特許第6045724号(P6045724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045724
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】弁板およびそれを有するエアポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/10 20060101AFI20161206BHJP
   F04B 53/10 20060101ALI20161206BHJP
   F16K 47/02 20060101ALI20161206BHJP
   F16K 15/16 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   F04B39/10 P
   F04B53/10 J
   F04B53/10 F
   F16K47/02 H
   F16K15/16 A
【請求項の数】21
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-560544(P2015-560544)
(86)(22)【出願日】2014年10月24日
(65)【公表番号】特表2016-510861(P2016-510861A)
(43)【公表日】2016年4月11日
(86)【国際出願番号】CN2014089475
(87)【国際公開番号】WO2015058717
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2015年9月8日
(31)【優先権主張番号】201310512092.7
(32)【優先日】2013年10月25日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201310514092.0
(32)【優先日】2013年10月25日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201310512134.7
(32)【優先日】2013年10月25日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420565479.9
(32)【優先日】2014年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512234669
【氏名又は名称】廈門科際精密器材有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 坤林
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−206867(JP,A)
【文献】 実開平01−111878(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/10
F04B 53/10
F04B 45/04
F16K 15/16
F16K 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともトップ面に気流を分散するための複数の溝を有する取り付け柱と、
前記取り付け柱の外側において前記取り付け柱の円周に沿って分布し、径方向の内側が前記取り付け柱に接続されるとともに、前記取り付け柱に対して弾性的にスイングされる複数のベーンと
を含むことを特徴とする弁板。
【請求項2】
前記溝は、前記取り付け柱のトップ面に設けられ、且つ前記溝の両端がいずれも開口することを特徴とする請求項1に記載の弁板。
【請求項3】
前記取り付け柱の中心に、中心部を有し、前記複数の溝は、前記中心部から径方向に沿って外へ延在し、円周方向においては、少なくとも二つの前記ベーンが少なくとも一本の溝と対応することを特徴とする請求項2に記載の弁板。
【請求項4】
前記複数の溝の径方向の長さまたは深さが異なることを特徴とする請求項3に記載の弁板。
【請求項5】
前記中心部は、突出部の上面から下へ凹むことを特徴とする請求項3に記載の弁板。
【請求項6】
前記中心部は、突出部の上面から上へ突出することを特徴とする請求項3に記載の弁板。
【請求項7】
前記中心部には、上へ突出する円筒体または角柱体が形成されることを特徴とする請求項6に記載の弁板。
【請求項8】
前記中心部には、上へ突出する先端部が形成されることを特徴とする請求項6に記載の弁板
【請求項9】
前記取り付け柱は、略三角柱体または略円筒体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の弁板。
【請求項10】
隣接の前記ベーンは、リブによって隔離され、前記リブの一端が前記取り付け柱に接続され、前記ベーンにおいて前記リブと接続される位置に緩衝構造を有し、前記緩衝構造は前記ベーンに対して変形の緩衝空間を提供することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の弁板。
【請求項11】
前記緩衝構造は、前記リブに隣接しながら前記ベーンの径方向の外側に形成される譲りギャップであり、または、前記ベーンと前記リブの径方向の外側との間に連結される薄膜であることを特徴とする請求項10に記載の弁板。
【請求項12】
前記ベーンの縁が円滑であることを特徴とする請求項10に記載の弁板。
【請求項13】
排気ノズルを有する上蓋と、
前記上蓋の底部に設置される弁座と、
前記弁座と前記上蓋の間に設置され、且つ前記弁座と前記上蓋とで入気通路と連通する入気チャンバー及び出気通路と連通する出気チャンバーを隔離しながら限定するガスケットと、
前記入気通路に移動可能に設置され、気体を上から下へ一方向的に流動させる入気チェックバルブと、
前記弁座の下に設置されるピストン手段と、を含み、
前記ガスケットは請求項1〜10のいずれか一項に記載の弁板を含み、
前記ベーンは前記取り付け柱に対して弾性的にスイングされ、気体を下から上へ一方向的に流動させることを特徴とするエアポンプ。
【請求項14】
前記弁座には、前記弁板を収容する収容チャンバーが設置され、前記出気通路は前記収容チャンバーの底壁に設置され、前記入気通路は前記弁座の前記収容チャンバーの径方向の外側に設置されることを特徴とする請求項13に記載のエアポンプ。
【請求項15】
前記ガスケットは、さらに、ガスケット本体を含み、前記ガスケット本体は前記弁板を囲むように設置され、前記ガスケット本体の外側が前記上蓋の底端に合わせるように形成され、
前記ガスケット本体には、前記入気チャンバーと連通する第一入気通路が設置され、前記ガスケット本体の内側縁と前記ベーンの間に、前記出気チャンバーと連通する第一出気通路が限定されることを特徴とする請求項13に記載のエアポンプ。
【請求項16】
前記ベーンの厚さが径方向の内側から外側へ向かって次第に減少することを特徴とする請求項15に記載のエアポンプ。
【請求項17】
前記ベーンの下面が前記ガスケット本体の下端と面一に形成され、前記ベーンの上面が前記ガスケット本体の上面より低い、且つその径方向の内側から外側へ次第に傾斜することを特徴とする請求項15に記載のエアポンプ。
【請求項18】
前記弁座には、第二入気通路と第二出気通路が設置され、前記入気通路は前記第一入気通路と前記第二入気通路により構成され、前記出気通路は前記第一出気通路と前記第二出気通路により構成され、前記入気チェックバルブは前記第二入気通路に設置されることを特徴とする請求項15に記載のエアポンプ。
【請求項19】
前記ピストン手段は、
下へ凹みピストンチャンバーを限定する複数のエアバッグを備え、前記弁座の下に設置されるピストン隔膜と、
前記ピストン隔膜の下に設置され、前記エアバッグにより貫通されるシリンダーと、
前記シリンダーの下に設置される台座と、
前記台座に設置され、前記ピストン隔膜の前記エアバッグと合わせるように形成されるロッド機構と、
前記台座の下に設置され、前記台座に入る駆動軸を有し、前記エアバッグを移動させるように前記ロッド機構を駆動するモータと、
を含むことを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載のエアポンプ。
【請求項20】
前記台座に入気溝が設けられ、前記シリンダーと前記ピストン隔膜のトップの側面壁の間に対応して第三入気通路が形成され、前記弁座に第一入気孔が設けられ、前記ガスケットには前記入気チャンバーと連通する第二入気孔が設けられ、
前記入気溝は前記第三入気通路によって前記第一入気孔と連通し、前記第二入気孔は前記第一入気孔と上下に対応し、
前記弁板のベーン、前記入気チェックバルブ、前記入気通路の前記第三入気通路、出気通路、第一入気孔および前記第二入気孔の数は、それぞれ前記エアバッグの数と同じであることを特徴とする請求項19に記載のエアポンプ。
【請求項21】
前記上蓋には、前記入気チャンバーと連通する入気口が設けられ、
前記弁板のベーン、前記入気チェックバルブ、前記入気通路および出気通路の数は、それぞれ前記エアバッグの数と同じであることを特徴とする請求項19に記載のエアポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エアポンプ領域に関し、特に弁板およびそれを有するエアポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のエアポンプは、通常図1に示すような弁板を一方向配流装置として使っている。当弁板は、全体的に円形構造であり、三つの弾性的スイング可能なベーン1’を有する。また、上記三つのベーン1’は径方向の三本のリブ2’によって隔離される。各ベーン1’の円周方向の両端がそれぞれリブ2’に一体的に接続される。当弁板のトップ面の中部には、さらに平らなトップ面を有する取り付け柱3’が設けられる。エアポンプにおいて、当弁板は各ベーン1’が上下に弾性的にスイングすることによって、対応する出気孔の開閉を実現し、一方向的な流れが形成される。具体的には、各ベーン1’は気体流れの圧力で上へスイングし、エアポンプにおける対応の出気孔を開く。気体は出気孔を通過して取り付け柱のトップ面を経由してエアポンプの排気管へ流れる。弁板の取り付け柱のトップ面が平であるため、気体流れが弁板の取り付け柱のトップ面を通るとき、流れの面積が割合に大きく、気体流速が大きくなり、これで、大きい気流騒音を発生する。その結果、エアポンプの運転騒音が大きくなり、人々の生活に騒音汚染を与える。
【0003】
また、従来技術のエアポンプは、一般的には、モータによってロッド機構を駆動しピストンをプルまたはプッシュして、吸出気の一方向配流装置と組んで吸気や排気を実現する。現在のエアポンプの一方向配流装置は、一般的には、ガスケットを超音波方式で排気管を有する上蓋にシール接続して、吸気チャンバーと出気チャンバーを隔離し、更に、排気チェックバルブを使って出気の配流を実現する。ガスケットと上蓋を超音波方式でシール接続したため、各部分の超音波溶接量が不均一となり、そしてガスケットの各エッジの圧縮量も不一致になりやすく、排気チェックバルブの反り変形を生じる。そのほか、従来技術の排気チェックバルブは一般的には、平面構造であり、排気チェックバルブが長時間運転すると、弾性的疲労を生じやすく、人間頭のような反り変形を生じる。結果的に排気チェックバルブのシール性が悪化し、エアポンプの気密性が下がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術における少なくとも一つの問題を解決するため、気体流れ騒音を低減して、エアポンプの騒音を低減できる弁板を提供することにある。
【0005】
本発明のもう一つの目的は、前記弁板を有するエアポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一側面の実施例による弁板は、少なくともトップ面に気流を分散するための複数の溝を有する取り付け柱と、前記取り付け柱の外側において前記取り付け柱の円周に沿って分布し、径方向の内側が前記取り付け柱に接続されるとともに、前記取り付け柱に対して弾性的にスイングされる複数のベーンとを含む。
【0007】
本発明の実施例によれば、少なくとも取り付け柱のトップ面に溝を設けることによって、取り付け柱のトップ面を流れる気体の流体が溝により若干小さい気流に分割され、気流の速度を低減して、気流騒音を低減し、エアポンプの騒音を低減する目的を達成する。
【0008】
いくつかの実施例には、前記溝は、前記取り付け柱のトップ面に設けられ、且つ前記溝の両端がいずれも開口する。
【0009】
いくつかの実施例には、前記取り付け柱の中心において、中心部を有し、前記複数の溝は、前記中心部から径方向に沿って外側へ延在し、且つ円周方向においては、少なくとも二つの前記ベーンが少なくとも一本の溝と対応する。これによって、各溝をうまく利用して気流をガイドしながら分流し、気流の速度を更に低減して、気流騒音を更に低減する。
【0010】
いくつかの実施例には、前記複数の溝の径方向の長さまたは深さが異なる。
【0011】
いくつかの実施例には、前記中心部は、突出部の上面から下へ凹む。
【0012】
いくつかの実施例には、前記中心部は、突出部の上面から上へ突出する。
【0013】
いくつかの実施例には、前記中心部には、上へ突出する円筒体または角柱体が形成される。
【0014】
いくつかの実施例には、前記中心部には、上へ突出する先端部が形成される。
【0015】
いくつかの実施例には、前記取り付け柱は、略三角柱体または略円筒体である。
【0016】
いくつかの実施例には、隣接の前記ベーンは、リブによって隔離され、前記リブの一端が前記取り付け柱に接続され、前記ベーンにおいて前記リブと接続される位置に緩衝構造を有し、前記緩衝構造は前記ベーンに対して変形の緩衝空間を提供する。これによって、本発明実施例による弁板を組み立てるとき、ベーンがスクイズされて変形すれば、緩衝構造を利用してその変形をリリース(解放)できるため、ベーンの反り変形を避けられ、エアポンプの気密性を保証することができる。
【0017】
いくつかの実施例には、前記緩衝構造は、前記リブに隣接しながら前記ベーンの径方向の外側に形成される譲りギャップであり、または、前記ベーンと前記リブの径方向の外側との間に連結される薄膜である。
【0018】
いくつかの実施例には、前記ベーンの縁が円滑である。
【0019】
本発明の第二側面の実施例によるエアポンプは、排気ノズルを有する上蓋と、前記上蓋の底部に設置される弁座と、前記弁座と前記上蓋の間に設置され、且つ前記弁座と前記上蓋とで入気通路と連通する入気チャンバー及び出気通路と連通する出気チャンバーを隔離しながら限定するガスケットと、前記入気通路に移動可能に設置され、気体を上から下へ一方向的に流動させる入気チェックバルブと、前記弁座の下に設置されるピストン手段とを含み、前記ガスケットは上述した実施例に記載の弁板を含み、前記ベーンは前記取り付け柱に対して弾性的にスイングされ、気体を下から上へ一方向的に流動させる。
【0020】
いくつかの実施例には、前記弁座には、前記弁板を収容する収容チャンバーが設置され、前記出気通路は前記収容チャンバーの底壁に設置され、前記入気通路は前記弁座の前記収容チャンバーの径方向の外側に設置される。
【0021】
いくつかの実施例には、前記ガスケットは、さらに、ガスケット本体を含み、前記ガスケット本体は前記弁板を囲むように設置され、前記ガスケット本体の外側が前記上蓋の底端に合わせるように形成され、前記ガスケット本体には、前記入気チャンバーと連通する第一入気通路が設置され、且つ前記ガスケット本体の内側縁と前記ベーンの間に、前記出気チャンバーと連通する第一出気通路が限定される。このように、ガスケット本体自身のゴムのシール特性により上蓋とシールし、入気チャンバーと出気チャンバーを隔離する。従来の超音波シール方式と比べれば、本発明実施例のエアポンプのガスケットのゴム圧縮量が容易に制御でき、従って、ガスケットの圧縮量過大によるベーンの反り変形を避けられる。
【0022】
いくつかの実施例には、前記ベーンの厚さが径方向の内側から径方向の外側へ向かって次第に減少する。
【0023】
いくつかの実施例には、前記ベーンの下面が前記ガスケット本体の下端と面一に形成され、前記ベーンの上面が前記ガスケット本体の上面より低い、且つその半径方向の内側から半径方向の外側へ次第に傾斜する。これによって、ガスケットの各エッジの圧縮量の不一致や過大によるベーン端部の反り変形を避けられ、また、長時間運動したベーンが弾性疲労でその端部において反り変形する現象も避けられる。したがって、エアポンプの気密性を大幅にあげられる。
【0024】
いくつかの実施例には、前記弁座には、第二入気通路と第二出気通路が設置され、前記入気通路は前記第一入気通路と前記第二入気通路により構成され、前記出気通路は前記第一出気通路と前記第二出気通路により構成され、前記入気チェックバルブは前記第二入気通路に設置される。
【0025】
いくつかの実施例には、前記ピストン手段は、下へ凹みピストンチャンバーを限定する複数のエアバッグを備え、前記弁座の下に設置されるピストン隔膜と、前記ピストン隔膜の下に設置され、前記エアバッグにより貫通されるシリンダーと、前記シリンダーの下に設置される台座と、前記台座に設置され、前記ピストン隔膜の前記エアバッグと合わせるように形成されるロッド機構と、前記台座の下に設置され、前記台座に入る駆動軸を有し、前記エアバッグを移動させるように前記ロッド機構を駆動するモータとを含む。
【0026】
いくつかの実施例には、前記台座に入気溝が設けられ、前記シリンダーと前記ピストン隔膜のトップの側面壁の間に対応して第三入気通路が形成され、前記台座に第一入気孔が設けられ、前記ガスケットには前記入気チャンバーと連通する第二入気孔が設けられ、前記入気溝は前記第三入気通路によって前記第一入気孔に連通し、且つ前記第二入気孔は前記第一入気孔と上下に対応し、前記弁板のベーン、前記入気チェックバルブ、前記入気通路の前記第三入気通路、出気通路、第一入気通路および前記第二入気孔の数は、それぞれ前記エアバッグの数と同じである。
【0027】
いくつかの実施例には、前記上蓋には、前記入気チャンバーと連通する入気口が設けられ、前記弁板のベーン、前記入気チェックバルブ、前記入気通路および出気通路の数は、それぞれ前記エアバッグの数と同じである。
【0028】
本発明実施例のエアポンプによれば、超音波方式の代わりに、直接にゴムシール方式でガスケットと上蓋を連結し、且つベーンの構造を改善して、ベーンの反り変形を避けられる。したがって、エアポンプの気密性を大幅にあげられる。
【0029】
本発明の付加的特徴と利点は、その一部が下記の記述からあげられ、ほかの部分が下記の記述により顕著となり、あるいは、本発明の使用を通して理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
下記の図面を利用して、本発明の上述および/または付加の側面と利点をよく理解できる。その中で、
図1】従来の弁板の模式図である;
図2】本発明の一実施例による弁板の模式図である;
図3】本発明の別の実施例による弁板の別の角度の模式図である;
図4】本発明の一実施例によるエアポンプの部品組み立て図である;
図5図4に示すエアポンプの断面図である;
図6】本発明のほかの一実施例によるエアポンプの部品組み立て図である;
図7a図6に示すエアポンプの一実施例のガスケットの模式図である;
図7b図7aに示すガスケットの上面図である;
図7c図7aに示すガスケットの断面図である;
図8a図6に示すエアポンプの別の実施例のガスケットの模式図である;
図8b図8aに示すガスケットの正面図である;
図9a図6に示すエアポンプのもう一つの実施例のガスケットの模式図である;
図9b図9aに示すガスケットの、円筒体の中心部が示された正面図である;
図9c図9aに示すガスケットの、先端部の中心部が示された正面図である;
図10図6に示すエアポンプの弁座の模式図である;
図11図6に示すエアポンプの正面図である;と
図12図11に示すエアポンプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、図面に示された実施例について詳しく説明する。下記の記述で図面を引用するとき、別に表示がない限り、異なる図面の同じ数字は同じ要素、または類似的要素を示す。図面を参照しながら説明する下記の実施例は、本発明の解釈のみの例示であり、本発明を制限するものと理解できない。
【0032】
本発明の記述には、「上」、「下」、「垂直」、「水平」、「トップ」、「底」、「内」、「外」、「円周方向」など方位や位置関係を指示する用語が、図面に基づくものであり、本発明を簡単に説明することだけで、その装置や要素が必ず特定の方位になったり、特定の方位で操作することはない。したがって、本発明を制限するものと理解できない。また、「第一」、「第二」などの用語が単なる目的を説明するためのものであり、その相対的重要性またはその技術特徴の数を意味することはない。したがって、「第一」、「第二」という用語を付けた特徴が一つまたは複数の該当特徴を含めることを意味する。本発明には、別に説明がない限り、「複数」というのは二つまたは二つ以上を意味する。
【0033】
本発明の説明には、別に説明がない限り、「取り付け」、「接続」、「連結」などの用語が、広い意味を持っている。たとえば、固定的に連結してもよいし、離脱可能に連結したり、一体的に連結することもできる。また、機械的連結、電気的連結、または、直接連結や中間物を介する連結、二つの要素の内部的連通などが可能である。本領域の技術者が、具体的状況を見て上記の用語を理解することができる。
【0034】
以下に、図2図3図7図9cを参照しながら、本発明の第一側面の実施例の弁板10を説明する。当弁板10はエアポンプの中に一方向出気配流装置として使われる。
【0035】
本発明の実施例による弁板10は、少なくともトップ面に気流を分散するための複数の溝111を有する取り付け柱11と、複数のベーン12とを含む。ここで、「少なくともトップ面」というのは、取り付け柱11のほかの位置、たとえば、側面に溝を設けることもできる。複数のベーン12は、取り付け柱11の外側において取り付け柱11の円周に沿って分布し、各ベーン12は、径方向の内側が取り付け柱11に弾性的スイング可能に接続する。
【0036】
したがって、本発明の実施例の弁板10によれば、少なくとも取り付け柱11のトップ面に溝111を設けることによって、取り付け柱11のトップ面を流れる気流が溝111により若干小さい気流に分割され、気流の速度を低減して、気流騒音を低減し、エアポンプの騒音を低減する目的を達成する。
【0037】
本発明の一つの実施例によれば、溝111は、取り付け柱11のトップ面に設けられ、且つ溝111の両端がいずれも開口する。任意選択で、図2図7に示すように、取り付け柱11の中心に、中心部113を有し、複数の溝111は、中心部から径方向に沿って外へ延在し、且つ円周方向においては、少なくとも二つのベーン12が少なくとも一本の溝111と対応する。これによって、各溝111うまく利用して気流をガイドしながら分流し、気流の速度を更に低減して、気流騒音を更に低減する。任意選択で、複数の溝111の径方向の長さが異なる。これによって、最大限に気流の流路を延ばせ、気流騒音を更に効果的に低減でき、エアポンプの作動騒音を避けられる。当然、任意選択で、複数の溝111の深さが異なることもできる。これによって、気流が深さの違う溝111の中に何回も騒音を軽減することを確保することができる。このましくは、溝111の内部が円滑である。これによって、気流が溝111の中に乱流を形成することを避けることができる。このましくは、隣接の溝111の間には、連通溝(図に示せず)が設けられる。これによって、一つの溝111の気流流速が隣接の別の一つの溝111より速い場合、流速の速い溝111内の気体が連通溝により流速の低い溝111へ進入することができる。これによって、ガスチャンバー14内の気流が十分且つ効果的に減速される。
【0038】
発明の具体的な実施例によれば、中心部113は、取り付け柱11の上面から下へ凹むことができる。図8aと図8bに示すように、一つの溝111の容積が中心部113の容積より遥かに小さい。言い換えれば、気流が複数の溝111によって減速して騒音を低減した後、下へ凹んでいる中心部113に入り、二回目の騒音減少を行う。これによって、エアポンプの作業騒音を更に低減できる。
【0039】
図9a〜9cに示すように、本発明の別の具体的な実施例によれば、中心部113は、取り付け柱11の上面から上へ突出する。任意選択で、図9aと図9bに示すように、中心部113には、上へ突出する円筒体1131または角柱体が形成される。そのうち、突出した円筒体1131または角柱体はエアポンプの出気通路PBの中に延在し、且つ突出した円筒体1131または角柱体の外側壁には、複数の第一ガイド溝262が設けられることができる。これによって、溝111からのガスが第二ガイド溝11311に沿って出気通路PBに入り、緩やか且つ安定な気流に容易になる。任意選択で、図9aと図9cに示すように、中心部113には、上へ突出する先端部1132が形成される。そのうち、突出した先端部1132はエアポンプの出気通路の中に入り、このように、気流が先端部の円滑な外面に沿って出気通路に入り、気流が緩やかに流出することを確保することができる。
【0040】
いくつかの実施例には、取り付け柱11は、略三角柱体(図2に示す)または略円筒体(図7に示す)である。
【0041】
図2に示すように、本発明のいくつかの実施例によれば、隣接のベーン12は、リブ13によって隔離され、リブ13の一端が取り付け柱11に接続され、ベーン12においてリブ13と接続される位置に緩衝構造を有し、緩衝構造はベーン12に対して変形の緩衝空間を提供する。これによって、本発明実施例による弁板を組み立てるとき、ベーンがスクイズされて変形した場合、緩衝構造を利用してその変形をリリース(解放)できるため、ベーンの反り変形を避けられ、エアポンプの気密性を保証することができる。
【0042】
一つの例示には、図2に示すように、緩衝構造は、リブ13に隣接しながらベーン12の径方向の外側に形成される譲りギャップ14aである。別の例示には、緩衝構造は、ベーン12とリブ13の径方向の外側との間に連結される薄膜14bであってもよい。これによって、各ベーンの組み立て及びスクイズに対して、変形の緩衝空間を提供するだけでなく、各ベーンの強度をアップして、エアポンプの性能をあげられる。
【0043】
本発明実施例の弁板によれば、具体的状況に応じて、ベーンは三つ、または、四つでもよいし、あるいは、四つ以上でもよい。
【0044】
本発明の第二側面の実施例によるエアポンプは、図4及び図6を示すように、排気ノズル21を有する上蓋2と、上蓋2の底部に設置される弁座3と、弁座3と上蓋2の間に設置され、且つ弁座3と上蓋2とで入気通路と連通する入気チャンバー及び出気通路と連通する出気チャンバーを隔離しながら限定するガスケット1と、入気通路に移動可能に設置され、気体を上から下へ一方向的に流動させる入気チェックバルブ5と、弁座3の下に設置されるピストン手段4とを含み、ガスケット1は前述実施例の弁板10を含み、前記ベーンは前記取り付け柱に対して弾性的にスイングされ、気体を下から上へ一方向的に流動させる。任意選択で、入気チェックバルブ5は、茶碗型、傘型、または、平面形状である。
【0045】
具体的には、ピストン手段4は、ピストン隔膜41と、シリンダー42と、台座43と、ロッド機構44と、モータ45とを含む。図4図6に示すように、ピストン隔膜41は、下へ凹みピストンチャンバー412を限定する複数のエアバッグ411を備え、弁座3の下に設置される。シリンダー42は、ピストン隔膜41の下に設置され、エアバッグ411により貫通される。台座43は、シリンダー42の下に設置される。ロッド機構44は、台座43に設置され、ピストン隔膜41のエアバッグ411と合わせるように形成される。モータ45は、台座43の下に設置され、その駆動軸451が台座43に入りエアバッグ411を移動させるようにロッド機構44を駆動する。
【0046】
図4図6に示すように、さらに、ロッド機構44は、ロッドスタンド441と、偏心輪442と、鋼針443とを含む。具体的には、ロッドスタンド441は複数のスルーホール4411を有し、シリンダー42の下に設置され、その底部から位置定めピン4412が伸び出す。複数のスルーホール4411は、それぞれピストン隔膜41のエアバッグ411に套設される。偏心輪442は弁座3の中に設置される。モータ45の駆動軸451が台座43に入って偏心輪442に固定連結する。偏心輪442には斜孔4421が設けられ、斜孔の底部には鋼球(図に示せず)が設置されている。鋼針443の一端が斜孔4421の中に設置され、他端がロッドスタンド441の底部の位置定めピン4412の中に入る。
【0047】
本発明の一実施例のエアポンプによれば、図4図5に示すように、弁座3には、弁板10を収容する収容チャンバー32が設置され、出気通路PBは収容チャンバー32の底壁に設置され、入気通路PAは弁座3の収容チャンバー32の径方向の外側に設置される。任意選択で、入気通路PAと出気通路PBはいずれも一つ以上の入気孔を有する。
【0048】
図6図12に示すように、本発明の別の実施例のエアポンプによれば、ガスケット1は、さらに、ガスケット本体15を含む。ガスケット本体15は弁板10を囲むように設置され、ガスケット本体15の外側が上蓋2の底端に合わせるように形成される。このように、ガスケット本体自身のゴムのシール特性と上蓋2の気密性を利用してシールし、入気チャンバーと出気チャンバーを隔離する。従来の超音波シール方法と比べれば、本発明実施例のエアポンプのガスケットのゴム圧縮量が容易に制御されることができ、従って、ガスケットの圧縮量過大によるベーンの反り変形を避けられる。
【0049】
また、ガスケット本体15には、第一入気通路101が設置され、ガスケット本体15の内側縁とベーン12の間に、第一出気通路102が形成される。ベーン12はガスケット本体15と取り付け柱11に対して弾性的にスイングされ、気体を下から上へ一方向的に流動させる。それに対して、弁座3には、第二入気通路301と第二出気通路302が設置され、入気通路は第一入気通路101と第二入気通路301により構成され、出気通路は第一出気通路102と第二出気通路302により構成され、入気チェックバルブ5は第二入気通路301に設置される。
【0050】
ガスケットの各エッジの圧縮量の不一致や過大によるベーン端部の反り変形を避けるため、一つの好ましい実施例には、ベーン12の厚さがその径方向の内側からその径方向の外側へ向かって次第に減少する。さらに、図7cに示すように、ベーン12の下面がガスケット本体15の下端と面一に形成され、ベーン12の上面がガスケット本体15の上面より低い、且つその径方向の内側から径方向の外側へ次第に傾斜する。これによって、ガスケットの各エッジの圧縮量の不一致や過大によるベーン端部の反り変形を避けられ、また、長時間運動したベーンが弾性疲労でその端部において反り変形する現象も避けられる。本発明はベーン構造を改善した後、明らかにエアポンプの気密性を大幅に上げられる。そのほか、本発明は、ベーンをガスケット本体と一体化したので、ベーン端部のバリ取り作業を省略し、次第に、この作業によるベーン端部の変形も避けられる。
【0051】
任意選択で、ベーン12の外側輪郭が円滑になり、ベーン12の上面と取り付け柱11の間にカーブを呈する。これによって、さらに、ベーン端部の反り変形を避けられ、エアポンプの気密性を上げられる。
【0052】
次は、図2図12を参照しながら、本発明のいくつかの実施例の弁板とそれを有するエアポンプを説明する。
【0053】
実施例一
図2図3を参照して、本実施例には、当弁板は三つのベーンを有する。
【0054】
図2に示すように、弁板10は、三つの弾性的スイング可能なベーン12と、三本の径方向に設置されるリブ13と、ひとつの弁板10の中部トップ面に設置される取り付け柱11とを有する。当弁板10の三つのベーン12は、円周方向に沿って分布し、全体的に円形に類似した構造であり、隣接の二つのベーン12はそれぞれリブ13によって隔離される。各ベーン12の根元部がそれぞれ取り付け柱11に一体的に連結する。
【0055】
前記弁板10の取り付け柱11は、三角柱体に類似した構造であり、弁板10の底面に、取り付け柱11の内部を貫通する取り付け孔112が設けられる(図3に示す)。弁板10の各リブ13の径方向の内側がそれぞれ取り付け柱11の側面に一体的に連結する。当取り付け柱11のトップ面には、長さや断面積が違う六本の溝111が設けられる(当然、溝111が六本に限らない)。当六本の溝111はそれぞれ取り付け柱11の径方向に沿って分布する。具体的に、その中の三本の溝が取り付け柱11の三つの角度方向に沿って設置され、残る三本の溝がそれぞれ取り付け柱11の三つのエッジに垂直する方向に沿って設置される。当六本の溝111の両端がそれぞれか開口し、すなわち、当六本の溝111の両端がそれぞれ閉じなく、完全な気流通路を形成し、各溝の径方向の内側がそれぞれ互いに連通する。
【0056】
その中に、前記各ベーン12においてリブ13と接続する外側端部にそれぞれ一つの緩衝構造が設置される。図2に示すように、緩衝構造は、各ベーン12の組み立て及びスクイズに対して、変形の緩衝空間を提供する譲りギャップ14aである。図3に示す例示には、緩衝構造は、薄膜14bである。
【0057】
次は、図4図5を参照しながら、前記実施例一の弁板を利用したエアポンプを説明する。当弁板は三つのベーン12を有するので、入気通路、出気通路、ピストン隔膜41のエアバッグ411などはいずれも三つである。
【0058】
本発明実施例のエアポンプによれば、弁座3には、弁板10を収容する収容チャンバー32が設置される。具体的に、収容チャンバー32の底壁に、上へ延在する取り付け軸321が設置され、当取り付け軸321は弁板10の取り付け柱11底面の取り付け口112と合わせて、弁板10を収容チャンバー32に設置する。上蓋2は、弁座3と上下に合わせ、弁座3との間に互いに隔離する入気チャンバーと出気チャンバーを形成する。入気チャンバーが上蓋2の入気口22と連通し、出気チャンバーが上蓋2の排気管21および弁座3の収容チャンバー41と連通する。
【0059】
図4に示すように、出気通路は収容チャンバー32の底壁に設置され、この場合、弁板10の三つのベーン12がそれぞれ弁座3の出気通路に貼付けられる。入気通路は弁座3の収容チャンバー32の径方向の外側、すなわち、収容チャンバー32の外側部分に設置される。三つの入気通路は、それぞれピストン隔膜41の三つのエアバッグと連通する。図4に示す例示には、各入気通路が一組六個の入気孔を含む。
【0060】
各入気チェックバルブ5は傘型構造であり、弁座3に設置されて、弁座3の各組の入気孔を一方向的に開閉する。ピストン隔膜41のトップ端、シリンダー42、台座43が順番にボルトで弁座3の底端に固定される。ピストン隔膜41の各エアバッグ411がシリンダー42の中に嵌装され、ロッド機構44とモータ45がそれぞれ台座43に設置され、モータ45の駆動軸451がロッド機構44と作動連結される。ロッド機構44がピストン隔膜41のエアバッグ411に套設されて合わせる。弁座3の各出気孔と各入気孔がそれぞれピストン隔膜41の各エアバッグ411と対応している。すなわち、弁座3の各出気孔と各入気孔が開いている状態では、それぞれ対応のエアバッグ411と連通する。
【0061】
図4図5に示すように、上述のロッド機構44は、偏心輪442と、鋼針443とロッドスタンド441とを含む。前記モータ45が台座43の底端に設置され、偏心輪442は台座43の中に設置される。モータ45の駆動軸451が台座43に入って偏心輪442に固定連結する。偏心輪442は鋼針443によってロッドスタンド441に連結する。ロッドスタンド441は三つのスルーホール4411を有し、当ロッドスタンド441の各スルーホール4411がそれぞれピストン隔膜41の各エアバッグ411に一対一で套設されるように合わせる。
【0062】
本実施例のエアポンプの動作過程は、以下の通りである。前記弁板10を取り付けると、モータ45に通電し、一定のトルクと角速度を出力して、偏心輪442を回転させる。さらに、鋼針443及びロッドスタンド441によって、偏心輪442の回転運動をエアバッグ411の直線往復運動に変えて、エアポンプの吸気と排気動作を実現し、エアポンプに一定の流量と圧力を出力させる。偏心輪442が一周回転すると、ピストン隔膜41の三つのエアバッグ411がそれぞれ一回の吸気と排気動作を完成する。ピストン隔膜41のエアバッグ411が吸気するとき、気体が上蓋2の入気管22から入気チャンバーに入り、入気チェックバルブ54を弾性的に変形させて、弁座3の三組の入気孔を開いて、気体がピストン隔膜41のエアバッグ411に入り、ピストン隔膜41のエアバッグ411が小さいから大きくなり、吸気過程を実現する。ピストン隔膜41の各エアバッグ411が排気するとき、各入気チェックバルブ5が元に戻して、弁座3の三組の入気孔を閉じる。気体が弁板10の各ベーン12に作用し、弁板10の各ベーン12が気体からの圧力を受けて上へ弾性的に変形して、弁座3の各出気孔を開いて、気体が収容チャンバー41に入り、弁板10の取り付け柱13のトップ面の各溝111へ流れる。気体が弁板10の取り付け柱13のトップ面の各溝111を流れるとき、各溝111の断面積が割合小さく、且つ各溝の長さが不一致なので、気体の流速が低減し、流速の違う小気流に分散する。したがって、気流騒音が下がり、即ち、エアポンプの騒音を下げる。最後に、各小気流が上蓋2の排気管21から排出され、対応するエア実行装置に導入される。この過程において、ピストン隔膜41のエアバッグ411が大きいから小さくなり、排気過程を完成する。
【0063】
本発明実施例のエアポンプによれば、ベーン12とリブ13の間に、たとえば、譲りギャップ14aまたは薄膜14bのような緩衝構造を有する。これによって、当弁板10を組み立てるとき、各ベーン12がどんな場合にも組み立て及びスクイズによる変形することがない。すなわち、各ベーン12が組み立てられた後、反り変形を生じない。各ベーン12が依然として弁座3の各出気孔に緊密に貼付けて、エアポンプの気密性を保証することができる。これは、各ベーン12の両端の譲りギャップ14aがベーン12に対して変形のリリース(解放)空間(緩衝空間)を提供し、ベーン12がスクイズ変形する可能性を無くしたわけである。
【0064】
当然、当エアポンプの構造が上述した実施例に限らない。たとえば、そのエアバッグ411の数が三つに限らず、二つまたは四つであってもよい。上蓋2の入気管22から入気する代わりに、別の入気構造も利用できる。たとえば、台座43とシリンダー42の間の隙間から入気する。
【0065】
以下に、図6図12を参照しながら、本発明の別の実施例の弁板10とそれを有するエアポンプを具体的に説明する。そのうち、当弁板は、四つのベーン12を含む。
【0066】
図7図9cに示す実施例には、弁板10は、取り付け柱11と、取り付け柱11を囲んで円周方向に沿って分布する四つのベーン12を含む。各ベーン12の根元部がそれぞれ取り付け柱11に一体的に連結する。当弁板10の取り付け柱は、円筒体構造である。当取り付け柱11のトップ面には、長さや断面積が違う八本の溝が設けられる(当然、溝111の数が八本に限らない)。当八本の溝111はそれぞれ取り付け柱11の径方向に沿って分布する。具体的には、当八本の溝が取り付け柱の円周方向に沿って均一に分布する。当八本の溝111の両端がそれぞれ開口し、すなわち、両端がそれぞれ閉じなく、完全な気流通路を形成して、各溝の径方向の内端がそれぞれ互いに連通する。
【0067】
本実施例によれば、弁板10が、それを囲むガスケット本体15と一緒にガスケット1を構成することができる。このように、二つの隣接ベーンがそれぞれ、リブ13によって隔離される。リブ13が、取り付け柱11とガスケット本体15の間に接続される。その中に、上述の各ベーン12においてリブ13と接続する外端部に、それぞれ一つの緩衝構造を有する。図7に示すように、緩衝構造は譲りギャップ14aであり、各ベーン12の組み立て及びスクイズに対して変形の緩衝空間を提供する。好ましくは、ベーン12の外側輪郭が円滑になり、ベーン12の上面と取り付け柱11の間にカーブを呈する。これによって、さらに、ベーン端部の反り変形を避けられ、エアポンプの気密性を上げられる。
【0068】
以下に、図6図12を参照しながら、前記実施例二の弁板を利用したエアポンプを説明する。当弁板は四つのベーン12を有するので、入気通路、出気通路、ピストン隔膜41のエアバッグ411などはいずれも四つである。
【0069】
本発明実施例のエアポンプによれば、ガスケット1は、さらに、ガスケット本体15を含み、ガスケット本体15は弁板10を囲むように設置される。ガスケット本体15の外側が上蓋2の底端に合わせるように形成される。ガスケット本体15には、第一入気通路101が設置され、ガスケット本体15の内側縁とベーン12の間に、第一出気通路102が形成される。それに対して、弁座3には、第二入気通路301と第二出気通路302が設置され、入気通路は第一入気通路101と第二入気通路301により構成され、出気通路は第一出気通路102と第二出気通路302により構成され、入気チェックバルブ5は第二入気通路301に設置される。弁板10のベーン12はガスケット本体15と取り付け柱11に対して弾性的にスイングされ、気体を下から上へ一方向的に流動させる。
【0070】
ベーン12はガスケット2の第一出気通路102の下面に一体的に連結する。ベーン12のトップ面の高さが内から外へ(ベーン12とガスケット2の一体的に連結する部位から、ベーン12の端部の中軸線に沿って外に向ける方向を意味し、ここで、ベーン12がガスケット2の半径方向に沿って設置されたので、内から外へというのは、ガスケット2の半径方向に沿って外への方向を意味する)次第に減少する。具体的に、当ベーン12のトップ面が斜面になることによって、ガスケット2の圧縮量過大および/またはベーン12の長時間運動の弾性疲労で生じるベーン12の反り変形を避けられる。
【0071】
ピストン手段4は、四つのエアバッグ411のピストン隔膜41と、シリンダー42と、台座43と、ロッド機構44と、モータ45とを含む。シリンダー42、台座43が順番に弁座3の底端に固定される。ピストン隔膜41がシリンダー42の中に嵌装され、ロッド機構44とモータ45がそれぞれ台座43に設置され、且つモータ45の駆動軸451がロッド機構44と作動連結される。ロッド機構44がピストン隔膜41のエアバッグ411に套設されるように合わせる。台座43に入気溝(図に未表示)が設けられ、シリンダー42とピストン隔膜41のトップの側面壁の間に対応して第三入気通路401が形成され、台座3に第一入気孔31が設けられ、ガスケット1には入気チャンバーと連通する第二入気孔16が設けられ、台座43の入気溝は第三入気通路401によって弁座3の第一入気孔31と連通し、且つガスケット1の第二入気孔16は弁座3の第一入気孔31と上下に対応する。前記ベーン12、入気チェックバルブ5、第一入気通路101、第二入気通路301、第三入気通路401、第一出気通路102、第二出気通路302、第一入気孔31、第二入気孔16の数は、それぞれピストン手段41のエアバッグ411の数と同じであるとともに、一対一で対応している。そのほかに、前記入気溝、第三入気通路401、第一入気孔31および第二入気孔16を設置する必要がなく、上蓋2に入気チャンバーと連通する入気口を設置することもできる。
【0072】
前記ロッド機構44は、偏心輪442と、鋼球(図に示さず)と、鋼針443とロッドスタンド441とを含む。モータ45は、具体的には、二つのボルトで台座43の底端(台座43の底端とモータ45の間にさらに一つのワッシャー46を入れる)に固定され、モータ45の外には一つのカバー47が更に套設される。偏心輪442は台座43の中に設置される。モータ45の駆動軸451が台座43に入って偏心輪442に固定連結する。偏心輪442には一つの斜孔4421が設けられ、当該斜孔の底部には鋼球が設置される。鋼針443の一端が斜孔4421の中に設置され、鋼針443の他端がロッドスタンド441に入る。ロッドスタンド441は四つのスルーホールを有し、当ロッドスタンド441の四つのスルーホールがそれぞれピストン隔膜41の四つのエアバッグ411に套設されるように合わせる。
【0073】
任意選択で、図6に示すように、エアポンプは、さらに、四つのスナップ6を含む。前記上蓋2、弁座3、シリンダー42、台座43の四つのエッジには、それぞれスナップと対応するスロットが設けられる。前記上蓋2、弁座3、シリンダー42、台座43は、それぞれ、スナップ6とスロットの結合により、上下順番に固定連結される。
【0074】
本実施例のエアポンプの動作過程は、以下の通りである。モータ45に通電し、一定のトルクと角速度を出力するとともに偏心輪442を回転させて、鋼球、鋼針443及びロッドスタンド441によって、偏心輪442の回転運動をピストン隔膜41の直線往復運動に変えて、エアポンプの吸気と排気動作を実現し、エアポンプに一定の流量と圧力を出力させる。偏心輪442が一周回転すると、ピストン隔膜41の四つのエアバッグ411がそれぞれ一回の吸気と排気動作を完成する。ピストン隔膜41のエアバッグ411が吸気するとき、気体が台座43の入気溝からシリンダー42とピストン隔膜41の間で囲まれた第三入気通路401に入り、さらに、弁座3の第一入気孔31、ガスケット1の第二入気孔16を順番に通してガスケット1と上蓋2で囲まれた入気チャンバーに入り、続いてガスケット1の第一入気通路101を通して弁座3の第二入気通路301に入り、入気チェックバルブ5を付勢して弾性的に変形させ、第二入気通路301を開いて、気体がピストン隔膜41のエアバッグ411に入り、ピストン隔膜41のエアバッグ411が小さいから大きくなり、吸気過程を実現する。ピストン隔膜41の各エアバッグ411が排気するとき、入気チェックバルブ5が元に戻して、弁座3の第二入気通路301を閉じる。気体が弁座3の第二出気通路302に入り、ガスケット1のベーン12に作用し、ベーン12が気体から圧力を受けて弾性的に変形して、弁座3の第二出気通路302を開いて、弁座3の第二出気通路302が出気チャンバーと連通し、気体が出気チャンバーに入り、上蓋の排気ノズル21から排出され、対応するエア実行装置に導入される。この過程において、ピストン隔膜41のエアバッグ411が大きいから小さくなり、排気過程を完成する。
【0075】
本発明実施例のエアポンプによれば、超音波方式の代わりに、直接にゴムシール方式でガスケットと上蓋を連結し、且つベーンの構造を改善して、ベーンの反り変形を避けられる。したがって、エアポンプの気密性を大幅にあげられる。
【0076】
本明明書には、用語「一つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体的例示」などは、当実施例や例示の具体的特徴、構造、材料が本発明の少なくとも一つの実施例や例示に含まれることを意味する。本明明書には、前記用語の説明が必ずしも同じ実施例や例示を意味しない。また、説明の中の具体的特徴、構造、材料は、任意の一つやいくつかの実施例や例示に適当な方式で結合されることができる。
【0077】
本明細書の実施形態を示して説明したが、当業者は、本発明の原理及び主旨から逸脱しない限りこれらの実施形態に対して複種の変化、補正、切り替え及び変形を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物により限定される。
【符号の説明】
【0078】
1 ガスケット、10 弁板、11 取り付け柱、111 溝、112 取り付け孔、113 中心部、12 ベーン、13 リブ、14a 譲りキャップ、14b 薄膜、15 ガスケット本体、16 第二入気孔、101 第一入気通路、102 第一出気通路、
2 上蓋、21 排気ノズル、22 入気口、
3 弁座、301 第二入気通路、302 第二出気通路、31 第一入気孔、32 収容チャンバー、
4 ピストン手段、401 第三入気通路、41 ピストン隔膜、411 エアバッグ、412 ピストンチャンバー、42 シリンダー、43 台座、44 ロッド機構、441 ロッドスタンド、4411 スルーホール、4412 位置定めピン、442 偏心輪、4421 斜孔、443 鋼針、45 モータ、451 駆動軸、46 ワッシャー、47 カバー、
5 入気チェックバルブ、6 スナップ、

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9a
図9b
図9c
図10
図11
図12