(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧縮機と熱源側熱交換器と絞り装置と負荷側熱交換器とが配管接続される冷媒循環回路に用いられ、前記冷媒循環回路の冷媒と外気とを熱交換させる前記熱源側熱交換器と、
前記外気を、吸い込み口から吸い込んで、前記熱源側熱交換器に供給し、吹き出し口から吹き出すファンと、
前記吹き出し口又は前記吸い込み口を介して前記熱源側熱交換器に吹き込む前記外気を受けるシャッター装置と、
前記ファンの回転数を検出する回転数検出センサーと、
前記外気の温度を検出する外気温度センサーと、
前記シャッター装置の開度を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記回転数検出センサーで検出された前記ファンの回転数に基づき、前記外気の風力を推定し、
推定された前記外気の風力と予め設定された閾値とを比較することによって、前記外気の風力の大きさを分類し、
前記外気温度センサーで検出された前記外気の温度と、分類された前記風力の大きさに応じて設定された異なる定数とに基づき、前記シャッター装置の開度を算出する
ことを特徴とする冷凍サイクル装置の熱源ユニット。
圧縮機と熱源側熱交換器と絞り装置と負荷側熱交換器とが配管接続される冷媒循環回路に用いられ、前記冷媒循環回路の冷媒と外気とを熱交換させる前記熱源側熱交換器と、前記外気を、吸い込み口から吸い込んで、前記熱源側熱交換器に供給し、吹き出し口から吹き出すファンと、前記吹き出し口又は前記吸い込み口を介して前記熱源側熱交換器に吹き込む前記外気を受けるシャッター装置と、前記ファンの回転数を検出する回転数検出センサーと、前記外気の温度を検出する外気温度センサーと、前記シャッター装置の開度を制御する制御装置と、を備えた冷凍サイクル装置の熱源ユニットの制御方法であって、
前記回転数検出センサーで検出された前記ファンの回転数に基づき、前記外気の風力を推定するステップと、
推定された前記外気の風力と予め設定された閾値とを比較することによって、前記外気の風力の大きさを分類するステップと、
前記外気温度センサーで検出された前記外気の温度と、分類された前記風力の大きさに応じて設定された異なる定数とに基づき、前記シャッター装置の開度を算出するステップと、
を有することを特徴とする冷凍サイクル装置の熱源ユニットの制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源ユニットについて、図面を用いて説明する。
なお、以下では、本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源ユニットが、空気調和装置の室外機である場合を説明するが、本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源ユニットは、そのような場合に限定されない。また、以下では、本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源ユニットが、冷却運転と加熱運転とを切り換えるものである場合を説明するが、本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源ユニットは、そのような場合に限定されず、冷却運転及び加熱運転のいずれか一方のみを行うものであってもよい。また、以下で説明する構成、動作等は、一例であり、本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源ユニットは、そのような構成、動作等に限定されない。また、各図において、同一又は類似する部材又は部分には、同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。また、重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1に係る空気調和装置について説明する。
<空気調和装置の構成>
以下に、実施の形態1に係る空気調和装置の構成について説明する。
【0012】
(概略構成)
実施の形態1に係る空気調和装置の概略構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の、概略構成を示す図である。
図1に示されるように、空気調和装置1は、室外機2と、室内機3と、を有する。室外機2と室内機3とが配管で接続されて、冷媒循環回路4が形成される。
【0013】
冷媒循環回路4を循環する冷媒は、R22等のHCFC冷媒、R407C、R410A、R32等のHFC冷媒、CO
2、アンモニア等の自然冷媒等、いずれでも構わない。
【0014】
冷媒循環回路4には、圧縮機11と、四方弁12と、熱源側熱交換器13と、絞り装置14と、負荷側熱交換器15と、アキュムレーター16と、が設けられる。絞り装置14は、例えば、電子リニア膨張弁である。圧縮機11と四方弁12と熱源側熱交換器13と絞り装置14とアキュムレーター16とは、室外機2に設けられる。負荷側熱交換器15は、室内機3に設けられる。
【0015】
室外機2には、外気を、吸い込み口から吸い込んで、熱源側熱交換器13に供給し、吹き出し口から吹き出すファン21が設けられる。ファン21は、ファンモーター22によって回転される。ファン21及びファンモーター22は、熱源側熱交換器13と吹き出し口との間にあってもよく、熱源側熱交換器13と吸い込み口との間にあってもよい。室内機3には、室内空気を、吸い込み口から吸い込んで、負荷側熱交換器15に供給し、吹き出し口から吹き出すファン23が設けられる。ファン23は、ファンモーター24によって回転される。
【0016】
室外機2の、吹き出し口及び吸い込み口の少なくともいずれか一方には、シャッター装置25が設けられる。もちろん、吹き出し口と吸い込み口の両方に設けられてもよい。シャッター装置25は、吹き出し口又は吸い込み口を介して熱源側熱交換器13に吹き込む外気を受ける位置に設けられればよく、吹き出し口又は吸い込み口の外側に設けられても、吹き出し口又は吸い込み口の内側に設けられてもよい。また、室外機2が、吹き出し口又は吸い込み口が形成された筐体と別の部材を有し、その部材にシャッター装置25が設けられてもよい。
【0017】
冷媒循環回路4には、圧縮機11の吐出側の配管温度を検出する配管温度センサー31と、熱源側熱交換器13の配管温度を検出する配管温度センサー32と、室外機2側の液側配管温度を検出する配管温度センサー33と、室内機3側の液側配管温度を検出する配管温度センサー34と、負荷側熱交換器15の配管温度を検出する配管温度センサー35と、が設けられる。
【0018】
室外機2には、ファン21の回転数を検出する回転数検出センサー41が設けられる。回転数検出センサー41は、ファンモーター22に内蔵されていてもよく、また、外付けされてもよい。室外機2には、外気の温度を検出する外気温度センサー42が設けられる。室内機3には、室内空気の温度を検出する室内空気温度センサー43が設けられる。外気温度センサー42及び室内空気温度センサー43は、筐体の内側に設けられてもよく、筐体の外側に設けられてもよい。
【0019】
各センサーは、制御装置51に検出された情報を送信する。制御装置51は、各センサーから受信した情報に基づいて、圧縮機11、絞り装置14、ファンモーター22等のアクチュエータ類を制御する。ファンモーター22の回転数は、可変制御されてもよく、固定制御されてもよい。ファン21の回転数は、ファンモーター22が通電されている状態(つまりファン21が運転中の状態)及び通電されていない状態(つまりファン21が運転停止中の状態)において、ファン21に吹き込む外気の風力に応じて変動する。また、制御装置51は、四方弁12の流路を切り換えて、冷媒循環回路4の冷房運転と暖房運転とを切り換える。制御装置51は、室外機2に設けられてもよく、室内機3に設けられてもよく、また、それら以外に設けられてもよい。
【0020】
シャッター装置25は、その開度を変化させるアクチュエータ類を有し、そのアクチュエータ類は、制御装置51に接続される。制御装置51は、回転数検出センサー41及び外気温度センサー42から受信した情報に基づいて、アクチュエータ類の駆動、つまりシャッター装置25の開度を制御する。
【0021】
(シャッター装置の構成)
図2〜
図6は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の、室外機の外観図である。
シャッター装置25は、
図2に示されるように、ルーバーの角度が変化することで、開度が変化するもの(いわゆるルーバー方式)であってもよく、また、
図3及び
図4に示されるように、スライドの位置が変化することで、開度が変化するもの(いわゆるスライド方式)であってもよく、また、
図5及び
図6に示されるように、絞り羽根の位置が変化することで、開度が変化するもの(いわゆる絞り羽根方式)であってもよく、開度が変化する構造であれば、他の方式のものであってもよい。
【0022】
<空気調和装置の動作>
以下に、実施の形態1に係る空気調和装置の動作について説明する。
【0023】
(冷媒循環回路の概略動作)
冷房運転時には、制御装置51は、
図1に実線で示されるように、四方弁12の流路を切り換える。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒は、熱源側熱交換器13に流入して、熱源側熱交換器13を通過する外気と熱交換し、高圧の液状態の冷媒となって流出する。熱源側熱交換器13から流出した高圧の液状態の冷媒は、絞り装置14で減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒となり、負荷側熱交換器15に流入する。負荷側熱交換器15に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、負荷側熱交換器15を通過する室内空気と熱交換し、低圧のガス状態の冷媒となって圧縮機11に吸入される。
【0024】
暖房運転時には、制御装置51は、
図1に点線で示されるように、四方弁12の流路を切り換える。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状態の冷媒は、負荷側熱交換器15に流入して、負荷側熱交換器15を通過する室内空気と熱交換し、高圧の液状態の冷媒となって流出する。負荷側熱交換器15から流出した高圧の液状態の冷媒は、絞り装置14で減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒となり、熱源側熱交換器13に流入する。熱源側熱交換器13に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、熱源側熱交換器13を通過する外気と熱交換し、低圧のガス状態の冷媒となって圧縮機11に吸入される。
【0025】
(冷媒循環回路の運転開始時の制御装置の動作)
図7は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の、冷媒循環回路の運転開始時の制御装置の動作フローを示す図である。なお、
図7では、冷媒循環回路4が冷房運転を行う場合を示しているが、暖房運転を行う場合であっても同様である。
【0026】
図7に示されるように、冷媒循環回路4の冷房運転の開始指令があると、制御装置51は、S101において、回転数検出センサー41で検出される回転数N
0(ここでいう回転数は、単位時間あたりの回転数を意味する。以降同様)を受信して、その平均値AVE
0とその変動回数NUM
0とを取得し、ファン21に吹き込む風力I
0を推定して、S102に進む。また、制御装置51は、S101において、外気温度センサー42で検出される外気温度Ta
0を受信して取得し、S102に進む。制御装置51は、回転数検出センサー41で検出される回転数N
0を常時受信、または、開始指令があった時のみ複数回受信する。
【0027】
平均値AVE
0と変動回数NUM
0とは、現時点の最近に検出された複数の回転数N
0から算出される。平均値AVE
0が、回転数検出センサー41で検出される1つの回転数N
0であってもよい。平均値AVE
0が求められることで、ファン21に吹き込む風力I
0の推定精度が向上される。また、変動回数NUM
0は、例えば、回転数検出センサー41で検出される回転数N
0の、前回検出された回転数N
0に対する変動量が、基準となる上限変動量と比較して大きくなる、予め設定された基準期間内での回数である。ファン21に吹き込む風力I
0は、例えば、I
0=α1×AVE
0+α2×NUM
0で推定される。α1、α2は、定数である。α1及びα2のいずれか一方は、使用環境等に応じて0に設定されてもよい。α1とα2とが共に0ではない場合には、ファン21に吹き込む風力I
0の推定精度が向上される。
【0028】
回転数検出センサー41で検出される回転数N
0は、ファンモーター22が通電されていない状態で検出される。通電されている状態であっても、回転数検出センサー41で検出される回転数N
0と、設定されている回転数又は無風時に検出された同一設定における回転数と、の差が、回転数検出センサー41で検出される回転数N
0として算出されればよい。通電されていない状態で検出される場合には、ファン21に吹き込む外気以外の要因によって回転数N
0が変動することが抑制され、ファン21に吹き込む風力I
0の推定精度が向上される。
【0029】
外気温度センサー42で検出される外気温度Ta
0が、事前に取得され、その取得から時間があまり経過していないのであれば、その値が用いられてもよい。また、他の空気調和装置1で検出された外気温度が流用されてもよい。また、電気通信回線(いわゆるインターネット)等を利用して地域の気温が取得され、その気温から外気温度Ta
0が推定されてもよい。
【0030】
制御装置51は、S102において、ファン21に吹き込む風力I
0が閾値C1以上であるか否かを判定する。閾値C1以上であれば、S104に進み、そうでなければS103に進む。制御装置51は、S103において、ファン21に吹き込む風力I
0が閾値C2以上であるか否かを判定する。閾値C2以上であれば、S106に進み、そうでなければS108に進む。なお、1つの閾値のみと比較してもよく、また、3つ以上の閾値と比較してもよい。
【0031】
制御装置51は、S104において、風力が強状態であると判定し、S105において、シャッター初期開度S
0を算出して、S110に進む。シャッター初期開度S
0は、S
0=β1×Ta
0+γ1として算出される。β1及びγ1は、定数である。
【0032】
制御装置51は、S106において、風力が中状態であると判定し、S107において、シャッター初期開度S
0を算出して、S110に進む。シャッター初期開度S
0は、S
0=β2×Ta
0+γ2として算出される。β2及びγ2は、定数である。β2>β1、γ2>γ1である。
【0033】
制御装置51は、S108において、風力が弱状態であると判定し、S109において、シャッター初期開度S
0を算出して、S110に進む。シャッター初期開度S
0は、S
0=β3×Ta
0+γ3として算出される。β3及びγ3は、定数である。β3>β2、γ3>γ2である。
【0034】
制御装置51は、S110において、算出されたシャッター初期開度S
0になるように、シャッター装置25のアクチュエータ類を動作させ、S111に進む。制御装置51は、S111において、圧縮機11の運転を開始させ、S112において、冷媒循環回路4の冷房運転を開始させる。
【0035】
図8は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の、風力の状態と外気温度とシャッター初期開度の関係を示す図である。なお、
図8では、横軸を外気温度Ta
0[℃]、縦軸をシャッター初期開度S
0[%]としている。シャッター初期開度S
0[%]は、0%が全閉状態、100%が全開状態を意味する。
【0036】
制御装置51が
図7に示されるように動作することで、
図8に示されるように、ファン21に吹き込む風力I
0、つまり吹き出し口又は吸い込み口を介して熱源側熱交換器13に吹き込む外気の風力の状態が加味されたシャッター初期開度S
0が設定される。
【0037】
なお、シャッター初期開度S
0が、二次関数等の他の関数を用いて算出されてもよい。また、ファン21に吹き込む風力I
0が、閾値と比較されず、シャッター初期開度S
0が、ファン21に吹き込む風力I
0に応じて連続的に変化されてもよい。そのような場合には、シャッター初期開度S
0は、例えば、S
0=(β×Ta
0+γ)/I
0によって算出される。β及びγは、定数である。
【0038】
また、例えば、室外機2が外気の温度の変動が少ない使用環境で使用される場合等では、シャッター初期開度S
0が、単に、ファン21に吹き込む風力I
0の判定に応じた定数で設定されてもよい。そのような場合には、例えば、ファン21に吹き込む風力I
0が強状態と判定されれば、シャッター初期開度S
0がδ1に、ファン21に吹き込む風力I
0が中状態と判定されれば、シャッター初期開度S
0がδ2に、ファン21に吹き込む風力I
0が弱状態と判定されれば、シャッター初期開度S
0がδ3に設定される。δ1、δ2、及びδ3は定数である。
図7に示される動作のように、外気温度センサー42で検出される外気温度Ta
0が加味される場合には、シャッター初期開度S
0が更に最適化される。
【0039】
(冷媒循環回路の運転中の制御装置の動作)
図9は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の、冷媒循環回路の運転中の制御装置の動作フローを示す図である。なお、
図9では、冷媒循環回路4が冷房運転を行っている場合を示しているが、暖房運転を行っている場合であっても同様である。
【0040】
以下では、
図7に示されるフローと重複又は類似する内容については、説明を適宜省略している。
図9に示されるように、冷媒循環回路4の冷房運転中に、制御装置51は、S201において、回転数検出センサー41で検出される回転数Nを受信して、シャッター初期開度S
0の設定の際に回転数検出センサー41で検出された回転数N
0に対する変動量Naを算出して、S202に進む。制御装置51は、回転数検出センサー41で検出される回転数Nを常時受信する。回転数Nが複数回受信され、平均値AVEが求められてもよい。
【0041】
回転数検出センサー41で検出される回転数Nは、ファンモーター22が通電されている状態で検出される。回転数検出センサー41で検出される回転数Nと、設定されている回転数又は無風時に検出された同一設定における回転数と、の差が、回転数検出センサー41で検出される回転数Nとして用いられる。ファン21の運転が一時中断され、回転数検出センサー41で検出される回転数Nが、ファンモーター22が通電されていない状態で検出されてもよい。通電されている状態で検出される場合には、冷媒循環回路4の冷房運転の効率が低下することが抑制される。
【0042】
制御装置51は、S202において、変動量Naが基準となる上限変動量Na
Hiと比べて大きいか否かを判定する。大きければ、S204に進み、そうでなければS203に進む。制御装置51は、S203において、変動量Naが基準となる下限変動量Na
Loと比べて小さいか否かを判定する。小さければ、S208に進み、そうでなければS206に進む。
【0043】
制御装置51は、S204において、シャッター装置25の開度が開きすぎ状態であると判定し、S205において、シャッター開度Sになるように、シャッター装置25のアクチュエータ類を動作させ、S210に進む。シャッター開度Sは、S=S
0−ε
Naに設定される。ε
Naは、定数である。
【0044】
制御装置51は、S206において、シャッター装置25の開度が適正状態であると判定し、S207において、シャッター開度Sになるように、シャッター装置25のアクチュエータ類を動作させ、S210に進む。シャッター開度Sは、S=S
0に設定される。
【0045】
制御装置51は、S208において、シャッター装置25の開度が閉じすぎ状態であると判定し、S209において、シャッター開度Sになるように、シャッター装置25のアクチュエータ類を動作させ、S210に進む。シャッター開度Sは、S=S
0+ε
Naに設定される。
【0046】
制御装置51は、S210において、冷媒循環回路4の冷房運転の停止指令が有るか否かを判定し、無ければS201に進み、有ればS211に進んで、冷房運転を終了する。
【0047】
なお、変動量Naと、基準となる上限変動量Na
Hi又は下限変動量Na
Loと、がどの程度差があるかに応じて、定数ε
Naが変更されてもよい。定数ε
Naが、差に応じて、連続的に変更量が変化するように変更されてもよく、また、階段状に変更量が変化するように変更されてもよい。
【0048】
また、変動量Naではなく変動回数NUMが算出され、変動回数NUMが、基準となる上限変動回数NUM
Hi又は下限変動回数NUM
Loと比較されてもよい。そのような場合でも、同様に、シャッター装置25の開度が開きすぎの状態であるか、適正状態であるか、閉じすぎの状態であるかを判定することができる。
【0049】
<空気調和装置の作用>
以下に、実施の形態1に係る空気調和装置の作用について説明する。
空気調和装置1の室外機2では、シャッター装置25の開度が、外気の風力に応じて制御されることで、外気の風力の変動が加味されることとなるため、シャッター装置25が開きすぎの状態、又は、閉じすぎの状態となって、熱源側熱交換器13の凝縮能力又は蒸発能力の過多又は過少が生じてしまうことが抑制される。
【0050】
特に、近年では、空気調和装置1がサーバルームで用いられる場合等のように、冬季においても冷房運転が行われる場合がある。空気調和装置1の室外機2では、そのような場合においても、熱源側熱交換器13の凝縮能力の過多が生じてしまうことが抑制される。
【0051】
また、空気調和装置1の室外機2では、吹き出し口又は吸い込み口を介して熱源側熱交換器13に吹き込む外気の風力が、回転数検出センサー41で検出される回転数N
0、Nに基づいて推定される。例えば、室外機2の筐体の外側に風力計を取り付けて、その出力から、吹き出し口又は吸い込み口を介して熱源側熱交換器13に吹き込む外気の風力を推定することも可能である。それと比較して、このように、回転数検出センサー41で検出される回転数N
0、Nに基づいて推定される場合には、吹き出し口又は吸い込み口を介して熱源側熱交換器13に吹き込む外気の風力が、更に直接的に推定されるため、熱源側熱交換器13の凝縮能力又は蒸発能力の過多又は過少が生じてしまうことが更に抑制される。また、風力計等の機器を増設することなく、既存の機器を流用することができるため、熱源側熱交換器13の凝縮能力又は蒸発能力の過多又は過少が生じてしまうことの抑制が、安価に実現される。
【0052】
また、空気調和装置1の室外機2では、冷媒循環回路4の運転中にも、シャッター装置25の開度が、外気の風力に応じて制御される。そのため、吹き出し口又は吸い込み口を介して熱源側熱交換器13に吹き込む外気の風力が過渡的に変動するような場合でも、熱源側熱交換器13の凝縮能力又は蒸発能力の過多又は過少が生じてしまうことが抑制される。
【0053】
なお、上述した冷媒循環回路4の運転開始時の動作と、上述した冷媒循環回路4の運転中の動作と、が共に行われてもよく、どちらか一方のみが行われてもよい。上述した冷媒循環回路4の運転開始時の動作と、上述した冷媒循環回路4の運転中の動作と、が共に行われる場合には、熱源側熱交換器13の凝縮能力又は蒸発能力の過多又は過少が生じてしまうことが更に抑制される。
【0054】
実施の形態2.
実施の形態2に係る空気調和装置について説明する。
なお、以下では、実施の形態1と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
【0055】
実施の形態1では、冷媒循環回路4の運転中において、回転数検出センサー41で検出される回転数Nに基づいて、シャッター開度Sが制御される。実施の形態2では、冷媒循環回路4の運転中において、凝縮温度又は蒸発温度に基づいて、シャッター開度Sが制御される。
<空気調和装置の動作>
以下に、実施の形態2に係る空気調和装置の動作について説明する。
(冷媒循環回路の運転中の制御装置の動作)
図10は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の、冷媒循環回路の運転中の制御装置の動作フローを示す図である。なお、
図10では、冷媒循環回路4が冷房運転を行っている場合を示しているが、暖房運転を行っている場合であっても同様である。
【0056】
図10に示されるように、冷媒循環回路4の冷房運転中に、制御装置51は、S301において、配管温度センサー32で検出される熱源側熱交換器13の配管温度を受信して、凝縮温度Tcを取得し、S302に進む。制御装置51は、配管温度センサー32で検出される配管温度を常時受信してもよく、凝縮温度Tcのモニタリングの指令があった時のみ受信してもよい。
【0057】
制御装置51は、S302において、凝縮温度Tcが基準となる下限凝縮温度Tc
Loと比べて小さいか否かを判定する。小さければ、S304に進み、そうでなければS303に進む。制御装置51は、S303において、凝縮温度Tcが基準となる上限凝縮温度Tc
Hiと比べて大きいか否かを判定する。大きければ、S307に進み、そうでなければS306に進む。基準となる下限凝縮温度Tc
Lo及び基準となる上限凝縮温度Tc
Hiは、冷媒循環回路4の運転状態に応じて設定される。凝縮温度Tcが、複数回取得され、その平均値が用いられてもよい。
【0058】
制御装置51は、S304において、シャッター装置25の開度が開きすぎ状態であると判定し、S305において、現在のシャッター開度S’がシャッター開度Sに補正されるようにシャッター装置25のアクチュエータ類を動作させ、S309に進む。シャッター開度Sは、S=S’−ζ
Tcに補正される。ζ
Tcは、定数である。
【0059】
制御装置51は、S306において、シャッター装置25の開度が適正状態であると判定し、シャッター開度を補正せず、S309に進む。
【0060】
制御装置51は、S307において、シャッター装置25の開度が閉じすぎ状態であると判定し、S308において、現在のシャッター開度S’がシャッター開度Sに補正されるようにシャッター装置25のアクチュエータ類を動作させ、S309に進む。シャッター開度Sは、S=S’+ζ
Tcに補正される。
【0061】
制御装置51は、S309において、冷媒循環回路4の冷房運転の停止指令が有るか否かを判定し、無ければS310に進み、有ればS311に進んで、冷房運転を終了する。
【0062】
制御装置51は、S310において、シャッター開度Sに補正された後の経過時間を算出し、基準となる時間以上経過した場合には、S301に進み、そうでなければ、S309に進む。S310が設けられることで、シャッター開度の補正が凝縮温度Tcに反映される前に、シャッター開度Sが更に補正されてしまうことが抑制される。
【0063】
なお、凝縮温度Tcと、基準となる下限凝縮温度Tc
Lo又は上限凝縮温度Tc
Hiと、がどの程度差があるかに応じて、定数ζ
Tcが変更されてもよい。定数ζ
Tcが、差に応じて、連続的に変更量が変化するように変更されてもよく、また、階段状に変更量が変化するように変更されてもよい。
【0064】
<空気調和装置の作用>
以下に、実施の形態2に係る空気調和装置の作用について説明する。
制御装置51が、
図10に示されるように動作する場合には、冷媒循環回路4の運転中において、吹き出し口又は吸い込み口を介して熱源側熱交換器13に吹き込む外気の風力を推定する必要がなく、処理が簡素化され、また、シャッター開度の制御が更に高精度化される。
【0065】
実施の形態3.
実施の形態3に係る空気調和装置について説明する。
なお、以下では、実施の形態1及び実施の形態2と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
【0066】
実施の形態1では、冷媒循環回路4の運転中において、回転数検出センサー41で検出される回転数Nに基づいて、シャッター開度Sが制御される。実施の形態3では、冷媒循環回路4の運転中において、回転数検出センサー41で検出される回転数Nと外気温度センサー42で検出される外気温度Taとに基づいて、シャッター開度Sが制御される。
【0067】
<空気調和装置の動作>
以下に、実施の形態3に係る空気調和装置の動作について説明する。
(冷媒循環回路の運転中の制御装置の動作)
図11は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の、冷媒循環回路の運転中の制御装置の動作フローを示す図である。なお、
図11では、冷媒循環回路4が冷房運転を行っている場合を示しているが、暖房運転を行っている場合であっても同様である。
【0068】
図11に示されるように、冷媒循環回路4の冷房運転中に、制御装置51は、S401において、回転数検出センサー41で検出される回転数Nを受信して、その平均値AVEとその変動回数NUMとを取得し、ファン21に吹き込む風力Iを推定して、S402に進む。また、制御装置51は、S401において、外気温度センサー42で検出される外気温度Taを受信して取得し、S402に進む。制御装置51は、回転数検出センサー41で検出される回転数Nを常時受信する。
【0069】
ファン21に吹き込む風力Iは、例えば、I=α1×AVE+α2×NUMで推定される。α1及びα2は、冷媒循環回路の運転開始時の動作におけるα1及びα2と、異なってもよい。回転数検出センサー41で検出される回転数Nは、ファンモーター22が通電されている状態で検出される。回転数検出センサー41で検出される回転数Nと、設定されている回転数又は無風時に検出された同一設定における回転数と、の差が、回転数検出センサー41で検出される回転数Nとして用いられる。
【0070】
制御装置51は、S402〜S409において、
図7におけるS102〜S109と同様に、シャッター開度を算出する。なお、閾値C1、閾値C2、β1、γ1、β2、γ2、β3、及びγ3が、S102〜S109と異なっていてもよい。
【0071】
制御装置51は、S410において、算出されたシャッター開度Sになるように、シャッター装置25のアクチュエータ類を動作させ、S411に進む。制御装置51は、S411において、冷媒循環回路4の冷房運転の停止指令が有るか否かを判定し、無ければS401に進み、有ればS412に進んで、冷房運転を終了する。
【0072】
<空気調和装置の作用>
以下に、実施の形態3に係る空気調和装置の作用について説明する。
制御装置51が、
図11に示されるように動作する場合には、冷媒循環回路4の運転中において、外気温度センサー42で検出される外気温度Ta
0が加味された開度に、シャッター装置25の開度が制御されるため、例えば、冷媒循環回路4が長時間に亘って連続運転するような場合等において、シャッター開度の制御が更に高精度化される。
【0073】
以上、実施の形態1〜実施の形態3について説明したが、本発明は各実施の形態の説明に限定されない。例えば、各実施の形態、各変形例等を組み合わせることも可能である。