(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記擬似CO濃度の入力値が前記CO警報基準値よりも低い所定のCO濃度異常値を超える場合に、前記火災検知閾値を通常値よりも低い値に引き下げることを特徴とする請求項3に記載の火災警報器の展示装置。
前記筐体は、住宅を模した形状であり、前記第一展示領域と前記第二展示領域が同一建物内の別室であることを認識できるように、前記筐体の色及び模様を同一の態様とし、前記筐体の前記第一展示領域及び前記第二展示領域の上側の上面形状が一つの屋根形状に形成されることを特徴とする請求項5に記載の火災警報器の展示装置。
前記筐体は、住宅を模した形状であり、前記第一展示領域及び前記比較対象展示領域が互いに別の建物であることを認識できるように、前記筐体の色又は模様を異ならせ或いは前記筐体の上面形状を前記第一展示領域の上側と前記比較対象展示領域の上側とで分けられた屋根形状に形成されることを特徴とする請求項7に記載の火災警報器の展示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のような火災警報器は、外観を見ただけでは、その優れた性能を理解することは困難である。したがって、その性能を説明するためには、物を燃やすか、又は発炎筒などを用いて煙を発生させ、或いは、水蒸気などを発生させて、火災の際の煙が発生した状態と類似する状態を発生させて、火災警報器を実際に動作させる必要があった。
【0007】
しかし、物を燃やす場合には、危険である上に、換気に配慮する必要もあり、また、発炎筒を用いた場合にも換気が必要となり、煙が実際の火災の発生と誤認される恐れもある。また、例えば水蒸気を用いると、さびの原因や機器の故障につながる恐れがある。しかも、煙や水蒸気を用いて火災警報器を実際に動作させたとしても、それだけで火災警報器の性能を十分に説明することは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、安全、且つ、換気の必要もなく、火災警報器の性能をわかり易く説明することができる火災警報器の展示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の火災警報器の展示装置は、展示用警報器が固定されるとともに、外部から当該展示用警報器を視認可能な開口部を有する展示空間を備える筐体と、前記開口部を覆うとともに、透明状態と白濁状態とに制御可能な前面板と、少なくとも擬似煙濃度の入力を受付可能な操作部と、を備えた火災警報器の展示装置であって、前記操作部が擬似煙濃度の入力を受け付けた場合に、前記前面板を白濁状態に制御するとともに、前記操作部が入力を受け付けた擬似煙濃度が所定の火災検知閾値以上の場合に、火災警報を出力することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の火災警報器の展示装置は、前記前面板は、その白濁度を複数段階に制御可能であるとともに、前記操作部は前記擬似煙濃度を複数段階に入力可能であり、前記操作部が入力を受け付けた前記擬似煙濃度に対応させて、前記前面板の白濁度を制御することを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の火災警報器の展示装置は、前記展示空間を照明する光源を更に有する火災警報器の展示装置であって、前記操作部は、更に、擬似CO濃度の入力を受付可能であり、前記光源は、前記操作部に入力された前記擬似CO濃度に基づいて、その発光色を変化させるものであり、当該操作部に入力された前記擬似CO濃度が、予め定められたCO警報基準値以上の場合に、所定のCO濃度警報を出力することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の火災警報器の展示装置は、前記擬似CO濃度の入力値が前記CO警報基準値よりも低い所定のCO濃度異常値を超える場合に、前記火災検知閾値を通常値よりも低い値に引き下げることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の火災警報器の展示装置は、前記展示空間は、前記展示用警報器が固定される第一展示領域と、当該第一展示領域と間仕切られた第二展示領域とを有しており、前記操作部は、前記第一展示領域の擬似煙濃度と前記第二展示領域の擬似煙濃度との入力をそれぞれ受付可能であり、前記第一展示領域の擬似煙濃度の入力値が前記火災検知閾値以上の場合に火災警報を出力し、前記第二展示領域の擬似煙濃度の入力値が所定の煙濃度異常値を超える場合に、前記火災検知閾値を通常値よりも低い値に引き下げることを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の火災警報器の展示装置は、前記筐体は、住宅を模した形状であり、前記第一展示領域と前記第二展示領域が同一建物内の別室であることを認識できるように、前記筐体の色及び模様を同一の態様とし、前記筐体の前記第一展示領域及び前記第二展示領域の上側の上面形状が一つの屋根形状に形成されることを特徴としている。
【0015】
請求項7に記載の火災警報器の展示装置は、前記展示空間は、前記展示用警報器が固定される第一展示領域と、当該展示用警報器とは異なる比較用警報器が固定される比較対象展示領域とに間仕切られており、前記比較用警報器は、前記展示用警報器とは異なる条件で、火災警報を出力することを特徴としている。
【0016】
請求項8に記載の火災警報器の展示装置は、前記筐体は、住宅を模した形状であり、前記第一展示領域及び前記比較対象展示領域が互いに別の建物であることを認識できるように、前記筐体の色又は模様を異ならせ或いは前記筐体の上面形状を前記第一展示領域の上側と前記比較対象展示領域の上側とで分けられた屋根形状に形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の火災警報器の展示装置によると、操作部が擬似煙濃度を受け付けた場合に、展示空間の開口部を覆う前面板が白濁状態に制御されるので、展示空間に擬似的に煙が充満している状態を示すことができる。そして、擬似煙濃度が所定の火災検知閾値以上の場合に、火災警報を出力するので、煙が充満した状態で火災警報が出力されることを示すことができる。したがって、煙や水蒸気を用いることなく、安全、且つ、換気の必要もなく、火災警報器の性能をわかり易く説明することができる。
【0018】
請求項2に記載の火災警報器の展示装置によると、操作部は擬似煙濃度を複数段階に入力可能であり、前面板はその白濁度を複数段階に制御可能であり、操作部が入力を受け付けた擬似煙濃度に対応させて、前面板の白濁度が制御されるので、火災などの場合に実際に煙濃度が濃くなる様子を擬似的に再現することができ、火災警報器が警報を出力するタイミングなどをよりわかり易く説明することができる。
【0019】
請求項3に記載の火災警報器の展示装置によると、操作部が擬似CO濃度の入力を受付たときに、その擬似CO濃度に基づいて光源の発光色を変化させるので、展示空間にCOが充満する様子をわかり易く説明することができ、展示空間のCO濃度が予め定められたCO警報基準値以上となった場合に、所定のCO濃度警報を出力することをわかり易く説明することができる。ここで、実物のCOは無色透明であるので、本来COが充満したとしても、視認することはできないが、光源の発光色を変化させることで、見た目にわかり易く説明することができる。
【0020】
請求項4に記載の火災警報器の展示装置によると、擬似CO濃度の入力値がCO警報基準値よりも低い所定のCO濃度異常値を超える場合に、前記火災検知閾値を通常値よりも低い値に引き下げるので、展示空間のCO濃度に異常があった場合に、通常よりも低い煙濃度でも火災と判断して火災警報を出力することができ、火災を早期に感知することができることをわかり易く説明することができる。
【0021】
請求項5に記載の火災警報器の展示装置によると、第二展示領域の擬似煙濃度の入力値が所定の煙濃度異常値を超える場合に、火災検知閾値を通常値よりも低い値に引き下げるので、展示空間の第二展示領域の煙濃度に異常があった場合に、第一展示領域では通常よりも低い煙濃度でも火災と判断して火災警報を出力することができ、火災を早期に感知することができることをわかり易く説明することができる。
【0022】
請求項6に記載の火災警報器の展示装置によると、第一展示領域及び第二展示領域を囲う筐体の色及び模様を同一の態様とし、又は、筐体の第一展示領域及び第二展示領域の上側の上面形状が一つの屋根形状に形成されているので、展示空間の第一展示領域及び第二展示領域が同一建物内の別室を模していることを、わかり易く示すことができる。
【0023】
請求項7に記載の火災警報器の展示装置によると、比較対象展示領域には、展示用警報機とは異なる条件で火災警報を出力する比較用警報器が固定されているので、他の火災警報器の性能を比較することで、展示用警報器の性能をわかり易く示すことができる。
【0024】
請求項8に記載の火災警報器の展示装置によると、第一展示領域及び比較対象展示領域を囲う筐体の色又は模様を異ならせ、或いは筐体の上面形状を第一展示領域の上側と比較対象展示領域の上側とで分けられた屋根形状に形成しているので、第一展示領域と比較対象展示領域とが互いに別の建物の一室を模したものであることを、わかり易く示すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る火災警報器の展示装置1の最良の実施形態について、各図を参照しつつ説明する。火災警報器の展示装置1は、視覚的に火災の発生を模した擬似火災状態を見学者に示し、この擬似火災状態における火災警報器の動作を見せることにより、火災警報器の性能を説明するものであり、例えば住宅設備の展示施設などに設置されるものである。本実施形態においては、火災警報器の展示装置1は、通常の火災警報器に比べて早期に火災の発生を検知することができる高性能警報器の性能を説明するものである。本実施形態における高性能警報器は、同一居室におけるCO濃度と煙濃度を複合して火災発生を判断する複合検知、及び第一居室における煙濃度と第二居室における煙濃度とを組み合わせて火災発生を判断する多点検知を行うことにより、従来よりも早期に火災の発生を検知できるように構成したものである。なお、本発明の火災警報器の展示装置1において性能を説明する火災警報器はこれに限定されるものではなく、少なくとも煙を検知して火災の発生を判断する火災警報器の展示装置1であれば、本発明を適用することができる。
【0027】
本実施形態における火災警報器の展示装置1は、
図1及び
図2に示すように、内部に展示空間2を備える筐体3と、展示空間2に設けられる開口部4を覆う透明状態と白濁状態とに制御可能な前面板5と、各種情報の入力を受け付ける操作部6と、擬似火災状態の状況及び火災警報器の状態を見学者に示す表示部7と、各部を制御する主制御部8とを備えている。
【0028】
筐体3は、火災警報器の展示装置1の外形を形作る箱である。筐体3の下部は見学者側に突き出しており、突き出した部分の上面に操作部6が形成されている。筐体3の上下方向の中間部には展示空間2が形成されている。展示空間2は、
図1及び
図4に示すように、3つに間仕切られており、見学者から見て左側が比較対象展示領域23であり、中央が第一展示領域21であり、右側が第二展示領域22である。各展示領域には、内部を見学者が視認できる開口部4が設けられている。第一展示領域21、第二展示領域22、及び比較対象展示領域23の開口部4には、第一前面板51、第二前面板52、及び第三前面板53が覆われている。筐体3の各展示領域の上には表示部7が設けられている。なお、表示部7の詳細は後述する。
【0029】
筐体3は、
図1に示すように、住宅を模した形状であり、第一展示領域21及び第二展示領域22が同一建物内の別室であり、比較対象展示領域23が第一展示領域21及び第二展示領域22とは別の建物であることを認識できる態様に形成されている。具体的には、第一展示領域21及び第二展示領域22の上側に位置する筐体3の上面がひとつの寄棟造の屋根形状に形成されており、比較対象展示領域23の上側に位置する筐体3の上面が別の寄棟造の屋根形状に形成されている。また、第一展示領域21及び第二展示領域22の開口部4が形成されている部分の筐体3の配色及び模様が同一の態様となっており、比較対象展示領域23の開口部4が形成されている部分の筐体3の配色及び模様が、第一展示領域21及び第二展示領域22の開口部4が形成されている部分と異なる態様に形成されている。なお、
図1には図示の都合上、これらの部分の配色及び模様は示されていないが、
図1において比較対象展示領域23の開口部4と第一展示領域21の開口部4との間に示されている太線を境界として、筐体3の外面の配色及び模様を変更している。
【0030】
第一展示領域21は、
図1及び
図4に示すように、筐体3の略中央に設けられる展示領域である。第一展示領域21の奥側(すなわち開口部4に対向する側)の面には、図示しないが住宅の寝室の画像が背景として貼付されている。そして、第一展示領域21の奥側の面の中央には、展示用警報器9が固定されている。展示用警報器9は、実際の高性能警報器と同じ外観形状であるが、主制御部8から受信した信号に基づいて、火災警報及びCO濃度警報を出力するものである。展示用警報器9には火災警報やCO濃度警報を出力する際に点滅する発光部9bやスピーカ9aが設けられており、内部にはこれら発光部9bやスピーカ9aを制御可能な図示しないマイコンが内蔵されている。なお、展示用警報器9は展示に用いるものであるので、実際の高性能警報器と同じ機能を有している必要はなく、例えばスピーカ9aは、火災警報器の展示装置1内の別の位置に設けて見学者が聞き取りやすい位置で火災警報などの音声を出力するように構成してもよい。
【0031】
第一展示領域21の上部には、第一光源10が設けられている。第一光源10は第一展示領域21を照明する光源である。第一光源10は例えばLEDのユニットにより構成されており、その発光色を白色、薄黄色、及び黄色に変更することができるものである。なお第一光源10の発光色はこれに限定されるものではない。また、例えば着色されたフィルタを用いて発光色を変更するものであってもよい。第一展示領域21の展示用警報器9の下側には、擬似火元11aが設けられている。擬似火元11aはタバコを模した形状及び配色であり、先端が赤く発光することができるように構成されている。
【0032】
第二展示領域22は、
図1において、筐体3の右側に設けられる展示領域である。第二展示領域22の奥側の面には、図示しないが住宅の居間の画像が背景として貼付されている。そして、第二展示領域22の奥側の面の中央には、
図4に示すように、別室検知用警報器12が設けられている。別室検知用警報器12は、高性能警報器と同じ外観形状である。なお、第一展示領域21の展示用警報器9で火災警報及びCO濃度警報を出力するタイミングを説明可能であるので、別室検知用警報器12は、必ずしも火災警報及びCO濃度警報を出力可能である必要はない。
【0033】
第二展示領域22の上部には、
図2に示すように、第二光源13が設けられている。第二光源13は第二展示領域22を照明する光源である。なお、第二光源13は、すくなくとも白色のみに発光すればよい。第一展示領域21及び第二展示領域22には、
図1及び
図4に示すように、展示用警報器9と別室検知用警報器12との間を結ぶように複数のLEDが等間隔で配置されており、擬似通信ケーブル14を形成している。擬似通信ケーブル14は、展示用警報器9及び別室検知用警報器12の間で通信が行われていることや、展示用警報器9及び別室検知用警報器12との間における通信方向を擬似的に示すものである。例えば、後述するように別室検知用警報器12が煙濃度が火災の発生を疑う値であると判断した旨の情報を展示用警報器9に送信したことを示す場合には、別室検知用警報器12から展示用警報器9に向かって、順次LEDの点灯と消灯が行われる。
【0034】
比較対象展示領域23は、
図1において、筐体3の左側に設けられる展示領域である。比較対象展示領域23の奥側の面の中央には、
図1及び
図4に示すように比較用警報器15が固定されている。比較用警報器15は、従来の火災警報器と同じ外観形状であり、主制御部8から受信した信号に基づいて、火災警報を出力する。比較用警報器15には火災警報を出力する際に点滅する発光部15bやスピーカ15aが設けられており、内部にはこれら発光部15bやスピーカ15aを制御可能なマイコンが内蔵されている。比較対象展示領域23には、
図2及び
図4に示すように、第三光源16及び擬似火元11bがそれぞれ設けられているが、第一展示領域21の第一光源10及び擬似火元11aと同じ構成であるので、説明を省略する。
【0035】
前面板5は、
図1及び
図2に示すように、前述の通り、第一展示領域21の開口部4を覆う第一前面板51、第二展示領域22の開口部4を覆う第二前面板52、比較対象展示領域23の開口部4を覆う第三前面板53に分けられる。これら前面板5は、透明状態と4段階の白濁状態に制御することができるものである。ここで本発明における「透明状態」とは、可視光を透過し展示空間2が透けて見える状態をいう。なお、完全な透明に限定されるものではなく、各展示領域に設置された各警報器が十分に視認できる程度に透明であればよい。また、本発明における「白濁状態」とは、可視光を前面板5で乱反射させ、又は前面板5自体を発光させるなどして、火災警報器の展示装置1を見学する人が白く濁った状態を視認することにより、擬似的に煙が発生していると理解できる状態をいう。そして本発明における「白濁度」とは、白濁状態において、各警報器がどの程度視認できるかをいい、例えば、光透過率、ヘイズ値、又は濁度などの数値により示すことができる値である。
【0036】
前面板5はアクリル板の一方の面に、光を乱反射させる状態と光を透過させる状態とを通電により制御可能なフィルムが貼付されたものである。このようなフィルムは例えば通電により配向を変更可能な機能性液晶フィルムを用いることができる。また、例えばアクリル板に通常の光源とは異なる方向から白色光を照射して乱反射させることにより白濁状態を実現させるものであってもよい。
【0037】
操作部6は、
図3に示すように、第一展示領域21及び比較対象展示領域23の状態を擬似的に操作する第一操作部61と、第二展示領域22の状態を擬似的に操作する第二操作部62とに分けられる。第一操作部61には、第一煙濃度入力部63、第一CO濃度入力部64、及び第一リセット入力部65が設けられている。そして第一煙濃度入力部63は、2%/m、5%/m、7.5%/m、及び10%/mの4段階の擬似煙濃度を入力可能に構成されている。また、第一CO濃度入力部64には、30ppm及び550ppmの2段階の擬似CO濃度を入力可能に構成されている。第一展示領域21及び比較対象展示領域23の擬似煙濃度及び擬似CO濃度は、同一の値とすることにより火災警報器の性能の比較に信憑性を持たせるものであるので、第一展示領域21及び比較対象展示領域23の擬似煙濃度及び擬似CO濃度は、第一操作部61の各入力部63,64,65の入力に連動して、同じ値で変動する。
【0038】
また、第二操作部62には、第二煙濃度入力部66及び第二リセット入力部67が設けられている。第二煙濃度入力部66には、5%/mのみの擬似煙濃度を入力可能に構成されている。第二操作部62の各入力部の入力に連動して第二展示領域22の擬似煙濃度は変動する。
【0039】
表示部7は、
図1及び
図5に示すように、比較対象展示領域23の上に設けられ、比較対象展示領域23の状態を表示する比較対象住宅表示領域7aと、第一展示領域21及び第二展示領域22の上に設けられ、当該第一展示領域21及び第二展示領域22の状態を表示する本住宅表示領域7bが設けられている。比較対象住宅表示領域7aには、比較用煙警報濃度メーター71、比較用煙濃度メーター72、比較用CO濃度メーター73がそれぞれ棒グラフ状のメーターとして表示されている。具体的には、一列に並んだ発光できるセグメント素子を左から順次点灯させることにより、各種の値を表示するものである。
【0040】
比較用煙警報濃度メーター71は、従来の火災警報器が火災の発生を検知して火災警報を出力する値である比較用警報器15の火災検知閾値を表示するメーターである。なお、本発明における「火災警報条件とは異なる条件」は、本実施形態においては比較用警報器15の火災検知閾値がこれに相当する。この比較用警報器15の火災検知閾値は、本実施形態においては、常に10%/mである。したがって、比較用煙警報濃度メーター71は常に10%/mを表示している。
【0041】
比較用煙濃度メーター72及び比較用CO濃度メーター73は、操作部6の第一煙濃度入力部63、第一CO濃度入力部64がそれぞれ受け付けた擬似煙濃度及び擬似CO濃度を表示するものである。比較用煙濃度メーター72は、2%/m、5%/m、7.5%/m、及び10%/mの4段階が表示可能であり、また、比較用CO濃度メーター73は、30ppm及び550ppmの2段階が表示可能に構成されている。
【0042】
本住宅表示領域7bは、第一展示領域21の上に第一居室表示領域7cが形成されており、第二展示領域22の上に第二居室表示領域7dが形成されている。第一居室表示領域7cには、第一煙警報濃度メーター74、第一煙濃度メーター75、第一CO濃度メーター76がそれぞれ棒グラフ状のメーターとして表示されている。第二居室表示領域7dには、第二煙警報濃度メーター77、第二煙濃度メーター78がそれぞれ棒グラフ状のメーターとして表示されている。これらのメーターも比較対象住宅表示領域7aにおける各メーターと同様に、一列に並んだ発光できるセグメント素子を左から順次点灯させることにより、各種の値を表示するものである。
【0043】
第一煙警報濃度メーター74は、高性能警報器が火災発生を検知して火災警報を出力する値である展示用警報器9の火災検知閾値を表示するメーターである。なお、本発明における「所定の火災検知閾値」は本実施形態における展示用警報器9の火災検知閾値がこれに相当する。この火災検知閾値は、通常値と低設定値とが設定されており、通常値は10%/mで、低設定値は7.5%/mである。展示用警報器9の火災検知閾値は、操作部6の第一CO濃度入力部64が入力を受け付ける擬似CO濃度が30ppm以上である場合、及び操作部6の第二煙濃度入力部66が5%/mの擬似煙濃度の入力を受け付ける場合に、低設定値に引き下げられる。ここで、本発明における「所定の煙濃度異常値」は、本実施形態においては5%/mであり、「所定のCO濃度異常値」は、本実施形態においては30ppmである。
【0044】
第一煙濃度メーター75及び第一CO濃度メーター76は、比較用煙濃度メーター72及び比較用CO濃度メーター73と同様の構成であり、同じ内容を表示をするものであるので、その説明を省略する。
【0045】
第二煙警報濃度メーター77は、別室検知用警報器12の火災検知閾値を表示するメーターである。別室検知用警報器12は本実施形態においては展示用警報器9と同じ高性能警報器の展示物であるので、別室検知用警報器12の火災検知閾値は、展示用警報器9の火災検知閾値と同様に、通常値と低設定値とが設定されており、通常値は10%/mで、低設定値は7.5%/mである。別室検知用警報器12の火災検知閾値は、操作部6の第一煙濃度入力部63に5%/m以上の擬似煙濃度の入力を受け付ける場合に、低設定値に引き下げられる。
【0046】
第二煙濃度メーター78は、操作部6の第二煙濃度入力部66が受け付けた擬似煙濃度を表示するものであり、第二煙濃度入力部66は5%/mの擬似煙濃度しか受け付けることはないので、第二煙濃度メーター78は、第二表示領域の擬似煙濃度が0%/mであることを示すメーターの全セグメント素子が消灯した状態と、擬似煙濃度が5%/mであることを示す状態のいずれかが表示されている。
【0047】
主制御部8は、
図2に示すように、操作部6からの入力に基づいて、前面板5、各警報器9,12,15、各光源10,13,16、表示部7などの火災警報器の展示装置1の各部の状態を制御するものである。主制御部8は、例えばMPU(Micro Processing Unit)であるが、これに限られるものではなく、操作部6からの入力に基づいて各部の状態を制御できる構成であれば、如何なる構成のものであってもよい。なお、本実施形態においては、操作部6と各部とを繋ぐ位置に主制御部8を設けているが、これに限定されるものではなく、例えば各警報器9,12,15内に設けられたマイコンやその他の各部に設けられた制御装置が協同して、火災警報器の展示装置1を制御するものであってもよい。
【0048】
次に、以上のように構成される火災警報器の展示装置1の操作部6が入力を受け付けた場合に主制御部8が行う処理の一例を
図6から
図8を参照しつつ説明する。操作部6は、第一煙濃度入力部63、第一CO濃度入力部64、第一リセット入力部65、第二煙濃度入力部66、第二リセット入力部67がそれぞれ独立して入力可能であり、第一展示領域21及び比較対象展示領域23の擬似煙濃度と擬似CO濃度とがそれぞれ独立して入力可能である。なお、連続する処理は順不同であり、各判断が行われる順序も
図6から
図8に記載の順である必要はない。
【0049】
まず、
図6において、主制御部8は、第一煙濃度入力部63に入力があったか否か判断する(S100)。第一煙濃度入力部63に入力があったと判断すると(S100:YES)、第一前面板51及び第三前面板53を入力された擬似煙濃度に対応する白濁度に制御する(S101)。すなわち、入力値が2%/mの場合には低い白濁度の白濁状態に制御し、入力値が5%/m、7.5%/m、10%/mと高くなるに従ってより高い白濁度の白濁状態に制御する。これにより、第一前面板51及び第三前面板53を透過して第一展示領域21及び比較対象展示領域23を視認するときには、入力値が上がるに従って煙濃度が高くなっているように見学者に認識させることができる。
【0050】
第一前面板51及び第三前面板53を白濁状態に制御すると、次に、表示部7の第一煙濃度メーター75及び比較用煙濃度メーター72の表示を入力値に応じて変更する(S102)。さらに、タバコを模した擬似火元11a,11bを点灯し(S103)、火のついたタバコが火元となって火事が発生したことを演出する。
【0051】
そして、次に制御部は、第一煙濃度入力部63に入力された擬似煙濃度が煙濃度異常値以上であるか否か判断する(S104)。煙濃度異常値は、本実施形態においては、5%/mである。ここで煙濃度異常値とは、火災検知閾値よりも低い値であり、この数値単独では火災が発生したと判断することができる値ではないが、火災の発生が疑われる数値である。
【0052】
第一煙濃度入力部63に入力された擬似煙濃度が煙濃度異常値以上であると判断すると(S104:YES)、次に、第二煙警報濃度メーター77の表示を変更する(S105)。具体的には第二煙警報濃度メーター77の表示を10%/mから7.5%/mに引き下げる。すなわち、S104において第一展示領域21の擬似煙濃度が異常であると判断されたので、第二展示領域22に設けられた別室検知用警報器12の火災検知閾値を引き下げることにより、早期に火災の発生を検知し、火災警報を出力できる状態となっていることを、見学者に示している。
【0053】
第二煙警報濃度メーター77の表示を変更すると(S105)、次に、擬似通信ケーブル14を点灯する(S106)。すなわち、第一展示領域21の展示用警報器9が煙濃度が異常値であると判断した旨の情報を、第二展示領域22の別室検知用警報器12に送信したことを、見学者に示している。S104において、第一煙濃度入力部63に入力された擬似煙濃度が煙濃度異常値以上でないと判断すると(S104:NO)、そのまま、処理をS107に進める。
【0054】
S106の処理を行うと、次に、第一煙濃度入力部63に入力された擬似煙濃度が展示用警報器9の火災検知閾値以上であるか否か判断する(S107)。具体的には、主制御部8の図示しないメモリー又は展示用警報器9のマイコンに記憶されている火災検知閾値と入力された擬似煙濃度の値とを比較して判断する。火災検知閾値以上であると判断すると(S107:YES)、火災が発生していると判断するので、展示用警報器9に警報を出力させる(S108)。具体的には、展示用警報器9の発光部9bが火災警報を示す点滅を行うとともに、スピーカ9aから火災が発生していることを知らせるブザー又は音声が出力される。S107において、火災検知閾値以上でないと判断すると、S109に処理を進める。
【0055】
そして、次に、第一煙濃度入力部63に入力された擬似煙濃度が10%/m以上であるか否か判断する(S109)。この判断処理における10%/mは、比較用警報器15の火災検知閾値である。比較用警報器15の火災検知閾値は常に10%/mである。擬似煙濃度が10%/m以上であると判断すると(S109:YES)、比較用警報器15でも火災が発生していると判断するので、比較用警報器15に警報を出力させる(S110)。具体的には、比較用警報器15の発光部15bが火災警報を示す点滅を行うとともに、スピーカ15aから火災が発生していることを知らせるブザー又は音声が出力される。S109において、擬似煙濃度が10%/m以上でないと判断すると(S109:NO)、そのままスタートに戻って、新たにS100から処理を繰り返す。
【0056】
S100に戻って、第一煙濃度入力部63に入力がなかったと判断すると(S100:NO)、次に、操作部6の第一CO濃度入力部64に入力があったか否か判断する(S111)。第一CO濃度入力部64に入力があったと判断すると(S111:YES)、後述する第一CO濃度入力処理を行い(S200)、その後、スタートに戻って、新たにS100から処理を繰り返す。
【0057】
第一CO濃度入力部64に入力がなかったと判断すると(S111:NO)、次に、操作部6の第二煙濃度入力部66に入力があったか否か判断する(S112)。第二煙濃度入力部66に入力があったと判断すると(S112:YES)、後述する第二展示領域22の煙濃度入力処理を行い(S300)、その後スタートに戻って、新たにS100から処理を繰り返す。
【0058】
第二煙濃度入力部66に入力がなかったと判断すると(S112:NO)、次に、操作部6の第一リセット入力部65に入力があったか否か判断する(S113)。第一リセット入力部65の入力があったと判断すると(S113:YES)、第一展示領域21の展示用警報器9、擬似火元11a、比較対象展示領域23の比較用警報器15、擬似火元11b、第一前面板51、第三前面板53などの各部の状態をリセットし(S114)、その後スタートに戻って、新たにS100から処理を繰り返す。
【0059】
第一リセット入力部65に入力がなかったと判断すると(S113:NO)、次に、操作部6の第二リセット入力部67に入力があったか否か判断する(S115)。第二リセット入力部67の入力があったと判断すると(S115:YES)、第二展示領域22の展示用警報器9、及び第二前面板52などの各部の状態をリセットし(S116)、その後スタートに戻って、新たにS100から処理を繰り返す。
【0060】
次に、第一CO濃度入力処理について
図7を参照しつつ説明する。
図6のS111において、第一CO濃度入力部64に入力があったと判断すると(S111:YES)、第一光源10及び第三光源16の発光色を変更する(S201)。具体的には、通常白色の光源10,16が、第一CO濃度入力部64に擬似CO濃度として30ppmが入力されると、薄黄色の発光色に変更され、第一CO濃度入力部64に擬似CO濃度として550ppmが入力されると、黄色の発光色に変更される。これにより、第一展示領域21及び比較対象展示領域23に擬似的に一酸化炭素がそれぞれの濃度で存在していることを見学者に理解させることができる。なお、実際の一酸化炭素は、無色透明であるが、擬似的に黄色で示すことで、見学者に視認可能となる。
【0061】
S201の処理が終わると、次に表示部7の第一CO濃度メーター76及び比較用CO濃度メーター73の表示を第一CO濃度入力部64が入力を受け付けた擬似CO濃度に変更する(S202)。そして、次に、第一CO濃度入力部64が受け付けた擬似CO濃度がCO濃度異常値以上であるか否か判断する(S203)。CO濃度異常値は、本実施形態においては、30ppmである。ここでCO濃度異常値とは、CO濃度警報を出力するCO警報基準値よりも低い数値であり、この数値単独では換気や避難を促すCO濃度警報を出力しなければならないほどの値ではないが、火災の発生が疑われる数値である。
【0062】
第一CO濃度入力部64が受け付けた擬似CO濃度がCO濃度異常値以上であると判断すると(S203:YES)、展示用警報器9の火災検知閾値を引き下げる(S204)。具体的には主制御部8のメモリ又は、展示用警報器9のマイコン内に記憶されている火災検知閾値を通常値から低設定値に引き下げる。そして、次に表示部7の第一煙警報濃度メーター74の表示を10%/mから7.5%/mに変更し(S205)、S206に処理を進める。S203において、入力された擬似CO濃度がCO濃度異常値以上でないと判断すると(S203:NO)、そのままS206に処理を進める。
【0063】
S206では、第一CO濃度入力部64が受け付けた擬似CO濃度が30ppm以上であるか否か判断する。30ppm以上であると判断されると(S206:YES)、第一展示領域21及び比較対象展示領域23の擬似煙濃度として、主制御部8のメモリーに記憶されている値が2%/m以上であるか否か判断する(S207)。第一展示領域21及び比較対象展示領域23の擬似煙濃度が2%/m以上であると判断すると(S207:YES)、第二煙警報濃度メーター77の表示を10%/mから7.5%/mに変更する(S208)。すなわち、第一展示領域21の擬似CO濃度が30ppm以上で、且つ、擬似煙濃度が2%/m以上の場合は、それぞれ警報を出力するほどの濃度ではないものの、火災の発生が疑われるので、別室検知用警報器12の火災検知閾値を通常値から低設定値に変更していることを、見学者に示している。
【0064】
そして、S208の処理を終了すると、次に、擬似通信ケーブル14を点灯させる(S209)。すなわち、第一展示領域21の展示用警報器9が煙濃度及びCO濃度が通常よりも高く火災が疑われると判断した旨の情報を、第二展示領域22の別室検知用警報器12に送信したことを、見学者に示している。S209の処理を終了すると、次にS210に処理を進める。
【0065】
S206において、擬似CO濃度が30ppm以上でないと判断し(S206:NO)、又は、S207において、擬似煙濃度が2%/m以上でないと判断した場合(S207:NO)にはそのまま処理をS210に進める。
【0066】
S210では、第一CO濃度入力部64が受け付けた擬似CO濃度がCO警報基準値以上であるか否か判断する。CO警報基準値は本実施形態においては550ppmである。CO警報基準値以上であると判断すると(S210:YES)、CO濃度警報を出力して(S211)、この処理を終了し、
図6のスタートに戻って、新たにS100から判断処理を繰り返す。具体的には、展示用警報器9の発光部9bがCO濃度警報を示す点滅を行うとともに、スピーカ9aからCO濃度が高いことを知らせるブザー又は音声が出力される。なお本実施形態においては、比較用警報器15はCO濃度警報を検知するものではないので、CO濃度警報を出力することはないが、比較用警報器15としてCO濃度を検知可能な従来の警報器を使用する場合には、S211の処理において、比較用警報器からもスピーカ15a及び発光部15bからCO濃度警報を出力してもよい。S210において、CO警報基準値以上でないと判断すると(S210:NO)、そのまま
図6のスタートに戻り、新たにS100から判断処理を繰り返す。
【0067】
次に、第二展示領域22の煙濃度入力処理について
図8を参照しつつ説明する。
図6のS112において、第二煙濃度入力部66に入力があったと判断すると(S112:YES)、第二前面板52を白濁状態に制御する(S301)。なお、第二煙濃度入力部66は5%/mのみ入力できるので、第二前面板52は擬似煙濃度が5%/mである場合の白濁度に制御される。そして、表示部7の第二煙濃度メーター78の表示を5%/mに変更する(S302)。そして、次に、第二煙濃度入力部66が入力を受け付けた擬似煙濃度が煙濃異常値以上であるか否か判断する(S303)。煙濃度異常値は、本実施形態においては、5%/mであり、入力される値も5%/mのみであるので、実際にはこの判断をするまでもなく、第二煙濃度入力部66が入力を受け付けた擬似煙濃度は煙濃度異常値以上である(S303:YES)。したがって、実際にはこの判断処理を省略してもよいが、本実施形態では主制御部8の処理をわかり易く説明するためにこの判断処理を設けている。
【0068】
そして、第二煙濃度入力部66が入力を受け付けた擬似煙濃度が煙濃度異常値以上であると判断すると(S303:YES)、次に、展示用警報器9の火災検知閾値を引き下げる(S304)。具体的には主制御部8のメモリ又は、展示用警報器9のマイコン内に記憶されている火災検知閾値を通常値から低設定値に引き下げる。そして、次に表示部7の第一煙警報濃度メーター74の表示を10%/mから7.5%/mに変更し(S305)、次に、擬似通信ケーブル14を点灯させる(S306)。すなわち、第二展示領域22の別室検知用警報器12が煙濃度が火災の発生を疑う値であると判断した旨の情報を、第一展示領域21の展示用警報器9に送信したことを、見学者に示している。S306の処理を終了すると、
図6のスタートに戻って、新たにS100から判断処理を繰り返す。S303において、第二煙濃度入力部66が入力を受け付けた擬似煙濃度が煙濃度異常値以上でないと判断すると(S303:NO)、そのまま
図6のスタートに戻って、新たにS100から判断処理を繰り返す。
【0069】
以上のように、本実施形態の火災警報器の展示装置1によると、操作部6の第一煙濃度入力部63が受け付けた擬似煙濃度に対応して、第一前面板51及び第三前面板53の白濁度が制御され、第二煙濃度入力部66が受け付けた擬似煙濃度に対応して、第二前面板52の白濁度が制御されるので、展示空間2の第一展示領域21、比較対象展示領域23、第二展示領域22にそれぞれ煙が充満している状態を、擬似的に示すことができる。また、火災警報器の展示装置1は、操作部6の第一CO濃度入力部64が擬似CO濃度の入力を受付たときに、第一展示領域21の第一光源10及び比較対象展示領域23の第三光源16の発光色を白色から薄黄色又は黄色に変化させるので、展示空間2に一酸化炭素が充満する様子をわかり易く説明することができる。
【0070】
したがって、安全、且つ、換気の必要もなく、煙や一酸化炭素が充満する状態を示すことができるので、展示用警報器9が火災警報やCO濃度警報を出力するタイミングを視覚的にわかり易く示すことができ、火災警報器の性能をわかり易く説明することができる。
【0071】
特に、第一CO濃度入力部64が受け付けた擬似CO濃度に基づいて、第一展示領域21の火災検知閾値を10%/mから7.5%/mに引き下げるので、CO濃度に異常があった場合に、通常よりも低い煙濃度でも火災と判断して火災警報を出力することができ、火災を早期に感知することができることをわかり易く説明することができる。
【0072】
また、本実施形態の火災警報器の展示装置1は、展示用警報器9を設置する第一展示領域21の他に、別室検知用警報器12を設置する第二展示領域22を有しており、筐体3の上面の屋根を模した形状や筐体3の配色や模様を統一することで、第一展示領域21と第二展示領域22とが同一建物内の別室であるように認識できるように構成しており、第二煙濃度入力部66が入力を受け付ける擬似煙濃度に基づいて、第一展示領域21の火災検知閾値を10%/mから7.5%/mに引き下げるので、第二展示領域22の煙濃度に異常があった場合にも、通常よりも低い煙濃度でも火災と判断して火災警報を出力することができ、火災を早期に感知することができることをわかり易く説明することができる。展示用警報器9と別室検知用警報器12との間には擬似通信ケーブル14が設けられているので、展示用警報器9と別室検知用警報器12とが通信して火災検知閾値の値を制御していることを視覚的にわかり易く示すことができる。
【0073】
また、本実施形態の火災警報器の展示装置1は、展示用警報器9を設置する第一展示領域21の他に、比較用警報器15を設置する比較対象展示領域23を有しており、筐体3の上面の屋根を模した形状や筐体3の配色や模様を異ならせることで、第一展示領域21と比較対象展示領域23とが別建物であると認識できるように構成しており、比較警報器の火災検知閾値は常に10%/mであるので、第二展示領域22の擬似煙の濃度や第一展示領域21の擬似CO濃度に基づいて展示用警報器9の火災検知閾値の値が引き下げられる点と比較させることによって、高性能警報機である展示用警報器9が従来の火災警報器に比べて、誤警報を起こすことなく火災の発生を早期に発見できるものであることをわかり易く示すことができる。
【0074】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【0075】
例えば、比較対象展示領域23や第二展示領域22は必須の構成ではなく、少なくとも、第一展示領域21及び第一前面板51を有していれば、火災警報器の性能を最低限安全にわかりやすく示すことができる。