特許第6045610号(P6045610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6045610半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045610
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   H01L21/92 604Z
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-558567(P2014-558567)
(86)(22)【出願日】2014年1月21日
(86)【国際出願番号】JP2014051060
(87)【国際公開番号】WO2014115702
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2015年7月21日
(31)【優先権主張番号】特願2013-11376(P2013-11376)
(32)【優先日】2013年1月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】坪田 康寿
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−027346(JP,A)
【文献】 特開平11−154785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
B23K 1/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に酸素含有膜が形成されたハンダを表面に有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる工程と、
前記基板支持部のリフターピン先端と前記基板支持部上面との距離を第1の距離に調整すると共に、前記処理室内に還元性ガスを供給し、前記処理室内のガスの熱伝導率を第1の熱伝導率として、前記酸素含有膜を還元する工程と、
前記リフターピン先端と前記基板支持部上面との距離を第2の距離に調整すると共に、前記処理室内に熱伝導性ガスを供給し、前記処理室内のガスの熱伝導率を前記第1の熱伝導率よりも高い第2の熱伝導率として、前記ハンダを溶融させる工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記ハンダを溶融させる工程では、前記基板を250℃以下の温度で処理し、
前記第2の距離は0.5〜5mmの範囲である、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の距離は、前記第2の距離よりも長い、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記酸素含有膜を還元する工程では、前記ハンダが溶融する温度未満で前記基板をプラズマ処理する工程を有し、
前記ハンダを溶融させる工程では、前記ハンダが溶融する温度以上、且つ、前記基板が損傷する温度未満で前記基板を処理する工程を有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記基板支持部は前記リフターピンとヒータを備え、
前記酸素含有膜を還元する工程及び前記ハンダを溶融させる工程では、前記リフターピン先端に前記基板を載置し、一定温度に保持された前記ヒータにより前記基板を加熱する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記酸素含有膜を還元する工程及び前記ハンダを溶融させる工程では、前記ヒータは、前記ヒータと前記基板の周囲に存在するガスを経由した伝導伝熱により前記基板を加熱する、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記ハンダを溶融させる工程では、前記処理室内の圧力を、前記酸素含有膜を還元する工程の圧力よりも高くする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記ハンダを溶融させる工程では、前記熱伝導性ガスとして前記還元性ガスを前記処理室内に供給し、
前記酸素含有膜を還元する工程及び前記ハンダを溶融させる工程では、前記還元性ガスと共に、前記還元性ガスとは熱伝導率の異なる添加ガスを前記処理室内に供給し、
前記ハンダを溶融させる工程における前記添加ガスに対する前記還元性ガスの比率は、前記酸素含有膜を還元する工程における比率よりも高くする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
基板を先端に載置するリフターピンと、前記リフターピンの先端に載置された前記基板を加熱するヒータと、を備える基板支持部と、
前記基板支持部が設けられる処理室と、
前記処理室内に還元性ガスを供給する還元ガス供給部と、
前記処理室内に熱伝導性ガスを供給する熱伝導性ガス供給部と、
リフターピンの先端に、表面に酸素含有膜が形成されたハンダを表面に有する前記基板を載置する工程と、前記ヒータを一定温度に保持するように制御しながら、前記処理室内のガスが第1の熱伝導率になるように前記還元性ガスを供給し前記酸素含有膜を還元する工程と、前記処理室内のガスが前記第1の熱伝導率よりも高い第2の熱伝導率になるように熱伝導性ガスを供給し前記ハンダを溶融させる工程と、を行うように前記リフターピン、前記ヒータ、前記還元ガス供給部と前記熱伝導性ガス供給部を制御するよう構成された制御部と、
を有する基板処理装置。
【請求項10】
前記処理室に励起部が設けられ、
前記制御部は、前記酸素含有膜を還元する工程で前記還元性ガスを励起するように前記励起部を制御するよう構成された請求項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
表面に酸素含有膜が形成されたハンダを表面に有する基板を、基板処理装置の処理室内に設けられた基板支持部に載置させる手順と、
前記基板支持部のリフターピン先端と前記基板支持部上面との距離を第1の距離に調整すると共に、前記処理室内に還元性ガスを供給し、前記処理室内のガスの熱伝導率を第1の熱伝導率として前記酸素含有膜を還元する手順と、
前記リフターピン先端と前記基板支持部上面との距離を第2の距離に調整すると共に、前記処理室内に熱伝導性ガスを供給して前記処理室内のガスの熱伝導率を前記第1の熱伝導率よりも高い第2の熱伝導率として前記ハンダを溶融させる手順と、
をコンピュータにより前記基板処理装置に実行させるプログラム。
【請求項12】
前記酸素含有膜を還元する手順では、前記ハンダが溶融する温度未満で前記基板をプラズマ処理し、
前記ハンダを溶融させる手順では、前記ハンダが溶融する温度以上、且つ、前記基板が損傷する温度未満で前記基板を処理する、請求項11に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプをリフロー処理する半導体装置の製造方法、基板処理装置および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置を高集積実装する為に、半導体装置のパッケージの小型化が求められている。その為、半導体装置の電極とリードフレームとの接続は、バンプと称する凸形状のハンダ端子が用いられるのが主流と成ってきている。このバンプを用いることで半導体装置とリードフレームを重ねて接続することが可能となり、実装基板の平面方向のスペースを省くことが出来る。又、バンプは半導体装置とリードフレームとを積層する場合だけでなく、近年研究が盛んなSi貫通電極(TSV:Through−Si Via、以下TSVと称する)を用いた半導体装置の3次元実装においても、その接続箇所に用いられる。
【0003】
バンプは、半導体装置上に電極を形成した後に、その電極上にペースト印刷法やめっき法を用いてハンダを盛って形成するのが一般的である。しかし、ペースト印刷法やめっき法によって盛られたハンダ表面には微細な凹凸が生じており、このままでハンダの接続を行うと、ハンダ内部に気泡が取り込まれてしまい接続強度や耐性が低下してしまう。これを防ぐ為に、事前にハンダを融点以上に加熱して一旦溶融させることでハンダ表面を平滑化する熱処理が必要となる。この熱処理はリフローと称される。
【0004】
リフローは様々な方法が開示されており、例えば、特開2012−9597号広報(以下では、特許文献1と称する)では、プラズマを用いてハンダの自然酸化膜を除去する工程と、ヒータからの輻射熱によってハンダを溶融させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−9597号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、半導体装置の製造品質を向上させると共に、製造スループット向上させることが可能な半導体装置の製造方法、基板処理装置および記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、
表面に酸素含有膜が形成されたハンダを表面に有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる工程と、前記処理室内に還元性ガスを供給し、前記処理室内の熱伝導率を第1の熱伝導率として前記酸素含有膜を除去する酸化層除去工程と、前記処理室内に熱伝導性ガスを供給して前記処理室内の熱伝導率を第2の熱伝導率として前記ハンダを溶融させるリフロー工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、
表面に酸素含有膜が形成されたハンダを表面に有する基板が載置される基板支持部と、前記基板支持部が設けられる処理室と、前記処理室内に還元性ガスを供給する還元ガス供給部と、前記処理室内に熱伝導性ガスを供給する熱伝導性ガス供給部と、前記処理室内が第1の熱伝導率になるように還元性ガスを供給し前記酸素含有膜を除去する工程と、前記処理室内が第2の熱伝導率になるように熱伝導性ガスを供給し前記ハンダを溶融させるリフロー工程と、を行うように前記還元ガス供給部と前記熱伝導性ガス供給部を制御する制御部と、を有する基板処理装置が提供される。
【0009】
本発明の更に他の態様によれば、
表面に酸素含有膜が形成されたハンダを表面に有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる手順と、前記処理室内に還元性ガスを供給し、前記処理室内の熱伝導率を第1の熱伝導率として前記酸素含有膜を除去する酸化層除去手順と、前記処理室内に熱伝導性ガスを供給して前記処理室内の熱伝導率を第2の熱伝導率として前記ハンダを溶融させるリフロー手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る半導体装置の製造方法、基板処理装置および記録媒体によれば、品質の良いリフロー処理をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成である。
図2】(a)本発明の一実施形態に係る処理前の基板の構成例である。 (b)本発明の一実施形態に係る処理後の基板の構成例である。 (c)本発明の一実施形態に係るダイス状態の基板の構成例である。
図3】本発明の一実施形態に係る搬送系の構成例の側面断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る搬送系の構成例の上面断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るコントローラの構造例である。
図6】本発明の一実施形態に係る基板処理工程のフロー例である。
図7】本発明の一実施形態に係る基板処理時のシーケンス例である。
図8】本発明の第二の実施形態に係る基板処理時のシーケンス例である。
図9】本発明の第二の実施形態に係る基板処理時のシーケンス例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明の一実施形態について説明する。
【0013】
(1)基板処理装置の構成 まず、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法を実施する基板処理装置の構成例について、図1を用いて説明する。図1は、基板処理装置の断面構成図である。ここでは、プラズマ発生方式の一例として高周波無電極放電型のプラズマ処理装置を例にとって説明する。
【0014】
図1に処理装置410の概略構成図を示す。処理装置410は、後述する基板としてのウエハ600を載置する基板支持部と、ガス供給部と、後述する処理容器431内にプラズマを生成する励起部と、排気部により構成される。
【0015】
(基板)
基板としてのウエハ600には、図2(a)に示すように、アルミパッド601、アンダーバンプメタル602、Niプレート603、バンプ(ハンダ)604が形成され、ハンダ604には、酸化膜605が形成されている。なお、アルミパッド601やNiプレート603は、これら元素に限定されるものでは無く、Au、Ag、Cuなどでも良い。酸化膜605は、バンプが形成された後に、行われるレジストの除去工程や、基板処理装置間を搬送される過程などで形成される。発明者は、このような基板に対して、後述の自然酸化膜を除去する酸化層除去工程とリフロー工程を施すことによって、品質の良いハンダを形成し、基板に加わる熱ストレスを最小限にできることを見出した。また、発明者等は、異なる2つ以上の基板が積層している基板を処理する際には、後述する基板温度の調整が有効であること見出した。異なる2つ以上の基板は、例えば、研削処理されたシリコン(Si)基板とサポートガラス基板などである。リフロー処理においては、基板上の接着剤またはハンダを融点以上に加熱することが必須であるが、過剰に加熱した場合に、ハンダ中に望ましくない合金化反応が生じる課題が有る。更に、加熱された基板が熱に起因するストレスを受けることは不可避となる。3次元実装によって、多くの基板が積層されている場合、この熱ストレスの影響が無視出来ない。また、TSV技術を採用した基板では、研削してSi基板を薄化し、サポートガラスと接着剤で張り合わせている場合が有る。この場合、熱ストレスによるSi基板とサポートガラスの剥離だけでなく、接着剤の耐熱温度にも留意することが必要となる。また、異なる2つ以上の基板の少なくとも一方は、ダイス状態である場合が有る。ダイス状態とは、図2(c)に示すようにシリコンウエハから個々のチップ単位に切り出したダイ610が複数個、支持基板611に載置された状態のことを言う。このような状態の基板を処理する際には、より一層、精密な温度調整が必要となる。例えば、支持基板611が不均一に加熱された場合には、支持基板に載置されたダイの位置がずれたり、載置されたダイ間の温度がそれぞれ異なることが起きる可能性が有る。
【0016】
(処理室)
処理容器431は、通常、非金属材料の石英ガラスやセラミックスによって円筒状に形成されている。処理容器431の上端はトッププレート454で閉塞され、下端は架台としての水平なベースプレート448および底基板469で閉塞され、また、後述する圧力調整機構によって、気密に封止される。処理容器431の上側であって、後述する励起部としての共振コイル432が対向する空間は、プラズマが生成されるプラズマ発生室430となる。また、励起部としての共振コイル432よりも下側であって、ウエハ600が設けられる空間は、処理室445となる。
【0017】
(基板支持部)
処理室445の底面にはサセプタ459が設けられる。サセプタ459は、サセプタテーブル411とサセプタ上のウエハを加熱する基板加熱部463とを有する。又、サセプタ459は、複数本の支柱461によって支持された構造となっている。このサセプタテーブル411を貫通して、複数本からなるリフターピン413設けられており、その上部にはウエハ支持ピン414が具備されている。ウエハ支持ピン414はサセプタ459の中心方向に延出している。ウエハ600はサセプタテーブル411またはウエハ支持ピン414に載置される。また、サセプタテーブル411の下側には、加熱部としてのヒータ463が設けられ、ウエハ600を加熱できるようになっている。基板支持部は、ウエハ支持ピン414で構成される。場合によっては、サセプタテーブル411とリフターピン413とを含めて考えても良い。リフターピン413は、昇降基板471に接続され、ガイドシャフト467に沿って、昇降駆動部490により昇降可能に構成されている。
【0018】
(排気部)
サセプタ459の下方には、排気部が設けられる。排気部は圧力調整部(圧力調整機構)としてのAPC(Auto Pressure Control)バルブ479と排気管480を有する。場合によっては、排気ポンプ481を排気部に含めるようにしても良い。APCバルブ479のバルブ開度は、処理室445内の圧力を元にフィードバック制御されるよう構成される。処理室445内の圧力は、圧力センサ(不図示)によって測定される。
【0019】
(バッフルリング)
また、処理ガスの流れを、改善するために、円筒状のバッフルリング458と排気板465を設けても良い。バッフルリング458には円筒側面に通気孔が多数均一に設けられ、排気板465には中央部に排気連通孔475が設けられる。サセプタ459、バッフルリング458、排気板465によって第1排気室474が形成され、排気板465と底基板469とによって第2排気室476が形成された構造となっており、第1排気室474と第2排気室476とは排気連通孔475によって連通されている。又、第2排気室476には排気管480が連通されている。第1排気室474と第2排気室476をそれぞれ設けることによって、前記ウエハ600の全周方向から均一に排気をすることができ、ウエハ600への処理均一性を向上させることができる。
【0020】
(ガス供給部)
処理容器431の上部のトッププレート454には、図中省略のガス供給設備から所要の複数の反応ガスを供給する為のガス供給管455が、ガス導入口433に付設されている。ガス供給管455には、N2ガスを供給する第一のガス供給部、及びその他のガス、ここでは、H2ガスやHeガス等を供給する第二のガス供給部を設けている。ガス供給部にはそれぞれ、流量制御部であるマスフロコントローラ477、483及び開閉弁478、484が設けられており、ガス供給量を制御することが出来る。ここでは第二のガス供給部までのみ記載しているが、第三以降のガス供給部があっても良い。又、使用するガスを事前に混合してからガス導入口433に流しても良い。更に、処理容器431内には、反応ガスを処理容器431の内壁に沿って流れるようにする為、略円形で石英ガラスやセラミックスからなるバッフル板460が設けられている。
流量制御部及びAPCバルブ479によって供給量、排気量を調整することにより、処理容器431と処理室445の圧力が所望の値に制御される。
【0021】
(励起部)
励起部としての共振コイル432は、所定の波長の定在波を形成する為、一定波長のモードで共振するように巻径、巻回ピッチ、巻数が設定される。即ち、共振コイル432の電気的長さは、高周波電源444から供給される電力の所定周波数における1波長の整数倍(1倍、2倍、・・・)又は半波長もしくは1/4波長に相当する長さに設定される。例えば、27.12MHzの場合、1波長の長さは約11メートルである。使用する周波数及び共振コイル長は、所望するプラズマ発生状態やプラズマ発生室430の機械的な寸法などに応じて選択されると良い。
【0022】
より具体的には、共振コイル432は、印加する電力や発生させる磁界強度又は適用する装置の外形などを勘案し、例えば、800kHz〜50MHz、0.5〜5kWの高周波電力によって0.01〜10ガウス程度の磁場を発生し得る様に、50〜300mm2の有効断面積であって、かつ200〜500mmのコイル直径に構成され、処理容器431の外周側に2〜60回程度巻回される。共振コイル432を構成する素材としては、銅パイプ、銅の薄板、アルミニウムパイプ、アルミニウム薄板、ポリマーベルトに銅板又はアルミニウムを蒸着した素材等が使用される。共振コイル432は、絶縁性材料にて平板状に形成され、かつベースプレート448の上端面に鉛直に立設された複数の支持部によって支持される。
【0023】
共振コイル432の両端は電気的に接地されているが、共振コイル432の少なくとも一端は、装置の最初の設置の際又は処理条件の変更の際に当該共振コイルの電気的長さを微調整する為、稼動タップ462を介して接地される。例えば、固定接地箇所464により接地される。更に、装置の最初の設置の際又は処理条件の変更の際に、共振コイル432のインピーダンスを微調整する為、共振コイル432の接地された両端の間には、可動タップ466によって給電部が構成される。
【0024】
即ち、共振コイル432は、電気的に接地されたグラウンド部を両端に備え、かつ高周波電源444から電力供給される給電部を各グラウンド部の間に備える。また、少なくとも一方のグラウンド部は、位置調整可能な可変式グラウンド部であって、給電部は、位置調整可能な可変式給電部としても良い。共振コイル432が可変式グラウンド部及び可変式給電部を備えている場合には、後述する様に、プラズマ発生室430の共振周波数及び負荷インピーダンスを調整するにあたり、より一層簡便に調整することが出来る。
【0025】
更に、共振コイル432の一端(又は両端)には、位相及び逆位相電流が共振コイル432の電気的中点に関して対象に流れる様に、コイル及びシールドから成る波形調整回路が挿入されても良い。斯かる波形調整回路は、共振コイル432の端部を電気的に非接続状態とするか又は電気的に等価の状態に設定することにより開路に構成される。又、共振コイル432の端部は、チョーク直列抵抗によって非接地とし、固定基準電圧に直流接続されても良い。
【0026】
外側シールド452は、共振コイル432の外側への電磁波の漏れを遮蔽するとともに、共振回路を構成するのに必要な容量成分を共振コイル432との間に形成する為に設けられる。外側シールド452は、一般的には、アルミニウム合金、銅又は銅合金等の導電性材料を使用して円筒状に形成される。外側シールド452は、共振コイル432の外周から、例えば、5〜10mm程度隔てて配置される。そして、通常、外側シールド452は、共振コイル432の両端と電位が等しくなる様に接地されるが、共振コイル432の共振数を正確に設定する為、外側シールド452の一端又は両端は、タップ位置を調整可能になされたり、或いは、共振コイル432と外側シールド452の間には、トリミングキャパシタンスが挿入されたりしても良い。また、電気的に接地された外側シールド452と共振コイルとにより、螺旋共振器が構成される。
【0027】
高周波電源444としては、共振コイル432に必要な電圧及び周波数の電力を供給出来る電源である限り、RFジェネレータ等の適宜の電源を使用できる。例えば、周波数80kHz〜800MHzで0.5〜5kW程度の電力を供給可能な高周波電源が使用される。
【0028】
また、高周波電源444の出力側には反射波電力計468が設置され、反射波電力計468によって検出された反射波電力が、制御部として用いられるコントローラ500に入力される。コントローラ470は、単に高周波電源444のみを制御するものではなく、例えば、基板搬送機構やゲートバルブの動作等を含めた、当該基板処理装置全体の制御を行っている。表示装置としてのディスプレイ472は、例えば、反射波電力計468による反射波の検出結果等の当該基板処理装置に設けられた各種検出部で検出されたデータ等を表示する。なお、高周波電源444には発信周波数を制御する周波数整合器446が設けられている。
【0029】
本実施形態において、励起部は、共振コイル432で構成されるが、高周波電源444、外部シールド452、反射波電力計468、周波数整合器446の内1つ以上を含めて考えても良い。
【0030】
(基板搬送系)
次に、本実施形態における基板の搬送系について、図3図4を用いて説明する。基板を搬送する搬送系は、EFEM(Equipment FrontEnd Module)100と、ロードロックチャンバ部200と、トランスファーモジュール部300を有する。
【0031】
EFEM100は、FOUP(Front Opening Unified Pod)110、120及びそれぞれのFOUPからロードロックチャンバへウエハを搬送する第1の搬送部である大気搬送ロボット130を備える。 FOUPには25枚のウエハが搭載され、大気搬送ロボット130のアーム部がFOUPから5枚ずつウエハを抜き出す。
【0032】
ロードロックチャンバ部200は、ロードロックチャンバ250、260と、FOUPから搬送されたウエハ600をロードロックチャンバ250、260内でそれぞれ保持するバッファユニット210、220を備えている。バッファユニット210、220は、ボート211、221とその下部のインデックスアセンブリ212、222とを備えている。ボート211(221)と、その下部のインデックスアセンブリ212(222)は、θ軸214(224)により同時に回転する。なお、ロードロックチャンバ部200内は、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気、不活性ガスが供給される減圧雰囲気あっても良い。
【0033】
トランスファーモジュール部300は、搬送室として用いられるトランスファーモジュール310を備えており、先述のロードロックチャンバ250、260は、ゲートバルブ311、312を介して、トランスファーモジュール310に取り付けられている。トランスファーモジュール310には、第2の搬送部として用いられる真空アームロボットユニット320が設けられている。なお、トランスファーモジュール部300内は、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気、不活性ガスが供給される減圧雰囲気であっても良い。ウエハ600の搬送スループットを向上させつつ、ウエハ600への不用意な酸素吸着を抑制するには、ロードロックチャンバ部200内と、トランスファーモジュール部300内を不活性ガスが供給される減圧雰囲気にすることが好ましい。
【0034】
プロセスチャンバ部400は、処理室として用いられるプラズマ処理ユニット410、420と、その上部に設けられたプラズマ発生室430、440とを備えている。プラズマ処理ユニット410、420は、ゲートバルブ313、314を介してトランスファーモジュール310に取り付けられている。ここで、プラズマ処理ユニット420は410と同様の構成である。
【0035】
(コントローラ)
コントローラ500は、後述の基板処理工程を行うように、上述の各部を制御する。
【0036】
(制御部)
図5に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ500は、CPU(Central Processing Unit)500a、RAM(Random Access Memory)500b、記憶装置500c、I/Oポート500dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM500b、記憶装置500c、I/Oポート500dは、内部バス500eを介して、CPU500aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ500には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置501が接続されている。
【0037】
記憶装置500cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置500c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ500に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM500bは、CPU500aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0038】
I/Oポート500dは、上述の昇降駆動部490、ヒータ463、APCバルブ479、マスフロコントローラ477,483、開閉弁478,484、高周波電源444、可動タップ466、反射電力計468、周波数整合器446、排気ポンプ481、大気搬送ロボット130、ゲートバルブ313,314、真空アームロボットユニット320等に接続されている。
【0039】
CPU500aは、記憶装置500cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置501からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置500cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU500aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、昇降駆動部490によるリフターピン413の上下動作、ヒータ463によるウエハ600の加熱動作、APCバルブ479による圧力調整動作、マスフロコントローラ477,483と開閉弁478,484による処理ガスの流量調整動作、高周波電源444による高周波電力供給動作、反射電力計468による反射電力の計測動作、周波数整合器446による周波数整合動作、等を制御するように構成されている。又、可動タップ462、466の一調整を自動化し、共振コイル432のインピーダンス微調整動作をCPU500aによって制御させても良い。
【0040】
なお、コントローラ500は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ(USB Flash Drive)やメモリカード等の半導体メモリ)123を用意し、係る外部記憶装置123を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ500を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置123を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置123を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶装置500cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置500c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0041】
(2)基板処理工程
続いて、図6を用いて、本実施形態にかかる半導体製造工程の一工程として実施される基板処理工程について説明する。かかる工程は、上述の基板処理装置により実施される。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ500により制御される。
【0042】
(基板の搬入工程S10)
まず、ウエハ600が、FOUP110から大気搬送ロボット130によって、ロードロックチャンバ250に搬送される。ロードロックチャンバ250では、真空排気が行われ、EFEM内の大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気から、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気、不活性ガスが供給される減圧雰囲気に置換される。雰囲気の置換が終了すると、ロードロックチャンバ250とトランスファーモジュール310との間にあるゲートバルブ311が開放され、ウエハ600が真空アームロボットユニット320によって、ロードロックチャンバ250からトランスファーモジュール310内に搬送される。搬送されると、ゲートバルブ311は閉じられる。その後、トランスファーモジュール310とプラズマ処理ユニット410との間に設けられたゲートバルブ313を通してリフターピン413上のウエハ支持ピン414に載置する。ウエハ搬送機構が処理室445の外へ退避すると、ゲートバルブ313が閉じられる。このウエハ600の搬送時には、搬送経路を不活性ガスでパージし、かつ減圧状態で行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気にし、かつ減圧状態にすることで、ウエハ600に形成された半導体素子やハンダの酸化(酸素吸着)を抑制することができる。
【0043】
次に、リフターピン413を下降させ、ウエハ600をサセプタテーブル411上にウエハ600(リフターピン423先端)とサセプタテーブル411との距離を所定の第1の距離にする。第1の距離は、後述の第2の距離よりも長い距離L1にする。例えば、10〜20mmとする。ここでリフターピン413の昇降は、昇降駆動部490により昇降されることで行われる。サセプタ459に具備されたヒータ463は予め加熱されており、ウエハ600を室温〜100℃程度の範囲の内、所定のウエハ温度に加熱する。本実施形態においては、後述の酸化層除去工程では、ウエハ温度を100℃程度未満に保ち、その後のリフロー工程において基板上のハンダが溶融する温度までウエハ温度を上昇させるようにする。また、ウエハ600をサセプタテーブル411に載置しても良い。載置時には、ウエハ600の裏面の全体をサセプタテーブル411に接触させずに、点接触させ、ウエハ600とサセプタテーブル411との間に隙間を設けても良い。
【0044】
(処理ガス供給工程S20)
続いて、ガス供給管445から所定の処理ガスを供給する。処理ガスは、プラズマ状態で還元性を持つガスが用いられる。例えば、水素(H2)ガス、アンモニア(NH3)ガス、一酸化炭素(CO)ガスなどの少なくとも何れかが用いられる。また、後述の酸化層除去工程を妨げない範囲で不活性ガスや希ガスを混ぜても良い。本実施例では、H2ガスを用いた例を示す。また、APCバルブ479によって、排気量を調整することにより、処理室445内の圧力を1〜1330Pa程度の範囲の内、所定の圧力に維持する。例えば、100Paに維持される。ガス流量は、0.1〜10SLM程度の範囲の内、所定の流量に設定する。例えば、5SLMに設定される。また、必要に応じて、一旦、処理容器431と処理室445の雰囲気ガスを排気してから所定のガスを供給しても良い。
【0045】
(励起工程(酸化層除去工程)S30)
ガス流量、圧力が所望の設定値になったら、共振コイル432に、高周波電源444から高周波電力を印加して処理ガスを励起させ、プラズマを発生させる。印加する電力は、0.5〜5kW程度の範囲の内、所定の電力とする。例えば、1kWとする。発生したプラズマにより、所定時間、ウエハ600に所定の処理が施される。本実施例では、還元プラズマとして水素プラズマを発生させ、ウエハ600に形成された酸化層の除去処理が施される。
【0046】
(加熱工程(リフロー工程)S40)
ウエハ600に、酸化層除去工程を所定の時間施し終えたら、共振コイル432への高周波電力印加を停止する。また、処理ガスの供給を停止し、リフロー用ガスの供給を開始する。基板加熱用ガスは、例えば水素(H2)ガスやヘリウム(He)ガスなど、非腐食性で熱伝導が良好なガスが望ましい。又、不活性ガスを用いて簡便化しても良い。リフローガスを供給する際には、一度真空排気しても良い。次に、ウエハ600(リフターピン413の先端)とサセプタテーブル411との距離を第1の距離よりも短い第2の距離L2になるように、リフターピン413を降下させ、ウエハ600を所定の温度に加熱する。第2の距離は、0.5〜5mmの内所定の距離とする。例えば、2.5mmとする。ウエハ600の温度は、ハンダの溶融温度以上、かつ、基板の耐熱上限温度未満に加熱する。例えば200〜250℃程度に加熱する。ウエハ600を所定の温度に加熱することによって、ウエハ600上に形成されたハンダ製のバンプが溶融し、その表面が平坦化されるリフロー工程S40が施される。ここで特に、使用する基板が複数の基板を張り合わせた基板である場合、接着剤の耐熱温度や基板強度に考慮し、基板の剥離や割れが起きない範囲で耐熱上限温度を決めることが重要となる。
【0047】
(加熱調整工程S50)
リフロー工程S40では、ウエハ600上に形成された接着剤又はハンダを確実に溶融させると同時に、基板を保護するために過剰な加熱を抑制する必要が有る。ヒータ463からウエハ600への熱の移動量を調整するには、ウエハ600の周りに存在するガスによる伝導伝熱を調整することが有効である。リフロー工程が行われる温度は比較的低温であるためヒータ463からの輻射熱量は少ないからである。更には、平面状のヒータからウエハへ放たれる輻射熱の量は、ヒータとウエハとの距離に依存し難い為でも有る。
【0048】
伝導伝熱を調整するには、ヒータ463とウエハ600との距離を調整、処理室445内の圧力調整、ガス種・ガス濃度の調整が有効である。
【0049】
また、リフロー工程S40で、ウエハ600上に形成された接着材又はハンダを確実に溶融させるために、ソークタイムを設けることが好ましい。ソークタイムとは、所定の温度を維持する時間である。この所定の温度は、ハンダの融点以上、基板の耐熱温度以下となるように調整される。このときの調整は、上述の伝導伝熱の調整方法が有効である。
【0050】
(冷却工程S60)
リフロー工程が終了したら、ウエハ600(リフターピン413先端)とサセプタテーブル411との距離を第1の距離に調整する。また、ガスの供給を停止し、処理室445内を真空雰囲気とし、ウエハ600の降温を行う。この時、基板を搬出する準備として不活性ガスで置換しても良い。
【0051】
また、冷却工程S60で、ガスの供給を停止し、処理室445内を真空排気した後に不活性ガス又は後述の熱伝導の良いガスを供給しても良い。また、真空排気とガスの供給を交互に行うように構成しても良い。
真空排気とガス供給を行うことで、処理室445内に存在する加熱されたガスを除去することができ、基板の冷却時間を短縮することができる。また、処理室445内の部材で加熱されるガスを除去することができ、冷却時間を短縮することができる。
【0052】
(基板搬出工程S70)
ウエハ600の降温が終了したら、上述の基板の搬入工程S10の逆の手順で搬出する。
【0053】
(3)酸化層除去工程(S30)・リフロー工程(S40)・加熱調整工程(S50)
次に、図7,8,9を用いて酸化層除去工程S30とリフロー工程S40の詳細シーケンスについて説明する。
【0054】
図7に示すように、ウエハ600を処理室445に搬入する際には、ヒータ463の温度は、Thに設定されている。ウエハ600(基板)(リフターピン413の先端)とサセプタテーブル411(サセプタ)との距離は第1の距離L1に設定されている。ガスA(不活性ガス)はF1の流量で処理室445に供給され、処理室445内の圧力はPtに設定されている。ウエハ600が、ウエハ支持ピン414に支持され、ゲートバルブが閉められると、ガスAの供給が停止され、真空排気される。その後酸化層除去工程S30が開始される。
【0055】
酸化層除去工程S30では、ガスBとして、還元性ガスが処理室445内に供給される。還元性ガスは、例えば、水素(H2)ガスである。ガスBを供給し、処理室445内の圧力をP1に調整する。基板とサセプタとの距離は第1の距離L1を維持する。処理室445内の圧力が、安定したら、高周波電源444から共振コイル432に高周波が供給され、処理室445内のガスBが励起され、プラズマが発生する。この励起されたガスB(還元性プラズマ)によって、ウエハ600上に形成されたハンダと、場合によってはハンダと隣接する金属膜(導電性膜)などに形成された酸化膜が還元・除去される。所定の時間、プラズマを発生させた後、高周波電力の供給が停止、ガスBの供給が停止され酸化層除去工程S30が終了する。酸化層除去工程S30の終了後、リフロー工程S40を開始する。
【0056】
ウエハ600上に形成されたハンダは、確実に溶融させる必要がある。また、基板を保護するために過剰な加熱や急激な加熱を避ける必要がある。ハンダの融点は、形成されているハンダの種類によって、異なるが、概ね250℃未満である。従って、リフローする際の基板到達温度も250℃以下とすべきであって、それ以上の加熱は望ましくない。この様な加熱を一般的な熱容量の大きなヒータ構造を用いて行う場合、ヒータの設定温度は、ハンダの融点温度+αで一定に保持し、ヒータから基板への熱の移動量を調整することで、基板温度が所定の温度で飽和する様にすることが好ましい。一方、+αの温度は、ヒータから基板への熱の移動量を考慮して設定することが好ましい。例えば、0〜100℃程度の範囲内となる。ヒータ温度がこの様な温度帯である時、ヒータからの熱の輻射量は少ないため、ヒータと基板の周囲に存在するガスを経由した伝導伝熱量を調整することが有効である。
【0057】
具体的には、ガスCを流量F3で供給し、処理室445内の圧力をP2になるように調整する。また、基板(リフターピン413の先端)とサセプタとの距離を第2の距離L2になるようにリフターピン413を下降する。第2の距離L2は、例えば、0.5〜5mm程度の範囲で調整し、基板とサセプタとの間にガスが介在させることが好ましい。より好ましくは、基板とサセプタとの間にガス流が生じる距離にする。このように、圧力を上げ、基板(リフターピン413の先端)とサセプタとの距離を第2の距離にすることで基板の温度を上昇させることができる。またこのとき、ガスCは熱伝導率が良好なガスであれば、基板温度の均一性を向上させることができる。例えば、熱伝導率の高い、水素(H2)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガスなどが挙げられる。
なお、ここでは、第2の距離L2を基板とサセプタが接触しない距離になるように設定したが、基板とサセプタが接触することによって生じる、異物や基板の傷の量が許容できる範囲内である場合や、急激な加熱による基板の損傷が起こらない場合などには、基板とサセプタを接触させて加熱を行っても良い。
【0058】
また好ましくは、上述の酸化層除去工程S30では第1の熱伝導率とし、リフロー工程S40では第2の熱伝導率となるように調整する。ここで、第1の熱伝導率は第2の熱伝導率よりも小さくなるように調整する。
【0059】
熱伝導率の調節は、各工程で、上述の様な熱伝導率の異なるガスを供給することで行う。例えば、酸化層の除去工程では、水素とアルゴンを供給し、リフロー工程で、水素とヘリウムを供給する。または、両方の工程で水素とアルゴンを供給し、酸化層除去工程ではアルゴンガス比率を高めて、リフロー工程では水素ガス比率を高めることで、第2熱伝導率を第1熱伝導率よりも高くすることが可能になる。
【0060】
また、リフロー工程での圧力を酸化層除去工程の圧力よりも高くすることで、第2熱伝導率を第1熱伝導率よりも高くすることができる。
【0061】
また、ここでは、リフロー工程で、ガスBからガスCに切替えた例を示したが、これに限らず、図8に示すように、リフロー工程でも酸化層除去工程と同様のガスB(還元性ガス)をそのまま供給するようにしても良い。還元性ガスを供給し続けることで、基板への酸素吸着を防止することができる。
【0062】
更に、基板温度の昇降温プロファイルを調整するために、基板温度が過渡状態にある時の圧力とガス流量と、第2の距離L2を調整しても良い。例えば、図9に示すように、昇降温時の圧力の変化量デルタPr、デルタPfの緩急を調整しても良いし、一旦異なる圧力P12に保持してから最終的な圧力P2に保持することで調整しても良い。
【0063】
以上の様に、ガスを経由した基板への熱伝導量を制御することで、基板の昇温特性、飽和温度、降温特性を任意の特性に制御することができる。
【0064】
(4)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0065】
(a)本実施形態によれば、
ハンダの自然酸化膜を除去することができる。
【0066】
(b)また、ハンダ表面に形成された微細な凹凸を除去し、ハンダ表面を平滑化することができる。
【0067】
(c)また、酸化層除去工程とリフロー工程で基板(リフターピンの先端)とサセプタの距離を調整することによって、ハンダを確実に溶融させるとともに、基板の損傷を防止することができる。
【0068】
(d)また、基板への熱ストレスを抑制することができる。
【0069】
(e)また、還元性プラズマ処理することで、基板温度が低い状態で還元処理を行うことができる。
【0070】
(f)また、 ダイス状態の基板を処理しても、複数のダイを均一に処理することができる。
【0071】
(g)また、ダイス状態の基板を処理しても、支持基板に載置された複数のダイがずれることなく、処理することができる。
【0072】
(h)また、酸化層除去工程からリフロー工程の終了時まで、還元性ガスを供給し続けることによって、基板への酸素吸着を防止することができる。
【0073】
(i)また、リフロー工程において、基板を一旦異なる圧力に保持してから最終的な圧力に保持するように調整することによって、基板の昇温スピードを高速化させることができる。
【0074】
(j)また、冷却工程において、基板(リフターピンの先端)とサセプタとの距離を第2の距離よりも長くすることで、基板の冷却を促進することができる。
【0075】
(k)また、冷却工程において、リフロー工程で供給していたガスの供給を停止して真空排気することで、基板の冷却を促進することができる。
【0076】
(L)また、冷却工程において、ガスを経由した基板への熱伝導量を制御することで基板の急激な冷却を防止することができる。
【0077】
(m)ロードロックチャンバとトランスファーモジュール内を不活性ガス雰囲気にすることで、基板への酸素吸着を抑制することができる。
【0078】
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0079】
バンプリフロー処理の加熱工程において、反応室内の雰囲気調整によりガスを経由した基板への熱伝導量を制御することで、前記基板の昇温特性及び降温特性を所望の特性に制御することを特徴とするものであって、プラズマ発生方法、基板の同時処理枚数、基板を保持する向き、基板処理温度、基板処理室やヒータの形状等で実施範囲を限定されるものではない。
【0080】
例えば、本実施形態においては、共振コイルを用いたプラズマ発生方法を記したが、マイクロ波を用いたプラズマ発生方法でも良いし、平行平板電極によるプラズマ発生でも良い。
【0081】
なお、本発明は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、PVD(Physical Vapor Deposition)法等による酸化膜や窒化膜、金属膜等の種々の膜を形成する成膜処理を行う場合に適用できるほか、プラズマ処理、拡散処理、アニール処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理を行う場合にも適用できる。また、本発明は、薄膜形成装置の他、エッチング装置、アニール処理装置、酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、モールド装置、現像装置、ダイシング装置、ワイヤボンディング装置、乾燥装置、加熱装置、検査装置等の他の基板処理装置にも適用できる。
【0082】
また、本発明は、本実施形態に係る基板処理装置のような半導体ウエハを処理する半導体製造装置等に限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置や太陽電池製造装置等の基板処理装置にも適用できる。
【0083】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0084】
<付記1>
本発明の一態様によれば、
ハンダを有する基板を、処理室内に設けられたウエハ支持ピンに載置させる工程と、
前記処理室内に還元性ガスを供給する還元ガス供給工程と、
前記ウエハ支持ピン先端とサセプタテーブルとの距離を第1距離に調整、前記基板を第1温度に加熱する工程と、
前記還元性ガスを励起する励起工程と、
を有する還元工程と、
前記処理室内に熱伝導性ガスを供給する熱伝導ガス供給工程と、
前記ウエハ支持ピン先端とサセプタテーブルとの距離を第2距離に調整、前記基板を第2温度に加熱する工程と、
を有するリフロー工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0085】
<付記2>
付記1に記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記第1距離は、前記第2距離よりも長い。
【0086】
<付記3>
付記1又は付記2に記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記第1温度は前記第2温度よりも低くなるように調整する。
【0087】
<付記4>
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記第1温度は、前記ハンダが溶融しない温度であり、
前記第2温度は、前記ハンダが溶融する温度である。
【0088】
<付記5>
付記4に記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記第2温度は、前記ハンダが溶融する温度以上、前記基板が損傷しない温度以下である。
【0089】
<付記6>
他の態様によれば、
異なる2つ以上の基板と、接着剤又はハンダを有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる工程と、
前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、
前記基板支持部の位置を調整し、加熱部により前記基板を加熱する工程と、
前記処理室内の圧力を調整する工程と、前記処理ガスを励起する工程と、
前記処理室内の圧力を調整し、前記処理ガスによる前記基板への熱伝導量を制御する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0090】
<付記7>
付記6に記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記加熱工程において、前記基板の温度に応じて、前記処理ガスの濃度、流量を調整する工程を有する。
【0091】
<付記8>
付記6または付記7に記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記異なる2つ以上の基板は、研削処理されたシリコン基板とサポートガラス基板である。
【0092】
<付記9>
付記6乃至8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記異なる2つ以上の基板の少なくとも一方がダイス状態である。
【0093】
<付記10>
付記6乃至9のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記処理室には、不活性ガス雰囲気のロードロックが隣接され、前記基板の処理前後で当該ロードロック室を介して前記処理室に当該基板が出し入れされる。
【0094】
<付記11>
付記6乃至10のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記励起する工程では、励起された前記処理ガスによって、前記ハンダを加熱しつつ、
前記処理ガスによって前記基板を冷却する。
【0095】
<付記12>
更に他の態様によれば、
ハンダを有する基板を支持する、処理室内に設けられたウエハ支持ピンと、
前記処理室内に還元性ガスまたは熱伝導ガスを供給するガス供給部と、
前記還元性ガスを励起する励起部と、
前記基板を加熱する加熱部が設けられたサセプタテーブルと、
前記ウエハ支持ピン先端とサセプタテーブルとの距離を第1の距離に調整し、前記基板を第1温度に加熱しつつ前記還元ガスを励起する工程と、
前記ウエハ支持ピン先端とサセプタテーブルとの距離を第2の距離に調整し、前記基板を第2温度に加熱しつつ前記熱伝導ガスを供給する工程とを行うように、前記ウエハ支持ピンと前記ガス供給部と前記励起部とを制御する制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0096】
<付記13>
付記12の基板処理装置であって、好ましくは、
前記第1温度は前記第2温度よりも低い。
【0097】
<付記14>
付記12または付記13の基板処理装置であって、好ましくは、
前記第1温度は、前記ハンダが溶融しない温度であり、
前記第2温度は、前記ハンダが溶融する温度である。
【0098】
<付記15>
付記14に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記第2温度は、前記ハンダが溶融する温度以上、前記基板が損傷しない温度以下である。
【0099】
<付記16>
他の態様によれば、
異なる2つ以上の基板と、接着剤又はハンダを有する基板を処理する処理室と、
前記処理室内に設けられ、前記基板を支持する基板支持部と、
前記処理室内に処理ガスを供給するガス供給部と、
前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理室内の圧力を調整する圧力調整部と、
前記処理ガスを励起する励起部と、
前記処理室内の圧力を調整して前記処理ガスによる前記基板への熱伝導量を制御する制御部と、を有する基板処理装置が提供される。
【0100】
<付記17>
付記16に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記制御部は、前記基板を加熱する際に、前記基板の温度に応じて、前記処理ガスの濃度、流量を調整する。
【0101】
<付記18>
付記16又は付記17に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記異なる2つ以上の基板は、研削処理されたシリコン基板とサポートガラス基板である。
【0102】
<付記19>
付記16乃至18のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、
前記異なる2つ以上の基板の少なくとも一方がダイス状態である。
【0103】
<付記20>
付記16乃至19のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、
前記処理室に、不活性ガス雰囲気のロードロックが隣接され、当該ロードロックを介して前記基板を前記処理室に搬入出させる。
【0104】
<付記21>
付記16乃至20のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、
前記制御部は、前記処理ガスを励起する際に、前記励起された処理ガスによって前記接着剤又はハンダを加熱しつつ前記処理ガスによって前記基板を冷却するように前記ガス供給部と、前記励起部と前記圧力調整部を制御する。
【0105】
<付記22>
付記16乃至21のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、
前記圧力調整部の前段に、第1排気室と第2排気室を有する。
【0106】
<付記23>
更に他の態様によれば、
ハンダを有する基板を、処理室内に設けられたウエハ支持ピンに載置させる手順と、
前記処理室内に還元性ガスを供給する還元ガス供給手順と、
前記ウエハ支持ピン先端とサセプタテーブルとの距離を第1距離に調整、前記基板を第1温度に加熱する手順と、
前記還元性ガスを励起する励起手順と、
を有する還元手順と、
前記処理室内に熱伝導性ガスを供給する熱伝導ガス供給手順と、
前記ウエハ支持ピン先端とサセプタテーブルとの距離を第2距離に調整、前記基板を第2温度に加熱する手順と、
を有するリフロー手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0107】
<付記24>
更に他の態様によれば、
異なる2つ以上の基板と、接着剤又はハンダを有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる手順と、
前記処理室内に処理ガスを供給する手順と、
前記基板支持部の位置を調整し、加熱部により前記基板を加熱する手順と、
前記処理室内の圧力を調整する手順と、
前記処理ガスを励起する手順と、
前記処理室内の圧力を調整し、前記処理ガスによる前記基板への熱伝導量を制御する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0108】
<付記25>
更に他の態様によれば、
ハンダを有する基板を、処理室内に設けられたウエハ支持ピンに載置させる手順と、
前記処理室内に還元性ガスを供給する還元ガス供給手順と、
前記ウエハ支持ピン先端とサセプタテーブルとの距離を第1距離に調整、前記基板を第1温度に加熱する手順と、
前記還元性ガスを励起する励起手順と、
を有する還元手順と、
前記処理室内に熱伝導性ガスを供給する熱伝導ガス供給手順と、
前記ウエハ支持ピン先端とサセプタテーブルとの距離を第2距離に調整、前記基板を第2温度に加熱する手順と、
を有するリフロー手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが格納された記録媒体が提供される。
【0109】
<付記26>
他の態様によれば、
異なる2つ以上の基板と、接着剤又はハンダを有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる手順と、
前記処理室内に処理ガスを供給する手順と、
前記基板支持部の位置を調整し、加熱部により前記基板を加熱する手順と、
前記処理室内の圧力を調整する手順と、
前記処理ガスを励起する手順と、
前記処理室内の圧力を調整し、前記処理ガスによる前記基板への熱伝導量を制御する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが格納された記録媒体が提供される。
【0110】
<付記27>
更に他の態様によれば、
表面に酸素含有膜が形成されたハンダが表面に有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる工程と、
前記処理室内に還元性ガスを供給し、前記処理室内の熱伝導率を第1の熱伝導率として前記酸素含有膜を除去する酸化層除去工程と、
前記処理室内に熱伝導性ガスを供給して前記処理室内の熱伝導率を第2の熱伝導率として前記ハンダを溶融させるリフロー工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0111】
<付記28>
付記27に記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記第2の熱伝導率は前記第1の熱伝導率よりも高くなるように調整される。
【0112】
<付記29>
付記27又は付記28のいずれか一項に記載された半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記酸化層除去工程では、前記基板を前記基板支持部に載置させた状態で載置させ、
前記リフロー工程では、前記基板を前記酸化層除去工程よりも前記基板支持部から離間させて載置させて前記基板支持部と前記基板との間を第2の熱伝導率とする。
【0113】
<付記30>
表面に酸素含有膜が形成されたハンダを表面に有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる工程と、
前記基板の周囲に還元性ガスを供給し、前記処理室内の熱伝導率を第1の熱伝導率として前記酸素含有膜を除去する酸化層除去工程と、
前記基板の周囲に熱伝導性ガスを供給して前記処理室内の熱伝導率を第2の熱伝導率として前記ハンダを溶融させるリフロー工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0114】
<付記31>
表面に酸素含有膜が形成されたハンダを表面に有する基板を、処理室内に設けられた基板支持部に載置させる工程と、
前記基板の裏面側と表面側のいずれか又は両方に還元性ガスを供給し、前記処理室内の熱伝導率を第1の熱伝導率として前記酸素含有膜を除去する酸化層除去工程と、
前記基板の裏面側と表面側のいずれか又は両方に熱伝導性ガスを供給して前記処理室内の熱伝導率を第2の熱伝導率として前記ハンダを溶融させるリフロー工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0115】
<付記32>
付記1乃至付記11のいずれか一項に記載された半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記リフロー工程で、所定の温度で保持するように前記熱伝導性ガスの流量を調整する工程を有する。
【0116】
<付記33>
付記1乃至付記11のいずれか一項に記載された半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記リフロー工程の後に、前記リフロー工程中に前記処理室に供給されたガスを除去して冷却する工程を有する。
【産業上の利用可能性】
【0117】
半導体装置の製造品質を向上させると共に、製造スループット向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0118】
123・・・外部記憶装置、500・・・コントローラ、500a・・・CPU、500b・・・RAM、500c・・・記憶装置、500d・・・I/Oポート、500e・・・内部バス、501・・・入力装置、410・・・プロセスチャンバ、411・・・サセプタテーブル、413・・・リフターピン、414・・・ウエハ支持ピン、430・・・プラズマ発生室、431・・・処理容器、432・・・共振コイル、433・・・ガス導入口、444・・・高周波電源、445・・・処理室、446・・・周波数整合器、448・・・ベースプレート、452・・・外側シールド、454・・・トッププレート、455・・・ガス供給管、458・・・バッフルリング、459・・・サセプタ、460・・・バッフル板、461・・・支柱、462・・・可動タップ、463・・・基板加熱部、464・・・固定グランド、465・・・排気板、466・・・可動タップ、467・・・ガイドシャフト、468・・・反射波電力計、469・・・底基板、471・・・昇降基板、472・・・表示装置(ディスプレイ)、473・・・リフターピン昇降部、474・・・第1排気室、475・・・排気連通孔、476・・・第2排気室、477・・・マスフロコントローラ、478・・・開閉弁、479・・・APCバルブ、480・・・排気管、481・・・ガス配管、482・・・ガス配管、483・・・マスフロコントローラ、490・・・昇降駆動部、600・・・ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9