特許第6045158号(P6045158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6045158Vカット工法による框組風フラッシュ建具及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045158
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】Vカット工法による框組風フラッシュ建具及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/72 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   E06B3/72
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-31237(P2012-31237)
(22)【出願日】2012年2月16日
(65)【公開番号】特開2013-167101(P2013-167101A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2015年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】512039710
【氏名又は名称】株式会社 田代製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100110537
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 繁
(72)【発明者】
【氏名】山内 鉄也
(72)【発明者】
【氏名】白川 久聡
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−323743(JP,A)
【文献】 特開2011−246932(JP,A)
【文献】 実開昭60−053994(JP,U)
【文献】 特開2005−336783(JP,A)
【文献】 実開平07−023508(JP,U)
【文献】 米国特許第04716705(US,A)
【文献】 米国特許第04896471(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/68−3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部分を膨出させた表面材と、該表面材の両側部分を包囲する縦框材とからなり、前記表面材及び縦框材の内部には芯材が充填されており、前記表面材及び前記縦框材で前記芯材を包囲した構造となっているフラッシュドアにおいて、前記芯材は、両側縁に縦枠と、該縦枠の上端同士及び下端同士を連結する横枠とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠と平行に中間枠を設け、該中間枠と前記縦枠との間には所定間隔で複数の短横桟を設けると共に前記中間枠同士間には所定間隔で複数の長横桟を設け、前記表面材は、両端側に平坦部と、該平坦部から上傾斜する傾斜部と、該傾斜部の頂端部同士を連結する平面部をそれぞれ形成し、前記縦框材は、両端側に折り重ね部と、該折り重ね部から折り重ね部方向へ傾斜する折り重ね傾斜部と、該折り重ね傾斜部から平坦に連結する縦框と、該縦框を連結する側框とにより断面コ字形状に形成し、前記折り重ね部と前記折り重ね傾斜部との間に両者を重ね合わせた時に傾斜面が形成されるように断面三角形のカットを行っていることを特徴とするVカット工法による框組風フラッシュ建具。
【請求項2】
中央部分を膨出させた表面材と、該表面材の両側部分を包囲する縦框材とからなり、前記表面材及び縦框材の内部には芯材が充填されており、前記表面材及び前記縦框材で前記芯材を包囲した構造となっているフラッシュドアにおいて、前記芯材は、両側縁に縦枠と、該縦枠の上端同士及び下端同士を連結する横枠とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠と平行に中間枠を設け、該中間枠と前記縦枠との間には所定間隔で複数の短横桟を設けると共に前記中間枠同士間には所定間隔で複数の長横桟を設け、前記表面材は、両端側に平坦部と、該平坦部から上傾斜する傾斜部と、該傾斜部の頂端部同士を連結する平面部をそれぞれ形成し、前記縦框材は、両端側に折り重ね部と、該折り重ね部から平坦に連結する縦框と、該縦框を連結する側框とにより断面コ字形状に形成し、前記縦框材の先端側の折り重ね部と縦框との間に両者を重ね合わせた時に平行になるように断面三角形のカットを行っていることを特徴とするVカット工法による框組風フラッシュ建具。
【請求項3】
両側縁に縦枠と、該縦枠の上端同士及び下端同士を連結する横枠とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠と平行に中間枠を設け、該中間枠と前記縦枠との間には所定間隔で複数の短横桟を設けると共に前記中間枠同士間には所定間隔で複数の長横桟を設けた芯材を形成した後、前記芯材の中央部分の表面及び裏面に表面材を中間枠の凹凸に合わせて折り曲げて載置し、次に、前記芯材の両側縁の縦枠を囲むように縦框材を折り曲げて、前記縦框材の先端部の折り重ね部と折り重ね傾斜部との間に両者を重ね合わせた時に傾斜面が形成されるように断面三角形のカットを行い、順に前記折り重ね部を直角に折り曲げ、前記縦框を前記折り重ね傾斜部側へ折り曲げ、前記折り重ね傾斜部及び前記縦框全体を前記折り重ね部に折り畳むようにして、前記折り重ね部の上に前記折り重ね傾斜部及び前記縦框を重ね合わせ、折り重ねた折重ね部を中間枠の位置で前記表面材の平坦部に重ねて接着剤で前記折重ね部と平坦部とを接着することを特徴とするVカット工法による框組風フラッシュ建具の製造方法。
【請求項4】
両側縁に縦枠と、該縦枠の上端同士及び下端同士を連結する横枠とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠と平行に中間枠を設け、該中間枠と前記縦枠との間には所定間隔で複数の短横桟を設けると共に前記中間枠同士間には所定間隔で複数の長横桟を設けた芯材を形成した後、前記芯材の中央部分の表面及び裏面に表面材を中間枠の凹凸に合わせて折り曲げて載置し、次に、前記芯材の両側縁の縦枠を囲むように縦框材を折り曲げて、前記縦框材の先端側の折り重ね部と縦框との間に両者を重ね合わせた時に平行になるように断面三角形のカットを行い、前記折り重ね部及び前記縦框を前記断面三角形のカットの両側に折り畳み、折り重ねた折重ね部を中間枠の位置で前記表面材の平坦部に重ねて接着剤で前記折重ね部と平坦部とを接着することを特徴とするVカット工法による框組風フラッシュ建具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯材を設けたフラッシュ構造で、表面に化粧材を貼着したフラッシュ建具、主にフラッシュドアのVカット工法による框組風フラッシュ建具及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基材に化粧シートを貼着した表面材を用い、基材をVカット加工して化粧シートを折曲させ、ドア材、住家具の扉などの縁框材と面材とを同時に一体の板状体で形成させることが知られている(特許文献1を参照)。
この公知技術は、表面側に化粧シートを貼着した表面板と、裏面側に化粧シートを貼着した基板とにより中間に空隙を隔てて相対設した板状体を構成し、前記基板の表面側左右両側部に数条の縦向き平行のV溝を介して折曲自在に面縁框を形成し、該面縁框の端部を前記表面板の面縁框端嵌合接着用凹溝に嵌合接着することによって、前記板状体の両側に棒状の面縁框を一体に形成したものである。
【0003】
また、芯材に表面材を貼着したフラッシュ構造で、表面材の表面に化粧シートを貼着したドアが知られている(特許文献2を参照)。
この公知技術は、表面材が基材と折曲自在な化粧シートとからなり、前記基材の先端近くを折曲溝加工して曲面状に曲げて先端に鍔部を形成させ、該鍔部を芯材に刻設した溝内に挿入固定するようにしたフラッシュ構造のドアである。
【0004】
これらの公知技術では、前者は表面板の左右両側に相対して接着溜りをもった面縁框端嵌合接着用凹溝を穿設し、該凹溝に基板の面縁係合用四角形部の端部を折込み嵌合接着したものであり、後者は表面材の先端部をVカット加工で折曲して鍔部を形成し、該鍔部を芯材内の溝に挿入固定するものであり、共に両者は溝に端部を嵌合させて固定するものであって、組立製造が困難などの欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭60−53994号公報
【特許文献2】特開2003−253969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、芯材に表面材を貼着したフラッシュ建具、主にフラッシュドアの組立製造が簡易なVカット工法による框組風フラッシュ建具及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の製造方法は、両側縁に縦枠と、該縦枠の上端同士及び下端同士を連結する横枠とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠と平行に中間枠を設け、該中間枠と前記縦枠との間には所定間隔で複数の短横桟を設けると共に前記中間枠同士間には所定間隔で複数の長横桟を設けた芯材を形成した後、前記芯材の中央部分の表面及び裏面に表面材を中間枠の凹凸に合わせて折り曲げて載置し、次に、前記芯材の両側縁の縦枠を囲むように縦框材を折り曲げて、前記縦框材の先端部の折り重ね部と折り重ね傾斜部との間に両者を重ね合わせた時に傾斜面が形成されるように断面三角形のカットを行い、順に前記折り重ね部を直角に折り曲げ、前記縦框を前記折り重ね傾斜部側へ折り曲げ、前記折り重ね傾斜部及び前記縦框全体を前記折り重ね部に折り畳むようにして、前記折り重ね部の上に前記折り重ね傾斜部及び前記縦框を重ね合わせ、折り重ねた折重ね部を中間枠の位置で前記表面材の平坦部に重ねて接着剤で前記折重ね部と平坦部とを接着するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具は、中央部分を膨出させた表面材と、該表面材の両側部分を包囲する縦框材とからなり、前記表面材及び縦框材の内部には芯材が充填されており、前記表面材及び前記縦框材で前記芯材を包囲した構造となっているフラッシュドアにおいて、前記芯材は、両側縁に縦枠と、該縦枠の上端同士及び下端同士を連結する横枠とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠と平行に中間枠を設け、該中間枠と前記縦枠との間には所定間隔で数の短横桟を設けると共に前記中間枠同士間には所定間隔で複数の長横桟を設け、前記表面材は、両端側に平坦部と、該平坦部から上傾斜する傾斜部と、該傾斜部の頂端部同士を連結する平面部をそれぞれ形成し、前記縦框材は、両端側に折り重ね部と、該折り重ね部から折り重ね部方向へ傾斜する折り重ね傾斜部と、該折り重ね傾斜部から平坦に連結する縦框と、該縦框を連結する側框とにより断面コ字形状に形成し、前記折り重ね部と前記折り重ね傾斜部との間に両者を重ね合わせた時に傾斜面が形成されるように断面三角形のカットを行った構造となっているため、フラッシュドアの組立製造が簡易に行うことができると共に、框風ドアの意匠効果に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の正面図である。
図2図1のA-A矢視断面図である。
図3】芯材の正面図である。
図4図3のB-B矢視図である。
図5】本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の要部分解斜視図である。
図6】折り重ね部の折り重ね作成手順を示す概略説明図である。
図7】縦框及び側框の折り曲げ作成手順を示す概略説明図である。
図8】本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の他の実施例の正面図である。
図9図8のC-C矢視断面図である。
図10】芯材の正面図である。
図11図10のD−D矢視図である。
図12】本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の別の実施例の正面図である。
図13図12のE-E矢視断面図である。
図14】芯材の正面図である。
図15図14のF−F矢視図である。
図16】折り重ね部の折り重ね作成手順を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の正面図に示すように、本発明の框組風フラッシュ建具としてのフラッシュドア1は、中央部分を膨出させた表面材2と、該表面材2の両側部分を包囲する縦框材3とからなり、図2図1A-A矢視断面図に示すように、前記フラッシュドア1の内部には図3の正面図に示す芯材4が充填されており、該芯材4の表裏面を前記表面材2及び縦框材3で包囲した構造となっている。なお、番号5はフラッシュドア1を開閉するためのレバーハンドルである。
【0011】
前記表面材2は、木製合板やチップボードなどの基材6と該基材6の表面に貼着した合成樹脂製の折曲可能な化粧シート7からなり、前記芯材4の構造に合わせて前記基材6の4個所にVカット溝加工を行い、図5の要部分解斜視図の表面材2に示すように、両端側に平坦部8,8と、該平坦部8,8から上傾斜する傾斜部9,9と、該傾斜部9,9の頂端部同士を連結する平面部10をそれぞれ折り曲げ形成する。なお、前記平面部10は図面上では一部をカットして省略して示している。
【0012】
前記縦框材3は、木製合板やチップボードなどの基材6と該基材6の表面に貼着した合成樹脂製の折曲可能な化粧シート7からなり、前記芯材4の構造に合わせて前記基材6の8個所にVカット溝加工を行い、図5の要部分解斜視図の縦框材3に示すように、両端側に折り重ね部11,11と、該折り重ね部11,11から折り重ね部方向へ傾斜する折り重ね傾斜部12,12と、該折り重ね傾斜部12,12から平坦に連結する縦框13,13と、該縦框13,13を連結する側框14とにより断面コ字形状に折り曲げ形成する。
【0013】
前記折り重ね部11の折り重ね作成手順は、図6の概略説明図に示すように、化粧シート7を残して基材6にVカット溝加工を行い、折り重ね部11と折り重ね傾斜部12との間に両者を重ね合わせた時に傾斜面が形成されるように断面三角形のカット15を行い、順に前記折り重ね部11を直角に折り曲げ、前記縦框13を前記折り重ね傾斜部12側へ折り曲げ、前記折り重ね傾斜部12及び前記縦框13全体を前記折り重ね部11に折り畳むようにして、前記折り重ね部11の上に前記折り重ね傾斜部12及び前記縦框13を重ね合わせて形成する。
【0014】
また、前記縦框13及び前記側框14の折り曲げ作成手順は、図7の概略説明図に示すように、化粧シート7を残して基材6にVカット溝加工を行い、縦框13と側框14との間に両者を折り曲げた時に面取り面が形成されるように断面四角形のカット16を行い、両者を前記断面四角形のカット16の両側に折り畳むようにして形成する。
【0015】
前記芯材4は、図3の正面図及び図5の要部分解斜視図の芯材4に示すように、両側縁に縦枠17,17と、該縦枠17,17の上端同士及び下端同士を連結する横枠18,18とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠17,17と平行に中間枠19,19を設け、該中間枠19と前記縦枠17との間には所定間隔で数の短横桟20を設けると共に前記中間枠19,19同士間には所定間隔で複数の長横桟21を設ける。なお、レバーハンドル5の位置にはレバーハンドル取付部22を設ける。
【0016】
前記横枠18,18は、図4図3B−B矢視図に示すように、前記縦枠17,17間に連結固定され、前記縦框材3の縦框13が載置される平坦部23と、前記縦框材3の折り重ね部11と前記表面材2の平坦部8との重ね厚さだけ下がった段差部24と、該段差部24から徐々に上昇する傾斜面25と、該傾斜面25に続いて前記平坦部23と同等高さの平面部26とから構成される。なお、前記平坦部23と前記平面部26とは図面上では一部をカットして省略して示している。
【0017】
前記中間枠19,19は、図2に示すように、断面H字形状を形成する凸部27と該凸部27を連結する凹部28とからなり、前記凸部27の突出部分の高さは前記凹部28位置から前記縦框材3の折り重ね部11と前記表面材2の平坦部8との重ね厚さ分である。
【0018】
次に、本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の製造手順を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図3に示すように、両側縁に縦枠17,17と、該縦枠17,17の上端同士及び下端同士を連結する横枠18,18とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠17,17と平行に中間枠19,19を設け、該中間枠19と前記縦枠17との間には所定間隔で数の短横桟20を設けると共に前記中間枠19,19同士間には所定間隔で複数の長横桟21を設けた芯材4を形成した後、前記芯材4の中央部分の表面及び裏面に、図2に示すように、前記表面材2を中間材19の凹凸に合わせて折り曲げて載置する。
そして、前記芯材4の両側縁の縦枠17を囲むように縦框材3を断面コ字形状に折り曲げて、前記縦框材3の先端部を図6に示すように折り重ね部11、折り重ね傾斜部12、縦框13を折り重ね、図2に示すように折り重ねた折重ね部11を前記中間枠19の位置で前記表面材2の平坦部8に重ねて木工ボンドなどの接着剤で前記重ね部11と平坦部8とを接着する。
このようにして、図1に示す本発明のVカット工法による框組風フラッシュドア1が完成する。
【0019】
本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の他の実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図8の正面図に示すように、他の実施例の框組風フラッシュ建具のフラッシュドア29は、中央部分の2個所を膨出させた表面材30と、該表面材30の両側部分を包囲する縦框材3とからなり、図9図8C-C矢視断面図に示すように、前記フラッシュドア29の内部には芯材31が充填されており、該芯材31の表裏面を前記表面材30及び縦框材3で包囲した構造となっている。なお、番号5はフラッシュドア29を開閉するためのレバーハンドルである。
【0020】
前記芯材31は、図10の正面図に示すように、両側縁に縦枠17,17と、該縦枠17,17の上端同士及び下端同士を連結する横枠32,32とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠17,17と平行に中間枠19,19,19を設け、該中間枠19と前記縦枠17との間には所定間隔で数の短横桟20を設けると共に前記中間枠19,19,19同士間には所定間隔で複数の長横桟21を設ける。なお、レバーハンドル5の位置にはレバーハンドル取付部22を設ける。
【0021】
前述したフラッシュドア1との違いは、両側縁に縦枠17,17と、該縦枠17,17の上端同士及び下端同士を連結する横枠32,32とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に中間19を3個並列に並べ、前記横枠32,32を図11図10D−D矢視図に示すように、前記縦枠17,17間に連結固定され、前記縦框材3の縦框13が載置される平坦部23と、前記縦框材3の折り重ね部11と前記表面材2の平坦部8との重ね厚さだけ下がった段差部24と、該段差部24から徐々に上昇する傾斜面25と、該傾斜面25に続いて前記平坦部23と同等高さの平面部26を2個所に形成した構成とし、それに伴って表面材30に8個所のVカット溝加工を施した点である。その他の構成は前述したフラッシュドア1と同様である。
このようにすることにより、前記フラッシュドア29の中央部分に膨出部が2個所形成されることで框風ドアの意匠効果に優れる。
【0022】
本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の別の実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図12の正面図に示すように、別の実施例の框組風フラッシュ建具のフラッシュドア33は、中央部分の2個所を膨出させた表面材30と、両側部分を包囲する縦框材34とからなり、図13図12E-E矢視断面図に示すように、前記フラッシュドア33の内部には芯材31が充填されており、該芯材31の表裏面を前記表面材30及び縦框材34で包囲した構造となっている。なお、番号5はフラッシュドア33を開閉するためのレバーハンドルである。
【0023】
前記芯材31は、図14の正面図に示すように、両側縁に縦枠17,17と、該縦枠17,17の上端同士及び下端同士を連結する横枠32,32とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠17,17と平行に中間枠19,19,19を設け、該中間枠19と前記縦枠17との間には所定間隔で数の短横桟20を設けると共に前記中間枠19,19,19同士間には所定間隔で複数の長横桟21を設ける。なお、レバーハンドル5の位置にはレバーハンドル取付部22を設ける。
【0024】
前記縦框材34は、木製合板やチップボードなどの基材6と該基材6の表面に貼着した合成樹脂製の折曲可能な化粧シート7からなり、前記芯材31の構造に合わせて前記基材6の8個所にVカット溝加工を行い、両端側に折り重ね部35と、該折り重ね部35から平坦に連結する縦框13と、該縦框13を連結する側框14とにより断面コ字形状に折り曲げ形成し、図16の概略説明図に示すように、前記縦框材34の先端側折り重ね部35と縦框13との間に両者を重ね合わせた時に平行になるように断面三角形のカット36を行い、両者を前記断面三角形36の両側に折り畳むようにして形成する。その他の構成は前述したフラッシュドア29と同様である。
【0025】
次に、本発明のVカット工法による框組風フラッシュ建具の別の実施例の製造手順を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図14に示すように、両側縁に縦枠17,17と、該縦枠17,17の上端同士及び下端同士を連結する横枠32,32とで矩形枠を形成し、該矩形枠の内側に前記縦枠17,17と平行に中間枠19,19,19を設け、該中間枠19と前記縦枠17との間には所定間隔で数の短横桟20を設けると共に前記中間枠19,19,19同士間には所定間隔で複数の長横桟21を設けた芯材31を形成した後、前記芯材31の中央部分の表面及び裏面に、図13に示すように、前記表面材30を中間19の凹凸に合わせて折り曲げて載置する。
そして、前記芯材31の両側縁の縦枠17を囲むように縦框材34を折り曲げて、前記縦框材34の先端部を図16に示すように折り重ね部35、断面三角形のカット36、縦框13を折り重ね、図13に示すように折り重ねた折重ね部35を前記表面材30の平坦部8に重ねて木工ボンドなどの接着剤で前記重ね部35と平坦部8とを接着する。
このようにして、図12に示す本発明のVカット工法による框組風フラッシュドア33が完成する。
【符号の説明】
【0026】
1 フラッシュドア
2 表面材
3 縦框材
4 芯材
5 レバーハンドル
6 基材
7 化粧シート
8 平坦部
9 傾斜部
10 平面部
11 折り重ね部
12 折り重ね傾斜部
13 縦框
14 側框
15 断面三角形のカット
16 断面四角形のカット
17 縦枠
18 横枠
19 中間
20 短横桟
21 長横桟
22 レバーハンドル取付部
23 平坦部
24 段差部
25 傾斜面
26 平面部
27 凸部
28 凹部
29 フラッシュドア
30 表面材
31 芯材
32 横枠
33 フラッシュドア
34 縦框材
35 折り重ね部
36 断面三角形のカット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16