(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態にかかるレーザー走査装置の横断面図である。
図1においては3つのレーザー光源101、102、及び103が設けられている。また、レーザー光源102から出射されたレーザー光を集束光軸方向に変換するプリズム301とレーザー光源103から出射されたレーザー光を集束光軸方向に変換するプリズム302とが設けられている。ここで、
図1では集束光軸Lは、X軸に平行な軸をとるように示している。
図2は、本実施の形態にかかるレーザー走査装置をX−Z面で切断したときの縦断面図である。
【0010】
図1においては、レーザー光源101は集束光軸方向にレーザー光が出射される向きに設けられているため、プリズムの反射面による集束光軸方向への変換は必要なくなる。また、プリズム302から2軸偏光ミラー500までの光路上にアパーチャー53が位置の調整が可能な状態に設けられている。
【0011】
次に各構成要素について説明する。筐体10は、本実施の形態にかかるレーザー走査装置の筐体である。
【0012】
第1のレーザー光源101は、第1のレーザー光を出射する。第1のレーザー光源101は、例えば赤色半導体レーザーであって、第1のレーザー光は赤色波長のレーザー光である。ここで、
図1では、−X方向に向けて出射するように設けられている。また、光強度分布特性の放射角度仕様の広い方向(長軸方向)が、Z軸方向(
図1の紙面に対して垂直方向)に向くように設ける。
【0013】
第1のレーザー光源101は、出射する光軸の調整が可能になるように光源調整プレート21によって支持されている。例えば、第1のレーザー光源101は光源調整プレート21に圧入あるいは接着により固定され、光源調整プレート21は筐体10の側面に密着し、密着面内方向に精密調整された後、ねじ固定あるいは接着により固定されている。
【0014】
第1のレーザー光源101の出射方向にはコリメートレンズ201が設けられている。コリメートレンズ201は、第1のレーザー光の光束を平行光に変換する。また、コリメートレンズ201は、レンズ調整ホルダ31に支持されている。例えばコリメートレンズ201とレンズ調整ホルダ31とを接着固定し、レンズ調整ホルダ31を筐体10の円筒状の穴に対し、光軸方向に精密な位置調整が可能な状態で嵌め合わさるように設ける。
【0015】
このように光源調整プレート21とレンズ調整ホルダ31とを精密調整して、第1のレーザー光源101からの第1のレーザー光の平行光を集束光軸Lの方向に調整して設ける。ここで、精密調整とは、精密な位置調整を行なうことをいう。
【0016】
第2のレーザー光源102は、第2のレーザー光を出射する。第2のレーザー光源102は、例えば緑色半導体レーザーであって、第2のレーザー光は緑色波長のレーザー光である。ここで、
図1では、−Y方向に向けて出射するように設けられている。また、光強度分布特性の放射角度仕様の広い方向(長軸方向)が、Z軸方向に向くように設ける。
【0017】
第2のレーザー光源102は、出射する光軸の調整が可能になるように光源調整プレート22によって支持されている。例えば、第2のレーザー光源102は光源調整プレート22に圧入あるいは接着により固定され、光源調整プレート22は筐体10の側面に密着し、密着面内方向に精密調整された後、ねじ固定、あるいは接着により固定されている。
【0018】
第2のレーザー光源102の出射方向にはコリメートレンズ202が設けられている。コリメートレンズ202は、第2のレーザー光の光束を平行光に変換する。また、コリメートレンズ202は、レンズ調整ホルダ32に支持されている。例えばコリメートレンズ202とレンズ調整ホルダ32とを接着固定し、レンズ調整ホルダ32を筐体10の円筒状の穴に対し、光軸方向に精密な位置調整が可能な状態で嵌め合わさるように設ける。
【0019】
コリメート
レンズ202から出射された第2のレーザー光の平行光はプリズムビームスプリッタ(プリズムともいう)301によって集束光軸方向に変換される。プリズムビームスプリッタ301は、プリズム内に45度に傾斜した反射面を有し、−Y方向から入射された光束を−X方向に反射する。
【0020】
また、プリズムビームスプリッタ301は、プリズム調整ホルダ41に支持されている。例えばプリズムビームスプリッタ301とプリズム調整ホルダ41とを接着固定し、プリズム調整ホルダ42を筐体10の側面に対しX軸方向に精密可動してプリズム内の反射面を
図1のX軸方向に精密可動する。プリズム内の反射面をX軸方向に可動すれば、反射面に入射する第2のレーザー光の平行光が反射される光束についてY軸方向に調整することができる。
【0021】
このように光源調整プレート22とレンズ調整ホルダ32とプリズム調整ホルダ41とを精密調整して、第2のレーザー光源102からの第2のレーザー光の平行光が集束光軸に変換されるように調整して設ける。
【0022】
第3のレーザー光源103は、第3のレーザー光を出射する。第3のレーザー光源103は、例えば青色半導体レーザーであって、第3のレーザー光は青色波長のレーザー光である。ここで、
図1では、−Y方向に向けて出射するように設けられている。また、光強度分布特性の放射角度仕様の広い方向(長軸方向)が、Z軸方向に向くように設ける。
【0023】
第3のレーザー光源103は、出射する光軸の調整が可能になるように光源調整プレート23によって支持されている。例えば、第3のレーザー光源103は光源調整プレート23に圧入あるいは接着により固定され、光源調整プレート23は筐体10の側面に密着し、密着面内方向に精密調整された後、ねじ固定、あるいは接着により固定されている。
【0024】
第3のレーザー光源103の出射方向にはコリメートレンズ203が設けられている。コリメートレンズ203は、第3のレーザー光の光束を平行光に変換する。また、コリメートレンズ203は、レンズ調整ホルダ33に支持されている。例えばコリメートレンズ203とレンズ調整ホルダ33とを接着固定し、レンズ調整ホルダ33を筐体10の円筒状の穴に対し、光軸方向に精密な位置調整が可能な状態で嵌め合わさるように設ける。
【0025】
コリメート
レンズ203から出射された第3のレーザー光の平行光はプリズムビームスプリッタ302によって集束光軸方向に変換される。プリズムビームスプリッタ302は、プリズム内に45度に傾斜した反射面を有し、−Y方向から入射された光束を−X方向に反射する。
【0026】
また、プリズムビームスプリッタ302は、プリズム調整ホルダ42に支持されている。例えばプリズムビームスプリッタ302とプリズム調整ホルダ42とを接着固定し、プリズム調整ホルダ42を筐体10の側面に対しX軸方向に精密可動してプリズム内の反射面を
図1のX軸方向に精密可動する。プリズム内の反射面をX軸方向に可動すれば、反射面に入射する第
3のレーザー光の平行光が反射される光束についてY軸方向に調整することができる。
【0027】
このように光源調整プレート23とレンズ調整ホルダ33とプリズム調整ホルダ42とを精密調整して、第3のレーザー光源103からの第3のレーザー光の平行光が集束光軸に変換されるように調整して設ける。
【0028】
また、プリズム調整ホルダ41とプリズム調整ホルダ42とが接する箇所は段差構造を設け、各々が調整されても筐体10の内部を見通すことができるような隙間が発生しない構造になっている。
【0029】
集束光軸Lに変換された光束は、後述するアパーチャー53を介して2軸偏光ミラー(走査ミラーともいう)500に入射される。
図1では、集束光軸Lに変換された光束は、一旦ミラー401で反射されて2軸偏光ミラー500に入射される。
【0030】
ミラー401は、ミラー調整プレート60に支持されている。例えばミラー401とミラー調整プレート60とを固定し、ミラー調整プレート60をX軸方向に精密な位置調整が可能な状態で筐体10に固定される。
【0031】
MEMSミラー501は、2軸偏光ミラー500に備えられたものである。2軸偏光ミラー500は、2次元の走査方向に走査するための電気信号を入力し、MEMSミラー501をアクチュエーターでMEMSミラー501の反射面の角度を変化させるものである。このように2軸偏光ミラー500は、MEMSミラー501の反射面の角度を変化させることでMEMSミラー501に入射された光束の反射角を変換させる。これによりX−Z面の表示領域に出射することができる。なお、本実施の形態は走査方向が2次元のレーザー走査装置として説明するが、走査方向が1次元のレーザー走査装置を構成する場合は、走査ミラー500は1次元の走査方向に走査するための電気信号を入力し、MEMSミラー501をアクチュエーターでMEMSミラー501の反射面の角度を変化させるものである。
【0032】
2軸偏光ミラー500は、MEMSミラープレート70に支持されている。例えば2軸偏光ミラー500とMEMSミラープレート70とを固定し、MEMSミラープレート70を筐体10に固定される。
【0033】
アパーチャー53は、途中のプリズムや筐体などで発生した不要な光を遮り、必要な光だけを通すようにした孔である。それぞれのレーザー光源から集束光軸Lに変換された光束は、アパーチャー53を通過して所定の光線となる。
【0034】
アパーチャー53は円筒状のアパーチャー調整ホルダ51の中心軸に対し偏芯した位置に設けられている。
【0035】
アパーチャー53を設けたアパーチャー調整ホルダ51は、筐体10の円筒状の穴に精度よく挿入される。
【0036】
筐体10の円筒状の穴は、アパーチャー調整ホルダ51を精密に嵌め合わさる開口部を設けるとともに、アパーチャー調整ホルダ51の中心軸方向の位置を正確に位置決めする。
【0037】
さらに筐体10の円筒状の穴の入口部には、雌ねじ部を設け、リング状で外側に雄ねじ部を設けたスクリューリング52を回転挿入し、筐体10に対し、アパーチャー調整ホルダ51を精度良く適度な与圧が加わった状態に固定する。
【0038】
スクリューリング52の雄ねじ部、および筐体10の円筒状穴の雌ねじ部は、細目仕様のスクリューピッチ間隔が狭いねじ仕様を採用しているが、並目仕様を用いてもよい。
【0039】
アパーチャー調整ホルダ51の円筒状外形の一部に中心軸と水平方向に溝を設け、この溝が見える位置に筐体10の上面に開口部を設けている。
【0040】
この開口部から偏芯ピンを用いてアパーチャー調整ホルダ51を精密に回転調整が可能になっている。
【0041】
したがって、偏芯ピンによるアパーチャー調整ホルダ51の回転調整を実施すると、アパーチャー53は、Z軸方向(所定の調整方向)に微小可動する。
【0042】
これによりアパーチャー53の中心軸が、集束光軸Lに変換された光束の光軸中心と一致するように調整することが可能となる。
【0043】
なお、アパーチャー53は、アパーチャー調整ホルダ51の構造として一体に形成しているが、アパーチャー53部分を、厚みの薄い、金属薄板、あるいは金属箔に開口を設けた別の部品を構成したのち、アパーチャー調整ホルダ51に圧入、あるいは接着等の方法で固定して使用してもよい。
【0044】
このように、それぞれのレーザー光源からのレーザー光について、アパーチャー53に入射される集束光軸Lに変換された光束において、光強度分布特性の放射角度仕様の広い方向(長軸方向)がZ軸方向になるように構成することで、アパーチャー調整ホルダ51によるZ軸方向の調整でそれぞれのレーザー光源からのレーザー光に対して所定の光線を通過させることができる。これにより、それぞれのレーザー光源ごとにアパーチャーを設けることなく構成することができる。これにより、簡素な構成でレーザー走査装置を実現することが可能となる。
【0045】
次に本発明にかかるレーザー走査装置の組立調整方法について説明する。
図3は、本発明にかかるレーザー走査装置の組立調整方法を示すフローチャート図である。また、
図4は、本発明の調整手順の段階における調整目標と、レーザー光源からの光強度分布(楕円形)及びアパーチャー透過後の光束(円形の斜線領域)の位置関係とを示す図である。ここで、レーザー光源を半導体レーザーなど、光強度分布が楕円形を成す光源を用いるものとする。
【0046】
また、位置調整のための計測については、例えば、レーザービームプロファイラ計測装置を使用するものとする。
【0047】
最初に、本発明にかかるレーザー走査装置の構成部品の全体組立を行なう(STEP01)。
【0048】
次に、第1のレーザー光源101を点灯する(STEP11)。
【0049】
次に、第1のレーザー光源101の発光点位置の調整を行なう(STEP12)。ここでは、光源調整プレート21とコリメートレンズ201を支持するレンズ調整ホルダ31とを調整することで、変換されたコリメート光が集束光軸Lの方向に合うように調整する。
【0050】
次に、コリメートレンズ201の焦点距離と第1のレーザー光源101の発光点とを一致させる調整を行なう(STEP13)。コリメートレンズ201の焦点距離と半導体レーザー101の発光点とを一致させることでコリメートレンズ透過光はコリメート光となるが、実際の部品では、コリメートレンズの光軸公差、半導体レーザーの発光点公差が存在するので、第1の半導体レーザー101を面内調整し所定の出射角度が得られるように調整する。
【0051】
次に、ミラー調整プレート60を用いて、反射ミラー401の入射位置を調整する(STEP14)。ミラー調整プレート60を偏芯ピンでX方向に移動させて、反射ミラー401の入射位置を調整することで、反射ミラー401からの反射光が入射するMEMSミラー501へのX方向入射位置が調整される。
【0052】
次に、アパーチャー調整ホルダ51を用いて、MEMSミラー501へのZ方向入射位置を調整する(STEP15)。アパーチャー調整ホルダ51を偏芯ピンで回転移動させることで、MEMSミラー501へのZ方向入射位置の調整が実現できる。
【0053】
図4(A)は、STEP15調整前の、調整目標と第1のレーザー光源101による光強度分布及びアパーチャー53を透過後の光束(円形の斜線領域)との位置関係を示す。これをSTEP15の調整を行ない、
図4(B)に示すように、第1のレーザー光源101からアパーチャー53を透過した後の丸型の第1光束の位置(斜線領域)が、調整目標の位置に調整される。
【0054】
次に、レーザービームプロファイラ計測装置を使用して、アパーチャー53を透過した後の丸型の第1光束が、所望の出射角度及び光束径に調整されたかの確認を行ない(STEP16)、問題なければ(OKであれば)、次のSTEP21に進み、問題があれば(NGであれば)、STEP11に戻って再調整を行なう。
【0055】
次に、第2のレーザー光源102及び第3のレーザー光源103を点灯する(STEP21)。
【0056】
次に、第2のレーザー光源102及び第3のレーザー光源103の発光点位置の調整を行なう(STEP22)。
【0057】
次に、コリメートレンズ202の焦点距離と第2のレーザー光源102の発光点とを一致させ、コリメートレンズ203の焦点距離と第3のレーザー光源103の発光点とを一致させる調整を行なう(STEP23)。
【0058】
ここで、STEP22はSTEP12と、STEP23はSTEP13と同様の調整方法でそれぞれのコリメート光が集束光軸Lの方向に合うように調整する。ただし、第2のレーザー光源102と第3のレーザー光源103とは第1のレーザー光源101と向きが違うため、それぞれ調整方向は対応して変わる。
【0059】
次に、プリズム調整プレート41及びプリズム調整プレート42を用いて、それぞれのコリメート光の強度分布光束を調整する(STEP24)。第2の半導体レーザー102からの光束(第2光束)の光強度分布と、第3の半導体レーザー103からの光束(第3光束)の光強度分布とは楕円状の分布となる。これら楕円状分布の狭い方となる楕円短軸方向の中心軸が第1光束の楕円短軸方向の中心軸と一致するように、プリズム301及びプリズム302とが設けられているプリズム調整プレート41及びプリズム調整プレート42をX軸方向に偏芯ピンで移動調整する。
【0060】
それぞれの第1光束、第2光束、及び第3光束の光強度分布は、楕円短軸方向で重なり、楕円長軸方向で若干のずれを有しているが、楕円長軸方向の光強度分布はアパーチャー53で透過する領域は十分重なるため調整を行わない。
【0061】
図4(C)は、STEP24調整前の、調整目標と、STEP15で調整された第1光束の光強度分布と、第2光束及び第3光束の光強度分布との位置関係を示す。これをSTEP24の調整を行ない、
図4(D)に示すように、第2光束及び第3光束の光強度分布における楕円短軸方向の中心軸が第1光束の光強度分布における楕円短軸方向の中心軸と一致するように調整される。
【0062】
次に、レーザービームプロファイラ計測装置を使用して、アパーチャー53を透過した後の第2光束及び第3光束が、所望の出射角度及び光束径に調整されたかの確認を行ない(STEP25)、問題なければ(OKであれば)、調整は完了し、問題があれば(NGであれば)、STEP21に戻って再調整を行なう。
【0063】
図5は、従来の3つのレーザー光源を用いたレーザー走査装置を組み立てる場合の調整方法のフローを示す図である。
図5に示すように、従来のレーザー走査装置を組み立てる場合の調整箇所は、STEP112で2方向(2箇所)、STEP113で1方向(1箇所)、STEP114で2方向(2箇所)が、それぞれのレーザー光源で発生するため計15箇所の調整箇所があり、さらにSTEP212で2方向(2箇所)、STEP312で2方向(2箇所)が2つのレーザー光源で発生するため計6箇所の追加があって、総計で21箇所の調整箇所が発生する。
【0064】
一方、
図3に示す本発明にかかるレーザー走査装置を組み立てる場合の調整方法であれば、STEP12でY方向とZ方向の2箇所、STEP13でX方向の1箇所、STEP14でX方向の1箇所、STEP15でZ方向の1箇所が、第1のレーザー光源で発生するため計5箇所の調整箇所があり、さらにSTEP22でX方向とZ方向の2箇所とSTEP23でY方向の1箇所とSTEP24でX方向の1箇所が2つのレーザー光源で発生するため計8箇所の追加があって、総計で13箇所の調整箇所が発生する。
【0065】
このように、従来の3つのレーザー光源を用いたレーザー走査装置を組み立てる場合の調整方法よりも、本発明にかかるレーザー走査装置を組み立てる場合の調整方法は調整箇所が21箇所から13箇所に削減することができる。
【0066】
また、従来手順による固定箇所は、3つの光源部組立時にそれぞれアパーチャー、コリメートレンズ、レーザー光源の調整固定1箇所の計9箇所を固定する必要があり、さらに全体組立時にそれぞれの光源部を調整固定するので計3箇所を固定する必要があるため、レーザー走査装置全体の組立において全部で12箇所を固定する必要があった。
【0067】
本発明にかかるレーザー走査装置であれば、コリメートレンズ(201、202及び203)と、半導体レーザー(101、102及び103)と、プリズム(301及び302)と、反射ミラー401と、アパーチャー53との調整固定合計10箇所固定で組立が完了するため、調整後の固定箇所は、従来手順では計12箇所であったのに対し、本発明では計10箇所に削減できる。
【0068】
上述の通り、従来の3つのレーザー光源を用いたレーザー走査装置では、レーザー光源毎に光源部を構成する必要から、部品点数と小型化に限界が生じていた。さらに従来のレーザー走査装置では組み立てるのに、光源部調整用の装置工程が多くなる課題があったが、本発明にかかるレーザー走査装置では、それぞれのレーザー光源ごとにアパーチャーを設けることなく構成することができる。これにより、簡素な構成でレーザー走査装置を実現することが可能となるという効果を奏する。
【0069】
また、従来のレーザー走査装置では、光源部のアパーチャーからMEMSミラーに入射するまでのプリズムや筐体による不要反射光の影響を取り除くことができない課題があったが、本発明にかかるレーザー走査装置では、アパーチャーとMEMSミラーとの光路に不要反射光の影響となるプリズムや筐体を設ける必要がないため、アパーチャーとMEMSミラーとの光路に関わる不要反射光の影響を受けないレーザー走査装置を得ることができる。
【0070】
なお、本実施の形態及び図面においてプリズムをキューブ状の形状からなるもので示しているが、この形状に限定されるものではなく、例えば板状の形状からなるものであっても構わない。この場合においても、プリズム301またはプリズム302は、45度に傾斜した反射面を有し、第1の方向(−Y方向)から入射された光束を第1の方向に垂直な第2の方向(−X方向)に反射し、第2の方向と反対の方向である第3の方向(X方向)から入射された光束を第2の方向(−X方向)に通す作用をもつ。