(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記PCBは、前記第1のアンテナ部材から前記第2のアンテナ部材を遮蔽し、その逆も同様であるように、前記第1のアンテナ部材と前記第2のアンテナ部材が取り付けられる前記PCBのエリアに導電性接地平面を実現する層(115)を含む請求項6に記載の非接触プラグコネクタ。
前記PCBは、前記PCBの一部によって画定された平面が前記非接触プラグコネクタの前記嵌合端の前面に対して略平行であるように前記非接触プラグコネクタ内に配置され、
前記少なくとも1個のアンテナ部材の第1のアンテナ部材と第2のアンテナ部材が、第2の予め定義された距離(d2)で前記PCBの前記一部に取り付けられ、
前記第1のアンテナ部材は、第1の所定の搬送周波数で変調された電波を送信するように構成され、
前記第2のアンテナ部材は、前記第1の所定の搬送周波数で変調された電波を受信するように構成され、
前記送受信回路は、入力されたベースバンド入力信号を前記第1の所定の搬送周波数へ変調し且つ前記変調されたベースバンド入力信号を前記第1のアンテナ部材を介して送信し、前記第2のアンテナ部材を介して受信された前記第1の所定の搬送周波数を有する電波をベースバンド出力信号に復調するように構成される請求項3に記載の非接触プラグコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1(A)を参照すると、本発明の例示的実施形態に係る非接触プラグコネクタの概略図が示されている。更に、
図1(B)は、A−A線に沿う
図1(A)の非接触プラグコネクタの横断面図を示す。
【0040】
この実施形態の非接触プラグコネクタは、公知の伝送規格、例えば、イーサネット、USB、CAN、IO−リンク及びRS485に準拠するデータ接続のために使用されることができる。対応する相手コネクタは、プラグコネクタとして又はレセプタクルコネクタ(即ち、ソケットコネクタ)として実現されることができる。
【0041】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の非接触プラグコネクタ100は、少なくとも1個のアンテナ部材110、任意ではあるが、第2のアンテナ部材120、及び送受信回路155を備える。更に、
図1は、ベースバンド入力信号の送受信回路155への入力や送受信回路155から受信された電波信号の出力のための入出力部140を示している。
【0042】
非接触プラグコネクタが構成される接続のタイプに依存して、入出力部140は、1以上の入力信号や出力信号(単数又は複数)に適合されることができる。例えば、USB規格は、1差動ワイヤ対を指定する。従って、USB接続に適する非接触プラグコネクタ100は、入出力部140として2本のワイヤを含む。
【0043】
本発明の非接触プラグコネクタ100は、必ずしも双方向データ伝送コネクタではない。本発明の他の実施形態によれば、非接触プラグコネクタは、少なくとも1個の入力部、送信回路及びアンテナ部材を含み、他方、対応する相手コネクタは、少なくとも1個の出力部、受信回路及びアンテナ部材を含んでいるだけであるか、その逆である。本発明に係る非接触プラグコネクタのそのような具現化は、スピードが重視される伝送、高フェールセーフ機器、又はコスト最適化のために有利である又は用途分野によっては必要である。この実施形態の非接触プラグコネクタは一方向データ伝送のみを可能とする。
【0044】
送信動作については、ベースバンド入力信号は、入出力部140を介して
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の非接触プラグコネクタ100の送受信回路155へ入力される。送受信回路155は、ベースバンド入力信号を所定の搬送周波数へ変調する。その後、送受信回路155は、変調された入力信号を所定の搬送周波数の電波として放射するように変調された入力信号をアンテナ部材110又は120に出力する。
【0045】
同様に、受信動作については、
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の非接触プラグコネクタ100の送受信回路155は、アンテナ部材110又は120を介して所定の搬送周波数の電波を受信する。その後、送受信回路155は、受信した電波を復調して復調された電波を入出力部140へベースバンド出力信号として出力する。
【0046】
送受信回路155は、電波の変調動作や復調動作を実行するに過ぎない。このように、非接触プラグコネクタ100に導入された伝送遅延は非常に小さい。特に、送受信回路155は、周知のワイヤレス伝送制御プロトコル、例えば、Wi−Fiプロトコルスタックに固有のデータ処理を実行しない。
【0047】
換言すれば、送受信回路155は、プロトコルスタック(即ち、No.OSI2層や3層)に準拠する間欠処理なしで入力された信号を直接に変調する。それによって、信号パスにおける遅延が回避されることができ、同時に、信号に対する透過性が提供される。信号に対する透過性に起因して、「導電性ベース」のコネクタと同様に動作する非接触プラグコネクタと非接触態様でベースバンド信号を転送できる。
【0048】
有利なことに、非接触プラグコネクタ100は、送受信回路155がベースバンド信号を変調する又は復調する前に、例えば、送受信回路155の信号の要件事項に従うように、例えば電圧レベルのスケーリングやベースバンド信号の電圧範囲のシフトとして入力信号に対する信号変換を実行してもよい。
【0049】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の例示的具現化では、送受信回路155が入力ベースバンド信号を約60GHzの搬送周波数へ変調するためや入力ベースバンド信号を約60GHzの搬送周波数から復調するために有利であることが証明されている。60GHzのISM(産業用、科学用及び医療用)バンドは、非接触プラグコネクタ100と対応する相手コネクタとの間の高速データ伝送を可能とし、且つデータ伝送に導入される遅延の量を約10nsに制限する。例えば、正確に60.5GHzの搬送周波数を使用することによって、57乃至64GHzバンド内で単一の搬送システムのバンド幅が最大にされる。それによって、非接触プラグコネクタシステムは、例えばUSB規格で定義された許容範囲に準拠する。更に、60GHzのISMシステムは、データ伝送に利用されることができる大きなバンド幅を提供する。有利なことに、60GHzのISMバンドと共に使用されるアンテナ部材のサイズも、アンテナの長さが波長に適合されるので、減少する。
【0050】
信号伝送の成功のために、
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の非接触プラグコネクタ100は、相手コネクタの対応する嵌合端に近接して非接触プラグコネクタの嵌合端を固定するための固定部材を含む。固定状態において、対応する相手コネクタとの電磁接続が確立されることや維持されることができる。
【0051】
図1(A)及び
図1(B)に示される例示的実施形態では、非接触プラグコネクタ100は、固定部材としてねじ山135を含む。このねじ山135は、ねじ山135を相手コネクタの対応する嵌合端へ螺合することによって非接触プラグコネクタ100の嵌合端が固定されることができる。非接触プラグコネクタ100の嵌合端は、対応する相手コネクタへ両者の嵌合端間に空間を持つように固定されることができる、即ち、両嵌合端は互いに近接している。換言すれば、固定部材によって、非接触プラグコネクタの嵌合端が相手コネクタの対応する嵌合端に当接することや直接物理的に接触することなく、非接触プラグコネクタが相手コネクタに固定されることができる。
【0052】
固定状態において、ねじ山135は、非接触プラグコネクタの嵌合端を相手コネクタの対応する嵌合端に対して所定距離に維持するので、ねじ山135によって非接触プラグコネクタの嵌合端と相手コネクタの対応する嵌合端との間の直接的物理的接触を必要とすることなく、非接触プラグコネクタと相手コネクタとの間の堅牢な電磁接続が可能とされる。
【0053】
図1(A)及び
図1(B)に示された実施形態の例示的具現化において、ねじ山135は、約6mmの距離d
1だけ非接触プラグコネクタの嵌合端から突出する。従って、ねじ山135によって、可変間隔で、即ち、6mmまでの距離許容(d
1)で、非接触プラグコネクタの嵌合端を相手コネクタの対応する嵌合端に対して固定することができる。同時に、送受信回路155と少なくとも1個のアンテナ部材110,120は、非接触プラグコネクタが6mm迄の距離で対応する相手コネクタへ固定される時に、電磁接続を可能とするように構成されることもできる。
【0054】
有利なことに、非接触プラグコネクタの固定部材によって、非接触プラグコネクタの嵌合端が、所定の距離までの可変間隔で相手コネクタの対応する嵌合端へ固定されることができる。この所定の距離は、非接触プラグコネクタの嵌合端の表面の略直径に対応する。換言すれば、固定部材は、非接触プラグコネクタの嵌合端の距離以下の距離許容範囲(d
1)で非接触プラグコネクタの嵌合端を対応する相手コネクタに固定する。それによって、電磁接続は、例えばごみ、埃、衝撃及び機械的ストレスのような不良環境の影響下のおいても確立されることや維持されることができる。例えば、非接触プラグコネクタ100は、埃が非接触プラグコネクタ100の嵌合端を覆う時でも対応する相手コネクタへ固定されることができ、なお、両者間の電磁接続を可能とする。
【0055】
その結果、固定部材の距離許容範囲のおかげで、即ち、非接触プラグコネクタ100の嵌合端と相手コネクタの対応する嵌合端との間の直接的物理接触を必要とすることなく、この実施形態の非接触プラグコネクタ100は、固定された状態において対応する相手コネクタと動作可能である。
【0056】
図1(A)及び
図1(B)に示された実施形態の例示的具現化において、ねじ山135は、樹脂のような誘電材料から形成されるか或いは鉄や鋼のような導電性材料や磁性材料から実現される。ねじ山135が導電性材料や磁性材料から実現される場合、ねじ山135は、更に電磁接続部を外側の干渉から遮蔽する。
【0057】
本発明の他の例示的実施形態において、非接触プラグコネクタは、嵌合端に磁性固定部材を含み、この磁性固定部材によって、相手コネクタの対応する嵌合端に近接して磁力によって非接触プラグコネクタの嵌合端を固定できる。更に、本発明の他の例示的実施形態において、非接触プラグコネクタに含まれるゴム製スリーブによって、相手コネクタの対応する嵌合端に近接して弾性変形によって非接触プラグコネクタの嵌合端を固定できる。
【0058】
本発明の更に他の実施形態によれば、非接触プラグコネクタは、固定部材として、非接触プラグコネクタが対応する相手コネクタに近接して構造部材に固定できるねじを非接触プラグコネクタの外側に含む。この実施形態では、構造部材は、相手コネクタの対応する嵌合端に近接して非接触プラグコネクタの嵌合端を維持する。
【0059】
要約すると、対応する相手コネクタに近接して固定される非接触プラグコネクタのおかげで、非接触プラグコネクタ100のアンテナ部材110又は120によって送信される電磁波は、対応する相手コネクタによって受信される。同様に、非接触プラグコネクタが対応する相手コネクタに近接して固定されているおかげで、対応する相手コネクタによって送信される電磁波は、非接触プラグコネクタ100のアンテナ部材110又は120によって受信されることができる。従って、固定状態において、非接触プラグコネクタ100は対応する相手コネクタに電磁的に接続可能である。
【0060】
固定部材によってアンテナ部材110又は120を収容する非接触プラグコネクタ100と対応する相手コネクタとの間の所定距離までの可変間隔が可能となるが、小さな距離によって非接触プラグコネクタ100と対応する相手コネクタとの間の信号伝送品質が向上する。これに関して、
図1(A)及び
図1(B)に示されるように、非接触プラグコネクタ100の嵌合端内にアンテナ部材110又は120を配置することが好ましい。
【0061】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の非接触プラグコネクタ100は、電磁接続性のみに制限されない。
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の非接触プラグコネクタ100は、非接触プラグコネクタ100と対応する相手コネクタとの間の電力の伝送を可能とする。従って、
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の非接触プラグコネクタ100は、フル機能データと電力接続を実現でき、既知の伝送規格、例えば、イーサネット、USB、CAN IO−リンク及びRS485と互換性がある。
【0062】
このために、
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタ100は、コイル125及び任意ではあるがフェライト部材130を備える誘導結合部材を含む。誘導結合部材は、送受信回路155を介して入出力部140に接続される。従って、入出力部140を介して非接触プラグコネクタ100に提供される電力は、誘導結合部材によって対応する相手コネクタに伝送されることができる。或いは又はそれに加えて、対応する相手コネクタから非接触プラグコネクタの誘導結合部材によって受け取られる電力は入出力部140へ提供されることができる。
【0063】
更に、送受信回路155の誘導結合部材と入出力部140への接続によって、電波を変調し且つ送信することや電波を受信し且つ復調することのために送受信回路155がアンテナ部材110又は120を介して少なくとも部分的に伝送された電力を使用することができる。
【0064】
より詳細には、誘導結合部材は、固定状態において、非接触プラグコネクタ100の誘導結合部材が相手コネクタの嵌合端内に対応する誘導結合部材と誘電ループを形成するように、非接触プラグコネクタ100の嵌合端内に配置される。特に、非接触プラグコネクタの嵌合端が相手コネクタの対応する嵌合端に近接して固定されていることのおかげで、磁気回路(即ち、誘導ループ)が非接触プラグコネクタと相手コネクタとの間に固定状態で提供され、低転送ロスで電力伝送を可能とする。
【0065】
図1(A)及び
図1(B)に示されるように、非接触プラグコネクタ100の誘導結合部材のコイル125は、所定の直径を持つように構成される。非接触プラグコネクタのコイル125の直径は、固定状態において、相手コネクタへの低転送ロスでの電力伝送を可能にするように、特に非接触プラグコネクタと対応する相手コネクタとの間で伝送される電力の転送ロスを減少することを可能とするように予め決定され、固定部材135は、非接触プラグコネクタの嵌合端の表面と対応する相手コネクタとの間の距離をコイル125の直径d
3以下に制限するように構成される。換言すれば、非接触プラグコネクタ100の嵌合端のコイル125の寸法(即ち、直径d
3)に依存して、固定部材135は、非接触プラグコネクタ100の嵌合端の表面と対応する相手コネクタとの間により広い又はより狭いギャップを可能とするように構成される。換言すれば、非接触プラグコネクタのコイル125の直径d
3は、非接触プラグコネクタの嵌合端が、固定状態において、相手コネクタの対応する嵌合端に直接的物理接触にない場合でも、転送ロスを減少するように構成される。
図1(A)から理解されるように、非接触プラグコネクタ100の嵌合端の表面は、コイル125の直径d
3に近似している。
【0066】
具体的には、非接触プラグコネクタ100の誘導結合部材のコイル125の直径は、誘導結合部材の磁界の方向性を決定する。高指向性(即ち、小さな横方向の広がり)を有する磁界は、非接触プラグコネクタの固定部材が、固定された状態において、非接触プラグコネクタの嵌合端と相手コネクタの対応する嵌合端との間の横方向不整合を防止する非接触プラグコネクタの具現化において有利である。或いは、低指向性(即ち、高い横方向広がり)を有する磁界は、非接触プラグコネクタの固定部材が、固定状態において、非接触プラグコネクタの嵌合端と相手コネクタの対応する嵌合端との間の横方向不整合を許容する非接触プラグコネクタの具現化において有利である。
【0067】
図1(A)及び
図1(B)に示されるように、しかしながら、非接触プラグコネクタの誘導結合部材は、電力の伝送に最適なフェライト部材130を備えている。フェライト部材130はU形状の横断面を有し、固定状態において、コイル125の磁界を相手コネクタの方向へ向けて集中させるように、一側から非接触プラグコネクタのコイル125を囲む非接触プラグコネクタの嵌合端内に配置される。非接触プラグコネクタのコイル125を囲むことによって、フェライト部材は、対応する相手コネクタへの電力の送信や対応する相手コネクタからの電力の受信を向上させる。
【0068】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態の例示的具現化のために、即ち、ねじ山135によって6mmまでの距離許容範囲(d
1)で非接触プラグコネクタの嵌合端を相手コネクタの対応する嵌合端と固定することを可能にされる場合、非接触プラグコネクタのコイル125の直径とフェライト部材とは、6mmまでの距離で、相手コネクタへの電力の送信や相手コネクタからの電力の受信を可能とするように構成される。
【0069】
実施形態のより詳細な具現化において、固定部材は、コイル直径の25%以下の横方向不整合で非接触プラグコネクタの嵌合端を対応する相手コネクタへ固定するように構成される。同時に、送受信回路155と少なくとも1個のアンテナ部材110,120は、非接触プラグコネクタが、コイル直径の25%以下の横方向不整合で相手コネクタへ固定される時に、電磁接続を可能とするようにも構成される。
【0070】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態のこの例示的具現化において、非接触プラグコネクタのコイル125の直径とフェライト部材130は、コイル直径の25%以下の横方向不整合で対応する相手コネクタへ固定される時に、相手コネクタへの電力の送信や相手コネクタからの電力の受信を可能とするようにも構成される。
【0071】
本実施形態の他のより詳細な例示的具現化では、固定部材は、長手軸に関して15°以下の傾きの不整合許容範囲で非接触プラグコネクタの嵌合端を対応する相手コネクタへ固定するように構成される。同時に、送受信回路155と少なくとも1個のアンテナ部材110,120は、非接触プラグコネクタが長手軸に関して15°以下の傾き不整合で対応する相手コネクタへ固定される時に、電磁接続を可能とするように構成される。更に、非接触プラグコネクタのコイル125の直径とフェライト部材130は、非接触プラグコネクタが対応する相手コネクタへ固定される時に、相手コネクタへの電力の送信や相手コネクタからの電力の受信を可能とするように構成される。
【0072】
非接触プラグコネクタ100は、加えて、入出力部140と誘導結合部材との間で中間電圧レギュレータを含むことができる。この中間電圧レギュレータは、誘導結合部材を介する伝送のために有利な予め定義された電圧レベルへ入出力部140の電圧レベルを変換できる。加えて又は或いは、中間電圧レギュレータは、誘導結合部材を介する伝送を可能とするように入出力部140からのDC入力電圧をAC出力電圧へ変換するためのDC/AC変換器を含むことができる。中間電圧レギュレータは、送受信回路155に含まれてもよい。
【0073】
本発明に従う他の実施形態において、非接触プラグコネクタ100は、両方向へ電力を伝送できてもよい。この目的のために、非接触プラグコネクタ100と対応する相手コネクタは、各々電力が入出力部140を介して受信されたか又は誘導結合部材を介して受信されたかを検出するための検出器を含む。
【0074】
本発明の他のより詳細な実施形態によれば、非接触プラグコネクタは、所定量の電力の受信によって、予め定義された情報、例えば状態情報や初期化情報を起動するように構成される。より詳細には、非接触プラグコネクタ100が誘導結合部材を介して予め定義された量の電力の受信を検出すると、受信された電力が送受信回路155へ供給され、それによって、アンテナ部材110又は120を介して予め定義された情報の対応する相手コネクタへの送信又はその逆が開始される。それによって、固定状態が、対応する相手コネクタや非接触プラグコネクタ100によって検出されることができる。好ましくは、予め定義された情報の送信は、その接続の高速起動を可能とするために短時間である。
【0075】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態によれば、非接触プラグコネクタ100は、ラジアルコネクタとして提供される。この目的のために、非接触プラグコネクタ100の嵌合端は、
図1(B)に示されるように丸い横断面を備える。更に、固定部材は、非接触プラグコネクタが対応する相手コネクタへ回転された状態で固定されることができるように構成される。
【0076】
任意の回転状態に固定された時に、非接触プラグコネクタが電波を対応する相手コネクタへ送信や電波を対応する相手コネクタから受信できるために、少なくとも1個のアンテナ部材110又は120は、円偏波を有する電波を送信や受信するように構成される。
【0077】
更に、回転状態に固定された時に、非接触プラグコネクタ100が電力を対応する相手コネクタへ送信や電力を対応する相手コネクタから受信できるために、コイル125及び任意のフェライト部材130は、非接触プラグコネクタ100の嵌合端の非接触周囲の嵌合端の中心に1個の磁極(例えば、N極)を提供するように円形に配置される。
【0078】
一例に従うと、非接触プラグコネクタ100の一方のアンテナ部材110又は120は左回り円偏波電波を送信や受信でき、非接触プラグコネクタ100の他方のアンテナ120又は110は右回り円偏波電波を送信や受信できる。少なくとも一方のアンテナ部材110又は120に関するより詳細な例は、
図2乃至
図5に対応する詳細な実施形態に関して与えられる。
【0079】
アンテナ部材110や120及び送受信回路155を実装するための異なる可能性がある。まず、
図1(A)及び
図1(B)に示されるように、アンテナ部材110や120は送受信回路155の給電部へ電気的に接続される。或いは、アンテナ部材110や120及び送受信回路155はモジュールとして具現化されてもよい。他の選択肢に従って、円偏波の電磁波を送信するためや受信するためのアンテナ部材110や120は、非偏波又は線形偏波電磁接続部を介して送受信回路155へ接続されてもよい。この代替の具現化では、アンテナ部材110や120は、送受信回路155からの非偏波又は線形偏波の電波を受信しそれを円偏波の電波へ変換し、その逆も同様である部材として理解されることができる。
【0080】
ここで
図2(A)及び
図2(B)を参照すると、本発明の例示的実施形態の非接触プラグコネクタ200が固定状態の対応する相手コネクタ260と共に示されている。
【0081】
図2(A)は、相手コネクタ260と共に本発明の例示的実施形態の非接触プラグコネクタ200を示す断面図である。更に、
図2(B)は、A−A線に沿う
図2(A)の非接触プラグコネクタの横断面を示す。
【0082】
図2(A)及び
図2(B)の非接触プラグコネクタは、
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタに基づいており、対応する部品には、対応する参照番号及び用語が与えられる。対応する部品の詳細な記述は簡潔のために省略された。
【0083】
図2(A)及び
図2(B)に示される詳細な実施形態の非接触プラグコネクタ200は、第1のアンテナ部材210と第2のアンテナ部材220を含む。更に、非接触プラグコネクタ200は、第1のアンテナ部材210と第2のアンテナ部材220が取り付けられる印刷回路基板205を含む。印刷回路基板205は、非接触プラグコネクタ200内にその嵌合端に近接して配置される。
【0084】
詳細には、本実施形態の第1のアンテナ部材210は第1の所定の搬送周波数(f
1)を有する電波を送信するように構成され、且つ、本実施形態の第2のアンテナ部材220は第2の所定の搬送周波数(f
2)で変調された電波を受信するように構成される。
【0085】
更に、非接触プラグコネクタ200は、第1のアンテナ部材210と第2のアンテナ部材220に接続された送受信回路、及びベースバンド入力信号の入力のため及びベースバンド出力信号の出力のための入出力部を含むが、
図2(A)及び
図2(B)には、送受信回路と入出力部は示されていない。
【0086】
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタ100と同様に、非接触プラグコネクタ200は、加えて、対応する相手コネクタ260との電磁接続が確立されるように、相手コネクタ260の対応する嵌合端に近接して、非接触プラグコネクタ200の嵌合端を固定するための固定部材を含む。より詳細には、固定部材は、距離許容範囲(d
1)で、非接触プラグコネクタ200の嵌合端を対応する相手コネクタへ固定するように構成される。固定部材は、非接触プラグコネクタ200の図示の簡略化のために
図2(A)及び
図2(B)では省略されている。
【0087】
非接触プラグコネクタ200は、加えて、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態を参照して記述されたように、対応する相手コネクタ260への電力の送信や対応する相手コネクタ260からの電力の受信のための誘導結合部材を含むことができる。簡潔のために、誘導結合部材の記述は本実施形態では省略された。
【0088】
送信動作については、ベースバンド入力信号は、入出力部を介して非接触プラグコネクタ200の送受信回路へ入力される。送受信回路はベースバンド入力信号を第1の所定の搬送周波数(f
1)に変調する。その後、送受信回路は変調された入力信号を第1の所定の搬送周波数(f
1)の電波として放射するように変調された入力信号を第1のアンテナ部材210へ出力する。
【0089】
同様に、受信動作については、非接触プラグコネクタ200の送受信回路は、第2のアンテナ部材
220を介して第2の所定の搬送周波数(f
2)の電波を受信する。その後、送受信回路は受信された電波を復調し、その復調された電波をベースバンド出力信号として入出力部へ出力する。
【0090】
従って、送受信回路は、入力されたベースバンド入力信号を第1の所定の搬送周波数(f
1)へ変調し、変調されたベースバンド入力信号を第1のアンテナ部材210を介して送信し、且つ第2のアンテナ部材220を介して受信された第2の所定の搬送周波数(f
2)を有する電波をベースバンド出力信号へ復調するように構成される。
【0091】
有利なことに、送信動作のために第1の所定の搬送周波数(f
1)を利用し且つ受信動作のために第2の所定の搬送周波数(f
2)(第1の所定の搬送周波数(f
1)とは異なっている)を利用する非接触プラグコネクタによって、2個のアンテナ部材を介して両者間での干渉を生じることなく同時送信動作が可能とされる。
【0092】
第1の所定の搬送周波数と第2の所定の搬送周波数は、非接触プラグコネクタ200に対して予め構成されてもよいし、或いは入力、例えば、入出力部に含まれるスイッチやソフトウエアインターフェースを介してユーザによって構成されてもよい。或いは、第1の所定の搬送周波数と第2の所定の搬送周波数は、初期化中に、非接触プラグコネクタ200と対応する相手プラグコネクタに共通する所定の搬送周波数で変調された、予め定義された情報、例えば状態情報や初期化情報を伝送する非接触プラグコネクタによって構成されてもよい。
【0093】
より詳細な実施形態では、第1の所定の搬送周波数と第2の所定の搬送周波数は、
図1(A)及び
図1(B)に示されるように、誘導結合部材を含む非接触プラグコネクタ200が固定状態において対応する相手コネクタ260へ電力を送信するか又は対応する相手コネクタ260から電力を受信するかに依存して構成されてもよい。
【0094】
他の詳細な実施形態では、非接触プラグコネクタ200は、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態で述べられたように、誘導結合部材と検出器を含むことで両方向への電力の伝送を可能にするように構成される。次に、第1の所定の搬送周波数と第2の所定の搬送周波数は、電力が入出力部を介して受信されたこと又はそれが誘導結合部材を介して受信されたことを非接触プラグコネクタ200の検出器が検出することに依存して構成されることができる。
【0095】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態と同様に、非接触プラグコネクタ200の固定部材は、非接触プラグコネクタ200が回転された状態において対応する相手コネクタ260へ固定されることができるように構成されることができる。
【0096】
任意の回転状態に固定された時に、非接触プラグコネクタ
200が対応する相手コネクタへ電波を送信や対応する相手コネクから電波を受信することができるように、第1のアンテナ部材210と第2のアンテナ部材220は、円偏波を有する電波を送信や受信するように構成される。
図2(B)に示される例示的具現化に従って、第1のアンテナ部材210は右回り円偏波の電波を送信や受信するように構成され、第2のアンテナ部材220は左回り円偏波の電波を受信や伝送するように構成される。特定のタイプの円偏波にもかかわらず、非接触プラグコネクタ200のアンテナ部材210又は220は、電磁接続を確立するために、相手プラグコネクタ275の対応するアンテナ部材265又は270の円偏波のタイプと同じであるタイプの円偏波を介して送信や受信するように構成される。
【0097】
更に、任意の回転状態に固定された時に、非接触プラグコネクタ200が電力を対応する相手コネクタへ送信や電力を対応する相手コネクタから受信することができるために、任意の誘導結合部材が、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態で記述されたように、特定の構成を必要としてもよい。
【0098】
ここで、
図3(A)及び
図3(B)を参照すると、本発明の他の例示的実施形態に係る非接触プラグコネクタ300が、固定状態において対応する相手コネクタ360と共に示されている。
【0099】
図3(A)は本発明の例示的実施形態の非接触プラグコネクタ300並びに相手コネクタ360の断面図である。更に、
図3(B)はA−A線に沿う
図2(A)の非接触プラグコネクタの横断面を示す。
【0100】
図3(A)及び
図3(B)の非接触プラグコネクタは、
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタに基づいており、対応する部品は対応する参照番号及び用語が与えられる。対応する部品の詳細な記述は簡潔のために省略された。
【0101】
図3(A)及び
図3(B)に示される詳細な実施形態の非接触プラグコネクタ300は、単一のアンテナ部材310を含む。更に、非接触プラグコネクタ300は、アンテナ部材310が取り付けられる印刷回路基板305を含む。この印刷回路基板305は、その嵌合端に近接して非接触プラグコネクタ300内に配置される。
【0102】
加えて、非接触プラグコネクタ
300は、アンテナ部材310に接続される送受信回路と、ベースバンド入力信号の入力のため及びベースバンド出力信号の出力のための入出力部とを含むが、これらの送受信回路と入出力部は
図3(A)及び
図3(B)には示されていない。
【0103】
本実施形態の非接触プラグコネクタ300は、所定の搬送周波数を有する電波を交互に送信及び受信するように構成される。このために、送受信回路は、択一的に、(i)ベースバンド入力信号を変調し、それをアンテナ部材310へ送信する、又は(ii)アンテナ部材310から所定の搬送周波数を有する電波を受信し、それを復調するように構成される。
【0104】
特に、第1の期間において、即ち、ステップ(i)として、送受信回路は、入出力部を介して受信され且つ入力されたベースバンド入力信号を所定の搬送周波数に変調し、その変調されたベースバンド入力信号を少なくとも1個のアンテナ部材のうちの1個のアンテナ部材を介して伝送する。第2の期間において、即ち、ステップ(ii)として、送受信回路は、アンテナ部材310を介して受信された電波をベースバンド出力信号へ復調して、そのベースバンド出力信号を入出力部へ出力する。
【0105】
具体的には、非接触プラグコネクタ300は、予め定義されたタイムスケジュールを有するように構成される。そのタイムスケジュールに従って、送受信回路は、択一的に、(i)変調と送信動作、又は(ii)受信と復調動作を実行する。従って、送受信回路は、送信動作と受信動作との間で切り替わり、二つの動作間の干渉を回避する。
【0106】
タイムスケジュールの第1の期間と第2の期間は、予め構成されてもよいし、又はユーザによって時間信号に対する入力、例えば入出力部に含まれるスイッチやソフトウエアインターフェースを介して構成されてもよい。時間信号は、ステップ(i)が繰り返されるレートを定義する。或いは、タイムスケジュールの第1の期間と第2の期間は、非接触プラグコネクタ300と対応する相手プラグコネクタ360に共通の所定の搬送周波数で変調された、予め定義された情報、例えば状態情報や初期化情報を伝送する非接触プラグコンタクトによって初期化中に構成されてもよい。
【0107】
特に、この実施形態に係る送信動作や受信動作の成功のために、非接触プラグコネクタ300と対応する相手プラグコネクタ360は時間に関して同期されなければならない。特に、同期された時間は非接触プラグコネクタ300による及び相手プラグコネクタ360による同時送信動作が回避される状態を指す。同期された時間は非接触プラグコネクタ300に対する及び対応する相手プラグコネクタ360に対する同じ時間信号を必要とするわけではない。更に時間信号は、送信動作に関連して定義されてもよい、即ち、非接触プラグコネクタ300は、対応する相手コネクタ360による送信の開始に対応してその受信動作を再整合する。しかしながら、これには非接触プラグコネクタ300と対応する相手プラグコネクタ360が同じ第1の期間と第2の期間を有するように構成されることが必要である。
【0108】
より詳細な実施形態では、第1の期間と第2の期間は、
図1(A)及び
図1(B)で記述されるように誘導結合部材を含む非接触プラグコネクタ300が固定状態において対応する相手コネクタ360へ電力を送信するように構成されるか又はその対応する相手コネクタ360から電力を受信するように構成されるかに依存して構成されることができる。
【0109】
他の詳細な実施形態では、非接触プラグコネクタ300は、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態において記述されたように、誘導結合部材を含むことによって両方向へ電力を伝送できるように構成される。次に、第1の期間と第2の期間は、非接触プラグコネクタ300の検出器が入出力部を介して電力が受信されたことを検出したか、誘導結合部材を介して電力が受信されたことを検出したかに依存して構成されてもよい。
【0110】
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタ100と同様に、非接触プラグコネクタ300は、加えて、対応する相手コネクタ360との電磁接続が確立されるように相手コネクタ360の対応する嵌合端に近接して非接触プラグコネクタ300の嵌合端を固定するための固定部材を含む。より詳細には、固定部材は距離許容範囲(d
1)を持って非接触プラグコネクタ300の嵌合端を相手コネクタ360に固定するように構成される。固定部材は、非接触プラグコネクタ300の図示の簡略化のために
図3(A)及び
図3(B)では省略されている。
【0111】
非接触プラグコネクタ300は、加えて、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態を参照して記述されたように、対応する相手コネクタ360への電力の送信や対応する相手コネクタ260からの電力の受信のための誘導結合部材を含むことができる。簡潔のために、誘導結合部材の記述は本実施形態では省略された。
【0112】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態と同様に、非接触プラグコネクタ300の固定部材は、非接触プラグコネクタ300が回転された状態において対応する相手コネクタ360に固定されることができるように構成される。
【0113】
任意の回転状態において固定された時に、非接触プラグコネクタ300が対応する相手コネクタへ電波を送信することができる又はその相手コネクタから電波を受信することができるために、アンテナ部材310が、円偏波を有する電波を送信や受信するように構成される。
図3(B)に示される例示的具現化によれば、アンテナ部材310は、右回り円偏波の電波を送信するように構成され、且つ右回り円偏波の電波を受信するように構成される或いは逆に構成される。
【0114】
更に、任意の回転状態において固定された時に、非接触プラグコネクタ300が対応する相手コネクタへ電力を送信することができる又はその相手コネクタから電力を受信することができるために、任意の誘導結合部材が、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態で記述されたように特定の構成を必要としてもよい。
【0115】
ここで
図4を参照すると、本発明の他の例示的実施形態に係る非接触プラグコネクタ400が固定状態において対応する相手コネクタ460と共に示されている。
【0116】
図4(A)は、本発明の例示的実施形態の非接触プラグコネクタ400並びに相手コネクタの断面図である。更に、
図4(B)は、A−A線に沿う
図4(A)の非接触プラグコネクタの横断面を示す。
図4(C)は、本発明の例示的実施形態の非接触プラグコネクタ400並びに異なるように回転された相手コネクタの断面図である。更に、
図4(B)は、A−A線に沿う
図4(A)の非接触プラグコネクタの横断面を示す。
【0117】
図4の非接触プラグコネクタ400は、
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタに基づいており、そこでは、対応する部品は対応する参照番号及び用語が与えられる。対応する部品の詳細な記述は簡潔のために省略された。
【0118】
図4に示される詳細な実施形態の非接触プラグコネクタ400は、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420を含む。更に、非接触プラグコネクタ400は、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420が取り付けられる印刷回路基板405を含む。この印刷回路基板405は、非接触プラグコネクタ400内にその嵌合端に近接して配置される。
【0119】
特に、非接触プラグコネクタ400の印刷回路基板405は、対応する相手コネクタ460の印刷回路基板475と整列して
図4(A)及び
図4(B)に示されている、即ち、印刷回路基板405と印刷回路基板475は同じ平面上にある。
図4(C)及び
図4(D)において、非接触プラグコネクタ400の印刷回路基板405は、対応する相手コネクタ460の印刷回路基板475に直交する配置に示されている、即ち、印刷回路基板405によって画定される平面と印刷回路基板475によって画定される平面が直交している。
【0120】
この実施形態では、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420は非接触プラグコネクタ400の嵌合端内に印刷回路基板405の両側に取付けられている。第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420の印刷回路基板405の両側への取付けを可能とする(即ち、2個のアンテナ部材の各々に対して十分な空間を提供する)ために、印刷回路基板
405を非接触プラグコネクタ400の外側遮蔽部材(即ち、
図1(A)及び
図1(B)の部材145)や封止部材(即ち、
図1(A)及び
図1(B)の部材150)に直接接触するように配置することは不可能である。
【0121】
換言すれば、印刷回路基板405は、非接触プラグコネクタ400の嵌合端の横断面を2個のセグメントに細分割するように、非接触プラグコネクタ400内に長手方向へ配置される。例えば、非接触プラグコネクタ400の嵌合端が丸い横断面である場合、印刷回路基板405は、その横断面を2個の半円に細分割してもよく、各半円はセグメントに対応する。
【0122】
非接触プラグコネクタ400の嵌合端の横断面のセグメントの定義では、2個のセグメントの一方が第1のアンテナ部材410を含み、2個のセグメントの他方は第2のアンテナ部材420を含む。本実施形態の第1のアンテナ部材410は第1の所定の搬送周波数を有する電波を送信するように構成され、且つ本実施形態の第1のアンテナ部材420は第1の所定の搬送周波数を有する電波を受信するように構成される。
【0123】
更に、非接触プラグコネクタ400は、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420に接続された送受信回路、及びベースバンド入力信号の入力のため及びベースバンド出力信号の出力のための入出力部を含むが、
図4には、送受信回路と入出力部は示されていない。
【0124】
送信動作については、ベースバンド入力信号は、入出力部を介して非接触プラグコネクタ400の送受信回路へ入力される。送受信回路は、ベースバンド入力信号を第1の所定の搬送周波数に変調する。その後、送受信回路は、変調された入力信号を第1の所定の搬送周波数の電波として放射するように変調された入力信号を第1のアンテナ部材410へ出力する。
【0125】
同様に、受信動作については、非接触プラグコネクタ400の送受信回路は、第2のアンテナ部材420を介して第1の所定の搬送周波数の電波を受信する。その後、送受信回路は、受信された電波を復調し、その復調された電波をベースバンド出力信号として入出力部へ出力する。
【0126】
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタ100と同様に、非接触プラグコネクタ400は、加えて、対応する相手コネクタ460との電磁接続が確立されるように、相手コネクタ460の対応する嵌合端に近接して、非接触プラグコネクタ400の嵌合端を固定するための固定部材を含む。より詳細には、固定部材は、距離許容範囲(d
1)で、非接触プラグコネクタ400の嵌合端を対応する相手コネクタへ固定するように構成される。固定部材は、非接触プラグコネクタ400の図示の簡略化のために
図4では省略されている。
【0127】
非接触プラグコネクタ400は、加えて、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態を参照して記述されたように、対応する相手コネクタ460への電力の送信や対応する相手コネクタ460からの電力の受信のための誘導結合部材を含むことができる。簡潔のために、誘導結合部材の記述は本実施形態では省略された。
【0128】
図4に示されるように、印刷回路基板405は、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420が両側に取り付けられる印刷回路基板405のエリアに接地平面415を実現する層を含む。換言すれば、印刷回路基板405の内層は、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420が非接触プラグコネクタの印刷回路基板405に取り付けられる領域に、連続的接地平面415を提供する。接地平面415は導電性である。
【0129】
印刷回路基板405の接地平面415は第1のアンテナ部材410を第2のアンテナ部材420から遮蔽し、その逆も同様である。特に、送信動作中に、第1のアンテナ部材は、第1の所定の搬送周波数の電波を放射する。その電波は、第1のアンテナ部材410によって主に非接触プラグコネクタ400の嵌合端の方向へ放射される。しかしながら、第1のアンテナ部材410は、その電波の一部を第2のアンテナ部材420の方向へ放射してもよい。
【0130】
電波が第1のアンテナ部材410によって第2のアンテナ部材420の方向へ放射される理由が複数ある。第1に、第1のアンテナ部材の実装は、電波が全ての他の方向へ、即ち、第2のアンテナ部材の方向へ放射されるようにある程度の指向性を可能にするだけでもよい。第2に、非接触プラグコネクタ400の嵌合端内で第1のアンテナ部材410の周囲の他の部材の配置は、放射された電波の少なくとも一部を第2のアンテナ部材420の方向へ反射してもよい。
【0131】
特に、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420との間の短い距離(少なくとも印刷回路基板405の厚み)に起因して、第2のアンテナ部材420の受信感度が悪化する。
【0132】
これに関して、第1のアンテナ部材410を第2のアンテナ部材420から遮蔽する印刷回路基板405の接地平面415は、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420との間の干渉を低減し、その逆も同様である。
【0133】
他の詳細な実施形態では、非接触プラグコネクタ400は、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態で述べられたように、誘導結合部材と検出器を含むことで両方向への電力の伝送を可能にするように構成される。次に、第1の所定の搬送周波数と第2の所定の搬送周波数は、電力が入出力部を介して受信されること又はそれが誘導結合部材を介して受信されることを非接触プラグコネクタ200の検出器が検出することに依存して構成されることができる。
【0134】
図1(A)及び
図1(B)の実施形態と同様に、非接触プラグコネクタ400の固定部材は、非接触プラグコネクタ400が回転された状態において対応する相手コネクタ460へ固定されることができるように構成される。
【0135】
任意に回転された状態で固定される時、非接触プラグコネクタ
400が電波を対応する相手コネクタへ送信することや電波を対応する相手コネクタから受信することができるために、第1のアンテナ部材410と第2のアンテナ部材420は、円偏波を有する電波を送信や受信するように構成される。
図4(B)及び
図4(D)に示される例示的具現化に従って、第1のアンテナ部材410は右回り円偏波の電波を送信や受信するように構成され、且つ第2のアンテナ部材420は左回り円偏波の電波を受信や伝送するように構成される。特定のタイプの円偏波にもかかわらず、非接触プラグコネクタ400のアンテナ部材410又は420は、電磁接続を確立するために、相手プラグコネクタ475の対応するアンテナ部材465又は470の円偏波のタイプと同じタイプの円偏波を介して送信や受信するように構成される。
【0136】
更に、任意の回転状態に固定された時に、非接触プラグコネクタ400が対応する相手コネクタ460へ電力を送信することや対応する相手コネクタ460から電力を受信することができるために、任意の誘導結合部材が
図1(A)及び
図1(B)の実施形態で記述されたように、特定の構成を必要としてもよい。
【0137】
ここで、
図5(A)及び
図5(B)を参照すると、本発明の例示的実施形態に従う非接触プラグコネクタ500が固定状態において対応する相手コネクタ560と共に示されている。
【0138】
図5(A)は、本発明の例示的実施形態の非接触プラグコネクタ500並びに相手コネクタ560の断面図である。更に、
図5(B)はA−A線に沿う
図5(A)の非接触プラグコネクタ500の横断面を示す。
【0139】
図5(A)及び
図5(B)の非接触プラグコネクタは、
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタに基づいており、対応する部品は対応する参照番号及び用語が与えられる。対応する部品の詳細な記述は簡潔のために省略された。
【0140】
図5(A)及び
図5(B)に示される詳細な実施形態の非接触プラグコネクタ500は、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520を含む。更に、非接触プラグコネクタ500は、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520が取り付けられる印刷回路基板505を含む。印刷回路基板505は、非接触プラグコネクタ500内のその嵌合端に近接して配置される。
【0141】
この実施形態において、印刷回路基板505は、その印刷回路基板505の一部によって画定される平面が非接触プラグコネクタの嵌合端の前面に略平行であるように非接触プラグコネクタ500内に配置され、少なくとも1個のアンテナ部材の第1のアンテナ部材と第2のアンテナ部材は、PCBの一部上の第2の予め定義された距離(d
2)に取り付けられる。
【0142】
換言すれば、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520を取付ける印刷回路基板505の一部は、非接触プラグコネクタ500の嵌合端内に前面に対して整列する。特に、印刷回路基板505の一部は、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520を非接触プラグコネクタ500の嵌合端の前面から等距離に配置することを可能とする。
【0143】
更に、非接触プラグコネクタ500は、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520に接続された送受信回路、及びベースバンド入力信号の入力のため及びベースバンド出力信号の出力のための入出力部を含むが、
図5(A)及び
図5(B)には、送受信回路と入出力部は示されていない。
【0144】
送信動作については、ベースバンド入力信号は、入出力部を介して非接触プラグコネクタ500の送受信回路へ入力される。送受信回路は、ベースバンド入力信号を第1の所定の搬送周波数に変調する。その後、送受信回路は、変調された入力信号を第1の所定の搬送周波数の電波として放射するように変調された入力信号を第1のアンテナ部材510へ出力する。
【0145】
同様に、受信動作については、非接触プラグコネクタ500の送受信回路は、第2のアンテナ部材520を介して第1の所定の搬送周波数の電波を受信する。その後、送受信回路は、受信された電波を復調し、その復調された電波をベースバンド出力信号として入出力部へ出力する。
【0146】
有利なことに、非接触プラグコネクタ500の嵌合端内の印刷回路基板505の配置によって第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520の実装が可能となり、電波が、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520の頂部からの伝送やそれらの頂部での受信が行われる。第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520の実装は、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520のハウジング内に回路を集積する場合に有利である。特に、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520のこの実装は、第1のアンテナ部材510や第2のアンテナ部材520内に送受信回路の機能性の統合を可能とする。
【0147】
図1(A)及び
図1(B)の非接触プラグコネクタ100と同様に、非接触プラグコネクタ500は、加えて、対応する相手コネクタ560との電磁接続が確立されることができるように、相手コネクタ560の対応する嵌合端に近接して、非接触プラグコネクタ500の嵌合端を固定するための固定部材を含む。より詳細には、固定部材は距離許容範囲(d
1)で、非接触プラグコネクタ500の嵌合端を対応する相手コネクタへ固定するように構成される。固定部材は、非接触プラグコネクタ500の図示の簡略化のために
図5(A)及び
図5(B)では省略されている。
【0148】
非接触プラグコネクタ500は、加えて、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態を参照して記述されたように、対応する相手コネクタ560への電力の送信や対応する相手コネクタ560からの電力の受信のための誘導結合部材を含むことができる。簡潔のために、誘導結合部材の記述は本実施形態では省略された。
【0149】
他の詳細な実施形態では、非接触プラグコネクタ500は、
図1(A)及び
図1(B)の実施形態で述べられたように、誘導結合部材と検出器を含むことで両方向への電力の伝送を可能にするように構成される。次に、第1の所定の搬送周波数と第2の所定の搬送周波数は、電力が入出力部を介して受信されたこと又はそれが誘導結合部材を介して受信されたことを非接触プラグコネクタ500の検出器が検出することに依存して構成されることができる。
【0150】
図1(A)及び
図1(B)に示される実施形態と同様に、非接触プラグコネクタ500の固定部材は、非接触プラグコネクタ500が回転された状態において対応する相手コネクタ560へ固定されることができるように構成されることができる。
【0151】
任意の回転状態に固定された時に、非接触プラグコネクタ500が対応する相手コネクタへ電波を送信することや非接触プラグコネクタ500が対応する相手コネクから電波を受信することができるように、第1のアンテナ部材510と第2のアンテナ部材520は円偏波を有する電波の送信や円偏波を有する電波の受信をするように構成される。例示的具現化に従って、第1のアンテナ部材510は右回り円偏波の電波を送信や受信するように構成され、第2のアンテナ部材520は左回り円偏波の電波を受信や送信するように構成される。特定のタイプの円偏波にもかかわらず、非接触プラグコネクタ500のアンテナ部材510又は520は、電磁接続を確立するために、相手プラグコネクタ
560の対応するアンテナ部材565又は570の円偏波のタイプと同じであるタイプの円偏波を介して送信や受信するように構成される。
【0152】
更に、任意の回転状態において固定された時に非接触プラグコネクタ500が対応する相手コネクタ560へ電力を送信することができる又はその相手コネクタ560から電力を受信することができるために、任意の誘導結合部材が
図1(A)及び
図1(B)の実施形態で記述されたように特定の構成を必要としてもよい。
【0153】
一般的に、相手コネクタ260,360,460,560は双方向電磁接続を許容するように非接触プラグコネクタと同様な方法で実現されることができることが容易に理解されることができる。特に、相手コネクタは、少なくとも1個のアンテナ部材265,365,465,565及び270,470,570、印刷回路基板275,375,475,575、相互の固定部材、及び対応する機能性を有し本発明の上述の実施形態の非接触プラグコネクタに関して記述された利点を提供する印刷回路基板275,375,475,575内の任意の遮蔽層480を含むことができる。
【0154】
上述の本発明の全ての実施形態は、例えば、非接触プラグコネクタと対応する相手コネクタとの間のスループットを向上しようとする場合、互いに容易に組み合わされることができる。
【0155】
他の実施形態において、本発明の先行する実施形態のいずれかに従う非接触プラグコネクタと対応する相手コネクタを備える非接触プラグコネクタシステムが提供され、固定状態において、非接触プラグコネクタの少なくとも1個のアンテナ部材は、対応する相手コネクタとの電磁接続を可能とするように対応する相手コネクタに所定の距離で固定される。