【実施例】
【0015】
以下に、本発明の1実施形態である折り取りスパウト100の構成について、図面に基づいて説明する。
本発明の1実施形態である折り取りスパウト100は、
図1乃至
図10に示すように、スパウト本体110と、該スパウト本体110を先端側から覆うカバー160とからなり、それぞれ射出成形等により個別に形成されている。
スパウト本体110は、
図1や
図2に示すように、筒部120と、該筒部120の先端から弱化部121を介して一体形成された折取部150と、パウチ等の容器に取り付けられる取付部130と、該取付部130の上部近傍に設けられたフランジ部140とから構成され、スパウト本体110の中心には流路111が設けられ、折取部150により流路111の先端が閉じられている。
【0016】
折取部150は、流路111と直交する方向に延びる一対の操作腕151を有しており、この操作腕151を捩じることで弱化部121が破断して折取部150が筒部120から切り離され、流路111の先端が開放されるように構成されている。
操作腕151には流路111を中心とする円周方向に延びる係合孔152が設けられ、係合孔152の内面の中央には、
図6や
図9に示すように、操作腕151が延びる方向に横断して下方から上方に突出するロック用突起153が設けられている。
【0017】
弱化部121より下方の筒部120の外周面には、後述するカバー160の内周面のカバー係合突起161と係合する筒部係合突起123が複数設けられるとともに、使用時にチューブ等の取付部材等と連結するためのネジ部122と、使用目的に応じてチューブ等の密着・抜け止めのためのリング状の突起が適宜形成されている。
フランジ部140の上面には、後述するカバー160の回転防止脚部164と係合する回転防止突起141が設けられている。
【0018】
カバー160は、
図3乃至
図10に示すように、内周面にカバー係合突起161、接触突起部として機能するリブ162、挿入腕163が形成され、下方の端面には回転防止脚部164が設けられており、スパウト本体110の先端側を覆って固定された状態で、折取部150と接触しない形状に形成されている。
カバー係合突起161は、カバー160がスパウト本体110の先端側を覆う時に、筒部120の筒部係合突起123と係合してカバー160が固定されるように形成されている。
リブ162は、カバー160の内周面のカバー係合突起161より上方に上下方向に延びるように複数設けられ、カバー160がスパウト本体110の先端側を覆って固定された時、該リブ162が筒部係合突起123より上方の筒部120の外周面と接触または近接するように構成されている。
本実施形態では、カバー係合突起161とリブ162とが、円周方向の同一位置の上下に連なるように形成されている。
【0019】
挿入腕163は、
図3や
図10に示すように、カバー160がスパウト本体110の先端側を覆って固定された際の操作腕151の係合孔152の両側にそれぞれ対向する位置に円周方向に延び、流路111を中心として回転させた際に係合孔152に挿入されるように設けられている。
挿入腕163の係合孔152側の先端には、流路111を中心として回転させ係合孔152に挿入時された際に、ロック用突起153を乗り越えて係合する乗越突起165が下方に突出するように設けられている。
【0020】
回転防止脚部164は、カバー160がスパウト本体110の先端側を覆って固定された時、フランジ部140の上面に設けられた回転防止突起141の回転方向両側部に係合(接触あるいは近接)するように設けられている。
本実施形態では、回転防止脚部164の下端が、カバー160がスパウト本体110の先端側を覆って固定された時、フランジ部140の上面に接するよう形成されており、円周方向の180°対向する2箇所に設けられている。
この回転防止脚部164に対して円周方向に90°の方向には、カバー160がスパウト本体110の先端側を覆って固定された時、下端がフランジ部140の上面に接する安定脚166が設けられている。
【0021】
次に、本発明の1実施形態である折り取りスパウト100の動作・作用について説明する。
折り取りスパウト100は、スパウト本体110とカバー160がそれぞれ別個に射出成形等により製造され、スパウト本体110の先端側からカバー160を被せ、カバー160の内周面に形成されたカバー係合突起161が筒部120の筒部係合突起123と係合することで、カバー160がスパウト本体110の先端側を覆って固定することで折り取りスパウト100として組立てられる。
カバー160は、スパウト本体110の先端側を覆って固定された状態で折取部150と接触しない形状に形成されており、この組立動作中に、カバー160の内周面は折取部150と一切接触することはないため、折取部150や弱化部121に一切力が加わらず、弱化部121が損傷することが防止され、密封性が損なわれることはない。
【0022】
また、カバー160がスパウト本体110の先端側を覆って固定された時、リブ162が筒部係合突起123より上方の筒部120の外周面と接触または近接しており、回転防止脚部164および安定脚166がフランジ部140の上面に接しているため、カバー160に意図しない外力が加わっても、カバー160はスパウト本体110に対して固定され、あるいは、ごく僅かしか移動しない。
また、回転防止脚部164がフランジ部140の上面に設けられた回転防止突起141の回転方向両側部に係合しているため、カバー160にねじれ方向の外力が加わった際にも、カバー160はスパウト本体110に対して固定され、あるいは、ごく僅かしかねじれることはない。
このことで、組立後の搬送時や保管時において、外力が加わった場合でも、折取部150や弱化部121がカバー160と接触することはなく、弱化部121が損傷することが防止され、密封性が損なわれることはない。
【0023】
このように組立てられた折り取りスパウト100の使用時には、
図11に示すように、カバー160を回転防止脚部164と回転防止突起141の係合力を超える力で捩じることによって、折取部150の操作腕151も当該捩じられて弱化部121も破断する。
この捩じる動作によって、筒部120の外周面の筒部係合突起123に対してカバー160の内周面のカバー係合突起161が円周方向に移動して両者の係合が解除され、カバー160とスパウト本体110の固定が解除されて容易に上方から取外すことができる。
【0024】
また、この捩じる動作によって、カバー160の挿入腕163が操作腕151の係合孔152に挿入され、乗越突起165がロック用突起153を乗り越えて係合することで、カバー160を取外す動作のみで破断した折取部150を一体に取外すことができるとともに、折取部150がカバー160に固定されて分離することがないため、不要となったカバー160および折取部150の廃棄処理が容易となる。
本実施形態では、挿入腕163が係合孔152の両側に設けられているため、カバー160をいずれの方向に捩じっても良い。
また、折取部150の破断、カバー160と破断した折取部150の除去の一連の作業中に、使用者の手指がスパウト本体110の筒部120に触れることなく、流路111の先端が開放した筒部120を露出させて使用可能な状態とすることができ、衛生的に使用することが可能となる。