(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
【0015】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0016】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。
図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられ、3個すべての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。このとき、本実施の形態では、9個の図柄61が配置される配置位置のうち、左回転リール64の中段(上下方向における真ん中の位置)と、中回転リール66の中段と、右回転リール68の中段とを結んだ1本のラインは、有効ラインHLとして定められている。
有効ラインHLは、後述の停止図柄判定手段230の判定対象となるラインである。
【0017】
回転リール62は、複数の図柄61を、図柄表示窓部16を介して変動表示可能とするものである。
左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「R7(赤7)」、「B7(青7)」、「CH(チェリー)」、「WM(スイカ)」、「BE(ベル)」、「RP(リプレイ)」などの複数種類の図柄61が付されている。
【0018】
回転リール62に付された図柄61は、後述の役抽選手段210により抽選される役を構成する。
役は、メダルの払い出しを伴う役である小役、遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役である再遊技役、後述の遊技状態の移行を伴う役である移行役が設けられている。
【0019】
小役は、チェリー役、スイカ役、ベル役の3種類がある。チェリー役は、有効ラインHL上に、「CH(チェリー)」の図柄61が揃うと、入賞となり、1枚のメダルが払い出される。同様に、スイカ役は、有効ラインHL上に、「WM(スイカ)」の図柄61が揃うと、入賞となり、2枚のメダルが払い出される。ベル役は、有効ラインHL上に、「BE(ベル)」の図柄61が揃うと、入賞となり、10枚のメダルが払い出される。
【0020】
また、スイカ役とベル役とがそれぞれ単独で当選する場合の他に、スイカ役とベル役とが同時に当選(重複して当選)する重複当選役があり、ストップスイッチ50の押し順で入賞する役が異なるようにされている。
【0021】
再遊技役は、リプレイ役の1種類がある。リプレイ役は、有効ラインHL上に、「RP(リプレイ)」の図柄61が揃うと、入賞となる。
移行役は、ボーナス移行役である赤ビック役、青ビック役の2種類がある。赤ビック役は、「R7(赤7)」の図柄61が揃うと、入賞となる。青ビック役は、「B7(青7)」の図柄61が揃うと、入賞となる。
【0022】
図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、回転リール62と、各回転リールに接続され、各回転リール62を回転させるための駆動モータ(図示せず)と、駆動モータ及び回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
【0023】
前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音で報知させるスピーカー72が配置されている。
スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を光や映像等で報知させる画像表示装置84が配置されている。
前記画像表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
【0024】
演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0025】
前扉14には、
図1に示すように、遊技機10の左右方向の両端に設けられ遊技者側に突出した遮蔽部90を備えている。
遮蔽部90は、
図1及び
図3に示すように遊技機10の演出領域として、遊技者P1が遊技をする際に視認可能な遊技者用演出領域A1と、遊技者P1が遊技をする際に当該遊技者P1が視認困難であり、遊技者P1以外の者である他の遊技者P2L,P2Rが視認可能な遊技者用演出領域A1以外の周辺演出領域A2とがあり、遊技者用演出領域A1と、周辺演出領域A2とを区分けるものである。
【0026】
すなわち、遮蔽部90は、
図1及び
図3に示すように、画像表示装置84及び回転リール62を遊技機10の左右方向の両端から挟み込み、前面側に突出した壁状に形成することにより、遊技機10の正面に設けられた椅子(図示せず)に座った遊技者P1の視界を狭め、左右の状況を気にせずに遊技可能とすることで、画像表示装置84や回転リール62への没入感を高めているとともに、遮蔽部90により遊技者P1の視界を遮ることで、遊技者P1が視認できない演出領域(周辺演出領域A2)を作り出すものである。
【0027】
周辺演出領域A2は、
図3に示すように、遊技機10の左側に位置する遊技者P2Lが視認可能な左側周辺演出領域A2Lと、遊技機10の右側に位置する遊技者P2Rが視認可能な右側周辺演出領域A2Rとがある。なお、
図3中の符号10Lは、遊技機10の左側に位置する遊技機を示し、符号10Rは、遊技機10の右側に位置する遊技機を示す。
【0028】
また、遮蔽部90には、
図1及び
図2に示すように、遮蔽部90の遊技機10外側に、当該遊技機10外側から内側に窪んだ凹部91を備え、当該凹部91に発光演出装置92が備えられる。
【0029】
発光演出装置92は、内部に光源として、例えばLED93を備えた演出装置の一例である。
発光演出装置92は、
図1及び
図2に示すように、遮蔽部90の遊技機10外側に備えられた凹部91に備えられる。
すなわち、発光演出装置92は、遊技機10の正面に設けられた椅子(図示せず)に座った遊技者P1が遊技をする際には視認できないか又は視認困難な位置に設けられる。
【0030】
発光演出装置92の光源であるLED93は、
図2に示すように、凹部91の遊技機後面側91aに設けられ、凹部91の遊技機側面側91bに備えられLED93の光を反射させる反射部94により遊技機10の周辺、主として、隣の遊技機10で遊技をしている遊技者P2にLED93の点灯状況を認識可能となるように構成している。
【0031】
また、発光演出装置92は、
図1及び
図2に示すように、遮蔽部90の遊技機10外側の面と略面一になるように凹部91を覆う透光性を有するカバー部95を備え、当該カバー部95がLED93の光を反射させるレンズの役割を果たすことで、LED93の光をきれいに見せるとともに、遊技者P1へは光が向かわないようにもしている。
【0032】
なお、LED93に指向性の高いLEDを採用するようにして、遊技者P1へは光が向かわないようにすることも可能である。
すなわち、指向性の高いLEDを採用することにより、反射部94などのLED93の光を隣の遊技機10で遊技している遊技者P2に向ける構成を必ずしも備えなくても、同様の効果(遊技者P1へは光が向かわない)を奏することが可能となる。
また、LED93の向き自体を隣の遊技機10で遊技している遊技者P2に向けることも可能である。
【0033】
LED93は、複数種類の色で発光可能なフルカラーLEDである。
LED93の発光色は、後述の役抽選の結果や、AT移行抽選の結果と対応付けられている。
具体的には、チェリー役の当選は「赤色」、リプレイ役の当選は「青色」、スイカ役の当選は「緑色」がそれぞれ対応付けられている。
また、AT移行抽選の当選は「赤色」が対応づけられている。
【0034】
また、発光色によっては、1つの発光色に対して2つ以上の役が対応付けられているものもある。
具体的には、チェリー役及びスイカ役のいずれかの当選は「ピンク色」、チェリー役及びリプレイ役のいずれかの当選は「黄色」が対応付けられている。
【0035】
また、発光態様によっては、対応する役が異なることもある。
具体的には、チェリー役及び赤7ビック役のいずれかの当選は「オレンジ色」が点灯し続けている状態、赤7ビック役の当選は「オレンジ色」が点滅している状態がそれぞれ対応付けられている。また、同様に、チェリー役及び青7ビック役のいずれかの当選は「紫色」が点灯し続けている状態、青7ビック役の当選は「紫色」が点滅している状態がそれぞれ対応付けられている。
【0036】
また、発光演出装置92は、左側周辺演出領域A2Lに配置されている発光演出装置92Lと、右側周辺演出領域A2Rに配置されている発光演出装置92Rとは、互いに独立して制御可能である。このため、発光演出装置92Lと発光演出装置92Rとが同時に発光することも、一方のみ発光することも可能であり、かつ、互いの発光色を異ならせることもできる。
【0037】
なお、本実施の形態では、周辺演出領域A2に配置される演出装置の一例として、内部に光源(LED93)を備えた発光演出装置92を挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、スピーカー、特に他の遊技者へ向けた指向性を備えたものや、液晶・7セグメント表示器などの表示装置であっても良い。
【0038】
前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0039】
操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0040】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を順方向に開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0041】
このスタートスイッチ40の上方には、最大投入枚数(1回の遊技に対して賭けることができるメダルの最大枚数)である「3」を、クレジットしたメダル数から減じて、3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35と、遊技の進行に寄与しない演出用のチャンスボタン55が設けられている。
【0042】
シングルベットスイッチ35の左側には、クレジット機能によりクレジットしたメダルのすべてを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0043】
前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図4参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
【0044】
前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0045】
(遊技の流れの説明)
つぎに、遊技機10において行われる遊技の流れについて説明する。
本実施の形態に係る遊技機10は、ベットスイッチ32の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御手段200の各遊技状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが有効ラインHL上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0046】
(制御装置100)
つぎに、
図4を用いて遊技機の制御装置100について説明する。
遊技機10の内部には、
図4に示すように、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御手段300とを備えている。
【0047】
ここで、メイン制御手段200の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御手段300の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われ、サブ制御手段300からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、ベットスイッチ32、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御手段300は、メイン制御手段200から信号を入力し、画像表示装置84等の演出装置の作動を制御する。サブ制御手段300の出力側には、スピーカー72、画像表示装置84、演出用ランプ78、発光演出装置92の各パーツが接続されている。
【0048】
メイン制御手段200及びサブ制御手段300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0049】
メイン制御手段200により制御される遊技状態としては、本実施の形態では、大別すると、通常に(一般的に)行われる「一般遊技状態」、この一般遊技状態において役抽選手段210の役抽選によりボーナス移行役(赤7ビック役、青7ビック役)に当選したにもかかわらず当該ボーナス移行役に係る図柄61が有効ラインHL上に停止しなかった場合に、一般遊技状態から移行する「内部当選中状態」、ボーナス移行役に係る図柄61が有効ラインHL上に停止した場合に移行し、一般遊技状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得る「ボーナス遊技状態」とが設けられている。
【0050】
なお、ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ラインHL上にボーナス移行役に対応する図柄61の組み合せが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ラインHL上にボーナス移行役に対応する図柄61の組み合わせが揃うまでボーナス移行役に当選した状態が有効である。そのため、「内部当選中状態」にボーナス移行役にかかる図柄61が有効ラインHL上に停止した場合には、「ボーナス遊技状態」へ移行する。その他の役は、当選時の遊技で有効ラインHL上に役に対応する図柄61の組み合わせが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。ボーナス遊技状態は、ボーナス遊技状態中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数(具体的には例えば200枚)を超えたときに終了する。
【0051】
また、メイン制御手段200により主として制御され、当該メイン制御手段200からの指示で行われるサブ制御手段300の制御により実行される演出状態としては、大別すると、通常に行われる「通常演出状態」、ストップスイッチ50の押し順や当選図柄等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ラインHL上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT遊技)が行われる状態であるAT状態が設けられている。
【0052】
AT状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、AT遊技は、役抽選の抽選結果、所定の移行役に当選した場合や、後述のAT移行抽選手段271による所定の移行抽選に当選した場合に開始可能であり、このとき、AT状態として実行可能な遊技の回数であるAT回数が初期設定され、AT状態において、1回の遊技が実行されるごとにAT回数から「1」が減算され、AT回数が「0」になると終了するものである。なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、例えば、遊技者がAT状態中に獲得したメダルの枚数(投入枚数から払出枚数を減算した枚数)が所定の枚数に達することを終了条件とするなど、他の内容の条件に設定しても良いものである。
【0053】
また、AT状態は、AT回数が「0」となるまで実行可能であるが、このAT回数は、所定の抽選により加算されることがある。これを「上乗せ」といい、この上乗せを決定する際には、遊技区間に上乗せするときの演出、いわゆる上乗せ演出が実行可能であり、この上乗せ演出としては、回転リール62を用いたリール演出と、画像表示装置84を用いた表示演出との両方が実行可能に形成されている。
【0054】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、メイン側告知演出制御手段260、AT制御手段270、送信手段280の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、AT制御手段270は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段300が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0055】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。 以下、メイン制御手段200による遊技の進行について説明する。
まず、メイン制御手段200は、1回の遊技に必要なメダルの枚数である規定枚数のメダルが投入されたか否かを判定する。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定枚数として「3」が設定されている。そして、規定枚数のメダルが投入されていることを条件に、スタートスイッチ40が操作されると、賭け数が確定し、後述の役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、3個すべての回転リール62の回転を開始する。
【0056】
回転リール62の回転開始後、回転リール62の回転速度が所定の速度に達すると、ストップスイッチ50を、操作可能な状態(停止操作可能状態)とする。
【0057】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個が操作されると、後述のリール制御手段220により、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止される。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作がされると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、後述の停止図柄判定手段230により、有効ラインHL上に所定の図柄61の組合せが揃っていると判定されると、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。
例えば、後述の停止図柄判定手段230により、後述の小役に入賞していると判定されると、後述の払出制御手段240により、入賞した小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0058】
また、後述の停止図柄判定手段230により、リプレイ役が入賞したと判定されると、メダルの払い出しはないものの、メイン制御手段200は、次回の遊技において賭け数を自動的に設定する。このため、遊技者は、遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を行うことができる。
【0059】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、遊技状態に応じて備えており、主な分類として一般遊技状態用、内部当選中状態用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。
また、一般遊技状態用の抽選テーブルは、それぞれ、役抽選の当選確率が異なるものが複数種類ある。具体的には、後述の小役の当選確率が異なる6種類の抽選テーブルが備えられている。なお、各抽選テーブルごとに当選確率を異ならせる役としては、小役に限らず、後述の再遊技役や後述の移行役の当選確率であっても良く、さらには、小役及び再遊技役の当選確率を異ならせるなど、複数種類の役の当選確率を異ならせても良い。
各抽選テーブルは、遊技機10の内部にある設定スイッチ(図示なし)により設定される6段階の設定値(SET1〜SET6)とそれぞれ対応付けられており、具体的には、設定値1(SET1)に対応付けられた抽選テーブルは、小役の当選確率が最も低く、設定値6(SET6)に対応付けられた抽選テーブルは、小役の当選確率が最も高くなるように設定されている。
また、役抽選手段210は、各抽選テーブルにおいて予め定められた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0060】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。
リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果に応じた図柄61の組合せがなるべく有効ラインHL上に停止するように、ストップスイッチ50が操作されたときに有効ラインHL上を通過していた図柄61を停止させるだけでなく、ストップスイッチ50が操作されてから一定の範囲内で回転リール62を回転させた後に回転を停止する引込み制御をすることがある。
ただし、ストップスイッチ50が操作されてから回転リール62の回転を停止させるまでの時間があまりに長いと遊技者が不審感を抱くため、引込み制御には一定の限界がある。
このため、赤7ビック役、青7ビック役のように、当選役に係る図柄61が各回転リール62に1箇所しか付されていない場合には、ストップスイッチ50が操作されたタイミングによっては、当選役に係る図柄61の組合せが有効ラインHL上に揃わない現象である取りこぼしが発生する。
また、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
具体的には、スイカ役とベル役との重複当選役に当選しているとき、スイカ役及びベル役のいずれを有効ラインHL上に停止させるかは、各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番により規定されている。
【0061】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ラインHL上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0062】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
【0063】
(遊技制御手段250)
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図4に示すように、大別すると、一般遊技制御手段251、内部当選中状態制御手段252及びボーナス遊技制御手段253の各手段を有する。
【0064】
(一般遊技制御手段251)
一般遊技制御手段251は、「一般遊技状態」の進行を制御するものである。
【0065】
(内部当選中状態制御手段252)
内部当選中状態制御手段252は、「内部当選中状態」を制御するものである。
「内部当選中状態」へは、ボーナス移行役に当選し、当選した遊技において、取りこぼしが発生することにより移行する。
【0066】
(ボーナス遊技制御手段253)
ボーナス遊技制御手段253は、「ボーナス遊技状態」を制御するものである。
「ボーナス遊技状態」は、「内部当選中状態」に「ボーナス移行役に係る図柄」を揃えることで移行し、抽選テーブルが一般遊技状態用の抽選テーブルより小役の当選確率が高いボーナス状態用の抽選テーブルに変更され、所定の枚数を超えるメダルの払い出しで終了し、「一般遊技状態」に移行する。
【0067】
(メイン側告知演出制御手段260)
メイン側告知演出制御手段260は、メイン制御手段200の制御に基づく告知演出を実行するものである。
メイン側告知演出260は、回転リール62を順方向及び逆方向に繰り返し所定のパターンで回転させるリール演出や、遊技の進行を所定時間停止するフリーズ演出を実行可能に形成されている。
【0068】
(AT制御手段270)
AT制御手段270は、「AT状態」を制御するためのものである。そして、後述するAT演出制御手段330を用いてストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等を実行させる。
「AT状態」は、いわゆる「アシストタイム状態」ともよばれ、当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知されるAT遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組み合わせを停止表示させることができる。このため、遊技者は、成立(入賞)した小役に対応する所定枚数のメダルを獲得することができる。
【0069】
本実施の形態では、AT状態に移行すると、スイカ役とベル役とが同時に当選した際に、払出し枚数が多い、ベル役に係る図柄61が有効ラインHL上に揃うストップスイッチ50の押し順を報知する。
【0070】
また、AT制御手段270は、AT状態の開始及び終了に関する制御を行う。具体的には、役抽選の抽選結果、所定の移行役に当選した場合や、後述の移行抽選に当選した場合に、AT状態を開始する。また、AT制御手段270は、AT状態の開始時にAT回数の初期値を設定し、AT状態において1回の遊技が実行されるごとにAT回数から「1」を減算し、AT回数が「0」になるとAT状態を終了する。
また、AT制御手段270は、AT状態を開始及び終了するとき、その旨を送信手段280により、サブ制御手段300へ通知する。
【0071】
また、AT制御手段270には、
図4に示すように、AT移行抽選手段271を備える。
(AT移行抽選手段271)
AT移行抽選手段271は、AT状態へ移行するか否かを抽選(AT移行抽選)で決定するものである。
【0072】
AT移行抽選手段271による移行抽選は、遊技状態が一般遊技状態であり、かつ、演出状態が通常演出状態中に行われる。
AT移行抽選に用いる抽選テーブルは、2種類あり、通常用のAT移行抽選テーブルと、通常用のAT移行抽選テーブルよりも当選確率が高い高確率状態用のAT移行抽選テーブルとがある。
高確率状態用のAT移行抽選テーブルに基づくAT移行抽選が行われる条件は、役抽選手段210による役抽選の結果、チェリー役に当選してから所定の遊技回数(10回)を実行するまでの間である。
換言すると、チェリー役に当選すると、AT状態へ移行する確率が高くなる。このため、チェリー役は、チャンス役ともいう。
【0073】
(送信手段280)
送信手段280は、サブ制御手段300へ信号を送信するためのものである。
【0074】
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、
図4に示すように、受信手段310、通常演出制御手段320、AT演出制御手段330及びサブ側告知演出制御手段340の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、AT演出制御手段330は、サブ制御手段300ではなく、メイン進行制御手段200が有しても良い。
【0075】
以上の構成をもって、サブ制御手段300は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段300は、ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、画像表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0076】
(受信手段310)
受信手段310は、送信手段280からの信号を受信するものである。
【0077】
(通常演出制御手段320) 通常演出制御手段320は、通常演出状態の演出を制御するものである。
ここで、通常演出状態とは、後述のAT演出制御手段330による演出制御が行われておらず、かつ、後述のサブ側告知演出制御手段340による演出制御が行われていない状態をいう。
通常演出制御手段320は、遊技者用演出領域A1及び周辺演出領域A2に配置された演出装置を用いて、受信手段310が受信した信号に基づいた演出を出力する。具体的には、小役の入賞となった旨の信号を受信手段310を介して受信すると、小役の入賞に伴い遊技者対して払い出すことになるメダルの枚数を画像表示装置84にさせ、同時に、発光演出装置92に対して、入賞した小役に対応した色を発光させる。
【0078】
(AT演出制御手段330)
AT演出制御手段330は、AT制御手段270から受信手段310を介して通知されるAT状態により、ATの演出を制御するためのものである。具体的には、AT状態を開始する旨の信号を受信してからAT状態を終了する旨の信号を受信するまでの間、通常演出状態より遊技者に有利なATの演出を制御、具体的には、役抽選手段210による役抽選の結果、ベル役を含む重複当選役に当選した旨の信号を受信した際に、当該ベル役を入賞させるように当該ストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等、を実行するものである。
【0079】
(サブ側告知演出制御手段340)
サブ側告知演出制御手段340は、受信手段310を介して、所定の開始契機であることが通知されると、告知演出を行うためのものである。
【0080】
(告知演出)
つぎに、メイン側告知演出制御手段260及びサブ側告知演出制御手段340による告知演出について説明する。
告知演出は、少なくとも周辺演出領域A2に配置された演出装置を用いて、遊技者に遊技に関する情報を告知するための演出である。
遊技に関する情報とは、遊技機10からの告知がなければ遊技をしている遊技者が早期に知り得ない情報であって、具体的には、内部当選中状態やAT状態などの遊技機10により制御される状態に関する情報、役抽選手段210による役抽選の結果やAT移行抽選の結果などの遊技機10における抽選により決定される情報、設定値などの遊技機10に予め設定される情報などをいう。
【0081】
また、告知演出は、所定の開始契機を契機として開始される。所定の開始契機としては、スタートスイッチ40,ストップスイッチ50などの操作器具が操作されたこと、遊技機10において行われる特定の演出が終了したこと、所定の事象が発生してからの経過時間が所定時間に達したこと、1回の遊技が終了したこと、などを採用することができる。
【0082】
また、告知演出は1種類のみに限らず、告知対象となる遊技に関する情報の種類、及び開始契機の少なくともいずれか一方が異なる複数種類の告知演出が採用されることもある。
また、告知演出は、遊技者が、遊技に関する情報の内容を完全に特定できる内容を告知するようにしても、遊技に関する情報の内容を特定の範囲内に絞り込める内容としても良い。
【0083】
また、告知演出は、所定の開始契機として、第1の開始契機と、第1の開始契機の後に発生する契機である第2の開始契機とがあり、第1の開始契機においては、周辺演出領域A2を含む演出領域において演出を行い、第2の開始契機が発生すると、第1の開始契機で行われていた演出とは異なる演出を演出領域において行うこともある。
なお、第2の開始契機発生後、遊技者用演出領域A1における画像表示装置84を用いた演出を実行中は、第1の開始契機発生により開始された周辺演出領域A2における演出の実行を継続していても良いし、終了していても良い。
【0084】
また、遊技者用演出領域A1における演出の内容は、遊技に関する情報の内容に対して、先に実行される周辺演出領域A2における演出の内容から遊技者が特定可能な程度と同じとしても良いし、周辺演出領域A2における演出の内容から遊技者が特定可能な遊技に関する情報の内容よりも内容を特定できる程度を低くしても良い。
【0085】
具体的には、先に実行される周辺演出領域A2における演出の内容は、遊技者が遊技に関する情報を完全に特定できる内容であり、遊技者用演出領域A1における演出の内容も、また、遊技者が遊技に関する情報を完全に特定できる内容であるとしても良い。
また、他の例として、先に実行される周辺演出領域A2における演出の内容は、遊技者が遊技に関する情報を完全に特定できる内容であるが、遊技者用演出領域A1における演出の内容は、遊技に関する情報の内容を特定の範囲内に絞り込めるものの、遊技に関する情報を完全に特定できないものであっても良い。
【0086】
さらに、他の例として、周辺演出領域A2においてのみ、演出を実行するとしても良い。
本実施の形態では、3種類の告知演出が採用されている。
第1の告知演出としては、AT移行抽選に当選したことを告知するAT移行当選告知演出があり、第2の告知演出としては、ボーナス移行役に当選したことを告知するボーナス当選告知演出があり、第3の告知演出としては、役抽選の結果がチェリー役、リプレイ役、スイカ役のいずれかに当選であった場合にいずれの役に当選しているかを告知するチャンス役当選告知演出がある。
【0087】
AT移行当選告知演出について、説明する。
AT移行当選告知演出は、第1の開始契機として、「移行抽選が高確率状態であるときの最後の遊技の開始時においてスタートスイッチ40が操作されたこと」が設定され、第2の開始契機として、「メイン側告知演出制御手段260による煽り用のリール演出が終了したこと」が設定されている。
【0088】
AT移行当選告知演出は、高確率状態の最後の遊技(チェリー役に当選した遊技から数えて10回目の遊技)においてスタートスイッチ40が操作されると、第1の開始契機に対応した告知演出が実行される。
具体的には、遊技者用演出領域A1において、メイン側告知演出制御手段260による煽り演出用のリール演出が行われ、サブ側告知演出制御手段340により画像表示装置84を用いた煽り演出用の画像出力が行われる。
【0089】
ここでの煽り演出は、AT移行抽選の結果が「ハズレ」である場合を含む高確率状態の最後のゲームにおいて行われる演出であり、遊技者は煽り演出の内容を視認することで、AT移行抽選の結果が出力されることが間近であることを理解できるものの、演出の内容からAT移行抽選の結果が当選であることを特定できない。
なお、煽り演出は、高確率状態の最後の遊技になれば、必ず実行するものであっても良いし、所定の割合で実行するものであっても良い。
【0090】
一方、煽り演出の実行中に、周辺演出領域A2において、サブ側告知演出制御手段340により発光演出装置92を用いた演出が開始される。
具体的には、発光演出装置92のLED93を赤色で点滅させることで、当該遊技機10でAT移行抽選に当選していることをアピールする演出が実行される。
【0091】
そして、メイン側告知演出制御手段260による煽り用のリール演出が終了すると、第2の開始契機に対応した告知演出が実行される。
具体的には、遊技者用演出領域A1において、メイン側告知演出制御手段260による確定告知用のリール演出が行われる。ここでのリール演出は、AT移行抽選の結果が当選でなれば順方向に一定時間回転し、AT移行抽選の結果が当選であれば逆方向に一定時間回転するというものであり、遊技者は回転リール62が逆方向に回転している様子を視認することで、AT移行抽選の結果が当選であったことを特定することができる。
【0092】
また、メイン側告知演出制御手段260は、煽り用のリール演出が終了すると、その旨を送信手段280を介して、サブ制御手段300に通知する。
【0093】
サブ側告知演出制御手段340は、受信手段310を介して、煽り用のリール演出が終了した旨の通知を受けると、遊技者用演出領域A1において画像表示装置84を用いてAT移行抽選に当選していたことを報知、例えば「AT当選」等の文字を表示する演出を開始する。
これにより、遊技者は画像表示装置84の表示内容を視認することで、AT移行抽選の結果が当選であったことを特定することができる。
【0094】
次に、ボーナス当選告知演出について、説明する。
ボーナス当選告知演出は、第1の開始契機として、「役抽選手段210による役抽選の結果、ボーナス移行役に当選したこと」が設定され、第2の開始契機として、「当選したボーナス移行役が入賞することなく、ボーナス移行役に当選してから所定回数(5回)の遊技が行われたこと」が設定されている。
【0095】
ボーナス当選告知演出は、役抽選手段210による役抽選の結果、ボーナス移行役に当選すると、第1の開始契機に対応した告知演出が実行される。
具体的には、遊技者用演出領域A1においては、サブ側告知演出制御手段340により画像表示装置84を用いた煽り演出用の画像出力が行われる。
【0096】
ここでの煽り演出は、役抽選の結果がいずれかの役に当選した場合に実行される演出であり、遊技者は煽り演出の内容を視認することで、いずれかの役に当選したことを理解できるものの、演出の内容から役抽選の結果がボーナス移行役に当選であることを特定できない。
また、この煽り演出では、チャンスボタン55を遊技者に操作させる旨の映像が出力される。
これにより、これにより、遊技者が遊技機10から一時的に離れ、周辺演出領域A2を視認しようとする行為を抑制できる。
【0097】
一方、周辺演出領域A2においては、サブ側告知演出制御手段340により発光演出装置92を用いた演出が行われる。このため、遊技機10の周辺にいる者は、役抽選手段210による役抽選の結果、ボーナス移行役に当選したことを特定できる。
【0098】
発光演出装置92を用いた演出は、発光演出装置92のLED93を、異なる色で繰り返し点灯させるパターン演出である。
パターン演出は、赤7ビック役に当選した場合は、当該赤7ビック役に対応した「オレンジ色」から、「青色」、「緑色」の順に繰り返し点灯し、青7ビック役に当選した場合は、当該青7ビック役に対応した「紫色」から、「赤色」、「緑色」の順に繰り返し点灯する。
ボーナス当選告知演出では、メイン側告知演出手段260により、遊技者が遊技機に対する操作を行わない状況であるか否かの判断が行われる。具体的には、遊技者がスタートスイッチ40を操作してから、所定の時間(5秒間)経過しても、いずれのストップスイッチ50も操作しないときには、「遊技者が遊技機に対する操作を行わない状況である」旨を送信手段280を介して、サブ制御手段300に通知する。
【0099】
サブ側告知演出制御手段340は、受信手段310を介して、「遊技者が遊技機に対する操作を行わない状況である」旨の通知を受けると、周辺演出領域A2において行われているパターン演出を中断する。
そして、メイン側告知演出手段260は、いずれかのストップスイッチ50が操作されると、「遊技者が遊技機に対する操作を行っている状況である」旨を送信手段280を介して、サブ制御手段300に通知する。
【0100】
サブ側告知演出制御手段340は、受信手段310を介して、「遊技者が遊技機に対する操作を行っている状況である」旨を受信すると、中断していたパターン演出を中断していた箇所から再開する。例えば、LED93が「紫色」、「赤色」、「緑色」の順で点灯するパターン演出を、「赤色」の点灯中に中断した場合は、再開時には、LED93が「赤色」、「緑色」、「紫色」の順で再び順次点灯する。
【0101】
これにより、遊技機10から一時的に離れた遊技者が周辺演出領域A2を視認しても、所定の演出が視認されることを抑制できる。また、遊技機10の周囲にいる者に対しては、パターン演出の再開時に、中断したところからパターン演出が再開されるので、演出に連続性があるという好印象を与えることができる。
【0102】
また、当選したボーナス移行役が入賞することなく、ボーナス移行役に当選してから所定回数(5回)の遊技が行われると、第2の開始契機に対応した告知演出が実行される。
具体的には、サブ側告知演出制御手段340は、遊技者用演出領域A1において画像表示装置84を用いてボーナス移行役に当選していたことを報知、例えば「ボーナス当選」等の文字を表示する演出を開始する。これにより、遊技者は画像表示装置84の表示内容を視認することで、ボーナス移行役に当選した状態が有効であることを特定することができる。
【0103】
なお、当選したボーナス移行役が、所定回数(5回)の遊技が行われる前に入賞すると、第2の開始契機が成立しないため、第2の開始契機に対応した告知演出が実行されない。このようにすることで、無用な告知演出を実行することを予防できる。
【0104】
チャンス役当選告知演出について、説明する。
チャンス役当選告知演出は、第1の開始契機として、「役抽選の結果がチェリー役、リプレイ役、スイカ役のいずれかに当選であり、スタートスイッチ40の操作がされたこと」が設定され、第2の開始契機として、「役抽選の結果がチェリー役、リプレイ役、スイカ役のいずれかに当選であり、当該遊技において遊技者がストップスイッチ50を全て操作したこと」が設定されている。
【0105】
チャンス役当選告知演出は、役抽選手段210による役抽選の結果がチェリー役、リプレイ役、スイカ役のいずれかに当選であり、メイン制御手段200がスタートスイッチ40の操作がされたことを検知すると、その旨がサブ制御手段300に通知され、サブ側告知演出制御手段340により、第1の開始契機に対応した告知演出が実行される。
【0106】
具体的には、遊技者用演出領域A1において、サブ側告知演出制御手段340により画像表示装置84を用いた煽り演出用の画像出力が行われる。
ここでの煽り演出は、役抽選の結果がチェリー役、リプレイ役、スイカ役のいずれかである場合において行われる演出であり、遊技者は煽り演出の内容を視認することで、チャンス役に当選した可能性があることを理解できるものの、演出の内容から役抽選の結果がチャンス役に当選であることを特定できない。
【0107】
一方、煽り演出の実行中に、周辺演出領域A2において、サブ側告知演出制御手段340により発光演出装置92を用いた演出が開始される。
具体的には、当選した役に対応した色で発光をするものであり、チェリー役に当選であれば「赤色」で発光し、リプレイ役に当選であれば「青色」で発光し、スイカ役に当選であれば「緑色」で発光する。
【0108】
そして、当該遊技において遊技者によりストップスイッチ50を全て操作されたことをメイン制御手段200が検知すると、その旨がサブ制御手段300に通知され、サブ側告知演出制御手段340により、第2の開始契機に対応した告知演出が実行される。
具体的には、遊技者用演出領域A1において、サブ側告知演出制御手段340により画像表示装置84を用いた役抽選結果を特定可能な画像の出力が行われる。具体的には、チェリー役に当選であれば、「チェリー当選」の文字を出力する。これにより、遊技者は画像表示装置84の表示内容を視認することで、役抽選の結果を特定することができる。
【0109】
次に、告知演出のさらに具体的な態様を説明する。
AT移行当選告知演出では、第1の開始契機が発生し、周辺演出領域A2において行われる演出は、サブ側告知演出制御手段340により、左側周辺演出領域A2L及び右側周辺演出領域A2Rにて同時に実行され、かつ、内容も同一である。
【0110】
これに対して、ボーナス当選告知演出では、サブ側告知演出制御手段340は、左側周辺演出領域A2L及び右側周辺演出領域A2Rのいずれか一方でのみ、演出を実行する。
これにより、ボーナス当選告知演出では、周辺演出領域A2における演出を視認することができる者を、遊技機10の周囲にいる者のうち遊技機10の左右方向のいずれか一方向にいる者のみに制限することができる。
【0111】
このため、遊技者が周囲の者から演出が発生した旨を教えられる機会を得られるか否かについて、遊技機10の周囲にいる者が遊技機10の左右方向のいずれに位置しているのかという要素が加わるため、演出に対する多様性を高めることができる。
【0112】
また、ボーナス当選告知演出において、サブ側告知演出制御手段340は、左側周辺演出領域A2L及び右側周辺演出領域A2Rのいずれで演出を実行するかを、メイン制御手段200から通知される設定値に基づいて、決定をしても良い。例えば、設定値がSET4より小さければ、左側周辺演出領域A2Lで演出が実行されることが右側周辺演出領域A2Rで実行されることより多くなるようにし、設定値がSET4以上であれば、右側周辺演出領域A2Rで演出が実行されることが左側周辺演出領域A2Lで実行されることより多くなるようにする。
このようにすれば、左右のいずれの方向に位置している者から、演出の発生を教えられたかによって、遊技者は、遊技機10に設定されている設定値を推測できる。
【0113】
また、サブ側告知演出制御手段340は、左側周辺演出領域A2L及び右側周辺演出領域A2Rの両方で演出を実行し、かつ、互いの内容を異なるものとしても良い。
例えば、一方の周辺演出領域A2により実行される演出は、遊技に関する情報の内容を完全に特定できる内容であり、他方の周辺演出領域A2により実行される演出遊技に関する情報の内容を特定の範囲内に絞り込める内容としても良い。
【0114】
具体的には、チャンス役当選告知演出において、チェリー役に当選しているときに、周辺演出領域A2Lに配置された発光演出装置92を「赤色」で発光し、周辺演出領域A2Rに配置された発光演出装置92を「ピンク色」で発光する。
これによれば、左側に位置している者から、演出の内容を教えられれば、遊技者は、役抽選の結果がチェリー役に当選であると完全に特定でき、一方、右側に位置している者から、演出の内容を教えられれば、遊技者は、役抽選の結果がチェリー役又はスイカ役のいずれか当選であることは特定できるが、チェリー役に当選であると完全には特定できない。
【0115】
このため、遊技者に対して、右側に位置している者の他に、左側に位置している者からも、情報を聞いてみたいという意欲を与えるなど、演出効果を高めることができる。
【0116】
また、他の具体例として、ボーナス当選告知演出において、周辺演出領域A2Lに配置された発光演出装置92Lにおいて赤7ビック役及び青7ビック役のいずれかに当選している旨を示す「オレンジ色」と「紫色」とが繰り返されるパターン演出を実行した後、周辺演出領域A2Rに配置された発光演出装置92を赤7ビック役に当選している旨を示す「オレンジ色」で点滅することとしても良い。この場合も、同様に、演出効果を高めることができるという効果を奏する。
【0117】
また、別の例として、一方の周辺演出領域A2により実行される演出の内容と、他方の周辺演出領域A2により実行される演出の内容とを、合せて視認することで初めて遊技に関する情報を特定できる内容としても良い。
【0118】
具体的には、チャンス役当選告知演出において、チェリー役に当選しているときに、周辺演出領域A2Lに配置された発光演出装置92を「ピンク色」で発光し、周辺演出領域A2Rに配置された発光演出装置92を「黄色」で発光する。
これによれば、左側に位置している者から、演出の内容を教えられれば、遊技者は、役抽選の結果が役抽選の結果がチェリー役又はスイカ役のいずれかに当選であることは特定できるがチェリー役に当選であると完全には特定できない、一方、右側に位置している者から、演出の内容を教えられれば、遊技者は、役抽選の結果がチェリー役又はリプレイ役のいずれかに当選であることは特定できるが、チェリー役に当選であると完全には特定できない。
【0119】
しかしながら、遊技者は、左側に位置している者及び右側に位置している者の両者から、演出の内容を教えられれば、いずれの内容にも共通しているのは、「チェリー役に当選」だけであるので、チェリー役に当選であると完全に特定できる。
このため、遊技者に対して、右側に位置している者にも、左側に位置している者にも、情報を聞いてみたいという意欲を与えるなど、演出効果を高めることができる。
【0120】
さらに、別の例として、一方の周辺演出領域A2により実行される演出の内容は正しく、他方の周辺演出領域A2により実行される演出の内容は正しくないとしても良い。
具体的には、チャンス役当選告知演出において、チェリー役に当選しているときに、周辺演出領域A2Lに配置された発光演出装置92Lを「赤色」で発光し、周辺演出領域A2Rに配置された発光演出装置92Rを「緑色」で発光する。
【0121】
これによれば、左側に位置している者から、演出の内容を教えられれば、遊技者は、役抽選の結果が役抽選の結果がチェリー役に当選であると正しく理解できるが、一方、右側に位置している者から、演出の内容を教えられれば、遊技者は、役抽選の結果がスイカ役であると誤った理解をしてしまう。
【0122】
このため、遊技者に対して、遊技機10の周囲にいる者から教えられた内容を信用するか否かの迷いを与えることができ、演出に対する多様性を高めることができる。
【0123】
以上、上記実施の形態に基づいて、本発明の説明を行ったが、本発明は、上記した実施の形態に限定されない。
また、周辺演出領域A2における演出を実行するのは、サブ制御手段300でなくても良く、メイン制御手段200であっても良く、また、メイン制御手段200及びサブ制御手段300の両方であっても良い。
【解決手段】遊技機(10)の演出領域として、遊技者(P1)が遊技をする際に視認可能な遊技者用演出領域(A1)と、遊技者(P1)が遊技をする際に当該遊技者(P1)が視認困難であり、当該遊技者以外の者(P2L,P2R)が視認可能な前記遊技者用演出領域(A1)以外の周辺演出領域(A2)とがあり、前記周辺演出領域(A2)において実行される所定の演出は、当該所定の演出と同時に前記遊技者用演出領域(A1)において実行される演出に比べて、遊技に関する情報の内容に対して、遊技者が特定可能な内容の程度が高いことを特徴とする。