【文献】
Curr. Top. Med. Chem.,2007年,Vol.7 No.2,pp.163-186
【文献】
Drug Metab. Rev.,1998年,Vol.30 No.4,pp.787-807
【文献】
Adv. Drug Deliv. Rev.,1989年,Vol.3,pp.1-38
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は治療を必要とする対象者の眼圧を低下させる方法に関しており、この方法は[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、及び(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを治療的に用いることができるα2アゴニストとして投与するステップを含んでいるか、そのステップで基本的に構成されているか、あるいは構成されている。
【0024】
1つの好ましい実施の形態で、本発明は治療を必要とする対象者の眼圧を低下させる方法に関しており、この方法は(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを治療的に用いることができるα2アゴニストとして治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいるか、そのステップで基本的に構成されているか、あるいは構成されている。そのエステル機能性部分が加水分解か酵素によって切断されると、親化合物であり活性代謝物質の(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールが放出されて、α2アドレナリン受容体の選択的モジュレータとして機能する。
【0025】
本発明の1つの態様で、治療を必要とする対象者の眼圧を低下させる方法が提供され、その方法は治療的に有効な量の[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはそのエナンチオマー、あるいはその互変異性体のエステル・プロドラッグ、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている薬学的組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている。
【0026】
本発明の別の態様で、本発明の1つの態様で、治療を必要とする対象者の眼圧を低下させる方法が提供され、その方法は治療的に有効な量の(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはその互変異性体のエステル・プロドラッグ、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている薬学的組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている。
【0027】
本発明の別の態様で、治療を必要とする対象者の眼圧を低下させるための方法が提供され、その方法は治療的に有効な量の(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはその互変異性体のエステル・プロドラッグ、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている薬学的組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている。
【0028】
本発明の別の形態で、治療を必要とする患者の眼圧を低下させる方法が提供され、その方法は、治療的に有効な量のエステル・プロドラッグ:[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはそのエナンチオマーあるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている薬学的組成物を治療的に有効な量だけ、その患者の眼圧昂進の影響を受けている眼球に1回分の用量として投与するステップを含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されており、その場合に症状が出ている眼球が投与された時間から少なくとも8時間、好ましくは少なくとも10時間、そしてより好ましくは少なくとも12時間は基底眼圧未満の眼圧を維持することを特徴としている。
【0029】
「基底」という用語は、本明細書で使われる場合、措置しなかった側の眼の眼圧測定を指している。
【0030】
「対象者」という用語は、本明細書で使われる場合、ヒトの患者を指している。
【0031】
本発明のさらに別の態様では、治療を必要としている患者の眼圧を低下させる方法が提供され、その方法は、エステル・プロドラッグ:[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはそのエナンチオマーあるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる組成物を治療的に有効な量だけ、その患者の症状が出ている眼球に、1日当たり1回か2回、好ましくは1日1回投与するステップを含んでおり、その症状が出ている眼球はその日一日中、基底ラインより低い眼圧を維持することを特徴としている。
【0032】
本発明の別の態様で、治療を必要としている患者の眼圧を低下させる方法が提供され、その方法は、エステル・プロドラッグ:(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる組成物を治療的に有効な量だけ、その患者の症状が出ている眼球に1回分の用量として投与するステップを含んでおり、その症状が出ている眼球は、投与時間から少なくとも8時間、好ましくは10時間、より好ましくは12時間は基底ラインより低い眼圧を維持することを特徴としている。
【0033】
本発明のさらに別の態様で、治療を必要としている患者の眼圧を低下させる方法が提供され、その方法は、エステル・プロドラッグ:(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる組成物を治療的に有効な量だけ、その患者の症状が出ている眼球に、1日当たり1回か2回、好ましくは1日1回投与するステップを含んでおり、その症状が出ている眼球は、その日一日中は基底ラインより低い眼圧を維持することを特徴としている。
【0034】
本発明の別の態様で、治療を必要としている患者の眼圧を低下させる方法が提供され、その方法は、エステル・プロドラッグ:(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる組成物を治療的に有効な量だけ、その患者の症状が出ている眼球に1回分の用量として投与するステップを含んでおり、その症状が出ている眼球は、投与時間から少なくとも8時間、好ましくは10時間、より好ましくは12時間は基底ラインより低い眼圧を維持することを特徴としている。
【0035】
本発明のさらに別の態様で、治療を必要としている患者の眼圧を低下させる方法が提供され、その方法は、エステル・プロドラッグ:(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる組成物を治療的に有効な量だけ、その患者の症状が出ている眼球に、1日当たり1回か2回、好ましくは1日1回投与するステップを含んでおり、その症状が出ている眼球は、その日一日中は基底ラインより低い眼圧を維持することを特徴としている。
【0036】
「プロドラッグ」という「代謝的に切断可能な誘導体」という表現と共にたびたび用いられているが、これは、例えば、血液中での加水分解によって、本発明による親化合物にin vivoで急速に変換される化合物形態を意味している。従って、プロドラッグとはその薬学的な作用を示す前に生体内変化させられてしまう基を有している化合物のことである。そうした基はそれを含んでいる化合物からin vivoで簡単に切断される部分を含んでおり、その化合物はその切断の後にも薬学的な活性な状態に留まるか、あるいは薬学的に活性な状態になる。そうした代謝的に切断可能な基はこの技術分野の開業医にはよく知られている1つのクラス(群)を形成している。それらには、アルカノイ(つまり、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、非置換あるいは置換炭素環式のアロイル(ベンゾイル、置換ベンゾイル、及び1−及び2−ナフトイルなど)、アルコキシカルボニル(エトキシカルボニルなど)、トリアルキルシリル(トリメチル−及びトリエチルシリルなど)、ジカルボン酸、と共に形成されているモノエステル類(サクシニルなど)、リン酸塩、硫酸塩、スルフォネート、スルフォニル、スルフィニルなどの基である。代謝的に切断可能な基を有する化合物は、その代謝可能な基の存在のおかげで親化合物に付与される可溶性や吸収速度が増大される結果として、それらの化合物がより改善された生体内利用可能性を示すという利点を有している(T. Higuchi and V. Stella, “Pro−drugs as Novel Delivery System”, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series; “Bioreversible Carriers in Drug Design”, Edward B. Roche編集、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987)。
【0037】
1つの態様で、本発明は従って治療を必要としている対象者の眼圧を低下させる方法に関するものであり、その方法は、式Iの構造を有する化合物、その個々のエナンチオマー、その個々のジアステレオ異性体、その個々の水和物、その個々の溶媒化合物、その個々の結晶形態、その個々の異性体、その個々の互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでおり、
【0038】
【化8】
式I
この式で、
R
1はH又はC
1-3アルキルであり;
R
2はH又はC
1-3アルキルであり;
R
3はH又はC
1-10アルキル
、ヘテロ環又はアリールであり;そして
RはC
1-10アルキル
、ヘテロ環又はアリールである。
【0039】
1つの好ましい態様で、本発明は従って治療を必要としている対象者の眼圧を低下させる方法に関するものであり、その方法は、式IIの構造を有する化合物、その個々のエナンチオマー、その個々のジアステレオ異性体、その個々の水和物、その個々の溶媒和合物、その個々の結晶形態、その個々の異性体、その個々の互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる。
【0040】
【化9】
式II
この式で、
R
1はH又はC
1-3アルキルであり;
R
2はH又はC
1-3アルキルであり;
R
3はH又はC
1-10アルキル
、ヘテロ環又はアリールであり;そして
RはC
1-10 アルキル
、ヘテロ環又はアリールである。
【0041】
別の態様で、本発明は従って治療を必要としている対象者の眼圧を低下させる方法に関するものであり、その方法は、式IIIの構造を有する化合物、その個々のエナンチオマー、その個々のジアステレオ異性体、その個々の水和物、その個々の溶媒和物、その個々の結晶形態、その個々の異性体、その個々の互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでおり、
【0042】
【化10】
式III
この式で、
R
1はH又はC
1-3アルキルであり;
R
2はH又はC
1-3アルキルであり;
R
3はH又はC
1-10アルキル
、ヘテロ環又はアリールであり;そして
RはC
1-10 アルキル
、ヘテロ環又はアリールである。
【0043】
以下のパラグラフでは、本発明による化合物を構成する種々の化学的構成部分の定義を述べるが、これらの定義は、特に別の注記がない限り、本明細書と請求項全体を通じて同じように適用されることを意図している。
【0044】
「アルキル」という用語は、本明細書で使われる場合、直鎖あるいは分岐アルカンあるいはそれらの組み合わせを有し1−10個の炭素原子、好ましくは1−8個の炭素原子、より好ましくは1−4個の炭素原子を含んでいる飽和一価アルカン部分を含むものと定義されている。アルキル部分はオプションとして、アミノ基、アリール基、ハロゲンなどによって置換させることができる。アルキル鎖の1つのメチレン(−CH
2−)をカルボニル、−NH−、カルボキシル、アミド、硫黄、あるいは酸素と置き換えることができる。例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、ヘキシル、
イソヘキシル、3−メチル−ブチル、2−アミノ−N−イソブチル・アセトアミド、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、エチルフェニル、メチルフェニル、2−アミノ−3−メチル−ブタンアミド−N−2−メチル−1−プロピル、1−アミノ−2−メチル−プロピル−1−イルなどがある。
【0045】
「ヘテロ環」という用語は、本明細書で使われる場合、芳香性あるいは非芳香性で構成要素が5−10の単環あるいは二環の環状構造で、OかNかSか又はその組み合わせから選択される少なくとも1つの炭素環構造を中断している原子あるいはその組み合わせを含んでいる。ヘテロ環は、オプションとしては、C
1-6アルキル、アミノ、ハロゲン、−O(C
1-6アルキル)、−OC(O)(C
1-6アルキル)、
−C(O)O(C1-6アルキル)、−NHC(O)(C
1-6アルキル)、−C(O)NH(C
1-6アルキル)、−S(C
1-6アルキル)基によって置換することができる。例としては、フリル、ピリジル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、カルバゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソオキサゾリル、キナゾリニル、ピリダジニル、シンノリリル、フタラジニル、キノキサリニル、キサンチニル、ヒポキサンチニル、プテリジニル、5−アザシチジニル、5−アザウラシニル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、及びピペラジニルなどである。
【0046】
「アリール」という用語は、本明細書で使われる場合、6−10の炭素原子を含む単環あるいは二環の環状構造で構成される芳香性炭化水素から、1つの水素原子を取り除くことによって誘導される有機性構成部分と定義され、フェニルやナフチルが含まれる。アリール基はオプションとしては、C
1-6アルキル、アミノ、ハロゲン、−O(C
1-6アルキル)、−OC(O)(C
1-6アルキル)、−C(O)O(C
1-6アルキル)、−NHC(O)(C
1-6アルキル)、−C(O)NH(C
1-6アルキル)、−S(C
1-6アルキル)基などによって置換することができる。例としてはフェニル、ナフチルなどがある。
【0047】
「H」という用語は、本明細書で使われる場合、水素原子を指す。
【0048】
「O」という用語は、本明細書で使われる場合、酸素原子を指す。
【0049】
「S」という用語は、本明細書で使われる場合、硫黄原子を指す。
【0050】
「N」という用語は、本明細書で使われる場合、窒素原子を指す。
【0051】
「アミノ」という用語は、本明細書で使われる場合、式−NH
2で示される基を指す。
【0052】
「アミド」という用語は、本明細書で使われる場合、式−C(O)NH−あるいは−NHC(O)−で示される基を指す。
【0053】
「ハロゲン」という用語は、本明細書で使われる場合、塩素、臭素、ヨウ素、あるいは弗素のうちの1つの原子を指す。
【0054】
「カルボニル」という用語は、本明細書で使われる場合、式−C=Oで示される基を指す。
【0055】
「カロボキシル」という用語は、本明細書で使われる場合、式−C(O)又は−OC(O)−で示される基を指す。
【0056】
通常、R
1はH又はC
1-3アルキルである。好ましいR
1はC
1-3アルキルである。最も好ましいR
1はメチルである。
【0057】
通常、R
2はH又はC
1-3アルキルである。好ましいR
2はC
1-3アルキルである。最も好ましいR
2はメチルである。
【0058】
通常、R
3はH、C又はC
1-10アルキル、ヘテロ環、又はアリールである。好ましいR
3はH、フェニル、又はC
1-10アルキルである。最も好ましいR
3はHである。
【0059】
通常、RはC
1-10アルキル、ヘテロ環、又はアリールである。好ましいRはメチル、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、エチルフェニル、フェニル、2−アミノ−1−フェニルエチル、2−(2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−2−メチル−プロピル−イル)、1−アミノ−2−メチル−プロピル−イル、及び2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−2−メチル−プロピル−イルである。最も好ましいR基はt−ブチル、イソプロピルである。
【0060】
「互変異性体」とは、本明細書で使われる場合、隣接する単結合と二重結合間の陽子の移行を意味している。互変異性体化プロセスは可逆的である。ここに述べられている化合物はその化合物の物理的特性の範囲内で互変異性体化を受ける可能性は有している。以下の例は、ここで述べられている化合物において起こり得る互変異性体化の例である。
【0062】
本発明による化合物は以下の物である。
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2,2−ジメチル−プロピオン酸3[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
酢酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
安息香酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−アミノ−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−アミノ−3−メチルブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)]−エチル−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−アミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル
【0063】
本発明による中間物は以下の物である。
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1−イソブチリル−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2,2−ジメチル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
酢酸 3−[(S)−1−(1−(1−アセチル−−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
安息香酸 3−[(S)−1−(1−ベンゾイル−IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル酪酸 2−メチル−3−{(S)−1−[1−(3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}1−エチル−ベンジル エステル;
フェニル−プロピオン酸 2−メチル−{3−(S)−1−[1−(3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}1−エチル−ベンジル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸−{3−(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミド−3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンゾイル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル
【0064】
式I、式II、式IIIの化合物及びその中間物のいくつかはそれらの構造内に少なくとも1つの立体中心を有している。この立体中心は(R)及び(S)構成内にも存在している場合があり、この(R)及び(S)という表記はPure Appli.Chem.(1976),45,11−13に述べられている規則に従って用いられている。
【0065】
本発明による化合物は異なった多相型形態で存在することができる。上の式には明確には示されていないが、そうした形態も本発明の範囲内に含むことを意図している。
【0066】
式I、式II、式IIIの化合物及びその塩は溶媒和物の形態でも存在でき、その溶媒和物も本発明の範囲内に含まれる。そうした溶媒和物には、例えば、水和物、アルコール和物などがある。
【0067】
「薬学的に許容される塩」とは、上に示した化合物の上記の望ましい生物学的活性を保持しており、望ましくない毒性効果は最低限あるいはまったく示さない塩あるいは複合体を指している。本発明による「薬学的に許容される塩」は、式I、式II又は式IIIの化合物が形成することができる治療的に活性であり、非毒性の塩基性又は酸性塩形状を含む。 塩基としての遊離形態で発生する式I、式II又は式IIIの化合物の酸付加塩形態は、その遊離塩基を、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などの適切な無機酸で処理するか、あるいは、クエン酸、酢酸、シュウ酸、タルタル酸、こはく酸、リンゴ酸、フマル酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルモイン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレン・スルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸などの有機酸、及び、ナトリウム、カリウム、及びカルシウムなどのアルカリ性−及びアルカリ土類金属によって形成されるような塩基付加塩類によって処理することによって、得ることができる。(Handbook,of Pharmaceutical Salts, P. Heinrich Stahal & Camille G. Wermuth (eds), Verlag Helvetic Chemica ActaZurich,2002,329−345)
【0068】
これらの化合物はこの技術分野の当業者に公知の薬学的に許容される第4級塩としても投与することができ、この第4級塩は式−NY
+Z
-で示される第4級アンモニウム塩などであり、この式でYはハロゲン、アルキル、あるいはベンジルであり、Zは塩素、臭素、ヨウ素、−O−アルキル、トルエンスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、あるいはカルボン酸塩(例えば、フマル酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、シナモン酸塩、マンデル酸塩、ベンジル酸塩、及びジフェニル酢酸塩などの対イオンである。
【0069】
本発明の別の実施の形態で、薬学的に許容されるその基質中に本発明の化合物の少なくとも1つを含んでいる医薬品組成物が提供される。「薬学的に許容される」という表現はその基質や希釈剤や賦形剤がその組成物内の他の成分と共存性があって、その受容者に対して有害ではないということを意味している。
【0070】
本発明による医薬品組成物は固体、溶液、乳剤、分散剤、パッチ、ミセル、リポソーム等の形状で使用することができ、得られる組成物は本発明による1つ以上の化合物を活性成分として、外用あるいは非経口的な使用に適した有機あるいは無機の基質あるいは賦形剤との混合状態で含んでいる。本発明の化合物は、錠剤やペレットやカプセルや座薬や溶液や乳剤や懸濁液やその他使用に適した形状で使用するために、例えば、通常の非毒性の薬学的に許容される基質と組み合わせることができる。使用可能な基質は、グルコース、ラクトース、アカシアの樹液、ジェラチン、マンニット、でんぷんペースト、マグネシウム・トリシリケート、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ポテトスターチ、尿素、鎖の長さが中間程度のトリグリセリド、デキストラン、及び製剤を固体、準固体、あるいは液体形状で製造するのに使用に適しているその他の基質などである。さらに、補助的な、安定剤、増ちょう剤、発色剤、及び香料を用いることもできる。本発明による化合物は、それらの医薬品組成物中に薬効プロセスや疾病状態に応じて望ましい効果を生み出すのに十分な量で含まれる。
【0071】
本発明による化合物を含んでいる医薬品組成物は、例えば、錠剤、トローチ、甘味入り錠剤、水性あるいは油性懸濁液、分散可能な粉末や顆粒、乳剤、固い又は柔らかいカプセル、又はシロップやエリキシル剤など、経口での使用に適した形状であってもよい。経口使用のための組成物は医薬品組成物の製造の分野で知られているいかなる方法を用いて作られてもよく、そうした組成物は医薬品的に見た目が良く口に合うような製剤を提供するために、サクロース、ラクトースあるいはサッカリンなどの甘味料、ペッパーミントやイチャク草やイチゴの油などの香料、発色剤及び保存剤で構成される群から選択される1つ以上の薬剤を含むことができる。用いられる賦形剤は、例えば、(1)炭酸カルシウムやラクトースやリン酸カルシウムやリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、(2)コーンスターチやポテトスターチやアルギン酸などの造粒剤や分解剤、(3)トラガント・ゴムやコーンスターチやジェラチンやアカシア樹液などの結合剤、そして(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、あるいはタルクなどの潤滑剤であってよい。錠剤はコーティングしない状態でもよいし、胃腸系内での分解と吸収を遅らせてその作用を長時間にわたり維持するために公知の技術でコーティングしてもよい。例えば,モノステアリン酸グリセリンやジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延剤を用いてもよい。いくつかの場合では、経口使用のための製剤は、その内部で、本発明による化合物が、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、あるいはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合されている固いジェラチン・カプセルの形状であってもよい。また、本発明の化合物が、その内部で、水やオイル媒体、例えば、ピーナッツ・オイルや液体パラフィンやオリーブ・オイルなどと混合されている柔らかいジェラチン・カプセルであってもよい。
【0072】
上記医薬品組成物は無菌で注射可能な懸濁液の形状であってもよい。この懸濁液は適切な分散剤あるいは加湿剤と懸濁剤を用いて公知の方法で製剤することができる。この無菌で注射可能な懸濁液は、例えば1,3−ブタンジオールに溶かした溶液など、非毒性で非経口的に受容可能な希釈剤あるいは溶剤内に溶かした無菌で注射可能な溶液あるいは懸濁剤であってもよい。溶媒あるいは懸濁媒体として無菌の不揮発性油が通常は用いられる。この目的のために、合成のモノ−あるいはジグリセリド、脂肪酸(オレイン酸を含む)、セサミ油などの天然の野菜オイル、ココナッツ油、ピーナッツ油、綿実油など、あるいはオレイン酸エチルなどの合成脂肪酸媒体などの無刺激性油を用いることができる。
【0073】
本発明は、治療目的のための薬品を製造するための、式I、式II、あるいは式IIIで示される化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩の使用も関している。本発明はまた、式I、式II、あるいは式IIIの一般式で示される化合物、あるいは薬学的に活性のあるその誘導体や塩が使用される治療応用を意図した薬品の製造方法にも関係している。
【0074】
個々の対象者は症状の重篤度において広い偏差を示すし、それぞれの薬剤もそれぞれ独特の治療特性を有しているので、個々の対象者に対して用いられる正確な投与方法と用量は医者の判断にゆだねられる。その患者に対しては、その化合物は、錠剤、液体、カプセル、粉末等いずれかの受容可能な形態で経口的に投与されるが、特にその患者が吐き気を感じるのであれば別の投与経路が必要になるであろう。そうした他の経路には、例外なく、経皮、非経口、皮下、鼻腔内、埋め込みステント経由、髄こう内、硝子体内、眼球への局所的処方、眼球の後ろ側、筋肉内、静脈内、及び直腸内の投与形態が含まれる。どの場合でも、投与される化合物の量は、その状態の重篤度、患者の年齢と体重、その患者の全体的な身体状態、その状態の原因、そして投与の経路を考慮して、医者によって決められる。さらに、それらの製剤は任意の時間にわたってのその活性化合物を遅延させたり、あるいは治療期間中の任意の期間に放出される薬品の量を慎重に制御するように設計される。
【0075】
[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいは(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、及びそれらの薬学的に許容される塩のエステル・プロドラッグは、点眼したり、直接注射したり、眼球の背後に適用するなどの異なった経路を通じて投与することができ、遅放出性ペレット、懸濁液、ゲル、あるいはこの技術分野で知られているいすれかの適切な薬剤投与システム(DDS)などの放出量を抑えた投与デバイスなど、薬効作用の長期持続性をさらに向上させる製剤を投与することもできる。局所投与が好ましいが、この化合物は、米国特許第7,931,909号に述べられているような眼球内埋め込み物で使用することもできる。この特許はここで触れたので、その内容全体が本明細書に組み込まれる。そうした生体適合性埋め込み物には[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいは(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、及び、眼球内により長い時間それらを放出し易くする[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいは(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグと結合したポリマーがある。
【0076】
薬剤製品の眼科用製剤はこの技術分野ではよく知られており、例えば、米国特許出願公報第20050059583号、第20050277584号、米国特許第7,297,679号及び第20070015691号、及び米国特許第5,474,979号及び第6,582,718に述べられている。これらの特許はここで触れたので、その内容全体が本明細書に組み込まれる。[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいは(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグは、米国特許第7,491,383 B2に開示されているような薬効増進成分と共に製剤化することができる。この特許はここで触れたので、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0077】
本発明による1つの方法においては、眼圧が投与後少なくとも8時間は下げられる。
【0078】
本発明による1つの好ましい方法においては、眼圧が投与後少なくとも10時間は下げられる。
【0079】
本発明によるより好ましい方法においては、眼圧が投与後少なくとも12時間は下げられる。
【0080】
本発明による方法においては、少なくとも8時間、好ましくは少なくとも10時間、そしてより好ましくは12時間眼圧を低下させるために、1回分の用量として用いられる上記組成物は、薬学的に許容される媒体中に、重量ベースで0.0005−5%、好ましくは0.005−2%、より好ましくは0.05−2%の割合で、[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含んでいる。
【0081】
本発明の別の態様で、本発明による方法においては、少なくとも8時間、好ましくは少なくとも10時間、そしてより好ましくは12時間眼圧を低下させるために、1回分の用量として用いられる上記組成物は、薬学的に許容される媒体中に、重量ベースで0.01−5%、好ましくは0.01−2%、より好ましくは0.05−2%の割合で、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含んでいる。
【0082】
本発明の別の態様で、本発明による方法においては、少なくとも8時間、好ましくは少なくとも10時間、そしてより好ましくは12時間眼圧を低下させるために、1回分の用量として用いられる上記組成物は、薬学的に許容される媒体中に、重量ベースで0.01−5%、好ましくは0.01−2%、より好ましくは0.05−2%の割合で、(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含んでいる。
【0083】
局所投与用に組成物を形成する場合は、その医薬品組成物は好ましくはpHを5.5−8.0の範囲、例えば約6.9として、水溶液として製剤化される。その組成物は、好ましくは局所投与に適した点眼液として製剤化される。正確な処方箋は医師の判断に任されるが、好ましくは1日1回、双方の眼のそれぞれに1滴づつ、1−2回局所的に適用することが推奨される。本発明の方法において用いられる眼科用製剤での使用に望ましいと思われるその他の成分には、保存剤、溶剤、及び増粘剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム二水和物、塩化マグネシウム六水和物、ホウ酸及びホウ酸ナトリウム十水和物(緩衝剤として)及び純水である(Clinical Ocular Pharmacology By Jimmy D. Bartlett, Siret D. Jaanus, 2008, p266)。保存剤は使用中の微生物汚染を防ぐために必要である。適切な保存剤としては、安定化オキシクロロ複合体(PurateTMという商品名で市販されている)、安定化二酸化塩素、塩化ベンズアルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチル・アルコール、エデト酸2ナトリウム、ソルビン酸、オナメールM、あるいは当業者に知られているその他の薬剤などがある(Review of Ophthalmology, June 2001, Robert Noecker, MD)。これらの保存剤の共通の副作用は炎症である。
【0084】
通常、本発明の方法で用いられる組成物の場合、保存剤の効果的な濃度は、重量ベースで、0.001%−1%の範囲、好ましくは0.01%−0.5%の範囲である。特に、安定化オキシクロロ複合体(Purite 登録商標)の場合は、0.001−0.01%の範囲である。
【0085】
本発明による化合物の成分の可溶性はその組成物に界面活性剤やその他の適切な助溶剤を加えることで促進される。そうした助溶剤には、ポリソルベート20、60及び80、プルロニック(Pluronic登録商標)F−68、F−84及びP−103、シクロデキストリン、ソルトル(Solutol)、あるいは、当業者に知られているその他の薬剤などがある。通常、そうした洗剤は、重量ベースで、0.01%−2%のレベルで用いられる。
【0086】
上記製剤の投与における偏差を少なくするためにも、その製剤の懸濁液や乳剤における成分の物理的な分離を減らすためにも、及び/又は、その他の何らかの意味でその製剤を改良するためにも、単純な水溶液の粘度以上に製剤の粘度を上げておくことは、活性化合物の眼球内への吸収を増大させるために望ましいことである。そうした増粘剤には、例えば、ポリビニル・アルコール、ポリビニル・ピロリドン、メチル・セルロース、ヒロドキシプロピル・メチルセルロース、ヒドロキシエチル・セルロース、カルボキシメチル・セルロース、ヒロドキシプロピル・セルロース、あるいは当業者に知られているその他の薬剤がある。それらの薬剤は、通常は、重量ベースで、0.01%から2%の範囲で用いられる。
【0087】
以下の製剤は、緑内障に関連する眼圧昂進を治療するために局所的に使用される本発明の代表的な眼科用組成物である。1つの実施例で、[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいは(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグの遊離塩基が無菌蒸留水に溶解され、塩酸が加えられ、その化合物の塩酸塩がin situで形成された。この溶液をその溶液のpHが8.0になるまで、水酸化ナトリウムで滴定した。[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいは(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグの最終的な濃度は重量ベースで1%であった。別の実施例で、[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、あるいは(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグの遊離塩基をホウ酸、塩化ベンズアルコニウム及びグリセリンと共に無菌蒸留水に溶解させた。
【0088】
本発明において、1つの化合物あるいは複数の化合物について触れる場合、特に特定の異性体型についての言及がない限り、その可能な異性体型のそれぞれをその範囲に含むことを意図している。
【0089】
本発明は、一般式I、II、IIIに示される構造を有する化合物を調製するためのプロセスにも関係している。以下に示す合成方式は本発明による化合物をいかにしてつくることができるかを図示している。当業者であれば、式I、II、あるいはIIIで示される範囲に含まれるいずれの化合物を合成するための以下の方式も日常的に修正したり適応させたりすることはできるであろう。
(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを合成するための全体的方式
【0091】
第1のステップで、(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール(CAS 189255−79−6)はN,N−ジメチル・ホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、トリエチルアミン(TEA)、及び4−ジメチル・アミノピリジン(DMAP)の存在下で、望ましい塩化アシルと反応することができる。抽出が通常に行われると、中圧液体クロマトグラフィ(MPLC)(0%−40%酢酸エチルをヘキサンに加えたもの)によって残留物を精製して、中間化合物をアモルファス状固体として発生させることができる。
【0092】
第2のステップで、最初の反応で得られた中間物はメタノール(MeOH)と反応することができる。MPLC(50%酢酸エチルをヘキサンに加えて、次に、5%7Nのアンモニア/メタノール/ジクロロメタンを加えたもの)によって残留物を精製して、その望ましい化合物を固体として発生させることができる。
【0093】
なお、上に述べた一般的な説明と以下に述べる詳細な説明は、例示的なもので説明のためだけのものであり、権利請求される発明を限定するものではない。本明細書で使われる場合、特に注記がない限り、単数表現は複数の場合もその意味範囲に含むものとする。
【0094】
本発明は薬学的に許容される同位体的に濃縮された化合物のすべてを含んでいる。本発明のいずれの化合物も、
1H(あるいはH)の代わりに重水素
2H(あるいはD)とか
12Cの代わりに
13C濃縮物質を使用するなど、天然での比率より濃縮された、あるいはそれとは異なった1つ又は2つの同位体原子を含んでいる。窒素、酸素及び硫黄に関しても同様の置き換えを用いることができる。アイソトープ(同位体元素)の使用は、本発明の分析目的の態様と治療目的の態様で役に立つ可能性がある。例えば、重水素の使用は本発明の化合物の代謝(速度)を変えることにより、in vivoでの半減期を増大させてくれる可能性がある。これらの化合物は、同位体的に濃縮された試薬を使用で述べられた調製法によって調製することができる。
【0095】
以下の実施例は説明を目的とするだけのものであって、いかなる意味においても本発明を限定するものとみなされるべきではない。当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱せずに、以下の実施例の変更や修正が可能であることは容易に理解するであろう。
【0096】
実施例で用いられている化合物のIUPAC名はACD 8版で一般化された。
【0097】
実施例において特に注記がない限り、それぞれの化合物の特徴づけは以下の方法に従って行われる。
【0098】
NMRスペクトルは300MHzバリアンで記録され、室温で得られる。化学シフトは内部TMSあるいは残留溶媒信号のいずれかに対してPPM基準で与えられる。
【0099】
その合成についての説明がなされていないすべての試薬、溶剤、触媒はSigma Aldrich、Fluka、Lancasterなどの化学品販売会社から購入されるものあるが、CASいくつかの登録番号が示されている知られている反応中間物は、以下のような公知の手順を用いて自社内で調製されたものである。通常、本発明の化合物はフラッシュ・カラム・クロマトグラフィで精製された。
【0100】
実施例の説明では、以下の略語が用いられている。
【0101】
実施例1
中間物1
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1−イソブチリル−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−
ベンジル・エステル
DMF(8ml)及びTHF(50ml)に(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール(1,34g,6.2mmol)を溶かした溶液に、TEA(3.5ml、24.8mmol)、DMAP(780mg、6.2mmol)及び塩化イソブチリル(2.18g、20.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌して、水で鎮静化してから、酢酸エチルで抽出した。結合した有機層を塩水で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥させてから、減圧下で濃縮した。残留物をMPLC(ヘキサンに0%−40%エチルを加えたもの)で精製して、固体としての中間物1を得た。
1H−NMR(CD
3OD, δppm):1.15 (d,j=7.03Hz,6H),1.26(d,6H,J=6.74Hz),1.56(d,J=7.03Hz, 3H), 2.34(s,3H), 2.58(hept, J=7.03Hz, 1H), 3.34(hept, J=7.74Hz), 1H), 4.42(q,J=7.03Hz, 1H), 5.15(s, 2H), 7.07−7.10(m, 2H), 7.12−7.15(m, 1H), 7.31(s, 1H), 8.35(s, 1H)。
【0102】
中間物2−6は(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールから開始して、実施例1で述べた方法と同様の方法で調製された。それぞれの場合に用いられた塩化アシルとその結果を以下の表1に示す。
【0104】
実施例2
化合物1
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
【0105】
【化13】
中間物1をMeOH(50ml)に溶解して、その混合物を室温で24時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。残留物をMCPL(50%酢酸エチルをヘキサンに加え、さらに5%’7N NH
3)/MeOH/DCMを加えたもの)で精製して、化合物1を固体として得た。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):1.15(d,J=7.03Hz, 6H), 1.54(d,J=7.03Hz, 3H), 2.33 (S,3H), 2.56 (hept, J=7.03Hz, 1H), 4.42(q、J=7.03Hz, 1H), 5.15 (S, 2H), 6.70 (S, 1H), 7.07−7.10(m, 2H), 7.12−7.15 (m, 1H), 7.55(S, 1H)。
【0106】
本発明による化合物2−6は対応する中間物をメタノールと反応させることで、実施例2に述べた手順に従って調製された。その結果を表2に示す。
【0108】
実施例3
中間物7
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル・エステル
DMF(2ml)とTHF(12ml)に[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノール(216mg, 1.0mmol)を加えた溶液に、EDCL(671mg, 3.5mmol)、DMAP (427mg, 3.5mmol)及びBoc−L−バリン(651mg, 3.0 mmol)を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌して、水で鎮静化して、酢酸エチルで抽出した。結合した有機層を水と塩水で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物をカラム・クロマトグラフィ(30%酢酸エチルをヘキサンに加えたもの)で精製して、中間物7を白い固体として得た。
1H−NMR(CD
3OD, δppm):0.85−1.01(m,12H), 1.20−1.48(m, 18H), 1.56(d, J=7.03Hz, 3H), 2.01−2.20(m,2H), 2.35(S,3H), 4.03(m,1H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 4.60−4.65(m,1H), 5.15−5.29(m,2H), 7.10−7.20(m,2H), 7.20−7.25(m,1H), 7.33(S,1H), 8.44(S,1H)。
【0109】
実施例4
中間物8
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
中間物7(600mg, 0.98mmol)を30mlのMeOHに溶解したものから、実施例2で述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):0.85−0.95 (m,6H), 1.42 (m,9H), 1.54 (d,J=7.03Hz, 3H), 2.05 (m,1H), 2.33 (S,3H), 4.00 (d,J=6.15Hz, 1H), 4.40 (q, J=7.03Hz, 1H),5.15−5.18 (m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.20 (m, 2H), 7.20−7.25 (m,1H), 7.55 (S,1H)。
【0110】
実施例5
化合物7
2−アミノ−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル]−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
【0111】
【化14】
中間物8(390mg, 0.94mmol)に4N塩酸をジオキサン(8ml)に溶かしたものに加えた。結果として得られた溶液を室温で4時間撹拌して、次に、水で鎮静化して、水性飽和炭酸水素ナトリウムで中和して、クロロホルムに25%イソプロピル・アルコールを溶かしたもので抽出した。結合した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物をカラム・クロマトグラフィ(DCMに5% 7N アンモニア/メタノールを溶かしたもの)で精製して、化合物7を白い固体として得た。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):0.85 8d,J=6.74Hz, 3H), 0.91 (d, J=6.74Hz, 3H), 1.54 (d, J=7.03Hz,3H), 1.96(hept, J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 3.28 (d,J=6.74Hz, 2H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 5.20−5.25(m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.12 (m,2H),7.13−7.20(m, 1H), 7.55 (S, 1H)。
【0112】
実施例6
中間物9
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル・エステル
化合物7(490mg, 1.55mmol)、Boc−L−バリン(1.01g, 4.67mmol)、EDCL(1.04g, 5.42mmol)及びDMAP(671g、1.55mmol)から、実施例3で述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):0.85−0.92(m,12H), 1.43(S,9H), 1.55 (d,J=7.03Hz, 3H), 1.97 (m, 1H), 2.14 (hept, J=6.60Hz, 1H), 2.35 (S, 3H), 3.88 (d,J=7.30Hz,
1H), 4.35 (d,J=6.90Hz, 1H), 4.42 (d,J=7.03Hz, 1H), 5.18−5.25 (m, 2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.15 (m, 2H), 7.17−20 (m,1H), 7.55 (S, 1H)。
【0113】
実施例7
中間物10
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸
3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
実施例2で述べた手順に従って、中間物9(750mg, 1.05mmol)を30mlのメタノールに溶かしたものから、表題の化合物を得た。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):0.89 (d,d,J=7.03Hz, 6H), 1.44 (S, 9H), 1.54 (d, J=7.33Hz, 3H), 2,14 (hept,J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 3.74 (S, 2H), 4.35−4.55 (m, 2H), 5.20 (S, 2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.17 (m, 2H), 7.19−7.23 (m, 1H),
7.56 (S, 1H)。
【0114】
実施例8
化合物8
2−(2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
【0115】
【化15】
実施例5に述べた手順に従って、中間物10(450mg、0.87mmol)を8mlの4N 塩酸/ジオキサンに溶かしたものから、表題の化合物を調製した。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):0.85 (d,J=7.03Hz, 3H), 0.91 (d,J=6.74Hz, 3H), 0.92 (d,J=7.3Hz, 3H), 1.14 (d,J=6.2Hz, 3H), 1.54 (d,J=7.03Hz, 3H), 1.94 (hept, J=5.2 Hz, 1H), 2.14 (hept,J=6.2Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 3.18 (d,J=5.2Hz, 1H), 4.34 (d,J=6.2Hz, 1H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 5.21−5.26(m, 2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.15 (m, 2H), 7.18−7.20 (m, 1H), 7.55 (S,1H)。
【0116】
実施例9
中間物11
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸
3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
実施例3で述べた手順に従って、化合物8(405mg, 1.28mmol)、Boc−グリセリン(675mg、3.86mmol)、EDC(859mg, 4.48mmol)、及びDMAP (547mg, 4.48mmol)から表題の化合物を得た。表題の化合物を、5% 7N アンモニア/メタノールをDCMに溶解したものを用いてカラム・クロマトグラフィによって精製した。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):0.89 (d,J=6.74Hz, 3H), 0.91 (d,J=6.74Hz, 3H), 1.55 (d,J=7.30Hz, 3H), 2.14 (hept, J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S,3H), 4.73 (d,J=5.90Hz, 1H), 4.42 (q,J=7.03Hz, 1H), 5.20−5.25(m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.12 (m, 2H),7.13−7.20 (m, 1H), 7.55 (S, 1H)。
【0117】
実施例10
化合物9
2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
【0118】
【化16】
実施例5で述べられた手順に従って、10mlの4N塩酸/ジオキサンを用いて、中間物11(320mg, 0.68mmol)から表題の化合物を得た。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):0.89 (d,J=6.74Hz, 3H), 0.91 (d,J=6.74Hz, 3H), 2.14 (hept,J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 4.37 (d,J=5.90Hz, 1H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 5.20−5.25 (m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.12 (m, 2H), 7.13−7.20 (m, 1H), 7.55 (S, 1H)
【0119】
実施例11
中間物12
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール(216mg, 1.0mmol), Boc−L−フェニルアラニン(795mg, 3.0mmol)、EDC (671mg, 3.5 mmol)、及びDMAP (427mg, 3.5mmol)から、実施例3に述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。中間物12は、35−100%酢酸エチルをヘキサンに溶解したものを用いて精製した。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):1.36 (S,9H), 1.55 (d,J=7.03Hz, 3H), 2.28 (S, 3H),2.85−2.95 (m,1H), 3.05−3.11 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.40 (q,J=7.03Hz, 1H), 5.17 (S, 2H), 6.69 (S, 1H), 7.08−7.24 (m, 8H), 7.55 (S, 1H)。
【0120】
実施例12
化合物10
2−アミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
【0121】
【化17】
実施例5で述べられた手順に従って、8mlの4N塩酸/ジオキサンを用いて、中間物12(240mg, 0.52mmol)から表題の化合物を得た。
1H−NMR(CD
3OD: δppm):1.54 (d,J=7.03Hz, 3H), 2.26 (S, 3H), 2.90−3.00 (m, 2H), 3.73 (t、J=6.40Hz, 1H), 4.40 (q, J=7.03Hz, 1H), 5.13−5.18 (m, 2H), 6.68 (S, 1H), 7.08−7.12 (m, 5H), 7.13−7.22 (m, 3H), 7.55 (S, 1H)。
【0122】
以下のアッセイは、本発明による化合物の効力と選択性を実証するために行われたものである。
【0123】
実施例13
用いられた実験動物は正常血圧の雄のダッチ−ベルトした、生後6か月以上のウサギであった(Mytle’s Rabbitry)(n=4/化合物/用量スクリーン)pH5.5の1%ポリソルベート内で完全に加水分解した時に0.15%あるいは0.3%の活性代謝物を生じる薬品製剤の単一用量(50μg)をほぼ0700時に右眼(措置した眼)にピペットで局所的に投与した。それらのウサギのIOP(措置した側と措置しなかった側の眼)を、局所点眼投与の直前と、投与から0.5、1、2、3、4、6及び8時間後に測定した。点眼液投与時(0時)でのIOPを基底値として用いた。トノメトリック測定を開始する前に、0.05%プロパラカイン(50μl)をそれぞれの眼に投与した。トノメトリックIOP測定はMentor Pneumontonmeterを用いて行われた。さらに、すべての研究は遮蔽して行われた。それぞれのウサギに対して、投与と次の投与の間に少なくとも1週間のウォッシュ・アウト時間が設定された。すべての動物に対して、実験の全期間を通じて、鎮静作用、眼球刺激、及び瞳孔直径に関する検査が行われた。
【0124】
本発明の化合物とIOP実験から集められたデータのすべては、プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルが、テストされた濃度で、アルファガン(Alphagan)P(登録商標)と等しいか比肩されうるIOP低減効果を有しており、アルファガン(Alphagan)P(登録商標)より長い眼圧霊験効果を有することを示している。
【0125】
実施例14
この例は、イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル含有組成物の眼圧低減効果を偽薬と比較して示している。イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル含有組成物で措置したサルの眼圧は最大24時間、低下傾向を維持する。