【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売日 平成26年8月20日 販売した場所 オカダジーエージェイ株式会社(東京都調布市布田3丁目28番地10) 公開者 ユーレックス株式会社
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般に、家庭用や業務用などの各種の電気機械器具などを使用する際には、電源プラグの刃をコンセントに差し込むことにより電力を得るようになされているが、こうした電気機械器具などの使用中に電源プラグの刃とコンセントの刃受けの間にゆるみが生じ接触抵抗が増加した場合や、電源プラグの刃の間でトラッキング現象が生じた場合などに電源プラグおよびコンセントにおいて異常な温度上昇が発生するという問題点があった。
【0003】
このため、こうした電源プラグにおける異常な温度上昇を検知するための手法として、例えば、電源プラグ内部にサーミスタなどの温度センサーを内蔵するようにした電源プラグの温度検知回路が知られている。
【0004】
ここで、
図1には、電源プラグ内部にサーミスタを内蔵した従来の電源プラグの温度検知回路の一例が示されている。
【0005】
この
図1に示す電源プラグの温度検知回路10は、従来の4芯のコードを使用した電源プラグの温度検知回路を示しているが、例えば、オイルヒーターなどの家庭用の電気機械器具に用いることができるものである。
【0006】
なお、オイルヒーターとは、内部に熱媒体たる蓄熱不燃性オイルを充填した複数のフィン状管体と、電気ヒーターなどの加熱手段とを有し、電源の投入により加熱手段が蓄熱不燃性オイルを加熱してフィン状管体の表面から放熱させ、室内の空気を暖めるようにした暖房装置である。
【0007】
以下に、
図1に示す電源プラグの温度検知回路10をオイルヒーターに用いた場合について説明する。
【0008】
こうしたオイルヒーターに用いられる電源プラグの温度検知回路10は、オイルヒーター内部において蓄熱不燃性オイル(図示せず。)を加温するための熱源となる電気ヒーターよりなる負荷12と、負荷12と電気的に接続されて負荷12へ出力する電力を制御する電力制御回路14と、電力制御回路14と後述するフォトカプラ16を介して電気的に絶縁された状態で連結される制御手段たるコントローラ18と、電源コード20と電気的に接続されて電源コード20を介して電力制御回路14へ交流電源より電力を供給する電源プラグ22とを有して構成されている。
【0009】
より詳細には、電源プラグ22は、電源コード20の電源用ケーブル20aおよび電源用ケーブル20bを介して電力制御回路14と電気的に接続されており、電力制御回路14に対して電力を供給するようになされている。
【0010】
また、電源プラグ22には、その内部に電源プラグ22における温度上昇を検知することが可能な温度センサーとしてサーミスタ24が内蔵されており、こうしたサーミスタ24は、電源コード20のセンサー用ケーブル20cおよびセンサー用ケーブル20dを介してコントローラ18と電気的に接続されている。
【0011】
なお、符号22aおよび符号22bは電源プラグ22が有する刃を示しており、サーミスタ24は電源プラグ22の内部において刃22aと刃22bとの中間部付近に配置されている。
【0012】
上記したように、電源コード20は、2本の電源用ケーブル20aおよび電源用ケーブル20bならびに2本のセンサー用ケーブル20cおよびセンサー用ケーブル20dより構成されるものであって、一般に、各ケーブルは導体を絶縁体で被覆された後にひとまとまりとしてシースにより保護される4芯のキャブタイヤコードとして構成される。
【0013】
なお、コントローラ18は、使用者による操作パネル(図示せず。)の操作に応じて、当該操作により指示された温度調節や予約時間の設定等の制御などを行う。
【0014】
そして、電源プラグの温度検知回路10においては、電源プラグ22、電源用ケーブル20aおよび電源用ケーブル20b、電力制御回路14、負荷12により、電源側である一次側回路が構成されている。
【0015】
また、電源プラグの温度検知回路10においては、電源プラグ22、センサー用ケーブル20cおよび20d、コントローラ18により、コントローラ側である二次側回路が構成されている。
【0016】
こうした電源プラグの温度検知回路10における電源側である一次側回路とコントローラ側である二次側回路とは、電気的な接続がなく互いに絶縁しているものであるが、一次側回路と二次側回路との間においては、コントローラ18とは絶縁していながら信号のやりとりが可能であるフォトカプラ16により、コントローラ18と電力制御回路16との間で信号伝達が可能とされている。
【0017】
従って、電源プラグの温度検知回路10によれば、交流電源より電力が供給される一次側回路のラインとコントローラ18の二次側回路のラインとが絶縁されており、かつ、二次側回路の電圧が十分に低く安全な電圧であれば、二次側回路近傍での感電のおそれがなく安全性が確保されている。
【0018】
以上の構成において、電源プラグの温度検知回路10においては、電源プラグ22の内部において刃22aと刃22bとの中間部付近に配置されるサーミスタ24によって、異常な温度上昇を検知することが可能であった。
【0019】
しかしながら、電源プラグの温度検知回路10に接続される電源プラグ22は、上記において説明したように電源コード20となる4芯のキャブタイヤコードに接続されており、こうした電源コード20は径が太く取り扱いにくいという問題点が指摘されていた。
【0020】
この問題点を解消するための手法として、例えば、
図2に示す電源プラグの温度検知回路50が提案されている。
【0021】
以下、
図2を参照しながら電源プラグの温度検知回路50について説明するが、電源プラグの温度検知回路10と同一または相当する構成については、電源プラグの温度検知回路10に用いた符号と同一の符号を付して示すことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は省略する。
【0022】
この
図2に示す電源プラグの温度検知回路50は、電源プラグの温度検知回路10とは、電源プラグ50に接続される電源コード52が3芯で構成されている点およびサーミスタ24が電源用ケーブルのひとつと電気的に接続している点が異なる。
【0023】
詳細には、電源プラグ52は、電源コード54の電源用ケーブル54aおよび電源用ケーブル54bを介して電力制御回路14と電気的に接続されており、電力制御回路14に電気的に接続される負荷12に対して電力を供給するようになされている。
【0024】
また、電源プラグ52内には、電源プラグ52の刃52aと刃52bとの中間部付近に配置されて電源プラグ52における温度上昇を検知することが可能なサーミスタ24が内蔵されている。
【0025】
このサーミスタ24は、その一方の端部にコントローラ18に接続される1本のセンサー用ケーブル54cが電気的に接続されており、その他方の端部に電源用ケーブル54bが電気的に接続されている。
【0026】
即ち、電源プラグの温度検知回路50においては、2本の電源用ケーブル54aおよび電源用ケーブル54bと1本のセンサー用ケーブル54cとにより3芯の電源コード50が構成されている。
【0027】
従って、この電源プラグの温度検知回路50は、上記において説明した電源プラグの温度検知回路10と比較すると電源コードの径が細くなり取り扱いやすいという利点がある。
【0028】
しかしながら、電源プラグの温度検知回路50はサーミスタ24とコントローラ18とが直接電気的に接続されている、即ち、交流電源より電力が供給されるラインとコントローラ18とが電気的に絶縁されていないため、二次側回路近傍で感電等に対して安全性が確保されていないという問題点があった。
【0029】
そのため、この安全性が確保されていないという理由により、電源プラグの温度検知回路50を用いることができない場合があるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明は、従来の技術の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、取り扱いがしやすく、かつ、二次側回路近傍での感電等に対して安全性を確保することが可能な電源プラグの温度検知回路を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記目的を達成するために、本発明は、電源プラグ内の異常な温度上昇を検知する温度センサーと制御手段とを絶縁した回路となるように構成し、フォトカプラ等の伝達手段を介して温度センサーの情報を制御手段へ伝達するようにしたものである。
【0033】
即ち、本発明は、電源プラグの温度上昇を検知する電源プラグの温度検知回路において、オイルヒーター内部において蓄熱不燃性オイルを加温するための熱源となる電気ヒーターよりなる負荷(102)と、上記負荷(102)と電気的に接続されて、上記負荷(102)への電力供給を制御する電力制御回路(104)と、上記電力制御回路(104)とは電気的に絶縁された状態で、電力制御回路用フォトカプラ(106)を介して上記電力制御回路(104)との間で双方の情報の伝達が可能な制御手段たるコントローラ(108)と、電源コード(110)の一方の端部に電気的に接続されて、上記電源コード(110)を介して上記第オイルヒーターへ交流電源より電力を供給する電源プラグ(112)と、上記電源プラグ(112)内部の温度情報を検知する上記電源プラグ(112)に内蔵された温度センサーとしてのサーミスタ(114)と、上記サーミスタ(114)において検出されたセンサー温度に対応した電圧をデジタル信号へ変換する変換回路(116)と、上記変換回路(116)と上記コントローラ(108)とを電気的に絶縁した状態で、上記変換回路(116)と上記コントローラ(108)との間で上記変換回路(116)と上記コントローラ(108)とにそれぞれ電気的に接続されて、上記変換回路(116)より出力される上記サーミスタ(114)よりのセンサー温度となるデジタル信号を上記コントローラ(108)に伝達するセンサー用フォトカプラ(120)とを有し、上記サーミスタ(114)は、上記電源プラグ(112)の内部において、上記電源プラグ(112)の刃(112a)と刃(112b)との中間部付近に配置され、上記オイルヒーターと上記電源プラグ(112)とを電気的に接続する上記電源コード(110)は、
第1の電源用ケーブル(110a)および
第2の電源用ケーブル(110b)と、上記電源プラグ(112)に内蔵された上記サーミスタ(114)に接続されるセンサー用ケーブル(110c)とを備え、上記
第1の電源用ケーブル(110a)および上記
第2の電源用ケーブル(110b)は、上記電力制御回路(104)および上記負荷(102)と電気的に接続されて、上記電力制御回路(104)および上記負荷(102)に対して電力を供給し、上記センサー用ケーブル(110c)は、一方の端部を上記電源プラグ(112)に内蔵された上記サーミスタ(114)に電気的に接続され、他方の端部をプルアップ抵抗(124)を介して温度センサー用専用電源(122)に電気的に接続され、上記サーミスタ(114)は、一方の端部が上記センサー用ケーブル(110c)と電気的に接続されるとともに、他方の端部が上記
第2の電源用ケーブル(110b)と電気的に接続され、上記温度センサー用専用電源(122)は、上記
第1の電源用ケーブル(110a)および上記
第2の電源用ケーブル(110b)に電気的に接続され、上記
第1の電源用ケーブル(110a)および上記
第2の電源用ケーブル(110b)より電力を取得して、上記サーミスタ(114)および上記プルアップ抵抗(124)に電力を供給し、上記センサー用ケーブル(110c)は、上記サーミスタ(114)と上記プルアップ抵抗(124)との間に、上記サーミスタ(114)のセンサー温度となる電圧に関する情報を上記コントローラ(108)へ伝達するための経路(126)を備え、上記経路(126)は、上記センサー用ケーブル(110c)と上記変換回路(116)と上記センサー用フォトカプラ(120)とを電気的に接続し、上記変換回路(116)は、上記サーミスタ(114)のセンサー温度に従った電圧出力を取得して、該電圧出力を温度情報を示すデジタル信号に変換し、該デジタル信号を上記センサー用フォトカプラ(120)へ出力し、上記変換回路(116)から出力されたデジタル信号が上記センサー用フォトカプラ(120)から上記コントローラ108へ伝達されるようにしたものである。
【0034】
また、本発明は、電源プラグの温度上昇を検知する電源プラグの温度検知回路において、オイルヒーター内部において蓄熱不燃性オイルを加温するための熱源となる電気ヒーターよりなる負荷(102)と、上記負荷(102)と電気的に接続されて、上記負荷(102)への電力供給を制御する電力制御回路(104)と、上記電力制御回路(104)とは電気的に絶縁された状態で、電力制御回路用フォトカプラ(106)を介して上記電力制御回路(104)との間で双方の情報の伝達が可能な制御手段たるコントローラ(108)と、三相電源コード(210)の一方の端部に電気的に接続されて、上記三相電源コード(210)を介して上記オイルヒーターへ交流電源よりの電力を供給する三相電源プラグ(212)と、上記三相電源プラグ(212)内部の温度情報を検知する上記三相電源プラグ(212)に内蔵された温度センサーとしてのサーミスタ(214)と、上記サーミスタ(214)において検出されたセンサー温度に対応した電圧をデジタル信号へ変換する変換回路(116)と、上記変換回路(116)と上記コントローラ(108)とを電気的に絶縁した状態で、上記変換回路(116)と上記コントローラ(108)との間で上記変換回路(116)と上記コントローラ(108)とにそれぞれ電気的に接続されて、上記変換回路(116)より出力される上記サーミスタ(214)よりのセンサー温度となるデジタル信号を上記コントローラ(108)に伝達するセンサー用フォトカプラ(120)とを有し、上記サーミスタ(214)は、上記電源プラグ(212)の内部において、上記電源プラグ(212)の4本の刃(212a)の付近に配置され、上記オイルヒーターと上記電源プラグ(212)とを電気的に接続する上記三相電源コード(210)は、
第1の三相電源用ケーブル(210a)、
第2の三相電源用ケーブル(210b)、
第3の三相電源用ケーブル(210c)および
第4の三相電源用ケーブル(201d)と、上記三相電源プラグ(214)に内蔵された上記サーミスタ(214)に接続されるセンサー用ケーブル(210e)とを備え、上記
第1の三相電源用ケーブル(210a)、上記
第2の三相電源用ケーブル(210b)、上記
第3の三相電源用ケーブル(210c)および上記
第4の三相電源用ケーブル(210d)は、上記電力制御回路(104)および上記負荷(102)と電気的に接続されて、上記電力制御回路(104)および上記負荷(102)に対して電力を供給し、上記センサー用ケーブル(210e)は、一方の端部を上記三相電源プラグ(212)に内蔵された上記サーミスタ(214)に電気的に接続され、他方の端部をプルアップ抵抗(224)を介して温度センサー用専用電源(122)に電気的に接続され、上記サーミスタ(214)は、一方の端部が上記センサー用ケーブル(210e)と電気的に接続されるとともに、他方の端部が上記
第4の三相電源用ケーブル(210d)と電気的に接続され、上記温度センサー用専用電源(122)は、上記
第3の三相電源用ケーブル(210c)および上記
第4の三相電源用ケーブル(210d)に電気的に接続され、上記
第3の三相電源用ケーブル(210c)および上記
第4の三相電源用ケーブル(210d)より電力を取得し、上記サーミスタ(214)および上記プルアップ抵抗(224)に電力を供給し、上記センサー用ケーブル(210e)は、上記サーミスタ(214)と上記プルアップ抵抗(224)との間に、上記サーミスタ(214)のセンサー温度となる電圧に関する情報を上記コントローラ(108)へ伝達するための経路(226)を備え、上記経路(226)は、上記センサー用ケーブル(210e)と上記変換回路(116)と上記センサー用フォトカプラ(120)とを電気的に接続し、上記変換回路(116)は、上記サーミスタ(214)のセンサー温度に従った電圧出力を取得して、該電圧出力を温度情報を示すデジタル信号に変換し、該デジタル信号を上記センサー用フォトカプラ(120)へ出力し、上記変換回路(116)から出力されたデジタル信号が上記センサー用フォトカプラ(120)から上記コントローラ108へ伝達されるようにしたものである。
【0035】
また、本発明は、上記した発明において、上記電力制御回路
(104)は、1以上の負荷に電力を出力するようにしたものである。
【0036】
また、本発明は、上記した発明において、上記
コントローラ(108)は、上記
サーミスタ(114、214)の検知結果が予め設定された閾値を越えると、上記負荷の少なくとも1つへの電力の供給を停止するように上記電力制御回路
(104)を制御するようにしたものである。
【0037】
また、本発明は、上記した発明において、上記
コントローラ(108)は、上記
サーミスタ(114、214)の検知結果に基づいて、上記
サーミスタ(114、214)の検知結果が予め設定された閾値を越えないように、上記負荷の少なくとも1つへの電力の供給を抑制するように上記電力制御回路
(104)を制御するようにしたものである。
【0038】
また、本発明は、上記した発明において、
さらに、上記サーミスタ(114、214)の検知結果を表示する表示部を備えるようにしたものである。
【0039】
また、本発明は、上記した発明において、
さらに、上記サーミスタ(114、214)の検知結果に基づいて警報を鳴らすスピーカーを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0040】
本発明は、以上説明したように構成されているので、取り扱いがしやすく、かつ、二次側回路近傍での感電等に対して安全性を確保することが可能な電源プラグの温度検知回路を提供することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による電源プラグの温度検知回路の実施の形態の一例について詳細に説明するものとする。
【0043】
図3には、本発明の第1の実施の形態による電源プラグの温度検知回路の説明図が示されている。
【0044】
なお、以下の説明においては、本発明による電源プラグの温度検知回路100が第1のオイルヒーターに備えつけられているものとして説明する。
【0045】
図3に示す本発明による電源プラグの温度検知回路100は、第1のオイルヒーター内部において蓄熱不燃性オイル(図示せず。)を加温するための熱源となる電気ヒーターよりなる負荷102と、負荷102と電気的に接続されて負荷102への電力供給を制御する電力制御回路104と、電力制御回路104とは絶縁された状態で後述する電力制御回路用フォトカプラ106を介して電力制御回路104との間で双方の情報の伝達が可能になされている制御手段たるコントローラ108と、電源コード110の一方の端部に接続されて電源コード110を介して第1のオイルヒーターへ交流電源よりの電力を得る電源プラグ112と、電源プラグ112内部の異常な温度上昇を検知する電源プラグ112に内蔵される温度センサーとしてのサーミスタ114と、サーミスタ114において検出されたセンサー温度に対応した電圧をデジタル信号へ変換する変換回路116と、変換回路116とコントローラ108との間において両者と電気的に接続されて変換回路116より出力されるサーミスタ114よりのセンサー温度となるデジタル信号をコントローラ108に送るセンサー用フォトカプラ120とを有している。
【0046】
ここで、コントローラ108は、使用者による操作パネル(図示せず。)の操作などに応じて電力制御回路104を制御して、当該操作により指示された温度調節や予約時間の設定等の制御などを行う。
【0047】
即ち、電力制御回路104は、コントローラ108からの使用者の操作に基づいて設定されたプログラムおよび設定温度などの設定条件に基づいて制御されるものであり、こうした設定条件に従って負荷102を制御する。
【0048】
例えば、使用者が操作パネルの電源ボタン(図示せず。)を押すことにより電源がオンの状態となり第1のオイルヒーターの電源が入り、また、第1のオイルヒーターの電源が入っている状態で使用者が電源ボタンを押すことにより電源がオフの状態となり第1のオイルヒーターの電源が切れるものである。
【0049】
また、使用者が操作パネルの温度ボタン(図示せず。)を操作することにより設定温度などの設定条件を変更することが可能であり、電力制御回路104はこうした設定温度をもとに負荷102への電力供給を制御する。
【0050】
そして、電力制御回路104は内部に電力制御回路用フォトカプラ106を有するものであり、電力制御回路用フォトカプラ106を介して電力制御回路104とコントローラー108との間で情報の伝達が行われる。
【0051】
即ち、電力制御回路104とコントローラ108とは、電力制御回路用フォトカプラ106を介して双方の情報を伝達することが可能であるが、電気的には接続されていないものである。
【0052】
また、電源プラグ112の内部には、電源プラグ112の刃112aと刃112bとの中間部付近にサーミスタ114が配置されている。
【0053】
次に、第1のオイルヒーターと電源プラグ112とを電気的に接続する電源コード110の構成について説明するが、電源コード110は、2本の電源用ケーブル110aおよび電源用ケーブル110bと、電源プラグ112の刃112aと刃112bとの中間部付近の電源プラグ112内に内蔵されるサーミスタ114に接続されるセンサー用ケーブル110cとにより構成される。
【0054】
より詳細には、電源用ケーブル110aおよび電源用ケーブル110bは、電力制御回路104および負荷102と電気的に接続されており、電力制御回路104および負荷102に対して電力を供給する。
【0055】
また、センサー用ケーブル110cは、その一方の端部を電源プラグ112に内蔵されたサーミスタ114に電気的に接続され、もう一方の端部をプルアップ抵抗124を介して温度センサー用専用電源122に電気的に接続されている。
【0056】
さらに、サーミスタ114は、その一方の端部がセンサー用ケーブル110cと電気的に接続されるとともに、サーミスタ114のもう一方の端部は電源用ケーブル110bと電気的に接続されている。
【0057】
即ち、センサー用ケーブル110cは、サーミスタ114より延長されて温度センサー用専用電源122に電気的に接続されているが、サーミスタ114と温度センサー用専用電源122との間における温度センサー用専用電源122に隣接する位置にプルアップ抵抗124が電気的に接続されている。
【0058】
なお、温度センサー用専用電源122は、電源用ケーブル110aおよび電源用ケーブル110bに電気的に接続されており、電源用ケーブル110aおよび電源用ケーブル110bより電力を取得して、サーミスタ114およびプルアップ抵抗124に電力を供給している。
【0059】
次に、センサー用ケーブル110cは、サーミスタ114とプルアップ抵抗124との間に、サーミスタ114のセンサー温度となる電圧に関する情報をコントローラ108へ伝達するための経路126を有する。
【0060】
こうした経路126は、センサー用ケーブル110cと、変換回路116と、センサー用フォトカプラ120とを電気的に接続する。
【0061】
上記したように、符号114はサーミスタであり、符号124は温度検知にサーミスタを使用する場合のプルアップ抵抗であるが、このプルアップ抵抗とサーミスタとの抵抗値の比により、サーミスタの温度に従った電圧出力を得られることになる。
【0062】
なお、上記の実施の形態においては、温度センサーとしてサーミスタ114を用いたが、温度センサーとして温度センサーIC(集積回路)を用いる場合には、プルアップ抵抗124を省略することができる。
【0063】
また、上記サーミスタ114としては、例えば、−20℃〜150℃の範囲で980Ω〜550Ωのものを用いることができる。
【0064】
ここで、変換回路116は、サーミスタ114の温度に従った電圧出力を取得して、その電圧出力を温度情報を示すデジタル信号に変換し、それらのデジタル信号をセンサー用フォトカプラ120に出力する。
【0065】
そして、変換回路116から出力されたデジタル信号は、センサー用フォトカプラ120からコントローラ108へ伝達される。
【0066】
具体的には、センサー用フォトカプラ120はその内部に有する発光素子(図示せず。)によりデジタル信号を光に変換し、コントローラ108が有する受光素子(図示せず。)へ伝達するものであり、センサー用フォトカプラ120の内部では入力側の発光素子と出力側の受光素子とが電気的に接続されていないため、センサー用フォトカプラ120の入力側はコントローラ108と電気的に絶縁された状態で信号の伝達が行われる。
【0067】
一方、センサー用フォトカプラ120の出力側はコントローラ108と電気的に接続する。
【0068】
さらに、コントローラ108の制御により、サーミスタ114における温度情報等を操作パネルなどに設けた表示窓108aにおいて表示することが可能となっている。
【0069】
即ち、変換回路116から出力されたサーミスタ114の温度情報等を示すデジタル信号が、センサー用フォトカプラ120を介してコントローラ108に伝達されて読み込まれ、電源プラグ112の温度として表示窓108aに表示される。
【0070】
なお、上記電源プラグ112において異常な温度上昇が確認された場合に、こうした表示窓108aに、電源プラグ112の安全確認を使用者に対して促すようなメッセージを表示してもよいものである。
【0071】
上記において説明したように、本発明による電源プラグの温度検知回路100は、電源プラグ112内の異常な温度上昇を検知することが可能な検知手段たるサーミスタを有するものでありながら、3芯の電源コードより構成されるものである。
【0072】
そして、サーミスタ114からのセンサー用ケーブル110cを直接コントローラ108に接続せずに、センサー用フォトカプラ120を介してコントローラ108と接続しているため、電源側のラインとなる一次側回路と、コントローラ側のラインとなる二次側回路とは絶縁されており、かつ、二次側回路の電圧が十分に低く安全な電圧(例えば、線間電圧が交流電圧で30V、直流電圧で45V以下、第1のオイルヒーターでは二次側回路での線間電圧の最高値は11Vである。)とすることで、二次側回路近傍での感電のおそれがなくなり安全性が確保されているものである。
【0073】
なお、本発明による電源プラグの温度検知回路100を有するコントローラ108を含めた第1のオイルヒーターの全体の制御は、第1のオイルヒーター内に搭載された図示しないコンピューターによって行われる。
【0074】
そして、電源プラグ112内の温度を異常な温度上昇か否かを判断するための閾値ならびに第1のオイルヒーターの温度管理等に関しては、上記コンピューターに予めプログラムされているものである。
【0075】
ここで、上記した閾値となる温度としては、例えば、80℃前後が提案される。80℃を閾値とした場合に、サーミスタ114が80℃の場合に11.8kΩとなる特性であれば、プルアップ抵抗124も同じ値の11.8kΩとした場合、温度センサー用専用電源122から供給される電圧が5Vであれば、サーミスタ114とプルアップ抵抗124との間を接続する回路の電圧は2.5Vとなる。
【0076】
こうした第1のオイルヒーターに搭載される上記コンピューターや温度管理等に関するプログラムについては公知の技術であり、本願における電源プラグの温度検知回路100においてはそうした公知である従来の技術を用いるものとして、その詳細な説明については省略することとする。
【0077】
以上の構成において、本発明の第1の実施の形態による電源プラグの温度検知回路100によれば、電源プラグ112における異常な温度上昇を検知し、表示窓108aでは電源プラグ112における温度が表示される。
【0078】
また、第1のオイルヒーターにおいては、電源プラグ112における異常な温度上昇が検知されると電力制御回路104の出力をオンからオフに切り替えるように、第1のオイルヒーターに搭載されるコンピューターがプログラムされており、電源プラグ112の異常な温度上昇を自動的に防止することができる。
【0079】
このため、表示窓108aの表示ならびに第1のオイルヒーターの運転の停止により、使用者は電源プラグ112の異常な温度上昇を容易に知ることができる。
【0080】
ここで、本発明による電源プラグの温度検知回路100における電源プラグ112の温度検知に関する動作について説明すると、はじめに、使用者は電源プラグ112を図示しないコンセントへ差し込み、操作パネルに配置されている電源ボタン(図示せず。)を押すことにより第1のオイルヒーターの電源を入れる。
【0081】
これにより、第1のオイルヒーターの電源がオンの状態となり、第1のオイルヒーターへ電力が供給される。
【0082】
次に、第1のオイルヒーターは、例えば、予め設定されたプログラムや使用者により設定された設定温度に従い、コントローラ108の制御により電力制御回路104を介して電気ヒーターたる負荷102の温度を上昇させる。
【0083】
このようにして負荷102への加熱が行われ、第1のオイルヒーターは予め設定された設定温度になるまで加熱が続けられる。
【0084】
電源プラグの温度検知回路100においては、第1のオイルヒーターの電源がオンの状態である間は、コントローラ108によりサーミスタ114における電圧が常時監視されているものである。即ち、変換回路116およびセンサー用フォトカプラ120を介して電源プラグ112の温度に関する情報がコントローラ108に伝達されている。
【0085】
そして、負荷102の加熱中において、サーミスタ114により電源プラグ112の異常な温度上昇が検知されていない場合には、第1のオイルヒーターに予め設定されたプログラムや設定温度に従って加熱が続けられる。
【0086】
一方、負荷102の加熱中において、サーミスタ114により電源プラグ112の異常な温度上昇が検知された場合、即ち、サーミスタ114により検知された温度が電源プラグ112の温度の閾値に達していた場合には、コントローラ108に伝達されたセンサー用フォトカプラ120よりの電源プラグの温度の情報を表示窓108aに表示するとともに、コントローラ108より電力制御回路104へ第1のオイルヒーターの運転を停止する指示が出力される。
【0087】
こうした電力制御回路104に対して負荷102への出力オンまたはオフを切り替えるための判断は、サーミスタ114における電圧の値に基づくものであり、サーミスタ114において測定された電圧の値より得られる電源プラグ112の温度が予め設定された上記閾値よりも低い場合は電源をオン状態のままとし、閾値よりも高い場合は電源をオフ状態とする。
【0088】
上記において説明したように、本発明の第1の実施の形態による電源プラグの温度検知回路100は、電源プラグ112内に温度センサーであるサーミスタ114を配置したものでありながら、取り扱いやすい3芯の電源ケーブルにより構成されている。
【0089】
また、本発明の第1の実施の形態による電源プラグの温度検知回路100は、電源側のラインである一次側回路とコントローラ側のラインである二次側回路とが電気的に絶縁されており、かつ、二次側回路の電圧が十分に低く安全な電圧とすることで、二次側回路近傍での感電のおそれがなくなり安全性の確保が実現されている。
【0090】
次に、
図4を参照しながら、本発明の第2の実施の形態による電源プラグの温度検知回路について説明する。
【0091】
この本発明の第2の実施の形態による電源プラグの温度検知回路200は、三相電源に用いることが可能な電源プラグを有する回路を示している。
【0092】
なお、以下の説明においては、本発明による電源プラグの温度検知回路200が第2のオイルヒーターに備えつけられているものとして説明する。
【0093】
また、本発明の第2の実施の形態による電源プラグの温度検知回路200において、電源プラグの温度検知回路100と同一または相当する構成については、電源プラグの温度検知回路100に用いた符号と同一の符号を付して示すことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は省略する。
【0094】
ここで、電源プラグの温度検知回路200は、三相電源に用いる回路である。そのため、第2のオイルヒーター内部における負荷102と電力制御回路104と三相電源コード210を電気的に接続するラインとが三相電源用である点と、第2のオイルヒーターに接続される三相電源コード210が三相電源プラグ212と接続される点とにおいて、電源プラグの温度検知回路100と異なる。
【0095】
より詳細には、電源プラグの温度検知回路200は、第2のオイルヒーター内部において蓄熱不燃性オイル(図示せず。)を加温するための熱源となる電気ヒーターよりなる負荷102と、負荷102と電気的に接続されて負荷102への電力供給を制御する電力制御回路104と、電力制御回路104とは電気的に絶縁された状態で後述する電力制御回路用フォトカプラ106を介して電力制御回路104の情報を伝達されるコントローラ108と、三相電源コード210の一方の端部に電気的に接続されて三相電源コード210を介して第2のオイルヒーターへ交流電源よりの電力を得る三相電源プラグ212と、三相電源プラグ212の異常な温度上昇を検知する三相電源プラグ212に内蔵される温度センサーとしてのサーミスタ214と、サーミスタ214において検出されたセンサー温度となる電圧をデジタル信号へ変換する変換回路116と、変換回路116とコントローラ108との間において両者に電気的に接続されて変換回路116より出力されるサーミスタ214よりのセンサー温度となるデジタル信号をコントローラ108に伝達するセンサー用フォトカプラ120とを有して構成されている。
【0096】
次に、三相電源コード210の構成について説明すると、第2のオイルヒーターと電源プラグ212とをつなぐ三相電源コード210は、4本の三相電源用ケーブル210a、三相電源用ケーブル210b、三相電源用ケーブル210cおよび三相電源用ケーブル201dと、三相電源プラグ214に内蔵されるサーミスタ214に接続されるセンサー用ケーブル210eとを有して構成されている。
【0097】
なお、三相電源プラグ214は、4本の刃212aを有する。
【0098】
より詳細には、三相電源用ケーブル210a、三相電源用ケーブル210b、三相電源用ケーブル210cおよび三相電源用ケーブル210dは、負荷102と電気的に接続される電力制御回路104と電気的に接続されており、電力制御回路104および負荷102に対して電力を供給するようになされている。
【0099】
また、センサー用ケーブル210eは、その一方の端部を三相電源プラグ212に内蔵されたサーミスタ214と電気的に接続され、もう一方の端部をプルアップ抵抗224を介して温度センサー用専用電源122に電気的に接続されている。
【0100】
さらに、サーミスタ214は、その一方の端部が上記したようにセンサー用ケーブル210eと電気的に接続されているとともに、サーミスタ214のもう一方の端部は三相電源用ケーブル210dと電気的に接続されている。
【0101】
即ち、センサー用ケーブル210eは、サーミスタ214より延長されて、温度センサー用専用電源122に電気的に接続され、また、サーミスタ214と温度センサー用専用電源122との間であって温度センサー用専用電源122に隣接する位置にプルアップ抵抗224が電気的に接続されている。
【0102】
なお、温度センサー用専用電源122は、三相電源用ケーブル210cおよび三相電源用ケーブル210dに電気的に接続されており、三相電源用ケーブル210cおよび三相電源用ケーブル210dより電力を取得し、サーミスタ214およびプルアップ抵抗224に電力を供給している。
【0103】
次に、センサー用ケーブル210eは、サーミスタ214とプルアップ抵抗224との間に、サーミスタ214のセンサー温度となる電圧に関する情報をコントローラ108へ伝達するための経路226を有する。
【0104】
こうした経路226は、センサー用ケーブル210eと、変換回路116と、センサー用フォトカプラ120とを電気的に接続する。
【0105】
上記したように、符号214はサーミスタであり、符号224は温度検知にサーミスタを使用する場合のプルアップ抵抗であるが、このプルアップ抵抗とサーミスタとの抵抗値の比により、サーミスタの温度に従った電圧出力を得られることになる。
【0106】
なお、上記の実施の形態においては、温度センサーとしてサーミスタ214を用いたが、温度センサーとして温度センサーIC(集積回路)を用いる場合には、プルアップ抵抗224を省略することができる。
【0107】
また、上記サーミスタ214としては、例えば、−20℃〜150℃の範囲で980Ω〜550Ωのものを用いることができる。
【0108】
上記したように、電源プラグの温度検知回路200によれば、三相電源プラグ214と第2のオイルヒーターとを接続する三相電源コード210は、三相電源用ケーブル210a、三相電源用ケーブル210b、三相電源用ケーブル210cおよび三相電源用ケーブル210dと、センサー用ケーブル210eとの5芯により構成されるものである。
【0109】
ここで、本発明による電源プラグの温度検知回路200における三相電源プラグ212の温度検知に関する動作について説明すると、はじめに、使用者は三相電源プラグ212を図示しないコンセントへ差し込み、操作パネルに配置されている電源ボタン(図示せず。)を押すことにより第2のオイルヒーターの電源を入れる。
【0110】
これにより、第2のオイルヒーターの電源がオンの状態となり、第2のオイルヒーターへ電力が供給される。
【0111】
次に、第2のオイルヒーターは、例えば、予め設定されたプログラムや使用者により設定された設定温度に従い、コントローラ108の制御により電力制御回路104を介して電気ヒーターたる負荷102の温度を上昇させる。
【0112】
このようにして負荷102への加熱が行われ、第2のオイルヒーターは予め設定された設定温度になるまで加熱が続けられる。
【0113】
電源プラグの温度検知回路200においては、第2のオイルヒーターの電源がオンの状態である間は、コントローラ108によりサーミスタ214における電圧が常時監視されているものである。即ち、変換回路116およびセンサー用フォトカプラ120を介して三相電源プラグ212の温度に関する情報がコントローラ108に伝達されている。
【0114】
そして、負荷102の加熱中において、サーミスタ214により三相電源プラグ212の異常な温度上昇が検知されていない場合には、第2のオイルヒーターに予め設定されたプログラムや設定温度に従って加熱が続けられる。
【0115】
一方、負荷102の加熱中において、サーミスタ214により三相電源プラグ212の異常な温度上昇が検知された場合、即ち、サーミスタ214により検知された温度が三相電源プラグ212の温度の閾値に達していた場合には、コントローラ108に伝達されたセンサー用フォトカプラ120よりの電源プラグの温度の情報を表示窓108aに表示するとともに、コントローラ108より電力制御回路104へ第2のオイルヒーターの運転を停止する指示が出力される。
【0116】
こうした電力制御回路104に対して負荷102への出力オンまたはオフを切り替えるための判断は、サーミスタ214における電圧の値に基づくものであり、サーミスタ214において測定された電圧の値より得られる三相電源プラグ212の温度が予め設定された上記閾値よりも低い場合は電源をオン状態のままとし、閾値よりも高い場合は電源をオフ状態とする。
【0117】
なお、三相電源プラグ212内の温度を異常な温度上昇か否かを判断するための閾値ならびに第2のオイルヒーターの温度管理等に関しては、第2のオイルヒーターに搭載されるコンピューターに予めプログラムされているものである。
【0118】
ここで、上記した閾値となる温度としては、例えば、80℃前後が提案される。80℃を閾値とした場合に、サーミスタ214が80℃の場合に11.8kΩとなる特性であれば、プルアップ抵抗224も同じ値の11.8kΩとした場合、温度センサー用専用電源122から供給される電圧が5Vであれば、サーミスタ214とプルアップ抵抗224との間を接続する回路の電圧は2.5Vとなる。
【0119】
上記において説明したように、本発明の第2の実施の形態による電源プラグの温度検知回路200は、三相電源プラグ212内に温度センサーであるサーミスタ214を配置したものでありながら、三相電源に接続することが可能な5芯の電源ケーブル214を有するものである。
【0120】
また、本発明の第2の実施の形態による電源プラグの温度検知回路200は、電源側のラインである一次側回路とコントローラ側のラインである二次側回路とが電気的に絶縁されており、かつ、二次側回路の電圧が十分に低く安全な電圧とすることで、二次側回路近傍での感電のおそれがなくなり、安全性の確保が実現されている。
【0121】
なお、上記で説明した電源プラグの温度検知回路200においては、三相電源コード210は5芯であるものとしたが、4芯により構成されるものとしてもよいものである。
【0122】
例えば、三相電源コード210を4芯として構成する場合とは、三相三線式で三相電源の電源ラインの一本が接地されたタイプであって接地専用の線を必要としない構成において、これにサーミスタ用の線を一本加えて4芯構成にしたものである。
【0123】
以上において説明したように、本発明による電源プラグの温度検知回路は、電源プラグの異常な温度上昇を検知する温度センサーとコントローラとを電気的に絶縁した回路となるように構成し、フォトカプラ等を介して温度センサーの情報をコントローラへ伝達するようにした。
【0124】
これにより、本発明による電源プラグの温度検知回路によれば、電源プラグ内に温度センサーを有するものでありながら、より細い電源コードにすることができるため、取り扱いがしやすい電源コードを有する電源プラグの温度検知回路を構成することができるようになる。
【0125】
また、本発明による電源プラグの温度検知回路によれば、電源プラグ内に温度センサーを有するものでありながら、電源側の回路である一次側回路とコントローラ側の回路である二次側回路とを電気的に絶縁することにより、二次側回路近傍での感電に対する安全性を確保しながら、電源プラグ内の異常な温度上昇を検知することができるようになる。
【0126】
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(9)に示すように変形することができるものである。
【0127】
(1)上記した実施の形態においては、本発明による電源プラグの温度検知回路をオイルヒーターに用いた場合について説明したが、本発明による電源プラグはオイルヒーターなどの家庭用の電気機械器具などの他に、家庭用や業務用などの各種の広範な電気機械器具などに用いることができる。
【0128】
(2)上記した実施の形態においては、温度センサーとしてサーミスタを用いたがこれに限られるものではないことは勿論であり、例えば、測温抵抗体(例えば、白金をもちいたもの。)や温度センサーIC(集積回路)などを用いてもよいことは勿論である。
【0129】
(3)上記した実施の形態においては、オイルヒーターの電源は、操作パネルに設置された電源ボタンを押すことにより、電源のオンまたはオフ、即ち、電力制御回路の出力のオンまたはオフを切り替えるものとし、また、設定温度についても操作パネルに設置されたボタンの操作により設定するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、コントローラに無段階出力調整手段としてダイアルを設けるようにしてもよいものである。こうした無段階出力調整手段によれば、使用者がダイアルを回すことにより電源のオンまたはオフを切り替えることが可能であり、さらにダイアルを回して調整することで設定温度の変更をすることが可能である。
【0130】
(4)上記した実施の形態においては、電源プラグ内で異常な温度上昇が検出されると、コントローラよりの指示により、ただちにオイルヒーターの運転を停止するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、コントローラより電力制御回路へ、負荷へかける電力を抑制するように指示をするようにして一時的に温度を低下させるようにしてもよいものである。
【0131】
(5)上記した実施の形態においては、電源プラグ内で異常な温度上昇が検出されると、コントローラよりの指示により、ただちにオイルヒーターの運転を停止するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、上記した実施の形態においては1つの負荷を電源プラグの温度検知回路において配置するものとしたが、負荷を2つ以上設けるようにし、電源プラグの温度に応じて出力する負荷を切り替えたり、加熱される負荷の数を増減するようにしてもよいものである。
【0132】
図5には、第1の負荷302および第2の負荷304の2つの負荷を有する電源プラグの温度検知回路300を示している。こうした電源プラグの温度検知回路300は、ふたつの負荷、即ち、第1の負荷302と第2の負荷304とを有する点において、第1の実施の形態による電源プラグの温度検知回路100と異なるものである。
【0133】
例えば、この電源プラグの温度検知回路300において、第3のオイルヒーターを運転する際に、電源プラグ112の温度に応じて、第1の負荷302への電力の供給を中断して第2の負荷304へ電力を供給したり、また、第1の負荷302および第2の負荷304へ同時に電力を供給したり、さらにまた、一方の負荷のみを使用するように切り替えるようにしてもよいものである。
【0134】
(6)上記した実施の形態においては、変換回路とコントローラとの間の伝達および電力制御回路およびコントローラとの間の伝達についてフォトカプラを用いるものとしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、電気的に絶縁を保った状態でそれぞれの間において情報を伝送するものであればよいものであり、例えば、トランス、コンデンサ、リレーなどを用いてもよいものである。
【0135】
(7)上記した実施の形態においては、操作パネルなどに設けた表示窓において電源プラグ内の温度を表示するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、上記表示窓に表示するものとしては、プラグ内の温度の他に、例えば、使用者にコンセント内の温度の異常を知らせるためのメッセージなどを表示してもよいものである。
【0136】
(8)上記した実施の形態においては、電源プラグの異常な温度上昇を使用者に知らせるための手段として表示窓のみを有するものとしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、コントローラ上にスピーカーを設置して温度上昇時に警報を鳴らしてもよいものである。
【0137】
(9)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(8)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。