(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態では、商品券の管理を行う商品券管理システムとして、釣銭機および商品券読取機を備えた貨幣処理システムが用いられた場合について説明している。
図1乃至
図5は、本実施の形態に係る貨幣処理システムを示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態における貨幣処理システムの構成の概略を示す概略構成図である。また、
図2は、
図1に示す貨幣処理システムにおける硬貨釣銭機、紙幣釣銭機、商品券読取機およびPOSレジスタの外観を示す斜視図であり、
図3は、
図1等に示す貨幣処理システムの機能ブロック図である。また、
図4は、
図1等に示す貨幣処理システムにおける商品券の処理方法を示すフローチャートである。また、
図5(a)は、本実施の形態の貨幣処理システムにおいて、POSレジスタの印字部により印字されたジャーナル(集計データ)を示し、
図5(b)は、従来の貨幣処理システムにおいて、POSレジスタの印字部により印字されたジャーナル(集計データ)を示している。
【0023】
まず、本実施の形態の貨幣処理システム1の全体構成について
図1および
図2を用いて説明する。
図1および
図2に示すように、貨幣処理システム1は、硬貨釣銭機100と、紙幣釣銭機200と、商品券読取機500と、POSレジスタ300とを備えている。硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200は、それぞれ硬貨や紙幣の入出金処理を行うようになっている。また、
図2に示すように、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200は左右方向に並べて配置される。また、POSレジスタ300は、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200の上方に配置される。また、商品券読取機500は、機体内に投入された商品券の読み取りを行うようになっている。
【0024】
また、
図1に示すように、POSレジスタ300は店舗サーバ400に通信接続されている。そして、POSレジスタ300から店舗サーバ400に売上金情報等が送信されるようになっている。また、各種設定情報が、店舗サーバ400からPOSレジスタ300(複数台でも可)に配信されるようになっている。
【0025】
図1に示すように、硬貨釣銭機100は、上位制御部120および硬貨釣銭機制御部130を有しており、これらの上位制御部120および硬貨釣銭機制御部130は通信接続されている。また、紙幣釣銭機200は紙幣釣銭機制御部230を有しており、この紙幣釣銭機制御部230は硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されている。また、商品券読取機500は商品券読取機制御部530を有しており、この商品券読取機制御部530は硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されている。また、POSレジスタ300はPOS制御部330を有しており、硬貨釣銭機100の上位制御部120はPOSレジスタ300のPOS制御部330に通信接続されている。
【0026】
以下、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、商品券読取機500およびPOSレジスタ300の構成について
図1および
図2を用いて詳述する。
【0027】
まず、硬貨釣銭機100の構成について具体的に説明する。
図1および
図2に示すように、硬貨釣銭機100は、前部上面にタッチパネル等の操作表示部112が設けられた筐体110を備えている。筐体110の前部には硬貨受入部114および硬貨払出部116が設けられている。
【0028】
硬貨受入部114は、投入された硬貨を検知すると駆動され、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込むようになっている。
図1に示すように、この硬貨受入部114には、当該硬貨受入部114により機体内に取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部103が接続されている。
【0029】
図1に示すように、入金搬送部103の途中には、硬貨の識別を行う硬貨識別部101と、分岐部104とがそれぞれ設けられている。分岐部104は、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨を出金搬送部108へ案内(搬送)するようになっている。
【0030】
一方、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨は入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送されるようになっている。硬貨収納部106は硬貨を金種別に収納するようになっている。具体的には、例えば入金搬送部103の上流側から高額順に硬貨が収納される。
【0031】
出金搬送部108は、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を硬貨払出部116へ搬送するようになっている。また、出金搬送部108は、分岐部104から案内されたリジェクト硬貨等を硬貨払出部116へ搬送するようになっている。
【0032】
次に、紙幣釣銭機200の構成について具体的に説明する。
図1および
図2に示すように、紙幣釣銭機200は、筐体210と、この筐体210内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部203aとを備えている。また、紙幣受入部214、3つの紙幣収納部206、紙幣払出部216、出金リジェクト部204、および紙幣回収カセット207が、周回搬送部203aを外周から取り囲むように配置されている。
【0033】
また、紙幣釣銭機200の筐体210の内部には、紙幣受入部214、各紙幣収納部206、紙幣払出部216、出金リジェクト部204、および紙幣回収カセット207と、周回搬送部203aとの間をそれぞれ接続する複数の接続搬送部203bが形成されている。また、周回搬送部203aには紙幣識別部201が設けられており、この紙幣識別部201は、当該紙幣識別部201を通過する紙幣の識別を行うようになっている。
【0034】
また、周回搬送部203aと各接続搬送部203bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部203aに沿って配置されている。
【0035】
図1および
図2に示すように、筐体210の前面には、紙幣受入部214の紙幣受入口214aと、紙幣払出部216の紙幣取出口216aとがそれぞれ設けられている。また、紙幣回収カセット207は筐体210に対して着脱可能に取り付けられている。
【0036】
紙幣受入部214は、投入された紙幣を検知すると駆動され、紙幣受入口214aに挿入された入金紙幣を一括で取り込んで、周回搬送部203a側へ1枚ずつ繰り出すようになっている。各紙幣収納部206は、紙幣識別部201の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納する。紙幣払出部216は、各紙幣収納部206から周回搬送部203aに繰り出された紙幣を紙幣取出口216aより機外へ放出するようになっている。
【0037】
出金リジェクト部204は、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等の搬送異常により紙幣識別部201で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。また、紙幣受入部214から機体内に取り込まれた紙幣のうち、汚損等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部216に返却されるようになっている。
【0038】
次に、商品券読取機500の構成について具体的に説明する。
図1および
図2に示すように、商品券読取機500は、略直方体形状の筐体510と、商品券を受け入れる商品券受入部502と、筐体510内で商品券を搬送する商品券搬送部503と、商品券を収納する商品券収納部506とを備えている。商品券読取機500には、外部に返却すべき商品券が商品券搬送部503から送られるリジェクト部504が設けられている。
【0039】
図2に示すように、商品券読取機500の筐体510の前面には投入口502aおよびリジェクト口504aが設けられている。投入口502aに投入された商品券は商品券受入部502に受け入れられるようになっており、商品券受入部502に受け入れられた商品券は、当該商品券受入部502に設けられた繰出機構(図示せず)により1枚ずつ商品券搬送部503に繰り出されるようになっている。また、
図1に示すように、商品券搬送部503には商品券読取部501が設けられており、この商品券読取部501により商品券を読み取って商品券データを得るようになっている。商品券読取部501は例えばラインセンサからなり、このラインセンサにより商品券の画像データが得られるようになっている。そして、商品券読取部501では、この画像データに基づいて、商品券の発行元、金額、釣銭払出可否等を特定可能な情報が商品券データとして得られるようになっている。なお、画像データそのものを商品券データとして扱ってもよい。
【0040】
図1に示すように、商品券搬送部503は商品券収納部506およびリジェクト部504に接続されており、商品券読取部501により読み取りが行われた商品券は商品券収納部506およびリジェクト部504のうちいずれか一方に搬送されるようになっている。商品券収納部506には、商品券搬送部503から送られた商品券が積層状態で収納されるようになっている。
図2に示すように、商品券読取機500の筐体510の前面には扉508が設けられており、この扉508を開くことにより商品券収納部506に収納された商品券を取り出すことができるようになっている。この際に、商品券のみを取り出す方式でも、商品券が収納されたカセットを取り出す方式のいずれでもよい。一方、商品券搬送部503からリジェクト部に送られた商品券はリジェクト口504aを介して筐体510の外部に返却されるようになっている。
【0041】
次に、POSレジスタ300の構成について具体的に説明する。POSレジスタ300は、商品の購入情報を登録するとともに、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。
【0042】
POSレジスタ300のPOS制御部330は、
図1に示すように、硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されているとともに、店舗サーバ400にも通信接続されている。そして、このPOS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120を介して当該硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230に指令を送ることにより硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。また、POS制御部330は、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230から、上位制御部120を介して、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況に係る情報を受け取るようになっている。また、POS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120を介して、商品券読取機500により読み取られた商品券の商品券データを受け取るようになっている。
【0043】
操作部304は、操作者が操作することができるようになっており、POS制御部330に対して様々な指令を与えることができるようになっている。また、表示部302は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高を表示するようになっている。また、POSレジスタ300には、客(購入者)が視認可能な追加の表示部302aが設けられており、様々な情報を表示部302に表示させる代わりに、あるいは表示部302における表示に加えて、追加の表示部302aにおいて表示が行われるようになっていてもよい。また、POSレジスタ300にはカードリーダ336および印字部338が設けられている(
図3参照、
図1および
図2では図示せず)。カードリーダ336は、操作者のIDカードを読み取ることにより操作者のIDや権限等に関する情報を取得するようになっている。また、印字部338は例えばプリンタから構成され、売上レシートや集計レシートに加えて、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報を印字するようになっている。
【0044】
図3に、上述のような構成からなる貨幣処理システム1の機能ブロック図を示す。
図3に示すように、硬貨釣銭機100の上位制御部120には、硬貨釣銭機100のインターフェース132、操作表示部112および記憶部134が接続されている。この上位制御部120は、インターフェース132により、紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230や商品券読取機500の商品券読取機制御部530、ならびにPOSレジスタ300のPOS制御部330に対して信号の送受信を行うようになっている。また、操作者により操作表示部112に入力された指令が当該操作表示部112から上位制御部120に送られるとともに、上位制御部120は操作表示部112に指令を送ることにより当該操作表示部112に様々な情報を表示させるようになっている。より詳細には、操作表示部112には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高を表示するようになっている。また、記憶部134には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。
【0045】
硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130には、硬貨受入部114、入金搬送部103、硬貨識別部101、分岐部104、硬貨収納部106、出金搬送部108、硬貨払出部116等がそれぞれ接続されており、硬貨識別部101から硬貨釣銭機制御部130に硬貨の識別結果が送られるとともに、硬貨釣銭機制御部130から硬貨受入部114、入金搬送部103、分岐部104、硬貨収納部106、出金搬送部108、硬貨払出部116等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。
【0046】
紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230には、インターフェース232、紙幣受入部214、周回搬送部203a、接続搬送部203b、紙幣識別部201、紙幣収納部206、出金リジェクト部204、紙幣払出部216等がそれぞれ接続されており、紙幣識別部201から紙幣釣銭機制御部230に紙幣の識別結果が送られるとともに、紙幣釣銭機制御部230から紙幣受入部214、周回搬送部203a、接続搬送部203b、紙幣収納部206、出金リジェクト部204、紙幣払出部216等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230は、インターフェース232により、硬貨釣銭機100の上位制御部120に対して信号の送受信を行うようになっている。
【0047】
商品券読取機500の商品券読取機制御部530は、インターフェース532、商品券受入部502、商品券搬送部503、商品券読取部501、商品券収納部506、リジェクト部504、判別部536、記憶部534等が接続されている。そして、商品券読取部501から商品券読取機制御部530に商品券データが送られるとともに、商品券読取機制御部530から商品券受入部502、商品券搬送部503、商品券収納部506、リジェクト部504等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、商品券読取機500の商品券読取機制御部530は、インターフェース532により、硬貨釣銭機100の上位制御部120に対して信号の送受信を行うようになっている。また、商品券読取機制御部530に接続された記憶部534には、使用可能商品券データが記憶されるようになっている。具体的には、商品券読取機500で使用可能な商品券の発行元(例えば、商品券を発行した百貨店や会社等)の情報が、使用可能商品券データとして記憶部534に記憶されるようになっている。また、記憶部534には、釣銭払出不可商品券データも記憶されるようになっている。ここで、釣銭払出不可の商品券とは、店員が顧客からこのような商品券を預かったときには、顧客から預かった商品券の金額が、顧客が購入しようとする商品の合計金額である売上高より大きい場合でも、釣銭が払い出されないように取り決められている商品券のことをいう。このように、商品券の情報が、釣銭払出不可商品券データとして記憶部534に記憶されるようになっている。
【0048】
また、商品券読取機制御部530に接続された判別部536は、商品券読取部501により得られた商品券データと、記憶部534に記憶された使用可能商品券データとを比較することにより、商品券読取部501により読み取られた商品券が商品券読取機500で使用可能かを判別するようになっている。また、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能であることが判別されたときに、この商品券の商品券データと記憶部534に記憶された釣銭払出不可商品券データとを比較することにより当該商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別するようになっている。なお、釣銭払出可能商品券データを記憶部534に記憶させたり、発行元データに基づいて釣銭払出可否を判定したりするようにしてもよい。判別部536による商品券の具体的な判別方法については後述する。
【0049】
また、本実施の形態の貨幣処理システム1では、
図3に示すように、商品券読取機500の商品券読取機制御部530には、商品券金額受付手段550(特許請求の範囲における商品券金額情報取得手段に対応)、商品券種類受付手段552(特許請求の範囲における商品券種類情報取得手段に対応)および余剰金算出手段554がそれぞれ接続されている。商品券金額受付手段550は、商品券読取機500の機体内に投入された商品券の金額を特定可能な情報を取得することにより当該商品券の金額を受け付けるようになっている。具体的には、商品券金額受付手段550は、商品券読取機500の商品券読取部501により読み取られた商品券データに基づく商品券の金額を受け付けるようになっている。また、商品券種類受付手段552は、商品券読取機500の機体内に投入された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを特定可能な情報を取得することにより当該情報を受け付けるようになっている。具体的には、判別部536により、商品券読取機500の機体内に投入された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かが判別されるようになっているが、商品券種類受付手段552は、判別部536による当該判別結果を受け付けるようになっている。
【0050】
また、余剰金算出手段554は、商品券読取機500の機体内に投入された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段552により受け付けられたときに、商品券金額受付手段550により受け付けられた商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の差額を余剰金として取引毎に算出するようになっている。なお、ここで「取引」とは、顧客が購入しようとする商品の代金を店員に支払う際に、顧客が商品券を店員に手渡し、店員が商品券を商品券読取機500に投入し、釣銭がある場合には硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から出金された釣銭を店員が顧客に手渡すような一連の動作のことをいう。また、余剰金算出手段554により算出された余剰金の金額は、商品券読取機500の記憶部534や硬貨釣銭機100の記憶部134に記憶されるようになっている。また、余剰金算出手段554により算出された余剰金の金額は、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302に表示されたり、POSレジスタ300の印字部338により印字されたりするようになっている。また、商品券読取機500のインターフェース532は、記憶部534に記憶されている余剰金の金額を他の装置に送信する通信部として機能するようになっている。
【0051】
また、
図3に示すように、硬貨釣銭機100の上位制御部120には総売上高算出手段138および比較手段140がそれぞれ接続されている。総売上高算出手段138は、顧客から受け取った商品券の在高、および顧客から受け取った貨幣の在高の合計在高と、硬貨釣銭機100の記憶部134や商品券読取機500の記憶部534に記憶されている余剰金の金額とに基づいて総売上高を算出するようになっている。また、比較手段140は、各取引の売上高の合計と、総売上高算出手段138により算出された総売上高とを比較するようになっている。
【0052】
また、POSレジスタ300のPOS制御部330には、表示部302、操作部304、記憶部334、インターフェース332、カードリーダ336、印字部338等がそれぞれ接続されており、操作者により操作部304に入力された指令が当該操作部304からPOS制御部330に送られたり、カードリーダ336により読み取られた操作者のIDカードに係る情報がPOS制御部330に送られたりするようになっている。また、POS制御部330は表示部302に指令を送ることにより当該表示部302に様々な情報を表示させるようになっている。なお、POS制御部330は、表示部302に様々な情報を表示させる代わりに、あるいは表示部302における表示に加えて、追加の表示部302aにおいて表示を行わせるようになっていてもよい。また、POS制御部330は印字部338に指令を送ることにより当該印字部338により様々な情報を印字させるようになっている。また、POSレジスタ300のPOS制御部330は、インターフェース332により、硬貨釣銭機100の上位制御部120や店舗サーバ400に対して信号の送受信を行うようになっている。また、記憶部334には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から送信された、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。
【0053】
次に、このような構成からなる貨幣処理システム1の動作について説明する。なお、以下に示す貨幣処理システム1の動作は、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230、商品券読取機500の商品券読取機制御部530が硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、商品券読取機500の各構成要素をそれぞれ制御することにより行われる。
【0054】
まず、硬貨釣銭機100に硬貨を入金する場合の動作について以下に説明する。硬貨釣銭機100の硬貨受入部114に硬貨が受け入れられると、硬貨受入部114は、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込み、取り込まれた硬貨は入金搬送部103により搬送される。そして、入金搬送部103により搬送される硬貨は硬貨識別部101により硬貨の識別が行われる。硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨であると識別された硬貨は、分岐部104により出金搬送部108へ案内(搬送)され、出金搬送部108により硬貨払出部116に搬送される。一方、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨であると識別された硬貨は、入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送され、当該硬貨収納部106に金種別に収納される。
【0055】
また、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨を出金する場合には、操作者は操作表示部112により出金されるべき硬貨の金種別の枚数や合計金額等を入力する。あるいは、POSレジスタ300のPOS制御部330から出金指令が上位制御部120を介して硬貨釣銭機制御部130に送られることにより、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨が出金されるようになる。硬貨釣銭機制御部130に対して出金指令が与えられると、硬貨収納部106に収納されている硬貨が当該硬貨収納部106から繰り出され、繰り出された硬貨は出金搬送部108により硬貨払出部116へ搬送される。このようにして、操作者は、硬貨払出部116から硬貨を取り出すことができるようになる。
【0056】
次に、紙幣釣銭機200に紙幣を入金する場合の動作について以下に説明する。紙幣受入部214の紙幣受入口214aに紙幣が挿入されると、紙幣受入部214は、紙幣受入口214aに挿入された入金紙幣を一括で取り込んで、周回搬送部203a側へ1枚ずつ繰り出す。そして、周回搬送部203a側へ繰り出された紙幣は当該周回搬送部203aにより搬送され、この際に紙幣識別部201により紙幣の識別が行われる。紙幣識別部201により正常な紙幣であると識別された紙幣は、各紙幣収納部206に金種別に収納される。一方、紙幣受入部214から取り込まれた紙幣のうち、汚損や搬送異常等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部216に返却される。
【0057】
また、当該紙幣釣銭機200から釣銭としての紙幣を出金する場合には、操作者は操作表示部112により出金されるべき紙幣の金種別の枚数や合計金額等を入力する。あるいは、POSレジスタ300のPOS制御部330から出金指令が上位制御部120を介して紙幣釣銭機制御部230に送られることにより、紙幣釣銭機200から釣銭としての紙幣が出金されるようになる。紙幣釣銭機制御部230に対して出金指令が与えられると、紙幣収納部206に収納されている紙幣が当該紙幣収納部206から繰り出され、繰り出された紙幣は紙幣識別部201により識別された後、周回搬送部203aにより紙幣払出部216に送られる。そして、紙幣払出部216は、紙幣収納部206から送られた紙幣を紙幣取出口216aより筐体210外へ放出する。このようにして、操作者は、紙幣釣銭機200から出金された紙幣を得ることができるようになる。なお、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等の搬送異常により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は、出金リジェクト紙幣として出金リジェクト部204に収納される。
【0058】
次に、商品券読取機500による商品券の処理方法について
図4に示すフローチャートを用いて説明する。
図4に示すフローチャートは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において顧客が商品を購入する際に、顧客から受け取った商品券を店員が処理するときの貨幣処理システム1の動作を示している。
【0059】
店員は、顧客から受け取った商品券を商品券読取機500の投入口502aに投入する。投入口502aに投入された商品券は商品券受入部502に受け入れられ、この商品券受入部502に設けられた繰出機構(図示せず)により1枚ずつ商品券搬送部503に繰り出される。商品券搬送部503に繰り出された商品券は商品券読取部501により読み取られ(STEP1)、商品券の発行元や金額等の情報である商品券データが得られる。また、この際に、商品券金額受付手段550は、商品券読取部501により読み取られた商品券データに基づく商品券の金額を受け付ける。
【0060】
商品券読取部501により商品券が読み取られると、商品券読取機制御部530に接続された判別部536は、商品券読取部501により得られた商品券データと、記憶部534に記憶された使用可能商品券データとを比較することにより、商品券読取部501により読み取られた商品券が商品券読取機500で使用可能か否かを判別する(STEP2)。具体的には、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券の発行元と、記憶部534に記憶された使用可能商品券データにおける使用可能商品券の発行元とを比較し、両者が一致すればこの商品券は商品券読取機500で使用可能であると判断する。判別部536による判別結果は、商品券読取機制御部530からインターフェース532を介して硬貨釣銭機100の上位制御部120に送信されるようになっている。
【0061】
商品券読取部501により読み取られた商品券が、商品券読取機500で使用可能な商品券ではないと判別部536により判断されたときには(STEP2の「NO」)、この商品券は商品券搬送部503からリジェクト部504に送られ、リジェクト口504aを介して筐体510の外部に返却される(STEP3)。このとき、商品券が返却される理由を硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302に表示してもよい。一方、商品券読取部501により読み取られた商品券が、商品券読取機500で使用可能な商品券であると判別部536により判断されたときには(STEP2の「YES」)、硬貨釣銭機100の上位制御部120は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要があるか否かを判断する(STEP4)。具体的には、硬貨釣銭機100の上位制御部120は、顧客が購入しようとする商品の金額と、商品券読取部501により読み取られた商品券の金額とを比較し、両者が一致、もしくは商品の金額の方が多ければ硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要がないと判断する。
【0062】
硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要がないと硬貨釣銭機100の上位制御部120が判断したときには(STEP4の「NO」)、商品券読取機500において商品券が受け付けられ、この商品券は商品券搬送部503から商品券収納部506に送られて筐体510内で収納されるようになる(STEP9)。一方、商品券読取部501により読み取られた商品券の金額が、顧客が購入しようとする商品の金額よりも大きくなり、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要があると硬貨釣銭機100の上位制御部120が判断したときには(STEP4の「YES」)、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券が、釣銭払出不可の商品券であるか否かを判別する(STEP5)。具体的には、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券の発行元と、記憶部534に記憶された釣銭払出不可商品券データにおける釣銭払出不可の商品券の発行元とを比較し、両者が一致すればこの商品券は釣銭払出不可の商品券であると判断する。判別部536による判別結果は、商品券読取機制御部530からインターフェース532を介して硬貨釣銭機100の上位制御部120に送信される。また、商品券種類受付手段552は、判別部536による判別結果に基づいて、商品券読取機500の機体内に投入された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付ける。
【0063】
商品券読取部501により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券ではないと判別部536により判断されたときには(STEP5の「NO」)、商品券読取部501により読み取られた商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の金額との差額分が釣銭として硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から払い出される(STEP6)。一方、商品券読取部501により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券であると判別部536により判断されたときには(STEP5の「YES」)、硬貨釣銭機100の操作表示部112に、釣銭の支払いができない商品券がある旨のメッセージが表示されるようになる(STEP7)。このときには、店員は顧客に対して、このような商品券を使用した場合には釣銭が支払われないがそれでも商品券を使用するか否かの確認を行い、釣銭払出不可の商品券を使用することについて顧客が合意した場合には、店員は操作表示部112により釣銭払出不可の商品券の使用許可の指令を上位制御部120に与える(STEP8の「YES」)。釣銭払出不可の商品券の使用許可が受け付けられると、商品券読取機500において商品券が受け付けられ、この商品券は商品券搬送部503から商品券収納部506に送られて筐体510内で収納されるようになる(STEP9)。なお、この場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭の払い出しは行われない。また、商品券が収納されると、商品券の在高情報が加算更新される。
【0064】
一方、釣銭払出不可の商品券を使用することについて顧客が合意しない場合には、硬貨釣銭機100の操作表示部112において釣銭払出不可の商品券の使用許可が受け付けられることはなく(STEP8の「NO」)、商品券読取部501により読み取られた商品券は商品券搬送部503からリジェクト部504に送られ、リジェクト口504aを介して筐体510の外部に返却される(STEP3)。
【0065】
リジェクト部504により商品券が筐体510の外部に返却された後(STEP3)、店員は操作表示部112により他の決済処理を行うという指令を上位制御部120に与えることができる。より具体的には、例えば顧客が現金やクレジットカード等の支払い方法で商品の代金の支払いを行いたい場合には、操作表示部112において他の決済処理が受け付けられ(STEP10の「YES」)、貨幣処理システム1は他の決済処理を実行するようになる(STEP11)。一方、操作表示部112において他の決済処理が受け付けられなかった場合には(STEP10の「NO」)、貨幣処理システム1において取引が中止される(STEP12)。
【0066】
また、本実施の形態の貨幣処理システム1において、顧客が商品を購入する際に顧客から店員に商品券および現金の両方が手渡され、商品券読取機500に商品券が投入されるとともに硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に硬貨や紙幣が入金された場合には、以下に示すような動作が行われる。すなわち、商品券読取機500に商品券が投入されるとともに硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に硬貨や紙幣が入金され、商品券読取機500に投入された商品券が使用可能であることが判別部536により判別されたときに、商品券読取機500により受け付けられた商品券の金額、および硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に入金された硬貨や紙幣の金額の合計金額に基づいて、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭が払い出される。具体的には、例えば顧客が購入しようとする商品の合計金額が1800円であり、顧客から店員に1000円分の商品券および千円札が手渡されたときには、商品券が商品券読取機500に投入されるとともに千円札が紙幣釣銭機200に投入されると、200円分の硬貨が釣銭として硬貨釣銭機100から払い出されるようになる。
【0067】
また、本実施の形態の貨幣処理システム1において、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券である場合に、この商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の合計金額である売上高との差額である余剰金の管理が行われるようになっている。より具体的には、商品券読取機500に設けられた余剰金算出手段554は、当該商品券読取機500の機体内に投入された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段552により受け付けられたときに、商品券金額受付手段550により受け付けられた商品券の金額と売上高の差額を余剰金として取引毎に算出する。
【0068】
より詳細に説明すると、顧客が例えば800円の商品を購入しようとした際に、顧客から店員に手渡された商品券が1000円の釣銭払出不可の商品券である場合には、店員により商品券読取機500の機体内に投入された商品券は、商品券読取部501により当該商品券の商品券データが読み取られ、商品券金額受付手段550は、商品券の金額が1000円であるという情報を受け付ける。また、この商品券は、商品券読取機500の判別部536により釣銭払出不可の商品券であると判別され、商品券種類受付手段552は、判別部536による判別結果に基づいて、商品券読取機500の機体内に投入された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報を受け付ける。そして、余剰金算出手段554は、商品券読取機500の機体内に投入された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段552により受け付けられたときに、商品券金額受付手段550により受け付けられた商品券の金額(1000円)と売上高(800円)の差額(200円)を余剰金として取引毎に算出する。
【0069】
そして、余剰金算出手段554により算出された余剰金の金額(200円)は、商品券読取機500の記憶部534や硬貨釣銭機100の記憶部134に記憶される。また、余剰金算出手段554により算出された余剰金の金額は、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302に表示されたり、POSレジスタ300の印字部338により印字されたりする。この際に、記憶部534に記憶されている余剰金の金額は、商品券読取機500のインターフェース532により、商品券読取機500から他の装置(硬貨釣銭機100等)に送信される。
【0070】
また、本実施の形態の貨幣処理システム1では、総売上高算出手段138により、顧客から受け取った商品券の在高、および顧客から受け取った貨幣の在高の合計在高と、硬貨釣銭機100の記憶部134や商品券読取機500の記憶部534に記憶されている余剰金の金額とに基づいて総売上高を算出するようになっている。より詳細には、総売上高算出手段138において、顧客から受け取った商品券の在高、および顧客から受け取った貨幣の在高の合計在高から、硬貨釣銭機100の記憶部134や商品券読取機500の記憶部534に記憶されている余剰金の金額を減額することによって総売上高が算出される。
【0071】
また、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣の在高、商品券読取機500に収納されている商品券の在高等の情報はPOSレジスタ300の印字部338により印字することができるようになっている。
図5(a)は、本実施の形態の貨幣処理システム1において、POSレジスタ300の印字部338により印字されたジャーナル(集計データ)を示す。
図5(a)に示すように、ジャーナルには、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣の枚数および在高が金種別に印字される(
図5(a)のジャーナルのNo.16〜No.25参照)とともに、商品券読取機500に収納されている商品券の枚数および在高が印字される(
図5(a)のジャーナルのNo.26参照)。また、ジャーナルには、硬貨釣銭機100の記憶部134や商品券読取機500の記憶部534に記憶されている余剰金の金額も印字される(
図5(a)のジャーナルのNo.27)参照。なお、ジャーナルでは、余剰金はマイナスで印字されるようになっている。すなわち、硬貨釣銭機100の記憶部134や商品券読取機500の記憶部534に記憶されている余剰金の金額が360円である場合には、ジャーナルでは
図5(a)に示すように−360円と印字されるようになる。
【0072】
また、POSレジスタ300の印字部338により印字されるジャーナルには、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣の在高、および商品券読取機500に収納されている商品券の在高の合計在高から、硬貨釣銭機100の記憶部134や商品券読取機500の記憶部534に記憶されている余剰金の金額を減額することにより算出される合計金額が印字される(
図5(a)のジャーナルのNo.28参照)。このような合計金額は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に予め収納されている釣銭準備金の金額と、総売上高算出手段138により算出される総売上高とを合計したものである。
【0073】
また、ジャーナルには、顧客の数である客数が印字されるとともに、各取引の売上高の合計が「食品」「酒類」「非食品」といった賞品の種類別に印字される(
図5(a)のジャーナルのNo.4〜No.8参照)。そして、各取引の売上高の合計(
図5(a)のジャーナルのNo.8参照)と、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における釣銭準備金や入出金金額等(
図5(a)のジャーナルのNo.12参照)に基づいて算出される、計算上のレジ現金がジャーナルに印字される(
図5(a)のジャーナルのNo.13参照)。硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200で入出金処理を行う際に店員の操作ミス等のエラーがない場合には、
図5(a)のジャーナルのNo.13に示すような計算上のレジ現金と、
図5(a)のジャーナルのNo.28に示すような合計金額とが一致するようになる。
【0074】
本実施の形態の貨幣処理システム1では、比較手段140により、各取引の売上高と、総売上高算出手段138により算出された総売上高とを比較するようになっている。なお、各取引の売上高は、
図5(a)のジャーナルのNo.13に示すような計算上のレジ現金から、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に予め収納されている釣銭準備金の金額を減算したものである。また、総売上高算出手段138により算出された総売上高は、
図5(a)のジャーナルのNo.28に示すような合計金額から、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に予め収納されている釣銭準備金の金額を減算したものである。すなわち、
図5(a)のジャーナルのNo.13に示すような計算上のレジ現金と、
図5(a)のジャーナルのNo.28に示すような合計金額とが一致する場合には、比較手段140において、各取引の売上高と、総売上高算出手段138により算出された総売上高とが一致すると判断されるようになる。そして、比較手段140において両者が一致する場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200で入出金処理を行う際に店員の操作ミス等のエラーは無かったと上位制御部120において判断される。一方、比較手段140において両者が一致しない場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200で入出金処理を行う際に店員の操作ミス等のエラーがあったと上位制御部120において判断され、このようなエラー情報が硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302に表示されるようになる。
【0075】
なお、POSレジスタ300の印字部338により印字されるジャーナルにおいて、余剰金であることがわかる表現であれば、余剰金をマイナス表示以外の方法で印字してもよい。また、ジャーナルに印字される集計データは、硬貨釣銭機100やPOSレジスタ300の記憶部134、334に記憶されるとともに、店舗サーバ400において収集されるようにすることも可能である。
【0076】
なお、参照のため、従来の貨幣処理システムにおいて、POSレジスタの印字部により印字されたジャーナル(集計データ)を
図5(b)に示す。従来の貨幣処理システムでは、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券である場合に、この商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の合計金額である売上高との差額である余剰金の管理が行われるようにはなっていない。このため、
図5(b)に示すように、POSレジスタ300の印字部338により印字されるジャーナルにも、余剰金の金額が表示されることはない。すなわち、
図5(a)のジャーナルのNo.27に示すような「商品券(余剰金)」に対応する欄が
図5(b)のジャーナルには無い。このため、商品券読取機500に釣銭払出不可の商品券が投入され、余剰金が発生した場合には、計算上のレジ現金(
図5(b)のジャーナルのNo.13参照)と、硬貨や紙幣の在高および商品券の在高の合計在高(
図5(b)のジャーナルのNo.27参照)との間に差異が生じるようになるが(
図5(b)のジャーナルのNo.15参照)、このような差異の原因が、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200で入出金処理を行う際の店員の操作ミスによるものなのか、あるいは顧客による釣銭払出不可の商品券の支払いによるものなのか特定することができないという問題があった。これに対して、本実施の形態の貨幣処理システム1では、顧客により釣銭払出不可の商品券が店員に支払われた場合には、余剰金が管理されていることにより、在高差異は0となり(
図5(a)のジャーナルのNo.15参照)、このような問題が生じることはない。
【0077】
以上のように本実施の形態の貨幣処理システム1(商品券管理システム)や商品券管理方法によれば、商品券金額受付手段550により商品券の金額を受け付けるとともに商品券種類受付手段552により商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付け、商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段552により受け付けられたときに、商品券金額受付手段550により受け付けられた商品券の金額と売上高の差額を余剰金として余剰金算出手段554により取引毎に算出するようになっている。このことにより、余剰金の管理を適切に行うことができる。
【0078】
また、本実施の形態の貨幣処理システム1(商品券管理システム)においては、余剰金算出手段554により算出された余剰金の金額を記憶する記憶部134、534が設けられている。また、記憶部134、534に記憶されている余剰金の金額は、POSレジスタ300の表示部302や硬貨釣銭機100の操作表示部112に表示されたり、POSレジスタ300の印字部338により印字されたりするようになっている。また、余剰金算出手段554により算出された余剰金の金額は、インターフェース532により商品券読取機500から他の装置(例えば、硬貨釣銭機100等)に送信されるようになっている。
【0079】
また、本実施の形態の貨幣処理システム1(商品券管理システム)においては、顧客から受け取った商品券の在高、および顧客から受け取った貨幣の在高の合計在高と、記憶部134、534に記憶されている余剰金の金額とに基づいて総売上高を算出する総売上高算出手段138が設けられている。このことにより、余剰金の金額も考慮した総売上高を算出することができるようになる。また、比較手段140により、各取引の売上高の合計と、総売上高算出手段138により算出された総売上高とを比較するようになっている。そして、両者が一致する場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200で入出金処理を行う際に店員の操作ミス等のエラーは無かったと上位制御部120において判断されるようになる。一方、両者が一致しない場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200で入出金処理を行う際に店員の操作ミス等のエラーがあったと上位制御部120において判断されるようになる。
【0080】
また、本実施の形態の貨幣処理システム1(商品券管理システム)においては、商品券金額受付手段550は、商品券読取機500の商品券読取部501により読み取られた商品券データに基づく商品券の金額を受け付けるようになっている。また、商品券種類受付手段552は、商品券読取部501により読み取られた商品券データと記憶部534に記憶された釣銭払出不可商品券データとを比較することにより、商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付けるようになっている。もちろん、釣銭払出不可商品券データの代わりに、あるいは釣銭払出不可商品券データに加えて、釣銭払出可能商品券データを記憶部534に記憶しておくようにしてもよい。なお、商品券読取部501がラインセンサからなり、このラインセンサにより商品券の画像データが得られるような例について説明したが、このような例に限定されることはない。他の態様として、商品券にバーコードが形成されており、商品券読取部501としてバーコードリーダが用いられるようになっていてもよい。この場合、バーコードリーダにより商品券のバーコードが読み取られることにより商品券データが得られるようになる。また、商品券にICチップが設けられており、商品券読取部501としてICリーダが用いられるようになっていてもよい。この場合、ICリーダにより商品券のICチップが読み取られることにより商品券データが得られるようになる。
【0081】
なお、本実施の形態による貨幣処理システム1(商品券管理システム)や商品券管理方法は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
【0082】
例えば、硬貨釣銭機100ではなく紙幣釣銭機200が上位制御部120を備えており、この紙幣釣銭機200が親機として機能し、硬貨釣銭機100が子機として紙幣釣銭機200に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200のそれぞれが上位制御部120を備えており、これらの硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200が並列的にPOSレジスタ300に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200が一体的に構成される釣銭機がPOSレジスタ300に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100あるいは紙幣釣銭機200の一方のみがPOSレジスタ300に接続され、当該POSレジスタ300により運用され、他方の釣銭機はPOSレジスタ300および一方の釣銭機から独立して運用されるようになっていてもよい。
【0083】
また、使用可能商品券データや釣銭払出不可商品券データを記憶する記憶部534や、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別する判別部536が、商品券読取機500ではなく、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、あるいはPOSレジスタ300等に設けられていてもよい。
【0084】
また、商品券読取機500に設けられた商品券読取部501は例えばラインセンサからなり、このラインセンサにより商品券の画像データが得られるようになっているが、このようなラインセンサからなる商品券読取部501により、紙幣の識別も行うことができるようになっていてもよい。これにより、商品券読取機500と紙幣釣銭機200を一体化できる。
【0085】
また、変形例に係る貨幣処理システム(商品券管理システム)では、
図1等に示すような貨幣処理システム1と比較して、商品券読取機500が設けられていなくてもよい。商品券読取機500が設けられていないような貨幣処理システムについて、
図6および
図7を用いて説明する。
図6は、変形例に係る貨幣処理システム1aにおける硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200およびPOSレジスタ300の外観を示す斜視図であり、
図7は、
図6に示す貨幣処理システム1aの機能ブロック図である。
【0086】
図6および
図7に示すような貨幣処理システム1aにおいて、顧客から店員に商品券が手渡されたときには、店員は硬貨釣銭機100の操作表示部112により商品券の金額を手入力するとともに、顧客から手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を手入力する。操作表示部112に入力された商品券の情報、および商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報は硬貨釣銭機100の上位制御部120に送られるようになっている。
【0087】
また、
図6および
図7に示すような貨幣処理システム1aでは、
図7に示すように、硬貨釣銭機100の上位制御部120には、商品券金額受付手段150、商品券種類受付手段152および余剰金算出手段154がそれぞれ接続されている。商品券金額受付手段150は、顧客から店員に手渡された商品券の金額を受け付けるようになっている。具体的には、商品券金額受付手段150は、店員によって操作表示部112により入力された商品券の金額を受け付けるようになっている。また、商品券種類受付手段152は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付けるようになっている。具体的には、商品券種類受付手段152は、店員によって操作表示部112により入力された、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付けるようになっている。なお、商品券(現物)は、所定の引出し等に収納されることになる。
【0088】
また、余剰金算出手段154は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段152により受け付けられたときに、商品券金額受付手段150により受け付けられた商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の差額を余剰金として取引毎に算出するようになっている。また、余剰金算出手段154により算出された余剰金の金額は、硬貨釣銭機100の記憶部134に記憶されるようになっている。また、余剰金算出手段154により算出された余剰金の金額は、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302に表示されたり、POSレジスタ300の印字部338により印字されたりするようになっている。また、硬貨釣銭機100のインターフェース132は、記憶部134に記憶されている余剰金の金額を他の装置(例えば、POSレジスタ300)に送信する通信部として機能するようになっている。
【0089】
次に、
図6および
図7に示すような貨幣処理システム1aの動作について説明する。なお、以下に示す貨幣処理システム1aの動作は、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230が硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の各構成要素をそれぞれ制御することにより行われる。
【0090】
図6および
図7に示すような貨幣処理システム1aにおいて、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券である場合に、この商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の合計金額である売上高との差額である余剰金の管理が行われるようになっている。より具体的には、店員は、顧客から商品券を受け取ったときに、この商品券の金額、および当該商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を硬貨釣銭機100の操作表示部112により入力する。商品券金額受付手段150は、店員によって操作表示部112により入力された商品券の金額を受け付ける。また、商品券種類受付手段152は、店員によって操作表示部112により入力された、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付ける。硬貨釣銭機100に設けられた余剰金算出手段154は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段152により受け付けられたときに、商品券金額受付手段150により受け付けられた商品券の金額と売上高の差額を余剰金として取引毎に算出する。
【0091】
より詳細に説明すると、顧客が例えば800円の商品を購入しようとした際に、顧客から店員に手渡された商品券が1000円の釣銭払出不可の商品券である場合には、店員は、この商品券の金額(1000円)、および当該商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報を操作表示部112により入力する。商品券金額受付手段150は、商品券の金額が1000円であるという情報を受け付ける。また、商品券種類受付手段152は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報を受け付ける。そして、余剰金算出手段154は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段152により受け付けられたときに、商品券金額受付手段150により受け付けられた商品券の金額(1000円)と売上高(800円)の差額(200円)を余剰金として取引毎に算出する。
【0092】
そして、余剰金算出手段154により算出された余剰金の金額(200円)は硬貨釣銭機100の記憶部134に記憶される。また、余剰金算出手段154により算出された余剰金の金額は、硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302に表示されたり、POSレジスタ300の印字部338により印字されたりする。この際に、記憶部134に記憶されている余剰金の金額は、硬貨釣銭機100のインターフェース132により、硬貨釣銭機100から他の装置(POSレジスタ300等)に送信される。
【0093】
また、
図6および
図7に示すような貨幣処理システム1aでは、総売上高算出手段138により、顧客から受け取った商品券の在高、および顧客から受け取った貨幣の在高の合計在高と、硬貨釣銭機100の記憶部134に記憶されている余剰金の金額とに基づいて総売上高を算出するようになっている。より詳細には、総売上高算出手段138において、顧客から受け取った商品券の在高、および顧客から受け取った貨幣の在高の合計在高から、硬貨釣銭機100の記憶部134に記憶されている余剰金の金額を減額することによって総売上高が算出される。また、比較手段140により、各取引の売上高の合計と、総売上高算出手段138により算出された総売上高とが比較される。
【0094】
図6および
図7に示すような貨幣処理システム1aによれば、
図1乃至
図4に示すような貨幣処理システム1と同様に、商品券金額受付手段150により商品券の金額を受け付けるとともに商品券種類受付手段152により商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付け、商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段152により受け付けられたときに、商品券金額受付手段150により受け付けられた商品券の金額と売上高の差額を余剰金として余剰金算出手段154により取引毎に算出するようになっている。このことにより、余剰金の管理を適切に行うことができる。
【0095】
なお、
図6および
図7に示すような貨幣処理システム1aにおいて、商品券金額受付手段150、商品券種類受付手段152および余剰金算出手段154の全てが硬貨釣銭機100に設けられていなくてもよい。商品券金額受付手段150、商品券種類受付手段152および余剰金算出手段154のうち少なくとも一つが硬貨釣銭機100に設けられていれば、他の手段が硬貨釣銭機100以外の装置(例えばPOSレジスタ300)に設けられていてもよい。
【0096】
また、更なる変形例に係る貨幣処理システム(商品券管理システム)では、POSレジスタ300単体で余剰金の管理を行うようになっていてもよい。このような貨幣処理システムについて、
図8および
図9を用いて説明する。
図8は、更なる変形例に係る貨幣処理システム1bにおけるPOSレジスタ300の外観を示す斜視図であり、
図9は、
図8に示す貨幣処理システム1bの機能ブロック図である。
【0097】
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bにおいて、顧客から店員に商品券が手渡されたときには、店員はPOSレジスタ300の操作部304により商品券の金額を手入力するとともに、顧客から手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を手入力する。操作部304に入力された商品券の情報、および商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報はPOSレジスタ300のPOS制御部330に送られるようになっている。
【0098】
また、
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bでは、
図9に示すように、POSレジスタ300のPOS制御部330には、商品券金額受付手段350、商品券種類受付手段352および余剰金算出手段354がそれぞれ接続されている。商品券金額受付手段350は、顧客から店員に手渡された商品券の金額を受け付けるようになっている。具体的には、商品券金額受付手段350は、店員によって操作部304により入力された商品券の金額を受け付けるようになっている。また、商品券種類受付手段352は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付けるようになっている。具体的には、商品券種類受付手段352は、店員によって操作部304により入力された、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付けるようになっている。
【0099】
また、余剰金算出手段354は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段352により受け付けられたときに、商品券金額受付手段350により受け付けられた商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の差額を余剰金として取引毎に算出するようになっている。また、余剰金算出手段354により算出された余剰金の金額は、POSレジスタ300の記憶部334に記憶されるようになっている。また、余剰金算出手段354により算出された余剰金の金額は、POSレジスタ300の表示部302に表示されたり、POSレジスタ300の印字部338により印字されたりするようになっている。また、POSレジスタ300のインターフェース332は、記憶部334に記憶されている余剰金の金額を他の装置(例えば、店舗サーバ400)に送信する通信部として機能するようになっている。
【0100】
次に、
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bの動作について説明する。
【0101】
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bにおいて、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券である場合に、この商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の合計金額である売上高との差額である余剰金の管理が行われるようになっている。より具体的には、店員は、顧客から商品券を受け取ったときに、この商品券の金額、および当該商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を操作部304により入力する。商品券金額受付手段350は、店員によって操作部304により入力された商品券の金額を受け付ける。また、商品券種類受付手段352は、店員によって操作部304により入力された、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付ける。余剰金算出手段354は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段352により受け付けられたときに、商品券金額受付手段350により受け付けられた商品券の金額と売上高の差額を余剰金として取引毎に算出する。
【0102】
より詳細に説明すると、顧客が例えば800円の商品を購入しようとした際に、顧客から店員に手渡された商品券が1000円の釣銭払出不可の商品券である場合には、店員は、この商品券の金額(1000円)、および当該商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報を操作部304により入力する。商品券金額受付手段350は、商品券の金額が1000円であるという情報を受け付ける。また、商品券種類受付手段352は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報を受け付ける。そして、余剰金算出手段354は、顧客から店員に手渡された商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段352により受け付けられたときに、商品券金額受付手段350により受け付けられた商品券の金額(1000円)と売上高(800円)の差額(200円)を余剰金として取引毎に算出する。
【0103】
そして、余剰金算出手段354により算出された余剰金の金額(200円)はPOSレジスタ300の記憶部334に記憶される。また、余剰金算出手段354により算出された余剰金の金額は、POSレジスタ300の表示部302に表示されたり、POSレジスタ300の印字部338により印字されたりする。この際に、記憶部334に記憶されている余剰金の金額は、POSレジスタ300のインターフェース332により、POSレジスタ300から他の装置(店舗サーバ400等)に送信される。
【0104】
また、
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bにおいて、顧客から受け取った商品券の在高、および顧客から受け取った貨幣の在高の合計在高と、POSレジスタ300の記憶部334に記憶されている余剰金の金額とに基づいて総売上高を算出する総売上高算出手段が設けられていてもよい。また、
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bにおいて、各取引の売上高の合計と、総売上高算出手段により算出された総売上高とを比較する比較手段が設けられていてもよい。
【0105】
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bによれば、
図1乃至
図4に示すような貨幣処理システム1と同様に、商品券金額受付手段350により商品券の金額を受け付けるとともに商品券種類受付手段352により商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付け、商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段352により受け付けられたときに、商品券金額受付手段350により受け付けられた商品券の金額と売上高の差額を余剰金として余剰金算出手段354により取引毎に算出するようになっている。このことにより、余剰金の管理を適切に行うことができる。
【0106】
なお、
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bにおいて、商品券金額受付手段350、商品券種類受付手段352および余剰金算出手段354の全てがPOSレジスタ300に設けられていなくてもよい。商品券金額受付手段350、商品券種類受付手段352および余剰金算出手段354のうち少なくとも一つがPOSレジスタ300に設けられていれば、他の手段がPOSレジスタ300以外の装置(例えば店舗サーバ400)に設けられていてもよい。また、
図8および
図9に示すような貨幣処理システム1bにおいて、バーコードリーダ(図示せず)により商品券データを読み取って、金額や釣銭払出可否を特定するようになっていてもよい。
【0107】
また、更なる変形例に係る貨幣処理システム(商品券管理システム)では、店舗サーバ400で余剰金の管理を行うようになっていてもよい。このような貨幣処理システムでは、 商品券の金額を受け付ける商品券金額受付手段、商品券が釣銭払出不可の商品券か否かの情報を受け付ける商品券種類受付手段が店舗サーバ400に設けられている。また、店舗サーバ400には、商品券が釣銭払出不可の商品券であるという情報が商品券種類受付手段により受け付けられたときに、商品券金額受付手段により受け付けられた商品券の金額と売上高の差額を余剰金として取引毎に算出する余剰金算出手段が設けられている。なお、商品券金額受付手段、商品券種類受付手段および余剰金算出手段の全てが店舗サーバ400に設けられていなくてもよい。商品券金額受付手段、商品券種類受付手段および余剰金算出手段のうち少なくとも一つが店舗サーバ400に設けられていれば、他の手段が店舗サーバ400以外の装置に設けられていてもよい。