【実施例】
【0106】
化合物57の合成
【0107】
【0108】
磁気撹拌棒が入った乾燥した100mlフラスコに、Cbz−L−α−t−ブチルグリシンDCHA塩(5.0g、11.2mmol)、L−トリプトファンメチルエステル塩酸塩(3.14g、12.3mmol、1.1当量)、HOBt(1.76g、13.4mmol、1.2当量)、無水DMF(30ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.93ml、16.8mmol、1.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(2.58g、13.4mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(300ml)/水(100ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を水(100ml)、10%NaHSO
4水溶液(100ml)、水(100ml)、飽和NaHCO
3(100ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0109】
【0110】
DDQ(6.2g、27.3mmol、2.4当量)のTHF溶液(100ml)を、上記の工程1で合成した化合物(11.2mmol)のTHF還流溶液(200ml)に加え、この暗溶液を油浴中にて、85℃で1時間、還流加熱した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残査を酢酸エチル(500ml)に溶解し、水(200ml)、飽和NaHCO
3水溶液(2×200ml)、水(2×200ml)、食塩水(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中の20%EtOAc)により精製した。これにより、3.24g(収率64%)の生成物を得た。
【0111】
【0112】
上記の工程2で合成した物質(3.24g、7.02mmol)を含有する100mlフラスコに、N
2下で、メタノール(30ml)およびPd/C(10%)(650mg、0.61mmol、0.09当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。3時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×10ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0113】
【0114】
磁気撹拌棒が入った乾燥した100mlフラスコに、工程3で合成したアミン(2.06g、6.29mmol)、Cbz−L−チロシン(1.98g、6.91mmol、1.1当量)、HOBt(0.94g、6.91mmol、1.1当量)、無水DMF(30ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.31ml、7.54mmol、1.2当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(1.33g、6.91mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(300ml)/水(100ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を水(100ml)、10%NaHSO
4水溶液(100ml)、水(100ml)、飽和NaHCO
3(100ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0115】
【0116】
ガラスシリンダー(直径6cm×高さ11cm)と9本の垂直グラファイト棒(直径6.15mm×長さ12cm)を支持するカスタムラック(ポリプロピレンおよびナイロン)とを使用して、電気化学電池を組み立てた。6つの陽極および3つの陰極を有するこれらの棒を、環のパターンに配置した。電極を深さ6.5cmに浸した。上記の工程4で合成したフェノール性物質(5.00g、8.0mmol)、Et
4NBF
4(4.00g、18.4mmol、2.9当量)、および(NH
4)
2CO
3(1.0g、10.4mmol、1.3当量)、ならびにID水(4ml)を、DMF(200ml)中に加えた。この溶液を、撹拌プレート(約600rpm)で激しく撹拌した。1.5〜1.6ボルトの電位で電気化学反応を実施した。3日後、220nMでのHPLC積分により判定すると、最初のSMの大部分は消費されていた。反応混合物をロータリーエバポレーター(浴槽温度、35℃以下)で濃縮し、真空マニホールドでさらに乾燥した。残査を、EtOAc(200ml)と0.5N HCl水溶液(60ml)との間で分配した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液(50ml)、次いで飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄した。水層をEtOAc(2×50ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na
2SO
4)し、デカントし、蒸発させた。この物質を、CH
2Cl
2中の20%EtOAcを用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、立体異性体の混合物(254nMでのHPLC積分により測定すると71:29)として、1.24g(収率24.8%)の生成物を得た。
【0117】
【0118】
工程6で合成した化合物(725mg、2.33mmol)をメタノール(22ml)に溶解し、その溶液を氷浴中で冷却した。LiOH(558mg、23.3mmol、10当量)の水溶液(7.0ml)を5分間にわたり加えた。氷浴を取り除き、混合物を18時間攪拌した。混合物を氷浴中で冷却し、反応温度を10℃未満に維持しながら、水(30ml)、その後に1N HCl水溶液(24ml)を加えた。混合物を水(15ml)とEtOAc(100ml)との間で分配し、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄した。水層をEtOAc(30ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na
2SO
4)し、デカントし、蒸発させて、微細白色結晶として酸性生成物を得た。
【0119】
【0120】
磁気撹拌棒が入った乾燥した100mlフラスコに、上記の工程6で合成したカルボン酸(2.33mg)、L−セリンメチルエステル塩酸塩(435mg、2.8mmol、1.2当量)、HOBt(378mg、2.8mmol、1.2当量)、無水DMF(25ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.01ml、5.83mmol、2.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(537mg、2.8mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。残査をEtOAc(100ml)/水(30ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×20ml)により抽出した。合わせた有機層を水(40ml)、10%NaHSO
4水溶液(40ml)、水(40ml)、飽和NaHCO
3(40ml)、および食塩水(2×40ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0121】
【0122】
乾燥したフラスコに、上記の工程8からの粗生成物(2.33mmol)および無水CH
2Cl
2(40ml)を加えた。この反応溶液は、ドライアイス/アセトン/水の浴槽中で−20℃に冷却されるにつれて、混濁するようになった。新たに調製したビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.644ml、0.022mmol、2.8当量)のCH
2Cl
2(4ml)原液を、滴下して加えた。得られた反応混合物を−20℃で1時間撹拌し、室温に温めた。飽和NaHCO
3(20ml)水溶液の添加により、反応混合物をクエンチし、EtOAc(100ml)で希釈し、水(2×30ml)および食塩水(30ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0123】
【0124】
上記の工程8からの粗生成物(2.33mmol)を含有する乾燥したフラスコに、無水CH
2Cl
2(40ml)を加えた。この混合物を0℃に冷却した。次いで、CBrCl
3(0.345ml、3.5mmol、1.5当量)およびDBU(0.523ml、3.5mmol、1.5当量)を、別々に加えた。得られた混合物を室温に戻し、1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、10%NaHSO
4(30ml)、水(2×30ml)、飽和NaHCO
3水溶液(30ml)、水(30ml)、および食塩水(30ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0125】
【0126】
上記の工程9で合成した物質(400mg、0.58mmol)を含有する50mlフラスコに、N
2下で、メタノール(15ml)、t−ブチルアミン(0.086ml、0.87mmol、1.5当量)、およびPd/C(10%)(62mg、0.058mmol、0.1当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。4時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×10ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0127】
【0128】
上記の工程10で合成したアミン(0.58mmol)を含有する乾燥した25mlフラスコに、(S)−(+)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(82mg、0.696mmol、1.2当量)、HOBt(94mg、0.696mmol、1.2当量)、無水DMF(8ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.152ml、0.87mmol、1.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(133mg、0.696mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(80ml)/水(30ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×20ml)により抽出した。合わせた有機層を水(30ml)、10%NaHSO
4水溶液(30ml)、水(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)、および食塩水(2×30ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0129】
【0130】
乾燥したフラスコに、工程11で合成した粗物質(0.58mmol)、THF(4ml)、および2−プロパノール(12ml)を加えた。この溶液を0℃に冷却した後、固体の水素化ホウ素リチウム(152mg、6.96mmol、12当量)を加えた。得られた混合物を室温に戻し、22時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。出発原料はほぼ残存していなかった。反応混合物を0℃に冷却した。2−プロパノール(24ml)および水(40ml)を加えた後、NH
4Cl(3.1g、58mmol、100当量)を加えた。反応混合物を1時間攪拌してEtOAc(250ml)/水(50ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を水(3×50ml)、10%NaHSO
4水溶液(2×50ml)、水(2×50ml)、飽和NaHCO
3(50ml)、および食塩水(2×50ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、残査をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAcから10%EtOAc/MeOHに)により精製して、所望の生成物(188mg、0.108mmol、3工程に対して52%)を灰白色固体として得た。MS:m/z=627.9(M+1)。
【0131】
化合物81の合成
【0132】
乾燥した250mlフラスコに、5−フルオロ−DL−トリプトファン(5.0g、22.5mmol)および無水メタノール(120ml)を加えた。この懸濁液を0℃に冷却した後、6℃未満に反応温度を維持するような速度で、クロロトリメチルシラン(12.8ml、101.3mmol、4.5当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で20時間攪拌した。反応をTLCによりモニターした。大部分の揮発性物質を減圧下で蒸発させた。この粗製物を次の工程に使用した。
【0133】
【0134】
磁気撹拌棒が入った乾燥した250mlフラスコに、上記の工程1で合成したアミン塩(22.5mmol)、Cbz−L−バリン(6.22g、24.75mmol、1.1当量)、HOBt(3.34、24.75mmol、1.1当量)、無水DMF(80ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(11.8ml、67.5mmol、3.0当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(4.74g、24.75mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。次いで、残査をEtOAc(600ml)/水(200ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を水(100ml)、10%NaHSO
4水溶液(100ml)、水(100ml)、飽和NaHCO
3(100ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0135】
【0136】
DDQ(12.8g、56.25mmol、2.5当量)のTHF溶液(500ml)を、上記の工程2で合成した化合物(22.5mmol)のTHF還流溶液(250ml)に加え、この暗溶液を油浴中にて、85℃で1時間保持した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残査を酢酸エチル(600ml)に溶解し、NaHCO
3(13g)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、フリット漏斗を通して濾過した。濾液を、水(200ml)、飽和NaHCO
3水溶液(2×200ml)、水(2×200ml)、食塩水(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中の5%EtOAc)により精製した。これにより、4.63g(収率44.2%)の生成物を得た。
【0137】
【0138】
上記の工程3で合成した物質(4.63g、9.94mmol)を含有する250mlフラスコに、N
2下で、メタノール(50ml)およびPd/C(10%)(530mg、0.497mmol、0.05当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。1時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×15ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0139】
【0140】
磁気撹拌棒が入った乾燥した100mlフラスコに、工程4で合成したアミン(9.94mmol)、Cbz−L−チロシン(3.45g、10.93mmol、1.1当量)、HOBt(1.48、10.93mmol、1.1当量)、無水DMF(30ml)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(2.10g、10.93mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(400ml)/水(150ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×100ml)により抽出した。合わせた有機層を水(200ml)、10%NaHSO
4水溶液(150ml)、水(150ml)、飽和NaHCO
3(150ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物(6.58g)を次の工程に直接使用した。
【0141】
【0142】
ガラスシリンダー(直径6cm×高さ11cm)と9本の垂直グラファイト棒(直径6.15mm×長さ12cm)を支持するカスタムラック(ポリプロピレンおよびナイロン)とを使用して、電気化学電池を組み立てた。6つの陽極および3つの陰極を有するこれらの棒を、環のパターンに配置した。電極を深さ6.5cmに浸した。上記の工程5で合成したフェノール性物質(2.00g、3.18mmol)、Et
4NBF
4(2.00g、9.2mmol、3当量)、K
2CO
3(0.44g、3.18mmol、1.0当量)、およびID水(4ml)を、DMF(200ml)中に加えた。この溶液を、撹拌プレート(約600rpm)で激しく撹拌した。1.5〜1.6ボルトの電位で電気化学反応を実施した。3日後、220nMでのHPLC積分により判定すると、最初のSMの大部分は消費されていた。電気化学反応を4回反復して、工程5で合成したフェノール性物質をすべて消費させた。合わせた反応混合物をロータリーエバポレーター(浴槽温度、35℃以下)で濃縮し、真空マニホールドでさらに乾燥した。残査をEtOAc(500ml)で希釈した後、フリット漏斗を通して濾過した。濾液を水(2×200ml)、食塩水(200ml)で洗浄した。水層をEtOAc(2×50ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を、乾燥(Na
2SO
4)し濃縮した。この物質を、CH
2Cl
2中の15%MeCNを用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、3工程において収率14%で900mgの所望の生成物を得た。
【0143】
【0144】
工程6で合成した化合物(900mg、1.43mmol)をメタノール(28ml)に溶解し、その溶液を氷浴中で冷却した。LiOH(344mg、14.3mmol、10当量)の水溶液(4.5ml)を5分間にわたり加えた。氷浴を取り除き、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を氷浴中で冷却し、反応温度を10℃未満に維持しながら、水(40ml)、その後に1N HCl水溶液(14.5ml)を加えた。混合物を水(25ml)とEtOAc(200ml)との間で分配し、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄した。水層をEtOAc(50ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na
2SO
4)し、デカントし、蒸発させて、微細白色結晶として酸性生成物を得た。
【0145】
【0146】
磁気撹拌棒が入った乾燥した50mlフラスコに、上記の工程7で合成したカルボン酸(1.43mmol)、L−セリンメチルエステル塩酸塩(268mg、1.72mmol、1.2当量)、HOBt(232mg、1.72mmol、1.2当量)、無水DMF(15ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.624ml、3.58mmol、2.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(330mg、1.72mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。残査をEtOAc(150ml)/水(50ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×30ml)により抽出した。合わせた有機層を水(60ml)、10%NaHSO
4水溶液(60ml)、水(60ml)、飽和NaHCO
3(60ml)、および食塩水(2×60ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0147】
【0148】
乾燥したフラスコに、上記の工程8からの粗生成物(1.43mmol)および無水CH
2Cl
2(25ml)を加えた。この反応溶液は、ドライアイス/アセトン/水の浴槽中で−20℃に冷却されるにつれて、混濁するようになった。新たに調製したビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.395ml、2.15mmol、1.5当量)のCH
2Cl
2(4ml)原液を、滴下して加えた。得られた反応混合物を−20℃で1時間撹拌し、室温に温めた。飽和NaHCO
3水溶液(15ml)の添加により、反応混合物をクエンチし、EtOAc(100ml)で希釈し、水(2×20ml)および食塩水(30ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0149】
【0150】
上記の工程9からの粗生成物(1.43mmol)を含有する乾燥したフラスコに、無水CH
2Cl
2(25ml)を加えた。この混合物を0℃に冷却した。次いで、CBrCl
3(0.211ml、2.15mmol、1.5当量)およびDBU(0.321ml、2.15mmol、1.5当量)を、別々に加えた。得られた混合物を室温に戻し、1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、10%NaHSO
4(30ml)、水(2×30ml)、飽和NaHCO
3水溶液(15ml)、水(30ml)、および食塩水(30ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0151】
【0152】
上記の工程10で合成した物質(1.43mmol)を含有する100mlフラスコに、N
2下で、メタノール(20ml)、t−ブチルアミン(0.226ml、2.15mmol、1.5当量)、およびPd/C(10%)(152mg、0.143mmol、0.1当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。4時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×15ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0153】
【0154】
上記の工程11で合成したアミン(1.43mmol)を含有する乾燥した25mlフラスコに、(S)−(+)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(203mg、1.72mmol、1.2当量)、HOBt(232mg、1.72mmol、1.2当量)、無水DMF(15ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.374ml、2.15mmol、1.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(330mg、1.72mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(150ml)/水(50ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×30ml)により抽出した。合わせた有機層を水(50ml)、10%NaHSO
4水溶液(50ml)、水(30ml)、飽和NaHCO
3(50ml)、および食塩水(2×50ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0155】
【0156】
乾燥したフラスコに、工程12で合成した粗物質(1.43mmol)、THF(13ml)、および2−プロパノール(40ml)を加えた。この溶液を0℃に冷却した後、固体の水素化ホウ素リチウム(467mg、21.45mmol、15当量)を加えた。得られた混合物を室温に戻し、18時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。出発原料はほぼ残存していなかった。反応混合物を0℃に冷却した。2−プロパノール(40ml)および水(80ml)を加えた後、NH
4Cl(7.6g、143mmol、100当量)を加えた。反応混合物を1時間攪拌してEtOAc(400ml)/水(100ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×100ml)により抽出した。合わせた有機層を水(3×100ml)、10%NaHSO
4水溶液(2×100ml)、水(2×100ml)、飽和NaHCO
3(100ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、残査をフラッシュカラムクロマトグラフィー(純粋EtOAcから7%MeCN/EtOAcに)により精製して、所望の生成物(215mg、0.340mmol、7工程に対して24%)を灰白色固体として得た。
【0157】
化合物85の合成
【0158】
乾燥した250mlフラスコに、5−フルオロ−DL−トリプトファン(6.0g、27.0mmol)および無水メタノール(120ml)を加えた。この懸濁液を0℃に冷却した後、6℃未満に反応温度を維持するような速度で、クロロトリメチルシラン(15.4ml、121.5mmol、4.5当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で20時間攪拌した。反応をTLCによりモニターした。大部分の揮発性物質を減圧下で蒸発させた。この粗製物を次の工程に使用した。
【0159】
【0160】
磁気撹拌棒が入った乾燥した250mlフラスコに、上記の工程1で合成したアミン塩(27mmol)、Cbz−L−α−t−ブチルグリシンDCHA塩(13.26g、29.7mmol、1.1当量)、HOBt(4.01、29.7mmol、1.1当量)、無水DMF(100ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(14.1ml、81mmol、3.0当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(5.69g、29.7mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。次いで、残査をEtOAc(700ml)/水(200ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を水(100ml)、10%NaHSO
4水溶液(100ml)、水(100ml)、飽和NaHCO
3(100ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0161】
【0162】
DDQ(15.32g、67.5mmol、2.5当量)のTHF溶液(100ml)を、上記の工程2で合成した化合物(27mmol)のTHF還流溶液(300ml)に加え、この暗溶液を油浴中にて、85℃で1時間保持した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残査を酢酸エチル(700ml)に溶解し、NaHCO
3(15g)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、フリット漏斗を通して濾過した。濾液を、水(200ml)、飽和NaHCO
3水溶液(2×200ml)、水(2×200ml)、食塩水(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中の5%EtOAc)により精製した。これにより、6.42g(収率50%)の生成物を得た。
【0163】
【0164】
上記の工程3で合成した物質(6.42g、13.4mmol)を含有する250mlフラスコに、N
2下で、メタノール(60ml)およびPd/C(10%)(1.43g、1.34mmol、0.1当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。1時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×15ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0165】
【0166】
磁気撹拌棒が入った乾燥した100mlフラスコに、工程4で合成したアミン(13.4mmol)、Cbz−L−チロシン(4.65g、14.74mmol、1.1当量)、HOBt(2.0、14.74mmol、1.1当量)、無水DMF(40ml)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(2.83g、14.74mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(500ml)/水(150ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×100ml)により抽出した。合わせた有機層を水(200ml)、10%NaHSO
4水溶液(150ml)、水(150ml)、飽和NaHCO
3(150ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0167】
【0168】
ガラスシリンダー(直径6cm×高さ11cm)と9本の垂直グラファイト棒(直径6.15mm×長さ12cm)を支持するカスタムラック(ポリプロピレンおよびナイロン)とを使用して、電気化学電池を組み立てた。6つの陽極および3つの陰極を有するこれらの棒を、環のパターンに配置した。電極を深さ6.5cmに浸した。上記の工程5で合成したフェノール性物質(2.00g、3.11mmol)、Et
4NBF
4(2.00g、9.2mmol、3当量)、K
2CO
3(0.409g、2.96mmol、0.95当量)、およびID水(4ml)を、DMF(200ml)中に加えた。この溶液を、撹拌プレート(約600rpm)で激しく撹拌した。1.5〜1.6ボルトの電位で電気化学反応を実施した。3日後、220nMでのHPLC積分により判定すると、最初のSMの大部分は消費されていた。電気化学反応を4回反復して、工程5で合成したフェノール性物質をすべて消費させた。合わせた反応混合物をロータリーエバポレーター(浴槽温度、35℃以下)で濃縮し、真空マニホールドでさらに乾燥した。残査をEtOAc(500ml)で希釈した後、フリット漏斗を通して濾過した。濾液を水(2×200ml)、食塩水(200ml)で洗浄した。水層をEtOAc(2×50ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を、乾燥(Na
2SO
4)し濃縮した。この物質を、CH
2Cl
2中の15%MeCNを用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、3工程において収率6.4%で553mgの所望の生成物を得た。
【0169】
【0170】
工程6で合成した化合物(553mg、0.863mmol)をメタノール(17ml)に溶解し、その溶液を氷浴中で冷却した。LiOH(207mg、8.63mmol、10当量)の水溶液(2.7ml)を5分間にわたり加えた。氷浴を取り除き、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を氷浴中で冷却し、反応温度を10℃未満に維持しながら、水(20ml)、その後に1N HCl水溶液(8.8ml)を加えた。混合物を水(15ml)とEtOAc(100ml)との間で分配し、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄した。水層をEtOAc(30ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na
2SO
4)し、デカントし、蒸発させて、微細白色結晶として酸性生成物を得た。
【0171】
【0172】
磁気撹拌棒が入った乾燥した50mlフラスコに、上記の工程7で合成したカルボン酸(0.863mmol)、L−セリンメチルエステル塩酸塩(161mg、1.036mmol、1.2当量)、HOBt(140mg、1.036mmol、1.2当量)、無水DMF(15ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.346ml、1.99mmol、2.3当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(199mg、1.036mmol、1.3当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。残査をEtOAc(100ml)/水(30ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×20ml)により抽出した。合わせた有機層を水(40ml)、10%NaHSO
4水溶液(40ml)、水(40ml)、飽和NaHCO
3(40ml)、および食塩水(2×40ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0173】
【0174】
乾燥したフラスコに、上記の工程8からの粗生成物(0.863mmol)および無水CH
2Cl
2(15ml)を加えた。この反応溶液は、ドライアイス/アセトン/水の浴槽中で−20℃に冷却されるにつれて、混濁するようになった。新たに調製したビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.239ml、1.29mmol、1.5当量)のCH
2Cl
2(2ml)原液を、滴下して加えた。得られた反応混合物を−20℃で1時間撹拌し、室温に温めた。飽和NaHCO
3水溶液(10ml)の添加により、反応混合物をクエンチし、EtOAc(50ml)で希釈し、水(2×15ml)および食塩水(20ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0175】
【0176】
上記の工程9からの粗生成物(0.866mmol)を含有する乾燥したフラスコに、無水CH
2Cl
2(15ml)を加えた。この混合物を0℃に冷却した。次いで、CBrCl
3(0.128ml、1.29mmol、1.5当量)およびDBU(0.193ml、1.29mmol、1.5当量)を、別々に加えた。得られた混合物を室温に戻し、1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、10%NaHSO
4(15ml)、水(2×15ml)、飽和NaHCO
3水溶液(15ml)、水(15ml)、および食塩水(15ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0177】
【0178】
上記の工程10で合成した物質(0.863mmol)を含有する50mlフラスコに、N
2下で、メタノール(12ml)、t−ブチルアミン(0.137ml、1.3mmol、1.5当量)、およびPd/C(10%)(91mg、0.0863mmol、0.1当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。4時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×10ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0179】
【0180】
上記の工程11で合成したアミン(0.863mmol)を含有する乾燥した25mlフラスコに、(S)−(+)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(122mg、1.036mmol、1.2当量)、HOBt(140mg、1.036mmol、1.2当量)、無水DMF(10ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.225ml、1.29mmol、1.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(199mg、1.036mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(100ml)/水(30ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×20ml)により抽出した。合わせた有機層を水(30ml)、10%NaHSO
4水溶液(30ml)、水(30ml)、飽和NaHCO
3(30ml)、および食塩水(2×30ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0181】
【0182】
乾燥したフラスコに、工程12で合成した粗物質(0.863mmol)、THF(10ml)、および2−プロパノール(30ml)を加えた。この溶液を0℃に冷却した後、固体の水素化ホウ素リチウム(282mg、12.95mmol、15当量)を加えた。得られた混合物を室温に戻し、22時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。出発原料はほぼ残存していなかった。反応混合物を0℃に冷却した。2−プロパノール(24ml)および水(40ml)を加えた後、NH
4Cl(4.6g、86.3mmol、100当量)を加えた。反応混合物を1時間攪拌してEtOAc(250ml)/水(50ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を水(3×100ml)、10%NaHSO
4水溶液(2×100ml)、水(2×100ml)、飽和NaHCO
3(100ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、残査をフラッシュカラムクロマトグラフィー(70%EtOAc/DCM)により精製して、所望の生成物(124mg、0.192mmol、7工程に対して22%)を灰白色固体として得た。
【0183】
化合物86の合成
【0184】
乾燥した250mlフラスコに、5−フルオロ−DL−トリプトファン(5.0g、22.5mmol)および無水メタノール(120ml)を加えた。この懸濁液を0℃に冷却した後、6℃未満に反応温度を維持するような速度で、クロロトリメチルシラン(12.8ml、101.3mmol、4.5当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で20時間攪拌した。反応をTLCによりモニターした。大部分の揮発性物質を減圧下で蒸発させた。この粗製物を次の工程に使用した。
【0185】
【0186】
磁気撹拌棒が入った乾燥した250mlフラスコに、上記の工程1で合成したアミン塩(22.5mmol)、Cbz−L−バリン(6.22g、24.75mmol、1.1当量)、HOBt(3.34、24.75mmol、1.1当量)、無水DMF(80ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(11.8ml、67.5mmol、3.0当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(4.74g、24.75mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。次いで、残査をEtOAc(600ml)/水(200ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を水(100ml)、10%NaHSO
4水溶液(100ml)、水(100ml)、飽和NaHCO
3(100ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0187】
【0188】
DDQ(12.8g、56.25mmol、2.5当量)のTHF溶液(500ml)を、上記の工程2で合成した化合物(22.5mmol)のTHF還流溶液(250ml)に加え、この暗溶液を油浴中にて、85℃で1時間保持した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残査を酢酸エチル(600ml)に溶解し、NaHCO
3(13g)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、フリット漏斗を通して濾過した。濾液を、水(200ml)、飽和NaHCO
3水溶液(2×200ml)、水(2×200ml)、食塩水(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中の5%EtOAc)により精製した。これにより、4.63g(収率44.2%)の生成物を得た。
【0189】
【0190】
上記の工程3で合成した物質(4.63g、9.94mmol)を含有する250mlフラスコに、N
2下で、メタノール(50ml)およびPd/C(10%)(530mg、0.497mmol、0.05当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。1時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×15ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0191】
【0192】
磁気撹拌棒が入った乾燥した100mlフラスコに、工程4で合成したアミン(9.94mmol)、Cbz−L−チロシン(3.45g、10.93mmol、1.1当量)、HOBt(1.48、10.93mmol、1.1当量)、無水DMF(30ml)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(2.10g、10.93mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(400ml)/水(150ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×100ml)により抽出した。合わせた有機層を水(200ml)、10%NaHSO
4水溶液(150ml)、水(150ml)、飽和NaHCO
3(150ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物(6.58g)を次の工程に直接使用した。
【0193】
【0194】
ガラスシリンダー(直径6cm×高さ11cm)と9本の垂直グラファイト棒(直径6.15mm×長さ12cm)を支持するカスタムラック(ポリプロピレンおよびナイロン)とを使用して、電気化学電池を組み立てた。6つの陽極および3つの陰極を有するこれらの棒を、環のパターンに配置した。電極を深さ6.5cmに浸した。上記の工程5で合成したフェノール性物質(2.00g、3.18mmol)、Et
4NBF
4(2.00g、9.2mmol、3当量)、K
2CO
3(0.44g、3.18mmol、1.0当量)、およびID水(4ml)を、DMF(200ml)中に加えた。この溶液を、撹拌プレート(約600rpm)で激しく撹拌した。1.5〜1.6ボルトの電位で電気化学反応を実施した。3日後、220nMでのHPLC積分により判定すると、最初のSMの大部分は消費されていた。電気化学反応を4回反復して、工程5で合成したフェノール性物質をすべて消費させた。合わせた反応混合物をロータリーエバポレーター(浴槽温度、35℃以下)で濃縮し、真空マニホールドでさらに乾燥した。残査をEtOAc(500ml)で希釈した後、フリット漏斗を通して濾過した。濾液を水(2×200ml)、食塩水(200ml)で洗浄した。水層をEtOAc(2×50ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を、乾燥(Na
2SO
4)し濃縮した。この物質を、CH
2Cl
2中の15%MeCNを用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、3工程において収率14%で900mgの所望の生成物を得た。
【0195】
【0196】
工程6で合成した化合物(900mg、1.43mmol)をメタノール(28ml)に溶解し、その溶液を氷浴中で冷却した。LiOH(344mg、14.3mmol、10当量)の水溶液(4.5ml)を5分間にわたり加えた。氷浴を取り除き、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を氷浴中で冷却し、反応温度を10℃未満に維持しながら、水(40ml)、その後に1N HCl水溶液(14.5ml)を加えた。混合物を水(25ml)とEtOAc(200ml)との間で分配し、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄した。水層をEtOAc(50ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na
2SO
4)し、デカントし、蒸発させて、微細白色結晶として酸性生成物を得た。
【0197】
【0198】
磁気撹拌棒が入った乾燥した50mlフラスコに、上記の工程7で合成したカルボン酸(1.43mmol)、L−セリンメチルエステル塩酸塩(268mg、1.72mmol、1.2当量)、HOBt(232mg、1.72mmol、1.2当量)、無水DMF(15ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.624ml、3.58mmol、2.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(330mg、1.72mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。残査をEtOAc(150ml)/水(50ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×30ml)により抽出した。合わせた有機層を水(60ml)、10%NaHSO
4水溶液(60ml)、水(60ml)、飽和NaHCO
3(60ml)、および食塩水(2×60ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0199】
【0200】
乾燥したフラスコに、上記の工程8からの粗生成物(1.43mmol)および無水CH
2Cl
2(25ml)を加えた。この反応溶液は、ドライアイス/アセトン/水の浴槽中で−20℃に冷却されるにつれて、混濁するようになった。新たに調製したビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.395ml、2.15mmol、1.5当量)のCH
2Cl
2(4ml)原液を、滴下して加えた。得られた反応混合物を−20℃で1時間撹拌し、室温に温めた。飽和NaHCO
3水溶液(15ml)の添加により、反応混合物をクエンチし、EtOAc(100ml)で希釈し、水(2×20ml)および食塩水(30ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0201】
【0202】
上記の工程9からの粗生成物(1.43mmol)を含有する乾燥したフラスコに、無水CH
2Cl
2(25ml)を加えた。この混合物を0℃に冷却した。次いで、CBrCl
3(0.211ml、2.15mmol、1.5当量)およびDBU(0.321ml、2.15mmol、1.5当量)を、別々に加えた。得られた混合物を室温に戻し、1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、10%NaHSO
4(30ml)、水(2×30ml)、飽和NaHCO
3水溶液(15ml)、水(30ml)、および食塩水(30ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0203】
【0204】
フラスコに、工程10からの生成物(0.735mmol)、メタノール(30ml)、アンモニア水溶液(28%、15ml)を加えた。得られた反応混合物を室温で24時間攪拌した。反応をTLCによりモニターした。大部分のメタノールを減圧下で蒸発させた。残査を酢酸エチル(3×30ml)により抽出し、2%NaHSO
4(30ml)、水(30ml)、5%NaHCO
3(30ml)、食塩水(30ml)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に使用した。
【0205】
【0206】
上記の工程11で合成した物質(0.735mmol)を含有する100mlフラスコに、N
2下で、メタノール(20ml)、t−ブチルアミン(0.116ml、1.1mmol、1.5当量)、およびPd/C(10%)(78mg、0.052mmol、0.1当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。4時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×15ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0207】
【0208】
上記の工程12で合成したアミン(0.735mmol)を含有する乾燥した25mlフラスコに、(S)−(+)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(104mg、0.882mmol、1.2当量)、HOBt(119mg、0.882mmol、1.2当量)、無水DMF(10ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.192ml、1.1mmol、1.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(169mg、0.882mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(100ml)/水(30ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×30ml)により抽出した。合わせた有機層を水(50ml)、10%NaHSO
4水溶液(50ml)、水(30ml)、飽和NaHCO
3(50ml)、および食塩水(2×50ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0209】
【0210】
乾燥したフラスコに、工程13で合成した粗物質(0.735mmol)、ジオキサン(10ml)、およびCH
2Cl
2(10ml)、およびピリジン(1.2ml、14.7mmol)を加えた。この溶液を−17℃に冷却した後、−10〜−17℃で無水トリフルオロ酢酸(1.5ml、11mmol)を加えた。添加後、得られた混合物を−15℃で1時間撹拌した。次いで、NH
3水溶液(28%、10ml)を−15℃で滴下して加えた後、室温に温め、1時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で除去した。残査を酢酸エチル(3×20ml)により抽出し、水(2×20ml)、5%NaHSO
4(20ml)、水(20ml)、飽和NaHCO
3(20ml)、水(20ml)、および食塩水(20ml)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥した。濃縮後、残査をフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%MeCN/DCMから40%MeCN/DCMに)により精製して、所望の生成物(115mg、0.184mmol、8工程に対して25%)を灰白色固体として得た。
【0211】
化合物87の合成
【0212】
乾燥した250mlフラスコに、5−フルオロ−DL−トリプトファン(6.0g、27.0mmol)および無水メタノール(120ml)を加えた。この懸濁液を0℃に冷却した後、6℃未満に反応温度を維持するような速度で、クロロトリメチルシラン(15.4ml、121.5mmol、4.5当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で20時間攪拌した。反応をTLCによりモニターした。大部分の揮発性物質を減圧下で蒸発させた。この粗製物を次の工程に使用した。
【0213】
【0214】
磁気撹拌棒が入った乾燥した250mlフラスコに、上記の工程1で合成したアミン塩(27mmol)、Cbz−L−α−t−ブチルグリシンDCHA塩(13.26g、29.7mmol、1.1当量)、HOBt(4.01、29.7mmol、1.1当量)、無水DMF(100ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(14.1ml、81mmol、3.0当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(5.69g、29.7mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。次いで、残査をEtOAc(700ml)/水(200ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50ml)により抽出した。合わせた有機層を水(100ml)、10%NaHSO
4水溶液(100ml)、水(100ml)、飽和NaHCO
3(100ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0215】
【0216】
DDQ(15.32g、67.5mmol、2.5当量)のTHF溶液(100ml)を、上記の工程2で合成した化合物(27mmol)のTHF還流溶液(300ml)に加え、この暗溶液を油浴中にて、85℃で1時間保持した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残査を酢酸エチル(700ml)に溶解し、NaHCO
3(15g)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、フリット漏斗を通して濾過した。濾液を、水(200ml)、飽和NaHCO
3水溶液(2×200ml)、水(2×200ml)、食塩水(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中の5%EtOAc)により精製した。これにより、6.42g(収率50%)の生成物を得た。
【0217】
【0218】
上記の工程3で合成した物質(6.42g、13.4mmol)を含有する250mlフラスコに、N
2下で、メタノール(60ml)およびPd/C(10%)(1.43g、1.34mmol、0.1当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。1時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×15ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0219】
【0220】
磁気撹拌棒が入った乾燥した100mlフラスコに、工程4で合成したアミン(13.4mmol)、Cbz−L−チロシン(4.65g、14.74mmol、1.1当量)、HOBt(2.0、14.74mmol、1.1当量)、無水DMF(40ml)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(2.83g、14.74mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(500ml)/水(150ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×100ml)により抽出した。合わせた有機層を水(200ml)、10%NaHSO
4水溶液(150ml)、水(150ml)、飽和NaHCO
3(150ml)、および食塩水(2×100ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0221】
【0222】
ガラスシリンダー(直径6cm×高さ11cm)と9本の垂直グラファイト棒(直径6.15mm×長さ12cm)を支持するカスタムラック(ポリプロピレンおよびナイロン)とを使用して、電気化学電池を組み立てた。6つの陽極および3つの陰極を有するこれらの棒を、環のパターンに配置した。電極を深さ6.5cmに浸した。上記の工程5で合成したフェノール性物質(2.00g、3.11mmol)、Et
4NBF
4(2.00g、9.2mmol、3当量)、K
2CO
3(0.409g、2.96mmol、0.95当量)、およびID水(4ml)を、DMF(200ml)中に加えた。この溶液を、撹拌プレート(約600rpm)で激しく撹拌した。1.5〜1.6ボルトの電位で電気化学反応を実施した。3日後、220nMでのHPLC積分により判定すると、最初のSMの大部分は消費されていた。電気化学反応を4回反復して、工程5で合成したフェノール性物質をすべて消費させた。合わせた反応混合物をロータリーエバポレーター(浴槽温度、35℃以下)で濃縮し、真空マニホールドでさらに乾燥した。残査をEtOAc(500ml)で希釈した後、フリット漏斗を通して濾過した。濾液を水(2×200ml)、食塩水(200ml)で洗浄した。水層をEtOAc(2×50ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を、乾燥(Na
2SO
4)し濃縮した。この物質を、CH
2Cl
2中の15%MeCNを用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、3工程において収率6.4%で553mgの所望の生成物を得た。
【0223】
【0224】
工程6で合成した化合物(553mg、0.863mmol)をメタノール(17ml)に溶解し、その溶液を氷浴中で冷却した。LiOH(207mg、8.63mmol、10当量)の水溶液(2.7ml)を5分間にわたり加えた。氷浴を取り除き、混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を氷浴中で冷却し、反応温度を10℃未満に維持しながら、水(20ml)、その後に1N HCl水溶液(8.8ml)を加えた。混合物を水(15ml)とEtOAc(100ml)との間で分配し、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄した。水層をEtOAc(30ml)で連続して抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na
2SO
4)し、デカントし、蒸発させて、微細白色結晶として酸性生成物を得た。
【0225】
【0226】
磁気撹拌棒が入った乾燥した50mlフラスコに、上記の工程7で合成したカルボン酸(0.863mmol)、L−セリンメチルエステル塩酸塩(161mg、1.036mmol、1.2当量)、HOBt(140mg、1.036mmol、1.2当量)、無水DMF(15ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.346ml、1.99mmol、2.3当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(199mg、1.036mmol、1.3当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で蒸発させた。残査をEtOAc(100ml)/水(30ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×20ml)により抽出した。合わせた有機層を水(40ml)、10%NaHSO
4水溶液(40ml)、水(40ml)、飽和NaHCO
3(40ml)、および食塩水(2×40ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0227】
【0228】
乾燥したフラスコに、上記の工程8からの粗生成物(0.863mmol)および無水CH
2Cl
2(15ml)を加えた。この反応溶液は、ドライアイス/アセトン/水の浴槽中で−20℃に冷却されるにつれて、混濁するようになった。新たに調製したビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.239ml、1.29mmol、1.5当量)のCH
2Cl
2(2ml)原液を、滴下して加えた。得られた反応混合物を−20℃で1時間撹拌し、室温に温めた。飽和NaHCO
3水溶液(10ml)の添加により、反応混合物をクエンチし、EtOAc(50ml)で希釈し、水(2×15ml)および食塩水(20ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0229】
【0230】
上記の工程9からの粗生成物(0.866mmol)を含有する乾燥したフラスコに、無水CH
2Cl
2(15ml)を加えた。この混合物を0℃に冷却した。次いで、CBrCl
3(0.128ml、1.29mmol、1.5当量)およびDBU(0.193ml、1.29mmol、1.5当量)を、別々に加えた。得られた混合物を室温に戻し、1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、10%NaHSO
4(15ml)、水(2×15ml)、飽和NaHCO
3水溶液(15ml)、水(15ml)、および食塩水(15ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この残渣を次の工程に直接使用した。
【0231】
【0232】
フラスコに、工程10からの生成物(0.52mmol)、メタノール(25ml)、アンモニア水溶液(28%、10ml)を加えた。得られた反応混合物を室温で24時間攪拌した。反応をTLCによりモニターした。大部分のメタノールを減圧下で蒸発させた。残査を酢酸エチル(3×30ml)により抽出し、2%NaHSO
4(30ml)、水(30ml)、5%NaHCO
3(30ml)、食塩水(30ml)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に使用した。
【0233】
【0234】
上記の工程11で合成した物質(0.52mmol)を含有する100mlフラスコに、N
2下で、メタノール(10ml)、t−ブチルアミン(0.082ml、0.78mmol、1.5当量)、およびPd/C(10%)(55mg、0.052mmol、0.1当量)を加えた。H
2バルーンを付加して、そのフラスコをH
2で4回パージした。次いで、H
2バルーンを反応系に開放した。4時間の攪拌後、出発原料はほぼ残存していなかった。反応を停止した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、黒色ケークをメタノール(3×15ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、残査はさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0235】
【0236】
上記の工程12で合成したアミン(0.52mmol)を含有する乾燥した25mlフラスコに、(S)−(+)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(74mg、0.624mmol、1.2当量)、HOBt(85mg、0.624mmol、1.2当量)、無水DMF(10ml)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.136ml、0.78mmol、1.5当量)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却した後、EDC・HCl(120mg、0.624mmol、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物をEtOAc(100ml)/水(30ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×30ml)により抽出した。合わせた有機層を水(50ml)、10%NaHSO
4水溶液(50ml)、水(30ml)、飽和NaHCO
3(50ml)、および食塩水(2×50ml)で洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥した。濃縮後、この粗製物を次の工程に直接使用した。
【0237】
【0238】
乾燥したフラスコに、工程13で合成した粗物質(0.52mmol)、ジオキサン(7ml)、およびCH
2Cl
2(7ml)、およびピリジン(0.841ml、14.7mmol)を加えた。この溶液を−17℃に冷却した後、−10〜−17℃で無水トリフルオロ酢酸(1.1ml、7.8mmol)を加えた。添加後、得られた混合物を−15℃で1時間撹拌した。次いで、NH
3水溶液(28%、7ml)を−15℃で滴下して加えた後、室温に温め、1時間攪拌した。反応をLCMSによりモニターした。大部分の溶媒を減圧下で除去した。残査を酢酸エチル(3×20ml)により抽出し、水(2×20ml)、5%NaHSO
4(20ml)、水(20ml)、飽和NaHCO
3(20ml)、水(20ml)、および食塩水(20ml)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥した。濃縮後、残査をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%MeCN/DCMから30%MeCN/DCMに)により精製して、所望の生成物(51mg、0.080mmol、8工程に対して16%)を灰白色固体として得た。
【0239】
細胞生存率アッセイプロトコール
細胞生存率アッセイは、当業者に公知の標準プロトコールを使用して行った。細胞を、1ウェル当たり3,000〜10,000細胞の密度で、96ウェルプレートに播種した。24時間後に、漸増濃度(1nM〜1μM)の試験化合物で細胞を処理した。さらに48時間後、製造業者が提供するプロトコールに従い、Cell−Titer−Glo(登録商標)試薬(Promega)を使用して細胞生存を測定した。IC
50値を、細胞集団の50%を死滅させる試験化合物の濃度として決定した。
【0240】
代表的な生物学データ
上記のプロトコールに従って生成される細胞生存率データを、A2058およびU937細胞において代表的化合物に関し生成した。表1に示す化合物は、構造的に類似の化合物について本明細書に記載した方法により調製した。参照化合物は、構造:
を有する合成ジアゾナミドアナログとした。
【0241】
異種移植片腫瘍モデル
化合物を、5〜6週齢のHarlan Athymic Nude−Foxnlnuマウスにおける、HCC461ヒト肺癌異種移植片およびMiapaca膵臓癌異種移植片の腫瘍モデルで試験した。
【0242】
プロトコール:
腫瘍細胞の調製
腫瘍細胞を完全RPMI培地で培養し、いかなる汚染も排除した。細胞が70〜80%コンフルエントになったときに、培地を除去して細胞を無血清培地で洗浄し、トリプシン処理して回収し、遠心分離により3回無血清培地で洗浄した。最後の洗浄後、細胞をカウントし、容量比率1:1でマトリゲルと混合した。注射当たり必要な細胞数が200μlに含有される容量に細胞を懸濁した。
【0243】
注射の準備
マウスの接種領域をヨード溶液およびエタノールにより清浄にして滅菌する。細胞を1cc注射器にとる。腫瘍細胞(1×10
7)をマウスの下側腹部に皮下注射(s.c.)する。腫瘍サイズが200〜300mm
3に到達したときに、1群当たりマウス5匹の処置群にマウスをランダムに割り当てた。週2回、マウスの体重を測定し、ノギスを使用して腫瘍を測定した。mm
3単位の腫瘍体積を次式により計算する:体積(mm
3)=(長さ×幅
2)/2。
【0244】
処置
化合物をクレモホール/エタノール(1:1)に原液として20mg/mlで溶解し、次いで、生理食塩水で2.5mg/mlに希釈した。化合物およびビヒクル(生理食塩水中の6.25%クレモホール/6.25%エタノール)を、合計6回の処置のために、週3回、全容積0.2mlで静脈内投与した。
【0245】
HCC461肺癌異種移植片モデルでは、腫瘍細胞注射後7、11、14、および18日目に、動物に注射した。
【0246】
Miapaca膵臓癌異種移植片モデルでは、腫瘍細胞注射後6、13、および20日目に、動物に注射した。
【0247】
結果
代表的な化合物の活性および投薬量を
図1および2に示す。
【0248】
本明細書で参照される特許、特許出願、刊行物、および文献はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記の特許、特許出願、刊行物、および文献の引用は、前述のいずれについても、関連する従来技術であることを自認するものではなく、またこれらの刊行物または文献の内容または日付に関していかなる自認も構成するものではない。
【0249】
本発明の基本態様を逸脱することなく、前述したものに修正を施すことができる。1つまたは複数の具体的な実施形態を参照して実質的に詳細に本発明を説明してきたが、本出願の具体的な開示実施形態に変更を施すことができ、しかもこれらの修正形態および改善形態が本発明の範囲および精神の範囲内であることは、当業者には理解されよう。