特許第6045360号(P6045360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045360
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両用駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/08 20060101AFI20161206BHJP
   B60W 20/17 20160101ALI20161206BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20161206BHJP
   B60K 6/547 20071001ALI20161206BHJP
   B60L 11/14 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   B60W10/08 900
   B60W20/17
   B60K6/48ZHV
   B60K6/547
   B60L11/14
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-5971(P2013-5971)
(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公開番号】特開2014-136491(P2014-136491A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2015年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】592058315
【氏名又は名称】アイシン・エーアイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(72)【発明者】
【氏名】古我知 理人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嘉規
【審査官】 増子 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−010158(JP,A)
【文献】 特開平09−331603(JP,A)
【文献】 特開2001−213181(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/025911(WO,A1)
【文献】 特開2012−171440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 − 6/547
B60W 10/00 − 20/50
B60L 1/00 − 3/12
B60L 7/00 − 13/00
B60L 15/00 − 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド車両の駆動輪にトルクを付与する駆動装置であって、
前記駆動輪にエンジントルクを付与するエンジンと、
前記エンジンと前記駆動輪との間に設けられ、前記駆動輪にモータトルクを付与するモータと、
前記モータと前記エンジンとの間に設けられ、前記エンジンからのエンジントルクが入力される入力軸と、前記モータに回転連結された出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸の一方に相対回転不能に固定された複数の固定ギヤと、前記入力軸及び前記出力軸の他方に遊転可能に設けられ、前記複数の固定ギヤとそれぞれ噛合する複数の遊転ギヤと、とを有する自動変速機と、
前記エンジンと前記自動変速機との間に設けられ、前記エンジンに回転連結された入力部材と、前記自動変速機に回転連結された出力部材とを有し、前記入力部材と前記出力部材を係合又は切断するクラッチと、
前記クラッチが切断し、全ての前記遊転ギヤが当該遊転ギヤが設けられている軸に対して遊転状態となり、前記遊転ギヤのうち1の遊転ギヤが前記軸に回転不能に嵌合される変速時において、前記入力軸の回転速度の変化に伴い前記出力軸に加えられるイナーシャトルクを、前記モータトルクを調整することにより相殺するモータトルク調整部を、有するハイブリッド車両用駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記入力軸の回転速度を取得する入力軸回転速度取得部と、
前記入力軸の回転速度に基づいて、前記入力軸の回転速度変化量を演算する入力軸回転速度変化量演算部と、
前記入力軸の回転速度変化量に基づいてモータトルク補正量を演算するモータトルク補正量演算部とを有し、
前記モータトルク調整部は、前記モータトルク補正量に基づいて前記モータトルクを補正するハイブリッド車両用駆動装置
【請求項3】
請求項2において、
前記モータトルク補正量演算部は、変速完了後の変速段を加味して、前記モータトルク補正量を演算するハイブリッド車両用駆動装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記モータトルク調整部は、前記ハイブリッド車両が前記モータで走行している際に、前記イナーシャトルクを前記モータトルクで相殺するハイブリッド車両用駆動装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪がエンジンとモータによって駆動されるハイブリッド車両用の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に示されるように、ハイブリッド車両に搭載される駆動装置において、エンジンとモータの間に設けられた自動変速機と、自動変速機とエンジンの間に設けられたクラッチを有するものが知られている。この自動変速機は、既存のマニュアルトランスミッションの操作を自動化した所謂オートメイテッド・トランスミッション(以下、AMTと略す)である。このような、AMTは、入力軸及び出力軸の一方に固定された固定ギヤと、入力軸及び出力軸の他方に遊転可能に設けられた遊転ギヤを有している。
【0003】
特許文献1に示される駆動装置では、自動変速機が変速する際には、クラッチを切断状態としたうえで、軸と嵌合している遊転ギヤを前記軸に対して遊転状態とし、入力軸と出力軸を相対回転自由な状態とする。そして、変速段に対応する遊転ギヤを前記軸に嵌合させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−171440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される駆動装置では、変速時においては、出力軸に入力軸の回転速度の変化に伴う入力軸及び入力軸と一体回転する部材のイナーシャトルクが加わるため、車両にショックが発生してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、自動変速機の変速時において発生するショックを低減することができるハイブリッド車両用駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するためになされた、請求項1に係る発明は、ハイブリッド車両の駆動輪にトルクを付与する駆動装置であって、前記駆動輪にエンジントルクを付与するエンジンと、前記エンジンと前記駆動輪との間に設けられ、前記駆動輪にモータトルクを付与するモータと、前記モータと前記エンジンとの間に設けられ、前記エンジンからのエンジントルクが入力される入力軸と、前記モータに回転連結された出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸の一方に相対回転不能に固定された複数の固定ギヤと、前記入力軸及び前記出力軸の他方に遊転可能に設けられ、前記複数の固定ギヤとそれぞれ噛合する複数の遊転ギヤと、とを有する自動変速機と、前記エンジンと前記自動変速機との間に設けられ、前記エンジンに回転連結された入力部材と、前記自動変速機に回転連結された出力部材とを有し、前記入力部材と前記出力部材を係合又は切断するクラッチと、前記クラッチが切断し、全ての前記遊転ギヤが当該遊転ギヤが設けられている軸に対して遊転状態となり、前記遊転ギヤのうち1の遊転ギヤが前記軸に回転不能に嵌合される変速時において、前記入力軸の回転速度の変化に伴い前記出力軸に加えられるイナーシャトルクを、前記モータトルクを調整することにより相殺するモータトルク調整部を、有する。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記入力軸の回転速度を取得する入力軸回転速度取得部と、前記入力軸の回転速度に基づいて、前記入力軸の回転速度変化量を演算する入力軸回転速度変化量演算部と、前記入力軸の回転速度変化量に基づいてモータトルク補正量を演算するモータトルク補正量演算部とを有し、前記モータトルク調整部は、前記モータトルク補正量に基づいて前記モータトルクを補正する。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記モータトルク補正量演算部は、変速完了後の変速段を加味して、前記モータトルク補正量を演算する。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、前記モータトルク調整部は、前記ハイブリッド車両が前記モータで走行している際に、前記イナーシャトルクを前記モータトルクで相殺する。

【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によると、モータトルク調整部は、変速時において入力軸の回転速度の変化に伴い出力軸に加えられるイナーシャトルクを、モータトルクを調整することにより相殺する。
【0012】
これにより、変速時において出力軸に加えられるイナーシャトルクがモータトルクの調整により相殺される。このため、変速時において発生するショックが低減される。
【0013】
請求項2に係る発明によると、モータトルク補正量演算部は、入力軸の回転速度変化量に基づいてモータトルク補正量を演算する。そして、モータトルク調整部は、モータトルク補正量に基づいてモータトルクを補正する。
【0014】
このように、変速時において変化する入力軸の回転速度に基づいてモータトルク補正量が演算される。これにより、リニアにモータトルク補正量が演算され、リニアにモータトルクが補正される。このため、リニアにモータトルクが補正され、変速時において発生するショックをより低減することができる。
【0015】
請求項3に係る発明によると、モータトルク補正量演算部は、変速完了後の変速段を加味して、モータトルク補正量を演算する。つまり、入力軸の回転速度を出力軸の回転速度で除した変速比が加味されて、モータトルク補正量が演算され、モータトルクが補正される。
【0016】
これにより、変速時に出力軸に加えられるイナーシャトルクによるショックを低減するためのモータトルク補正量がより正確に演算される。このため、より精度高くモータトルクを調整することができ、自動変速機の変速時において発生するショックをより低減することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によると、モータトルク調整部は、ハイブリッド車両がモータで走行している際に、イナーシャトルクをモータトルクで相殺する。
【0018】
これにより、ハイブリッド車両がモータで走行している際に変速があったとしても、変速に伴うショックが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態によるハイブリッド車両用駆動装置が搭載されたハイブリッド車両の説明図である。
図2】自動変速機のスケルトン図である。
図3】選択機構の軸方向断面図である。
図4】横軸を経過時間、縦軸をシフトスローク、入力軸回転速度、イナーシャトルク、モータトルク、駆動トルクを表した説明図である。
図5】制御部が実行するプログラムである「変速時モータ制御処理」のフローチャートである。
図6】モータトルク補正量と入力軸回転速度変化量との関係を表したマッピングデータである「モータトルク補正量演算データ」の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(ハイブリッド車両の説明)
図1に基づき、本発明の実施形態によるハイブリッド車両用駆動装置1について説明する。図1は、ハイブリッド車両用駆動装置1が搭載されたハイブリッド車両(以下、車両と略す)の概略を示している。図1において、太線は各装置間の機械的な接続を示し、破線による矢印は制御用の信号線を示し、一点鎖線による矢印は車両の電力の供給線を示している。
【0021】
図1に示すように、ハイブリッド車両用駆動装置1は、エンジン2、クラッチ5、自動変速機100、モータジェネレータ6、クラッチアクチュエータ53、インバータ装置15、バッテリ16、制御部10とから構成されている。ハイブリッド車両用駆動装置1は、駆動輪18R、18Lに「トルク」(駆動力)を付与するものである。
【0022】
車両は、エンジン2、クラッチ5、自動変速機100、モータジェネレータ6、デファレンシャル17が、この順番に、直列に配設されている。また、デファレンシャル17には、車両の駆動輪18R、18Lが接続されている。なお、駆動輪18R、18Lは、車両の前輪又は後輪、或いは、前後輪である。
【0023】
エンジン2は、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等である。エンジン2は、出力軸21、スロットルバルブ22、及び燃料噴射装置23を有し、制御部10によって制御される。出力軸21は、ピストンにより回転駆動されるクランク軸と一体的に回転して「エンジントルク」を出力する。
【0024】
スロットルバルブ22は、エンジン2の内部に空気を取り込む経路の途中に配設されている。燃料噴射装置23は、エンジン2の内部に空気を取り込む経路及び燃焼室の少なくとも一方に燃料を噴射するものである。なお、本実施形態では、エンジン2の出力軸21は、後述するクラッチ5の入力部材である駆動側部材51に接続している。
【0025】
クラッチ5は、エンジン2の出力軸21と自動変速機100の入力軸81とを接続又は切断するものである。クラッチ5は、湿式多板摩擦クラッチや乾式単板摩擦クラッチである。クラッチ5は、出力軸21に連結された入力部材である駆動側部材51と、入力軸81に連結された出力部材である従動側部材52を備えている。
【0026】
駆動側部材51と従動側部材52は、クラッチアクチュエータ53によって、接続状態及び切断状態に切り替えられる。本実施形態では、クラッチ5は、クラッチアクチュエータ53が作動していない時に、切断状態となるノーマールオープンクラッチである。
【0027】
自動変速機100は、入力軸81の回転速度を出力軸82の回転速度で除した変速比がそれぞれ異なる複数のギヤ段(リバース含む)を選択的に切り替える変速機構を有している有段変速機である。入力軸81には、エンジン2からの「エンジントルク」が入力される。自動変速機100は、制御部10からの指令に基づいて変速機構を作動させ、複数のギヤ段を選択的に切り替えて変速を実装するシフト操作装置(不図示)を備えている。この自動変速機100の構成については、後で詳細に説明する。
【0028】
自動変速機100は、入力軸81の回転速度である入力軸回転速度Niを検出し、検出信号を制御部10に出力する入力軸回転速度センサ83を有している。自動変速機100は、出力軸82の回転速度である出力軸回転速度Noを検出し、検出信号を制御部10に出力する出力軸回転速度センサ84を有している。
【0029】
モータジェネレータ6は、駆動輪18L、18Rに「モータトルク」を付与するとともに減速時に発電する。モータジェネレータ6は、円筒状のステータと、このステータの内周側に回転可能に配設されたロータとから構成されている。ステータは、ステータコアに巻線が巻回されて構成されている。ロータは、ロータコアに永久磁石が取り付けられて構成されている。本実施形態では、モータジェネレータ6は、三相同期機である。ロータは、出力軸82に連結されるとともに、デファレンシャル17に連結している。
【0030】
インバータ装置15は、バッテリ16から供給される直流電流を、交流電流に変換するとともに、交流電流の電圧の周波数及び実効値を可変してモータジェネレータ6に供給する。また、インバータ装置15は、モータジェネレータ6が発電した交流電流を降圧するとともに直流電流に変換して、バッテリ16を充電する。
【0031】
制御部10は、ハイブリッド車両用駆動装置1を制御するものである。制御部10は、スロットルバルブ22、燃料噴射装置23、クラッチアクチュエータ53、シフトアクチュエータ251と接続している。制御部10は、CPU、RAM、記憶部、及びこれらを接続するバスを有する。CPUは、図5に示すフローチャートに対応したプログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものである。記憶部は、不揮発性メモリー等で構成され、前記プログラムや図6に示すマッピングデータを記憶するものである。
【0032】
制御部10は、アクセルペダル31の操作量を検出するアクセルセンサ32から、前記操作量の相対値を意味するアクセル開度Acの情報を取得する。制御部10は、アクセル開度Acに基づいて、「要求トルク」を演算する。制御部10は、バッテリ16の充電状態や車速V等の情報に基づいて、「要求モータトルク」を演算する。制御部10は、「要求トルク」及び「要求モータトルク」に基づいて「要求エンジントルク」を演算する。具体的には、「要求トルク」から「要求モータトルク」が減算されて、「要求エンジントルク」が演算される。
【0033】
制御部10は、「要求エンジントルク」に基づいて、スロットルバルブ22の開度及び燃料噴射装置23の燃料噴射量を制御し、エンジン2が出力する「エンジントルク」が「要求エンジントルク」となるように制御する。
【0034】
制御部10は、インバータ装置15の動作を制御することで、モータジェネレータ6の駆動モードと発電モードの切り替え制御を行うとともに、モータジェネレータ6が出力する「モータトルク」が「要求モータトルク」の制御を行う。
【0035】
制御部10は、クラッチアクチュエータ53を作動させて、クラッチ5を接続状態又は切断状態にし、出力軸21と入力軸81とを接続又は切断する。このように、制御部10は、クラッチ5を切断することにより、「モータトルク」のみにより車両を駆動する「電動走行モード」に切り替える。
【0036】
或いは、制御部10は、クラッチ5を接続することにより、「スプリット走行モード」に切り替える。なお、「スプリット走行モード」には、「エンジントルク」及び「モータトルク」により車両を駆動する場合と、「エンジントルク」の一部により車両を駆動するとともに、「エンジントルク」の残部によりモータジェネレータ6で発電する場合が含まれる。
【0037】
制御部10は、アクセル開度Acの情報及び出力軸回転速度センサ84から出力軸回転速度Noの情報(車速Vに関する情報)を取得し、それらからなる車両の走行状態を、「変速マップデータ」(不図示)に参照させることにより、自動変速機100の最適なギヤ段を判断する。そして、制御部10は、シフトアクチュエータ251に駆動電流を供給するとともに制御し、自動変速機100のギヤ段を変更する(変速)。
【0038】
(自動変速機)
以下に、図2を用いて、自動変速機100について説明する。本実施形態の自動変速機100は、シフト操作装置によって変速が実行される所謂オートメイテッドマニュアルトランスミッションである。
【0039】
自動変速機100は、入力軸81、出力軸82、第一ドライブギヤ141、第二ドライブギヤ142、第三ドライブギヤ143、第四ドライブギヤ144、第五ドライブギヤ145、リバースドライブギヤ146、第一ドリブンギヤ151、第二ドリブンギヤ152、第三ドリブンギヤ153、第四ドリブンギヤ154、第五ドリブンギヤ155、リバースドリブンギヤ156、出力ギヤ157、リバースアイドラギヤ161、第一選択機構110、第二選択機構120、第三選択機構130を有する。
【0040】
入力軸81と出力軸82は、自動変速機100のハウジング(不図示)に回転可能に平行に軸支されている。
【0041】
第一ドライブギヤ141、第二ドライブギヤ142、第三ドライブギヤ143、第四ドライブギヤ144、第五ドライブギヤ145、リバースドライブギヤ146は、入力軸81に相対回転不能に設けられた固定ギヤである。
【0042】
第一ドリブンギヤ151、第二ドリブンギヤ152、第三ドリブンギヤ153、第四ドリブンギヤ154、第五ドリブンギヤ155、リバースドリブンギヤ156、出力ギヤ157は、出力軸82に遊転可能(相対回転可能)又は嵌合可能に設けられた遊転ギヤである。
【0043】
第一ドライブギヤ141と第一ドリブンギヤ151は、互いに噛合し、1速段を構成するギヤである。第二ドライブギヤ142と第二ドリブンギヤ152は、互いに噛合し、2速段を構成するギヤである。第三ドライブギヤ143と第三ドリブンギヤ153は、互いに噛合し、3速段を構成するギヤである。第四ドライブギヤ144と第四ドリブンギヤ154は、互いに噛合し、4速段を構成するギヤである。第五ドライブギヤ145と第五ドリブンギヤ155は、互いに噛合し、5速段を構成するギヤである。
【0044】
第一ドライブギヤ141、第二ドライブギヤ142、第三ドライブギヤ143、第四ドライブギヤ144、第五ドライブギヤ145の順にギヤ径が大きくなっている。第一ドリブンギヤ151、第二ドリブンギヤ152、第三ドリブンギヤ153、第四ドリブンギヤ154、第五ドリブンギヤ155の順にギヤ径が小さくなっている。
【0045】
リバースアイドラギヤ161は、リバースドライブギヤ146とリバースドリブンギヤ156の間に配設され、リバースドライブギヤ146及びリバースドリブンギヤ156と噛合している。リバースアイドラギヤ161、リバースドライブギヤ146及びリバースドリブンギヤ156は、リバース用のギヤである。
【0046】
(選択機構)
[第一選択機構]
第一選択機構110は、第一ドリブンギヤ151又は第二ドリブンギヤ152を選択して、出力軸82に相対回転不能に連結するものである。第一選択機構110は、図2図3に示すように、第一クラッチハブH1と、第一速係合部材E1と、第二速係合部材E2と、第一シンクロナイザリングR1、第二シンクロナイザリングR2と、第一スリーブS1とから構成されている。
【0047】
第一クラッチハブH1は、第一ドリブンギヤ151と第二ドリブンギヤ152との軸方向間となる出力軸82にスプライン嵌合されている。このため、第一クラッチハブH1は、出力軸82に相対回転不能且つ前記軸の軸線方向に移動可能となっている。第一速係合部材E1及び第二速係合部材E2は、第一ドリブンギヤ151及び第二ドリブンギヤ152のそれぞれに、例えば圧入などにより固定される部材である。
【0048】
第一シンクロナイザリングR1は、第一クラッチハブH1と第一速係合部材E1の間に設けられている。第一シンクロナイザリングR1は、第一スリーブS1の軸線方向の移動により、第一スリーブS1とスプライン噛合又は第一スリーブS1から離脱するようになっている。第一シンクロナイザリングR1と第一速係合部材E1には、それぞれ、互いに当接する円錐面のコーン面c1、C1が形成されている。第一スリーブS1は、第一クラッチハブH1の外周に軸方向移動自在にスプライン係合される。
【0049】
第二シンクロナイザリングR2は、第一クラッチハブH1と第二速係合部材E2の間に設けられている。第二速係合部材E2と第二シンクロナイザリングR2には、それぞれ、互いに当接する円錐面のコーン面c2、C2が形成されている。第二スリーブS2は、第二クラッチハブH2の外周に軸方向移動自在にスプライン係合される。
【0050】
この第一選択機構110は、第一ドリブンギヤ151及び第二ドリブンギヤ152の一方を出力軸82に同期しつつ、第一ドリブンギヤ151及び第二ドリブンギヤ152の一方を出力軸82に係合し、かつ、第一ドリブンギヤ151及び第二ドリブンギヤ152の両者を出力軸82に対して離脱する状態にすることができる周知のシンクロメッシュ機構を構成している。
【0051】
第一選択機構110の第一スリーブS1は、図2に示す「中立位置」では第一速係合部材E1及び第二速係合部材E2のいずれにも係合されていない。第一スリーブS1の外周には、環状の第一係合溝S1−1が形成されている。第一係合溝S1−1には、第一シフトフォークF1が係合している。
【0052】
第一シフトフォークF1により第一スリーブS1が第一ドリブンギヤ151側にシフトされれば、第一スリーブS1が第一シンクロナイザリングR1にスプライン係合するともに、第一スリーブS1によって第一シンクロナイザリングR1が第一速係合部材E1側に移動される。すると、第一シンクロナイザリングR1のコーン面c1が第一速係合部材E1のコーン面C1に当接し、これらコーン面c1、C1同士の摩擦力により、出力軸82と第一ドリブンギヤ151の回転速度が徐々に同期される。
【0053】
出力軸82と第一ドリブンギヤ151の回転速度が同期すると、第一スリーブS1は、更に第一速係合部材E1側に移動し、第一速係合部材E1の外周の外歯スプラインと係合し、第一ドリブンギヤ151を出力軸82に相対回転不能に連結して1速段を形成する。
【0054】
また、第一シフトフォークF1により第一スリーブS1が第二ドリブンギヤ152側にシフトされれば、第二シンクロナイザリングR2は同様にして出力軸82と第二ドリブンギヤ152の回転を同期させた後に、この両者を相対回転不能に連結して2速段を形成する。
【0055】
[第二選択機構]
第二選択機構120は、第三ドライブギヤ143又は第四ドライブギヤ144を選択して、出力軸82に相対回転不能に連結するものである。第二選択機構120は、第二クラッチハブH2と、第三速係合部材E3と、第四速係合部材E4と、第三シンクロナイザリングR3、第四シンクロナイザリングR4と、第二スリーブS2とから構成されている。
【0056】
第二選択機構120は、第一選択機構110と同様のシンクロメッシュ機構であり、第二クラッチハブH2が、第三ドライブギヤ143と第四ドライブギヤ144の間の出力軸82に固定され、第三速係合部材E3と第四速係合部材E4が、それぞれ第三ドライブギヤ143と第四ドライブギヤ144に固定されている点が異なっているだけである。第二選択機構120は、「中立位置」ではいずれの係合部材E3、E4とも係合されていない。第二スリーブS2の外周には、環状の第二係合溝S2−1が形成されている。第二係合溝S2−1には、第二シフトフォークF2が係合している。
【0057】
第二シフトフォークF2により第二スリーブS2が第三ドライブギヤ143にシフトされれば、出力軸82と第三ドライブギヤ143の回転が同期された後に、この両者が一体的に連結されて3速段が形成される。また、第二シフトフォークF2により第二スリーブS2が第四ドライブギヤ144側にシフトされれば、出力軸82と第四ドライブギヤ144の回転が同期された後に、この両者が直結されて4速段が形成される。
【0058】
[第三選択機構]
第三選択機構130は、第五ドライブギヤ145又はリバースドライブギヤ146を選択して、出力軸82に相対回転不能に連結するものである。第三選択機構130は、第三クラッチハブH3と、第五速係合部材E5と、リバース係合部材ERと、第五シンクロナイザリングR5、リバースシンクロナイザリングRRと、第三スリーブS3とから構成されている。
【0059】
第三選択機構130は、第一選択機構110と同様のシンクロメッシュ機構であり、第三クラッチハブH3が、第五ドライブギヤ145とリバースドライブギヤ146の間の出力軸82に固定され、第五速係合部材E5とリバース係合部材ERが、それぞれ第四ドライブギヤ144とリバースドライブギヤ146に固定されている点が異なっているだけである。第三選択機構130は、「中立位置」ではいずれの係合部材E5、ERとも係合されていない。第三スリーブS3の外周には、環状の第三係合溝S3−1が形成されている。第三係合溝S3−1には、第三シフトフォークF3が係合している。
【0060】
第三シフトフォークF3により第三スリーブS3が第五ドライブギヤ145にシフトされれば、出力軸82と第五ドライブギヤ145の回転が同期された後に、この両者が一体的に連結されて5速段が形成される。また、第三シフトフォークF3により第三スリーブS3がリバースドライブギヤ146側にシフトされれば、出力軸82とリバースドライブギヤ146の回転が同期された後に、この両者が直結されてリバース段が形成される。
【0061】
シフト操作装置は、シフトフォークF1〜F3を出力軸82の軸線方向に移動させる単数又は複数のシフトアクチュエータ251と、シフトアクチュエータ251による駆動力をシフトフォークF1〜F3に伝達する伝達部材(不図示)を有している。
【0062】
(本発明の概要)
以下に、図4を用いて本発明の概要について説明する。本発明は、自動変速機100において変速が実行される際に、入力軸81の回転速度の変化に伴い出力軸82に加えられる「イナーシャトルク」(図4の(3))を、モータジェネレータ6が出力する「モータトルク」を調整する(図4の(4))ことにより相殺する。すると、車両に付与される「駆動トルク」の変動が、従来(図4の(6))に比べて抑制される(図4の(5))。以下に、詳細に説明する。
【0063】
(変速時モータ制御処理)
以下に、図5に示すフローチャートを用いて、「変速時モータ制御処理」について説明する。車両が走行可能な状態となると、プログラムはS11に進む。
【0064】
S11において、制御部10が、変速を開始したと判断した場合には(S11:YES)、プログラムをS12に進め、変速が開始していないと判断した場合には(S11:NO)、S11の処理を繰り返す。なお、変速に際しては、予めクラッチ5が切断状態となり、入力軸81及び入力軸81と一体回転する部材が、エンジン2の出力軸21から切り離される。そして、全ての遊転ギヤ141〜156が出力軸82に対して遊転状態となっている。
【0065】
S12において、制御部10は、シンクロナイザリングR1〜RRよるスリーブS1と遊転ギヤ151〜156の回転の同期が開始したと判断した場合には(S12:YES、図4の(1))、プログラムをS13に進め、上記同期が開始していないと判断した場合には(S12:NO)、S12の処理を繰り返す。なお、制御部10は、入力軸回転速度センサ83によって検出された入力軸回転速度Niの変化を検出した場合に(図4の(7))、上記同期が開始したと判断する。
【0066】
S13において、制御部10は、入力軸回転速度Niを時間微分することにより、「入力軸回転速度変化量」を演算する。S13が終了すると、プログラムはS14に進む。
【0067】
S14において、制御部10は、「入力軸回転速度変化量」を図6に示す「モータトルク補正量演算データ」に参照させることにより、「モータトルク補正量」を演算する。なお、「モータトルク補正量」は、変速時に入力軸81の回転速度の変化に伴う出力軸82に加えられる「イナーシャトルク」による車両に付与される駆動力を相殺するための補正量である。つまり、「モータトルク補正量」は、「イナーシャトルク」に自動変速機100の変速比を乗算した値である。
【0068】
なお、出力軸82に加えられる「イナーシャトルク」は、入力軸81及び入力軸81と一体回転する部材の慣性モーメントよるものである。入力軸81と一体回転する部材には、ドライブギヤ141〜146、ドリブンギヤ151〜156、係合部材E1〜E6、変速する際に選択されるシンクロナイザリングR1〜RR、従動側部材52が含まれる。
【0069】
なお、「モータトルク補正量」は、アップシフトの場合にはマイナスの値となり、ダウンシフトの場合にはプラスの値となる。また、「モータトルク補正量演算データ」は、「入力軸回転速度変化量」が大きい程、「モータトルク補正量」の絶対値が大きくなるように設定されている。また、「モータトルク補正量演算データ」は、変速完了後の変速段が大きい程、「モータトルク補正量」の絶対値が大きくなるように設定されている。
S14が終了すると、プログラムはS15に進む。
【0070】
S15において、制御部10は、「要求モータトルク」にS14で演算した「モータトルク補正量」を加算することにより、「補正要求モータトルク」を演算する。そして、制御部10は、「補正要求モータトルク」となるようにモータジェネレータ6を制御して、「モータトルク」を調整する。なお、「補正要求モータトルク」がマイナスとなる場合には、制御部10は、モータジェネレータ6が出力する「モータトルク」がマイナスの「補正要求モータトルク」となるように、モータジェネレータ6で発電させる。S15が終了すると、プログラムは、S16に進む。
【0071】
S16において、制御部10は、入力軸回転速度Ni及び出力軸回転速度Noに基づいて、シンクロナイザリングR1〜RRよるスリーブS1と遊転ギヤ151〜156の回転の同期が完了したと判断した場合には(S16:YES)、プログラムをS11に戻し、上記同期が完了していないと判断した場合には(S16:NO)、プログラムをS13に戻す。
【0072】
上述の図5に示す「変速時モータ制御処理」が実行される状態は、下記に示す(1)〜(3)の場合である。
【0073】
(1)車両が「電動走行モード」で走行している場合において、自動変速機100が変速する場合。
この場合には、モータジェネレータ6が出力している「モータトルク」が図5のS15で調整される。
【0074】
(2)車両が「エンジントルク」及び「モータトルク」で走行している場合において、自動変速機100が変速する場合。
この場合には、クラッチ5の切断時においては、出力軸82に伝達されない「エンジントルク」による駆動力が、モータジェネレータ6が出力する「モータトルク」によって補償される。そして、当該「モータトルク」が図5のS15で調整される。
【0075】
(3)車両が、「エンジントルク」のみで走行している場合において、自動変速機100が変速する場合。
この場合には、クラッチ5の切断時においては、出力軸82に伝達されない「エンジントルク」による駆動力が、モータジェネレータ6が出力する「モータトルク」によって補償される。そして、当該「モータトルク」が図5のS15で調整される。
【0076】
(4)車両が「エンジントルク」及び「モータトルク」の両方で走行していない、惰性走行において、変速する場合。
この場合には、「モータトルク」は0であるが、出力軸82に加えられる「イナーシャトルク」を相殺するために、図5のS15において、モータジェネレータ6はプラス又はマイナスの「モータトルク」を出力する。
【0077】
(5)車両が「エンジントルク」の一部で走行し、「エンジントルク」の残部がモータジェネレータ6で発電されている場合において、自動変速機100が変速する場合。
この場合には、クラッチ5の切断時においては、出力軸82に伝達されない「エンジントルク」による駆動力が、モータジェネレータ6が出力する「モータトルク」によって補償される。そして、当該「モータトルク」が図5のS15で調整される。
【0078】
(本実施形態の効果)
上述した説明から明らかなように、図5のS15において、制御部10(モータトルク調整部)は、変速時において、入力軸81の回転速度の変化に伴い出力軸82に加えられる「イナーシャトルク」(図4の(3))を、「モータトルク」を調整することにより(図4の(4))相殺する(図4の(5))。このため、変速時において発生するショックが低減される。
【0079】
また、図5のS14において、制御部10(モータトルク補正量演算部)は、「入力軸回転速度変化量」に基づいて「モータトルク補正量」を演算する。そして、図5のS15において、制御部10(モータトルク調整部)は、「モータトルク補正量」に基づいて「モータトルク」を補正する。
【0080】
このように、変速時において変化する入力軸回転速度Niに基づいて「モータトルク補正量」が演算される。これにより、リニアに「モータトルク補正量」が演算され、リニアに「モータトルク」が補正され、変速時において発生するショックをより低減することができる。
【0081】
また、車両の速度等の走行状態の変化や自動変速機100の状態の変化が有った場合、例えば、車両が減速や増速した場合や、自動変速機の油温の変化に伴う遊転ギヤ151〜156や固定ギヤ141〜146の摺動抵抗の変化があった場合であっても、出力軸82に加えられる上述の「イナーシャトルク」によるショックを低減するための「モータトルク補正量」が正確に演算される。このため、車両の速度等の走行状態の変化や自動変速機100の状態の変化があったとしても、変速時において発生するショックをより低減することができる。
【0082】
また、図5のS14において、制御部10(モータトルク補正量演算部)は、図6に示す「モータトルク補正量演算データ」を用いることにより、変速完了後の変速段を加味して、「モータトルク補正量」を演算する。つまり、入力軸回転速度Niを出力軸回転速度Noで除した変速比が加味されて、「モータトルク補正量」が演算され、「モータトルク」が補正される。
【0083】
これにより、出力軸82に加えられる上述の「イナーシャトルク」によるショックを低減するための「モータトルク補正量」が正確に演算される。このため、より精度高く「モータトルク」を調整することができ、自動変速機100の変速時において発生するショックをより低減することができる。
【0084】
また、制御部10(モータトルク調整部)は、車両がモータジェネレータ6で走行している際に、変速時に出力軸82に加えられる「イナーシャトルク」を、「モータトルク」で相殺する。
【0085】
これにより、車両がモータジェネレータ6で走行している際に変速があったとしても、変速に伴うショックが低減される。
【0086】
(別の実施形態)
以上説明した実施形態では、シンクロナイザリングR1〜R6を有する自動変速機100について本発明を説明した。しかし、ドグクラッチにより、遊転ギヤ151〜156を出力軸82に相対回転不能に連結する自動変速機100を有するハイブリッド車両用駆動装置1にも本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
【0087】
以上説明した実施形態では、図5のS16において、制御部10は、入力軸回転速度Ni及び出力軸回転速度Noに基づいて、シンクロナイザリングR1〜RRよるスリーブS1と遊転ギヤ151〜156の回転の同期が完了したか否かを判断している。しかし、制御部10が、シフトアクチュエータ251の作動量である「シフトストローク」が規定値以上となったか否かにより、上記同期が完了したか否かを判断する実施形態であっても差し支え無い。
【0088】
以上説明した実施形態では、第一ドライブギヤ141〜リバースドライブギヤ146は、入力軸81に相対回転不能に設けられた固定ギヤであり、第一ドリブンギヤ151〜リバースドリブンギヤ156は、出力軸82に遊転可能に設けられた遊転ギヤである。しかし、第一ドライブギヤ141〜リバースドライブギヤ146のいずれかが、入力軸81に相対回転可能に設けられた遊転ギヤであり、第一ドリブンギヤ151〜リバースドリブンギヤ156のいずれかが、出力軸82に相対回転不能に設けられた固定ギヤである実施形態であっても差し支え無い。
【0089】
以上説明した実施形態では、入力軸回転速度Niを取得する「入力軸回転速度取得部」は、入力軸回転速度センサ83である。しかし、「入力軸回転速度取得部」はこれに限らず、入力軸81と連動して回転する部材の回転速度を検出するセンサであっても差し支え無い。
【0090】
以上説明した実施形態では、図5のS14において、制御部10は、「入力軸回転速度」を図6に示す「モータトルク補正量演算データ」に参照させることにより、「モータトルク補正量」を演算している。しかし、制御部10は、「入力軸回転速度」によらず、車両の速度や変速完了後の変速段に基づいて、「モータトルク補正量」を演算する実施形態であっても差し支え無い。
【符号の説明】
【0091】
1…ハイブリッド車両用駆動装置、2…エンジン、5…クラッチ、6…モータジェネレータ(モータ)、10…制御部(入力軸回転速度変化量演算部、モータトルク調整部、モータトルク補正量演算部)、51…駆動側部材(入力部材)、52…従動部材(出力部材)、81…入力軸、82…出力軸、83…入力軸回転速度センサ(入力軸回転速度取得部)、100…自動変速機
図1
図2
図3
図4
図5
図6