特許第6045072号(P6045072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045072
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】プッシュスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/52 20060101AFI20161206BHJP
   H01H 13/04 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H01H13/52 B
   H01H13/04 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-140541(P2013-140541)
(22)【出願日】2013年7月4日
(65)【公開番号】特開2015-15129(P2015-15129A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 秀和
(72)【発明者】
【氏名】堤 丈二
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 孝
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−058380(JP,A)
【文献】 特開2012−059432(JP,A)
【文献】 特開2005−129414(JP,A)
【文献】 特開2002−116882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/52
H01H 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、固定接点部材が設けられ、前記固定接点部材と接離する可動接点部材を収容する収容空間を有しているケースと、前記開口を覆うように前記ケースに溶着されるシート部材とを有しており、前記ケース及び前記シート部材の一方が透過性の材料で、他方が非透過性の材料からなるプッシュスイッチにおいて、
前記ケースの一部と前記シート部材の一部との間に粘着剤が配置されて、前記ケースに対して前記シート部材が粘着保持されているとともに、前記粘着剤が配置されていない部分において、前記ケースと前記シート部材との当接部分が溶着され前記ケースと前記シート部材との間で被溶着部が形成されて、前記ケースに対して前記シート部材が溶着保持されていることを特徴とするプッシュスイッチ。
【請求項2】
前記被溶着部が形成された高さ位置と、前記ケースの一部の高さ位置または前記シート部材の一部の高さ位置とが異なっており、
前記粘着剤が前記被溶着部の高さ位置と前記ケースの一部の高さ位置または前記シート部材の一部の高さ位置との間に形成される配置空間内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のプッシュスイッチ。
【請求項3】
前記ケースの一部または前記シート部材の一部は、前記被溶着部の高さ位置に対して段差状に形成されている、または、前記被溶着部の高さ位置から遠ざかるような曲面形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプッシュスイッチ。
【請求項4】
前記シート部材と前記可動接点部材との間に、押し子部材が設けられており、
前記押し子部材の前記シート部材側は前記シート部材とともに曲面形状となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のプッシュスイッチ。
【請求項5】
前記押し子部材と前記シート部材とは、溶着されており、
前記曲面形状は、前記押し子部材と前記シート部材とを溶着する際の前記押し子部材の溶融硬化により形成されており、
前記ケースと前記シート部材との溶着及び前記押し子部材と前記シート部材との溶着は、レーザー光による溶着であることを特徴とする請求項4に記載のプッシュスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュスイッチに関し、特に、シート部材でケースの開口を覆ったプッシュスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、スマートフォン等の携帯電話に配置される操作スイッチとしてプッシュスイッチが使われることが多い。
【0003】
スマートフォンにおいては、高機能化に伴い、限られたスペースの中により多くの部品を配置する必要があり、さらなる高機能化に伴い、より多くの部品を限られたスペースに配置するために、より小型のプッシュスイッチが求められている。
【0004】
従来のプッシュスイッチとしては、下記の特許文献1に記載のプッシュスイッチが知られている。
【0005】
以下、図6および図7を用いて、特許文献1に記載のプッシュスイッチについて説明する。図6は、プッシュスイッチSWの外観図である。図7はプッシュスイッチSWの構成を示す分解斜視図である。
【0006】
特許文献1に記載のプッシュスイッチSWは、図6および図7に示すように、上方が開口した凹部BT底面に中央固定接点CCと外側固定接点OCが露呈するようにインサート成形により固定された絶縁樹脂製のケースCAと、外周端部が外側固定接点OCに載せられて前記ケースの凹部BT内に収容される弾性金属薄板製のドーム状可動接点MCと、ドーム状可動接点MCをケースCA内に保持し保護するシート部材STと、シート部材STとドーム状可動接点MCとの間に配された押圧部材PJとからなる。
【0007】
シート部材STは、図6に示すように、溶着固定箇所ADへのレーザー照射によりケースCAの上面に溶着固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−58380公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載のプッシュスイッチSWは、シート部材STをレーザー照射によりケースCAに溶着固定しており、レーザー照射により溶着するためには、シート部材STをケースCAに押し付けて当接させておく必要がある。そのために、溶着固定箇所ADを除いた部分において、シート部材STをケースCAに押し付けるような治具が必要となっていた。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決して、シート部材でケースの収容空間の開口を覆ったプッシュスイッチを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために、請求項1に記載のプッシュスイッチは、開口を有し、固定接点部材が設けられ、前記固定接点部材と接離する可動接点部材を収容する収容空間を有しているケースと、前記開口を覆うように前記ケースに溶着されるシート部材とを有しており、前記ケース及び前記シート部材の一方が透過性の材料で、他方が非透過性の材料からなるプッシュスイッチにおいて、前記ケースの一部と前記シート部材の一部との間に粘着剤が配置されて、前記ケースに対して前記シート部材が粘着保持されているとともに、前記粘着剤が配置されていない部分において、前記ケースと前記シート部材との当接部分が溶着され前記ケースと前記シート部材との間で被溶着部が形成されて、前記ケースに対して前記シート部材が溶着保持されている、という特徴を有する。
【0012】
また、請求項2に記載のプッシュスイッチは、前記被溶着部が形成された高さ位置と、前記ケースの一部の高さ位置または前記シート部材の一部の高さ位置とが異なっており、前記粘着剤が前記被溶着部の高さ位置と前記ケースの一部の高さ位置または前記シート部材の一部の高さ位置との間に形成される配置空間内に配置されている、という特徴を有する。
【0013】
また、請求項3に記載のプッシュスイッチは、前記ケースの一部または前記シート部材の一部は、前記被溶着部の高さ位置に対して段差状に形成されている、または、前記被溶着部の高さ位置から遠ざかるような曲面形状に形成されている、という特徴を有する。
【0014】
また、請求項4に記載のプッシュスイッチは、前記シート部材と前記可動接点部材との間に、押し子部材が設けられており、前記押し子部材の前記シート部材側は前記シート部材とともに曲面形状となっている、という特徴を有する。
【0015】
また、請求項5に記載のプッシュスイッチは、前記押し子部材と前記シート部材とは、溶着されており、前記曲面形状は、前記押し子部材と前記シート部材とを溶着する際の前記押し子部材の溶融硬化により形成されており、前記ケースと前記シート部材との溶着及び前記押し子部材と前記シート部材との溶着は、レーザー光による溶着である、という特徴を有する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、シート部材の一部とケースの一部との間に粘着剤を配置することで、シート部材とケースとを当接させるための治具を使うことなく、シート部材及びケースを当接した状態で保持することができるので、シート部材とケースとの間の溶着を容易に行うことができる、という効果を奏する。
【0017】
請求項2の発明によれば、粘着剤を配置する配置空間を確保しつつ、ケースとシート部材とを当接させた状態で保持することができる、という効果を奏する。
【0018】
請求項3の発明によれば、形成容易な形状により粘着剤を配置する空間を確保することができる、という効果を奏する。
【0019】
請求項4の発明によれば、操作される部分が曲面形状となっていることで、操作位置を安定させることができる、という効果を奏する。
【0020】
請求項5の発明によれば、レーザー光による溶着とすることで、ケースとシート部材との間とシート部材と押し子部材との間とを容易に溶着することができるとともに、曲面形状を容易に形成することができる、という効果を奏する。
【0021】
以上により、本発明によれば、シート部材でケースの開口を覆ったプッシュスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】プッシュスイッチ1の構成部品を示す分解斜視図である。
図2】プッシュスイッチ1の上面側の外観及び内部構造を示す図であり、図2(a)はプッシュスイッチ1の上面を示す図であり、図2(b)は被溶着部を示す説明図である。
図3】プッシュスイッチ1の側面側の外観及び内部構造を示す図であり、図3(a)はプッシュスイッチ1の側面を示す図であり、図3(b)は図2(a)のIII−III線での断面図である。
図4図3(a)の2点鎖線で囲んだ部分Aの拡大模式図であり、図4(a)はシート部材が貼り付けられる前の状態を示す図であり、図4(b)はシート部材が貼り付けられた状態を示す図である。
図5】プッシュスイッチ1の変形例を示す外観図である。
図6】従来のプッシュスイッチの外観図である。
図7】従来のプッシュスイッチの構成部品を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下に第1実施形態におけるプッシュスイッチ1について説明する。
【0024】
本実施形態におけるプッシュスイッチ1の構成について図1ないし図4を用いて説明する。図1はプッシュスイッチ1の構成部品を示す分解斜視図である。図2はプッシュスイッチ1の上面側の外観及び内部構造を示す図であり、図2(a)はプッシュスイッチ1の上面を示す図であり、図2(b)は被溶着部を示す説明図である。図3はプッシュスイッチ1の側面側の外観及び内部構造を示す図であり、図3(a)はプッシュスイッチ1の側面を示す図であり、図3(b)は図2(a)のIII−III線での断面図である。図4図3(a)の2点鎖線で囲んだ部分Aの拡大模式図であり、図4(a)はシート部材が貼り付けられる前の状態を示す図であり、図4(b)はシート部材が貼り付けられた状態を示す図である。
【0025】
プッシュスイッチ1は、図1に示すように、複数の固定接点部材14を有するケース11と、ケース11に配され、押圧操作に応じて複数の固定接点部材14に離接する可動接点部材12と、可動接点部材12を固定接点部材14と離説可能な状態でケース11に保持するシート部材13とを備えている。
【0026】
プッシュスイッチ1は、シート部材13を介して可動接点部材12をZ2方向に操作して、可動接点部材12と固定接点部材14とを接離するものである。
【0027】
ケース11は、図1に示すように、光に対して非透過性の合成樹脂材からなり、略直方体形状に形成されている。また、ケース11は、基台部11aを有しており、インサート成形により、その一部をケース11の表面から露出する固定接点部材14が基台部11aと一体に形成されている。また、固定接点部材14は金属板からなっている。
【0028】
基台部11aのZ1側の中央部分には略楕円形の凹状に開口を有して形成され、可動接点部材12を収容可能な収容空間となる配置部11bが設けられ、配置部11bの中央部分には固定接点部材14の一部である第1固定接点部14aが露出して設けられており、さらに、固定接点部材14の一部であり、第1固定接点部14aと電気的に接続されていない第2固定接点部14b,14bが配置部11b内でX1−X2方向に沿って第1固定接点部14aを挟んで露出して設けられている。
【0029】
ケース11のX1方向及びX2方向の側面には金属板からなり外部と電気的な接続が可能な第1端子部14cと第2端子部14dとが設けられている。第1端子部14cと第2端子部14dとは、一方の側方側に突出するように並んで形成されている。
【0030】
第1端子部14cは第1固定接点部14aの一部を延設して形成され、第2端子部14dは第2固定接点部14bの一部を延設して形成されている。
【0031】
可動接点部材12は、図1に示すように、金属板からなり略円形のドーム形状に形成され、Z1方向に膨出している。膨出した部分の中央部が可動接点部12aとなっている。可動接点部材12は、可動接点部12aがZ1方向から押圧されるとZ2方向へ撓んだ後に反転し、押圧を解除すると押圧前の形状に戻る。
【0032】
可動接点部材12は、図3に示すように、ケース11の配置部11bに配置される。可動接点部12aがケース11に設けられた第1固定接点部14aに対応するように配置され、Z1方向から操作されると第1固定接点部14aと電気的に接続するようになる。また、外縁部が第2固定接点部14bと当接するように配置されて電気的に接続される。
【0033】
シート部材13は、図1に示すように、光に対しての透過性があり可撓性を有した合成樹脂材料からなり、シート状に形成されている。シート部材13の外形は略四角形に形成されている。
【0034】
シート部材13は、ケース11の配置部11bの開口をZ1側から覆うように配置され、可動接点部材12をケース11の配置部11b内に保持している。
【0035】
粘着剤15,15は、図1に示すように、粘着シートからなり、Y1−Y2方向に細長い形状に形成されており、ケース11とシート部材13との間に配置される。
【0036】
図2(b)に示すように、シート部材13とケース11とは被溶着部17において、レーザー溶着により固着されている。図2(b)において、被溶着部17を示すために、シート部材13は透過状態で記載している。
【0037】
被溶着部17は、ケース11の配置部11bの周囲で、粘着剤15,15が配置されていない箇所となっている。被溶着部17は環状となっており、ケース11とシート部材13の間で隙間が無い状態となる。
【0038】
シート部材13は、粘着剤15,15によりケース11に取り付けられて粘着保持されるとともに、レーザー溶着により溶着されて、ケース11に対してシート部材13が溶着保持されるものとなる。
【0039】
レーザー溶着は、シート部材13が粘着剤15,15によりケース11に取り付けられ、シート部材13がケース11のZ1方向側の面と当接して密着した状態で行われる。ケース11に対して透過性のシート部材13側であるZ1方向からレーザー光が照射される。非透過性のケース11がレーザー光を吸収し、レーザー光による熱でその表面が溶融する。溶融した表面にシート部材13が溶着して保持される。この溶着した部分が被溶着部17である。
【0040】
図3及び図4に示すように、粘着剤15,15は、ケース11とシート部材13の間に配置され、シート部材13がケース11上に粘着剤により保持される。図4(a)に示すように、粘着剤15はシート部材13に取り付けられた状態としておいて、Z1方向側からケース11に取り付けられる。粘着剤15,15をケース11に取り付けた状態としても良い。
【0041】
図4(b)に示すように、シート部材13のZ2側の面の高さ位置は被溶着部17と同じ高さ位置となり、ケース11は、被溶着部17の高さ位置から階段状にZ2方向に位置する配置面11cを有している。
【0042】
ケース11の配置面11cとシート部材13との間に粘着剤15を配置する配置空間が形成されている。粘着剤15の配置空間を形成するために、ケース11のZ1方向の面の高さ位置を被溶着部17と同じ高さ位置とし、シート部材13に被溶着部17の高さ位置から階段状にZ1方向に位置する配置面を形成してもよい。また、被溶着部17から階段状に配置面を形成せず、被溶着部17からZ1またはZ2方向に遠ざかるような曲面形状として配置面を形成しても良い。
【0043】
図4(b)に示すように、粘着剤15は、シート部材13をケース11上に取り付けるとZ1−Z2方向に僅かに押しつぶされてX1−X2方向に僅かに膨らんだ状態となるように、ケース11とシート部材13の間の配置空間のZ1−Z2方向の高さ寸法よりも大きいZ1−Z2方向の厚み寸法を有している。粘着剤15の厚み寸法は、シート部材とケース11との被溶着部が密着した状態で保持できるのであれば、ケース11とシート部材の間の空間の高さ寸法と同じか小さくしても良い。
【0044】
押し子16は、図1に示すように、合成樹脂材料からなり、略円筒形状に形成されている。また、Z1方向の少なくとも一部はレーザー溶着可能なように光に対して非透過性となる黒色などの有色に形成されている。
【0045】
押し子16は、図2に示すように、可動接点部材12とシート部材13との間に配置されている。シート部材13にレーザー溶着により固着されており、シート部材13側が曲面形状となっている。そして、可動接点部材12のドーム形状の頂点部分に対応するように配置されている。
【0046】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0047】
本実施形態のプッシュスイッチ1では、開口を有し、固定接点部材14が設けられ、前記固定接点部材14と接離する可動接点部材12を収容する収容空間を有しているケース11と、前記開口を覆うように前記ケース11に溶着されるシート部材13とを有しており、前記ケース11及び前記シート部材13の一方が透過性の材料で、他方が非透過性の材料からなるプッシュスイッチ1において、前記ケース11の一部と前記シート部材13の一部との間に粘着剤15が配置されて、前記ケース11に対して前記シート部材13が粘着保持されているとともに、前記粘着剤15が配置されていない部分において、前記ケース11と前記シート部材13との当接部分が溶着され前記ケース11と前記シート部材13との間で被溶着部17が形成されて、前記ケース11に対して前記シート部材13が溶着保持されている、構造とした。
【0048】
これにより、シート部材13の一部とケース11の一部の間に粘着剤15を配置することで、シート部材13とケース11とを当接させるための治具を使うことなく、シート部材13及びケース11を当接した状態で保持することができるので、シート部材13とケース11との間の溶着を容易に行うことができる、という効果を奏する。
【0049】
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、前記被溶着部17が形成された高さ位置と、前記ケース11の一部の高さ位置または前記シート部材13の一部の高さ位置とが異なっており、前記粘着剤15が前記被溶着部17の高さ位置と前記ケース11の一部の高さ位置または前記シート部材13の一部の高さ位置との間に形成される配置空間内に配置されている、構造とした。
【0050】
これにより、粘着剤15を配置する配置空間を確保しつつ、ケース11とシート部材13とを当接させた状態で保持することができる、という効果を奏する。
【0051】
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、前記ケース11の一部または前記シート部材13の一部は、前記被溶着部17の高さ位置に対して段差状に形成されている、または、前記被溶着部17の高さ位置から遠ざかるような曲面形状に形成されている、構造とした。
【0052】
これにより、形成容易な形状により粘着剤15を配置する空間を確保することができる、という効果を奏する。
【0053】
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、前記シート部材13と前記可動接点部材12との間に、押し子部材16が設けられており、前記押し子部材16の前記シート部材13側は前記シート部材13とともに曲面形状となっている、構造とした。
【0054】
これにより、操作される部分が曲面形状となっていることで、操作位置を安定させることができる、という効果を奏する。
【0055】
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、前記押し子部材16と前記シート部材13とは、溶着されており、前記曲面形状は、前記押し子部材16と前記シート部材13とを溶着する際の前記押し子部材16の溶融硬化により形成されており、前記ケース11と前記シート部材13との溶着及び前記押し子部材16と前記シート部材13との溶着は、レーザー光による溶着である、構造とした。
【0056】
これにより、レーザー光による溶着とすることで、ケース11とシート部材13との間と、シート部材13と押し子部材16との間とを容易に溶着することができるとともに、曲面形状を容易に形成することができる、という効果を奏する。
【0057】
以上のように、本発明の実施形態に係るプッシュスイッチ1を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0058】
(1)本実施形態において、可動接点部材12とシート部材13との間に押し子16を設けた構成としたが、図6に示すように、押し子16を設けていないプッシュスイッチ20のような構成に変更しても良い。この場合でも、シート部材をケースに対して溶着保持でき、
【0059】
(2)本実施例において、ケース11を非透過性のものとし、シート部材13を透過性のものとしたが、ケース11を透過性のものとし、シート部材13を非透過性のものに変更しても良い。この場合、レーザー光はケース11側からシート部材13に向けて照射することとなる。また、レーザー溶着が可能であれば、ケース11及びシート部材13の被溶着部近傍のみ部分的に透過性または非透過性となるように変更しても良い。
【符号の説明】
【0060】
1 プッシュスイッチ
11 ケース
11a 基台部
11b 配置部
11c 配置面
12 可動接点部材
13 シート部材
14 固定接点部材
14a 第1固定接点部
14b 第2固定接点部
14c 第1端子部
14d 第2端子部
15 粘着剤
16 押し子
17 被溶着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7