【文献】
井上勝雄,他2名,PowerPointによるインタフェースデザイン開発,株式会社工業調査会/新谷滋記,2009年 7月15日,第1版,p.152-157
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択部は、前記入力受付部が前記ユーザから前記マークに対応する入力としてジェスチャを受け付けたことに応じて、当該マークに対応する前記入力項目の選択状態を変更する
請求項1に記載の情報処理装置。
前記マーク表示部は、階層構造の複数の入力項目において、第1の入力項目に対して前記マークを表示せず、かつ、前記第1の入力項目よりも下層の第2の入力項目に前記マークを表示させる
請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記マーク表示部は、前記コンテンツの表示が変更されたことに伴って画面上に含まれる前記入力項目の表示が変化した場合において、表示の変更の前後で表示される前記入力項目と前記マークとの対応付けを維持する
請求項1から14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、情報処理装置10の全体構成図である。情報処理装置10は、コンテンツの中の入力項目ITに付与したマークMKを表示させて、当該マークMKの入力をユーザから受け付ける。これにより、情報処理装置10は、マークMKに対応する入力項目ITの選択状態をユーザによって容易に変更させることができる。情報処理装置10の一例は、携帯電話、タブレット、及び、スマートフォン等の小型電子機器である。
【0009】
図1に示すように、情報処理装置10は、制御部12と、表示部14と、入力部16と、記憶部18とを備える。
【0010】
制御部12の一例は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置である。制御部12は、コンテンツ処理部20と、検索部22と、マーク表示部24と、入力受付部26と、切替部28と、選択部30とを備える。制御部12は、記憶部18に記憶されたプログラムを読み込むことによって、コンテンツ処理部20、検索部22、マーク表示部24、入力受付部26、切替部28、及び、選択部30として機能する。尚、コンテンツ処理部20、検索部22、マーク表示部24、入力受付部26、切替部28、及び、選択部30の一部または全部を回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0011】
コンテンツ処理部20は、コンテンツを表示部14に表示させる。例えば、コンテンツ処理部20は、インターネット等のネットワークを介して、アンケート等の入力項目を含むホームページ等のデータを取得する。コンテンツ処理部20は、当該ホームページをコンテンツとして表示部14に表示させる。コンテンツの他の例は、電子商取引の注文フォーム、インターネット予約の予約フォーム等を含むユーザの入力を必要とするホームページである。また、コンテンツの他の例は、OS(Operating System)のユーザインターフェースの入力ボタンの描画を設定する設定画面である。コンテンツ処理部20の一例は、ホームページ等を閲覧するためのブラウザである。コンテンツ処理部20は、取得したコンテンツを検索部22へ出力する。
【0012】
検索部22は、表示するコンテンツの中からユーザが選択を入力する入力項目ITを検索する。例えば、検索部22は、コンテンツがHTML等のマークアップ言語等で記述されている場合、HTML等におけるチェックボックスまたはラジオボタン等を検索する。検索部22は、検索した入力項目ITをマーク表示部24へ出力する。入力項目ITの一例は、アンケートにおいてユーザが選択する項目である。
【0013】
マーク表示部24は、検索部22によって検索された入力項目ITのそれぞれに対応付けて、異なるマークMKを表示部14に表示させる。例えば、マーク表示部24は、入力項目ITのそれぞれに対応付けた数字をマークMKとして表示部14に表示させる。マーク表示部24は、マークMKの情報を選択部30へ出力する。
【0014】
入力受付部26は、入力部16を介してユーザからの指示等の入力を受け付ける。入力受付部26は、受け付けた指示等の入力をコンテンツ処理部20、切替部28、及び、選択部30へ出力する。例えば、入力受付部26は、ユーザがマークMKを入力する入力領域を表示部14の画面上に設定する。入力受付部26は、当該入力領域においてユーザからマークMKに対応する入力を受け付ける。入力受付部26は、マークMKに対応する入力としてジェスチャ、より具体的には数字のジェスチャ入力を受け付ける。
【0015】
切替部28は、表示部14に表示させた切替ボタンを介したユーザの指示等に応じて、マークMKを表示してジェスチャ入力を受け付けるアシストモードと、マークMKを非表示としてマークMKの入力を受け付けないノーマルモードとを切り替える。切替部28は、切り替えたモードの情報をコンテンツ処理部20及び選択部30へ出力する。ノーマルモードの一例は、通常のブラウザの機能によってホームページを閲覧するモードである。アシストモードでは、マークMKの入力を受け付けるとともに、通常のブラウザ機能も処理する。
【0016】
選択部30は、入力受付部26がマークMKの入力を受け付けたことに応じて、当該マークMKに対応する入力項目ITの選択状態を変更する。入力項目ITの選択状態は、選択されている状態と、選択されていない状態とを含む。例えば、選択部30は、入力受付部26がユーザからマークMKに対応する入力としてジェスチャを受け付けたことに応じて、当該マークMKに対応する入力項目ITの選択状態を変更する。選択部30は、ユーザからの入力及び選択されている状態の入力項目ITのマークMKを記憶部18に蓄積するとともに、表示部14に表示させる。尚、選択部30は、選択されている状態のマークMKを表示部14に表示させて、当該マークMKに対する取り消しの指示を受けると、当該マークMKを非表示としてもよい。更に、選択部30は、ユーザからの指示を受けて、ユーザのジェスチャ入力によって選択されている状態に変更したマークMKに対応する入力項目ITの選択を有効とする。また、選択部30は、有効とした選択されている状態の入力項目ITをコンテンツ処理部20へ出力する。
【0017】
表示部14は、コンテンツ処理部20、マーク表示部24、入力受付部26、切替部28、及び、選択部30から取得した画像を表示する。表示部14の一例は、液晶表示パネル、及び、有機EL表示パネル等である。
【0018】
入力部16は、ユーザからの入力を受け付ける。入力部16の一例は、タッチパネルである。入力部16は、表示部14の前面、即ち、ユーザ側の面の全面にわたって設けられている。尚、入力部16は、表示部14の前面と異なる位置に設けてもよい。入力部16は、受け付けたユーザからの入力を入力受付部26へ出力する。
【0019】
記憶部18は、蓄積部の一例である。記憶部18は、制御部12によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に用いられるパラメータ等を記憶する。
【0020】
図2は、ノーマルモードにおける表示部14に表示される画像の一例である。コンテンツ処理部20は、ノーマルモードにおいて、複数の入力項目ITを含むコンテンツを表示部14の画面に表示させる。
図2に示すコンテンツは、業種を選択するアンケートである。コンテンツ処理部20は、各入力項目ITの左端に円形状のラジオボタン40を表示する。ラジオボタン40は、入力ボタンの一例である。
図2に示すコンテンツでは、複数の入力項目ITは、「農林水産業・鉱業」、「建設業」及び「商社」等の業種である。ユーザは、
図2に示すコンテンツを参照して、自分の業種と一致する入力項目ITのラジオボタン40にタッチして、当該業種を選択する。
【0021】
また、切替部28は、コンテンツに重ねて切替ボタン42を表示部14に表示させる。切替ボタン42は、入力オブジェクトの一例である。ユーザが、切替ボタン42を短時間で一度だけタッチ(即ち、シングルタップ)すると、切替部28は、ノーマルモードからマークMKの入力を受け付けるアシストモードへと切り替える。
【0022】
図3は、アシストモードにおける表示部14に表示される画像の一例である。アシストモードにおいても、コンテンツ処理部20は、ノーマルモードと同じコンテンツを表示部14の画面に表示させる。マーク表示部24は、アシストモードにおいて、マークMKを表示部14に表示させる。
図3に示す例では、マーク表示部24は、各入力項目ITのラジオボタン40に1から19の連続する数字をマークMKとして上から順に表示させている。選択部30は、表示部14の画面の右下にドットハッチングで示す部分円状の入力領域44を設定及び表示させている。入力受付部26が当該入力領域44内におけるユーザの入力、例えば、ジェスチャ入力を受け付けると、選択部30は、当該入力がマークMKのいずれかに該当するか否かを判定する。選択部30は、当該入力がマークMKに該当すると判定すると、当該マークMKを入力領域44内に表示する。
図3に示す例では、選択部30は、「4」をマークMKとして受け付けて、表示している。
【0023】
図4は、コンテンツとマークMK及び入力領域44との関係を説明する図である。
図4に示すように、入力領域44及びマークMKは、表示部14の表示において、コンテンツよりも上位である。従って、マーク表示部24は、コンテンツの各入力項目ITの左端のラジオボタン40の上に、同じ形状のマークMKを重ねて表示部14に表示させる。また、選択部30は、コンテンツの重複領域の画像の上に重ねて入力領域44を表示部14に表示させる。ここで、選択部30は、入力領域44を透過性の画像によって表示することが好ましい。これにより、選択部30は、入力領域44の下位のコンテンツが見えるように、入力領域44を表示させることができる。
【0024】
また、入力領域44は、入力部16の入力において、コンテンツよりも上位である。従って、入力受付部26は、入力領域44において、入力部16が受け付けたユーザからのジェスチャ入力GS等の入力を選択部30へと出力する。例えば、ユーザが、入力部16の入力領域44において、タッチ点を上下方向にスライド(即ち、スワイプ)させた場合、入力受付部26は、当該入力をコンテンツ処理部20ではなく、選択部30へ出力する。これにより、当該入力によって、コンテンツ処理部20は、コンテンツを上下方向にスクロールさせることなく、選択部30が、当該ジェスチャ入力GSがマークMKのいずれかに該当するか等の判定を実行する。
【0025】
図5は、制御部12によるメインのコンテンツ処理のフローチャートである。ユーザがコンテンツ処理部20として機能するブラウザのアイコンが表示されている領域を一度だけ短時間タッチ(即ち、タップ)すると、制御部12は、記憶部18に記憶されたプログラムを読み込んで実行することによって、コンテンツ処理を開始する。
【0026】
図5に示すように、コンテンツ処理では、コンテンツ処理部20が、ネットワーク等を介して取得したコンテンツを表示部14に表示させる(S10)。次に、検索部22は、コンテンツ内で入力項目ITを検索して、入力項目ITが存在するか否かを判定する(S12)。検索部22は、入力項目ITが存在しないと判定すると(S12:No)、当該判定結果をコンテンツ処理部20へ出力する。コンテンツ処理部20は、ノーマルモードを継続して、コンテンツを通常表示する(S24)。一方、検索部22は、入力項目ITが存在すると判定すると(S12:Yes)、切替部28に当該判定結果を出力する。
【0027】
切替部28は、現在のモードがアシストモードか否かを判定する(S16)。切替部28は、アシストモードと判定すると(S16:Yes)、後述するアシストモード処理を実行して、アシストモードを継続する(S22)。
【0028】
一方、切替部28は、アシストモードでないと判定すると(S16:No)、切替ボタン42を表示させる(S18)。次に、切替部28は、入力部16によるユーザからの指示の入力が入力受付部26を介して入力されると、当該入力が切替ボタン42の領域のタッチか否かを判定する(S20)。切替部28は、切替ボタン42の領域のタッチでないと判定すると(S20:No)、ステップS24の処理を実行する。一方、切替部28は、切替ボタン42の領域のタッチと判定すると(S20:Yes)、アシストモードへと切り替えて、後述するアシストモード処理を実行する(S22)。
【0029】
図6は、制御部12によるステップS22のアシストモード処理のフローチャートである。
図7及び
図8は、アシストモード処理において表示部14に表示される画像の一例である。
【0030】
図6に示すように、アシストモード処理では、検索部22が、表示部14に表示されているコンテンツまたは表示されてようとするコンテンツを解析して、各入力項目ITの表示部14の画面上及び入力部16上での位置の情報をマーク表示部24へ出力する(S30)。マーク表示部24は、検索部22から各入力項目ITに関する情報を取得すると、各入力項目ITにマークMKとして数字を付与して、表示部14に当該マークMKを表示させる(S32)。
【0031】
次に、入力受付部26は、入力領域44を設定する(S34)。ここで、入力受付部26は、切替ボタン42が表示されている領域から予め定められた範囲内に入力領域44を設定することが好ましい。これにより、情報処理装置10は、切替ボタン42を操作した後、ユーザに情報処理装置10の保持位置を変えさせることなく、同じ指で入力領域44に入力させることができる。入力受付部26は、ユーザからの入力を入力部16から受け付けると、入力領域44での入力か否かを判定する(S36)。入力受付部26は、入力領域44内での入力と判定すると(S36:Yes)、当該入力に関する情報を選択部30へ出力する。入力に関する情報とは、入力部16上でユーザがタッチした位置の情報である。尚、ユーザのタッチの位置が移動している場合、入力に関する情報は、当該移動に沿ったタッチの複数の位置の情報及び各位置での時刻の情報を含む。
【0032】
選択部30は、入力受付部26から入力された入力部16でのユーザの入力に関する情報に基づいて、当該入力が移動指示か否かを判定する(S38)。例えば、選択部30は、ユーザによる最初のタッチ位置での滞在時間が予め定められた時間よりも長く(即ち、長押し)、その後、タッチ位置を移動させた場合、ユーザによる入力が移動指示と判定する。選択部30は、移動指示と判定すると(S38:Yes)、タッチ位置の移動距離及び方向に合わせて、入力領域44を表示部14の画面上で移動させる(S40)。例えば、選択部30は、ユーザのタッチ位置が上方向に移動したと判定すると、
図3に示すように右下に表示されている入力領域44を
図7に示すように上方へ移動させる。尚、
図7に示すように、選択部30は、入力領域44の形状を表示位置に応じて適宜変更してよい。例えば、選択部30は、入力受付部26が中心の位置を決定して形状を半円形状とした入力領域44が画面上からはみ出る場合、
図3に示すようにはみ出した部分を欠けさせてもよい。
【0033】
一方、選択部30は、移動指示でないと判定すると(S38:No)、ユーザによる入力がジェスチャ入力GSによって入力された数字が有効とする指示を示す有効指示か否かを判定する(S42)。例えば、選択部30は、ユーザが入力部16をタッチした後、短時間で入力部16から離れたら(即ち、シングルタップ)、有効指示と判定する(S42:Yes)。一方、選択部30は、それ以外の入力を有効指示ではなく、ジェスチャ入力GSによるマークMKの入力と判定して(S42:No)、当該ジェスチャ入力GSの解析・蓄積・表示等のジェスチャ処理を実行する(S44)。ジェスチャ入力GSの解析・蓄積・表示等のジェスチャ処理については後述する。
【0034】
選択部30は、有効指示と判定すると(S42:Yes)、先にジェスチャ入力GSで入力されて蓄積された数字が記憶部18にあるか否かを判定する(S46)。選択部30は、蓄積したマークMKがあると判定すると(S46:Yes)、蓄積された入力の数字が、入力項目ITに付与されたマークMKの数字のいずれかと一致するかを判定する(S48)。選択部30は、入力の数字とマークMKの数字とが一致すると判定すると(S48:Yes)、当該数字に対応する入力項目ITのクリックイベントをブラウザへと出力する(S50)。この後、ステップS36以降を再度実行する。このようにステップS36以降を複数回実行することによって、選択部30は、ユーザから2以上のマークMKに対応する2以上の数字の入力がされたこと応じて、当該2以上のマークMKに対応する2以上の入力項目ITの選択状態を変更する。
【0035】
一方、ステップS48において、選択部30は、記憶部18に蓄積された数字がマークMKの数字と一致しない場合(S48:No)、蓄積されている数字を全て消去する(S52)。尚、選択部30は、入力領域44に蓄積されている数字を表示している場合、当該数字の表示も消去する。この後、ステップS36以降を再度実行する。
【0036】
ステップS46において、選択部30が蓄積した数字なしと判定すると(S46:No)、切替部28はアシストモードを解除して(S54)、ステップS14の処理を実行する。
【0037】
ステップS36において、入力受付部26が受け付けたユーザの入力が入力領域44外の領域での入力と判定すると(S36:No)、選択部30は、記憶部18に蓄積した数字を消去する(S56)。尚、選択部30は、入力領域44に表示されている数字、及び、入力項目ITに表示している数字を消去する。コンテンツ処理部20は、ユーザの入力に従って、通常のブラウザ機能を実行する(S58)。
【0038】
通常のブラウザ機能では、例えば、ユーザが、入力領域44外において、入力部16上でタッチ位置を上方に移動させた場合、コンテンツ処理部20は、コンテンツの画像を表示部14の画面内で上方へと移動させる。その後、ステップS30以降の処理が再度実行される。ここで、ステップS56において、選択部30が入力項目ITの数字を消去しているので、マーク表示部24はステップS30及びS32において、新たな数字をマークMKとして、入力項目ITに付与して表示させる。従って、
図8に示すように、マーク表示部24は、上方へのスクロール前に数字「10」が付与されていた入力項目「運輸業・郵便業」が最上の位置に表示されているので、当該入力項目ITに数字「1」をマークMKとして付与する。
【0039】
また、通常のブラウザ機能の他の例では、ユーザが入力項目ITを直接選択することも含む。この場合、例えば、マーク表示部24が、ユーザからの入力項目ITが入力されるラジオボタン40の表示を維持してもよい。尚、ラジオボタン40の表示は、マークMKの表示と重ねてもよい。これにより、ユーザは入力項目ITのラジオボタン40が表示されている領域をタッチすることで、コンテンツ処理部20は、当該入力項目ITの選択状態を変更する。
【0040】
図9は、制御部12によるステップS44のジェスチャ処理のフローチャートである。
図9に示すように、ジェスチャ処理では、選択部30は、入力領域44内でのユーザのタッチ位置の軌跡をジェスチャ入力GSの軌跡として解析する(S70)。選択部30は、軌跡を解析したジェスチャ入力GSが、予め定められた取り消し指示のジェスチャ入力GSか否かを判定する(S72)。予め定められた取り消し指示のジェスチャ入力GSの一例は、入力部16上におけるタッチ位置を右側から左方へ移動(即ち、フリック)させることである。
【0041】
選択部30は、ユーザの入力が取り消し指示でないと判定すると(S72:No)、解析したジェスチャ入力GSが数字であるか否かを判定する(S74)。選択部30は、解析したジェスチャ入力GSが数字であると判定すると(S74:Yes)、当該数字を記憶部18に蓄積するとともに、入力領域44に表示する(S76)。例えば、
図4に示すように、ユーザのジェスチャ入力GSの軌跡が記憶部18に記憶された数字の「4」の形状と近似している場合、選択部30は当該ジェスチャ入力GSが数字の「4」であると判定して、
図3に示すように入力領域44に数字「4」を表示させる。一方、選択部30は、解析したジェスチャ入力GSが数字でないと判定すると(S74:No)、ステップS76を実行しない。この後、
図6のステップS36以降を実行する。
【0042】
一方、選択部30は、ユーザの入力が取り消し指示と判定すると(S72:Yes)、蓄積した数字が記憶部18にあるか否かを判定する(S78)。選択部30は、蓄積した数字があると判定すると(S78:Yes)、記憶部18に蓄積した数字を少なくとも1つ消去する(S80)。選択部30は、消去した数字を入力領域44に表示させている場合、当該数字も消去する。一方、選択部30は、蓄積した数字がないと判定すると(S78:No)、ステップS80を実行しない。この後、
図6のステップS36以降を実行する。
【0043】
上述したように、情報処理装置10では、検索部22によって検索された入力項目ITに対応付けられた数字をマーク表示部24がマークMKとして表示させている。選択部30は、入力領域44へのユーザのジェスチャ入力GSによってマークMKの入力を受け付けると、当該マークMKが選択されたと判定して選択状態を変更する。これにより、情報処理装置10では、入力項目ITが小さい表示であっても、ユーザはマークMKを入力することで、容易に入力項目ITを選択できる。従って、情報処理装置10では、拡大により入力項目ITの一部が画面外となった状態でユーザが選択することを抑制できる。これにより、情報処理装置10は、ユーザの拡大及び元に戻すための縮小等の作業を省略させることができる。
【0044】
また、検索部22は、マークMKを対応付ける入力項目ITを検索するので、情報処理装置10は、入力項目ITが異なる複数のコンテンツに対応して、上述の効果を実現することができる。更に、製作者はコンテンツを製作する場合において、入力項目IT等のコンテンツの構成の大きさの自由度を向上させることができる。これにより、製作者が大型のパーソナルコンピュータ用のコンテンツを小型のスマートフォンまたはタブレット用に転用した場合でも、ユーザは容易に正確に入力項目ITを選択できる。
【0045】
次に、上述した情報処理装置10の一部を変更した形態について説明する。
【0046】
上述の実施形態では、アシストモードにおいて、入力受付部26が、入力領域44外の領域でユーザの入力を受け付けると、切替部28は、蓄積された数字を消去してアシストモードを継続した。しかしながら、アシストモードにおいて、入力受付部26が、入力領域44外の領域でユーザの入力を受け付けると、切替部28は、マークMKを受け付けるアシストモードを終了してもよい。また、選択部30は、ユーザの入力の少なくとも1つを記憶部18に蓄積して、切替部28がマークMKの受け付けを終了させる場合、記憶部18に蓄積した入力を消去してもよい。
【0047】
上述の実施形態では、選択部30は、複数桁の数字を含む1つの数字を受け付ける例を示したが、マークMKに対応する入力として、複数の数字を含む数字の範囲を受け付けてもよい。例えば、ユーザがジェスチャ入力GSで「2」、「−」及び「6」をこの順で入力領域44に入力した場合、選択部30は、2から6に対応するマークMKを有する入力項目ITの選択状態をまとめて変更する。
【0048】
マーク表示部24は、入力項目ITのうち、一部の入力項目ITにマークMKを表示させて、残りの入力項目ITにはマークMKを非表示とさせてもよい。この場合、選択部30は、マークMKが表示されている入力項目IT及びマークMKが表示されていない入力項目ITのいずれの入力も受け付けてもよい。例えば、マーク表示部24は、表示の大きさが予め定められた大きさTh1以下の入力項目ITにマークMKを表示させてもよい。予め定められた大きさTh1の一例は、上下方向に数mmから数cmである。従って、マーク表示部24は、表示されたいずれかの入力項目ITの上下方向の大きさが大きさTh1以下の入力項目ITにマークMKを付与して表示して、上下方向の大きさが大きさTh1より大きい残りの入力項目ITに対してはマークMKを非表示とする。これにより、ユーザは、小さい入力項目ITに対してはマークMKを入力することで選択でき、大きい入力項目ITに対しては直接タッチすることによって入力できる。この場合、切替部28は、入力項目ITのいずれかの表示の大きさが予め定められた大きさTh1以下の場合に、マークMKの入力の受け付けを自動で開始してもよい。
【0049】
図10は、階層構造における入力項目ITの表示の図である。マーク表示部24は、階層構造の複数の入力項目ITにおいて、第1の入力項目ITに対してマークMKを表示せず、かつ、第1の入力項目ITよりも下層の第2の入力項目ITにマークMKを表示させてもよい。この場合、
図10に示すように、マーク表示部24は、階層構造の複数の入力項目ITにおいて、上位の階層の入力項目「製造業」及び「サービス業」にはマークMKを表示させず、上位の階層の入力項目ITよりも下層の入力項目「食料品」及び「木材・木製品」等にはマークMKを表示させてもよい。これにより、情報処理装置10は、切替ボタン等がユーザにより操作されなくても、自動でアシストモードに切り替えることができる。情報処理装置10は、通常小さく表示される下層の入力項目ITに対してはマークMKを入力することで選択でき、通常大きく表示される上層の入力項目ITに対しては直接タッチすることによってユーザに入力させることができる。
【0050】
マーク表示部24は、入力項目ITの間隔が間隔閾値Th2以下であることを条件として、入力項目ITにマークMKを表示させてもよい。これにより、情報処理装置10は、切替ボタン等がユーザにより操作されなくても、自動でアシストモードに切り替えることができる。情報処理装置10は、入力項目ITの間隔が狭く、入力項目ITが互いに近接している場合でも、ユーザに容易に入力項目ITを選択させることができる。
【0051】
選択部30は、選択されている状態の複数のマークMKを順番に表示するようにしてもよい。例えば、ユーザによって、入力項目ITに対応するマークMKの「1」、「3」及び「8」が選択されている状態の場合、当該「1」、「3」及び「8」を入力領域44に表示してもよい。
【0052】
図11は、マーク表示部24によるマークMKの付与を変更した形態の図である。マーク表示部24は、コンテンツの表示が変更されたことに伴って画面上に含まれる入力項目ITの表示が変化した場合において、表示の変更の前後で表示される入力項目ITとマークMKとの対応付けを維持してもよい。例えば、
図3から上方へコンテンツの画像をスクロールさせた
図11に示す例では、マーク表示部24は、入力項目「運輸業・郵便業」から「その他のサービス業」については、元のマークMKである10から19を維持する。尚、マーク表示部24は、新たに表示された入力項目「政府・官公庁・団体」については新たな数字「20」をマークMKとして付与及び表示する。
【0053】
図12は、マーク表示部24によるマークMKの付与を変更した形態の図である。マーク表示部24は、コンテンツ中の少なくとも1つの入力項目IT中の文字をマークMKとして生成して、表示中における当該文字を当該入力項目ITにおける他の文字と異なる表示とする。例えば、
図12に示す例では、マーク表示部24は、各入力項目IT中の最初の文字をマークMKとして生成している。マーク表示部24は、当該最初の文字を他の文字とは異なる表示として、四角で囲っている。尚、他の異なる表示として、文字の周りを蛍光色で塗布する、文字色を変える、文字に下線を引く等を上げることができる。
【0054】
上述の実施形態では、入力受付部26が、部分円状の入力領域44を設定する例を示したが、入力受付部26はユーザの指示または表示位置等によって入力領域44の形状を適宜変更してよい。また、入力受付部26は、入力領域44の広さ、透過度、初期位置等をユーザの指示等によって適宜変更してよい。
【0055】
上述の実施形態では、マーク表示部24が、ラジオボタン40と同じ円形状のマークMKを表示する例を示したが、ラジオボタン40の形状に合わせて、または、ユーザの指示等によって、マーク表示部24はマークMKの形状は適宜変更してよい。
【0056】
上述の実施形態では、切替部28が切替ボタン42の位置を固定する例を示したが、切替部28がユーザの指示等によって切替ボタン42の位置を移動させるようにしてもよい。例えば、切替部28は、ユーザが切替ボタン42の領域を長押しした後、当該タッチ位置を移動させた場合(即ち、タッチ・アンド・ドラッグ)、当該移動に合わせて切替ボタン42を移動させてもよい。
【0057】
上述の実施形態では、選択部30は、ジェスチャ入力GSの形状が数字の形状と近似している場合、当該ジェスチャ入力GSを当該数字として受け付ける例を示したが、これに限られない。例えば、選択部30は、予め数字と関連付けられたジェスチャ入力GSによって、どの数字が入力されたか判定してもよい。具体的には、選択部30は、横の直線に沿ったジェスチャ入力GSを数字の「1」と判定して、縦の直線に沿ったジェスチャ入力GSを数字の「2」と判定して、円に沿ったジェスチャ入力GSを数字の「3」と判定する。これにより、選択部30は、形状の似ている数字「5」と「6」等の判定の精度を向上させることができる。
【0058】
入力受付部26は、コンテンツの表示領域全体をユーザがマークMKを入力する入力領域44として設定してもよい。
【0059】
切替部28は、アシストモードにおいて、アシストモードを終了させる切替ボタンを表示部14に表示させてもよい。
【0060】
選択部30は、既に選択されている状態の入力項目ITに対応する入力が更にあると、当該入力項目ITの選択状態を選択されていない状態の非選択に変更してもよい。
【0061】
上述の実施形態では、コンテンツの一例としてホームページを上げたが、選択可能な入力項目ITを含む他のコンテンツに情報処理装置10を適用してもよい。
【0062】
図13は、本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、情報処理装置10の一例である。コンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示部2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、及び、ハードディスクドライブ2040を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、メモリドライブ2050及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
【0063】
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示部2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0064】
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用する表示プログラム等のプログラム及びデータを格納する。
【0065】
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、メモリドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。メモリドライブ2050は、メモリカード2090から例えば表示プログラム等のプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、メモリドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
【0066】
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、メモリカード2090、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。表示プログラム等のプログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
【0067】
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を情報処理装置10として機能させるプログラムは、コンテンツモジュール、検索モジュール、マーク表示モジュール、入力受付モジュール、切替モジュール、及び、選択モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、コンテンツモジュール、検索モジュール、マーク表示モジュール、入力受付モジュール、切替モジュール、及び、選択モジュールとしてそれぞれ機能させる。
【0068】
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段であるコンテンツモジュール、検索モジュール、マーク表示モジュール、入力受付モジュール、切替モジュール、及び、選択モジュールとして機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の情報処理装置10が構築される。
【0069】
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、又はメモリカード2090等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
【0070】
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、メモリドライブ2050(メモリカード2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
【0071】
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。
【0072】
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、メモリカード2090の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0074】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。