(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主ほぐし用コンベヤの前記一端部に隣接して位置し、前記布類塊をその一部が掛かるように投入されてその布類塊との衝突により予備ほぐしを行う予備ほぐし部材を具えることを特徴とする、請求項1記載の布類捌き装置。
前記予備ほぐし部材は、前記主ほぐし用コンベヤの前記一端部へ向けて前記布類塊を搬送する予備ほぐし用コンベヤであることを特徴とする、請求項2記載の布類捌き装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の布類捌き装置では、洗濯物容器内の布類塊における布類同士の絡まりがひどいと、キャリッジを上昇させてクランプで布類を摘み上げる際に布類が重過ぎて落下してしまったり、摘み上げてもエアジェットの吹き付けでベルトコンベヤへ追いやることができずに落下してしまったり、ベルトコンベヤと挟み込みローラとの間に入りきれずにベルトコンベヤを過負荷で停止させてしまったりすることがあり、このため洗濯物容器内の布類塊を事前に手作業である程度解きほぐしておく必要があって、手間と人手がかかるという問題があった。
【0006】
また、上記従来の布類捌き装置では、洗濯物容器内の布類塊からクランプで布類を真上に摘み上げてその布類の中間部をベルトコンベヤへ渡すので、ベルトコンベヤが受け取った布類を十分に引き込むまではその布類との干渉を避ける必要上クランプを次の布類の摘み上げのために下降させられず、このため摘み上げのタクトタイムが長くなるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上述の如き従来の布類捌き装置の課題を解決するものであり、この発明の布類捌き装置は、互いに絡まりあった複数枚の布類からなる布類塊を解きほぐす布類捌き装置において、一端部とその一端部より高く位置する他端部とを有し、前記布類塊を前記一端部に掛かるように投入されてその布類塊を前記他端部へ向けて持ち上げ搬送し、前記布類塊をその自重によって崩してほぐす主ほぐしを行うベルトコンベヤからなる主ほぐし用コンベヤと、前記主ほぐし用コンベヤ上で前記布類塊からほぐれた布類がその主ほぐし用コンベヤ上から徐々に落下するように、その主ほぐし用コンベヤの作動
速度を変化させたり、作動を停止、開始する制御
によりその主ほぐし用コンベヤ上の布類塊の自重によるほぐれの進行を促し、その主ほぐし用コンベヤ上の布類塊の重さを少しずつ減少させるコントローラと、を具えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる本発明の布類捌き装置にあっては、一端部とその一端部より高く位置する他端部とを有する
ベルトコンベヤからなる主ほぐし用コンベヤが、布類塊をその一端部に掛かるように投入されると、その布類塊を他端部へ向けて持ち上げ搬送し、その搬送中に、布類塊をその自重によって崩してほぐす主ほぐしを行い、その主ほぐしの際にコントローラが、主ほぐし用コンベヤ上で布類塊からほぐれた布類が徐々に落下するように、例えばセンサで布類塊の
重さを継続的に監視しながら、例えばその主ほぐし用コンベヤの作動速度を変化させたり作動を停止させたりする制御を行
って、その主ほぐし用コンベヤ上の布類塊の自重によるほぐれの進行を促し、その主ほぐし用コンベヤ上の布類塊の重さを少しずつ減少させる。
【0009】
従って、この発明の布類捌き装置によれば、互いに絡まりあった複数枚の布類からなる布類塊を自動的に解きほぐすことができるので、布類塊を事前に手作業である程度解きほぐしておくための手間と人手を削減することができる。
【0010】
なお、この発明の布類捌き装置においては、前記主ほぐし用コンベヤの前記一端部に隣接して位置し、前記布類塊をその一部が掛かるように投入されてその布類塊との衝突により予備ほぐしを行う予備ほぐし部材を具えていると好ましい。このようにすれば、予備ほぐし部材との衝突による予備ほぐしの衝撃で布類塊がほぐれ易くなるので、その後の主ほぐしが容易かつ確実に行われるからである。
【0011】
ここで、前記予備ほぐし部材は、前記主ほぐし用コンベヤの前記一端部へ向けて前記布類塊を搬送する予備ほぐし用コンベヤであると好ましい。このようにすれば、予備ほぐしの際に予備ほぐし用コンベヤ上に乗った布類塊を主ほぐし用コンベヤへ移すことができるからである。
【0012】
また、この発明の布類捌き装置においては、前記主ほぐし用コンベヤの他端部の下方に位置し、その主ほぐし用コンベヤの他端部から落下する、前記布類塊からほぐれた布類を搬送する布類搬送用コンベヤと、前記予備ほぐし部材と前記主ほぐし用コンベヤの前記一端部との間に水平方向に空けられた隙間の下方に位置し、前記布類塊からほぐれて前記隙間から落下した布類を前記布類搬送用コンベヤに供給する中間コンベヤと、を具えていると好ましい。このようにすれば、予備ほぐし部材と主ほぐし用コンベヤの一端部との間の隙間から落下した布類を中間コンベヤでタイミングを取って布類搬送用コンベヤに供給することで、主ほぐし用コンベヤの他端部から布類搬送用コンベヤに落下する、布類塊からほぐれた布類と、予備ほぐし部材と主ほぐし用コンベヤの一端部との間の隙間から落下した布類とを、一箇所にかたまらないように均して、布類搬送用コンベヤで搬送することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、
図1は、この発明の布類捌き装置の第1実施例の構成を透視して示す略線図であり、図中符号1は筐体、2は漏斗状のホッパ、3,4および5は落下する布類を案内するガイド板をそれぞれ示す。
【0015】
この実施例の布類捌き装置も、布類洗濯工場等において、洗濯された布類をアイロンローラに投入するために仕上げ投入機等に一枚ずつ供給する際に用いられ、互いに絡まりあった複数枚の布類からなる布類塊を解きほぐすもので、ここにおける筐体1は、図では上下および左右方向へ延在する概略直方体の枠状をなすフレーム1aと、そのフレーム1aの図では前後方向の側部をそれぞれ全体的に塞ぐ側板1bとを有しており、ホッパ2は、その筐体1の上端部に片側、図では左側に配置されてフレーム1aに固設されている。
【0016】
ガイド板3は、その筐体1の上部の、ホッパ2が寄せられた側の側部、図では左側部でフレーム1aの開口部を塞ぐようにフレーム1aおよび側板1bに固設され、ガイド板4は、そのガイド板3の下方で、下方へ行くにつれて中央へ寄るように傾斜してフレーム1aおよび側板1bに固設され、そしてガイド板5は、その筐体1の上部から下部にかけて、ホッパ2が寄せられた側と反対側の側部、図では右側部でフレーム1aの開口部を塞ぐとともに、下方へ行くにつれて中央へ寄るように傾斜してフレーム1aおよび側板1bに固設されている。
【0017】
ホッパ2の上方には、図示しない搬送システムにより搬送バッグBが搬送されて停止され、この搬送バッグB内には、連続洗濯機で洗濯されて脱水機で脱水され、乾燥機で半乾燥状態まで乾燥されたシーツ等の布類が多数枚、例えば80枚程度、互いに絡み合って塊状に収納されており、搬送バッグBの下端部は、通常は紐で絞られて閉じていて、作業者等の操作でその紐が緩められると開放し、搬送バッグB内の塊状の布類Fをホッパ2内に落下させる。
【0018】
筐体1内の上部には、主ほぐし用コンベヤ6と予備ほぐし用コンベヤ7との2台のベルトコンベヤが配設されており、主ほぐし用コンベヤ6は、その一端部、図では左端部がホッパ2の下方に位置するとともに、その他端部、図では右端部が左端部より高く位置して、筐体1内の中央部で傾斜して延在し、図示のように布類塊Fをその左端部に掛かるようにホッパ2から投入されて、その布類塊Fを右端部へ向けて図では右方へ持ち上げ搬送し、後述のように布類塊Fをその自重によって崩してほぐす主ほぐしを行う。
【0019】
一方、予備ほぐし用コンベヤ7は、主ほぐし用コンベヤ6より短尺で、その一端部、図では右端部がホッパ2の下方かつ主ほぐし用コンベヤ6の左端部に隣接してその斜め上方に位置するように、筐体1内の図では左端部で略水平に延在しており、布類塊Fをその一部が右端部に掛かるようにホッパ2から投入されて、その布類塊Fとの衝突により予備ほぐしを行う予備ほぐし部材として機能するとともに、予備ほぐしの際にその予備ほぐし用コンベヤ7上に乗った布類塊Fの一部を図では右方へ搬送して主ほぐし用コンベヤ6上へ移す機能も果たす。そして、この予備ほぐし用コンベヤ7の右端部と主ほぐし用コンベヤ6の左端部との間には水平方向に、落下当初の布類塊F全体よりも小さいがある程度の量の布類が通れる隙間Gが開けられている。
【0020】
筐体1内の下部には、主ほぐし用コンベヤ6の図では右端部から落下する、落下当初の布類塊Fからほぐれた布類Pを図では左方へ搬送する布類搬送用コンベヤ8が、略水平に延在して配設され、また、筐体1内には、その一端部、図では左端部が上記隙間Gの下方に位置し、落下当初の布類塊Fからほぐれて隙間Gから落下した布類Pを図では右方へ搬送して布類搬送用コンベヤ8に供給する中間コンベヤ9が、略水平に延在して配設され、そして布類搬送用コンベヤ8の図では左端部には、布類搬出用コンベヤ10の右端部が接続されており、この布類搬出用コンベヤ10は、その左端部が右端部より高く位置して、フレーム1a外まで突出するように傾斜して延在している。
【0021】
さらに、この実施例の布類捌き装置では、フレーム1aの上端中央部に、過大な布類塊Fの通過を制限する制限ローラ11が、図では前後方向へ水平に延在して回転自在に配設されている。また、ここにおける主ほぐし用コンベヤ6は、その左端部をフレーム1aに軸支されて上下方向へ搖動可能とされるとともに、その右端部とフレーム1aとの間に通常のロードセル12を介挿されている。そして、筐体1の図では右側の下部には、通常のコンピュータを持つ図示しないコントローラを具えた制御盤13が設けられており、そのコントローラは、あらかじめ与えられたプログラムに基づき作動して、主ほぐし用コンベヤ6上の布類塊Fの重さを継続的に示すロードセル12からの信号を入力するとともに、上記各コンベヤ6〜10の図示しない駆動モータの作動を制御する。
【0022】
図2(a)および
図2(b)は、上記実施例の布類捌き装置の動作を順次に示す説明図であり、また
図3(a)および
図3(b)は、その実施例の布類捌き装置のさらなる動作を順次に示す説明図である。この実施例の布類捌き装置にあっては、
図1に示すように、搬送バッグBからホッパ2を通って布類塊Fが落下投入されると、先ず、布類塊Fの一部が予備ほぐし用コンベヤ7の右端部に掛かり、予備ほぐし用コンベヤ7が、その布類塊Fとの衝突により予備ほぐしを行うとともに、その予備ほぐし用コンベヤ7上に乗った布類塊Fの一部を図では右方へゆっくりと搬送して主ほぐし用コンベヤ6上へ移す。また、布類塊Fの一部が予備ほぐし用コンベヤ7の右端部に掛かった直後に、布類塊Fの大部分が主ほぐし用コンベヤ6の左端部上に落下し、布類塊Fの残る一部である布類Pが布類塊Fの落下の勢いで隙間Gから中間コンベヤ9上に落下する。
【0023】
次いでここでは、
図2(a)に示すように、主ほぐし用コンベヤ6が、そのコンベヤベルト上の布類塊Fをゆっくりと斜め上方へ持ち上げ搬送し、その搬送の間に、落下当初の布類塊Fは図中矢印で示す如く自重で左方へ回転しながらほぐれてゆく。そして布類塊Fからほぐれて分離した布類Pは、
図2(b)に示すように、主ほぐし用コンベヤ6の右端部から布類搬送用コンベヤ8上に少しずつ落下し、布類搬送用コンベヤ8によって固まらないように均されて搬送され、主ほぐし用コンベヤ6のコンベヤベルト上の布類塊Fが未だ大きすぎる場合は、制限ローラ11がその布類塊Fの上部に係合して通過を制限するとともにほぐれを促す。また、制御盤13のコントローラは、主ほぐし用コンベヤ6上の布類塊Fの重さを継続的に示すロードセル12からの信号に基づき、主ほぐし用コンベヤ6上の布類塊Fの重さが少しずつ減少するように、主ほぐし用コンベヤ6の作動速度を遅らせたり、作動の停止と開始を繰り返したりして布類塊Fの自重によるほぐれの進行を促すようにする。
【0024】
中間コンベヤ9の右端部付近にも、上記制御盤13のコントローラに接続された図示しない光センサが配設されており、この光センサからの信号によって中間コンベヤ9上に布類Pがあることを検知すると、コントローラは、
図3(a)に示すように、主ほぐし用コンベヤ6のコンベヤベルト上の布類塊Fから布類搬送用コンベヤ8上への布類Pの落下の間のタイミングで、中間コンベヤ9上の布類Pが布類搬送用コンベヤ8上に落下するように、中間コンベヤ9の作動速度を遅らせたり、作動の停止と開始を繰り返したりするように制御する。
【0025】
そしてここでは、
図3(b)に示すように、布類搬送用コンベヤ8上に均されて落下した布類Pが、布類搬出用コンベヤ10のコンベヤベルト上に略均一に、あるいは10枚程度ずつ纏めて引き渡され、その布類搬出用コンベヤ10によって筐体1外に順次に搬出される。
【0026】
従って、この実施例の布類捌き装置によれば、互いに絡まりあった複数枚の布類からなる布類塊Fを自動的に解きほぐして略均一に、あるいは10枚程度ずつ搬出することができるので、布類塊を事前に手作業である程度解きほぐしておくための手間と人手を削減することができる。
【0027】
また、この実施例の布類捌き装置によれば、主ほぐし用コンベヤ6の一端部に隣接して位置し、布類塊Fをその一部が掛かるように投入されてその布類塊との衝突により予備ほぐしを行う予備ほぐし部材として予備ほぐし用コンベヤ7を具えていることから、予備ほぐし用コンベヤ7との衝突による予備ほぐしの衝撃で布類塊Fがほぐれ易くなるので、その後の主ほぐしを容易かつ確実に行うことができる。
【0028】
そして、この実施例の布類捌き装置によれば、予備ほぐし部材は、主ほぐし用コンベヤ6の一端部へ向けて布類塊Fを搬送する予備ほぐし用コンベヤ7であることから、予備ほぐしの際に予備ほぐし用コンベヤ7上に乗った布類塊Fを、主ほぐし用コンベヤ6へ移すことができる。
【0029】
さらに、この実施例の布類捌き装置によれば、主ほぐし用コンベヤ6の右端部の下方に位置し、その主ほぐし用コンベヤ6の右端部から落下する、布類塊Fからほぐれた布類Pを搬送する布類搬送用コンベヤ8と、予備ほぐし用コンベヤ7と主ほぐし用コンベヤ6との間に水平方向に空けられた隙間Gの下方に位置し、布類塊Fからほぐれてその隙間Gから落下した布類Pを布類搬送用コンベヤ8に供給する中間コンベヤ9とを具えていることから、隙間Gから落下した布類Pを中間コンベヤ9でタイミングを取って布類搬送用コンベヤ8に供給することで、主ほぐし用コンベヤ6から布類搬送用コンベヤ8に落下する、布類塊Fからほぐれた布類Pと、隙間Gから落下した布類Pとを、一箇所にかたまらないように均して、布類搬送用コンベヤ8で搬送することができる。
【0030】
図4は、この発明の布類捌き装置の第2実施例の構成を透視して示す略線図であり、この実施例の布類捌き装置は先の実施例と同様の構成を具えるとともに、その布類搬送用コンベヤ8の後に後述のように、布類摘み上げ機構16と、上下一対の圧迫コンベヤ19,20と、布類押し込み機構21と、布類後端部引き上げ機構22とを追加して、布類Pをさらにほぐし、その布類Pを布類搬出用コンベヤ10で搬出するようにしたものであるので、図中、先の実施例におけると同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
【0031】
すなわちこの実施例の布類捌き装置では、先の実施例と同様の構成における筐体1のフレーム1aの図では左側の部分がより大きいフレーム1cに変更されるとともに、側板1bがそのフレーム1cに対応するものとされ、そのフレーム1cから傾斜して突出した布類搬出用コンベヤ10の手前に、先の実施例と同様の構成における布類搬送用コンベヤ8に接続されてその布類搬送用コンベヤ8から受け取った布類Pを図では左方へ搬送する、これもベルトコンベヤからなるもう一つの布類搬送用コンベヤ14が配設され、その布類搬送用コンベヤ14の図では左端部に仕切り板15が立設されている。
【0032】
フレーム1c内には、上記布類摘み上げ機構16が設けられており、この布類摘み上げ機構16は、図では前後方向へ並んで位置して各々例えばエアシリンダで駆動され、布類Pの一部を把持および解放する二個のクランプ17と、それらクランプ17を斜め上下方向へ昇降移動させるスライド機構18とを具え、ここで、スライド機構18は、図では前後方向へ並んで位置して二個のクランプ17をそれぞれ支持する二個のスライダ18aと、図では前後方向へ互いに平行に並んで位置してそれらのスライダ18aの斜め上下方向への昇降移動を案内する二本のガイドレール18bと、それらのスライダ18aの斜め上下方向への一緒の昇降移動を駆動するモータ18cと、モータ18cの駆動力をそれらのスライダ18aに伝達する例えばベルト式の伝動機構18dと、を有しており、布類搬送用コンベヤ14上の布類Pの一部を二個のクランプ17で把持してそれらのクランプ17をスライド機構18で斜め上方へ上昇移動させることで、布類搬送用コンベヤ14上の布類Pを垂れた状態で斜め上方へ摘み上げることができる。
【0033】
フレーム1c内にはまた、上記圧迫コンベヤ19,20が設けられており、ここで、下側の圧迫コンベヤ19は、図では右端部である入口側端部から出口側端部へ向けてコンベヤベルトがやや下るように傾斜する一方、上側の圧迫コンベヤ20は、三本のローラに掛けられたコンベヤベルトが図では右端部である入口側端部から出口側端部へ向けて大きく下るように傾斜し、これにより、垂れた状態で摘み上げられた布類Pの中間部に対向して入口側端部が位置するとともに、その入口側端部から出口側端部に向かって互いの間隔が狭まっている。
【0034】
フレーム1c内にはさらに、上記布類押し込み機構21が設けられており、この布類押し込み機構21は、図では前後方向へ水平に延在する回転自在な押し込みローラ21aを、上方の支持軸21b周りに揺動可能な図示しない支持腕で支持するとともに図示しない例えばエアシリンダにより押し引きし、二本のガイドレール18bの間を通して支持軸21b周りに揺動させて、布類Pの垂れた状態の中間部を圧迫コンベヤ19,20の入口に押し込むことができる。
【0035】
そして圧迫コンベヤ19,20の入口と仕切り板15の上端部との間には、上記布類後端部引き上げ機構22が設けられており、この布類後端部引き上げ機構22は、図では前後方向へ水平に延在する引き上げローラ22aを図示しないモータにより図では反時計回りに回転させることで、布類摘み上げ機構16により垂れた状態で摘み上げられた布類Pのその引き上げローラ22a上に乗った後端部を引き上げてその引き上げローラ22aの図では左側へ落下させ、布類摘み上げ機構16から離間させることができる。
【0036】
図5(a),(b)および(c)は、上記実施例の布類捌き装置の動作を順次に示す説明図であり、上記実施例の布類捌き装置にあっては、ホッパ2から投入された布類塊Fを、先の実施例と同様にして、予備ほぐし用コンベヤ7で予備ほぐしするとともに、主ほぐし用コンベヤ6で主ほぐしし、その主ほぐし用コンベヤ6から布類搬送用コンベヤ8に落下する、布類塊Fからほぐれた布類Pと、隙間Gから落下した布類Pとを、一箇所にかたまらないように均して、布類搬送用コンベヤ8および布類搬送用コンベヤ14で略均一に、あるいは10枚程度ずつ纏めて順次に搬送する。
【0037】
そしてこの実施例の布類捌き装置にあっては、布類摘み上げ機構16が、
図5(a)に示すように、その布類搬送用コンベヤ14上の布類Pの一部(1〜3枚程度)を二個のクランプ17で把持し、それらのクランプ17をスライド機構18で斜め上方へ上昇移動させて、布類搬送用コンベヤ14上の布類Pの一部を垂れ下がった状態で斜め上方へ摘み上げ、さらに布類押し込み機構21が、
図5(b)に示すように、二本のガイドレール18bの間を通して押し込みローラ21aを図では左方へ揺動させて、その押し込みローラ21aで布類Pの、二個のクランプ17から垂れ下がった状態の中間部を圧迫コンベヤ19,20の入口に押し込み、圧迫コンベヤ19,20が、その押し込まれた布類Pを間に挟み込んで図では左方の出口に送り、その際、布類後端部引き上げ機構22が、引き上げローラ22aで布類Pの後端部すなわち下端部を引き上げて布類摘み上げ機構16から離間させ、これにより
図5(c)に示すように、その圧迫コンベヤ19,20の出口から布類Pが布類搬出用コンベヤ10上に落下して、その布類搬出用コンベヤ10で搬出され、その一方で、スライド機構18がクランプ17を斜め下方へ下降移動させて次の布類の把持を行わせ、また布類押し込み機構21が押し込みローラ21aを図では右方へ揺動させて元の位置へ復帰させる。
【0038】
従って、この実施例の布類捌き装置によれば、先の実施例と同様にして、互いに絡まりあった複数枚の布類からなる布類塊Fを自動的に解きほぐして略均一に、あるいは10枚程度ずつ纏めて搬出することができるので、布類塊を事前に手作業である程度解きほぐしておくための手間と人手を削減することができる。
【0039】
しかもこの実施例の布類捌き装置によれば、布類摘み上げ機構16が、布類搬送用コンベヤ14上の布類Pの一部を把持してその布類Pを垂れた状態で斜め上方へ摘み上げ、布類押し込み機構21が、その垂れた状態で摘み上げられた布類Pの中間部に対向して入口が位置するとともにその入口から出口に向かって互いの間隔が狭まる上下一対の圧迫コンベヤ19,20の入口にその布類Pの中間部を押し込み、布類搬出用コンベヤ10が、圧迫コンベヤ19,20の出口から排出されたその布類Pを順次に搬出するので、布類搬送用コンベヤ14上の布類Pをさらにほぐして1〜3枚程度ずつ、あるいは10枚程度ずつ纏めて布類搬出用コンベヤ10で搬出することができ、しかも布類摘み上げ機構16が布類Pを垂れた状態で斜め上方へ摘み上げるので、圧迫コンベヤ19,20の入口に垂れた布類Pが残っていてもそれに干渉せずに、布類摘み上げ機構16が次の布類Pの摘み上げのために下降することができ、それゆえ摘み上げのタクトタイムを短くすることができる。
【0040】
さらにこの実施例の布類捌き装置によれば、布類後端部引き上げ機構22が、垂れた状態で摘み上げられた布類Pの後端部すなわち下端部を引き上げて布類摘み上げ機構16から離間させるので、圧迫コンベヤ19,20の入口に垂れた布類Pが残っていてもそれとの干渉をより確実に回避して、布類摘み上げ機構16のクランプ17が次の布類Pの摘み上げのために下降することができ、それゆえ摘み上げのタクトタイムをさらに短くすることができる。
【0041】
図6(a)および(b)は、洗濯された布類をアイロンローラに一枚ずつ投入する際の従来の方法および上記実施例の布類捌き装置を用いた方法をそれぞれ示す説明図であり、布類捌き装置を用いていなかった従来は、
図6(a)に示すように、ホテル等の宿泊施設や病院等の契約先から回収された使用後の布類が、先ず連続洗濯機で洗濯され、次いで脱水機で脱水され、次いで乾燥機で半乾燥状態まで乾燥されて、搬送バッグ内に例えば80枚程度ずつ互いに絡み合った状態で塊状に収容され、その搬送バッグが搬送システムにより仕上げ投入機(あるいは展張機)の近辺まで搬送され、そこで搬送バッグの下端部が解放されて搬送バッグ内の布類塊が仕上げ投入機(あるいは展張機)の近辺に積み上げられ、もしくは乾燥機で半乾燥状態まで乾燥された布類が、コンベヤで搬送されて仕上げ投入機(あるいは展張機)の近辺に積み上げられ、作業者がその積み上がった布類塊の山から1枚ずつ布類を引き抜いて仕上げ投入機(あるいは展張機)に供給する。
【0042】
これに対し、上記実施例の布類捌き装置を用いた場合には、
図6(b)に示すように、ホテル等の宿泊施設や病院等の契約先から回収された使用後の布類が、先ず連続洗濯機で洗濯され、次いで脱水機で脱水され、次いで乾燥機で半乾燥状態まで乾燥されて搬送バッグ内に例えば80枚程度ずつ互いに絡み合った状態で塊状に収容され、その搬送バッグが搬送システムにより上記実施例の布類捌き装置の上方まで搬送され、そこで搬送バッグの下端部が解放されて搬送バッグ内の布類塊がその布類捌き装置内に投入され、布類捌き装置が互いに絡まりあった複数枚の布類からなるその布類塊を解きほぐして仕上げ投入機(あるいは展張機)の近辺に供給し、作業者がその解きほぐされて小分けされた複数枚の布類から1枚ずつ布類を引き抜いて仕上げ投入機(あるいは展張機)に供給する。
【0043】
図7は、
図6(a)に示す従来の方法で、洗濯された布類としてのシーツをシーツ塊から一枚ずつ引き抜いて仕上げ投入機に投入する際の作業進行に伴う、実際のシーツ引き抜き時間の変化状態を示す関係線図であり、ここではホテルリネン1,2および病院リネン1,2の4種類のシーツを扱い、そのシーツを仕上げ投入機(あるいは展張機)の投入チャックに差し込んだ瞬間から、次にシーツを山から引き抜いて仕上げ投入機(あるいは展張機)への投入準備ができるまでの時間を「引き抜き時間」として計測している。なお、図中、布類捌き装置(コンベアのみ)は第1実施例の装置、布類捌き装置(コンベア+ピックUP)は第2実施例の装置を示している。また、シーツサイズの数字はシーツ幅(×100mm)を示しており、シーツ長さは概ね3000mmである。
【0044】
この
図7から明らかなように、仕上げ投入機(あるいは展張機)が毎時1000枚で作動する際は作業者1人7.2秒間隔でシーツを投入し、毎時1300枚で作動する際は作業者1人5.5秒間隔でシーツを投入し、毎時1500枚で作動する際は作業者1人4.8秒間隔でシーツを投入することになるのに対し、第1実施例の装置は毎時2400枚(但し絡み多少有り)の搬出を想定し、第2実施例の装置は毎時1800枚の搬出を想定しており、これにより作業者は1人4.8〜4.3秒間隔でシーツを投入することができるので、仕上げ投入機(あるいは展張機)の毎時1500枚での作動にも十分対応することができる。
【0045】
また、
図7から明らかなように、供給されたばかりのシーツの山からシーツを引き抜く際の引き抜き時間は約6.6秒かかっているが、山の最後の方ではシーツを引き抜く際の引き抜き時間は約4.8秒に短縮されている。上記実施例の布類捌き装置によれば、この山の最後の方での引き抜き時間と同程度もしくはそれ以下の引き抜き時間を実現することができるので、仕上げ投入機(あるいは展張機)への布類の単位時間当たりの投入速度を、布類捌き装置を用いていなかった従来よりも大幅に高めることができる。また、従来の方法では、シーツの山の高さが最初は約70cmと高く、シーツの引き抜きにより下がってゆくので、作業者は最初は伸び上がって作業し、最後は腰をかがめて作業する必要があって作業負担が大きいのに対し、上記実施例の布類捌き装置によれば、シーツの山の高さが最初から約20cmとなるので、作業者はほぼ一定の姿勢を保って楽に作業することができる。
【0046】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば上記実施例では予備ほぐし部材を予備ほぐし用コンベヤ7としたが、回転自在なローラや、表面が滑らかな棒材としてもよく、またコントローラは、主ほぐし用コンベヤ6上の布類塊Fの重量の変化を検出するロードセル12の出力信号を用いて主ほぐし用コンベヤ6の作動を制御しているが、主ほぐし用コンベヤ6の駆動モータの電流値を用いて主ほぐし用コンベヤ6の作動を制御してもよく、あるいは主ほぐし用コンベヤ6の出口側端部(図では右端部)に上下方向に延在させて設けたラインセンサ(多数の光センサを直線状に並べたもの)で、その出口側端部での布類塊Fの高さを検出して、その高さが徐々に低くなるように主ほぐし用コンベヤ6の作動を制御してもよい。
【0047】
さらに、上記実施例では主ほぐし用コンベヤ6と予備ほぐし用コンベヤ7と布類搬送用コンベヤ8,14と中間コンベヤ9と搬出用コンベヤ10と圧迫コンベヤ19,20とを何れもベルトコンベヤで構成したが、それらのコンベヤの何れか1台以上もしくは全てを他の形式のコンベヤで構成してもよい。また、上記実施例では予備ほぐし部材を1つ設けたが、高さが異なる複数の予備ほぐし部材を設けて複数回の予備ほぐしを行ってもよい。さらに、上記実施例では布類押し込み機構が回転自在な押し込みローラを用いたが、表面が滑らかな棒材を用いてもよい。さらに、上記実施例では搬送バッグBから布類捌き装置に布類塊Fを投入したが、他の搬送システム例えばベルトコンベヤから布類捌き装置に布類塊Fを投入してもよい。