特許第6045304号(P6045304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045304
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】静電荷像現像用トナー
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/087 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   G03G9/08 331
【請求項の数】2
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-242042(P2012-242042)
(22)【出願日】2012年11月1日
(65)【公開番号】特開2014-92626(P2014-92626A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】芦沢 健
【審査官】 福田 由紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−055491(JP,A)
【文献】 特開2009−210723(JP,A)
【文献】 特開昭58−205164(JP,A)
【文献】 特開2003−323002(JP,A)
【文献】 特開2011−053657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記非晶質ポリエステルが、炭素数2〜6の脂肪族アルコールを含有するアルコール成分と、3価以上のカルボン酸化合物を5.6モル%以上20モル%以下含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる非晶質ポリエステルであり、前記非晶質ポリ乳酸の数平均分子量が220,000以上300,000以下であり、前記非晶質ポリエステルと前記非晶質ポリ乳酸の質量比(非晶質ポリエステル/非晶質ポリ乳酸)が90/10〜65/35である、静電荷像現像用トナー。
【請求項2】
非晶質ポリ乳酸の重量平均分子量が490,000以上700,000以下である、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のプリント・オン・デマンド市場が成長しているなか、電子写真技術に対する高信頼性への要求はますます高まりつつある。特に、電子写真方式にて用いられるトナーには、耐高温オフセット性をより向上させ、カブリを抑制することが要望されている。
【0003】
一方で、電子写真方式用現像剤であるトナーには環境負荷低減を目的に植物由来原料であるポリ乳酸の使用の検討が行なわれている。
【0004】
例えば、少なくともポリヒドロキシカルボン酸骨格を主鎖の一部に含有する非結晶性ポリエステル樹脂(a)を含有し、且つ、トナー粒子の内部において、該非結晶性ポリエステル樹脂(a)中に含まれるカルボキシル基の一部又は全部が、分子内にカルボキシル基と反応可能な官能基を有する末端封鎖剤(b)中に含まれる該官能基との結合を形成し封鎖されていることを特徴とするトナーが、耐オフセット性を確保しつつ、低温定着性、及び耐熱保存性に優れ、温度・湿度等の使用環境の変化に対する画像濃度の安定性に優れることが開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、現在の脱墨システムをそのまま利用できる加水分解性、生分解性を有する脱墨しやすく、かつ廃棄物処理の容易な電子写真用トナーとして、乳酸系樹脂を結着樹脂として含有するトナーが提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
乳酸及び3官能以上のオキシカルボン酸を含有する組成物を脱水重縮合して得られたポリエステル樹脂および着色剤を含有するトナーが定着性、耐ブロッキング性に優れることが開示されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−47978号公報
【特許文献2】特開平7−120975号公報
【特許文献3】特開平9−274335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1〜3等の従来の技術では、高温オフセットの抑制が不十分である。
【0009】
本発明は、耐高温オフセット性を向上させる静電荷像現像用トナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸を含有する静電荷像現像用トナーであって、非晶質ポリ乳酸の数平均分子量が60,000以上300,000以下である、静電荷像現像用トナーに関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の静電荷像現像用トナーは、耐高温オフセット性の向上に優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸を含有し、非晶質ポリ乳酸の数平均分子量が60,000以上300,000以下であることに特徴を有し、耐高温オフセット性の向上に優れるという効果を奏する。
【0013】
このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。非晶質ポリ乳酸と非晶質ポリエステルは、エステル基間の静電相互作用により親和性が高く相溶性が高い。その結果、特定の数平均分子量を有する非晶質ポリ乳酸は非晶質ポリエステル中に均一に分散し、着色剤、離型剤、荷電制御剤等の添加剤も均一に分散する。その結果、トナー粒子間の均一性が高く、溶融定着時に均一に溶融する。また、非晶質ポリ乳酸はエステル基濃度が高いため、特定の数平均分子量を有する非晶質ポリ乳酸を含有させることにより、トナーの溶融粘度が高くなり、耐高温オフセット性が向上するものと考えられる。
【0014】
[非晶質ポリエステル]
本発明において、ポリエステルの結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。非晶質ポリエステルは、結晶性指数が1.4を超えるか、0.6未満であるポリエステルをいう。ポリエステルの結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度は、軟化点との差が20℃以内であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するピークとする。
【0015】
非晶質ポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
【0016】
アルコール成分としては、カブリを抑制する観点から、脂肪族ジオールが好ましい。脂肪族ジオールの炭素数は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。また、トナーのカブリを抑制し、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、6以下が好ましく、4以下がより好ましい。
【0017】
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,3-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
【0018】
これらの中では、トナーの耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールが好ましい。かかる脂肪族ジオールの炭素数は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、3以上が好ましい。また、トナーのカブリを抑制し、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、6以下が好ましく、4以下がより好ましい。具体的な好適例としては、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール等が挙げられ、トナーのカブリを抑制し、低温定着性を向上させる観点から、1,2-プロパンジオール及び2,3-ブタンジオールが好ましく、1,2-プロパンジオールがより好ましい。
【0019】
脂肪族ジオールの含有量は、トナーのカブリを抑制し、低温定着性を向上させる観点から、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%である。第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、トナーのカブリを抑制し、低温定着性を向上させる観点から、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%である。
【0020】
他のアルコール成分としては、式(I):
【0021】
【化1】
【0022】
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、グリセリン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
【0023】
カルボン酸成分としては、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、芳香族ジカルボン酸化合物が好ましい。
【0024】
芳香族ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜6)エステル等が挙げられる。なお、カルボン酸化合物とは、ジカルボン酸、カルボン酸と炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルコールとのエステル及び酸無水物を指すが、これらの中では、ジカルボン酸が好ましい。
【0025】
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、85モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
【0026】
また、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、3価以上のカルボン酸化合物を含有していることが好ましい。
【0027】
3価以上のカルボン酸化合物としては、例えば、炭素数4〜30、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは炭素数4〜10の3価以上のカルボン酸、及びそれらの酸無水物、炭素数1〜6のアルキルエステル等が挙げられる。なお、カルボン酸化合物の炭素数にはアルキルエステルのアルキル基の炭素数は含まない。
具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等が挙げられ、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその酸無水物が好ましく、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸の無水物(無水トリメリット酸)がより好ましい。
【0028】
3価以上のカルボン酸化合物の含有量は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、7モル%以下がさらに好ましい。
【0029】
他のカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;未精製ロジン、精製ロジン等のロジン;フマル酸、マレイン酸又はアクリル酸等で変性されたロジン、これらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜6)エステル等が挙げられる。
【0030】
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、ポリエステルの軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
【0031】
非晶質ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステルの酸価を低減する観点から、0.70〜1.15が好ましく、0.80〜1.00がより好ましい。
【0032】
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合反応は、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で縮重合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.5質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。重合禁止剤としては、tert-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
【0033】
非晶質ポリエステルの軟化点は、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、110℃以上がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましい。
【0034】
非晶質ポリエステルの軟化点は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
【0035】
非晶質ポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下がさらに好ましい。
【0036】
非晶質ポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比等によって制御することができる。
【0037】
非晶質ポリエステルのガラス転移温度は、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上する観点から、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下がさらに好ましい。
【0038】
非晶質ポリエステルのガラス転移温度は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比等によって制御することができる。
【0039】
非晶質ポリエステルの酸価は、トナーの耐高温オフセット性、耐熱保存性及び耐久性を向上させる観点から、40mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましく、25mgKOH/g以下がさらに好ましい。また、非晶質ポリエステルの生産性を向上させる観点、トナーの低温定着性を向上させる観点から、1mgKOH/g以上が好ましく、3mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上がさらに好ましい。
【0040】
非晶質ポリエステルの酸価は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
【0041】
本発明では、非晶質ポリエステルを2種以上用いてもよい。
【0042】
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
【0043】
[非晶質ポリ乳酸]
本発明において、ポリ乳酸の結晶性は、結晶化度で表される。結晶化度は、実施例に記載の方法により求めることができる。
非晶質ポリ乳酸の結晶化度は、トナーの生産性を向上させる観点から、30%未満が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、実質的に0%が好ましい。
【0044】
非晶質ポリ乳酸は、乳酸のホモポリマーであっても、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマーであってもよい。
【0045】
非晶質ポリ乳酸のモノマーである乳酸は、L−乳酸、D−乳酸のいずれであってもよい。
【0046】
他のヒドロキシカルボン酸としては、炭素数3〜8のヒドロキシカルボン酸が挙げられ、具体的には、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられる。
【0047】
本発明では、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、非晶質ポリ乳酸を構成するモノマー中の乳酸の含有量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%以上である。従って、非晶質ポリ乳酸は、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマーよりも、乳酸のホモポリマーであることが好ましい。
【0048】
非晶質ポリ乳酸は、乳酸の縮重合、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との縮重合により、常法に従って製造することができるが、本発明では、市販されている非晶質ポリ乳酸、例えば、「4060D」(乳酸のホモポリマー、ガラス転移温度:55℃、Nature Works社製)を使用することもできる。
【0049】
非晶質ポリ乳酸の数平均分子量は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、60,000以上であり、80,000以上が好ましく、100,000以上がより好ましく、120,000以上がさらに好ましく、160,000以上がさらに好ましい。また、トナーのカブリを抑制し、低温定着性を向上させる観点から、300,000以下であり、270,000以下が好ましく、240,000以下がより好ましい。
【0050】
非晶質ポリ乳酸の重量平均分子量は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、100,000以上が好ましく、160,000以上がより好ましく、190,000以上がさらに好ましく、260,000以上がさらに好ましく、450,000以上がさらに好ましい。また、溶融混練することが可能となりトナーを得ることができる観点、トナーの耐久性、耐熱保存性及び耐高温オフセット性を向上させる観点から、700,000以下が好ましく、600,000以下がより好ましく、550,000以下がさらに好ましい。
【0051】
非晶質ポリ乳酸の数平均分子量及び重量平均分子量は、製造時の縮重合反応の時間等、重合条件の調整だけでなく、既存の非晶質ポリ乳酸を高温高湿環境下で、静置することにより調整することができる。高温高湿下で静置する場合、時間を長くするほど、平均分子量は小さくなる。
【0052】
静置する温度としては、数平均分子量及び重量平均分子量の調整を容易にする観点から、ポリ乳酸のガラス転移温度以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましく、また、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。また、静置する湿度は、数平均分子量及び重量平均分子量の調整を容易にする観点から、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上がさらに好ましい。
【0053】
非晶質ポリ乳酸の含有量は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、非晶質ポリ乳酸と非晶質ポリエステルの合計質量部中、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また、トナーのカブリを抑制する観点から、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
【0054】
非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸の質量比(非晶質ポリエステル/非晶質ポリ乳酸)は、トナーの耐高温オフセット性を向上させ、カブリを抑制する観点から、95/5〜40/60が好ましく、90/10〜45/55がより好ましく、90/10〜50/50がさらに好ましく、90/10〜55/45がさらに好ましく、90/10〜60/40がさらに好ましく、90/10〜65/35がさらに好ましく、90/10〜70/30がさらに好ましい。
【0055】
本発明のトナーは、必要に応じて、着色剤、荷電制御剤、離型剤等を含有していてもよい。
【0056】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等を用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤としては、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、フタロシアニンブルー15:3が好ましい。
【0057】
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、トナーの印字濃度を向上させる観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。また、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
【0058】
荷電制御剤としては、負帯電性荷電制御剤、正帯電性荷電制御剤のいずれも用いることができる。
【0059】
負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体、ベンジル酸ホウ素錯体等が挙げられる。含金属アゾ染料としては、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-28」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリヱント化学工業社製)、「T-77」、「アイゼンスピロンブラックTRH」(以上、保土谷化学工業社製)等が挙げられる。サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体としては、例えば「ボントロンE-81」、「ボントロンE-82」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-85」、「ボントロンE-304」(以上、オリヱント化学工業社製)等が挙げられる。ベンジル酸ホウ素錯体としては、例えば、「LR-147」(日本カーリット社製)等が挙げられる。
【0060】
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。ニグロシン染料としては、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリヱント化学工業社製)等が挙げられる。トリフェニルメタン系染料としては、例えば3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料が挙げられる。4級アンモニウム塩化合物としては、例えば「ボントロンP-51」、「ボントロンP-52」(以上、オリヱント化学工業社製)、「TP-415」(保土谷化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PXVP435」「COPY CHARGE PSY」(以上、クラリアント社製)等が挙げられる。ポリアミン樹脂としては、例えば「AFP-B」(オリヱント化学工業社製)等が挙げられる。イミダゾール誘導体としては、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等が挙げられる。
【0061】
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、また、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
【0062】
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、合成エステルワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いられていてもよい。
【0063】
離型剤の融点は、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、60℃以上が好ましく、65℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。そして、トナーの低温定着性及びグロスを向上させる観点から、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましく、80℃以下がさらに好ましい。
【0064】
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、トナーの耐高温オフセット性及び低温定着性を向上させる観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましい。トナーの耐熱保存性及び耐久性を向上させる観点から、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
【0065】
本発明のトナーは、さらに、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を適宜含有していてもよい。
【0066】
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化凝集法、重合法等の従来より公知のいずれの方法によって得られたトナーであってもよいが、生産性の観点から、溶融混練法により得られる粉砕トナーが好ましい。従って、本発明のトナーの製造方法は、非晶質ポリエステル及び非晶質ポリ乳酸を含むトナー成分を、溶融混練して溶融混練物を得る工程を含む方法が好ましく、具体的には、非晶質ポリエステル、非晶質ポリ乳酸、必要に応じて用いられる着色剤、離型剤、荷電制御剤等の添加剤を含むトナー成分をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、溶融混練し、冷却後、粉砕、分級を行ってトナーを製造することができる。
【0067】
トナー成分の溶融混練には、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができる。溶融混練時の温度を低減し、トナーの耐高温オフセット性を向上させ、カブリを抑制する観点、及び混練の繰り返しや分散助剤の使用をしなくても、トナー中に着色剤、荷電制御剤、離型剤等の添加剤を効率よく高分散させることができる観点から、オープンロール型混練機を用いることが好ましく、該オープンロール型混練機には、ロールの軸方向に沿って供給口と混練物排出口が設けられていることが好ましい。
【0068】
非晶質ポリエステル、非晶質ポリ乳酸、着色剤、荷電制御剤、離型剤等のトナー成分は、あらかじめヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、混練機に供給することが好ましい。
【0069】
混合物をオープンロール型混練機に供する際には、1箇所の供給口から混練機に供給してもよく、複数の供給口から分割して混練機に供給してもよいが、操作の簡便性及び装置の簡略化の観点からは、1箇所の供給口から混練機に供給することが好ましい。
【0070】
オープンロール型混練機とは、混練部が密閉されておらず開放されているものをいい、混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、連続式オープンロール型混練機は、少なくとも2本のロールを備えた混練機であることが好ましく、本発明に用いられる連続式オープンロール型混練機は、周速度の異なる2本のロール、即ち、周速度の高い高回転側ロールと周速度の低い低回転側ロールとの2本のロールを備えた混練機である。本発明においては、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の添加剤のトナー中での分散性を向上させる観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及び溶融混練時の温度を低減し、トナーの耐高温オフセット性を向上させ、カブリを抑制する観点から、高回転側ロールは加熱ロール、低回転側ロールは冷却ロールであることが好ましい。
【0071】
ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
【0072】
高回転側ロールの原料投入側端部温度は、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐高温オフセット性を向上させ、カブリを抑制する観点から、100℃以上、160℃以下が好ましく、同様の観点から、低回転側ロールの原料投入側端部温度は30℃以上、100℃以下が好ましい。
【0073】
高回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、混練物のロールからの脱離防止の観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐高温オフセット性を向上させ、カブリを抑制する観点から、20℃以上であることが好ましく、30℃以上がより好ましい。そして、60℃以下であることが好ましく、50℃以下がより好ましい。
【0074】
低回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の添加剤のトナー中での分散性を向上させる観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐高温オフセット性を向上させ、カブリを抑制する観点から、50℃以下であることが好ましい。
【0075】
高回転側ロールの周速度は、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の添加剤のトナー中での分散性を向上させる観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐高温オフセット性を向上させ、カブリを抑制する観点から、2m/min以上であることが好ましく、10m/min以上がより好ましく、25m/min以上がさらに好まく、100m/min以下であることが好ましく、75m/min以下がより好ましく、50m/min以下がさらに好ましい。
【0076】
低回転側ロールの周速度は、同様の観点から、1m/min以上が好ましく、5m/min以上がより好ましく、15m/min以上がさらに好ましい。そして、90m/min以下が好ましく、60m/min以下がより好ましく、30m/min以下がさらに好ましい。また、2本のロールの周速度の比(低回転側ロール/高回転側ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。
【0077】
ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよいが、混練シェアを高め、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の添加剤のトナー中での分散性を向上させる観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐高温オフセット性を向上させ、カブリを抑制する観点から、各ロールの表面には複数の螺旋状の溝が刻んであることが好ましい。
【0078】
得られた溶融混練物を、粉砕が可能な程度に冷却した後、粉砕し、分級することが好ましい。
【0079】
粉砕工程は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、樹脂混練物を、1〜5mm程度に粗粉砕した後、さらに所望の粒径に微粉砕してもよい。
【0080】
粉砕工程に用いられる粉砕機は特に限定されないが、例えば、粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、ハンマーミル、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられる。また、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、流動層式ジェットミル、衝突板式ジェットミル、回転型機械式ミル等が挙げられる。粉砕効率の観点から、流動層式ジェットミル、及び衝突板式ジェットミルを用いることが好ましく、流動層式ジェットミルを用いることがより好ましい。
【0081】
分級工程に用いられる分級機としては、ロータ式分級機、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよく、必要に応じて粉砕工程と分級工程を繰り返してもよい。
【0082】
本発明のトナーには、トナーの帯電性や流動性、及び転写性を向上させる観点から、外添剤が添加されていてもよい。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛等の無機粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の樹脂粒子等の有機微粒子が挙げられる。2種以上を併用してもよい。これらの中では、シリカが好ましく、トナーの転写性を向上させる観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのがより好ましい。
【0083】
外添剤の個数平均粒径は、トナーの帯電性や流動性、及び転写性を向上させる観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、また、250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、90nm以下がさらに好ましい。
【0084】
外添剤の含有量は、トナーの帯電性や流動性、及び転写性を向上させる観点から、外添剤で処理する前のトナー粒子(トナー母粒子)100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。また、5質量部以下が好ましく、4質量部以下がより好ましく、3質量部以下がさらに好ましい。
【0085】
トナー母粒子と外添剤との混合には、回転羽根等の攪拌具を備えた混合機を用いることが好ましく、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速混合機が好ましく、ヘンシェルミキサーがより好ましい。
【0086】
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、トナーの画像品質を向上させる観点から、3μm以上が好ましく、4μm以上がより好ましく、6μm以上がさらに好ましい。また、15μm以下が好ましく、12μm以下がより好ましく、9μm以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、トナー母粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
【0087】
本発明の方法により得られるトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して用いられる二成分現像用トナーとして、それぞれ一成分現像方式又は二成分現像方式の画像形成装置に用いることができる。
【0088】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の静電荷像現像用トナーを開示する。
【0089】
〔1〕 少なくとも非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸を含有する静電荷像現像用トナーであって、非晶質ポリ乳酸の数平均分子量が60,000以上300,000以下である、静電荷像現像用トナー。
【0090】
〔2〕 非晶質ポリエステルは、脂肪族ジオールを含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる非晶質ポリエステルであることが好ましい、前記〔1〕記載の静電荷像現像用トナー。
【0091】
〔3〕 脂肪族ジオールの炭素数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、6以下が好ましく、4以下がより好ましい、前記〔2〕記載の静電荷像現像用トナー。
【0092】
〔4〕 脂肪族ジオールは、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールが好ましい、前記〔2〕又は〔3〕記載の静電荷像現像用トナー。
【0093】
〔5〕 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの炭素数は、3以上が好ましく、6以下が好ましく、4以下がより好ましい、前記〔4〕記載の静電荷像現像用トナー。
【0094】
〔6〕 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールは、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール及び2,4-ペンタンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、1,2-プロパンジオール及び/又は2,3-ブタンジオールがより好ましく、1,2-プロパンジオールがさらに好ましい、前記〔4〕記載の静電荷像現像用トナー。
【0095】
〔7〕 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%である、前記〔4〕〜〔6〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0096】
〔8〕 脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%である、前記〔2〕〜〔7〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0097】
〔9〕 カルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましく、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種を含有することがより好ましい、前記〔2〕〜〔8〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0098】
〔10〕 芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、85モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上がさらに好ましい、前記〔9〕記載の静電荷像現像用トナー。
【0099】
〔11〕 カルボン酸成分が、3価以上のカルボン酸化合物を含有することが好ましい、前記〔2〕〜〔10〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0100】
〔12〕 3価以上のカルボン酸化合物は、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及び/又はその酸無水物が好ましく、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸の無水物(無水トリメリット酸)がより好ましい、前記〔11〕記載の静電荷像現像用トナー。
【0101】
〔13〕 3価以上のカルボン酸化合物の含有量は、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、7モル%以下がさらに好ましい、前記〔11〕又は〔12〕記載の静電荷像現像用トナー。
【0102】
〔14〕 非晶質ポリエステルの軟化点は、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、110℃以上がさらに好ましく、160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましい、前記〔1〕〜〔13〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0103】
〔15〕 非晶質ポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下がさらに好ましい、前記〔1〕〜〔14〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0104】
〔16〕 非晶質ポリエステルのガラス転移温度は、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下がさらに好ましい、前記〔1〕〜〔15〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0105】
〔17〕 非晶質ポリエステルの酸価は、40mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましく、25mgKOH/g以下がさらに好ましく、1mgKOH/g以上が好ましく、3mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上がさらに好ましい、前記〔1〕〜〔16〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0106】
〔18〕 非晶質ポリ乳酸の結晶化度は、30%未満が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、実質的に0%が好ましい、前記〔1〕〜〔17〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0107】
〔19〕 非晶質ポリ乳酸を構成するモノマー中の乳酸の含有量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上であり、非晶質ポリ乳酸は、乳酸のホモポリマーであることが好ましい、前記〔1〕〜〔18〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0108】
〔20〕 非晶質ポリ乳酸の数平均分子量は、80,000以上が好ましく、100,000以上がより好ましく、120,000以上がさらに好ましく、160,000以上がさらに好ましく、270,000以下が好ましく、240,000以下がより好ましい、前記〔1〕〜〔19〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0109】
〔21〕 非晶質ポリ乳酸の重量平均分子量は、100,000以上が好ましく、160,000以上がより好ましく、190,000以上がさらに好ましく、260,000以上がさらに好ましく、450,000以上がさらに好ましく、700,000以下が好ましく、600,000以下がより好ましく、550,000以下がさらに好ましい、前記〔1〕〜〔20〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0110】
〔22〕 非晶質ポリ乳酸の含有量は、非晶質ポリ乳酸と非晶質ポリエステルの合計質量部中、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がさらに好ましい、前記〔1〕〜〔21〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0111】
〔23〕 非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸の質量比(非晶質ポリエステル/非晶質ポリ乳酸)は、95/5〜40/60が好ましく、90/10〜45/55がより好ましく、90/10〜50/50がさらに好ましく、90/10〜55/45がさらに好ましく、90/10〜60/40がさらに好ましく、90/10〜65/35がさらに好ましく、90/10〜70/30がさらに好ましい、前記〔1〕〜〔22〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【0112】
〔24〕 トナーは、非晶質ポリエステル及び非晶質ポリ乳酸を含むトナー成分を、溶融混練して溶融混練物を得る工程を含む方法により得られることが好ましい、前記〔1〕〜〔23〕いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
【実施例】
【0113】
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」(島津製作所)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
【0114】
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計「Q-100 」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却し、0℃にて1分間保持する。その後、昇温速度50℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
【0115】
〔樹脂及び非晶質ポリ乳酸のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に試料を昇温速度10℃/分で昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
【0116】
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
【0117】
〔非晶質ポリ乳酸の結晶化度〕
粉末X線回折(XRD)測定装置「Rigaku RINT 2500VC X-RAY diffractometer」(株式会社リガク製)を用いて、X線源:Cu/Kα−radiation、管電圧:40kV、管電流:120mA、測定範囲:回折角(2θ)5〜40°、走査速度は5.0°/分で連続スキャン法によりピーク強度を測定する。なお、試料は、粉砕した後、ガラス板に詰めて測定する。得られたX線回折より、下記式より算出される値を非晶質ポリ乳酸の結晶化度とする。
【0118】
【数1】
【0119】
〔非晶質ポリ乳酸の平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量及び重量平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料を、テトラヒドロフランに、25℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「DISMIC-25JP」(ADVANTEC社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
【0120】
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/分で-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/分で180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度をワックスの融点とする。
【0121】
〔外添剤の体積平均粒径〕
一次粒子の体積平均粒径を下記式より求める。
平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρは外添剤の真比重であり、例えば、シリカの真比重は2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。なお、上記式は、粒径Rの球と仮定して、
比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×真比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
【0122】
〔トナーの体積中位粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5質量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
【0123】
[樹脂製造例1:PES-1、PES-2]
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、室温から180℃まで約2時間掛けて昇温し、その後180℃から210℃まで10℃/hrで昇温し、さらに、210℃で反応率が90%に到達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸を添加して、210℃で1時間常圧にて反応させた後、20kPaにて所定の軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(PES-1、PES-2)を得た。PES-1、PES-2の物性を表1に示す。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
【0124】
[樹脂製造例2:PES-3]
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、室温から200℃まで約2時間掛けて昇温し、その後200℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、さらに、230℃で反応率が90%に到達するまで反応させた。その後、20kPaにて軟化点が125℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(PES-3)を得た。PES-3の物性を表1に示す。
【0125】
[樹脂製造例3: PES-4]
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒、重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、室温から200℃まで約2時間掛けて昇温し、その後200℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、さらに、230℃で反応率が90%に到達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸を添加して、20kPaにて軟化点が128℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(PES-4)を得た。PES-4の物性を表1に示す。
【0126】
【表1】
【0127】
[樹脂製造例4:PLA-2の製造]
非晶質ポリ乳酸「4060D」(Nature Works社製)を35×25cmのバットに入れ、温度80℃、湿度95%の環境下に3時間静置させ、PLA-2を得た。
【0128】
[樹脂製造例5:PLA-3の製造]
静置時間を6時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-3を得た。
【0129】
[樹脂製造例6:PLA-4の製造]
静置時間を24時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-4を得た。
【0130】
[樹脂製造例7:PLA-5の製造]
静置時間を30時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-5を得た。
【0131】
[樹脂製造例8:PLA-6の製造]
静置時間を36時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-6を得た。
【0132】
[樹脂製造例9:PLA-7の製造]
静置時間を48時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-7を得た。
【0133】
[樹脂製造例10:PLA-8の製造]
静置時間を60時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-8を得た。
【0134】
実施例及び比較例で使用したPLA-1〜PLA-8の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】
[トナーの製造例]
実施例1〜15及び比較例1〜7(実施例1〜3、7〜11、13〜15は参考例である)
表3で示す所定量の非晶質ポリエステル、非晶質ポリ乳酸、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))4.0質量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-304」(オリエント化学工業社製)0.5質量部及び離型剤「HNP-9」(日本精鑞社製、パラフィンワックス、融点:75℃)3.0質量部をヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
【0137】
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度32.4m/min、低回転側ロール(バックロール)周速度21.7m/min、ロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が135℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は約6分間であった。
【0138】
溶融混練物を冷却後、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)を用いて平均粒径1mmに粗粉砕した。得られた粗粉砕物を流動層式ジェットミル粉砕機AFG-200(ホソカワアルピネ社製)にて微粉砕し、ロータ式分級機TTSP-100(ホソカワアルピネ社製)にて分級して、体積中位粒径(D50)が6.5μmのトナー母粒子を得た。
【0139】
得られたトナー母粒子100質量部と、疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製、体積平均粒径:16nm)1.0質量部、疎水性シリカ「NAX50」(日本アエロジル社製、体積平均粒径:30nm)1.0質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて2100r/分(周速度29m/秒)で3分間混合して、トナーを得た。
【0140】
[試験例1:耐高温オフセット性]
未定着画像を取れるように改造した、沖データ製のプリンター「ML-5400」にトナーを充填し、3×4cm角のベタ画像の未定着画像を印刷した。オイルレス定着方式の「Microline3010」(沖データ社製)を改造した外部定着装置を用いて、定着ロールの回転速度を100mm/secに設定し、定着ロールの温度を100℃から200℃まで5℃ずつ上昇させながら、各温度でこの未定着画像の定着処理を行った。定着ローラ汚染が発生して、白紙部分に汚れが発生する温度を高温オフセット発生温度とし、耐高温オフセット性の指標とした。高温オフセット発生温度が高いほど、耐高温オフセット性に優れることを示す。結果を表3に示す。200℃の定着画像において、高温オフセットの発生が見られない場合は、「200<」と記載した。
【0141】
[試験例2:カブリ]
有機感光体(OPC)を備えた非磁性一成分現像装置「MicroLine 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、印字率1%で20枚印字を行った。印字後、感光体表面のトナーを「Scotch(登録商標)メンディングテープ 810」(住友スリーエム社製、幅:18mm)にて付着させ、トナーを付着させる前のテープ自身の画像濃度との差(Δ)を測定した。測定には色差計「X-Rite」(X-Rite社製)を使用した。値が小さいほど、カブリが抑制されていることを示す。結果を表4に示す。
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】
【0144】
表3の結果より、実施例1〜15のトナーは、比較例1〜7のトナーと比べて、耐高温オフセット性に優れていることがわかる。
【0145】
また、表4の結果より、実施例1〜15のトナーの中でも、特定の非晶質ポリエステル/非晶質ポリ乳酸比、脂肪族ジオールとカルボン酸成分を縮重合した非晶質ポリエステルを用いたトナーは、カブリにも優れていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明の静電荷像現像用トナーは、静電荷像現像法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。