(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記太陽光発電装置が前記太陽光発電装置の前記最大許容出力限界を超える前記太陽光発電装置出力を生成していることを検出する段階が、前記太陽光発電装置の動作の第1の状態で実行され、
前記太陽光発電インバータの前記無効電力設定値の限界又は前記太陽光発電インバータの前記力率設定値の限界を前記第1のインバータ設定値限界から前記第2のインバータ設定値限界へと下げる段階が、前記太陽光発電装置の動作の第2の状態で実行される、請求項1または2に記載の方法。
前記太陽光発電装置出力が前記太陽光発電装置の前記最大許容出力限界を超えていないことを検出すると、前記太陽光発電装置の動作の前記第1の状態に戻る段階を更に備える、請求項3に記載の方法。
前記太陽光発電装置が前記太陽光発電装置の前記最大許容出力限界を超える前記太陽光発電装置出力を生成していることを検出する段階が、前記太陽光発電装置の動作の第1の状態で実行され、前記POIにおいて前記太陽光発電装置出力を検出するメーターとの通信が失われると、前記太陽光発電装置の動作が第3の状態になる、請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示では、本発明の実施形態を十分に理解するために、装置、部品及び方法の例など、多数の具体的な詳細を提供している。しかしながら、当業者であれば、本発明はこれらの具体的な詳細のうちの1つ以上を欠いても実施できることは理解されよう。他の例では、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるため、周知の詳細については図示又は説明をしていない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による太陽光発電装置200の構成要素を概略的に示す。
図1の例に示される太陽光発電装置200の構成要素は、複数のコンバイナボックス112と、複数の太陽電池パネル114と、太陽光発電インバータ110と、を含む。太陽光発電装置は、複数の太陽光発電インバータを含んでもよいが、図示の明瞭化のために、
図1には1つのみが示される。太陽電池パネル114は、同一のフレーム上に搭載され、電気的に接続された太陽電池を備える。一実施形態では、それぞれの太陽電池パネル114は、複数の直列に接続された裏面コンタクト型太陽電池115を備える。前面コンタクト型太陽電池も採用できる。図を分かりやすくするために、
図1においては一部の裏面コンタクト太陽電池115のみに記号を付している。
【0013】
太陽光発電ストリングは、
図1のように、複数の直列に接続された太陽電池パネル114を備える。一群の太陽電池パネル114が、コンバイナボックス112に電気的に接続され、ここで太陽電池パネル114は直列に接続される。コンバイナボックス112は、太陽光発電ストリング内のすべての太陽電池パネル114が直列に接続されるように電気的に接続される。太陽光発電ストリングの出力は、太陽電池115により生成された直流(DC)を、例えば、商用電力グリッドへの送達に適した交流(AC)に変換するインバータ110に電気的に接続される。
【0014】
図2は、本発明の実施形態による太陽光発電装置200の更なる構成要素を概略的に示す。
図2は、
図1と関連して記述されるインバータ110を示す。太陽電池パネル114は、図示の明瞭化のために
図2には示されない。
図2の例では、太陽光発電装置200の構成要素は、太陽光発電サブステーション210及びインバータパッド220内に設置される。
【0015】
インバータパッド220は、インバータが設置される一般的な領域である。インバータパッド220は、典型的にはサブステーション210から離れて、電力グリッドとの接続点(POI)204から遠くに設置される。通信モジュール201は、インバータ110とサブステーション210内に設置された構成要素との間のデータ通信を可能にする。インバータパッド220は、インバータ110の動作を支援するための、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器、及び他の構成要素などの、
図2には具体的には示されない追加的な構成要素も含んでもよい。
【0016】
一実施形態では、太陽光発電装置200の動作は、中央制御コンピュータとして機能するプラントコントローラ202により、監視制御データ収集システム(SCADA)を使用して制御される。一実施形態では、インバータ110、プラントコントローラ202、及びサブステーションコンピュータ203は、Modbus TCP/IP通信プロトコルによって通信する。この実施形態では、通信モジュール201は、太陽光発電装置200の構成要素の間にデータ通信リンクを提供するイーサネット(登録商標)スイッチを備える。監視及び制御は、信号に対して個別の配線を提供することによるなどの、アナログ信号方式により実行されてもよい。
【0017】
図2の例では、インバータパッド220内の昇圧変圧器が、インバータ110のAC電圧出力を、サブステーション210への配電のためのより高い電圧に昇圧する。また、
図2の例では、サブステーション210内の発電機昇圧(GSU)変圧器は、インバータパッド220から受電したAC電圧を、電力グリッド(図示せず)への配電のためにPOI 204に結合される前に更に昇圧する。サブステーションコンピュータ203は、サブステーション210の制御及び監視を可能にする。サブステーションコンピュータ203は、保護回路を制御し、かつPOI 204においてメーター205により電圧を読み取ることができる。メーター205は、従来の電気メーター、又は他のセンサ素子、例えば、RMSトランスミッターを備えてもよい。
【0018】
サブステーション210内のプラントコントローラ202は、POI 204(又はその付近)における電圧、力率、実質電力、又は無効電力の制御を容易にする特殊目的のコンピュータ又は汎用コンピュータを備えてもよい。
図2の例では、プラントコントローラ202は、太陽光発電装置200の無効電力、力率、及び/又はインパータの端子電圧を動的に制限するため、並びに自動電圧調整のソフト開始及びソフト停止をもたらすためのステートマシン400を備える。
【0019】
一実施形態では、プラントコントローラ202は、POIメーター205を読み取って、第1の動作状態においてPOI 204における太陽光発電装置200の出力(例えば、無効電力、力率)を検出し、太陽光発電装置200の出力が最大許容出力(例えば、最大無効電力又は力率)を超えると、太陽光発電インバータ110の可変設定値限界(例えば、インバータの無効電力設定値又は力率設定値)を第1のインバータ設定値限界から第2のインバータ設定値限界へと動的に調整するように構成される。
【0020】
一実施形態では、プラントコントローラ202は、POIメーター205を読み取って、POI 204における太陽光発電装置200の実質電力出力を検出し、太陽光発電装置204の実質電力出力を実質電力の最小生成レベルと比較し、太陽光発電装置200の実質電力出力が実質電力の最小生成レベルを下回っていることを検出したら、太陽光発電インバータ110の無効電力設定値を力率1(すなわち、1.0 PF又はゼロ無効電力)に一定の比率で下げるように構成されている。プラントコントローラ202は、太陽光発電装置200の実質電力出力が実質電力の最小生成レベルよりも高いイネーブル実質電力生成レベルを上回っていることが検出されると、太陽光発電インバータ110の無効電力設定値を上げて、太陽光発電装置200の無効電力出力を増加させるように更に構成されてもよい。
【0021】
接続点における電圧は、自動電圧調整(AVR)により制御することができる。一般的に言えば、AVRは、グリッドへの配電、送電、又は他の電気的接続の接続点における電圧を制御するために、インバータの無効電力設定値及び/又は力率設定値を操作することにより、太陽光発電装置から送出され/太陽光発電装置へ送入される無効電力の操作に関する。AVRはまた、静的VAR補償器及び容量性バンクなどの無効電力源を有する太陽光発電装置の動作を調整するために採用できる。
【0022】
図3は、本発明の実施形態による太陽光発電装置200の更なる詳細を概略的に示す。
【0023】
図3の例では、機能ブロック301〜313は、プラントコントローラ202により実行される。明らかなように、これらの機能はソフトウェア、ハードウエア、又はハードウエア/ソフトウェアの組み合わせで実施することができる。例えば、プラントコントローラ202は、アナログ入力の直接測定及び制御、データ通信(例えば、イーサネット(登録商標)ネットワークアダプタ)、データ収集(例えば、信号を受信すること)及び制御(例えば、制御信号を送信すること)、並びに関連するドライバソフトウェアに対してインターフェースで接続するハードウエア付きのコンピュータを備えてもよい。プラントコントローラ202は、その機能を実行するために、アプリケーションソフトウェアと組み合わせて、専用のプロセッサ又はコプロセッサを利用してもよい。プラントコントローラ202はまた、静的なVAR補償器及び容量性のバンクなどの無効電力源と太陽光発電装置200の動作を、調整させるために、他のコントローラとマスタースレーブ構成で使用されてもよい。
【0024】
図3の例では、グローバルインバータ無効電力設定値信号は、機能ブロック302〜306で処理される。機能ブロック306からは、個別インバータ無効電力設定値信号が各インバータ110に送信される。インバータ110は、受信したインバータ無効電力設定値に基づいて無効電力を送出する/吸収する。
【0025】
図3を参照すると、プラントコントローラ202は、POI 204における電圧を設定するための設定値電圧として採用される基準電圧V
REFを受電する。加算器301は、基準電圧V
REFにより示されるPOI 204における所望の電圧と、メーター205により測定されるPOI 204における電圧(V
METER)との差に基づいて、誤差信号V
ERRを生成する。
【0026】
一実施形態では、基準電圧V
REF及びメーター電圧の読み取り値V
METERは、プラントコントローラ202でデジタル信号として処理される。これらの電圧は、アナログデジタル変換器(ADC)を使用してデジタルに変換され、次いで、データ通信ネットワークを通じてプラントコントローラ202に提供され得る。特定の例として、基準電圧V
REF及びメーター電圧の読み取り値V
METERは、ModbusTCPレジスタによりプラントコントローラ202に提供されてもよい。プラントコントローラ202により受信されたコマンド及び入力(基準電圧V
REF及びメーター電圧の読み取り値V
METERを含む)について境界検査が行われ得る。
【0027】
基準電圧V
REF、メーター電圧の読み取り値V
METER、及び太陽光発電装置の他の電圧/電流は、太陽光発電装置200の他のものに適切に変換にした状態の他の種類の信号により示されてもよい。例えば、電圧信号は、電流信号により示されてもよく、また逆でもよい。別の例として、太陽光発電装置の電圧及び電流は、RMS(実効値)で示されてもよい。
【0028】
不感帯機能(ブロック302)のアンロードは、用途により有効とされても、されなくてもよい。不感帯機能302のアンロードは、インバータ110への制御信号を調整せずに、誤差電圧VERRの変動をある範囲内で許容する。より具体的には、不感帯機能302のアンロードは、グリッド電圧(すなわち、POI 204における電圧)が境界(典型的には公称値の±1%)内にある場合に、補償器303への入力が上下に変化するのを可能にし、インバータ110が力率1を送出できる設定にインバータ110を保持する。換言すれば、グリッド電圧が、例えば、±1%以内の場合、補償器303への入力は、実際にはグリッド電圧のみである。グリッド電圧が不感帯限界以内である場合、これは、インバータ110の力率を1に近づけさせる。
【0029】
一実施形態では、補償器303は、比例−積分(PI)制御スキームを使用して、誤差電圧V
ERRからグローバルインバータ無効電力設定値信号を生成する。使用できる他の制御スキームとしては、比例、積分、微分、比例−積分、積分−微分、比例−微分、及び比例−積分−微分が挙げられる。つまり、インバータ無効電力設定値が、誤差信号V
ERR及びPI補償器303の比例ゲイン(Kp)及び積分ゲイン(Ki)に基づいて上下バイアスをかける。補償器303は、インクリメンタルであってもよい。補償器303は、積分飽和現象保護及び飽和限界を有してもよい。補償器303は、グリッド外乱が発生したときにトリガされるステートマシンロジックによってイネーブルされても、ディセーブルされてもよい。
【0030】
無効電力限界選択機能304は、インバータ電圧リミッタサブループ330、力率リミッタサブループ331、及び無効電力リミッタサブループ332からの入力に基づいて、補償器303のインバータ無効電力設定値信号の出力を増減するように構成されている。無効電力限界選択機能304は、インバータ110が電圧限界(V
INV限界)、力率限界(PF限界)、及び無効電力限界(Q限界)を超える出力を生成しないようにインバータ無効電力設定値信号を調整する。
【0031】
インバータ電圧リミッタサブループ330は、インバータ110の端子における電圧出力に基づいてインバータ無効電力設定値を制限するように構成されている。一実施形態では、太陽光発電装置200内のすべてのインバータ110の端子電圧が合算されて平均化され、すべてのインバータ110の端子電圧を示す単一のインバータ端子電圧が生成される。別の実施形態では、すべてのインバータ110の中で最も高いインバータ端子電圧が使用されて、すべてのインバータ110の端子電圧を示す。インバータ端子電圧(インバータ110の端子電圧の平均値、最高値、又はその他を示す値)は、電圧フィルタ341によってフィルタ処理され、加算器309によってインバータ基準電圧限界V
INV限界と比較される。加算器309の出力は、無効電力限界選択機能304に出力を提供する補償器308への入力である。力率サブループ及び無効電力サブループとは異なり、インバータ電圧リミッタサブループ330は、(メーター205からではなく)インバータ110からその測定値を直接取得する。POI 204における電圧は、プラントのAC収集システムを通して流れる実質電力のインピーダンスの変化に起因して、インバータ端子における電圧とは必ずしも同一ではないので、インバータ電圧リミッタサブループ330は、自身の補償器308を有する。補償器308は、PI又は他の制御スキームを採用してもよい。
【0032】
力率リミッタサブループ331は、POI 204においてメーター205により測定された力率が、太陽光発電装置200の力率限界値(PF限界)に近い、力率限界値である、又は力率限界値を超える場合に、インバータ無効電力設定値を制限するように構成されている。メーター205からの力率の読み取り値が、力率フィルタ342によりフィルタ処理され、加算器313によって力率限界と比較される。メーター205からの力率の読み取り値と力率限界との差が、無効電力限界選択機能304に出力を提供する補償器310への入力である。POI 204における力率は、プラントのAC収集システムを通して流れる実質電力のインピーダンスの変化に起因して、インバータ端子における力率とは必ずしも同一ではないので、力率リミッタサブループ331は、自身の補償器310を有する。補償器310は、PI又は他の制御スキームを採用してもよい。
【0033】
無効電力リミッタサブループ332は、POI 204においてメーター205により測定された無効電力が、太陽光発電装置200の無効電力限界値(Q限界)に近い、無効電力限界値である、又は無効電力限界値を超える場合に、インバータ無効電力設定値を制限するように構成されている。メーター205からの無効電力の読み取り値は、無効電力フィルタ343によりフィルタ処理され、加算器312によって無効電力限界と比較される。メーター205からの無効電力の読み取り値と無効電力限界との差が、無効電力限界選択機能304に出力を提供する補償器311への入力である。POI 204における無効電力係数は、プラントのAC収集システムを通して流れる実質電力のインピーダンスの変化に起因して、インバータ端子における無効電力と必ずしも同一ではないので、無効電力サブループ332は、自身の補償器311を有する。補償器311は、PI又は他の制御スキームを採用してもよい。
【0034】
無効電力変化率制限機能305は、インバータ無効電力設定値信号の変化率を制限する。これは、インバータ無効電力設定値の急速かつ急激な変化に対して保護を提供する。
【0035】
インバータ使用可能機能306は、ハートビート信号340を定期的に受信してインバータの供給支障を検出する。
図3には、図示の明瞭化のために、1つのインバータ110からの1つのハートビート信号340のみが示されている。実際には、別個のハートビート信号340が各インバータ110から受信されてもよい。インバータ使用可能機能306は、使用可能な各インバータ110について、対応するインバータ無効電力設定値信号を個別の無効電力変化率制限機能307に出力する。
【0036】
個別の無効電力変化率制限機能307は、対応するインバータ110に提供される個別のインバータ無効電力設定値信号のそれぞれに適用される。一実施形態では、インバータ無効電力設定値信号(Inv Q SP)は、ModbusTCPレジスタにより対応するインバータ110に提供される。インバータ無効電力設定値信号は、レジスタから読み取られ、アナログ電圧信号に変換され、これは次いで、インバータ110が設置されているインバータパッド220においてインバータ110の端子に提示される。
【0037】
また、個別の無効電力変化率制限機能307は、インバータの供給支障に応じてインバータ無効電力設定値を上下させるように構成されている。例えば、インバータ110がオフラインの場合(例えば、ハートビートが不明の場合)、機能307は、このインバータ110のインバータ無効電力設定値を力率1又はゼロ無効電力に設定してもよい。このインバータ110がオンラインに戻ると、機能307は、このインバータ110のインバータ無効電力設定値をAVRによって決定されたグローバル無効電力設定値に戻してもよい。
【0038】
図4は、本発明の実施形態による太陽光発電装置の自動電圧調整のためのステートマシン400の状態図を示す。プラントコントローラ202(
図2を参照)は、ステートマシン400によって命令される動作を実行してもよい。
【0039】
ステートマシン400では、状態423、424、425、426、427、及び429は、AVRはオンだが、太陽光発電装置200が無効電力、力率、電圧、又は最小実質電力生成の限界に達したため、電圧制御が失われている状態を示す。状態470及び480は、太陽光発電装置200の無効電力設定値(すなわち、発電装置全体の無効電力設定値)及びインバータ110の無効電力設定値が手動で設定されており、閉ループ制御は存在せず、AVRがオフである状態を示す。状態421、422、及び430は、瞬間的(状態421及び430の場合)又は継続的(状態422の場合)な異常状態が検出され、グローバルインバータ無効電力設定値の最終値が維持されている状態を示す。
【0040】
ステートマシン400は、ステートマシン400の初期化時のデフォルト状態である初期状態410から開始される。ステートマシン400は、初期状態410から実行状態429に移行する。状態429では、太陽光発電装置200の比例−積分−微分(PID)スキーム又は他の制御スキームがスキャンサイクルを実行して初期化する。一実施形態では、状態420、423、426、427、及び425において、PID制御スキームが使用される。入力パラメータは、状態429でもチェックされて、AVRを有効化できることを確認する。
【0041】
ステートマシン400は、状態429からAVR状態420に移行し、この状態において、閉ループ制御が有効になり、正常に機能し、グリッド電圧は設定値不感帯内である。より詳細には、状態420において、AVRは有効であり、閉ループ制御で実行する。状態420では、AVR制御スキームは発電装置及びインバータ無効電力設定値を制御して、POI 204における電圧を制御する。設定値不感帯は、例えば、インバータ110が無効電力の提供を命じられる前に、POI 204において測定されるグリッド電圧を+/−1%変化させることができてもよい。ステートマシン400は、太陽光発電装置200の状態に応じて、状態420から他の状態に移行してもよい。
【0042】
ステートマシン400は、AVR状態420から手動インバータ設定値状態470に移行し、AVRがオフになり、有効ではないと、手動プラント設定値状態480に移行する。その代わりに、インバータ110(状態470)及び太陽光発電装置200(状態480)は、特定の無効電力設定値(kVAR単位で特定の無効電力を示してもよい)を命じられる。一実施形態では、切り換えモード、すなわち、AVR制御(状態420)から無効電力設定値の手動制御(状態470及び480)に移行している場合、バンプレス移行が使用される。AVRモードに戻るには、ステートマシン400は、状態470及び480から実行状態429に移行し、次にAVR状態420に移行する。
【0043】
ステートマシン400は、POIメーター(この例では、メーター205)との通信が瞬間的に失われると、AVR状態420からフェイルセーフ状態421に移行する。状態421では、AVRルーチンがグローバルインバータ無効電力設定値をその最後の位置(すなわち、最終値)に維持する。ステートマシン400は、POIメーターとの通信の問題が解消されると、状態420に自動的に戻ってAVRを再開する。
【0044】
ステートマシン400は、瞬間的なPOIメーター読み取り値エラーが発生すると、AVR状態420からフェイルセーフ状態430に移行する。例えば、状態420から状態430への移行は、メーター205が、ほんの一瞬の間、許容範囲外の読み取り値を示す場合など、メーター205が、疑わしい実質電力、無効電力、力率、又は電流の読み取り値を示す場合に発生し得る。状態430では、自動電圧調整ルーチンによって、インバータ無効電力設定値が最終位置に保持される。ステートマシン400は、メーター205の読み取り値の問題が解消されると、自動的に状態420に戻ってAVRを再開する。
【0045】
ステートマシン400は、継続的なPOIメーター読み取り値エラー又は継続的なPOIメーターの通信障害など継続的なPOIメーター関連問題のエラーが発生すると、AVR状態420からフェイルセーフ状態422へと移行する。例えば、状態420から状態422への移行は、メーター205が、許容範囲外の読み取り値を示す場合など、メーター205が、継続的に疑わしい実質電力、無効電力、力率、又は電流の読み取り値を示す場合に発生し得る。別の例としては、ステートマシン400は、メーター205との通信が所定の時間よりも長い間確立できない場合、状態420から状態422へと移行してもよい。状態422は、瞬間的又は一時的ではなく、継続的なPOIメーター関連問題が存在する状態のために用意されているため、AVRルーチンは、グローバルインバータ無効電力設定値を力率1に調整するように構成されている。ステートマシン400は、POIメーターの問題が解消されると、自動的に状態420に戻って自動電圧調整を再開する。
【0046】
ステートマシン400は、POIメーターによって測定された、すなわち、POI 204において測定された太陽光発電装置200の力率が、最大許容力率PFmaxを超えると、AVR状態420からAVR力率限界状態426に移行する。状態426は、発電装置200の力率を最大許容力率PFmaxよりも小さい値に下げる。太陽光発電装置200の力率は、力率リミッタサブループ331(
図3を参照)によって検出され、処理されてもよい。状態426において、インバータ無効電力設定値は、一定に保持されるか、プラント力率値を許容限界内に収めるように変更されてもよい。ステートマシン400は、太陽光発電装置200の力率が許容限界に戻ると、自動的に状態420に戻る。
【0047】
ステートマシン400は、POIメーターで測定された、太陽光発電装置200によって送出された無効電力が最大許容無効電力Qmaxを超えると、AVR状態420からAVR無効電力限界状態423へと移行する。状態423は、プラントの無効電力を最大許容無効電力Qmaxよりも低い値に下げる。太陽光発電装置200によって送出された無効電力は、無効電力リミッタサブループ332(
図3を参照)によって検出され、処理されてもよい。状態423において、インバータ無効電力設定値は、一定に保持されるか、プラントの無効電力値を許容限界内に収めるように変更されてもよい。ステートマシン400は、太陽光発電装置200から送出される無効電力が許容限界に戻ると、自動的に状態420に戻る。
【0048】
ステートマシン400は、インバータ端子電圧(例えば、インバータ110の端子における電圧の平均)が最大許容端子電圧に達すると、AVR状態420からAVRインバータ電圧限界状態427へと移行する。インバータ端子電圧は、電圧リミッタサブループ330(
図3を参照)によって検出され、処理されてもよい。状態427において、インバータ無効電力設定値は、一定に保持されるか、インバータ端子電圧を許容限界内に収めるように変更されてもよい。ステートマシン400は、インバータ端子電圧が許容限界に戻ると、自動的に状態420に戻る。
【0049】
ステートマシン400は、太陽光発電装置200によって生成された実質電力が実質電力の最小生成レベルを下回ると、AVR状態420から実質電力によるAVRカットアウト状態424へと移行する。太陽光発電装置200によって生成された実質電力は、POIメーター(
図2のメーター205を参照)からプラントコントローラ202によって読み取られてもよい。状態424では、インバータ無効電力設定値が1になるように徐々に調整される。ステートマシン400は、実質電力生成レベルが、ヒステリシス用の実質電力生成再開最小レベルよりも高いイネーブルレベルを上回るようになるまで、状態424に留まる。
【0050】
ステートマシン400は、ステートマシン400がこれまで低実質電力生成状態(すなわち、状態424)の状態であり、太陽光発電装置200によって生成された実質電力がイネーブルレベルを上回り、インバータ無効電力設定値がAVR制御にとって適切な値に上がると、AVR状態420からAVR増加状態425へと移行する。ステートマシン400は、太陽光発電装置200によって生成された実質電力が実質電力の最小生成レベルを上回ると、自動的に状態425から状態420へと移行する。
【0051】
図5〜7は、本発明の実施形態による太陽光発電装置の動作を制御する方法の流れ図を示す。
図5〜7の流れ図は、プラントコントローラ202によって実行される、ステートマシン400の動作の詳細を示す。
【0052】
まず
図5では、ステートマシン400は初期状態410で開始される。ステートマシン400がAVRモードへの移行を命じるコマンドを受信すると(ブロック503)、ステートマシン400は実行状態429へと移行する。プラントオペレーターは、AVRをオンにすることを命じるコマンドを発行してもよい。状態429からAVR状態420へと移行する前に、AVRを有効にできることを確認するために一連のチェックが実行される。
【0053】
実行状態429への移行中には、ステートマシン400は、手動インバータ設定値モードでの実行を命じるコマンドの有無を確認する。手動プラント無効電力設定値モードでの実行を命じるコマンドが存在する場合(ブロック504)、ステートマシン400は手動プラント設定値状態480に移行し、自動電圧調整モードへの移行を命じるコマンドを受信する(ブロック506)まで状態480に留まる。同様に、手動インバータ無効電力設定値モードでの実行を命じるコマンドが存在する場合(ブロック505)、ステートマシン400は手動インバータ設定値状態470に移行し、自動電圧調整モードへの移行を命じるコマンドを受信する(ブロック507)まで状態470に留まる。
【0054】
正常に動作していることを確認するために、POIメーターとの通信及びこのメーターの読み取りが確認される(
図5のノード「D」から
図6のノード「D」)。ステートマシン400は、5秒を超える時間の間、読み取り値が不良である場合など、POIメーターの読み取り値(例えば、実質電力、無効電力、力率、及び電流)が継続的に不良である場合(ブロック551)、又はPOIメーターとの通信が失われ、所定の時間内に再確立できない場合にフェイルセーフ状態422になってもよい。ステートマシン400は、読み取り値が5秒未満の間不良である場合など、POIメーターの読み取り値が瞬間的に不良である場合(ブロック552)、フェイルセーフ状態430になる。ステートマシン400は、POIメーターとの通信が瞬間的に失われた場合(ブロック553)、フェイルセーフ状態421になる。ステートマシン400は、これらのPOIメーター関連問題が解消されると(ブロック554、555、及び556)、実行状態429への移行開始時点に戻る(
図6のノード「B」から
図5のノード「B」)。
【0055】
ステートマシン400は、設定値不感帯(ブロック701、
図6のノード「E」から
図7のノード「E」)を含んでもよい。一実施形態では、設定値不感帯では、例えば、インバータ110が無効電力の提供を命じられる前に、POI 204において測定されるグリッド電圧を+/−1%変化させることができる。
【0056】
太陽光発電装置200によって生成された実質電力は、実質電力の最小生成レベルに対して比較される(ブロック702)。太陽光発電装置200によって生成された実質電力が実質電力の最小生成レベルに達すると、ステートマシン400はAVR実質電力生成カットアウト状態424になって、インバータ無効電力設定値を1に下げる。太陽光発電システム200によって生成された実質電力がイネーブルレベルを上回ると(ブロック706)、ステートマシン400はAVR増加状態425になって、インバータ無効電力設定値をAVR制御に適切な値に上げる(ブロック707)。次に、ステートマシン400は実行状態429への移行開始時点に戻る(
図7のノード「A」から
図5のノード「A」)。
【0057】
ステートマシン400は、インバータ110の平均端子電圧が最大許容端子電圧を超えると(ブロック703)、AVRインバータ電圧限界状態427になる。
図7の例では、インバータ110の端子電圧の平均(Vinv_avg)は、最大許容端子電圧Vmaxと比較するためにインバータ端子電圧と見なされる。ステートマシン400は、太陽光発電装置200によって送出された無効電力が最大許容無効電力Qmaxを超えると(ブロック704)、AVR無効電力限界状態423になる。ステートマシン400は、太陽光発電装置200の力率が最大許容力率PFmaxを超えると(ブロック705)、AVR力率限界状態426になる。ステートマシン400は、これらの状態が解消されると、実行状態429への移行開始時点に戻る(ブロック708、709、及び710、
図7のノード「A」から
図5のノード「A」)。
【0058】
上記の一連のチェックによって自動電圧調整モードになることができることが確認されると、ステートマシン400は、実行状態429への移行(
図5を参照)からAVR状態420へと移行する。ステートマシン400は、太陽光発電装置200の以降の状態に応じて、状態420の自動電圧調整モードから他の状態になってもよい。
【0059】
図8は、本発明の実施形態による太陽光発電装置の動作を制御する方法800の流れ図を示す。
図8の例では、方法800は、状態424及び425を含むステートマシン400の動作を含む。方法800では、太陽光発電装置200によって生成された実質電力が、
図8の例における実質電力の最小生成レベルであるトリガーポイントと比較される(ブロック702、
図7も参照)。POIメーターで測定した、太陽光発電装置200によって生成された実質電力が、実質電力の最小生成レベルPminを下回る場合、ステートマシン400は、実質電力によるAVRカットアウト状態424になって、インバータ無効電力設定値を力率1(すなわち、1.0 PF又はゼロkVar)に下げる(ブロック424)。太陽光発電システム200によって生成された実質電力がイネーブルレベルP_resumeを上回ると(ブロック722)、ステートマシン400はAVR増加状態425になって、インバータ無効電力設定値をAVR制御に適切な値に上げる。一実施形態では、状態425下でのインバータ無効電力設定値の増加は、少なくとも8分間行われ(ブロック723)、例えば、AVR状態420になることで太陽光発電装置200をAVRモードにする前に定常状態に達する。増加期間は、発電装置の発電サイズ、無効電力の必要性、又は他の発電装置及び地域の特性に基づいて、特定の太陽光発電装置に合わせて最適化され得る。
【0060】
方法800は、太陽光発電装置に関する問題に対応する。特定の一時的な条件が発生した場合、AVR自体では、POI電圧の厳格な制御を取り戻すことができない場合がある。例えば、インバータがオンラインになる午前中に、電力を送出するのに十分なDC(直流)電圧が存在するためにインバータがスリープモードから起動する場合がある。しかし、インバータがこの条件下で電力をゲート制御し、送出し始めると、インバータは、送出するのに十分な電力が存在しないことを感知することがあり、したがってシャットダウンするであろう。起動及びシャットダウンのサイクルが1つ以上のインバータに対して複数回繰り返される場合があるが、このことはAVRを混乱させるであろう。方法800では、インバータが十分な実質電力(P_resume)を生成できるまでは(方法800ではPOIにおいて(ブロック702及び722を参照)又はインバータ端子において測定する)AVRを実行しないことで、ソフト起動が実行される。インバータが十分な実質電力レベルを上回る実質電力を生成すると、AVRの制御変数であるインバータ無効電力設定値は、AVR制御スキームによって決定された最終値まで直線的かつ円滑に増加してもよい。これにより、太陽光発電装置は、電力グリッド又は発電装置の動作を妨げることの少ない円滑な方法で、朝にオンラインとなる、又は、プラントのシャットダウン状態からオンラインになる。
【0061】
同様に、太陽光発電装置が夕方にシャットダウンされる直前、又は計画的なシャットダウン(例えば、削減コマンド)のためにシャットダウンされる直前に、AVRは、所定の期間(
図8の例では8分、ブロック723を参照)にわたってインバータ無効電力設定値を直線的にゼロ無効電力(0kVar)又は力率1に下げることにより、ソフト停止されてもよい。この期間は、発電装置の発電サイズ、無効電力の必要性、又は他の発電装置及び地域の特性に基づいて、特定の太陽光発電装置に合わせて最適化され得る。太陽光発電装置が、例えば、放射照度による出力変動、インバータのシャットダウン/起動、ブレーカーの遮断などによって過失により繰り返しシャットダウンしたり、起動したりしないように、ソフト起動しきい値とソフト停止しきい値との間に適切な不感帯が設定されてもよい。
【0062】
方法800では、インバータ無効電力設定値がAVRのソフト起動又はソフト停止まで下げられる。他の実施形態では、力率設定値が、AVRをソフト起動するために最終値まで上げられるか、AVRをソフト停止するために力率1又はゼロ無効電力(0kVar)に下げられる。
【0063】
上記のソフト起動法及びソフト停止法は、主要制御ループとしてAVRの観点から説明される。ソフト起動法及びソフト停止法の利益を受け得る他の主要制御ループとしては、力率制御及び無効電力制御が挙げられる。
【0064】
図9は、本発明の実施形態による太陽光発電装置の動作を制御する方法900の流れ図を示す。
図9の例では、方法900は、状態423に関わるステートマシン400の動作を含む。
図9の流れ図では、ステートマシン400は、例えば、POI 204において測定した、太陽光発電装置200によって送出された無効電力が最大許容無効電力Qmaxを超えると(ブロック704、
図7も参照)、AVR無効電力限界状態423になる。さもなければ、ステートマシン400は、AVR状態420のすべての他の条件が満たされたと見なしてAVR状態420になる。サブループ332(
図3を参照)のPI補償器311(ブロック732の「POI Q PI補償器」)は、無効電力限界(ブロック732の「IN:SP=Qlimit」)とPOIメーターの無効電力読み取り値(「IN:PV=POI_Q」)の両方を受信する。PI補償器311の出力Q_Qlimit(ブロック732の「Out:Q_Qlimit=PID_out」)は、無効電力限界選択機能304への入力であり、この機能は、AVRによって設定された設定値Q_AVRとPI補償器311の出力Q_Qlimitのうちの低い方としてインバータ無効電力設定値を出力する(ブロック733)。
【0065】
図10は、本発明の実施形態による太陽光発電装置の動作を制御する方法950の流れ図を示す。
図10の例では、方法950は、状態426に関わるステートマシン400の動作を含む。
図10の流れ図では、ステートマシン400は、太陽光発電装置200の力率が最大許容力率PFmaxを超えると(ブロック705、
図7も参照)、AVR力率限界状態426になる。さもなければ、ステートマシン400は、AVR状態420のすべての他の条件が満たされたと見なしてAVR状態420になる。サブループ331(
図3を参照)のPI補償器310(ブロック742の「POI PF PI補償器」)は、力率限界(「IN:SP=PFlimit」)及びPOIメーターの力率読み取り値(「IN:PV=POI_PF」)の両方を受信する。PI補償器311の出力Q_PFlimit(ブロック742の「Out:Q_PFlimit=PID_out」)は、無効電力限界選択機能304への入力であり、この機能は、AVRによって設定された設定値Q_AVRとPI補償器311の出力Q_PFlimitのうちの低い方としてインバータ無効電力設定値を出力する(ブロック743)。
【0066】
多くの場合、太陽光発電装置は、インバータが送出可能であるか、吸収可能であるすべての無効電力を必ずしも送出するか、吸収する必要はない。場合によっては、太陽光発電装置が、どの程度、太陽光発電装置の無効電力及び/又は力率を送出できなければならない、又は吸収できなければならないかが、契約上の合意で示される。太陽光発電装置がインバータ無効電力の完全な送出/吸収を許可する場合、インバータは、インバータの皮相電力限界のために太陽光発電装置の実質電力の出力を抑制する場合がある。方法900及び950は、発電装置の無効電力(方法900の場合)及び力率(方法950の場合)を動的に制限することにより、太陽光発電装置に伴うこれらの問題に対応する。この制限は、インバータの送電容量を使用するのではなく、接続点(又は他の位置)からの処理値測定を使用する点で動的である。この動的な制限により、太陽光発電施設のAC収集、変圧器、フィルタ、スイッチ素子などの内部で発生する無効電力の送出/吸収における変化を説明できる。
【0067】
例えば、方法900の場合、発電装置によって生成された無効電力が発電装置の最大許容無効電力を超えると、より低い無効電力限界がインバータ無効電力設定値に課せられる。より低い無効電力限界がインバータ無効電力設定値に課せられると、発電装置の無効電力限界が所望の限界に下げられる。発電装置によって生成される無効電力の大きさが発電装置の最大許容無効電力を下回る場合、状態420でAVRモードに戻ることによって、状態423でインバータ無効電力設定値に課せられたより低い無効電力限界が解除される。プラントの無効電力の大きさが状態423におけるより低い無効電力限界に非常に近いか、ほぼ同一の値を有しており、インバータがプラントの無効電力限界付近で動作できる場合、状態423でインバータの無効電力設定値に課せられたより低い無効電力限界を若干上げて、状態423に留まるようにしてもよい。
【0068】
同様に、方法950の場合、プラント力率が最大許容力率を超えると、インバータ力率設定値に限界が課せられる。インバータ力率設定値により低いインバータ力率限界が課せられると、プラント力率が所望の限界まで下げられる。プラント力率の大きさがプラントの最大許容力率を下回る場合、状態420でAVRモードに戻ることによって、状態426でプラント力率設定値に課せられたより低いインバータ力率限界が解除される。プラント力率の大きさが状態426におけるより低いプラント力率限界に非常に近いか、ほぼ同一の値を有しており、インバータがプラント力率限界付近で動作できる場合、状態426でインバータの力率設定値に課せられたより低いプラント力率限界を若干上げて、状態426に留まるようにしてもよい。
【0069】
方法900及び950の動的な制限が、同時に課せられて、制御されてもよい。更に、方法900及び950はAVRの観点から説明されるが、方法900及び950は、自動力率制御、無効電力制御、緊急VARサポート制御、及び他の制御スキームにも適用されてもよい。
【0070】
図11は、本発明の実施形態による太陽光発電装置の動作を制御する方法の流れ図を示す。
図11の流れ図は、状態427に関わるステートマシン400の更なる詳細を示す。
図11の流れ図では、プラントコントローラ202と正常に通信する各インバータ110(ブロック751)は、端子電圧が合算されて平均化されてインバータ端子電圧信号を形成するインバータ110のグループに含まれる(ブロック752)。ステートマシン400は、インバータ110の平均端子電圧が最大許容端子電圧Vmaxを超えると(ブロック703、
図7も参照)、AVRインバータ電圧限界状態427になる。さもなければ、ステートマシン400は、AVR状態420のすべての他の条件が満たされたと見なしてAVR状態420になる。サブループ330(
図3を参照)のPI補償器308(ブロック754の「POI Inv term V PI補償器」)は、インバータの基準電圧限界(「IN:Vinv=Vinv_limit」)及びインバータの平均端子電圧(「IN:PV=Vinv_avg」)の両方を受ける。PI補償器308の出力Q_Vlimit(ブロック754の「Out:Q_Vlimit=PID_out」)は、無効電力限界選択機能304への入力であり、この機能は、AVRによって設定された設定値Q_AVRとPI補償器308の出力Q_Vlimitのうちの低い方としてインバータ無効電力設定値を出力する(ブロック755)。
【0071】
太陽光発電装置のための改善された自動電圧調整方法が開示されてきた。本発明の具体的な実施形態を提供したが、これらの実施形態は説明を目的としたものであり、限定的なものでないことは理解されよう。多くの追加的実施形態が、本開示を読む当業者にとっては明らかとなろう。
(項目1)
太陽光発電装置の動作を制御する方法であって、
複数の太陽電池を使用して直流を生成する段階と、
太陽光発電インバータを使用して、上記複数の太陽電池によって生成された上記直流を交流に変換する段階と、
上記太陽光発電インバータの出力を電力グリッドに結合する段階と、
上記太陽光発電装置が、上記太陽光発電装置の最大許容出力限界を超える太陽光発電装置出力を生成していることを検出する段階と、
上記太陽光発電装置が上記太陽光発電装置の上記最大許容出力限界を超える太陽光発電装置出力を生成していることを検出すると、上記太陽光発電インバータの可変設定値限界を第1のインバータ設定値限界から第2のインバータ設定値限界へと下げる段階と、を備える方法。
(項目2)
上記太陽光発電装置出力が、上記太陽光発電インバータによって送出される又は吸収される無効電力を含み、上記太陽光発電装置の上記最大許容出力限界が、上記太陽光発電装置から送出される最大許容無効電力を含み、上記第1のインバータ設定値限界及び上記第2のインバータ設定値限界が、それぞれ上記太陽光発電インバータの無効電力設定値限界を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記太陽光発電装置が上記太陽光発電装置の上記最大許容出力限界を超える太陽光発電装置出力を生成していることを検出する段階が、上記太陽光発電装置の動作の第1の状態で実行され、
上記太陽光発電インバータの上記可変設定値限界を上記第1のインバータ設定値限界から上記第2のインバータ設定値限界へと下げる段階が、上記太陽光発電装置の動作の第2の状態で実行される、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記太陽光発電装置出力が上記太陽光発電装置の上記最大許容出力限界を超えていないことを検出すると、上記太陽光発電装置の動作の上記第1の状態に戻る段階を更に備える、項目3に記載の方法。
(項目5)
上記太陽光発電装置の動作の上記第1の状態において、上記太陽光発電装置が、自動電圧調整(AVR)によって制御される、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記太陽光発電装置出力が、上記電力グリッドへの接続点(POI)において検出される、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記太陽光発電装置が上記太陽光発電装置の上記最大許容出力限界を超える上記太陽光発電装置出力を生成していることを検出する段階が、上記太陽光発電装置の動作の第1の状態で実行され、上記POIにおいて上記太陽光発電装置出力を検出するメーターとの通信が失われると、動作の第3の状態になる、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記太陽光発電装置出力が上記太陽光発電装置の力率を含み、
上記発電装置の上記最大許容出力限界が上記太陽光発電装置の最大許容力率を含み、
上記第1及び第2のインバータ設定値限界が、それぞれ上記インバータの力率設定値限界を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
複数の太陽電池と、
上記複数の太陽電池により生成された直流を交流に変換する太陽光発電インバータと、
電力グリッドへの接続点において上記太陽光発電インバータの出力を検出するメーターと、
ステートマシンを有し、上記メーターを読み取って、動作の第1の状態において上記接続点における太陽光発電装置の出力を検出し、上記太陽光発電装置の上記出力が最大許容出力を超えると、上記太陽光発電インバータの可変設定値限界を第1のインバータ設定値限界から第2のインバータ設定値限界へと動的に調整するプラントコントローラと、を備える、太陽光発電装置。
(項目10)
上記太陽光発電装置の上記出力が無効電力を含み、
上記可変設定値限界がインバータ無効電力設定値を含む、項目9に記載の太陽光発電装置。
(項目11)
上記太陽光発電装置の上記出力が力率を含み、
上記可変設定値限界がインバータ力率設定値を含む、項目9に記載の太陽光発電装置。
(項目12)
上記メーターからの読み取り値を受信し、処理する補償器を更に備える、項目9に記載の太陽光発電装置。
(項目13)
上記補償器が、比例−積分(PI)補償器を備える、項目12に記載の太陽光発電装置。
(項目14)
動作の上記第1の状態において、上記太陽光発電装置が、自動電圧調整(AVR)を使用して制御される、項目9に記載の太陽光発電装置。
(項目15)
太陽光発電装置の動作を制御する方法であって、
上記太陽光発電装置の実質電力出力が、実質電力最小生成レベルを下回っていることを検出する段階と、
上記太陽光発電装置の上記実質電力出力が、上記実質電力最小生成レベルを下回っていることを検出すると、上記太陽光発電装置の太陽光発電インバータの無効電力設定値を力率1へと下げる段階とを備える方法。
(項目16)
上記太陽光発電インバータの上記無効電力設定値を下げる段階の後で、上記太陽光発電装置の上記実質電力出力が、イネーブル実質電力生成レベルを上回っていることを検出する段階と、
上記太陽光発電装置の上記実質電力出力が、上記イネーブル実質電力生成レベルを上回っていることが検出されると、上記太陽光発電インバータの上記無効電力設定値を上げる段階と、を更に備える項目15に記載の方法。
(項目17)
上記太陽光発電インバータの上記実質電力出力が、電力グリッドへの接続点において測定される、項目16に記載の方法。
(項目18)
複数の太陽電池と、
上記複数の太陽電池により生成された直流を交流に変換する太陽光発電インバータと、
電力グリッドへの接続点において上記太陽光発電インバータの出力を検出するメーターと、
上記メーターを読み取って、上記接続点における太陽光発電装置の実質電力出力を検出し、上記太陽光発電装置の上記実質電力出力と実質電力最小生成レベルとを比較し、上記太陽光発電装置の上記実質電力出力が上記実質電力最小生成レベルを下回っていることを検出すると、上記太陽光発電インバータの無効電力設定値を力率1へと下げるプラントコントローラと、を備える、太陽光発電装置。
(項目19)
上記プラントコントローラが、上記太陽光発電装置の上記実質電力出力が、イネーブル実質電力生成レベルを上回っていることを検出すると、上記太陽光発電インバータの上記無効電力設定値を上げるように更に構成されている、項目18に記載の太陽光発電装置。
(項目20)
上記メーターからの読み取り値を受信し、処理する補償器を更に備える、項目19に記載の太陽光発電装置。
(項目21)
上記補償器が、比例−積分(PI)補償器を含む、項目20に記載の太陽光発電装置。