特許第6045246号(P6045246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045246
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】光源の点灯装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20161206BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20161206BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20161206BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20161206BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20161206BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20161206BHJP
【FI】
   F21S8/10 160
   F21V15/01
   F21V23/06
   F21V23/00 130
   F21V23/00 160
   F21S8/10 154
   F21W101:10
   F21Y101:00 300
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-174898(P2012-174898)
(22)【出願日】2012年8月7日
(65)【公開番号】特開2014-35814(P2014-35814A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(72)【発明者】
【氏名】望月 昭啓
(72)【発明者】
【氏名】矢敷 哲
【審査官】 石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−012536(JP,A)
【文献】 特開平10−241792(JP,A)
【文献】 特開2009−259498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21V 15/01
F21V 23/00−23/06
H01R 13/40−13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し少なくとも一部が金属材料によって形成されたケース体と、
前記ケース体に配置された制御回路と、
前記制御回路に接続され前記ケース体に配置された出力コネクターとを備え、
前記出力コネクターは前記制御回路との接続点側から前記ケース体の外方へ向けて突出され、
前記出力コネクターには光源に電源を供給するハーネスに接続されたソケットが接続され、
前記ケース体には前記開口部を閉塞する閉塞面部を有し前記出力コネクターの外周側に位置するシールド板が取り付けられ、
前記ソケットの外周面の少なくとも一部を覆う遮蔽面部と前記遮蔽面部に対して折り曲げられ前記ソケットが前記出力コネクターに接続された状態において前記シールド板の一部に重ね合わされる鍔部とを有する遮蔽板が設けられ
前記ソケットに、先端側に位置するコネクター接続部と前記コネクター接続部に対して傾斜された傾斜部とが設けられ、
前記遮蔽板に前記遮蔽面部から突出され前記傾斜部の外周面を覆う覆い面部が設けられた
ことを特徴とする光源の点灯装置。
【請求項2】
前記シールド板に、前記閉塞面部に対して折り曲げられ前記出力コネクターの外面に対向して位置された折曲部が設けられ、
前記ソケットが前記出力コネクターに接続された状態において前記折曲部が前記遮蔽面部と接触されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の光源の点灯装置。
【請求項3】
前記遮蔽板に前記遮蔽面部から突出され前記傾斜部の一部を覆う突面部が設けられ、
前記突面部と前記覆い面部が重ね合わされるようにした
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源の点灯装置。
【請求項4】
前記光源がカバーと前記光源の交換用の挿入孔を有するランプボデイとを備えた車輌用前照灯に用いられ、
前記ケース体が前記ランプボデイに取り付けられ前記挿入孔を閉塞するバックカバーとして用いられた
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光源の点灯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光源の点灯装置に関する。詳しくは、ソケットを遮蔽する遮蔽板に、ケース体に取り付けられるシールド板の一部に重ね合わされる鍔部を設けて電磁ノイズに対する遮蔽性の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
光源の点灯装置として、例えば、車輌用前照灯に用いられる点灯装置があり、このような点灯装置としては、例えば、光源として設けられた放電灯を点灯させるための点灯装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された点灯装置を有する車輌用前照灯にあっては、放電灯の後端部にバルブソケットが接続され、バルブソケットの内部に放電灯を始動するスターターが設けられている。バルブソケットにはハーネスの一端部が接続されハーネスの他端部はソケット(端子ハウジング)に設けられた接続端子(溶接端子)に接続されている。
【0004】
ランプボデイの後端部にはバックカバーが取り付けられ、バックカバーに制御回路と制御回路に接続された電力端子とが設けられている。バックカバーには電磁ノイズを遮蔽するためのシールド板が取り付けられている。
【0005】
ソケットはバックカバーに装着され、ソケットに設けられた接続端子が電力端子に接続される。ソケットがバックカバーに装着された状態において、直流電源から電力が順に制御回路、電力端子、接続端子及びハーネスを介してバルブソケットの内部に設けられたスターターに供給され、スターターによって放電灯の点灯が開始される。
【0006】
【特許文献1】特開2009−259498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載された光源の点灯装置にあっては、バックカバーにシールド板が取り付けられているが、シールド板と出力コネクターの間に隙間が存在し、この隙間から電磁ノイズが侵入し制御回路に悪影響を及ぼすおそれがあり、十分なノイズ対策が行われていなかった。
【0008】
そこで、本発明光源の点灯装置は、電磁ノイズに対する遮蔽性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
光源の点灯装置は、上記した課題を解決するために、開口部を有し少なくとも一部が金属材料によって形成されたケース体と、前記ケース体に配置された制御回路と、前記制御回路に接続され前記ケース体に配置された出力コネクターとを備え、前記出力コネクターは前記制御回路との接続点側から前記ケース体の外方へ向けて突出され、前記出力コネクターには光源に電源を供給するハーネスに接続されたソケットが接続され、前記ケース体には前記開口部を閉塞する閉塞面部を有し前記出力コネクターの外周側に位置するシールド板が取り付けられ、前記ソケットの外周面の少なくとも一部を覆う遮蔽面部と前記遮蔽面部に対して折り曲げられ前記ソケットが前記出力コネクターに接続された状態において前記シールド板の一部に重ね合わされる鍔部とを有する遮蔽板が設けられ、前記ソケットに、先端側に位置するコネクター接続部と前記コネクター接続部に対して傾斜された傾斜部とが設けられ、前記遮蔽板に前記遮蔽面部から突出され前記傾斜部の外周面を覆う覆い面部が設けられたものである。
【0010】
従って、光源の点灯装置にあっては、ソケットの外周面が遮蔽板の遮蔽面部によって覆われると共に出力コネクターとシールド板の隙間が遮蔽板の鍔部によって覆われる。
【発明の効果】
【0011】
本発明光源の点灯装置は、開口部を有し少なくとも一部が金属材料によって形成されたケース体と、前記ケース体に配置された制御回路と、前記制御回路に接続され前記ケース体に配置された出力コネクターとを備え、前記出力コネクターは前記制御回路との接続点側から前記ケース体の外方へ向けて突出され、前記出力コネクターには光源に電源を供給するハーネスに接続されたソケットが接続され、前記ケース体には前記開口部を閉塞する閉塞面部を有し前記出力コネクターの外周側に位置するシールド板が取り付けられ、前記ソケットの外周面の少なくとも一部を覆う遮蔽面部と前記遮蔽面部に対して折り曲げられ前記ソケットが前記出力コネクターに接続された状態において前記シールド板の一部に重ね合わされる鍔部とを有する遮蔽板が設けられ、前記ソケットに、先端側に位置するコネクター接続部と前記コネクター接続部に対して傾斜された傾斜部とが設けられ、前記遮蔽板に前記遮蔽面部から突出され前記傾斜部の外周面を覆う覆い面部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
従って、シールド板の鍔部によってシールド板と出力コネクターの間の隙間が閉塞されるため、制御回路に悪影響を及ぼすおそれがある電磁ノイズに対する遮蔽性の向上を図ることができる。また、ソケットに対する電磁ノイズの侵入が覆い面部によって抑制され、電磁ノイズに対するより一層の遮蔽性の向上を図ることができる。
【0013】
請求項2に記載した発明にあっては、前記シールド板に、前記閉塞面部に対して折り曲げられ前記出力コネクターの外面に対向して位置された折曲部が設けられ、前記ソケットが前記出力コネクターに接続された状態において前記折曲部が前記遮蔽面部と接触されるようにしている。
【0014】
従って、遮蔽板に加え折曲部によって出力コネクター及びソケットに対する電磁ノイズの侵入が抑制され、電磁ノイズに対する一層の遮蔽性の向上を図ることができる。
【0017】
請求項に記載した発明にあっては、前記遮蔽板に前記遮蔽面部から突出され前記傾斜部の一部を覆う突面部が設けられ、前記突面部と前記覆い面部が重ね合わされるようにしている。
【0018】
従って、ソケットに対する電磁ノイズの侵入が覆い面部の他に突面部によっても抑制され、電磁ノイズに対する高い遮蔽性を確保することができる。
【0019】
請求項に記載した発明にあっては、前記光源がカバーと前記光源の交換用の挿入孔を有するランプボデイとを備えた車輌用前照灯に用いられ、前記ケース体が前記ランプボデイに取り付けられ前記挿入孔を閉塞するバックカバーとして用いられている。
【0020】
従って、制御回路が設けられたケース体とは別に挿入孔を閉塞するバックカバーを設ける必要がなく、部品点数の削減を図った上で電磁ノイズに対する遮蔽性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明光源の点灯装置を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。光源の点灯装置は光源として用いられた放電灯を点灯させるための装置であり、車輌用前照灯の一部を構成している。
【0022】
車輌用前照灯1は、車体の前端部における左右両端部にそれぞれ取り付けられて配置されている。
【0023】
車輌用前照灯1は、図1に示すように、前方に開口された凹部を有するランプボデイ2とランプボデイ2の開口を閉塞するカバー3とを備え、ランプボデイ2とカバー3によって形成された内部空間が灯室4として形成されている。
【0024】
ランプボデイ2の後端部には略円筒状に形成された取付部5が設けられている。取付部5は前後に貫通された挿入孔5aを有している。挿入孔5aは後述する光源(放電灯)の挿入用及び交換用の開口として機能する。
【0025】
取付部5の内面には係合部6、6、・・・が設けられている。係合部6、6、・・・は周方向に離隔して設けられ、取付部5の内面から内方へ張り出され周方向に延びるように形成されている。
【0026】
灯室4にはランプユニット7が配置されている。ランプユニット7はリフレクター8とリフレクター8に支持された放電灯9とリフレクター8に取り付けられたシェード10と放電灯9の前方に配置された投影レンズ11とを有している。
【0027】
放電灯9の後端部にはバルブソケット12が取り付けられ、バルブソケット12の内部には図示しないスターターが配置されている。
【0028】
灯室4には灯室4に配置された各部の一部を閉塞するためのエクステンション13が配置されている。
【0029】
ランプボデイ2の取付部5には挿入孔5aを閉塞するケース体14が取り付けられている。ケース体14は挿入孔5aを閉塞するバックカバーとして機能する。ケース体14は本体15と本体15に取り付けられた放熱体16とを有し、外径が略円形状に形成され、前方に開口された開口部14aを有している。
【0030】
本体15は樹脂材料によって形成され、図1乃至図3に示すように、略リング状に形成された被取付部17と、被取付部17の後端部から外方へ張り出されたフランジ部18と、フランジ部18の内側に設けられた内側構造部19とを有している。
【0031】
被取付部17の前端部にはそれぞれ外方へ突出された係合突部17a、17a、・・・が周方向に離隔して設けられている。
【0032】
内側構造部19には前後に貫通された接続用孔19aが形成されている。内側構造部19には複数の所定の各端子20、20、・・・が埋設され、接続用孔19aには端子20、20、・・・の末端部が露出するようにして配置され、また、コンデンサー等の複数の電子部品21、21、・・・が内側構造部19に形成された貫通されていない穴に設けられている。
【0033】
内側構造部19の下端部には前方へ突出された出力コネクター22が設けられている。出力コネクター22は横長の枠状に形成されたハウジング部22aとハウジング部22aの内部に配置された端子部22b、22b、22bとから成り、端子部22b、22b、22bがそれぞれ端子20、20、20に接続されている。
【0034】
本体15には後方へ突出された接続コネクター23が設けられている。接続コネクター23は端子20、20、・・・に接続され、接続コネクター23には図示しない電源ケーブルが接続される。従って、接続コネクター23には車輌に設けられた図示しない電源回路から出力される直流電源が電源ケーブルを介して入力される。
【0035】
放熱体16は本体15の後面側に配置されている。放熱体16の前面には回路基板24が取り付けられ、回路基板24には所定の複数のチップ部品24a、24a、・・・が搭載されている。
【0036】
回路基板24上には図示しない所定の回路パターンが形成されている。回路パターンは本体15に形成された接続用孔19aを介して端子20、20、・・・に、例えば、ワイヤーボンディングや金属製のリボンによってそれぞれ接続される。
【0037】
上記のように、回路基板24の回路パターンは接続用孔19aを介して端子20、20、・・・に接続され、これらの回路基板24、端子20、20、・・・、電子部品21、21、・・・によって放電灯9の点灯状態を制御する制御回路25が構成される。
【0038】
ケース体14の開口部14aにはシールド板26が配置され、シールド板26によって接続用孔19aと端子20、20、・・・と電子部品21、21、・・・が前側から遮蔽される。シールド板26は、例えば、ネジ止め等によって本体15を挟んだ状態で放熱体16に取り付けられ、シールド板26が放熱体16に取り付けられることにより本体15にシールド板26と放熱体16が結合される。
【0039】
シールド板26は金属材料によって形成され、前後方向を向く閉塞面部26aと閉塞面部26aに対して直角に折り曲げられて形成された一対の折曲部26b、26bとを有している。接続用孔19aと端子20、20、・・・と電子部品21、21、・・・は閉塞面部26aによって遮蔽される。折曲部26b、26bは対向した状態で左右に離隔して位置されている。
【0040】
シールド板26が開口部14aに配置された状態においては、折曲部26b、26bがそれぞれ出力コネクター22におけるハウジング部22aの左右両面部に近接又は当接した状態とされる(図3参照)。
【0041】
出力コネクター22にはソケット27が接続され(図4及び図5参照)、ソケット27はハーネス28、28、28によってバルブソケット12の内部に配置されたスターターに接続されている。ハーネス28、28、28は網目状のシールドシース29によって覆われている。
【0042】
ソケット27は横長の略直方体状に形成されたハウジング30とハウジング30の内部に配置された接続端子31、31、31とから成り(図3及び図4参照)、接続端子31、31、31がそれぞれハーネス28、28、28に接続されている。
【0043】
ハウジング30は先端側に位置するコネクター接続部30aとコネクター接続部30aに対して傾斜された傾斜部30bとを有している。コネクター接続部30aの内部にはハーネス28、28、28の一端部が配置されてそれぞれ接続端子31、31、31に接続されている。ハウジング30の傾斜部30bはシールドシース29によって覆われている。
【0044】
ソケット27は金属材料が所定の形状に折り曲げられて形成された遮蔽板32によって遮蔽されている。遮蔽板32はハウジング30のコネクター接続部30aを外周側から遮蔽する角筒状の遮蔽面部33と遮蔽面部33の軸方向における一端部に連続して設けられた鍔部34、34、・・・と遮蔽面部33の軸方向における他端部にそれぞれ連続して設けられた覆い面部35及び突面部36とが一体に形成されて成る。
【0045】
鍔部34、34、・・・は遮蔽面部33の各端縁からそれぞれ外方へ折り曲げられて形成されている。
【0046】
覆い面部35は遮蔽面部33の一つの端縁に連続する傾斜面部35aと傾斜面部35aからそれぞれ左右両側へ突出され所定の形状に折り曲げられた囲い面部35b、35bとから成る。傾斜面部35aは遮蔽面部33に対して所定の角度折り曲げられて傾斜され、シールドシース29の外側からハウジング30における傾斜部30bの一方の面に押し付けられている。囲い面部35b、35bはシールドシース29の外側から傾斜面部35aの全周を囲うように折り曲げられている。
【0047】
突面部36は遮蔽面部33の傾斜面部35aが連続する端縁に平行な端縁に連続され、遮蔽面部33に対して傾斜面部35aと同じ方向へ同じ角度折り曲げられて傾斜され、シールドシース29の外側からハウジング30における傾斜部30bの他方の面に押し付けられている。
【0048】
覆い面部35の囲い面部35b、35bの各先端部は突面部36の外面に押し付けられた状態で傾斜面部35aの全周を囲うように位置されている。
【0049】
ソケット27はケース体14に設けられた出力コネクター22に接続される。ソケット27が出力コネクター22に接続された状態においては、図5に示すように、出力コネクター22のハウジング部22aにソケット27のハウジング30が内嵌状に挿入され、端子部22b、22b、22bにそれぞれ接続端子31、31、31が接続される。このときシールド板26の折曲部26b、26bの外面に遮蔽板32の遮蔽面部33が接触され、閉塞面部26aに鍔部34、34、・・・が押し付けられて接触される。
【0050】
ケース体14の被取付部17の外周面にはオーリング37が嵌合される(図1参照)。ケース体14はランプボデイ2の取付部5に取り付けられ、オーリング37がランプボデイ2の係合部6、6、・・・とケース体14のフランジ部18とに密着される。
【0051】
上記のようにソケット27が出力コネクター22に接続された状態において、直流電源から電源ケーブル、接続コネクター23、制御回路25、出力コネクター22、ソケット27及びハーネス28、28、28を介してバルブソケット12のスターターに電力が供給され、スターターによって放電灯9の点灯が開始され、制御回路25によって放電灯9の点灯状態が制御される。
【0052】
ケース体14がランプボデイ2に取り付けられた状態において、ソケット27から突出されたハーネス28、28、28の一端側の部分はソケット27の傾斜部30bの傾斜方向に従って前斜め下方へ突出するように位置される。
【0053】
このようにハーネス28、28、28のソケット27から突出される部分が前斜め下方へ突出するように位置されるため、ハーネス28、28、28が放電灯9のバルブソケット12に接触することがなく、ハーネス28、28、28とバルブソケット12との干渉を防止することができる。
【0054】
以上に記載した通り、車輌用前照灯1においては、ソケット27を覆う遮蔽板32にシールド板26における出力コネクター22の外周側の部分に重ね合わされる鍔部34、34、・・・が設けられている。
【0055】
従って、遮蔽板32の鍔部34、34、・・・によってシールド板26と出力コネクター22の間の隙間が閉塞されるため、制御回路25に悪影響を及ぼすおそれがある電磁ノイズに対する遮蔽性の向上を図ることができる。
【0056】
また、シールド板26に折曲部26b、26bが設けられ、ソケット27が出力コネクター22に接続された状態において折曲部26b、26bが遮蔽板32と接触される。
【0057】
従って、遮蔽板32に加え折曲部26b、26bによって出力コネクター22及びソケット27に対する電磁ノイズの侵入が抑制され、電磁ノイズに対する一層の遮蔽性の向上を図ることができる。
【0058】
さらに、遮蔽板32にソケット27の傾斜部30bの外周面を覆う覆い面部35が設けられているため、ソケット27に対する電磁ノイズの侵入が覆い面部35によって抑制され、電磁ノイズに対するより一層の遮蔽性の向上を図ることができる。
【0059】
さらにまた、遮蔽板32に傾斜部30bの一部を覆う突面部36が設けられ、突面部36に覆い面部35が重ね合わされるため、ソケット27に対する電磁ノイズの侵入が覆い面部35の他に突面部36によっても抑制され、電磁ノイズに対する高い遮蔽性を確保することができる。
【0060】
尚、上記したように、ケース体14は車輌用前照灯1のランプボデイ2に取り付けられ取付部5の挿入孔5aを閉塞するバックカバーとして用いられている。
【0061】
従って、制御回路25が設けられたケース体14とは別に挿入孔5aを閉塞するバックカバーを設ける必要がなく、部品点数の削減を図った上で電磁ノイズに対する遮蔽性の向上を図ることができる。
【0062】
また、ソケット27のハウジング30が出力コネクター22のハウジング部22aに内嵌状に挿入されてソケット27が出力コネクター22に接続される。
【0063】
従って、ソケット27と出力コネクター22の接続を図るために接続端子31、31、31を端子部22b、22b、22bに溶接等によって接合する必要がなく、ソケット27の出力コネクター22に対する接続を容易に行うことができ、接続作業における作業性の向上を図ることができる。
【0064】
上記には、シールド板26に二つの折曲部26b、26bを設けた例を示したが、折曲部26bの数は任意であり、例えば、出力コネクター22のハウジング部22aの全面を外周側から覆うように四つ設けてもよい。
【0065】
また、上記には、シールド板26に四つの鍔部34、34、・・・を設けた例を示したが、鍔部34の数も任意であり、例えば、上下又は左右に二つの鍔部34、34を設けてもよい。
【0066】
上記した最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1図2乃至図5と共に本発明光源の点灯装置の最良の形態を示すものであり、本図は、光源の点灯装置が設けられた車輌用前照灯の概略縦断面図である。
図2】ケース体とシールド板を分離して示す斜視図である。
図3】出力コネクターにソケットが接続される前の状態を示す斜視図である。
図4】ソケット等の拡大斜視図である。
図5】ソケットが出力コネクターに接続された状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1…車輌用前照灯、2…ランプボデイ、3…カバー、5a…挿入孔、9…放電灯(光源)、14…ケース体、14a…開口部、22…出力コネクター、25…制御回路、26…シールド板、26a…閉塞面部、26b…折曲部、27…ソケット、28…ハーネス、30a…コネクター接続部、30b…傾斜部、32…遮蔽板、33…遮蔽面部、34…鍔部、35…覆い面部、36…突面部
図1
図2
図3
図4
図5