【実施例】
【0095】
本発明を、本発明に従う式Iの化合物の製造を説明する、次の中間体および実施例化合物により説明するが、限定しない。
【0096】
使用する略語は次の通りである:ベンジルオキシカルボニル(Cbz);tert−ブトキシカルボニル(BOC);細胞増殖(CP);ジクロロメタン(DCM);N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(DIPEA);[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl
2(dppf));1,2−ジメトキシエタン(DME);N,N−ジメチルアセトアミド(DMA);N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP);N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF DMA);ジメチルスルホキシド(DMSO);酢酸エチル(EtOAc);高速液体クロマトグラフィー(HPLC);酢酸イソプロピル(iPrOAc);メタンスルホニル(Ms);2−メチルテトラヒドロフラン(2−メチルTHF);N−メチルピロリジノン(NMP);テトラヒドロフラン(THF);薄層クロマトグラフィー(TLC);およびパラ−トルエンスルホン酸(pTsOH)。
【0097】
中間体. シアノ−(2−メチルチオ−ピリミジン−4−イル)−酢酸tert−ブチルエステル
【化13】
水素化ナトリウム(7.15g、179mmol、油中60%)のDMSO(100mL)懸濁液に、シアノ酢酸tert−ブチル(24.8g、170mmol)を23℃で添加した。水素の発生が止んだ後、4−クロロ−2−メチルチオピリミジン(13.7g、85mmol)を添加した。反応物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、氷冷飽和塩化アンモニウム(300mL)でクエンチした。固体を濾過し、水(2×200mL)で洗浄した。300mLのヘキサンを固体に添加し、懸濁液を60℃で1時間加熱し、室温に冷却した。固体を濾過し、ヘキサンで洗浄して、表題化合物を得た;
1H NMR 400 MHz (CDCl
3) δ 7.82 (d, 1H), 6.74 (d, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.61 (s, 1H), 1.52 (s, 9H);MS m/z:266.0 (M + 1)。
【0098】
中間体. (2−メチルチオ−ピリミジン−4−イル)−アセトニトリル
【化14】
中間体シアノ−(2−メチルチオ−ピリミジン−4−イル)−酢酸tert−ブチルエステル(5.3g、20mmol)の無水トルエン(100mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸(800mg)を添加した。混合物を8時間加熱還流し、室温に冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N 水酸化ナトリウム水溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を得た:
1H NMR 400 MHz (CDCl
3) δ 8.56 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 3.84 (s, 2H), 2.57 (s, 3H);MS m/z:166.0 (M + 1)。
【0099】
中間体. 4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミン
【化15】
工程1. 3−(ジメチルアミノ)−2−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)アクリロニトリル。
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(30mL)を中間体(2−メチルチオ−ピリミジン−4−イル)−アセトニトリル(2.62g、15.7mmol)に添加し、混合物を100℃で16時間加熱した。冷却した反応混合物を濃縮し、残留物を精製せずに使用した。
【0100】
工程2. 4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミン。
先の工程からの粗3−(ジメチルアミノ)−2−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)アクリロニトリル(全量)およびヒドラジン一水和物(2.36mL、47mmol)の無水エタノール(75ml)中の混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。反応混合物を酢酸エチルおよび塩水に分配した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(2〜5%メタノールのジクロロメタン溶液溶離剤)で精製して、4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミンを得た:
1H NMR 400 MHz (DMSO-d
6) δ 11.9 (s, 1H), 8.3 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.23 (s, br 1H), 6.43 (s, 1H), 5.74 (s, 1H), 2.53 (s, 3H);MS m/z:208.0 (M + 1)。
【0101】
中間体. 1−イソプロピル−4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミン:
【化16】
中間体4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミン(10.0g、40mmol)をTHF(200mL)に溶解し、2−ヨードプロパン(6.3mL、63mmol)およびナトリウムメトキシド(メタノール中25%重量溶液、14.3ml、63mmol)を添加した。混合物を50℃で撹拌しながら、窒素雰囲気下、3日間加熱し、真空下濃縮した。残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、炭酸カリウム水溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色残留物を得た。残留物をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)でクロマトグラフィーして、1−イソプロピル−4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミンを固体として得た;
1H NMR 400 MHz (CDCl
3) δ 8.23 (d, J=5.6 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 6.83 (d, J=5.6 Hz, 1H), 5.23 (d, J=2.8 Hz, 2H), 4.21-4.25 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 1.37 (d, J=6.8 Hz, 6H);MS m/z:250.1 (M + 1)。
【0102】
次のものを同様に製造した:1−エチル−4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミンおよび1−メチル−4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミン。
【0103】
中間体. 4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン:
【化17】
中間体1−イソプロピル−4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−アミン(4.0g、16.0mmol)、亜硝酸イソペンチル(13.2g、112mmol)およびヨウ化メチレン(30mL)の混合物を100℃で3時間加熱した。揮発物を真空で除去して、暗色残留物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(2:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を固体として得た;MS m/z:361.1 (M + 1)。
【0104】
次のものを同様に製造した:4−(3−ヨード−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン;4−(3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン;および4−(3−ヨード−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン。
【0105】
中間体. 4−(3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン。
【化18】
4−(3−ヨード−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン(270mg、0.85mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(32mg、0.17mmol)の3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1ml)の溶液を60℃で5時間加熱した。冷却した混合物を酢酸エチルで希釈し、混合物を水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル(10%酢酸エチルのヘキサン溶液溶離剤)でクロマトグラフィーして、表題化合物を得た。MS (m/z):402.7 (M+1)。
【0106】
中間体. 4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルスルホニル)ピリミジン:
【化19】
中間体4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン(4.51g、12.5mmol)のジクロロメタン(60mL)溶液に、0℃で、m−クロロ過安息香酸(3.65g、77%純度、16.3mmol)を添加した。混合物を0℃で窒素下3時間撹拌し、酢酸エチルおよび炭酸カリウム水溶液で希釈し、塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルスルホニル)ピリミジンを固体として得た。MS m/z:393.0 (M + 1)。
【0107】
次のものを同様に製造した:4−(3−ヨード−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルスルホニル)ピリミジン;および4−(3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルスルホニル)ピリミジン。
【0108】
中間体. 1−ベンジリデン−2−イソプロピルヒドラジン
【化20】
無水酢酸ナトリウム(8.2g、0.1mol)の125ml 50%エタノールを含む丸底フラスコに、イソプロピルヒドラジンHCl塩(11.1g、0.1mole)およびベンズアルデヒド(10.6g、0.1mole)を添加した。混合物をrtで20時間撹拌した。反応物をエーテル(3×250ml)で抽出した。有機層を合わせ、重炭酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過、濃縮およびトルエン(3×)との共蒸発により、表題化合物を油状物として得た。MS m/z 163.3 (M + 1)。
【0109】
次のものを同様に製造した:1−ベンジリデン−2−エチルヒドラジンをエチルヒドラジンオキサレートから出発して、メタノールおよびトリエチルアミンをそれぞれエタノールおよび酢酸ナトリウムの代わりに使用した;そして1−ベンジリデン−2−メチルヒドラジンをメチルヒドラジンから出発して、メタノールを溶媒として使用し、塩基を添加しなかった。
【0110】
中間体. 2−((2−ベンジリデン−1−イソプロピルヒドラジニル)メチレン)−マロノニトリル:
【化21】
中間体1−ベンジリデン−2−イソプロピルヒドラジン(12.9g、0.079mol)の200ml 無水THF溶液をドライアイス/アセトン浴中、アルゴン雰囲気下で冷却した。この溶液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、66ml、0.106mol)をシリンジを介して添加した。添加終了後、混合物をドライアイス温度でさらに5分間撹拌した。(2−(エトキシメチレン)マロノニトリル(13.6g、0.11mol)のTHF(30ml)溶液を添加した。混合物をドライアイス温度で0.5時間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。クエンチした反応混合物をrtに温め、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を超音波処理しながらエタノールに懸濁した。得られた沈殿を濾過により回収し、少量のエタノールで洗浄して、2−((2−ベンジリデン−1−イソプロピルヒドラジニル)メチレン)マロノニトリルを黄色固体として得た。母液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、さらに2−((2−ベンジリデン−1−イソプロピルヒドラジニル)メチレン)マロノニトリルを得た。MS m/z 239.2 (M + 1)。
【0111】
中間体. 2−((2−ベンジリデン−1−エチルヒドラジニル)メチレン)−マロノニトリル:
【化22】
2−(エトキシメチレン)マロノニトリル(15.2g、0.124mole)の100ml トルエン溶液に、中間体1−ベンジリデン−2−エチルヒドラジン(18.4g、0.124mole)を添加した。混合物を室温で静置し、沈殿を形成させた。反応混合物をさらに16時間撹拌した。沈殿をフィルター上に回収し、少量のエタノールで洗浄して、2−((2−ベンジリデン−1−エチルヒドラジニル)メチレン)マロノニトリルを固体として得た。
【0112】
2−((2−ベンジリデン−1−メチルヒドラジニル)−メチレン)マロノニトリルを同様に製造した。
【0113】
中間体. 3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル
【化23】
中間体2−((2−ベンジリデン−1−イソプロピルヒドラジニル)−メチレン)マロノニトリル(9.42g、40mmol)、濃塩酸(5ml)およびエタノール(50ml)の混合物を20分間加熱還流した。反応混合物を濃縮し、エーテル(50ml)を添加した。混合物を超音波処理し、上部エーテル層を廃棄した。残留物に20mlの5N 水酸化ナトリウム水溶液を添加し、混合物をジクロロメタン(3×)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を精シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.09 (s, 1H), 5.51 (s, 2H), 4.22 (m, 1H), 1.31 (d, J=7 Hz, 6H);MS m/z 151.2 (M + 1)。
【0114】
次のものを同様に製造した:3−アミノ−1−エチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル;および3−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル。
【0115】
中間体. 1−(3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)エタノン
【化24】
中間体3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(5.29g、36.5mmol)の200ml 無水THF溶液に、0℃でメチルマグネシウムブロマイド溶液(エーテル中3M、56.5ml、0.17mol)を添加した。反応混合物を4時間加熱還流した。混合物を0℃に冷却し、中性pHまで10%塩酸でクエンチした。反応物を大量の9:1 ジクロロメタン/イソプロパノールで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/ヘキサン〜9:1 酢酸エチル/メタノール溶離剤)で精製して、表題化合物を明褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.18 (s, 1H), 5.62 (s, 2H), 4.23 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.37 (d, J=7 Hz, 6H);MS m/z 168.2 (M + 1)。
【0116】
次のものを同様に製造した:1−(3−アミノ−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)エタノン;および1−(3−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)エタノン。
【0117】
中間体. 1−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)エタノン
【化25】
中間体1−(3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)エタノン(3.97g、24mmol)およびp−TsOH.H
2O(9.07g、48mmole、2当量)の150mlのアセトニトリル溶液に、0℃で、亜硝酸ナトリウム(2.97g、43mmole、1.8当量)およびヨウ化カリウム(8.0g、48mmol、2.0当量)の20ml 水溶液を添加した。混合物をこの温度で10分間撹拌し、rtに温め、3時間撹拌した。混合物を濃縮し、水で希釈し、炭酸ナトリウム水溶液でpH9〜10に中和した。混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をチオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を明褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.51 (s, 1H), 4.53 (m, 1H), 2.37 (s, 3H), 1.41 (d, J=7 Hz, 6H);MS m/z 279.1 (M + 1)。
【0118】
次のものを同様に製造した:1−(3−ヨード−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)エタノン;および1−(3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)エタノン。
【0119】
中間体. 3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)プロプ−2−エン−1−オン:
【化26】
中間体1−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)エタノン(5.0g、18.0mmol)およびN,N−ジメチル(dimethy)ホルムアミドジメチルアセタール(50mL)の混合物を155℃で20時間加熱した。混合物を真空下濃縮して、粗表題化合物を得た。MS m/z 334.0 (M + 1)。
【0120】
次のものを同様に製造した:3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ヨード−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)プロプ−2−エン−1−オン;および3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)プロプ−2−エン−1−オン。
【0121】
中間体. 4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−アミン
【化27】
粗中間体3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)プロプ−2−エン−1−オン(4.0g、12.0mmol)、グアニジンヒドロクロライド(2.63g、27.6mmol)、水酸化リチウム(635mg、27.6mmol)およびsec−ブタノール(50ml)の混合物を、撹拌しながら、密閉反応容器中、110℃で20時間加熱した。冷却した反応混合物を濃縮し、水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。酢酸エチルを固体残留物に添加し、混合物を超音波処理した。固体生成物をフィルター上に回収し、酢酸エチルで濯ぎ、乾燥させて、表題化合物を黄褐色固体として得た。MS m/z 330.0 (M + 1)。
【0122】
次のものを同様に製造した:4−(3−ヨード−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−アミン;および4−(3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−アミン。
【0123】
中間体. 4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−オール
【化28】
亜硝酸ナトリウム(314mg、4.55mmol)を、撹拌している中間体4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−アミン(500mg、1.52mmol)およびトリフルオロ酢酸(15ml)の混合物に0℃で添加した。混合物をrtに温め、1時間撹拌し、溶媒を真空下除去した。粗混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液および塩水で洗浄して、表題化合物を固体として得た。MS m/z 331.0 (M + 1)。
【0124】
次のものを同様に製造した:4−(3−ヨード−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−オール;および4−(3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−オール。
【0125】
中間体. 2−クロロ−4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン
【化29】
中間体4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−オール(438mg、1.33mmol)のオキシ塩化リン(10ml)溶液を110℃で16時間加熱した。混合物を真空下濃縮し、重炭酸ナトリウム水溶液を注意深く添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を黄色固体として得た。MS m/z 349.0 (M + 1)。
【0126】
次のものを同様に製造した:2−クロロ−4−(3−ヨード−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン;および2−クロロ−4−(3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン。
【0127】
中間体. 1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル
【化30】
(S)−アラニノール(10g、130mmol)および重炭酸ナトリウム(32.8g、390mmol)のTHF−H
2O(1:1、650mL)溶液に、0℃で、クロロギ酸メチル(11.4mL、143mmol)を滴下した。混合物を撹拌し、4時間かけてrtに温め、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N 水酸化ナトリウム水溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗表題化合物を得て、それを精製せずに使用した。MS m/z 134.1(M + 1)。
【0128】
次のものを同様に製造した:1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバミン酸(R)−メチルを、(R)−アリノールを(S)−アラニノールの代わりに使用して;および1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−1,1−ジメチルエチルを、二炭酸ジ−t−ブチルをクロロギ酸メチルに使用して。
【0129】
中間体. 1−アジドプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル:
【化31】
中間体1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(2.65g、20mmol)およびトリエチルアミン(7.0ml、50mmol)の無水ジクロロメタン(100mL)溶液に、メタンスルホニルクロライド(1.91mL、23.9mmol)を添加した。混合物をrtで3時間撹拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N 水酸化ナトリウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗メシレート生成物を乾燥DMF(70mL)に溶解し、ナトリウムアジド(5.2g、80mmol)を添加した。混合物を撹拌しながら80℃で2時間加熱した。冷却した反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルおよび塩水に分配した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(8:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、1−アジドプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチルを得た。MS m/z 159.1(M + 1)。
【0130】
次のものを同様に製造した:1−アジドプロパン−2−イルカルバミン酸(R)−メチル;および1−アジドプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−1,1−ジメチルエチル。
【0131】
中間体. 1−アミノプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル
【化32】
中間体1−アジドプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(2.86g、18.2mmol)の酢酸エチル(200ml)溶液に、10%パラジウム炭素(湿、286mg)を添加した。フラスコを脱気し、水素ガス(バルーン、1気圧)を充填し、混合物をrtで16時間撹拌した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を濃縮して、粗1−アミノプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチルを得て、それを精製せずに使用した。
1H NMR 400 MHz (CDCl
3) δ 4.79 (s, 1H), 3.71-3.65 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 2.75 (dd, 1H), 2.65 (dd, 1H), 1.14 (d, 3H);MS m/z 133.1 (M + 1)。
【0132】
次のものを同様に製造した:1−アミノプロパン−2−イルカルバミン酸(R)−メチル;および1−アミノプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−1,1−ジメチルエチル。
【0133】
中間体. 1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル:
【化33】
中間体2−クロロ−4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン(1.4g、4.01mmol)、1−アミノプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(0.8g、6mmol)およびトリエチルアミン(2.8ml、20mmol)のイソプロパノール(30ml)およびジオキサン(20mL)溶液を、密閉容器中、125℃で48時間加熱した。冷却した混合物を真空下濃縮し、重炭酸ナトリウム水溶液を残留物に添加した。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:2 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を白色固体として得た。MS m/z 445.0 (M + 1)。
【0134】
次のものを同様に製造した:1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(R)−メチル;1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−tert−ブチル;3−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパンニトリル;4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−メチルピリミジン−2−アミン;およびN
1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)−N
2,N
2−ジメチルエタン−1,2−ジアミン。
【0135】
中間体. N−(3−ブロモ−2,4−ジフルオロフェニル)プロパン−1−スルホンアミド
【化34】
3−ブロモ−2,4−ジフルオロアニリン(4.16g、20mmol、EP184384)、n−プロパンスルホニルクロライド(4.6ml、40mmol)、ピリジン(8ml)、DMAP(97mg)およびDCM(100ml)の溶液をrtで16時間撹拌した。重炭酸ナトリウム水溶液をaddedおよび混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を重炭酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(8:1〜3:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。MS m/z 313.9 (M + 1)。
【0136】
中間体. 3−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミン
【化35】
2−アミノ−3−フルオロピリジン(1.0g、8.9mmol)の無水THF(40ml)溶液を、−78℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、13.9ml、22.3mmol)を滴下して処理した。添加後、混合物を−78℃で1時間撹拌し、ヨウ素(10.2g、40.1mmol)のTHF(20ml)溶液を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物をチオ硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(8:1〜2:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。MS m/z 238.9 (M + 1)。
【0137】
3−クロロ−4−ヨードピリジン−2−アミンを同様に製造した。
【0138】
中間体. 3−ブロモ−2,5,6−トリフルオロアニリン
【化36】
マイクロ波チューブに、1−ブロモ−2,3,4,5−テトラフルオロベンゼン(1.0g)および28%水酸化アンモニウム水溶液(5mL)を添加した。混合物をマイクロ波照射下に150℃で2時間加熱し、混合物を水に注ぎ、ヘキサンで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を無色液体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.75 (m, 1H), 3.95 (br s, 2H) ppm;MS m/z:226, 228 (M+H)
+。
【0139】
中間体. 2,4−ジブロモ−3,6−ジクロロアニリン
【化37】
2,5−ジクロロアニリン(0.2g)、N−ブロモスクシンイミド(0.48g)およびTHF(20mL)の混合物をrtで2時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(8:2 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。MS m/z:318 (M+H)
+。
【0140】
中間体. 1,3−ジブロモ−2,5−ジクロロベンゼン
【化38】
撹拌している2,4−ジブロモ−3,6−ジクロロアニリン(5.0g)、亜硝酸tert−ブチル(3.3g)およびEtOH(50mL)の混合物を、密閉チューブ中、50℃で2時間加熱した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。MS m/z:303 (M+H)
+。
【0141】
中間体. 3−ブロモ−2−クロロ−5−フルオロアニリン
【化39】
工程1. 3−ブロモ−2−クロロ−N−(ジフェニルメチレン)−5−フルオロアニリン。
2,6−ジブロモ−4−フルオロ−1−クロロベンゼン(865mg、3mmol)、ベンゾフェノンイミン(0.61ml、3.6mmol)、Pd
2(dba)
3(137mg、0.15mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(432mg、4.5mmol)、(S)−BINAP(280mg、0.45mmol)およびトルエン(30ml)の混合物を80℃で16時間加熱した。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(40:1〜20:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を粉末として得た。MS m/z 388.9 (M + 1)。
【0142】
工程2. 3−ブロモ−2−クロロ−5−フルオロアニリン。
3−ブロモ−2−クロロ−N−(ジフェニルメチレン)−5−フルオロアニリン(1.16g)のTHF(20ml)溶液を2N塩酸(1.5ml、1当量)で処理し、混合物をrtで2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗残留物をシリカゲル(40:1〜15:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)でクロマトグラフィーして、ベンゾフェノンで汚染された表題化合物を得た。MS m/z 223.9 (M + 1)。
【0143】
次のものを同様に製造した:3−ブロモ−2,5−ジクロロアニリン;3−ブロモ−2−クロロ−5−メチルアニリン;および3−ブロモ−2,5−ジフルオロアニリン。
【化40】
【0144】
中間体. 3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロ安息香酸
【化41】
2−ブロモ−4−クロロ−1−フルオロベンゼン(4.31g、20mmol)溶液に、−78℃で、LDAのTHF溶液(ジイソプロピルアミン(3.38ml、24mmol)およびn−BuLi(1.6M、13.1ml、21mmol)から製造)を滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、ゆっくり(〜30〜60分間)カニューレを通して、−78℃で撹拌しているドライアイスおよびTHF(40ml)の混合物に移送した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、rtに温めた(ガス発生)。混合物を濃縮し、50mlの1N 水酸化ナトリウム溶液で処理した。混合物を酢酸エチルで抽出した(廃棄)。水層を1N塩酸で酸性化し、クロロホルム(3×400ml)で抽出した。クロロホルム抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗表題化合物を得た。生成物は、少量の異性体生成物2−ブロモ−6−クロロ−3−フルオロ安息香酸で汚染されていた。表題化合物3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロ安息香酸の
1H NMR:(400 MHz, CDCl
3) δ 7.93 (dd, 1H, J = 2.8, 5.6 Hz), 7.79 (dd, 1H, J = 2.8, 5.6 Hz) ppm。
【0145】
次のものを同様に製造した:3−ブロモ−2,6−ジフルオロ安息香酸;および3−ブロモ−2−フルオロ−5−メチル安息香酸。
【0146】
中間体. 3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチル
【化42】
粗中間体3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロ安息香酸(2.03g、8mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(2.07mL、9.6mmol、1.2当量)およびDIPEA(1.67mL、9.6mmol、1.2当量)の1:1 t−ブタノール/トルエン(25ml)溶液を、110℃で36時間加熱した。混合物を濃縮し、酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(30:1〜10:1 ヘキサン/酢酸エチル溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。MS m/z:267.8 (M+H)
+. (M-
tBu)。
【0147】
次のものを同様に製造した:3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチル;および3−ブロモ−2−フルオロ−5−メチルフェニルカルバミン酸tert−ブチル。
【0148】
中間体. 3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロアニリン
【化43】
3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(900mg、2.78mmol)のDCM/TFA(1:1、20mL)溶液をrtで1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、重炭酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗表題化合物(736mg)。MS m/z 223.9 (M+1)。
【0149】
中間体. 5−ブロモ−3−メトキシ−2−メチルアニリン:
【化44】
4−ブロモ−2−メトキシ−6−ニトロトルエン(500mg、2.032mmol)、酢酸(20ml)および鉄(1135mg、20.32mmol)の不均質反応混合物をrtで24時間撹拌した。酢酸エチルを添加し、混合物をセライトを通して濾過し、濾液を濃縮した。残留物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。水層をさらに酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。MS m/z:218.0 (M+H)
+。
【0150】
中間体. 5−クロロ−2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカルバミン酸tert−ブチル:
【化45】
中間体3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(1.45g、4.46mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.7g、6.69mmol)、酢酸カリウム(1.53g、15.6mmol)、PdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2(163mg、0.22mmol)およびジオキサン(100ml)の混合物を、密閉チューブ中、100℃で16時間加熱した。粗反応混合物を酢酸エチルに溶解し、重炭酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗化合物を熱ヘキサン(600mL)で希釈し、65℃で30分間加熱し、室温に冷却した。褐色混合物をセライトを通して濾過し、フィルターケーキをヘキサンで洗浄した。合わせた濾液を濃縮して、粗表題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z 233 (M-ピナコール-tBu)。
【0151】
次のものを同様に製造した:5−クロロ−2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン;2,6−ジフルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカルバミン酸tert−ブチル;N−(2,4−ジフルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)プロパン−1−スルホンアミド;2−(2−フルオロ−3−ニトロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン;2,5−ジフルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン;2−クロロ−5−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン;2,5−ジクロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン;2−クロロ−5−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン;2−フルオロ−5−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカルバミン酸tert−ブチル;3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン;2,3,6−トリフルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン;3−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン;3−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン;3−メトキシ−2−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン。
【0152】
中間体. 2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン:
【化46】
中間体2−(2−フルオロ−3−ニトロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(500mg)、10%パラジウム炭素(50mg)および酢酸エチル(20ml)の混合物を、1気圧の水素下、16時間撹拌した。混合物に窒素を注入して撹拌し、濾過した。濾液を濃縮して、表題化合物を得て、それを精製せずに使用した。MS m/z 237.1 (M + 1)。
【0153】
実施例1
N−[(2S)−1−[(4−{3−[2,6−ジフルオロ−3−(プロパン−1−スルホンアミド)フェニル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル(表1の化合物7)
【化47】
粗中間体N−(2,4−ジフルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)プロパン−1−スルホンアミド(854mg)、中間体1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(350mg、90%純度)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(90mg)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(6ml)、トルエン(50ml)およびエタノール(6ml)の混合物を80℃で16時間加熱した。冷却した混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(70:1〜40:1 DCM/メタノール溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。
【0154】
実施例2
N−[(2S)−1−({4−[3−(2−クロロ−5−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル(表1の化合物15)
【化48】
工程1. 1−(4−(3−(3−アミノ−2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル。
粗中間体2−クロロ−5−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(214mg)、中間体1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(68mg、0.14mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(16mg)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(3ml)、トルエン(18ml)およびエタノール(3ml)の混合物を85℃で16時間加熱した。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(60:1〜40:1 DCM/メタノール溶離剤)で精製して、1−(4−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチルで汚染された表題化合物(46mg)を得た。MS m/z 462.1 (M + 1)。
【0155】
工程2. 1−(4−(3−(2−クロロ−5−フルオロ−3−(メタンスルホンアミド)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル。
工程1のアニリン生成物(46mg)、ピリジン(2ml)、トリエチルアミン(1mL)、DCM(4ml)およびメタンスルホニルクロライド(23μl、0.3mmol)の混合物をrtで16時間撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、残留物をトルエン(9ml)、エタノール(1ml)、炭酸ナトリウム(2g)および水(10ml)の混合物に溶解した。撹拌している混合物を85℃で16時間加熱した。工程1のとおりの後処理により、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(60:1〜40:1 DCM/メタノール溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。
【0156】
実施例3
N−[(2S)−1−[(4−{3−[5−クロロ−2−フルオロ−3−(プロパン−1−スルホンアミド)フェニル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル(表1の化合物1)
【化49】
工程1. 1−(4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル。
粗中間体5−クロロ−2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカルバミン酸tert−ブチル(2.0g)、中間体1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(600mg、1.34mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(150mg、0.13mmol)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(6.7ml、13.5mmol)、トルエン(80mL)およびエタノール(6mL)の混合物を80℃で16時間加熱した。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(80:1〜60:1 DCM/メタノール溶離剤)で精製して、トリフェニルホスフィンオキシドで汚染された表題化合物を得た。MS m/z 562.1 (M + 1)。
【0157】
工程2. 1−(4−(3−(3−アミノ−5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル。
部分的に精製した1−(4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(1.15g)のDCM(50mL)およびTFA(20mL)溶液をrtで1時間撹拌した。溶媒を除去し、重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(60:1〜40:1 DCM/メタノール溶離剤)により得た;MS m/z 462.1 (M + 1)。
【0158】
工程3. N−[(2S)−1−[(4−{3−[5−クロロ−2−フルオロ−3−(プロパン−1−スルホンアミド)フェニル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル。
1−(4−(3−(3−アミノ−5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(41mg、0.09mmol)、トリエチル(trietlyl)アミン(1ml)およびDCM(4ml)の混合物をプロパンスルホニルクロライド(40mg、0.27mmol)で処理した。混合物をrtで16時間撹拌した。粗混合物を濃縮し、残留物をトルエン(9ml)、エタノール(1ml)、炭酸ナトリウム(2g)および水(10ml)の混合物に溶解した。撹拌している混合物を85℃で16時間加熱した。工程1のとおりの後処理により、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(60:1〜40:1 DCM/メタノール溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。
【0159】
実施例4
N−[(2S)−1−({4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1−(オキサン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル(表1の化合物33)および
N−[(2S)−1−({4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル(表1の化合物31)
【化50】
工程1. 5−クロロ−2−フルオロ−3−(4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)アニリン。
実施例3、工程1の方法に従い、中間体4−(3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジンおよび中間体5−クロロ−2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリンから出発して製造した。MS m/z 420.0 (M + 1)。
【0160】
工程2. N−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)メタンスルホンアミド)およびN−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−N−(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド。
5−クロロ−2−フルオロ−3−(4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)アニリン(233mg、0.55mmol)およびトリエチルアミン(2mL)のジクロロメタン(10mL)溶液に、メタンスルホニルクロライド(0.13mL、1.66mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、表題化合物の混合物を得た(LCMS分析)。酢酸エチルを添加し、混合物を水および塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗表題混合物を得て、それを精製せずに使用した。MS m/z モノ−スルホンアミド498.0 (M + 1);ビス−スルホンアミド576.0 (M + 1)
【0161】
工程3. N−[(2S)−1−({4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1−(オキサン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル。
工程2からの粗生成物混合物をTHF−H
2O(1:1、30mL)に溶解し、rtでOxone(登録商標)(1.68g、2.75mmol)で処理した。混合物をrtで16時間撹拌し、酢酸エチルを添加した。有機層を重炭酸ナトリウム水溶液、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残留物をNMP(5mL)に溶解し、中間体1−アミノプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(146mg、1.1mmol)および炭酸ナトリウム(233mg、2.2mmol)で処理した。混合物を撹拌しながら110℃で16時間加熱した。冷却した反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル(2%メタノールのジクロロメタン溶液溶離剤)でクロマトグラフィーして、表題化合物を得た。
【0162】
工程4. N−[(2S)−1−({4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル。
(2S)−1−(4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸メチル(94mg、0.16mmol)のMeOH(15mL)溶液に、濃塩酸(0.5mL)を添加した。混合物をrtで16時間撹拌した。重炭酸ナトリウム水溶液を添加して、pHを9に調節し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を重炭酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(30:1〜15:1 ジクロロメタン/メタノール溶離剤)で精製して、表題化合物を得た。
【0163】
実施例5
N−[(2S)−1−({4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル(表1の化合物9)
【化51】
メタンスルホニルクロライド(0.277mL、3.57mmol)を、1−(4−(3−(3−アミノ−5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(550mg、1.2mmol)のDCM(30mL)およびピリジン(10mL)溶液に添加し、混合物をrtで16時間撹拌した。重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(60:1〜40:1 DCM/メタノール)で精製して、表題化合物を得た。別の合成を下の実施例6に記載する。
【0164】
次のものがまた反応混合物から単離された:N−[(2S)−2−({4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロピル]カルバミン酸メチル(表1の化合物32);N−{3−[4−(2−アミノピリミジン−4−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−5−クロロ−2−フルオロフェニル}メタンスルホンアミド(表1の化合物30)。
【0165】
実施例6
N−[(2S)−1−({4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル(表1の化合物9)
【化52】
工程1. 1−ベンジリデン−2−イソプロピルヒドラジン。
メカニカルスターラー、温度計および添加漏斗を備えた反応器に、窒素下パージ下、イソプロピルヒドラジン塩化水素塩(712g、6.43mol)、酢酸ナトリウム(528g、6.43mol)および50%エタノール(4500mL)を仕込んだ。混合物を20℃で5分間撹拌した。ベンズアルデヒド(683g、6.43mol)を、バッチ温度を23℃以下に維持しながら添加した。混合物を20℃で20時間以上撹拌した。トルエン(6500mL)を添加し、撹拌を5分間維持した。有機層を分離した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(4800mL)を、激しく撹拌している有機層に添加した(注:水層のpHは8.0)。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3000mL)で洗浄した。有機層を分離し、真空下(50→20torr),40℃で濃縮して、表題化合物を黄色油状物として得た(精製せずに使用した)。
【0166】
工程2. 2−((2−ベンジリデン−1−イソプロピルヒドラジニル)メチレン)−マロノニトリル。
メカニカルスターラー、温度計および添加漏斗を備えたフラスコに、窒素下パージ下、(エトキシエチリジン)マロノニトリル(755g、6.18mol)、DMAP(150g、1.23mol)およびエタノール(6400mL)を仕込んだ。混合物を撹拌して、暗色橙色溶液を得て、20℃から12℃への吸熱が観察された。1−ベンジリデン−2−イソプロピルヒドラジン(1101g、粗製)15分間かけてゆっくり添加して、32℃までの発熱および橙色懸濁液を得た。橙色懸濁液を50℃に加熱し、50℃で30分間維持して、暗色褐色懸濁液を得た。エタノール(3200mL)を混合物に添加し、混合物を20℃に冷却し、20℃で1時間維持した。スラリーを濾過し、固体ケーキをエタノール(3000mL)で濯いだ。固体を回収し、40℃/5torrの真空下、3時間乾燥させて、表題化合物を黄色固体として得た。HPLC純度>99%。
【0167】
工程3. 3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル。
メカニカルスターラー、温度計、凝縮器および添加漏斗を備えたフラスコに、窒素パージ下、2−((2−ベンジリデン−1−イソプロピルヒドラジニル)メチレン)−マロノニトリル(632.6g、2.65mol)、MeOH(2.5L)および濃(12N) HCl(329.0mL、3.94mol)を仕込んだ。混合物を63℃に加熱し、63℃で30分間維持して、橙色溶液を得た。混合物を15℃に冷却した。ヘプタン(4L)およびMTBE(1L)を添加し、混合物を5分間撹拌した。水(7.5L)を、15℃〜25℃で、30分間かけて、連続的に添加した。水添加完了後、混合物を10分間、25℃で撹拌した。ヘプタン/MTBE層を分離した。水層を、洗浄液として(4:1 v/v) ヘプタン/MTBE混合物(2×5L)を使用し、各洗浄を10分間、25℃で撹拌することに実施した。層を分離した。固体塩化ナトリウム(1Kg)を水層に添加した。飽和炭酸カリウム水溶液を水層にゆっくり添加して、CO
2発生を制御し、pHを〜9.0に調節した。水層を2回CH
2Cl
2(1×2.2L、1×800mL)で抽出した。合わせたCH
2Cl
2層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を真空下(200torr)、30℃の浴温度で残存重量が〜1Kgとなるまで濃縮した。ヘプタン(6.0L)をゆっくり(〜20分間)かけてCH
2Cl
2溶液に撹拌しながら添加し、スラリーを形成させた。混合物を真空下(60torr)、内部温度25℃で残存容積が〜6.2Lとなるまで濃縮した。スラリーを15℃に冷却し、この温度で10分間維持した。生成物を濾過し、固体をヘプタン(1L)で洗浄した。固体を真空下(5torr)、30℃で4時間乾燥させて、表題化合物を黄色固体として得た。HPLC純度>99%。
【0168】
工程4. 1−(3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−エタノン。
メカニカルスターラー、温度計、還流凝縮器、加熱/冷却装置、添加漏斗および窒素注入口/排出口を備えたフラスコに、3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(274g、1.82mole)およびシクロペンチルメチルエーテル(2600mL)を20℃で窒素下に仕込んだ。懸濁液を−10℃に冷却した。1.5M メチルリチウム/リチウムブロマイド複合体のジエチルエーテル溶液(6.0L、9.00mol)を2.5時間かけて、−10℃〜0℃で滴下した。メチルリチウム添加完了時、反応懸濁液を5℃〜10℃に急速に温め、この温度範囲に1時間維持した。混合物を0℃に冷却し、2N HCl(6.0L)を5〜10℃で滴下した。(上層)有機層を分離し、2N HCl(500mL)で抽出した。合わせた水層をrtで16時間以上撹拌した。混合物を15℃に冷却し、50%NaOH(260.0g)で塩基性化して、〜11.0のpHを得た。混合物をCH
2Cl
2(1×2.0L、1×1L)で抽出した。合わせたCH
2Cl
2層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空下濃縮して、黄色固体(278g)を得た。固体を、65℃に加熱して、EtOAc(750mL)に溶解した。溶液をrtに冷却し、スラリーを得た。ヘプタン(1500mL)を、40分間かけて、rtでゆっくり添加した。スラリーを−10℃に冷却し、−10℃で30分間維持した。スラリーを濾過し、フィルターケーキをヘプタン(300mL)で濯いだ。固体を真空下(5torr)、40℃で3時間乾燥させて、表題化合物を明褐色固体として得た。HPLC純度>99%。M.P. 136−139℃。
【0169】
工程5. 1−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−エタノン。
メカニカルスターラー、温度計および添加漏斗を備えたフラスコに、窒素パージ下、1−(3−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−エタノン(250.0g、1.49mol)およびアセトニトリル(3725mL)を仕込んだ。混合物を−20℃に冷却した。BF
3.THF(313.1g、2.23mol)を、内部温度を<−10℃に維持しながら滴下した。亜硝酸イソアミル(227.5g、1.94mol)を、内部温度を<−10℃に維持しながら滴下した。混合物を10℃に温め10℃で30分間撹拌した。混合物を、I
2(28.5g、0.112mol)、KI(371.9g、2.24mol)およびアセトニトリル(1160mL)の混合物を含むフラスコに、10〜15℃で激しく撹拌しながらゆっくり添加した。添加は窒素ガス発生とわずかな発熱を引き起こした。混合物をrtで30分間撹拌した。HPLCはジアゾニウム中間体が残っていないことを示した。重亜硫酸ナトリウム(157.1g、1.51mol)の8%塩化ナトリウム溶液(4360mL)を15〜20℃で添加した。混合物を飽和炭酸カリウムで〜8.5のpHに塩基性化した。上層のアセトニトリル層を分離し、真空下濃縮して、油状残留物を得た。油状物をiPrOAc(2770mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液(1100mL)で洗浄した。iPrOAc層を分離し、残量〜1.5Lまで濃縮した。懸濁液を得た。懸濁液にヘプタン(5.5L)を30分間かけて、20℃で添加した。懸濁液をヘプタン完了後、10分間、20℃で撹拌した。スラリーを濾過し、固体をヘプタン(1L)で濯ぎ、20℃で、真空下(5torr)、16時間乾燥させて、表題化合物を得た。MP:90−92℃。
【0170】
工程6. 3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−プロプ−2−エン−1−オン。
メカニカルスターラー、温度計および添加漏斗を備えたフラスコに、窒素パージ下、1−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−エタノン(640g、2.30mol)およびDMF(6.4L)を仕込んだ。得られた橙色溶液を120℃に加熱した。ブレデレック反応材(598.6g、3.43mol)を一度に添加した。添加により混合物温度が114℃に下がり、溶液は、暗い橙色に変わった。混合物を120℃で20分間撹拌した。混合物をrtに冷却し、5mmHgで、60℃で濃縮して、油状残留物を得た。残留物を74℃に加熱することによりiPrOAc(2400mL)に溶解した。混合物を35℃に冷却し、撹拌して、スラリーを得た。ヘプタン(6000mL)を35℃〜rtで1時間かけて添加した。混合物を−15℃に冷却し、濾過し、固体を真空で、40℃で3時間乾燥させて、表題化合物を固体として得た。HPLC純度>98%。MP:106−109℃。
【0171】
工程7. 4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−2−アミン。
メカニカルスターラー、温度計、Dean-Starkトラップおよび凝縮器を備えたフラスコに、窒素パージ下、(E)−3−ジメチルアミノ−1−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−プロプ−2−エン−1−オン(735g、2.2mol)、炭酸グアニジン(596g、3.3mol)およびNMP(5200mL)を仕込んだ。混合物を130℃に加熱し、130℃で5時間維持した。(注:すべての低沸点画分をDean-Starkトラップで回収した)。混合物を80℃に冷却し、15%塩化ナトリウム水溶液(7500mL)を、80℃〜35℃で〜1時間かけて添加した。生成物が、塩化ナトリウム水溶液添加のおよそ中程で沈殿し始めた。混合物をさらにrtに冷却し、30分間維持した。固体生成物を濾過により回収し、真空で、65℃で16時間乾燥させて、表題化合物を固体として得た。HPLC純度>99%。MP:167−169℃。
【0172】
工程8. 4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−2−オール。
メカニカルスターラーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素パージ下、TFA(748.8mL)を仕込んだ。4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−2−アミン(300g、0.91mol)を、冷水浴を使用して30℃以下の内部温度を維持しながら、少しずつ固体として添加した。混合物をrtで10分間撹拌して、溶液を得た。混合物を20℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(79.7g、1.27mol)を、急速に撹拌しながら、5時間かけて、22〜28℃で少しずつ添加した。(注:幾分かのガス発生が観察され、穏やかな発熱反応があり、それは冷水浴を使用して容易に制御された)。DCM(12L)を添加し、混合物を27℃に温めた。水(4400mL)を添加した(注:開始時にガス発生)。飽和炭酸カリウム溶液(〜1500mL)をpH〜9.0に塩基性化するために混合物に添加した(注:大量のガスが発生した)。混合物に重亜硫酸ナトリウム(32g、0.30mol)の水(100mL)溶液を添加した。混合物を27℃で15分間撹拌し、pHを〜9.0に再調節した。DCM層を分離し、真空下(200−100mmHg)、40℃の浴温度で、残留物の重量が〜2300g(〜1750mL)になるまで濃縮した。残留物にMTBE(1500mL)を20℃で添加した。混合物を10分間、20℃で撹拌し、濾過した。固体を16時間、30℃で真空下(5torr)乾燥させて、表題化合物を灰白色固体として得た。HPLC純度>99%。MP:216−218℃。
【0173】
工程9. 2−クロロ−4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン。
スターラー、温度計、凝縮器、添加漏斗および窒素注入口/排出口を備えたフラスコに、4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−2−オール(311g、942mmol)を仕込んだ。固体にアセトニトリル(2500mL)を20℃で添加した。混合物を撹拌して、懸濁液を得た。懸濁液にDIPEA(246.2mL、1.41mol)、DMF(218.8mL、2.83mol)を添加した。得られた懸濁液を5分間、20℃で撹拌した。懸濁液にPOCl
3(217g、1.41mol)を20〜40℃で添加して、橙色溶液を得た。混合物を80℃に温め、80℃で3時間維持した。混合物を10℃に冷却し、水酸化アンモニウム(622mLの28%)の脱イオン水(5550mL)溶液を温度を20℃以下に維持しながら、1.5時間かけてゆっくり添加した。水酸化アンモニウム完了後、得られた懸濁液を40分間、10〜20℃で撹拌した。固体生成物を濾過により回収し、一夜、40℃で真空下(5torr)乾燥させて、表題化合物を褐色固体として得た。HPLC純度>99%。
【0174】
工程10. 2−(メトキシカルボニルアミノ)プロピルカルバミン酸(S)−ベンジル。
(S)−1,2−ジアミノプロパンジヒドロクロライド(50g、340mmol)のジクロロメタン(500mL)懸濁液に、炭酸カリウム(1190mmol)を添加した。懸濁液を撹拌し、f濾過して、濾液を集めた。濾液を0〜5℃に冷却し、クロロギ酸ベンジル(51ml、357mmol)を滴下中、撹拌した。添加終了後、反応混合物を3時間、0〜5℃で撹拌し、rtに温め、rtで一夜撹拌した。この混合物にトリエチルアミン(71ml、510mmol)を滴下し、混合物を0〜5℃に冷却した。クロロギ酸メチル(28ml、357mmol)を0〜5℃でゆっくり添加し、混合物をrtに温め、一夜撹拌した。混合物を水に注いだ。有機揮発物を真空下除去した。得られた水性スラリーを濾過して固体を集め、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄して、白色固体(65g、92−94%HPLC純度)を得た。酢酸エチルからの複数回の再結晶により、表題化合物を白色固体として得た。HPLC純度99.5%。
【0175】
工程11. 1−アミノプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル塩酸塩。
2−(メトキシカルボニルアミノ)プロピルカルバミン酸(S)−ベンジルのメタノール溶液を、5%パラジウム/C触媒で、50〜60psiで水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下濃縮して、無色油状物を得た。60gの無色油状物を200mLの無水ジクロロメタンに溶解し、溶液を氷−水浴で0〜5℃に冷却した。メタノール中のHCl溶液(約75mL)を溶液のpHが<1になるまで滴下した。得られた懸濁液を0〜5℃で30分間撹拌し、固体を濾過により回収した。固体をジクロロメタン、ヘキサンで洗浄して、表題化合物を白色固体として得た。
【0176】
工程12. 3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド。
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(327g、98%、2.274mol)およびTHF(1.9L、HPLCグレード)の溶液を、−75℃(ドライアイス−メタノール浴)に、アルゴン雰囲気下冷却した。1.6M n−BuLi/ヘキサン溶液(1.47L、2.35mol)を、混合物に、−72〜−67℃で1時間かけて添加した。混合物を−72〜−67℃で30分間撹拌して、淡黄色懸濁液を得た。2−ブロモ−4−クロロ−1−フルオロベンゼン(435g、97%、2.02mol)を混合物に−72〜−67℃で30分間かけてゆっくり添加し、混合物を−72〜−67℃でさらに30分間撹拌した。ジメチルホルムアミド(230g、99.5%、3.14mol)を混合物に−70〜−65℃で30分間かけてゆっくり添加し、混合物を−70〜−65℃で30分間撹拌して、明褐色溶液を得た。冷却浴を外し、飽和塩化アンモニウム溶液(720mL)を少しずつ−60〜−30℃で15分間かけて添加して、濁った混合物を得た。6N塩酸を、急速に混合物に−30〜10℃で15分間かけてpH1まで添加し、酢酸エチル(2.0L)を10〜20℃で添加した。層を分離し、水層を酢酸エチル(1×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(1×800mL)および塩水(1×500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下濃縮して(60−65℃)、表題化合物を黄褐色粘性油状物として得て、それは数時間静置後に固化した。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.76-8.30 (m, 2H), 10.0-10.8 (br s, 1H);MS m/z 238.0 (M+1)。
【0177】
工程13. 3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロ安息香酸。
撹拌している3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(415g)、tert−ブタノール(1.2L)および水(1.2L)の混合物を30℃に温め、過マンガン酸カリウム(335g、2.12mol)を40〜45℃の浴中1時間かけてバッチに添加した(5回)。暗色紫色内容物を、段階的に45〜50℃で30分間、50〜55℃で30分間および55〜60℃で30分間加熱して、紫色−褐色懸濁液を得た。反応混合物を20℃に冷却し、飽和亜硫酸ナトリウム溶液を過酸化物試験で負になるまで22〜27℃で添加した。温水(2.5L、〜50℃)および飽和炭酸ナトリウム溶液(100mL)を、連続的に混合物に15分間かけて添加した。暗色懸濁液を1cmのセライト床を通して濾過し、フィルターケーキを温水(4×1L、〜50℃)で洗浄した。合わせた濾液を6N塩酸溶液でpH1まで酸性化して、黄色油状懸濁液を得た。酢酸エチル(3L)を混合物に添加し、混合物を10分間撹拌した。(上層)有機層を水(1.2L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下濃縮して(60−65℃)、濃黄色懸濁液を得た。ヘキサン(700mL)を残留物に添加し、懸濁液を5〜10℃に冷却した。固体を濾過により回収し、フィルターケーキを真空下(65℃)、一夜乾燥させて、表題化合物を黄色固体として得た。mp 150−152℃;HPLC純度(225nm):97.5%;
1H NMR (d
6-DMSO):δ 7.82 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 13.82 (br s, 1H);MS m/z 254 (M+H)。
【0178】
工程14. 3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチル。
3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロ安息香酸(243g、97.5%、0.935mol)、トリエチルアミン(105g、99.5%、1.02mol)およびtert−ブタノール(1.4L)の混合物を74℃に加熱した。ジフェニルホスホリルアジド(260g、97%、0.916mol)のトルエン(960mL)溶液を、混合物に75−79℃で1時間かけて、ゆっくり添加した(穏やかに還流)。混合物を30分間かけてゆっくり83℃に加熱し、83〜84℃(穏やかに還流)を1時間維持した。内容物を真空下(65−70℃)濃縮して、粘性油状物を得た。トルエン(2L)および水(1.5L)を連続的にバッチに添加し、混合物を35℃で15分間撹拌した。水層を廃棄した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液(400mL)および水(400mL)で洗浄した。有機層を真空下(60−65℃)、〜350mL残留物(〜94%純度)まで濃縮した。10%酢酸エチル/ヘキサン(〜1.2L、v/v)をバッチに添加し、混合物を50℃で15分間加熱して、明黄色均質溶液を得た。酢酸エチル/ヘキサン溶液を、4Lパイレックス・ブフナー漏斗(粗フリットディスク使用、40〜60μm、直径16cm、高さ18cm)上に予め製造したシリカゲル(1.8kg、70−200メッシュ)/ヘキサン床に移した。カルバミン酸t−ブチル生成物を3−5%酢酸エチル/ヘキサン(総量〜5L、v/v)でゆっくり溶出(重力による)して、表題化合物を灰白色固体として得た。mp 87−88℃;HPLC純度(225nm):97−98%;
1H NMR (d
6-DMSO):δ 1.48 (s, 9H), 7.48-7.49 (m, 1H), 7.80-7.82 (m, 1H), 9.42 (s, 1H);MS m/z 325 (M+H)。
【0179】
工程15. 1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル。
メカニカルスターラー、温度計および凝縮器を備えた4首フラスコに、窒素パージ下、2−クロロ−4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン(300.0g)、1−アミノプロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル塩酸塩(174.3g),炭酸ナトリウム(365.7g)およびDMSO(2400mL)を仕込んだ。混合物を撹拌しながら、18時間、90℃の内部温度で加熱した。混合物を40℃に冷却した。トルエン(3870mL)を37〜43℃で撹拌しながら添加した。水(7200mL)を37〜43℃で添加した。トルエン層を37〜43℃で分離した。トルエン層に、15%塩化ナトリウム水溶液(3870mL)を添加し、水層のpHを、37〜43℃で10%クエン酸水溶液を添加することによりpH〜5.0に調節した。pH調節には〜20mLの10%クエン酸水溶液が必要であった。トルエン層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2880mL)で37〜43℃で洗浄した。表題化合物含有トルエン層を工程17に投入した。
【0180】
工程16. 5−クロロ−2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカルバミン酸tert−ブチル。
メカニカルスターラー、温度計、凝縮器および加熱マントルを備えたフラスコに、窒素パージ下、3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(33.0g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(447.0g)、酢酸カリウム(405.6g)およびトルエン(2700mL)を仕込んだ。混合物をrtで15分間撹拌し、PdCl
2(dppf)(50.4g)を添加した。混合物を108±2℃で加熱した(注:混合物は、50〜60℃で暗色に変わった)。3−ブロモ−5−クロロ−2−フルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(414g)のトルエン(1770mL)溶液を108±2℃で70分間かけて添加した。混合物を108±2℃で15時間維持した。混合物を窒素流下rtに冷却し、セライトを通して濾過した。表題化合物含有濾液を工程17に投入した。
【0181】
工程17. 1−(4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル。
フラスコに1−(4−(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(3870mlトルエン溶液、〜382g、0.861mol)および5−クロロ−2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカルバミン酸tert−ブチル(4470mlトルエン溶液、〜467.0g、1.26mol)を仕込んだ。得られた褐色溶液に、炭酸ナトリウム(349.8g、3.30mol)の水(1400mL)溶液を添加した。混合物にPdCl
2(dppf)(34.5g、0.047mol)を添加した。混合物を撹拌しながら80℃に温め、この温度に2時間維持した。混合物を40℃に冷却し、セライトを通して濾過した。濾液の層を分離した。表題化合物含有トルエン層を直接工程18に投入した。
【0182】
工程18. 1−(4−(3−(3−アミノ−5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル。
フラスコに、1−(4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(〜7.3Lトルエン溶液、〜483.3g、0.86mol)を20℃で、窒素雰囲気下に仕込んだ。溶液に12N HCl(574.3mL、6.95mol)を〜20分間かけて、25℃以下の温度を維持しながら添加した。HCl添加により19℃から24℃への発熱が起こった。混合物を20〜23℃で1時間撹拌した。反応混合物に水(3100mL)を添加した。混合物を10分間、20℃で撹拌した。水層を分離し、2−メチルTHF(3100mL)で洗浄した。水層に、飽和炭酸カリウム水溶液(〜778mL)をゆっくり添加した。水層のpHは〜8.5であった。水層を2−メチルTHF(3825mL)で抽出した。2−メチルTHF層を真空下(60mmHg、40℃)濃縮した。残留物を2−メチルTHF(〜3800mL)で希釈して表題化合物の溶液を得て、それを直接工程19に投入した。HPLC純度:95%。
【0183】
工程19. 1−(4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(N−(メチルスルホニル)メチルスルホンアミド)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル。
フラスコに1−(4−(3−(3−アミノ−5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(〜3.8LメチルTHF溶液、〜396.5g、0.86mol)を20℃で仕込んだ。溶液にトリエチルアミン(435.0g、4.3mol)を添加した。溶液を0〜−5℃に冷却した。溶液にメタンスルホニルクロライド(246.0g、2.15mol)を20分間かけて、0〜−5℃で撹拌しながら滴下した。混合物を18〜20℃に温め、この温度で20分間維持した。反応混合物に水(2115mL)を30分間かけて、18〜20℃で添加した。混合物を添加完了後10分間、20℃で撹拌した。pHを2N HCl(〜1230mL)で6.0〜6.5に調節した。その後pHを飽和重炭酸ナトリウム水溶液で7〜7.5に調節した。混合物を10分間、20℃で撹拌した。層を分離した。表題化合物含有2−メチルTHF層を工程20に直接使用した。
【0184】
工程20. N−[(2S)−1−({4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−メタンスルホンアミドフェニル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)プロパン−2−イル]カルバミン酸メチル。
フラスコに1−(4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(N−(メチルスルホニル)メチルスルホンアミド)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸(S)−メチル(〜3.8LメチルTHF溶液、〜531.5g、0.86mol)を仕込んだ。溶液に3N 水酸化ナトリウム水溶液(1782.8mL、5.34mol)を15〜20℃で撹拌しながら添加した。混合物を20〜23℃で30分間激しく撹拌し、次いで撹拌を停止した。水層を廃棄した。2N HCl(〜410mL)を有機層に添加して、pHを6.0〜6.5に調節した、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(〜300mL)を添加して、pHを〜8.5に調節した。水層を廃棄した。有機層を15%塩化ナトリウム水溶液(2000mL)で洗浄した。有機層を真空下(80torr)、45℃の浴温度で濃縮して、褐色溶液(780g)を得た。溶液を2−メチルTHF(3500mL)で希釈し、PICA HP 120N活性化炭素(90g、CDH858)の2−メチルTHF(1L)懸濁液を添加した。得られた黒色懸濁液を60℃に温め、60℃で16時間維持した。16時間維持後、Pd含量は309ppmであった。混合物を20℃に冷却し、セライトパッド(2−メチルTHFで予め湿潤)を通して濾過した。反応フラスコを2−メチルTHF(500mL)で濯いだ。この濯ぎ液を、PICA/セライトのフィルターケーキを通して注いだ。濾液にPL−TMT樹脂(90g)を添加した。得られた懸濁液を撹拌しながら60℃に加熱し、この温度に4時間維持した。4時間、60℃の後、Pd含量は2.3ppmであった。混合物を20℃に冷却し、一夜20℃で撹拌した。混合物をセライトパッド(2−メチルTHFで予め湿潤)を通して濾過した。濾液を真空下(100〜80torr)、40〜45℃で濃縮して、橙色油状物を得た。この残存油状物を3Lの純エタノール(200 proof)に78℃に温めながら溶解した。得られた透明橙色溶液を20℃に3時間かけて冷却し、沈殿を形成させた。混合物を0℃に冷却し、1時間、0℃に維持した。混合物を濾過し、フィルターケーキをエタノール(300mL)で洗浄した。固体を14時間、40℃で乾燥させて、表題化合物を得た;MP:186−189℃。
【0185】
次の表1の化合物を上の実施例に準じて、適当な出発物質を使用して製造した:
【表1】
【表2】
【0186】
【表3】
【表4】
【0187】
【表5】
【表6】
【0188】
【表7】
【表8】
【0189】
【表9】
【表10】
【表11】
【0190】
実施例122
B−RafV600E/Mek増幅型ルミネッセンスプロキシミティホモジニアスアッセイ(B−RafV600E生化学)
B−Raf(V600E;4pM)およびビオチニル化Mek(キナーゼ死亡;10nM)を、2倍最終濃度でアッセイ緩衝液(50mM Tris、pH7.5、15mM MgCl
2、0.01%BSAおよび1mM DTT)中で合わせ、100%DMSOに希釈した0.5μlの40倍の本発明の化合物を含むアッセイプレート(Greiner白色384ウェルアッセイプレート#781207)のウェルあたり10μlで分配した。プレートを60分間、室温でインキュベートした。
【0191】
B−Rafキナーゼ活性反応を、ウェルあたりアッセイ緩衝液で希釈した10μlの2倍ATP(10μM)の添加により開始させた。3時間後、反応を10μlの停止反応材(60mM EDTA、0.01%Tween 20)添加により停止させた。リン酸化生成物をウサギ抗p−MEK(Cell Signaling, #9121)抗体およびAlpha Screen IgG(ProteinA)検出キット(PerkinElmer #6760617R)を使用して、30μlを、ビーズ緩衝液(50mM Tris、pH7.5、0.01%Tween 20)中の抗体(1:2000希釈)および検出ビーズ(両方のビーズの1:1000希釈)混合物のウェルに添加することにより測定した。添加は、検出ビーズを光から保護するため、暗条件下で行った。蓋をプレートの上に置き、プレートを1時間、室温でインキュベートした。ルミネッセンスをPerkinElmer Envision装置で読んだ。50%阻害する各化合物の濃度(IC
50)を、XL Fitデータ解析ソフトウエアを使用する非線形回帰により計算した。
【0192】
遊離形または薬学的に許容される塩形態の本発明の化合物は、例えば、本明細書に記載するインビトロ試験により示されるとおり、価値ある薬理学的特性を有する。例えば、本発明の化合物好ましくはV600E B−Rafに対して1×10
−10〜1×10
−5Mの範囲、好ましくは500nM未満、250nM未満、100nM未満および50nM未満のIC
50を示す。
【0193】
例えば、ルミネッセンスプロキシミティホモジニアスアッセイにおける本発明の化合物のいくつかのIC
50データを下の表に示す。
【0194】
実施例123
A375細胞増殖アッセイ(A375 CP)
A375は、B−RafV600E変異を担持する黒色腫細胞株である。ルシフェラーゼを発現するように操作したA375−luc細胞を、384ウェル白色透明底プレートに、10%FBS含有DMEM中1,500細胞/50μl/ウェルとして播種する。適当な濃度で100%DMSOに溶解した本発明の化合物を、自動Pin Tool(100nl)により細胞に移す。細胞を2日間、25℃でインキュベートし、25μlのBrightGlo
TMを各ウェルに添加し、プレートをルミネッセンスにより読む。50%阻害する各化合物の濃度(IC
50)を、XL Fitデータ解析ソフトウエアを使用する非線形回帰により計算した。
【0195】
遊離形または薬学的に許容される塩形態の本発明の化合物は、例えば、本明細書に記載するインビトロ試験で示されるとおり、価値ある薬理学的特性を示す。例えば、本発明の化合物は、好ましくは野生型およびV600E B−Rafに対して500nM未満、250nM未満、100nM未満および50nM未満の範囲のIC
50を示す。
【0196】
例えば、A375細胞増殖アッセイにおける本発明の化合物のいくつかのIC
50データを下の表に示す。
【0197】
実施例124
免疫アッセイ
細胞を、組織培養処理プレートの96ウェルあたり、1640 RPMI+10%FBS中、30×10
3細胞で播種し、37℃および5%CO
2で24時間インキュベートし、化合物を添加した。試験化合物をDMSOで連続的に希釈し、細胞(最終DMSO濃度0.1%)に添加し、37℃および5%CO
2で3時間インキュベートした。pMEKおよびpERKレベルをサンドイッチ免疫アッセイキット(Meso Scale Discovery)を使用して測定した。培養上清を除き、細胞を冷溶解緩衝液(キット中に存在)を添加し、30分間、穏やかに振盪することにより溶解した。pMEK1/2(Ser217/221)およびpERK1/2(Thr/Tyr202/204, Thr/Tyr185/187)検出のために、溶解物を、キットに入った遮断した抗体被覆プレートに添加し、一夜、4℃で振盪しながらインキュベートした。プレートを洗浄し、ホスホタンパク質を備えられた標識抗体を使用して検出し、Sector 6000装置で読んだ。
【0198】
実施例125
SW620細胞生存能アッセイ
SW620細胞を、黒色壁、透明底組織培養処理プレートにおいて、96ウェルあたり、1640 RPMI+10%FBS中1500細胞の密度で播種した。試験化合物をDMSOで連続的に希釈し、細胞(最終DMSO濃度0.1%)に添加し、37℃および5%CO
2で4日間インキュベートした。細胞生存能測定のために、細胞プレートを室温にし、培養培地を除去し、200μlの細胞Titer-Glo試薬(Promega、キットの中身を製造者のプロトコルに従い混合し、増殖培地で1:2希釈した)を各ウェルに添加した。プレートを5分間振盪し、室温で5分間インキュベートし、ルミネッセンスを測定した(Trilux, Perkin Elmer)。
【0199】
実施例126
Rat1軟アガロースアッセイ
Rat1細胞を、96ウェルあたり、1%アガロース(Lonza)中1000細胞密度で懸濁させた。アガロース/細胞混合物を固化させた。試験化合物をDMSOで連続的に希釈し、アガロース細胞混合物(最終DMSO濃度0.2%)の上に添加し、37℃および5%CO
2でインキュベートした。17日間後、コロニー増殖を、細胞をalamarBlue(TREK Diagnostics)とインキュベートし、代謝活性をSpectramaxプレートリーダー(Molecular Devices, Inc;吸光度測定562nm)で測定した。
【0200】
実施例127
肝臓ミクロソームクリアランスアッセイ
インビトロミクロソームクリアランスアッセイを、化合物の肝臓代謝安定性と関連するリスクの可能性を評価するために設計する。試験化合物(1μM)を、様々な動物種(マウス、ラット、サル、イヌおよびヒト)由来の肝臓ミクロソーム(0.5mg/mL)およびNADPH(1mM)の100mM リン酸カリウム緩衝液と、37℃でインキュベートした。特定の反応時間(0、5、10および30分間)に、反応物を定量除き、質量分析内部標準含有アセトニトリル添加により反応を停止させた。サンプルを遠心し、上清をLC−MS/MSにより分析した。インビトロ代謝半減期(t
1/2、分)および固有クリアランス(CLint、μL/分/mg)は、反応混合物からの親化合物の消失により決定される試験化合物の代謝の速度および程度に基づく。これらの値を評価して、肝臓代謝クリアランス速度(CLh、mL/分/kg)および除去率(ER、その種の予測肝臓代謝クリアランス対肝臓血流の比)を予測し得る。一般に、インビトロで高い予測CLintまたはERを有する化合物は、インビボで暴露制限的代謝(exposure-limiting metabolism)の高いリスクがあると見なされる。
【0201】
本発明の化合物のいくつかの測定した排泄速度を下の表に示す。
【表12】
【表13】
【0202】
実施例128
A549 p38α MAPキナーゼBright-Gloレポーター遺伝子アッセイ
A549細胞を、IL−8プロモーター駆動レポーターであるpGL3−IL8−Lucで安定にトランスフェクトした。細胞を、384ウェル固体白色プレート(40μl/ウェル、5%CD−FBS、1×P/S、DMEM)に4×10
5/mlで播種し、一夜(18〜20時間)、37℃でインキュベートした。試験化合物をDMSOで連続的に希釈し、50nlの試験溶液を添加してインキュベートした(最終DMSO濃度0.1%)。試験化合物と30分間インキュベーション後、細胞を1ng/ml IL−1ベータ(10μlの5ng/ml溶液/ウェル)で刺激した。Bright-Glo(25μl/ウェル)を添加して、刺激7〜8時間後にルシフェラーゼ発現を測定した。本発明の化合物のいくつかのIC
50データデータを、下の表に示す。
【0203】
【表14】
【0204】
実施例129
インビボ薬物動態アッセイ
完全薬物動態試験:雄Balb/cマウス(n=3、体重22〜25g)または雄Wistarラット(n=3、体重250〜300g)に、試験化合物を外側尾静脈への静脈内投与または矯正喫食による経口投与で投与した。製剤は典型的に75%PEG300および25%D5W中、化合物の2.5mg/mL溶液であった。各50μLの6サンプルを投与後24時間まで連続的に採取した。血液サンプルを遠心して血漿を分離した。血漿サンプルをLC−MS/MSで分析し、定量した。
【0205】
急速薬物動態試験:雄Balb/cマウス(n=3、体重22〜25g)または雄Wistarラット(n=3、体重250〜300g)に、試験化合物を外側尾静脈への静脈内投与(IV)または胃管による経口投与(PO)で投与した。製剤は典型的に75%PEG300および25%D5W中、化合物の2.5mg/mL溶液であった。各50μLの6サンプルを投与後24時間まで連続的に採取した。血液サンプルを遠心して血漿を分離し、投与経路毎に各辞典で3匹の動物分をまとめてプールした。血漿サンプルをLC−MS/MSで分析し、定量した。
【0206】
完全および加速薬物動態試験の両方について、次のパラメータを、Winnonlin 5.0ソフトウエア(Pharsight, Mountain View, CA, USA)を使用する非コンパートメント回帰分析により計算した:血漿クリアランス(Cl)、血漿最大濃度(Cmax)、濃度時間曲線下血漿面積(AUC
0−inf)および経口バイオアベイラビリティ%(F%)。
【0207】
マウスでの本発明の化合物のいくつかの薬物動態パラメータを下の表に示す。
【表15】
【表16】
【0208】
遊離形または薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物は、例えば、本明細書に記載するインビトロおよびインビボ試験により示されるとおり、価値ある薬理学的特性を有する。例えば、式Iの化合物は、好ましくはA375 CP細胞増殖アッセイにおいて250nMまたはそれより良い、好ましくは200nM未満、150nM未満、100nM未満および50nM未満の範囲のIC
50を示す。
【0209】
R
1の2−(メトキシカルボニルアミノ)−1−プロピル基が、好ましいレベルの活性およびp38を含む他のキナーゼ類を超える選択性を提供する。例えば、化合物9と29の間に活性の30倍を超える増加があり、それぞれA375 IC
50は2nMおよび76nMである。
【0210】
式Ibの化合物のフェニル置換パターンは、R
5位にフルオロまたはクロロおよびR
3位にフルオロ、クロロまたはメチルで、代謝安定性(マウスおよびヒトでのER)について最適化する。比較のために、例えば、化合物9および6のER(ヒト)はそれぞれ<0.21および0.69である。
【0211】
R
1の2−(メトキシカルボニルアミノ)−1−プロピル基、R
3/R
5置換パターンおよびR
4のメチル基の組合せは、総薬剤暴露(AUC)に驚くべき影響を有する。例えば、AUCが、10mg/kgの経口投与量で30±4マイクロモル*時間である化合物9(化合物1、3、4、6および7と比較)を参照のこと。
【0212】
実施例130
インビボ有効性14日間A375マウス異種移植片モデル
A375細胞を、37℃インキュベーターで、5%CO
2で2〜4週間無菌条件下で増殖させた。細胞を10%FBSを添加したRPMI−1640培地で培養した。細胞を週に2回、0.05%トリプシン/EDTAを使用して継代した。インプラントの日に、細胞をHBSS(ハンクス平衡塩類溶液)中に回収した。Fe雄Nu/Nuマウス(Charles River、試験開始時10〜11週齢)に、1日目に右脇腹に50%マトリゲル、0.2mL SQ中5×10
6 A375細胞/マウスでインプラントした。インプラント19日後、マウスを6群(1群あたり9匹のマウス)に無作為に分け、平均腫瘍容積215mm
3および平均体重24gであった。試験化合物を19日目から開始して14日間、投与あたり0.2mLで、所望の投与量レベルを得るために適当に濃度で製剤した化合物を1日2回(BID)投与した。臨床観察を毎日行った。腫瘍容積および体重を週に2回測定した。エンドポイント:いずれかのマウスまたは群で最初の25%を超える体重減少および/または3000mm
3を超える腫瘍容積。
【0213】
化合物9(20%PEG300/3%ETPGS/77%水中に製剤)を、上のプロトコルに従い、下の投与レジメンで投与した:
グループ1:媒体、qd×14
グループ2:1mg/kg 化合物9、bid×14
グループ3:3mg/kg 化合物9、bid×14
グループ4:10mg/kg 化合物9、bid×14
グループ5:20mg/kg 化合物9、bid×14
【0214】
腫瘍容積結果を最初の投与から14日後に評価した。部分応答は、対照腫瘍増殖の20〜50%の腫瘍増殖と定義する。安定疾患は、最初の腫瘍サイズの±20%内の最終腫瘍容積と定義する。部分的寛解は、最初の腫瘍容積の<80%である最終腫瘍容積と定義する。
グループ2:部分的応答
グループ3:病態安定
グループ4:部分的寛解
グループ5:部分的寛解
【0215】
ここに記載する実施例および態様は単に説明の目的のためのみであって、それに照らした種々の修飾または変化が当業者には示唆され、本明細書および添付する特許請求の範囲内に包含させることは理解されるべきである。ここに引用する全ての刊行物、特許および特許出願は全ての目的のために引用により本明細書に包含させる。