特許第6045586号(P6045586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045586
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ガイド付属物
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   A61B17/115
【請求項の数】29
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-526376(P2014-526376)
(86)(22)【出願日】2012年8月23日
(65)【公表番号】特表2014-529433(P2014-529433A)
(43)【公表日】2014年11月13日
(86)【国際出願番号】CN2012080503
(87)【国際公開番号】WO2013026400
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2015年6月29日
(31)【優先権主張番号】201110243513.1
(32)【優先日】2011年8月24日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210291684.6
(32)【優先日】2012年8月16日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210291706.9
(32)【優先日】2012年8月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510002453
【氏名又は名称】▲蘇▼州天臣国▲際▼医▲療▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU TOUCHSTONE INTERNATIONAL MEDICAL SCIENCE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼望▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼敏
(72)【発明者】
【氏名】▲單▼▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】裴永旺
(72)【発明者】
【氏名】丁水澄
(72)【発明者】
【氏名】王宗順
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼凱
【審査官】 吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0114698(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0172087(US,A1)
【文献】 特表2007−523691(JP,A)
【文献】 特表2007−503888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンビルアセンブリーと、
相互に固定されるステープルカートリッジ、近端に少なくとも1つの糸孔が設けられるステープルチューブ、及びステープルカートリッジ内に設けられるトロカールを備えるステープルカートリッジアセンブリーと
を含むチューブステープラーに接続されるガイド付属物であって、
前記チューブステープラーの遠端に外挿されるスリーブ部と、
前記スリーブ部の遠端に設けられ、前記スリーブ部の最小外径に等しい最大外径を有するガイド部とを少なくとも含み、
前記ガイド部は、全体が円錐形である中空のフレキシブルなプラスチック製の螺旋部材であり、近端と遠端とを含み、前記遠端から近端に向けて外径が逐次に大きくなり、前記螺旋部材の螺旋線は、その近端が前記スリーブ部に接続され、遠端が牽引具に接続され、前記螺旋部材は、外力により引張られると、遠端から近端への順に螺旋状に解体し、最終的には、前記ステープルチューブの糸孔を通ってチューブステープラーから離脱可能な帯状のものになる
ことを特徴とするガイド付属物。
【請求項2】
前記スリーブ部は、円筒形または半円筒形のものであり、前記スリーブ部の内径が前記ステープルチューブの外径より大きい
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド付属物。
【請求項3】
前記スリーブ部の近端に、外部へ拡がるように設けられた把持するための鍔をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド付属物。
【請求項4】
前記牽引具は、一端が螺旋線の最遠端の中心に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド付属物。
【請求項5】
前記牽引具は、前記ステープルチューブの糸孔を貫通し、前記牽引具の他端にはリングが設けられる
ことを特徴とする請求項に記載のガイド付属物。
【請求項6】
前記螺旋部材は、間隔を持って巻き付けられた2本の螺旋線であり、当該2本の螺旋線は、一端が互いに繋がり、他端がともに前記スリーブ部に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド付属物。
【請求項7】
前記牽引具は、前記2本の螺旋線の繋がった端部に引っかかる
ことを特徴とする請求項に記載のガイド付属物。
【請求項8】
前記スリーブ部は、前記ステープルカートリッジの外周に外挿される薄肉部材であり、前記ガイド部とスリーブ部は、一体に射出成形された螺旋状のフレキシブルなプラスチック部材である
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド付属物。
【請求項9】
前記ガイド部の中空のチャンバーの遠端の底部には、前記ガイド部の内側へ向かって突出する中心筒が設けられており、前記中心筒の内径は、前記トロカールの遠端の外径に等しい
ことを特徴とする請求項に記載のガイド付属物。
【請求項10】
前記中心筒の近端の壁には牽引孔が開けられており、前記中心筒の近端がフレキシブルなプラスチック部材の一端である
ことを特徴とする請求項に記載のガイド付属物。
【請求項11】
前記ガイド部の円錐形の壁は、第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとを含み、前記第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとは、交互に螺旋状に設けられて密着し、前記円錐形の壁は、外力を受けて引張られると、遠端から近端への順に螺旋状に解体し、最終的には、糸孔を通してチューブステープラーから離脱可能な第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとからなる帯状のものになる
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド付属物。
【請求項12】
前記スリーブ部は、第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとを含み、前記第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとは、交互に螺旋状に設けられて密着し、前記スリーブ部の第1可撓性ストリップ及び第2可撓性ストリップは、それぞれ前記ガイド部の第1可撓性ストリップ及び第2可撓性ストリップと一体成形される
ことを特徴とする請求項11に記載のガイド付属物。
【請求項13】
前記スリーブ部は、前記ガイド部より肉薄である
ことを特徴とする請求項11に記載のガイド付属物。
【請求項14】
前記第1可撓性ストリップは、硬質材料からなり、前記第2可撓性ストリップは、軟質材料からなり、前記第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップは、粘着又は二次射出により成形される
ことを特徴とする請求項11に記載のガイド付属物。
【請求項15】
前記第1可撓性ストリップの遠端には、牽引具が設けられる
ことを特徴とする請求項11に記載のガイド付属物。
【請求項16】
前記牽引具は、前記第1可撓性ストリップの遠端から延伸する部分であり、前記牽引具の自由端がチューブステープラーの近端へ延伸し、または、前記牽引具は、前記第1可撓性ストリップの遠端に固定される牽引線である
ことを特徴とする請求項15に記載のガイド付属物。
【請求項17】
前記ガイド部の円錐形の壁は、第1可撓性ストリップを巻き付けて形成された螺旋体である第1層と、第1層を被覆する第2フィルム層との内外の2層を含み、外力で牽引されると、前記第2フィルム層は、第1可撓性ストリップと共に遠端から近端への順に螺旋状に解体し、最終的には、糸孔を通してチューブステープラーから離脱可能な帯状のものになる
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド付属物。
【請求項18】
前記第1可撓性ストリップは、緊密に螺旋状に設けられており、前記第2フィルム層は、前記円錐形の壁の外側又は内側のみを被覆する
ことを特徴とする請求項17に記載のガイド付属物。
【請求項19】
前記第1可撓性ストリップは、間隔を持って螺旋状に設けられており、前記第2フィルム層は、前記円錐形の壁の外側又は内側を被覆し、かつその一部が前記第1可撓性ストリップの相隣する螺旋線の間に入り込み、前記第1可撓性ストリップと第2フィルム層とが交互に螺旋状に設けられて密着する
ことを特徴とする請求項17に記載のガイド付属物。
【請求項20】
前記スリーブ部は、第1可撓性ストリップからなり、前記スリーブ部の第1可撓性ストリップは、前記ガイド部の第1可撓性ストリップと一体成形される
ことを特徴とする請求項17ないし19のいずれか一項に記載のガイド付属物。
【請求項21】
前記第2フィルム層は、前記スリーブ部とガイド部の第1可撓性ストリップの外側を被覆する
ことを特徴とする請求項20に記載のガイド付属物。
【請求項22】
前記スリーブ部は、前記ガイド部より肉薄である
ことを特徴とする請求項21に記載のガイド付属物。
【請求項23】
前記第1可撓性ストリップは、硬質材料からなり、前記第2フィルム層は、軟質材料からなり、前記第1可撓性ストリップと第2フィルム層は、粘着又は二次射出により成形される
ことを特徴とする請求項20に記載のガイド付属物。
【請求項24】
前記第1可撓性ストリップの遠端には、牽引具が設けられる
ことを特徴とする請求項20に記載のガイド付属物。
【請求項25】
前記牽引具は、前記第1可撓性ストリップの遠端から延伸する部分であり、前記牽引具の自由端がチューブステープラーの近端へ延伸し、または、前記牽引具は、前記第1可撓性ストリップの遠端に固定される牽引線である
ことを特徴とする請求項24に記載のガイド付属物。
【請求項26】
アンビルアセンブリーと、相互に固定されるステープルカートリッジ及びステープルチューブを備えるステープルカートリッジアセンブリーとを含むチューブステープラーに接続されるガイド付属物であって、
前記チューブステープラーの遠端に外挿されるスリーブ部と、前記スリーブ部の遠端に設けられ、前記スリーブ部の最小外径に等しい最大外径を有するガイド部とを少なくとも含み、
前記ガイド部は、一体射出成形されたフレキシブルなU型の折り畳み部材であり、前記U型の折り畳み部材の中心横断面がU型であり、前記ガイド部は、近端と遠端とを含み、前記遠端の外径が近端の外径以下である
ことを特徴とするガイド付属物。
【請求項27】
前記ガイド部とスリーブ部とは、一体に射出成形されたフレキシブルなU型の折り畳み部材であり、前記フレキシブルのU型の折り畳み部材は、外力により引張られると解体し、最終的には、チューブステープラーから離脱可能な帯状のものになる
ことを特徴とする請求項26に記載のガイド付属物。
【請求項28】
前記スリーブ部は、前記ステープルカートリッジの外周に外挿される薄肉部材である
ことを特徴とする請求項26または27に記載のガイド付属物。
【請求項29】
前記薄肉部材には、ステープルカートリッジに固定に接続されるクランプが設けられる
ことを特徴とする請求項28に記載のガイド付属物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、以下の中国特許出願の優先権を主張し、それらの全ての内容を援引する。
1)2011年8月24日に中国特許庁に提出した、出願番号が201110243513.1、発明の名称が「ガイド付属物」の中国特許出願。
2)2012年08月16日に中国特許庁に提出した、出願番号が201210291684.6、発明の名称が「デュアル螺旋ガイド部材」の中国特許出願。
3)2012年08月16日に中国特許庁に提出した、出願番号が201210291706.9、発明の名称が「ガイド部材」の中国特許出願。
【0002】
本発明は、チューブステープラーの手術補助具に関し、特にチューブステープラーのガイド付属物に関する。
【背景技術】
【0003】
チューブステープラーは、チューブ型組織の縫合手術又は切離手術に広く用いられる外科器材であり、円形のステープルヘッドアセンブリーとドライバアセンブリーとからなる。接続しようとする2段のチューブ型組織を、ステープルヘッドアセンブリーのアンビルとステープルカートリッジとの間に置き、アンビルとステープルカートリッジとの距離を調整して組織を徐々に挟み、それからドライバアセンブリーを操作してステープルを成形させ、2段の組織の接続を完成させる。
【0004】
実際のオペレーションにおいて、チューブステープラーが管路に入るのが比較的困難である手術は2種類があり、それらが下部直腸手術と胃バイパス手術である。第1種類の下部直腸手術では、直径が33ミリのチューブステープラーを用い、肛門を介して手術を行なう必要がある。肛門が括約筋による開口部であるため、通常、その直径が比較的小さく、大径の器材を肛門に挿入することは比較的困難である。第2種類の胃バイパス手術では、直径が25ミリのチューブステープラーを用い、小腸に入らせて手術を行なう必要がある。小腸が人体の消化管であるため、内壁に多くの粘膜がある。チューブステープラーは、端面が比較的大きく、かつ構造上の原因で表面が十分に滑らかではないため、小腸内で移動すると粘膜に損傷を与えやすい。
【0005】
現在、上記の問題を解決する従来技術として、米国特許出願US20090204108とUS20110114698において、チューブステープラーのステープルカートリッジアセンブリーの外周に外挿される数種類の補助器材が開示されており、このような補助器材は、チューブステープラーのステープルカートリッジアセンブリーが案内されて人体に入って腸内を通過し、手術の所定位置に達した後、当該補助器材をステープルカートリッジアセンブリーから取り外すことができるため、チューブステープラーの後続操作に影響を与えない。これらの補助器材は、医者がステープラーヘッドを所定位置に順調に入れることに役立つが、現在、当該補助器材を裂けて引き出すには比較的大きい力が必要であり、組織を誤って傷つけやすく、使用の体験がよくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の技術問題を解決し、構造が簡単で、かつ操作しやすいガイド付属物を提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、以下の技術案によって実現される。
アンビルアセンブリーと、相互に固定されるステープルカートリッジ及びステープルチューブを備えるステープルカートリッジアセンブリーとを含むチューブステープラーに接続されるガイド付属物であって、前記チューブステープラーの遠端に外挿されるスリーブ部と、前記スリーブ部の遠端に設けられ、前記スリーブ部の最小外径に等しい最大外径を有するガイド部とを少なくとも含み、前記ガイド部は、螺旋部材であり、前記螺旋部材の螺旋線は、その一端が牽引具に接続され、他端が前記スリーブ部に接続される。
【0008】
好ましくは、前記ガイド部の外郭は、円錐形であり、前記円錐形のガイド部のチャンバーが中空であるように設置される。
【0009】
好ましくは、前記スリーブ部は、円筒形または半円筒形のものであり、前記スリーブ部の内径が前記ステープルチューブの外径より大きい。
【0010】
好ましくは、前記スリーブ部の近端に、外部へ拡がるように設けられた把持するための鍔をさらに含む。
【0011】
好ましくは、前記螺旋部材の相隣する螺旋線の間に、複数の補強リブが垂直に設けられる。
【0012】
好ましくは、前記牽引具は、一端が螺旋線の最遠端の中心に接続される。
【0013】
好ましくは、前記牽引具は、前記ステープルチューブの糸孔を貫通し、前記牽引具の他端にはリングが設けられる。
【0014】
好ましくは、前記螺旋部材は、間隔を持って巻き付けられた2本の螺旋線であり、当該2本の螺旋線は、一端が互いに繋がり、他端がともに前記スリーブ部に接続される。
【0015】
好ましくは、前記牽引具は、前記2本の螺旋線の繋がった端部に引っかかる。
【0016】
本発明は、さらに、アンビルアセンブリーと、相互に固定されるステープルカートリッジ及びステープルチューブを備えるステープルカートリッジアセンブリーとを含むチューブステープラーに接続されるガイド付属物を開示している。前記ガイド付属物は、前記チューブステープラーの遠端に外挿されるスリーブ部と、前記スリーブ部の遠端に設けられ、前記スリーブ部の最小外径に等しい最大外径を有するガイド部とを少なくとも含み、前記ガイド部は、一体射出成形されたフレキシブルなU型の折り畳み部材であり、前記U型の折り畳み部材の中心横断面がU型であり、前記ガイド部は、近端と遠端とを含み、前記遠端の外径が近端の外径以下である。
【0017】
好ましくは、前記ガイド部とスリーブ部とは、一体に射出成形されたフレキシブルなU型の折り畳み部材であり、前記フレキシブルのU型の折り畳み部材は、外力により引張られると解体し、最終的には、チューブステープラーから離脱可能な帯状のものになる。
【0018】
好ましくは、前記スリーブ部は、前記ステープルカートリッジの外周に外挿される薄肉部材である。
【0019】
好ましくは、前記薄肉部材には、ステープルカートリッジに固定に接続されるクランプが設けられる。
【0020】
本発明は、さらに、アンビルアセンブリーと、相互に固定されるステープルカートリッジとステープルチューブ、及びステープルカートリッジ内に設けられるトロカールを備えるステープルカートリッジアセンブリーとを含むチューブステープラーに接続されるガイド付属物を開示している。前記ガイド付属物は、前記チューブステープラーの遠端に外挿されるスリーブ部と、前記スリーブ部の遠端に設けられ、前記スリーブ部の最小外径に等しい最大外径を有するガイド部とを少なくとも含み、前記ガイド部は、全体が円錐形である中空のフレキシブルなプラスチック部材であり、前記ガイド部は、近端と遠端とを含み、前記遠端から近端に向けて外径が逐次に大きくなり、前記プラスチック部材は、外力により引張られると、遠端から近端への順に螺旋状に解体し、最終的には、チューブステープラーから離脱可能な帯状のものになる。
【0021】
好ましくは、前記スリーブ部は、前記ステープルカートリッジの外周に外挿される薄肉部材であり、前記ガイド部とスリーブ部は、一体に射出成形された螺旋状のフレキシブルなプラスチック部材である。
【0022】
好ましくは、前記ガイド部の中空のチャンバーの遠端の底部には、前記ガイド部の内側へ向かって突出する中心筒が設けられており、前記中心筒の内径は、前記トロカールの遠端の外径に等しい。
【0023】
好ましくは、前記中心筒の近端の壁には牽引孔が開けられており、前記中心筒の近端がフレキシブルなプラスチック部材の一端である。
【0024】
好ましくは、前記チューブステープラーのステープルチューブには少なくとも1つのガイド孔が開けられており、前記帯状のガイド部は、前記ガイド孔を介して前記チューブステープラーから離脱する。
【0025】
本発明は、さらに、アンビルアセンブリーと、相互に固定されるステープルカートリッジとステープルチューブ、及びステープルカートリッジ内に設けられるトロカールを備えるステープルカートリッジアセンブリーとを含むチューブステープラーに接続されるガイド付属物を開示している。前記ガイド付属物は、前記チューブステープラーの遠端に外挿されるスリーブ部と、前記スリーブ部の遠端に設けられ、前記スリーブ部の最小外径に等しい最大外径を有するガイド部とを少なくとも含み、前記ガイド部は、全体が円錐形である中空のフレキシブルなプラスチック部材であり、前記ガイド部は、近端と遠端とを含み、前記遠端から近端に向けて外径が逐次に大きくなり、前記ガイド部の円錐形の壁は、第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとを含み、前記第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとは、交互に螺旋状に設けられて密着し、前記円錐形の壁は、外力により引張られると、遠端から近端への順に螺旋状に解体し、最終的には、チューブステープラーから離脱可能な第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとからなる帯状のものになる。
【0026】
好ましくは、前記スリーブ部は、第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとを含み、前記第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとは、交互に螺旋状に設けられて密着し、前記スリーブ部の第1可撓性ストリップ及び第2可撓性ストリップは、それぞれ前記ガイド部の第1可撓性ストリップ及び第2可撓性ストリップと一体成形される。
【0027】
好ましくは、前記スリーブ部は、前記ガイド部より肉薄である。
【0028】
好ましくは、前記第1可撓性ストリップは、硬質材料からなり、前記第2可撓性ストリップは、軟質材料からなり、前記第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップは、粘着又は二次射出により成形される。
【0029】
好ましくは、前記第1可撓性ストリップの遠端には、牽引具が設けられる。
【0030】
好ましくは、前記牽引具は、前記第1可撓性ストリップの遠端から延伸する部分であり、前記牽引具の自由端がチューブステープラーの近端へ延伸し、または、前記牽引具は、前記第1可撓性ストリップの遠端に固定される牽引線である。
【0031】
本発明は、さらに、アンビルアセンブリーと、相互に固定されるステープルカートリッジとステープルチューブ、及びステープルカートリッジ内に設けられるトロカールを備えるステープルカートリッジアセンブリーとを含むチューブステープラーに接続されるガイド付属物を開示している。前記ガイド付属物は、前記チューブステープラーの遠端に外挿されるスリーブ部と、前記スリーブ部の遠端に設けられ、前記スリーブ部の最小外径に等しい最大外径を有するガイド部とを少なくとも含み、前記ガイド部は、全体が円錐形である中空のフレキシブルなプラスチック部材であり、前記ガイド部は、近端と遠端とを含み、前記遠端から近端に向けて外径が逐次に大きくなり、前記ガイド部の円錐形の壁は、第1可撓性ストリップを巻き付けて形成された螺旋体である第1層と、第1層を被覆する第2フィルム層との内外の2層を含み、外力で牽引されると、前記第2フィルム層は、第1可撓性ストリップと共に遠端から近端への順に螺旋状に解体し、最終的には、チューブステープラーから離脱可能な帯状のものになる。
【0032】
好ましくは、前記第1可撓性ストリップは、緊密に螺旋状に設けられており、前記第2フィルム層は、前記円錐形の壁の外側又は内側のみを被覆する。
【0033】
好ましくは、前記第1可撓性ストリップは、間隔を持って螺旋状に設けられており、前記第2フィルム層は、前記円錐形の壁の外側又は内側を被覆し、かつその一部が前記第1可撓性ストリップの相隣する螺旋線の間に入り込み、前記第1可撓性ストリップと第2フィルム層とが交互に螺旋状に設けられて密着する。
【0034】
好ましくは、前記スリーブ部は、第1可撓性ストリップであり、前記スリーブ部の第1可撓性ストリップは、前記ガイド部の第1可撓性ストリップと一体成形される。
【0035】
好ましくは、前記第2フィルム層は、前記スリーブ部とガイド部の第1可撓性ストリップの外側を被覆する。
【0036】
好ましくは、前記スリーブ部は、前記ガイド部より肉薄である。
【0037】
好ましくは、前記第1可撓性ストリップは、硬質材料からなり、前記第2フィルム層は、軟質材料からなり、前記第1可撓性ストリップと第2フィルム層は、粘着又は二次射出により成形される。
【0038】
好ましくは、前記第1可撓性ストリップの遠端には、牽引具が設けられる。
【0039】
好ましくは、前記牽引具は、前記第1可撓性ストリップの遠端から延伸する部分であり、前記牽引具の自由端がチューブステープラーの近端へ延伸し、または、前記牽引具は、前記第1可撓性ストリップの遠端に固定される牽引線である。
【発明の効果】
【0040】
本発明の有益な効果は、主に以下の点に現れる。ガイド付属物は、一部または全部が長い帯状のものとしてチューブステープラーから一回で取り出されることができ、操作されやすい。当該ガイド付属物は、手術時にチューブステープラーの外側に直接外挿して使用することができるため、チューブステープラーに対して、他に装着すべき部材を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下、図面を参照し本発明の技術案について更なる説明をする。
図1】本発明の第1実施例の構造の模式図である。
図2】本発明の第1実施例の平面図である。
図3】本発明の第1実施例のチューブステープラーに装着される模式図である。
図4】本発明の第1実施例の断面図である。
図5】本発明の第2実施例の構造の模式図である。
図6】本発明の第2実施例の断面図である。
図7】本発明の第3実施例の構造の模式図である。
図8】本発明の第3実施例の正面図である。
図9図8におけるA−Aに沿った断面図である。
図10】本発明の第4実施例の構造の模式図である。
図11】本発明の第4実施例の断面図である。
図12】本発明の第5実施例の構造の模式図である。
図13】本発明の第5実施例の平面図である。
図14】本発明の第6実施例の構造の模式図である。
図15】本発明の第7実施例の構造の模式図である。
図16】本発明の第7実施例の正面図である。
図17】本発明の第7実施例の平面図である。
図18】本発明の第7実施例の引き裂かれた時の一部を拡大した模式図である。
図19】本発明の第8実施例の構造の模式図である。
図20】本発明の第9実施例の構造の模式図である。
図21】本発明の第9実施例の正面図である。
図22】本発明の第9実施例の平面図である。
図23】本発明の第10実施例の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、チューブステープラーの補助器材を開示し、特にチューブステープラーを体内に案内するためのガイド付属物を開示する。
【0043】
従来技術のチューブステープラーは、アンビルアセンブリーと、ステープルカートリッジアセンブリーと、前記ステープルカートリッジアセンブリーの近端に固定されるチューブとを含み、前記ステープルカートリッジアセンブリーは、相互に固定されるステープルチューブ1とステープルカートリッジ2とを含む。前記ステープルチューブ1の近端には、少なくとも1つの糸孔3が設けられる。
【0044】
図1乃至図4に示す第1実施例において、前記ガイド付属物は、前記チューブステープラーの遠端に外挿されるスリーブ部4と、前記スリーブ部4の遠端に設けられるガイド部6と、前記スリーブ部4の近端に外部へ拡がるように設けられ、把持するための鍔5とを含む。
【0045】
前記スリーブ部4は、円筒形のものであり、その内径が前記ステープルチューブの外径より大きい。これにより、ガイド付属物全体がステープルチューブの外側に簡単に外挿されることができる。
【0046】
前記ガイド部6の外郭は円錐形であり、当該円錐形のガイド部6には中空のチャンバーが設けられる。前記ガイド部6の最大外径は、前記スリーブ部の最小外径に等しい。前記ガイド部6は、螺旋部材である。前記螺旋部材の螺旋線61は、その一端が牽引具7に接続し、他端が前記スリーブ部4に接続する。前記螺旋部材において、相隣する螺旋線61の間に複数の補強リブ62が垂直に設けられる。前記ガイド部6とスリーブ部4との間も当該補強リブ62により接続される。前記補強リブ62は、一端比較的細く形成されたプラスチック部材であり、ペットボトルの蓋の構造に類似するようなものであり、引き裂かれやすい。ガイド部6とスリーブ部4との間の補強リブ62が引き裂かれると、前記ガイド部6とスリーブ部4との接続が切断され、互いに離脱するようになる。
【0047】
本例において、前記牽引具7の一端は、螺旋線61の、当該牽引具7から最も離れた遠端の中心に接続される。前記牽引具7は、前記ステープルチューブの糸孔3を貫通し、前記牽引具7の他端にリング8が設けられる。
【0048】
第1実施例において、操作時に、まず、ガイド付属物をステープルカートリッジアセンブリーの外側に被せられて、その円錐形の構造によってチューブステープラーを人体内の手術位置まで進入させる。そして、リングで牽引具を引っ張ることで、牽引具に接続される螺旋線61が外力を受けて、補強リブ62を引き裂く。これにより、ガイド部全体の螺旋線61は、帯状のものとして糸孔3から一回でチューブステープラーの外部へ取り出される。次に、鍔5を手で持ち、ステープルチューブ外に被せられたスリーブ部4をチューブステープラーの近端へ引っ張り、人体内から退出させる。このように、チューブステープラーによる手術を行うことができる。
【0049】
図5図6は、本発明の第2実施例を開示しており、第2実施例のスリーブ部が半円筒形のものである。本例における最大な特徴は、前記螺旋部材が間隔を持って巻きつけられる2本の螺旋線61であり、従来の蚊取り線香に類似するようなものであることにある。当該2本の螺旋線61は、それぞれの一端が互いに繋がり、それぞれの他端がともに補強リブ62で前記スリーブ部に接続される。前記牽引具7は、前記2本の螺旋線の繋がった端部に引っかかる。
【0050】
第2実施例において、操作時に、まず、ガイド付属物をステープルカートリッジアセンブリーの外側に被せられて、その円錐形の構造によってチューブステープラーを人体内の手術位置まで進入させる。そして、牽引具を引っ張り、2本の螺旋線の前記スリーブ部に接続される端部が外力を受けて補強リブ62を引き裂く。これにより、ガイド部全体の螺旋線61は、帯状のものとして糸孔3から一回でチューブステープラーの外部へ取り出される。2本の螺旋線61が同時に変形してチューブステープラーの外部へ引き出されるため、本実施例における操作時間が第1実施例より短い。次に、鍔5を手で持ち、ステープルチューブ外に被せられたスリーブ部4をチューブステープラーの近端へ引っ張り、人体内から退出させる。このように、チューブステープラーによる手術を行うことができる。
【0051】
図7乃至図9は、本発明の第3実施例を開示している。本実施例の特徴として、前記ガイド部6は、一体射出成形されたフレキシブルなU型の折り畳み部材であり、当該U型の折り畳み部材の中心の横断面がU型であり、前記ガイド部6は、近端17と遠端15とを含み、前記遠端15の外径の寸法が近端17の外径以下であり、前記近端17の外径の寸法がステープルカートリッジ3またはステープルチューブ1の外径に等しい。本例は、前記実施例との最大な区別点は、ガイド部の「螺旋線」の囲み形状にある。
【0052】
これから明らかになるように、本発明のガイド付属物の「螺旋線」の形状が重要ではなく、本発明に開示された螺旋状、U型の折り畳み状以外、他の形状の螺旋線を採用してもよく、1本の完全なるプラスチック帯により取り巻かれたものであればよい。すなわち、本第3実施例におけるU型の折り畳み状のプラスチック部材は、第1実施例に用いることもできる。
【0053】
本例において、前記ガイド部の近端17は、ステープルカートリッジ面に貼合する平面25であり、スリーブ部4は、前記ステープルカートリッジの外周に外挿される薄肉部材であり、前記薄肉部材とガイド部6は、一体に射出成形されたフレキシブルなU型の折り畳み部材である。前記薄肉部材には、ステープルカートリッジに固定に接続されるクランプ39が設けられる。
【0054】
操作方法は、第1実施例とほぼ同様であるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0055】
図10図11は、本発明の第4実施例を開示している。本実施例は、第1実施例に類似し、前記ガイド部6は、全体的に螺旋状に巻かれたフレキシブルなプラスチック部材であり、すなわち、当該ガイド部6は、フレキシブルなプラスチック部材全体を巻いて形成された螺旋状の部品であり、スプリングのようなものである。ここでのガイド部6は、「スプリング線」である。
【0056】
本実施例において、前記ガイド部6の中空のチャンバーの遠端15の底部に、チャンバーの内側へ向かって突出する中心筒21が設けられており、前記中心筒21の内径がトロカールの上記遠端15に近い部分の外径に等しい。これにより、初期状態において、前記ガイド付属物が中心筒21を介してトロカールに外挿されることができることで、前記ガイド付属物が前記チューブステープラーに嵌合する。
【0057】
前記中心筒21の近端の壁に牽引孔23が開けられており、前記中心筒の近端は、フレキシブルなプラスチック部材全体の一端であり、すなわち「スプリング線」の一端である。
【0058】
前記ガイド部6の近端は、ステープルカートリッジ面5に貼合する平面25である。スリーブ部4は、前記ステープルカートリッジの外周に外挿される薄肉部材である。前記薄肉部材とガイド部6は、一体に射出成形された螺旋状のフレキシブルなプラスチック部材である。
【0059】
本実施例において、操作時に、まず、ガイド付属物をステープルカートリッジアセンブリーの遠端に被せるように接続し、そして、チューブステープラーを人体内に案内し、続いて牽引孔に接続される牽引線を引っ張り、「スプリング線」を引っ張り、一直線にするように、前記ガイド付属物を帯状のものとしてチューブステープラーから一回で取り出す。
【0060】
上記の実施例のガイド部は、いずれもステープラー内部からガイド付属物を取り出すことができ、すなわち、チューブステープラーのステープルチューブに少なくとも1つのガイド孔が開けられ、前記の帯状のガイド部は、前記ガイド孔を介して前記チューブステープラーから離脱する。もちろん、上記の実施例において、ステープラーの外側からガイド付属物を取り出してもよく、この場合、牽引具のガイド付属物における接続位置を変更すればよい。
【0061】
図12乃至図13は、本発明の第5実施例を開示している。本実施例のガイド付属物は、全体的に円錐形の中空のフレキシブルなプラスチック部材である。ガイド付属物を構成するためのフレキシブルなプラスチック部材として、ゴムや他のプラスチックなどを用いることができるため、製造工程の状況に応じて、ガイド付属物の「スプリング線」が異なる太さを有するものに製造されることができ、ガイド付属物のチャンバーの大きさも異なる。前記ガイド付属物のガイド部6は、近端17と遠端15とを含み、前記遠端15から近端17へ向かって外径が逐次に大きくなり、前記近端17の内壁の直径が前記ステープルチューブ1の最大外径以上である。このように、前記ガイド付属物が前記チューブステープラーに取り付けられるとき、前記ガイド付属物が前記ステープルチューブ1の外周に外挿されることができる。
【0062】
本実施例の特徴として、前記ガイド部6の円錐形の壁は、第1可撓性ストリップ63と第2可撓性ストリップ64とを含み、両者が平行に巻き付けられて螺旋体に形成され、前記第1可撓性ストリップ63と第2可撓性ストリップ64とは、交互に螺旋状に設けられるとともに、お互いに密着する。前記第1可撓性ストリップ63は、比較的硬質材料からなり、すなわちその強度が比較的強く、硬度が比較的高いものである。前記第2可撓性ストリップ64は、比較的軟質材料からなり、すなわち強度が比較的弱いものであり、引き裂かれやすい。医療用プラスチックは、たとえばPVC、PE、PP、PET、PU、PS、PC、PTFEなどの多くの種類があり、上記の強度条件を満たせばいずれを採用してもよい。前記第1可撓性ストリップ63と第2可撓性ストリップ64とは、粘着又は二次射出により成形される。
【0063】
前記スリーブ部4は、第1可撓性ストリップ63と第2可撓性ストリップ64とを含み、前記第1可撓性ストリップ63と第2可撓性ストリップ64とは、交互に螺旋状に設けられるとともに密着し、前記スリーブ部4の第1可撓性ストリップ及び第2可撓性ストリップは、それぞれ前記ガイド部6の第1可撓性ストリップ及び第2可撓性ストリップと一体成形される。
【0064】
第1可撓性ストリップ63と第2可撓性ストリップ64は互いに緊密に巻き付けるため、ガイド部6全体の円錐形の壁の強度が比較的大きく、チューブステープラーを患者体内へ案内する際に、崩れることはない。また、第1可撓性ストリップ63と第2可撓性ストリップ64は互いに緊密に巻き付けるため、ガイド部6は、全体の円錐形の壁の外側が比較的滑らかであり、チューブステープラーを患者体内へ案内する際に、当該外壁が組織に傷をつけることがなく、その効果が単螺旋状の可撓性ストリップよりはるかに良い。
【0065】
前記第1可撓性ストリップ63の遠端に牽引具7がさらに設けられる。前記牽引具7は、前記第1可撓性ストリップ63の遠端から延伸する部分であり、前記牽引具7の自由端がチューブステープラーの近端へ延伸する。なお、前記牽引具7は、前記第1可撓性ストリップ63の遠端に固定される牽引線であってもよい。牽引機能を果たせばよい。前記チューブステープラーのステープルチューブに少なくとも1つのガイド孔が設けられており、前記牽引具7は初期状態において前記ガイド孔を貫通する。
【0066】
操作時に、まず、当該好ましい実施例におけるガイド付属物をステープルカートリッジアセンブリーの遠端に被せるように接続し、そして、チューブステープラーを人体内に案内する。このとき、牽引具7の自由端がガイド孔を通して患者体外に露出する。次に、前記牽引具7を引っ張り、前記第1可撓性ストリップ63を遠端から近端への順に螺旋状に解体し、最終的には、第1可撓性ストリップと第2可撓性ストリップとからなる帯状のものになり、「スプリング線」を引っ張り、一直線にするように、前記ガイド孔から一回でチューブステープラーの外部に取り出される。この過程において、第2可撓性ストリップ64は、強度が比較的弱いため、簡単に引き裂かれ、引き裂かれた部分が第1可撓性ストリップ63とともにチューブステープラーの外部に取り出される。もちろん、上記の実施例においても、ステープラーの外側から取り出してもよく、牽引具のガイド付属物における接続位置を変更すればよい。
【0067】
図14は、本発明の第6実施例を開示している。スリーブ部4の壁の厚さが比較的大きい場合、チューブステープラーの外径が著しく増加し、そのため、チューブステープラーの挿入に影響を与えるとともに、患者の苦痛が増えてしまう。したがって、第6実施例において、前記スリーブ部4は、前記ガイド部6より肉薄であるように形成される。これにより、壁の厚さによる影響を大幅に減少した。第6実施例における他の構造と操作方法は、第5実施例と同様であるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0068】
図15乃至図18は、本発明の第7実施例を開示している。本実施例の特徴として、前記ガイド付属物の円錐形の壁は、第1可撓性ストリップ63を巻き付けて形成される螺旋体である内側に位置する第1層と、第1層の外を被覆する外側に位置する第2フィルム層65との内外の2層を含む。もちろん、第1可撓性ストリップ63を巻き付けて形成される螺旋体が外側に、第1層内に内包される第2フィルム層65が内側に位置する実施例も本発明の範囲に属する。
【0069】
本例において、前記第1可撓性ストリップ63は、緊密に螺旋状に設けられており、前記第2フィルム層65は、前記円錐形の壁51の外側のみを被覆する。図20乃至図22に示す第9実施例において、前記第1可撓性ストリップ63は、間隔を持って螺旋状に設けられており、前記第2フィルム層65は、前記円錐形の壁51の外側を被覆し、かつ、その一部が前記第1可撓性ストリップ63の相隣する螺旋線の間に入り込み、前記第1可撓性ストリップ63と第2フィルム層65とが交互に螺旋状に設けられて密着する。
【0070】
前記第1可撓性ストリップ63は、比較的硬質材料からなり、すなわち、強度が比較的強く、硬度が比較的高いものである。前記第2フィルム層65は、比較的軟質材料からなり、すなわちその強度が比較的弱く、引き裂かれやすい。前記第1可撓性ストリップ63と第2フィルム層65とは、粘着又は二次射出により成形される。
【0071】
第7実施例及び第9実施例において、前記スリーブ部4は、第1可撓性ストリップから延伸した部分であり、前記スリーブ部4の第1可撓性ストリップと前記ガイド部6の第1可撓性ストリップ63とは一体成形される。前記第2フィルム層65は、前記スリーブ部とガイド部の第1可撓性ストリップの外側を被覆する。
【0072】
前記第1可撓性ストリップ63の遠端に牽引具7がさらに設けられる。前記牽引具7は、前記第1可撓性ストリップ63の遠端から延伸する部分であり、前記牽引具7の自由端は、チューブステープラーの近端へ延伸する。なお、前記牽引具7は、前記第1可撓性ストリップ63の遠端に固定される牽引線であってもよく、牽引機能を果たせばよい。前記チューブステープラーのステープルチューブに少なくとも1つのガイド孔が設けられており、前記牽引具7は初期状態において前記ガイド孔を貫通する。
【0073】
第7実施例において、第1可撓性ストリップ63が緊密に巻き付けられ、第9実施例において、第1可撓性ストリップ63と第2フィルム層65の一部とが緊密に巻き付けられるため、ガイド部は、全体の円錐形の壁の強度が比較的強く、チューブステープラーを患者体内へ案内する際に、崩れることはない。また、第2フィルム層65が全体的に第1可撓性ストリップ63の外側を被覆するため、ガイド部全体の円錐形の壁51の外側が比較的滑らかであり、チューブステープラーを患者体内へ案内する際に、当該外壁が組織に傷をつけることがなく、その効果が単螺旋状の可撓性ストリップよりはるかによい。
【0074】
第7実施例と第9実施例の操作方法は、同様であり、以下、第7実施例を例として説明する。
【0075】
操作時に、まず、当該好ましい実施例のガイド付属物をステープルカートリッジアセンブリーの遠端に被せるように接続し、そして、チューブステープラーを人体内に案内する。このとき、牽引具7の自由端がガイド孔を通過して患者体外に露出する。次に、前記牽引具7を引っ張り、前記第2フィルム層65が第1可撓性ストリップ63とともに遠端から近端への順に螺旋状に解体し、最終的には、帯状のものになり、「スプリング線」を引っ張り、一直線にするように、前記ガイド孔から一回でチューブステープラーの外部に取り出される。この過程において、第2フィルム層65は、強度が比較的弱いものであるため、簡単に引き裂かれる。詳しくは、図18に示されるように、第2フィルム層65は、第1可撓性ストリップ63の相隣する2本の螺旋線の付近に引き裂き線67が生じ、それによりちぎられた部分が第1可撓性ストリップ63とともにチューブステープラーの外部に取り出される。もちろん、上記の実施例においても、ステープラーの外側から取り出してもよく、牽引具のガイド付属物における接続位置を変更すればよい。
【0076】
図19は、本発明の第8実施例を開示している。第7実施例との相違点は、前記スリーブ部4が前記ガイド部6より肉薄であることにある。これにより、壁の厚さによる影響を大幅に減少した。第8実施例の他の構造と操作方法は、第7実施例と同様であるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0077】
図23は、本発明の第10実施例を開示している。第9実施例との相違点は、前記スリーブ部4が前記ガイド部6より肉薄であることにある。これにより、壁の厚さによる影響を大幅に減少した。第10実施例の他の構造と操作方法は、第9実施例と同様であるため、ここでは繰り返して説明しない。
【0078】
上記の実施例において、いずれも第1実施例と同様に、ガイド付属物の近端に、ガイド付属物全体と区別されるカラー領域、特に鮮やかな黄色領域を設けられる。通常、当該黄色領域は、スプレーコーティング方式により設けられ、ガイド付属物の全部がチューブステープラーから引き出されたことを医者に知らせるためのものである。黄色領域が存在するため、医者が当該黄色領域を見たときに、ガイド付属物の全部を前記チューブステープラーの外部に引き出したことを認定する。
【0079】
本発明は、操作が簡単であり、ワンステップでガイド付属物を前記チューブステープラーから離脱させることを実現できる。これに対して、従来技術において多数のステップを含む操作が必要であり、また、スプリング線が長い帯状のものとして離脱することができず、組織に傷をつけやすい。
【0080】
本発明は、他にも多種類の実施方式があり、同等に差し替え、または同等に変換して為した全ての技術案は、本発明が保護を要求する範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1 ステープルチューブ
2 ステープルカートリッジ
3 糸孔
4 スリーブ部
5 鍔
6 ガイド部
61 螺旋線
62 補強リブ
63 第1可撓性ストリップ
64 第2可撓性ストリップ
65 第2フィルム層
67 引き裂き線
7 牽引具
8 リング
15 遠端
17 近端
21 中心筒
23 牽引孔
25 平面
39 クランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23