(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のハンディスキャナは、プリンタに有線接続されて、プリンタから電力の供給を受けていた。したがって、特に、プリンタが大型な場合には、ハンディスキャナが使用可能な範囲が限定されてしまうという問題があった。
【0005】
また、ハンディスキャナをバッテリー内蔵とすれば、ハンディスキャナの使用可能な範囲を広げることができるが、乾電池式であると、電池の交換が煩雑であった。また、ハンディスキャナのバッテリーを充電式とすると、充電器が別途必要であり、その設置場所も用意する必要があり、利便性が悪かった。
【0006】
本発明の課題は、広範囲で使用可能なハンディスキャナを簡単に充電できるプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
請求項1の発明は、被印刷媒体に少なくともコードの印刷を行うプリンタであって、コードの読み取りを行うハンディスキャナに対して充電を行う充電部と、 当該プリンタの電源のON/OFFを切り替える電源スイッチと、を備え、前記充電部は、前記電源スイッチにより当該プリンタの電源がOFFにされた状態で、前記ハンディスキャナの検出があった場合に、前記電源スイッチを介さずに接続された電源から通電され、前記ハンディスキャナに対して接点を用いずに充電を行う
とともに、前記通電が開始されるとタイマーの計時を開始し、前記通電が開始されてから所定時間を経過した場合に、前記通電を停止する、プリンタである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プリンタにハンディスキャナの充電機能を設けたので、広範囲で使用可能なハンディスキャナを簡単に充電できる。また、プリンタの電源スイッチをOFFした状態であっても、充電を行えるので、プリンタの使用状況を気にせずに、必要なときに簡単に充電を開始できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0011】
(実施形態)
図1は、本発明によるプリンタの実施形態を示す概略正面図である。
図2は、本発明によるプリンタの実施形態を示す概略側面図である。
図3は、本発明によるプリンタの実施形態を示す概略斜視図である。
なお、
図1から
図3を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
【0012】
本実施形態のプリンタ100は、後述するラベル連続体1を被印刷媒体として、バーコードを含む各種情報の印刷を行うプリンタである。
プリンタ100は、正面に、排出口101と、入力部121と、表示部110と、LED122と、電源スイッチ130と、を備えている。
【0013】
排出口101は、後述するサーマルヘッド151により印刷されたラベル連続体1が排出される開口部である。
【0014】
入力部121は、操作スイッチ等により構成されており、プリンタ100を使用する使用者が印刷枚数等の入力や、印刷開始指示等の各種入力を行うときに操作される。
【0015】
表示部110は、数値や文字を表示する小型の表示装置であり、印刷枚数の表示や、エラー時の表示等を行う。
【0016】
LED122は、点灯、点滅、消灯等を切り替えたり、発光色を切り替えたりして、プリンタ100の状態等を表示する。
【0017】
電源スイッチ130は、プリンタ100の操作や印刷動作を行わないときに、電源をOFF(切)し、また、プリンタ100の操作や印刷動作を行うときに、電源をON(入)するために、使用者が操作する機械的なON/OFF切り替えスイッチである。
【0018】
また、プリンタ100は、側面に、充電部140を備えている。
充電部140は、台座部141と、検出スイッチ142と、一次コイル143とを備えており、ハンディスキャナ200(
図1及び
図4参照)が着脱可能に構成されている。本実施形態の充電部140は、ここに装着されたハンディスキャナ200に対して無接点で充電を行う無接点充電部である。
【0019】
台座部141は、プリンタ100の側面に突出して設けられており、ハンディスキャナ200を装着可能な凹部が形成されている。
【0020】
検出スイッチ142は、台座部141の上面において上下方向に進退可能な状態で突出して設けられている。検出スイッチ142は、台座部141にハンディスキャナ200が装着されると、下方へ待避して、ハンディスキャナ200が装着されたことを検出する。また、検出スイッチ142は、台座部141からハンディスキャナ200が取り外されると、上方へ突出して、ハンディスキャナ200が取り外されたことを検出する。
【0021】
一次コイル143は、プリンタ100の側面に沿ってプリンタ100内に設けられている。
図4は、ハンディスキャナ200を示す概略図である。
ハンディスキャナ200内には、二次コイル210と、不図示の充電回路及び充電池が設けられている。ハンディスキャナ200は、バーコードを読み取る読み取り部を備えており、例えば、商品に添付されているバーコードを読み取って、その情報をプリンタ100へ通信により送ることができる。ハンディスキャナ200からバーコードの情報を受け取ったプリンタ100は、ハンディスキャナ200が読み取ったバーコードと同じバーコードを印刷したり、適宜情報を加工(例えば、価格改定等)して新たなバーコードを印刷したりできる。
図1に戻って、一次コイル143は、台座部141に装着されたハンディスキャナ200内の二次コイル210と対向する位置にある。一次コイル143へ通電を行うと、一次コイル143と二次コイル210とを通る磁束が生じて、電磁誘導によって二次コイル210に電流が発生する。一次コイル143と二次コイル210とは、電磁誘導可能な距離となるように、ハンディスキャナ200を装着する台座部141の凹部の位置が設定されている。
【0022】
図5は、プリンタ100の内部構成を示す概略図である。
プリンタ100の内部には、サーマルヘッド151と、プラテンローラ152と、用紙センサ153と、制御部160と、電源回路170とが設けられている。
【0023】
ラベル連続体1は、ロール状に巻き回された状態で用紙供給部102に回転自在に支持され、用紙供給部102からサーマルヘッド151とプラテンローラ152との間に供給される。ラベル連続体1には、不図示のラベルが帯状の台紙に所定間隔で搬送方向に沿って並べて配置されている。このラベルは、感熱紙により形成されており、一定以上の熱を加えることにより発色する感熱層が設けられている。なお、本実施形態では、感熱紙を用いるプリンタを例に挙げて説明したが、インクリボンを用いるプリンタであってもよい。また、ラベル連続体1の裏面側には、ラベルが仮着されている間隔と一致した間隔でラベル連続体1の裏面(台紙側)に印刷されているアイマークと称される黒の矩形のマークが設けられている。
【0024】
サーマルヘッド151は、発熱体がプラテンローラ152に対向する面に形成されており、制御部160により制御されて発熱体が選択的に発熱を行う。
【0025】
プラテンローラ152は、サーマルヘッド151と対向する位置に設けられている。
プリンタ100は、サーマルヘッド151とプラテンローラ152との間にラベル連続体1を狭持して搬送しながら、サーマルヘッド151の発熱体を選択的に発熱させることにより、ラベル連続体1の感熱層を発色させて所望の文字、バーコード等の印刷を行う。
【0026】
用紙センサ153は、ラベル連続体1の裏面側に設けられたアイマークを検出し、アイマークの検出信号を出力するセンサである。アイマークの検出信号は、用紙センサ153から制御部160に入力される。制御部160は、アイマークの検出信号に基づく印刷タイミングで、サーマルヘッド151と、プラテンローラ152を回転駆動する駆動モータM(
図6参照)とを制御して印刷を行う。
【0027】
制御部160は、上述したように、サーマルヘッド151及び駆動モータM等の制御を行う。
図6は、制御部160の概略を示すブロック図である。
制御部160は、ROM(read only memory)161と、CPU(central processing unit)162と、RAM(random access memory)163と、プラテン制御回路164と、ヘッド制御回路165と、用紙センサ制御回路166とを備えている。
【0028】
ROM161は、所定の制御プログラムとフォントデータを記憶している。
【0029】
CPU162は、ROM161に記憶されている制御プログラムにしたがって動作し、各部を制御する。
【0030】
RAM(random access memory)163は、CPU162が動作する上で必要となる各種データを記憶する。
【0031】
プラテン制御回路164は、プラテンローラ152を駆動する駆動モータMにパルス信号等の駆動信号を供給し、駆動モータMを回転させる。
【0032】
ヘッド制御回路165は、CPU162からの指示に基づいてサーマルヘッド151に印刷動作を行わせる。
【0033】
用紙センサ制御回路166は、CPU162の制御下、用紙センサ153からアイマークの検出信号を受け取り、デジタルのデータに変換することでマーク検出信号としてCPU162に供給する。
【0034】
制御部160には、パーソナルコンピュータ等のホストが外部インタフェース(外部I/F)167を介して接続され、外部I/F167を介して、外部に接続されたホストとの間で各種データやコマンドの送受信を行うことができるようになっている。また、制御部160には、入力部121と、表示部110と、LED122とがインタフェース(I/F)168を介して接続されている。入力部121から入力された入力データは、I/F168を介して制御部160に供給される。また、表示部110と、LED122とに表示される各種情報に対応する表示データは、I/F168を介して制御部160より供給される。
【0035】
図5に戻って、電源回路170は、プリンタ100の駆動モータM,サーマルヘッド151や制御部160等への電力供給と、充電部140への電力供給とを行う。
図7は、電源回路170の概要を示す図である。
AC電源へ接続されている電力線は、電源スイッチ(MSW)130の前で2分岐している。一方は、電源スイッチ130を介してトランス(T1)171へ接続されている。他方は、電源スイッチ130を介さずに直接、トランス(T2)174へ接続されている。
【0036】
トランス(T1)171からは、AC/DCコンバータ172を介した24Vの直流電力と、AC/DCコンバータ173を介した5Vの直流電力とが出力される。24Vの直流電力は、駆動モータM及びサーマルヘッド151等の電力として用いられ、5Vの直流電力は、制御部160等の電力として用いられる。
【0037】
トランス(T2)174は、一次コイル143へ接続され、また、AC/DCコンバータ175を介して給電制御回路180へ接続されている。
図8は、給電制御回路180の概要を示す図である。
検出スイッチ142がハンディスキャナ200の装着を検出してONされると、リレーコイル184に通電されて、これに連動して、リレーのa接点181,182,183がONする。これにより、一次コイル143への給電が開始される。一次コイル143への給電が開始されると、タイマーコイル186が計時を開始し、所定時間(例えば、1時間から6時間等、充電に必要な所定時間)経過すると、タイマーのb接点185がOFFになり、一次コイル143への給電が停止される。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、プリンタ100にハンディスキャナ200の充電機能を設けたので、広範囲で使用可能なハンディスキャナを簡単に充電できる。また、プリンタ100の電源スイッチ130をOFFした状態であっても、充電を行えるので、プリンタ100の使用状況を気にせずに、必要なときに簡単に充電を開始できる。さらに、検出スイッチ142を設けているので、不要な給電が防止され、安全性も高めることができる。
【0039】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
【0040】
実施形態において、非接触充電を行う例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、接点を用いて充電を行う接触式の充電を行うようにしてもよい。
【0041】
なお、本発明は、以上説明した各実施形態によって限定されることはない。