成された嵌入溝と本体部を構成する右板に形成された受入溝とを嵌め合わせるだけで簡単に組み立てることができる。また、本発明は、組み立て前の形状を1枚の板部材とすることができるため、組み立て前の形状にすれば、旅行や出張等の際に鞄に収容することで容易に携帯できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施の形態)
本明細書では、各説明箇所において、方向の定義が示されていない場合には、
図1又は
図3に示すスタンド7を形成するための板部材の左側を「左」方向とし、その逆方向を「右」方向とし、スタンド7を形成するための板部材の上側を「上」方向とし、その逆方向を「下」方向とする。また、前記「上」や「下」の上下方向は、
図2に示すようなスタンド7の上側が「上」方向であり、その逆方向が「下」方向となる。また、「前」や「後ろ」の前後方向は、
図2に示すようなスタンド7に、被支持部材1が載置される側を「前」方向とし、その逆方向を「後ろ」方向とする。
【0018】
(被支持部材1)
ここでまず、被支持部材1を説明する。またここで説明する被支持部材1は、画面2を見ている状態で説明する。
図2に示す被支持部材1は、スマートフォンである。この被支持部材1は、両サイドの縦方向の面を各々側面部6とし、底面を底面部5とし、上面を上面部4とし、かつ裏面を背面部3とする。このとき、被支持部材1は、側面部6及び底面部5の厚みtが同一であり、かつ13mmよりも小さい。
【0019】
(本体部10)
第1の実施の形態に係るスタンド7は、
図1に示すように、板部材から成る本体部10を備えている。この本体部10は、本体部10を上下方向に、左板12、中央板14、右板16と三分割したときに、中央板14を下方に向けて凹形状となるように切断して形成された載置部20を備えている。また、本体部10は、中央板14の左側に連設する左板12に嵌入部30が設けられ、中央板14の右側に連設する右板16に受入部40が設けられている。すなわち、本体部10は、載置部20が下方に向けて凹んでいることから、全体として上向きの略凹形状を呈している。なお、嵌入部30と受入部40との位置関係は、上記のものに限らず、嵌入部30を右板16に設け、受入部40を左板12に設けてもよい。
【0020】
本体部10は、上述のように、左板12、中央板14、右板16との3つの板部材から成り、その厚さが1mmに形成されている。また、本体部10は、組み立て前の平面形状において、その上下方向の最大の高さが76mm、その左右方向の最大の幅が280mmであり、反転させることでA4サイズ(210×297mm)に本体部10が2つ収まる寸法で形成されている。なお、本体部10の上下方向の最大の高さ及び左右方向の最大の幅は、上記の数値に限られない。たとえば、上記の数値よりも小さい寸法で形成して、A4サイズに本体部10が2つ以上収まる寸法で形成してもよいし、上記の数値よりも大きい寸法で形成して、A4サイズに本体部10が1つのみ収まる寸法で形成してもよい。
【0021】
また、本体部10は、防水性に優れ、適度の柔軟性と剛性とを備えたPVC(ポリ塩化ビニル樹脂)で形成されている。なお、本体部10の材質は、PVCに限らず、厚紙やウレタンフォーム等を用いて形成してもよい。
ここで、本体部10の下辺は、中央板の下辺15の両端付近から、左板の下辺13と右板の下辺17はそれぞれ上方へ傾斜している。すなわち、本体部10の下辺は、中央板の下辺15が最下端となり、この部分から左板の下辺13の左端と右板の下辺17の右端とに向かって、徐々に上方へ傾斜するように形成されている。具体的には、中央板の下辺15と左板の下辺13とがなす角、及び、中央板の下辺15と右板の下辺17とがなす角(以下、「θ1」とする)は、3度で形成されている。なお、θ1は、3度に限らず、1度以上6度以下の範囲で形成してもよいし、0度であってもよい。
【0022】
(載置部20)
図1に示すように、載置部20は、中央板14を下方に向けて凹形状となるように切断して形成され、本体部10を組み立てた際に、被支持部材1が載置される部分である。この載置部20は、載置部20の下辺であって、被支持部材1が載置される下辺部26と、載置部20の側辺であって、下辺部26の両端から上方に連設していて被支持部材1の背面部3を支持可能な側辺部28とを備えている。
【0023】
(嵌入部30)
図1に示すように、嵌入部30は、中央板14の左側に連設する左板12に設けられたものである。この嵌入部30は、本体部10の組み立てに際し、受入部40と嵌合させることで本体部10を立体形状とするのに用いられる。
嵌入部30は、左板の下辺13の左端から右端に向けて約1/3の位置に、上方に向けて形成された嵌入溝32を有している。
【0024】
具体的には、嵌入溝32は、左板の下辺13の左端から右端に向けて約1/3の位置から上方に12mmの切り込みを入れることで、嵌入溝第一部32aが形成されている。また、嵌入溝32は、嵌入溝第一部32aの上端から右方に向けて13mmの切り込みを入れることで、嵌入溝第二部32bが形成されている。また、嵌入溝32は、嵌入溝第二部32bのうち、嵌入溝第一部32aの上端と連設しない一端、換言すると、嵌入溝第二部32bの右端から上方に向けて25mmの切り込みを入れることで、嵌入溝第三部32cが形成されている。
【0025】
なお、嵌入溝第二部32bは、嵌入溝第一部32aの上端から右方に向けて形成されるものに限らず、嵌入溝第一部32aの上端から左方に向けて形成されるものでもよい。
そして、本体部10は、嵌入部30が嵌入溝第一部32a及び嵌入溝第二部32bを備えることで、嵌入溝第二部32bと左板の下辺13との間の部分が第1係止突起50となっている。第1係止突起50は、本体部10の組み立てに際し、後述する第1係止溝54と係止するものである。
また、左板12の上辺は、嵌入溝第三部32cと対向する位置から、下方に12mmの切り込みを入れることで、後述する第2係止突起52と係合可能な第2係止溝56が形成されている。
【0026】
(受入部40)
図1に示すように、受入部40は、中央板14の右側に連設する右板16に設けられたものである。この受入部40は、本体部10の組み立てに際し、嵌入部30と嵌合させることで本体部10を立体形状とするのに用いられる。
受入部40は、右板16の上辺の右端から左端に向けて約1/3の位置に、下方に向けて形成された受入溝42を有している。
【0027】
具体的には、受入溝42は、右板16の上辺の右端から左端に向けて約1/3の位置から下方に12mmの切り込みを入れることで、受入溝第一部42aが形成されている。また、受入溝42は、受入溝第一部42aの下端から左方に向けて13mmの切り込みを入れることで、受入溝第二部42bが形成されている。また、受入溝42は、受入溝第二部42bのうち、受入溝第一部42aの下端と連設しない一端、換言すると、受入溝第二部42bの左端から下方に向けて25mmの切り込みを入れることで、受入溝第三部42cが形成されている。
【0028】
なお、受入溝第二部42bは、受入溝第一部42aの下端から左方に向けて形成されるものに限らず、嵌入溝第二部32bが嵌入溝第一部32aの上端から左方に向けて形成された場合には、受入溝第一部42aの下端から右方に向けて形成されるものでもよい。
そして、本体部10は、受入部40が受入溝第一部42a及び受入溝第二部42bを備えることで、受入溝第二部42bと右板16の上辺との間の部分が第2係止突起52となっている。第2係止突起52は、本体部10の組み立てに際し、上記した第2係止溝56と係止するものである。
また、右板の下辺17は、受入溝第三部42cと対向する位置から、上方に12mmの切り込みを入れることで、上記した第1係止突起50と係合可能な第1係止溝54が形成されている。
【0029】
(スタンド7の組み立て方法)
以下、
図2を用いて、第1の実施の形態に係るスタンド7の組み立て方法について説明する。
(1)本体部10を曲げ、嵌入溝32を受入溝42に嵌め込んで嵌入溝第三部32cと受入溝第三部42cとを嵌め合わせる。
(2)第1係止突起50を第1係止溝54の方向に曲げ、第1係止突起50を第1係止溝54に沿って嵌め込み、第1係止突起50と第1係止溝54とを係合させる。
(3)第2係止突起52を第2係止溝56の方向に曲げ、第2係止突起52を第2係止溝56に沿って嵌め込み、第2係止突起52と第2係止溝56とを係合させる。
なお、(2)と(3)との手順は、順不同である。
【0030】
(スタンド7の組み立て後の形状)
以下、第1の実施の形態に係るスタンド7の組み立て後の形状について説明する。
このスタンド7は、上記の工程のように、左板12に形成された嵌入溝32と右板16に形成された受入溝42とを嵌め合わせることにより、
図1に示す平面形状から
図2に示す立体形状へ組み立てることができる。そして、組み立てたスタンド7をスタンド7の載置面に設置すると、スタンド7は、中央板14の部分よりも左板12と右板16とが嵌合した部分の方が重くなることと、θ1(
図1参照)が形成されたことにより、左板12及び右板の下辺17がスタンド7の載置面に接することとなる。そのため、中央板14は、スタンド7の載置面から少し浮いた状態となり、結果としてスタンド7全体がやや後方に傾いた状態となる。
【0031】
また、スタンド7の組み立て後は、中央板14が左板12及び右板16より前方に突出した状態となり、中央板14が備える載置部20の載置溝22に被支持部材1が載置可能となる。
この載置溝22は、載置部20の下辺部26の両端付近にさらに下方へ凹となるように形成された2箇所の溝である。
【0032】
換言すると、「載置溝22」とは、その左右方向の幅が被支持部材1の厚みt(
図2参照)よりもやや大きめに形成された溝である。具体的には、載置溝22の左右方向の幅は、13mmで形成されている。なお、載置溝22の左右方向の幅は、前記の数値に限らず、種類の異なる被支持部材1に対応した他の数値でもよい。
一方、載置溝22の上下方向の高さは、被支持部材1がもたれかかった際に、被支持部材1が落下しない高さで形成されている。具体的には、第1の実施の形態では10mmで形成されている。なお、載置溝22の上下方向の高さは、上記の数値に限らず、種類の異なる被支持部材1に対応した他の数値でもよい。
【0033】
また、下辺部26の幅は、被支持部材1の縦置き及び横置きの双方に対応可能とすべく、被支持部材1の短辺よりもやや短めに形成されている。具体的には、下辺部26の幅は72mmで形成されている。なお、下辺部26の幅は、上記の数値に限らず、たとえば、被支持部材1の長辺よりもやや短めに形成して、横置き専用のスタンド7としてもよい。一方、側辺部28の高さは、被支持部材1がもたれかかった際に、被支持部材1を支持可能な高さで形成されている。具体的には、側辺部28の高さは60mmで形成されている。なお、側辺部28の高さは、上記の数値に限らず、種類の異なる被支持部材1に対応した他の数値でもよい。
また、側辺部28と側辺部28の上端から下方への垂直線とがなす角(以下、「θ2」とする)は、5度で形成されている。なお、θ2は、5度に限らず、1度以上10度以下の範囲で形成してもよいし、0度であってもよい。
【0034】
(被支持部材1)
上述のように、
図2に示す被支持部材1は、スマートフォンである。この被支持部材1は、長辺を有する面を側面部6とし、短辺を有する面のうち下方に位置する面を底面部5とし、載置部20の側辺部28と接する面を背面部3とする。このとき、被支持部材1は、側面部6及び底面部5の厚みtが載置溝22の左右方向の幅である13mmよりも小さい。なお、スマートフォン自体の幅は、概ね7mmから10mmの間であるが、スマートフォンにカバーを装着した場合を考慮して、第1の実施の形態では被支持部材1の幅を最大13mmとしている。
【0035】
なお、被支持部材1は、長辺を有する面を底面部5とし、短辺を有する面を側面部6としてもよく、また、載置部20の側辺部28と接しない面を背面部3としてもよい。さらに、被支持部材1は、スマートフォンに限らず、タブレット端末であってもよいし、電子端末ではなく、写真や絵葉書であっても又はケースに収容された清涼菓子等であってもよい。この場合は、採用される被支持部材に応じて、下辺部26の左右方向の幅及び載置溝22の左右方向の幅を調整して使用する。
【0036】
(被支持部材1の載置方法)
以下、
図2を用いて、被支持部材1の載置方法について説明する。
被支持部材1は、上記の行程により、本体部10が立体形状となったことにより、中央板14が左板12及び右板16よりも前方に突出した状態となる。具体的には、被支持部材1を縦置きする場合、底面部5の厚みtが載置溝22の奥行きよりも短いため、底面部5を左右2箇所の載置溝22にはめて載置することができる。なお、被支持部材1を縦置きでなく横置きとした場合でも、側面部6の厚みtが載置溝22の奥行きよりも短いため、側面部6を左右2箇所の載置溝22にはめて載置することができる。
【0037】
また、被支持部材1は、底面部5が左右2箇所の載置溝22に載置されたとき、θ2(
図1参照)により後方に傾いて、被支持部材1の背面部3が側辺部28と当接する。そして、背面部3が側辺部28と当接し、底面部5は載置溝22の側辺部28と下辺部26との間に挟まれて、被支持部材1がスタンド7に支持される。
【0038】
(スタンド7の分解方法)
以下、スタンド7の分解方法について説明する。
(1)第1係止突起50を曲げ、第1係止突起50と第1係止溝54との係合を解除させる。
(2)第2係止突起52を曲げ、第2係止突起52と第2係止溝56との係合を解除させる。
(3)左板12を上方にスライドさせ、嵌入溝32と受入溝42との嵌合を解除させる。
なお、(1)と(2)との手順は、順不同である。また、(3)の手順は、右板14を下方にスライドさせ、嵌入溝32と受入溝42との嵌合を解除させてもよい。
【0039】
(第1の実施の形態の作用効果)
このスタンド7は、本体部10を構成する左板12に形成された嵌入溝32と本体部10を構成する右板16に形成された受入溝42とを嵌め合わせるだけで簡単に組み立てることができる。
さらに、このスタンド7は、組み立て前は平面形状にすることができ、また、組み立て後であっても簡単に1枚の板に分解できるため、旅行や出張等での携帯を容易に行うことができる。すなわち、このスタンド7を構成する本体部10の厚みは1mmであり、厚紙1枚程度であるため、平面形状であれば、ノートやファイル等に挟んだりして、容易に鞄に収納できる。
【0040】
また、このスタンド7は、左板12に形成された嵌入溝32と右板16に形成された受入溝42とを嵌合させて組み立てを行っている。そのため、組み立て後のスタンド7は、中央板14の部分よりも左板12と右板16とが嵌合した部分の方が重くなることと、θ1(
図1参照)が形成されたことにより、左板12及び右板の下辺17がスタンド7の載置面に接することとなる。
【0041】
すなわち、組み立て後のスタンド7をスタンド7の載置面上に設置すると、中央板14がスタンド7の載置面から少し浮いた状態となり、結果としてスタンド7全体がやや後方に傾いた状態となる。その結果、スタンド7は、載置部20が備える側辺部28も後方に傾いた状態となるため、θ2(
図1参照)よりも大きな角度で被支持部材1を奥方向に傾斜した状態で載置することができる。
【0042】
また、このスタンド7は、嵌入溝32と受入溝42とを嵌合させた後、第1係止突起50及び第1係止溝54、第2係止突起52及び第2係止溝56を嵌合させている。そのため、このスタンド7は、第1係止突起50及び第1係止溝54、第2係止突起52及び第2係止溝56が楔となり、嵌入溝32と受入溝42との解除を防ぐズレ止めとして作用するので、本体部10をより強固に固定することができる。
【0043】
したがって、このスタンド7は、簡単に組み立てられながらも強固に固定できるので、被支持部材1をより安定して支持することができる。すなわち、このスタンド7は、嵌入溝32と受入溝42とを嵌合させた際に、第1係止溝54と第1係止突起50とを係合可能とし、さらに、第2係止溝56と第2係止突起52とを係合可能としたため、スタンド7に振動や力が加えられても、立体形状を保持することができ、より安定して被支持部材1を支持できる。
【0044】
また、このスタンド7は、載置溝22に被支持部材1の底面部5をはめて載置することで、単に下辺部26に被支持部材1を載置した構成に比べて、振動があったとしても載置溝22から外れることがなく、被支持部材1を安定して支持できる。さらに、このスタンド7は、載置溝22に被支持部材1をはめて載置すると、スタンド7から被支持部材1が落下しないため、被支持部材1をスマートフォンとした場合にはスタンド7に載置した状態で画面2に触れて操作を行うことができる。また、このスタンド7は、前記のように被支持部材1をスマートフォンとした場合には、マナーモード等のスマートフォンが振動する状態でも使用できる。
【0045】
また、このスタンド7は、厚紙等の紙製でなくPVCで形成されているため、紙製のものと異なり防水性が高いので、洗面所や風呂場等の水回りでも使用することができる。さらに、このスタンド7は、柔軟性を備えるPVCで形成されていることにより、本体部10を分解して再度組み立て直しても、折り目等が付き、その箇所が消耗して最終的に破損してしまうことを少なくできる。
【0046】
また、第1の実施の形態によれば、スタンド7を2つ用いることで、幅の広いタブレット端末を横置きで支持することができる。
また、このスタンド7は、本体部10が組み立て前の平面形状において、その上下方向の最大の高さが76mm、その左右方向の最大の幅が280mmで形成されている。そのため、このスタンド7は、反転させることでA4サイズ(210×297mm)に2つ収容することができ、製造コストを下げ、かつ、製造効率を高めることができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
以下、
図3を参照して、第2の実施の形態を説明する。また、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成要素には、第1の実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして、第1の実施の形態と重複する部分は説明を省略して説明する。
図3に示すように、第2の実施の形態に係るスタンド7は、第1の実施の形態の構成に加えて、載置部20は、厚みの異なる被支持部材1に対応するための調整突起24を備えている。
【0048】
(載置部20)
図3に示すように、第2の実施の形態に係る載置部20は、第1の実施の形態と比べて、載置溝22がやや大きめに形成されている。具体的には、第2の実施の形態では、載置溝22の左右方向の幅は、16mmで形成されている。なお、載置溝22の左右方向の幅は、上記の数値に限らず、種類の異なる被支持部材1に対応した他の数値でもよい。一方、第2の実施の形態に係る載置溝22の上下方向の高さは、第1の実施の形態と同様である。
【0049】
また、載置部20は、右側の載置溝22の左端から右方に向けて調整突起24が突出している。この調整突起24は、右側の載置溝22の左端から右方に3mm突出している。また、調整突起24は、折り曲げたり切断したりすることにより、その幅を変えることができるように形成されている。
【0050】
すなわち、第2の実施の形態に係る載置部20は、調整突起24が突出した状態であれば、第1の実施の形態と同様に、被支持部材1の厚みtが13mm以下のものに対応できる。一方、この載置部20は、たとえば、調整突起24を2mm切断すると、被支持部材1の厚みtが15mm以下のものまで対応することができる。
【0051】
なお、調整突起24は、折り曲げたり切断したりすることなく、調整突起24自身の弾性作用を用いて、厚みの異なる被支持部材1を支持してもよい。すなわち、被支持部材1の装着時は、調整突起24を撓らせて載置溝22の左右方向の幅を最大16mmまで拡張し、被支持部材1の載置後は弾性作用で載置溝22の左右方向の幅を元の13mmに戻すこととしてもよい。なお、調整突起24は、右側の載置溝22が備えるものに限られず、左側の載置溝22が備えてもよいし、左右両方の載置溝22が備えてもよい。
【0052】
(第2の実施の形態の作用効果)
第2の実施の形態に係るスタンド7は、第1の実施の形態に係るスタンド7の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
このスタンド7は、載置溝22が調整突起24を備え、この調整突起24を折り曲げたり切断したりすることにより、載置溝22の左右方向の幅を被支持部材1毎に調整することができる。そのため、第2の実施の形態によれば、1つのスタンド7で多様な大きさの被支持部材1に対応することができる。
【0053】
このとき、被支持部材1の厚みに対して、左側の載置溝22では少しゆとりが存在することとなるが、右側の載置溝22に形成された調整突起24により被支持部材1を支持しているため、被支持部材1が載置溝22から落下することはない。
【0054】
なお、第1及び第2の実施の形態に係る載置部20の形状は、上述したものには限られない。
たとえば、
図4に示すように、載置溝22を下段と上段との2段構成としてもよい。この場合、載置溝22の下段の幅は10mmで形成され、載置溝22の上段の幅は6mmで形成されている。そのため、1つのスタンド7で、10mmから16mmの間の被支持部材1に対応できる。
【0055】
また、
図5に示すように、載置溝22は、
図5を正面視した場合において、上方へ向けてなだらかな凹形状となるように形成してもよい。すなわち、載置部20は、下辺部26の左右2箇所に形成された載置溝22としての凹部22aと、下辺部26の中央に形成された上方への凸部分としての凸部22bとを備えている。
この場合、被支持部材1は、底面部5が2箇所の凹部22aに載置されたとき、θ2により後方に傾いて、被支持部材1の背面部3が側辺部28と当接する。そして、背面部3が側辺部28と当接し、底面部5は側辺部28と凸部22bとの間に挟まれて、被支持部材1がスタンド7に支持される。
【0056】
この載置溝22は、そのなだらかな凹形状の曲線部分に被支持部材1が載置可能なため、この曲線部分の幅の範囲内で様々な厚みの被支持部材1を載置することができる。そして、この載置溝22に載置された被支持部材1は、上述のように、その底面部5が側辺部28と凸部22bとの間に挟まれることでスタンド7に支持される。したがって、この載置溝22を有するスタンド7によれば、1つのスタンド7で、様々な厚みの被支持部材1に対応できる。
【0057】
また、
図6に示すように、載置溝22は、下辺部26の両端付近に形成された2箇所の端溝22cと、下辺部26の中央付近に形成された2箇所の中央溝22dとの合計4箇所の溝を備えてもよい。この場合、2箇所の溝の間の距離が短い2箇所の中央溝22dの間には、たとえば、被支持部材をスマートフォンとした場合、スマートフォンを縦置きで載置することができる。一方、2箇所の中央溝22dの間よりも距離が長い2箇所の端溝22cの間には、被支持部材をスマートフォンとした場合、スマートフォンを横置きで載置することができる。
なお、
図6に示す載置溝22の数は、4箇所に限らず5箇所以上として、被支持部材1を載置する載置溝22を使用者に選択させてもよい。
【解決手段】板部材から成る本体部10は、左板12、中央板14、右板16と三分割したときに、中央板14を下方に向けて凹形状となるように切断して形成された載置部と、中央板14の左又は右側に連設する嵌入部と、中央板14の右又は左側に連設する受入部とを備える。嵌入部は、嵌入部の下辺から上方に向けて形成された嵌入溝32を備える。受入部は、受入部の上辺から下方に向けて形成され、嵌入溝32と嵌合可能な受入溝42を備える。本体部10は、嵌入溝32と受入溝42とを嵌合させて、中央板14を左板12及び右板16より前後方向に突出させることで、載置部の下辺に被支持部材1が載置可能となる。