(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、ヘテロジーニアスネットワーク構成では、マクロセルエリア内に多数の小セルが配置されるが、マクロセルエリア内に多数のスモールセルSを配置する場合、ネットワークコストに対するキャパシティを考慮して、スモールセルSを設計することが求められている。ネットワークコストとしては、例えば、ネットワークノードやバックホールリンク等の設置コスト、セルプランニングや保守対応等のオペレーションコスト、ネットワーク側の消費電力等が挙げられる。またスモールセルSには、キャパシティ以外の要求として、移動端末装置側の省消費電力化やランダムセルプランニングのサポートが求められている。
【0011】
本発明は、
図2A、Bに示す2種類のヘテロジーニアスネットワークにそれぞれ適用可能である。
【0012】
図2Aに示すHetNet構成は、マクロセルMとスモールセルSとが同一のキャリア(周波数F0)で運用される。3GPPにおいて、HetNetにおけるセル間干渉制御(eICIC: enhanced Inter-Cell Interference Coordination)技術が検討された。その結果、時間領域のeICICについて合意されている。時間領域(サブフレーム単位)での干渉コーディネーションはシングルキャリアでも適用可能である。Almost blank subframe(データを送信しないサブフレーム)もしくはMBSFN subframeを無送信区間として利用し、干渉の低減が図られる。
【0013】
図2Bに示すHetNet構成では、マクロセルMとスモールセルSが別周波数(F1,F2)で運用される。マクロセルMとスモールセルSとを別周波数(F1,F2)で運用するためには、LTE-Aに規定されるキャリアアグリゲーションを用いることができる。Rel-10においては、既存システム(LTE)のシステム帯域を1単位とする複数のコンポーネントキャリア(CC: Component Carrier)を束ねて広帯域化するキャリアアグリゲーションが規定されている。
図2Bに示すHetNet構成は、スモールセルSにおいて従来のセルIDの概念がない,ユーザデータの伝送に特化した無線インターフェイス(NCT: New Carrier Type)を適用するコンセプトである。
図2Bに示すHetNet構成は、制御信号を伝送するC(Control)-planeとユーザデータを伝送するU(User)-planeをそれぞれマクロセルMおよびスモールセルSで別々にサポートする。特にマクロセルMを既存のLTEの周波数帯(例えば2GHz帯)、スモールセルSをマクロセルMより高い周波数帯(例えば3.5GHz帯)で運用することにより、移動局(UE:User Equipment)の移動に対する高い接続性を保持しつつ、広い帯域幅を用い、マクロセル/スモールセル間で干渉が生じない高速通信が実現できる。更に、セル固有の信号(CRS等)を除去したNCTの適用により、セルプラニングの簡易化、Energy saving、CoMP(Coordinated Multi-Point)技術等の柔軟な適用といった多くのメリットが得られる。また,マクロセルMはC-planeおよびU-planeを共にサポートし、近くにスモールセルの存在しないUEの伝送品質を実現する。
【0014】
図2Bに示すHetNet構成では、マクロセルとスモールセルとの間で要求の違いや構成の相違点が考えられる。マクロセルは帯域幅が限定されるため、周波数利用効率が非常に重要である。これに対して、スモールセルは帯域幅を広く取り易いので、広い帯域幅を確保できればマクロセルほど周波数利用効率の重要性は高くない。マクロセルは車等の高いモビリティにも対応する必要があるが、スモールセルは低いモビリティに対応すればよい。マクロセルはカバレッジを広く確保する必要がある。一方で、スモールセルはカバレッジを広く確保することが好ましいが、カバレッジの不足分はマクロセルでカバー可能である。
【0015】
また、マクロセルは上下リンクの電力差が大きく、上下リンクが非対称になっているが、スモールセルは上下リンクの電力差が小さく、上下リンクが対称に近付けられている。さらに、マクロセルは、セル当たりの接続ユーザ数が多く、セルプランニングもされているため、トラヒックの変動が小さい。これに対し、スモールセルでは、セル当たりの接続ユーザ数が少なく、セルプランニングがされていない可能性もあるので、トラヒックの変動が大きい。このように、スモールセルは、マクロセルと最適な要求条件が異なっているので、スモールセルに特化した無線通信方式を設計する必要がある。
【0016】
スモールセル用の無線通信方式は、省消費電力化やランダムセルプランニングに起因した干渉を考慮すると、トラヒックが無い場合には無送信にする構成が望ましい。このため、スモールセル用の無線通信方式は、限りなくUE-specificな設計が想定される。したがって、スモールセル用の無線通信方式は、LTEにおけるPSS/SSS(Primary Synchronization Signal/Secondary Synchronization Signal)、CRS(Cell-specific Reference Signal)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)等を使用せず、ePDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel)、DM−RS(Demodulation − Reference Signal)をベースとして設計される。
【0017】
ここで、ePDCCHは、PDSCH領域(データ信号領域)内の所定周波数帯域をPDCCH領域(制御信号領域)として使用するものである。PDSCH領域に割り当てられたePDCCHは、DM−RSを用いて復調される。なお、ePDCCHは、FDM型PDCCHと呼ばれてもよいし、UE−PDCCHと呼ばれてもよい。また、スモールセルの無線通信方式では、既存のキャリアとは異なる新たなキャリアが用いられるが、この新たなキャリアは追加キャリア(Additional carrier)と呼ばれてもよいし、拡張キャリア(extension carrier)と呼ばれてもよい。
【0018】
スモールセル用の無線通信方式において全てがUE-specificに設計されると、スモールセルに対する移動端末装置の初期アクセスの機会が得られない。このため、スモールセル用の無線通信方式においても、個々の移動端末装置とのデータチャネル(制御チャネル)通信に適したスモールセルを選択するためのCell-specificな基準信号を設ける必要があると考えられる。
【0019】
本発明者等は、移動端末装置のアクセス候補として多数のスモールセルが存在するネットワーク構成において、移動端末装置がどのようにしてCell-specificな基準信号を受信し、どのようにしてCell-specificな基準信号を測定して測定レポート(MEASUREMENTレポーチ)をネットワーク側(マクロ基地局又はローカル基地局)へ通知するかといった技術的課題に着目し、本発明に至った。
【0020】
以下の説明では、移動端末装置がデータチャネル(及び又は制御チャネル)送信に適したスモールセルを発見するためにスモールセルから送信されるCell-specificな基準信号のことを「DISCOVERY SIGNAL」と呼ぶこととする。「DISCOVERY SIGNAL」は、例えば、PDCH(Physical Discovery Channel)、BS(Beacon Signal)、DPS(Discovery Pilot Signal)と呼ばれてもよい。また、マクロセルを構成する基地局装置のことを「マクロ局」と呼び、スモールセルを構成する基地局装置のことを「ローカル局」と呼ぶこととする。
【0021】
本発明の第1の側面は、スモールセル固有のDISCOVERY SIGNALを受信するための制御情報(第1の制御情報)をMEASUREMENT CONFIGURATION(測定に関する情報)によって移動端末装置へ通知する通信システムを提供する。ローカル局はスモールセル固有のDISCOVERY SIGNALを送信し、移動端末装置はDISCOVERY SIGNALを受信するための制御情報が含まれたMEASUREMENT CONFIGURATIONをマクロ局又はローカル局から受信する。移動端末装置はMEASUREMENT CONFIGURATIONによって通知された制御情報に基づいてDISCOVERY SIGNALを受信する。
【0022】
これにより、移動端末装置に対してMEASUREMENT CONFIGURATIONによってDISCOVERY SIGNALを受信するための制御情報をマクロ局又はローカル局から通知するので、移動端末装置は初期アクセスが得られないローカル局から送信されるDISCOVERY SIGNALを受信することができ、各ローカル局についてDISCOVERY SIGNALの受信信号電力等の測定(以下、MEASUREMENTという)が可能になる。
【0023】
本発明の第2の側面は、移動端末装置がチャネル状態情報(CSI情報)(CQI、PMI、RI)をフィードバックするための制御情報(第2の制御情報)をRRC CONNECTION RECONFIGURATIONによって移動端末装置へ通知する通信システムを提供する。マクロ局又はローカル局は、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートに基づいて、受信品質の高いローカル局について選択する。すなわち、受信品質の高いローカル局についてCSI情報(CQI、PMI、RI)をフィードバックするローカル局として選択する。移動端末装置は、CSI情報(CQI、PMI、RI)をフィードバックするためのローカル局情報が含まれたRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを受信する。
【0024】
これにより、移動端末装置は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONによって通知されたローカル局についてCSI情報を取得してマクロ局又はローカル局へフィードバックできる。
【0025】
本発明の第3の側面は、CSI情報(又はDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポート)に基づいて、移動端末装置との間でデータチャネル、制御チャネル送信を行うローカル局を決定し、決定したローカル局にデータチャネル、制御チャネル送信を指示する制御情報を通知する通信システムを提供する。マクロ局又はローカル局は、移動端末装置からフィードバックされたCSI情報(又はDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポート)に基づいて、データチャネル、制御チャネル送信を行うローカル局を決定する。ローカル局は、マクロ局から指示された移動端末装置との間でデータチャネル、制御チャネル送信を開始する。
【0026】
これにより、スモールセルに対して初期アクセスする機会の得られない移動端末装置が、CSI情報(又はDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポート)に基づいて決定されたローカル局との間でデータチャネル、制御チャネル送信を開始することができる。
【0027】
次に、本発明の第1の側面について詳細に説明する。
図3A,Bを参照して、スモールセルにおけるDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTについて説明する。
【0028】
マクロ局30と移動端末装置10との間は無線リンクで接続され、ローカル局20と移動端末装置10との間は無線リンクで接続される。マクロ局30とローカル局20との間はケーブル(ファーバーバックホール)又は無線リンク(ワイヤレスバックホール)で接続される。マクロ局30とローカル局20との間のインターフェースとしてX2インターフェース又はその他のインターフェースを適用できる。その他のインターフェースは、
図2Bに示すように、一部の機能についてはマクロ局からの命令に従うようなX2インターフェースの発展型インターフェースであってもよい。なお、主に以下の説明では、一部の機能についてはマクロ局からの命令に従うような発展型インターフェースが適用される場合について説明する。
【0029】
LTE-Aシステムにおいて、移動端末装置10が基地局(マクロ局30又はローカル局20)との間でデータチャネル/制御チャネルの送受信を開始するためには、次の手順が発生する。
(1)同期確立
移動端末装置10は基地局から送信される同期信号を受信して基地局との間で同期を確立させる。
(2)MEASUREMENT
移動端末装置10は基地局から送信される報知信号を受信して基地局からの受信信号電力を測定する(MEASUREMENT)。移動端末装置10は複数のセルについての受信信号電力を測定し、測定結果はMEASUREMENTレポートとして基地局へ通知する。なお、後述するが本明細書においてMEASUREMENTというときは受信信号電力の測定に限定されない。
(3)CSIフィードバック
移動端末装置10は、ユーザ固有の下り参照信号(CSI-RS)を受信してチャネル品質を測定し、CSI情報(CQI,PMI,RI)を基地局へフィードバックする。
(4)データチャネル/制御チャネルの送信
基地局は、移動端末装置10に送信するデータチャネル/制御チャネルに対してCSI情報に基づいてリソースを割り当て、移動端末装置10に対してデータチャネル/制御チャネルを送信する。
【0030】
ここで、ローカル局20から送信されるスモールセル固有のDISCOVERY SIGNALを受信した移動端末装置10がMEASUREMENTレポートを送信する場合を考える。移動端末装置10はマクロ局30から送信される同期信号を受信してマクロ局30との間で同期確立した後、ローカル局20から送信されるスモールセル固有のDISCOVERY SIGNALを測定してMEASUREMENTレポートをマクロ局30へ通知する必要がある。すなわち、スモールセル固有のDISCOVERY SIGNALを受信するための設定が移動端末装置10において必要になる。本発明は、MEASUREMENT CONFIGURATIONによって移動端末装置10にDISCOVERY SIGNALを受信するための設定をする。
【0031】
そのために、マクロ局30は、各ローカル局20に対して、スモールセル固有のDISCOVERY SIGNALを送信するための送信設定を行う。マクロ局30は、スモールセル毎に固有のDISCOVERY SIGNALを送信するための制御情報(以下、DS送信制御情報と呼ぶ)を生成する。DS送信制御情報は、DISCOVERY SIGNALの無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅、その他のDISCOVERY SIGNALに関する設定情報を含んで構成される。なお、DISCOVERY SIGNALの信号系列は、スモールセル毎に設定されており、この信号系列によってスモールセルが識別される。
【0032】
DISCOVERY SIGNALは、次のような特徴を持つ信号を用いることができる。
(a)LTE(Rel-8)で規定される同期信号(PSS:Primary Synchronization Signal、SSS:Secondary Synchronization Signal)を用いることができる。
(b)LTE(Rel-8)で規定される同期信号と同一の系列を用いて、時間/周波数方向に異なる位置で多重した信号を用いることができる。例えば、PSSとSSSを異なるスロットに多重した信号を用いることができる。
(c)スモールセルを選択するために新たに規定したDISCOVERY SIGNALを用いる。例えば、LTE(Rel-8)で規定される同期信号(PSS、SSS)に比較して、送信周期を長くする、送信単位当りの無線リソース量を大きくする、といった特徴を有する信号を用いる。
(d)LTE-A(Rel-10)で規定されている既存の参照信号(CSI-RS, CRS, DM-RS, PRS, SRS)を用いることができる。または、既存の参照信号の一部(例えば、1 port のCRSを5msec周期で送信するような信号)を用いてもよい。
【0033】
また、上記(a)から(d)の信号を任意に組み合わせてDISCOVERY SIGNALを生成してもよい。
【0034】
マクロ局30は、各ローカル局20に対して、DS送信制御情報をバックホールリンク経由で通知する(ステップS1)。具体的には、DS送信制御情報は、DISCOVERY SIGNALの無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅、その他のDISCOVERY SIGNALに関する設定情報を含んでいる。DISCOVERY SIGNALの信号系列は、スモールセル毎に設定されている。
【0035】
各ローカル局30は、バックホールリンクを介してマクロ局30からDS送信制御情報を受信する(ステップS1)。各ローカル局30は、受信したDS送信制御情報に含まれたDISCOVERY SIGNALの無線リソース、DISCOVERY SIGNALの信号系列、キャリア周波数、帯域幅、その他の設定情報に基づいて、DISCOVERY SIGNALを送信するためのパラメータを該当機能要素に設定する。なお、マクロ局30からDS送信制御情報が送られないで、予めローカル局30に対してDISCOVERY SIGNAL送信用の設定が行われていても良い。
【0036】
各ローカル局30は、DS送信制御情報に基づいて、無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅等を制御して、スモールセル固有のDISCOVERY SIGNALを送信する(ステップS2)。
【0037】
次に、MEASUREMENT CONFIGURATIONによって、移動端末装置10に対してDISCOVERY SIGNALを受信するための設定(MEASUREMENTレポートに関する設定を含む)を行う(ステップS3)。そのため、移動端末装置10に対して、DISCOVERY SIGNALを受信するための制御情報(以下、DS受信制御情報という)がネットワーク側から通知される。移動端末装置10に対してDS受信制御情報を通知する方法として、
図3A、
図3B及び
図4に示す3通りの方法が適用可能である。
【0038】
図3Aに示す方法では、マクロ局30は、DS受信制御情報が含まれているMEASUREMENT CONFIGURATIONを、移動端末装置10に対して無線リンクを介して通知する(ステップS3)。DS受信制御信号は、例えばDISCOVERY SIGNALの無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅等、その他のDISCOVERY SIGNALに関する情報を含んで構成される。さらに、制御情報にはDISCOVERY SIGNALの受信信号電力などの測定結果で構成されるMEASUREMENTレポートの通知先の情報を含むことができる。
【0039】
移動端末装置10は、例えばアイドル状態であり、DS受信制御信号が含まれているMEASUREMENT CONFIGURATIONをマクロ局30から受信する。移動端末装置10は、DS受信制御信号に基づいて、DISCOVERY SIGNALを受信するための設定を行う。すなわち、移動端末装置10は、DISCOVERY SIGNALの無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅等の設定情報を取得することによって、この設定情報に基づいてDISCOVERY SIGNALをローカル局20から受信できる状態になる。
【0040】
ここで、移動端末装置10は、全てのローカル局20についてMEASUREMENTレポートを作成してもよいし、一部のローカル局20についてMEASUREMENTレポートを作成してもよい。例えば、DISCOVERY SIGNALを測定するローカル局数を制限する場合、MEASUREMENT CONFIGURATIONにローカル局数を制限するための制限情報を含んでもよい。ローカル局数を制限する制限情報は、DISCOVERY SIGNALについてMEASUREMENTを行う1つ以上のローカル局情報(ローカル局ID、DISCOVERY SIGNAL情報(無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅等))で構成されてもよい。
【0041】
仮にローカル局数を制限しなければ1000個のローカル局の全てについてDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTを実施するケースを想定する。マクロ局30は、例えば移動端末装置10の地理的位置を基準位置として、この基準位置と地理的に近接している所定数(例えば50)のローカル局を選択し、選択した50個のローカル局についてのローカル局情報を制限情報としてMEASUREMENT CONFIGURATIONの制御情報に含める。
【0042】
又は、マクロ局30は、1度に通知するローカル局数を固定数として、固定数(例えば50)のローカル局を選択し、選択した50個のローカル局についてローカル局情報を制限情報としてDS受信制御信号に含める。マクロ局30は、選択するローカル局数は維持したまま、選択対象となるローカル局をずらして次の50個のローカル局を選択し、選択した50個のローカル局についてローカル局情報としてDS受信制御信号に含める。すべてのローカル局の選択が完了するまで、固定数でのローカル局の選択を繰り返す。
【0043】
移動端末装置10は、DISCOVERY SIGNALを測定すべきローカル局の局数を制限する制限情報を含んだMEASUREMENT CONFIGURATIONを受信する。移動端末装置10は、制限情報に基づいて、制限されたローカル局から送信されるDISCOVERY SIGNALを受信及び測定する準備ができる。
【0044】
または、マクロ局30は、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTを行わないローカル局(1または複数)を特定したローカル局情報(例えば、ローカル局の識別番号で構成される)を、制限情報としてとしてMEASUREMENT CONFIGURATIONに含めることができる。すなわち、すべてのローカル局に対応したDISCOVERY SIGNALの無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅等を含んで構成される制御情報の他に、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTを行わないローカル局(1または複数)をローカル局情報として通知する。
【0045】
移動端末装置10は、MEASUREMENT CONFIGURATIONにて通知された制限情報に特定されたローカル局について、DISCOVERY SIGNALを受信し及び測定する対象から除外し、残りのローカル局についてDISCOVERY SIGNALを受信してMEASUREMENTを行う。
【0046】
ここで、MEASUREMENT CONFIGURATIONに含まれるパラメータについて説明する。MEASUREMENT CONFIGURATIONには、複数のパラメータ、例えば”measurement objects”, “reporting configurations”, “measurement identities”, “quantity configurations”, “measurement gaps”を含むことができる。”measurement objects”は、移動端末装置10がMEASUREMENTレポートのために測定すべき対象(キャリア及びキャリアセット)である。“reporting configurations”は、移動端末装置10がMEASUREMENTレポートを送信するトリガとなる基準及びレポート形式からなるレポート情報のリストである。“measurement identities”は、個々のmeasurement objectsと紐づけられた識別番号のリストである。“quantity configurations”は、測定量を規定する。“measurement gaps”は、移動端末装置10における測定間隔である。MEASUREMENT CONFIGURATIONの詳細は3GPP TS 36.331, 5.5.2に規定されている。
【0047】
本発明に適用可能なMEASUREMENT CONFIGURATIONは、既存のパラメータの他に、スモールセル固有のDS受信制御信号を追加的に規定してもよい。及び又は、既存のパラメータの一部をDS受信制御信号として再利用してもよい。
【0048】
図3Bに示す方法では、移動端末装置10はMEASUREMENT CONFIGURATIONが、ローカル局20から通知される。マクロ局30がDS受信制御信号を生成する場合、当該制御情報を含んだMEASUREMENT CONFIGURATIONがマクロ局30からローカル局20を経由して移動端末装置10へ通知される。
【0049】
なお、移動端末装置10が、当該移動端末装置10との接続が確立していないローカル局20からMEASUREMENT CONFIGURATIONを受信するためには、マクロ局30とローカル局20とが同期していて、移動端末装置10がマクロ局30と同期確立している必要がある。
【0050】
図3Bに示す方法では、マクロ局30は、DS受信制御信号が含まれているMEASUREMENT CONFIGURATIONをローカル局20へバックホールリンクを介して通知する(ステップS3−1)。ローカル局20は、MEASUREMENT CONFIGURATIONを移動端末装置10に対して無線リンクを介して通知する(ステップS3−2)。
【0051】
図4に示す方法では、DS受信制御信号の一部分をマクロ局30から移動端末装置10に通知し、制御情報の他の部分をローカル局から移動端末装置10に通知する。
【0052】
マクロ局30は、DS受信制御信号の一部を、MEASUREMENT CONFIGURATIONを用いて、移動端末装置10に通知する(ステップS3−13)。マクロ局30は、DS受信制御信号の他の部分を、MEASUREMENT CONFIGURATIONを用いて、ローカル局20へ通知する(ステップS3−11)。ローカル局20は、当該制御情報の他の一部をMEASUREMENT CONFIGURATIONを用いて、移動端末装置10に通知する(ステップS3−12)。上記した通り、DS受信制御信号は、DISCOVERY SIGNALの無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅等のローカル局20からDISCOVERY SIGNALを受信するための情報と、DISCOVERY SIGNALを測定する(又は測定しない)ローカル局に関するローカル局情報(例えば、ローカル局ID、DISCOVERY SIGNAL情報)と、含んで構成される。そこで、DS受信制御信号のうち、ローカル局20からDISCOVERY SIGNALを受信するための情報は、マクロ局30から直接に移動端末装置10に通知し(ステップS3−13)、またローカル局情報(例えば、ローカル局ID、DISCOVERY SIGNAL情報)は、ローカル局20から移動端末装置10に通知する(ステップS3−12)。これにより、DS受信制御信号を効率的に送信できる。
【0053】
なお、
図4に示す例は、ステップS3−11においてローカル局20がマクロ局30からローカル局情報を含んだMEASUREMENT CONFIGURATIONを受け取っていたが、ローカル局20が、マクロ局30からの指示を受けずに、自ら判断してローカル局情報を含んだMEASUREMENT CONFIGURATIONを移動端末装置10に通知するように構成してもよい。
【0054】
次に、本発明の第2の側面について詳細に説明する。
移動端末装置10は、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートを指定された通知先に通知する。
【0055】
図5A,Bを参照して、移動端末装置10におけるDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートの通知方法、及びCSI情報をフィードバックするためのローカル局情報の通知方法について説明する。
【0056】
図5Aに示す通知方法では、移動端末装置10は、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートをマクロ局30へ通知する(ステップS4)。なお、移動端末装置10からローカル局20に対してMEASUREMENTレポートが通知された場合、そのMEASUREMENTレポートはローカル局20からマクロ局30へ転送される。
【0057】
ここで、移動端末装置10におけるDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTは、受信信号電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)、受信信号対干渉および雑音電力比(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)を対象とする。RSRP、RSRQ又はRSSIのMEASUREMENTは、主にローカル局(スモールセル)の選択のために行われる。また、CQI、PMI、RIのMEASUREMENTは主にデータチャネル又は制御チャネル送信するローカル局を決定するために行われる。
【0058】
移動端末装置10は、アイドル状態において、MEASUREMENT CONFIGURATIONによって通知された制御情報に従って、各ローカル局20からDISCOVERY SIGNALを受信する。移動端末装置10は、各ローカル局20から受信したDISCOVERY SIGNALについてRSRP、RSRQ又はRSSIのMEASUREMENTを行う。RSRP、RSRQ及びRSSIの全てをMEASUREMENTの対象としてもよいし、一部を対象としてもよい。
【0059】
上記した通り、移動端末装置10は、MEASUREMENT CONFIGURATIONによって、DISCOVERY SIGNALを送信しているローカル局20のローカル局情報及びDISCOVERY SIGNALの無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅等を取得している。移動端末装置10は、ローカル局毎に、スモールセル固有のDISCOVERY SIGNALの無線リソース、信号系列、キャリア周波数、帯域幅等に基づいて、DISCOVERY SIGNALのRSRP(及び又は、RSRQ,RSSI)をMEASUREMENTする。測定対象として通知されている全てのローカル局についてスモールセル固有のDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTを行う。移動端末装置10は、MEASUREMENT CONFIGURATIONに含まれたパラメータ“measurement gaps”で指定された周期でRSRP等を測定することができる。なお、DISCOVERY SIGNALの測定対象から除外するローカル局が記述された制限情報がMEASUREMENT CONFIGURATIONによって通知された場合は、それら除外対象のローカル局から送信されたDISCOVERY SIGNALは測定しない。又は除外対象のローカル局についてDISCOVERY SIGNALのRSRP等は測定するが、MEASUREMENTレポートには含めない。
【0060】
移動端末装置10は、MEASUREMENT CONFIGURATIONに含まれたパラメータ“reporting configurations”に基づいてMEASUREMENTレポートを作成することができる。MEASUREMENTレポートには、スモールセル(ローカル局)毎に測定された各RSRP等と、パラメータ“measurement identities”に対応した識別子とが対応して設定される。MEASUREMENTレポートのレポート形式はパラメータ“reporting configurations”に従うことができる。
【0061】
移動端末装置10は、全てのローカル局20のDISCOVERY SIGNALについてMEASUREMENTレポートを作成する。この場合、全てのローカル局のDISCOVERY SIGNALのRSRP等をMEASUREMENTし、測定結果をMEASUREMENTレポートに記述する。
【0062】
また、移動端末装置10は、全てのローカル局のDISCOVERY SIGNALのRSRP等をMEASUREMENTし、測定結果が良好な上位N個のローカル局についてだけMEASUREMENTレポートを作成してもよい。これにより、全てのローカル局についてMEASUREMENTレポートを送信する場合に比べて、上りリンクの送信データ量を削減できる。
【0063】
また、移動端末装置10は、MEASUREMENT CONFIGURATION(測定対象のローカル局を制限する制限情報を含む)によって予め通知されたローカル局についてだけ、ローカル局のDISCOVERY SIGNALのRSRP等をMEASUREMENTし、MEASUREMENTレポートを作成してもよい。これにより、移動端末装置10においてDISCOVERY SIGNALを測定する回数を削減でき、移動端末装置10の負荷を軽減することができる。
【0064】
次に、マクロ局30はMEASUREMENTレポートに基づいて、CSI情報フィードバックを要求するローカル局(スモールセル)を選択する。そのため、マクロ局30は、移動端末装置10が上りリンクで送信する、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートを受信する(ステップS4)。マクロ局30は、通知された各ローカル局20のDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートから、移動端末装置10においてCQI,PMI,RIのMEASUREMENTを行うべきローカル局を絞り込む。例えば、DISCOVERY SIGNALのRSRP等が良好な上位M個のローカル局を選択する(スモールセル候補選択と呼ぶこともできる)。
【0065】
次に、マクロ局30は、選択したM個のローカル局についてのCSI情報(CQI,PMI,RI)をマクロ局30にフィードバックするように、移動端末装置10にRRC CONNECTION RECONFIGURATIONによってローカル局情報を通知する。
【0066】
ここで、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONについて説明する。
LTEシステムでは、移動端末装置が複数のセル(基地局)についてのMEASUREMENTレポートを基地局に通知する。MEASUREMENTレポートによって移動端末装置との間でRRCコネクションが張られるセルが変わる。基地局は、MEASUREMENTレポートに基づいて移動端末装置と各セルとの間で張られるRRCコネクションの構成を再構成する。3GPPでは、RRCコネクションの再構成のためにRRC CONNECTION RECONFIGURATIONが規定されている。
【0067】
この処理手順においては、まず、移動端末装置10がマクロ局30に対して、RACH PREAMBLEを送信する。マクロ局30は、RACH PREAMBLEを受信したときに、移動端末装置10に対して、RACH RESPONSEを送信する。次いで、移動端末装置10は、マクロ局30に対して、RRC CONNECTION REQUEST(Message 3)を送信する。マクロ局30は、RRC CONNECTION REQUEST(Message 3)を受信したときに、移動端末装置10に対して、RRC CONNECTION SETUP(Message 4)を送信する。
【0068】
移動端末装置10は、RRC CONNECTION SETUP(Message 4)を受信すると、マクロ局30に対して、RRC CONNECTION SETUP COMPLETEを送信する。マクロ局30は、RRC CONNECTION SETUP COMPLETEを受信すると、上位局装置である移動管理ノードMMEに対して、INITIAL UE MESSAGEを送信する。これにより、移動端末装置10と移動管理ノードMMEとの間で、AuthenticationやNAS security procedureが行われる。その後、移動管理ノードMMEは、マクロ局30に対して、INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTを送信する。
【0069】
なお、INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTにUE CAPABILITYが含まれていない場合、マクロ局30は、移動端末装置10に対して、UE CAPABILITY ENQUIRYを送信する。移動端末装置10は、UE CAPABILITY ENQUIRYを受信したとき、マクロ局30に対して、UE CAPABILITY INFORMATIONを送信する。そして、マクロ局30は、移動管理ノードMMEに対して、UE CAPABILITY INFO INDICATIONを送信する。
【0070】
次いで、マクロ局30は、移動端末装置10に対して、SECURITY MODE COMMANDを送信する。その後、マクロ局30は、移動端末装置10に対して、LTE-Aで規定される情報をパラメータに含むRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを送信する。移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONを受信したときに、マクロ局30に対して、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETEを送信する。マクロ局30は、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETEを受信した後、LTE−Aシステムで規定された情報(パラメータ)のCONFIGURATIONを認識できたと判断できるまでのAMBIGUITY PERIODが経過した後、そのCONFIGURATIONを適用する。
【0071】
図5Aに示すように、マクロ局30は、LTE−Aシステムで規定されたパラメータと、移動端末装置10がCSI情報をフィードバックするためのローカル局情報とを含んだ制御情報を、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONによって移動端末装置10に個別に通知する(ステップS5)。ローカル局情報には、ローカル局ID、ローカル局が送信するDISCOVERY SIGNALの信号系列情報などが含まれる。RRC CONNECTION RECONFIGURATIONにはさらにC−PLANE及び又はU-PLANEを通知するための情報が含まれてもよい。
【0072】
RRC CONNECTION RECONFIGURATIONには、LTEシステム/LTE−Aシステムで規定されている、次のパラメータが含まれる。
(1)ePDCCHに関する下り制御チャネル情報
(2)セル固有参照信号に関するセル固有参照信号情報
(3)下り参照信号の初期擬似ランダム系列に関する系列情報
(4)上りDM−RS(Demodulation-Reference Signal)に関する上り参照信号情報
(5)移動端末装置におけるチャネル品質測定に用いる干渉推定用の無線リソースに関する無線リソース情報
(6)CSI情報をフィードバックすべき宛先となる基地局(マクロ局又はローカル局)
【0073】
上記(5)の無線リソース情報は、移動端末装置10におけるチャネル品質(CQI)測定に用いる無線リソースに関する情報である。CQIは、マクロ局30から送信されたCSI−RSを用いて移動端末装置10で測定される。CSI−RSとしては、ノンゼロパワーCSI−RSとゼロパワーCSI−RSとが定義されている。ノンゼロパワーCSI−RSは、CSI−RSが割り当てられるリソースに送信パワーを分配し、ゼロパワーCSI−RSは、割り当てられるリソースに送信パワーが分配されない(CSI−RSがミュートされた)。
【0074】
CSI−RSによってCQIを算出する場合、干渉測定の精度が重要である。ユーザ個別の参照信号であるCSI−RSを用いれば、複数の送信ポイントからのCSI−RSを移動端末装置10において分離できるので、CSI−RSベースの干渉測定は有望である。
【0075】
このため、マクロ局30は、移動端末装置におけるチャネル品質(CQI)測定に用いる干渉推定用の無線リソースに関する情報を、無線リソース情報(パラメータ)として移動端末装置10に通知する。
【0076】
その後、
図5Aに示すように、移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONを受信したときに、マクロ局30に対して、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETEを送信する(ステップS6)。そして、移動端末装置10は、上述した選択したM個のローカル局から送信される下り参照信号からCQIを測定するための情報(上記(5)のパラメータ)を設定する。また、マクロ局30は、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETEを受信した後、すなわち、上述したLTE−Aシステムで規定された技術に関する情報(パラメータ)のconfigurationを認識できたと判断できるまでのAMBIGUITY PERIODが経過した後、そのconfigurationを適用する。
【0077】
このように、マクロ局30がRRC CONNECTION RECONFIGURATIONによってMEASUREMENTレポートに基づいて選択したM個のローカル局情報を移動端末装置10に通知するので、移動端末装置10が選択されたローカル局との間のCSI情報の測定準備を行うことができる。
【0078】
図5Bに示す通知方法では、移動端末装置10は、DISCOVERY SIGNALのRSRP等の測定結果を、MEASUREMENTレポートによってマクロ局30又はローカル局20へ通知する(ステップS4、S4−1)。なお、移動端末装置10からローカル局20に対してMEASUREMENTレポートが通知された場合、ローカル局20からマクロ局30に対してMEASUREMENTレポートが転送される。
【0079】
マクロ局30は、CSI情報のフィードバックを行うM個のローカル局をMEASUREMENTレポートに基づいて選択する。CSI情報のフィードバックを行うローカル局情報が含まれたRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを、該当するM個のローカル局20へ通知する(ステップS5−1)。各ローカル局20は、マクロ局30から通知されたRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを移動端末装置10に個別に通知する(ステップS5−2)。
【0080】
なお、ローカル局20は、上記ステップS4−1においてMEASUREMENTレポートを受信して、自己の判断でCSI情報のフィードバックを行うローカル局となるか否かを判断してもよい。CSI情報のフィードバックを行うローカル局になる判断した場合、自己のローカル局情報を含んだRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを移動端末装置10に個別に通知する(ステップS5−2)。
【0081】
移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONに含まれたCSI情報のフィードバックを行うローカル局情報を取得する。そして、移動端末装置10は、上述した選択したM個のローカル局から送信される下り参照信号からCQIを測定するための情報(上記(5)のパラメータ)を設定する。
【0082】
移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONを受信したときに、ローカル局20に対して、RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETEを送信する(ステップS6−1)。ローカル局20は、移動端末装置10から受信したRRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETEをマクロ局30へ送信する(ステップS6−2)。
【0083】
次に、本発明の第3の側面について詳細に説明する。
図6A,Bは、CSI情報に基づいてデータチャネル(制御チャネル)送信を行うローカル局の決定し、移動端末装置10に通知する方法を示している。
【0084】
移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONにより通知されたローカル局についてCSI情報を取得する。そのため、移動端末装置10は、ローカル局20の各送信アンテナから送信される信号に含まれている下り参照信号に基づいてチャネル推定を実施し、チャネル推定値を算出する。この際、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONにより別途通知された制御情報に基づき、チャネル品質測定用の参照信号の位置を特定する。具体的には、CSI−RS配置情報を取得し、CSI−RSが割り当てられる送信サブフレーム及びリソースブロックを特定する。そして、特定されたサブフレーム及びリソースブロックのサブキャリアに参照信号が配置されているものとしてチャネル推定処理を行う。次に、チャネル推定値を用いて、チャネル品質(受信品質)としてCQIを算出する。そして、既定のコードブックから現在のチャネル状況に即したプリコーディングマトリクスを選択するPMI、希望する送信ストリーム数に対応したRIなどを決定する。
【0085】
図6Aに示す通知方法は、マクロ基地局30が移動端末装置10から通知されるCSI情報に基づいてデータチャネル(制御チャネル)送信を行うローカル局を決定する。移動端末装置10は、
図5A、Bに示すステップS5、S5−2で受信したRRC CONNECTION RECONFIGURATIONによりCSI情報の通知先としてマクロ基地局30が指定される。移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONにより通知されたローカル局についてCSI情報を取得した後、取得したCSI情報をマクロ基地局30へ通知する(ステップS7)。
【0086】
このとき、移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONにより通知された全てのローカル局のCSI情報をマクロ基地局30へフィードバックするようにしても良いが、通知されたローカル局20のうち受信品質の高い上位L個のローカル局20についてだけCSI情報をマクロ基地局30へフィードバックするようにしてもよい。
【0087】
マクロ局30は、移動端末装置10から各ローカル局20のCSI情報を受け取る(ステップS7)。マクロ基地局30は、フィードバックされたCSI情報に基づき、移動端末装置10に対してデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するローカル局を決定する。マクロ基地局30は、決定したローカル局20に対して、移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するように指示するためのローカル局情報を通知する(ステップS8)。
【0088】
ローカル局20は、マクロ局30からデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するように指示するローカル局情報を受信する。ローカル局情報には、移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するために必要な制御情報が含まれている。ローカル局20は、受信したローカル局情報に指定された移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)の送信を開始する(ステップS9)。
【0089】
なお、上記説明では、移動端末装置10はRRC CONNECTION RECONFIGURATIONにより通知されたローカル局のCSI情報をフィードバックしていて、受信品質に基づくローカル局の順位付けはマクロ局30が行っている。しかし、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、移動端末装置10においてRRC CONNECTION RECONFIGURATIONにより通知された全てのローカル局のCSI情報について順位付けし、CSIの順位情報とローカル局IDとが紐づけられたCSI順位情報をマクロ局30へ通知するように構成しても良い。これにより、マクロ局30におけるローカル局選択のための負荷が軽減される。
【0090】
以上のように、移動端末装置10からマクロ基地局へフィードバックされる各ローカル局20のCSI情報に基づいて、移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するのに適切なローカル局20を選択し、選択されたローカル局20と移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)の送信を開始できる。
【0091】
また、
図6Bに示す通知方法は、移動端末装置10からCSI情報をローカル基地局20へフィードバックする例である。移動端末装置10は、
図5A、Bに示すステップS5、S5−2で受信したRRC CONNECTION RECONFIGURATIONによりCSI情報の通知先としてローカル局20が指定される。移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONにより通知されたローカル局についてCSI情報を取得した後、取得したCSI情報を各ローカル局20へ通知する(ステップS7−1)。例えば、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONによりM個のローカル局20についてのCSI情報が要求されていて、CSI情報の通知先として同じM個のローカル局20が指定されている場合を想定する。移動端末装置10は、指定されたM個のローカル局20との間でCQIを測定するとともにPMI、RIを決定して、M個のローカル局20についてのCSI情報を取得する。CSI情報の通知先としてローカル局20が指定されていれば、ローカル局20に対してCSI情報をフィードバックする(ステップS7−1)。
【0092】
ここで、ローカル局20に対するCSI情報のフィードバック方法として、いくつかの方法を提案する。移動端末装置10とローカル局20との間で1対1のCSIフィードバックを適用できる。この場合、移動端末装置10は、CSI情報を取得したローカル局20に対してだけ当該CSI情報をフィードバックする。また、移動端末装置10とローカル局20との間で1対M(M個のローカル局のCSI情報)のCSIフィードバックを適用できる。この場合、移動端末装置10は、指定された各ローカル局20に対して、M個のローカル局20のCSI情報を通知する。
【0093】
移動端末装置10からCSI情報を受信したM個のローカル局20は、CSI情報をマクロ局30へ転送する(ステップS7−2)。マクロ局30は、M個のローカル局20から転送されるCSI情報に基づいて、M個のローカル局20の中から移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するのに適したローカル局20を選択する。マクロ基地局30は、決定したローカル局20に対して、移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するように指示するためのローカル局情報を通知する(ステップS8)。
【0094】
ローカル局20は、マクロ局30からデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するように指示するローカル局情報を受信し、受信したローカル局情報に指定された移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)の送信を開始する(ステップS9)。
【0095】
なお、上記説明では、ローカル局20はCSI情報をマクロ局30へ転送して、マクロ局30がデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)送信するローカル局20を決定していたが、ローカル局20が自ら判断するようにしても良い。この場合、各ローカル局20が他のローカル局のCSI情報を取得する必要がある。移動端末装置10は、あるローカル局20との間で、他のローカル局20との間で取得したCSI情報までもフィードバックしなければならない。あるローカル局20が、移動端末装置10から他のローカル局20のCSI情報の取得に失敗したときには、正しいローカル局20が選択されないかもしれない。
【0096】
そこで、移動端末装置10は、CSI情報がフィードバックされるローカル局20に対して、全てのローカル局の中での受信品質の順位情報を通知する。移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONにより通知された全てのローカル局のCSI情報を把握し、各ローカル局の受信品質が何番目であるかを示す順位情報を各ローカル局に伝える。
【0097】
ローカル局20が、移動端末装置10にデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するか否かをCSI情報に基づいて自ら判断する場合、自局の順位情報が1番であれば自局をデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するローカル局として決定する。各ローカル局20の品質順位を個別に該当ローカル局20へ通知しても良いし、他のローカリ局の品質順位を含んだ品質順位リストを全てのローカル局20へ通知しても良い。
【0098】
ローカル局20は、自局の品質順位が1番であれば、移動端末装置10に対してデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信する(ステップS10)。
【0099】
図7A,Bを参照して、MEASUREMENTレポートに基づいてデータチャネル(制御チャネル)送信を行うローカル局の決定方法について説明する。
【0100】
図7Aは、マクロ局30がMEASUREMENTレポートに基づいてデータチャネル(制御チャネル)送信を行うローカル局を決定する場合のシーケンスを示している。以上の説明では、マクロ局30(又はローカル局20)はCSI情報に基づいて、データチャネル(制御チャネル)送信を行うローカル局を決定していたが、簡易的にMEASUREMENTレポートを受けてローカル局20を決定しても良い。
【0101】
マクロ局30は、DS受信制御信号が含まれているMEASUREMENT CONFIGURATIONを、移動端末装置10に対して無線リンクを介して通知する(
図3AのステップS3)。または、ローカル局20は、DS受信制御信号が含まれているMEASUREMENT CONFIGURATIONを、移動端末装置10に対して無線リンクを介して通知する(
図3BのステップS3−2、
図4のステップS3−12)。
【0102】
移動端末装置10は、アイドル状態において、各ローカル局20からDISCOVERY SIGNALを受信すると、各DISCOVERY SIGNALについてRSRP、RSRQ又はRSSIのMEASUREMENTを行い、MEASUREMENTレポートをマクロ局30へ通知する(ステップS4)。
【0103】
マクロ局30は、移動端末装置10から各ローカル局20のMEASUREMENTレポートを受け取る(ステップS4)。マクロ基地局30は、通知されたMEASUREMENTレポートに基づき、移動端末装置10に対してデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するローカル局を決定する。マクロ基地局30は、決定したローカル局20に対して、移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するように指示するためのローカル局情報を通知する(ステップS8)。
【0104】
ローカル局20は、マクロ局30からデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するように指示するローカル局情報を受信し(ステップS8)、受信したローカル局情報に指定された移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)の送信を開始する(ステップS9)。
【0105】
図7Bは、ローカル局20からマクロ局30へMEASUREMENTレポートを転送して、データチャネル(制御チャネル)送信を行うローカル局を決定する例である。移動端末装置10は、アイドル状態において、各ローカル局20からDISCOVERY SIGNALを受信すると、各DISCOVERY SIGNALについてRSRP、RSRQ又はRSSIのMEASUREMENTを行い、MEASUREMENTレポートを、ローカル局20へ通知する(ステップS4−1)。MEASUREMENTレポートの通知先はMEASUREMENT CONFIGURATIONによって移動端末装置10に伝えられる。
【0106】
ローカル局20は、移動端末装置10からMEASUREMENTレポートを受け取り(ステップS4−1)、そのMEASUREMENTレポートをマクロ局30へ転送する(ステップS4−2)。
【0107】
マクロ局30は、ローカル局20から各ローカル局20のMEASUREMENTレポートを受け取る(ステップS4−2)。マクロ基地局30は、通知されたMEASUREMENTレポートに基づき、移動端末装置10に対してデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するローカル局を決定する。マクロ基地局30は、決定したローカル局20に対して、移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するように指示するためのローカル局情報を通知する(ステップS8)。
【0108】
なお、MEASUREMENTレポートを受け取ったローカル局20が、移動端末装置10にデータチャネル、制御チャネル(ePDCCH)を送信するか否かをMEASUREMENTレポートに基づいて自ら判断しても良い。
【0109】
ここで、本実施の形態に係る無線通信システムについて詳細に説明する。
図8は、本実施の形態に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。なお、
図8に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域を1単位とする複数の基本周波数ブロックを一体としたキャリアアグリゲーションに対応している。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、FRA(Future Radio Access)と呼ばれても良い。
【0110】
図8に示すように、無線通信システム1は、マクロセルC1をカバーするマクロ局30と、マクロセルC1内に設けた複数のスモールセルC2をカバーする複数のローカル局20とを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、多数の移動端末装置10が配置されている。移動端末装置10は、マクロセル用及びスモールセル用の無線通信方式に対応しており、マクロ局30及びローカル局20と無線通信可能に構成されている。
【0111】
移動端末装置10とマクロ局30との間は、マクロセル用周波数(例えば、低周波数帯)を用いて通信される。移動端末装置10とローカル局20との間は、スモールセル用周波数(例えば、高周波数帯)を用いて通信される。また、マクロ局30及び各ローカル局20は、有線接続又は無線接続されている。
【0112】
マクロ局30及び各ローカル局20は、それぞれ図示しない上位局装置に接続され、上位局装置を介してコアネットワーク50に接続される。なお、上位局装置には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、ローカル局20は、マクロ局30を介して上位局装置に接続されてもよい。
【0113】
なお、各移動端末装置10は、LTE端末及びLTE−A端末を含むが、以下においては、特段の断りがない限り移動端末装置として説明を進める。また、説明の便宜上、マクロ局30及びローカル局20と無線通信するのは移動端末装置であるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置(UE:User Equipment)でよい。また、ローカル局20及びマクロ局30は、マクロセル用及びスモールセル用の送信ポイントと呼ばれてもよい。なお、ローカル局20は、光張り出し基地局装置であってもよい。
【0114】
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0115】
ここで、LTEシステムにおける通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、各移動端末装置10で共有されるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とを有する。PDSCHにより、ユーザデータ及び上位制御情報が伝送される。PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。
【0116】
上りリンクの通信チャネルは、各移動端末装置10で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、ユーザデータや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、ACK/NACK等が伝送される。
【0117】
図9を参照して、移動端末装置10の全体構成について説明する。移動端末装置10は、送信系の処理部として、フォーマット選択部101、上り信号生成部102、上り信号多重部103、ベースバンド送信信号処理部104、105、送信RF回路106、107を備えている。
【0118】
フォーマット選択部101は、マクロセル用の送信フォーマットとスモールセル用の送信フォーマットを選択する。上り信号生成部102は、上りデータ信号及び参照信号を生成する。上り信号生成部102は、マクロセル用の送信フォーマットの場合、マクロ局30に対する上りデータ信号及び参照信号を生成する。また、上り信号生成部102は、スモールセル用の送信フォーマットの場合、ローカル局20に対する上りデータ信号及び参照信号を生成する。
【0119】
上り信号多重部103は、上りリンク信号として上り送信データと、上り参照信号とを多重する。また、上り信号多重部103は、上りリンク信号としてDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポート、特定のローカル局について取得したCSI情報を多重する。DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポート、特定のローカル局について取得したCSI情報の通知先がマクロ局30の場合は、これらの上りリンク信号はベースバンド送信信号処理部104に入力される。マクロ局30に対する上り信号は、ベースバンド送信信号処理部104に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の上り信号の場合には、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号から時系列の信号に変換され、サイクリックプレフィックスが挿入される。そして、上り信号は、送信RF回路106を通り、送信系と受信系との間に設けたデュプレクサ108を介してマクロセル用の送受信アンテナ110から送信される。マクロセル用の送受信系では、デュプレクサ108によって同時送受信が可能となっている。
【0120】
DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポート、特定のローカル局について取得したCSI情報の通知先がローカル局20の場合は、これらの上りリンク信号はベースバンド送信信号処理部105に入力される。ローカル局20に対する上り信号は、ベースバンド送信信号処理部105に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の上り信号の場合には、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号から時系列の信号に変換され、サイクリックプレフィックスが挿入される。そして、上り信号は、送信RF回路107を通り、送信系と受信系との間に設けた切替スイッチ109を介してマクロセル用の送受信アンテナ111から送信される。スモールセル用の送受信系では、切替スイッチ109によって送受信が切替られている。
【0121】
なお、本実施の形態では、マクロセル用の送受信系にデュプレクサ108を設け、スモールセル用の送受信系に切替スイッチ109を設ける構成としたが、この構成に限定されない。マクロセル用の送受信系に切替スイッチ109を設けてもよいし、スモールセル用の送受信系にデュプレクサ108を設けてもよい。また、マクロセル用及びスモールセル用の上り信号は、送受信アンテナ110、111から同時に送信されてもよいし、送受信アンテナ110、111を切り替えて別々に送信されてもよい。
【0122】
また、移動端末装置10は、受信系の処理部として、受信RF回路112、113、ベースバンド受信信号処理部114、115、制御情報受信部116、DISCOVERY SIGNAL受信部117、DISCOVERY SIGNAL測定部118、下り信号測定・復調・復号部119、120を備えている。
【0123】
マクロ局30からの下り信号は、マクロセル用の送受信アンテナ110で受信される。この下り信号は、デュプレクサ108及び受信RF回路112を介してベースバンド受信信号処理部114に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の下り信号の場合には、サイクリックプレフィックスが除去され、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)により時間系列の信号から周波数領域の信号に変換される。
【0124】
制御情報受信部116は、マクロセルの下り信号から各種の制御情報を受信する。ここでは、DS受信制御信号(MEASUREMENTレポート用の制御情報を含むMEASUREMENT CONFIGURATION)、CSI情報をフィードバックするためのローカル局情報を含んだ制御情報(RRC CONNECTION RECONFIGURATION)、ePDCCH受信用の制御情報、が受信される。制御情報受信部116は、DS受信制御情報をDISCOVERY SIGNAL受信部117に出力し、MEASUREMENTレポート用の制御情報をDISCOVERY SIGNAL測定部118に出力し、ePDCCH受信用の制御情報を下り信号測定・復調・復号部120に出力する。また、CSI情報をフィードバックするためのローカル局情報を含んだ制御情報を下り信号測定・復調・復号部120に出力する。なお、これらの制御情報は、例えば、報知情報やRRCシグナリング(ハイヤレイヤシグナリング)によって受信される。マクロセルの下りデータ信号は、下り信号測定・復調・復号部119に入力され、下り信号測定・復調・復号部119において復号(デスクランブル)及び復調される。
【0125】
ローカル局20からの下り信号は、スモールセル用の送受信アンテナ111で受信される。この下り信号は、切替スイッチ109及び受信RF回路113介してベースバンド受信信号処理部115に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の下り信号の場合には、サイクリックプレフィックスが除去され、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)により時間系列の信号から周波数領域の信号に変換される。
【0126】
DISCOVERY SIGNAL受信部117は、制御情報受信部116から入力されたDS受信制御情報に基づいて、ローカル局20からのDISCOVERY SIGNALを受信する。DS受信制御情報には、各ローカル局20からDISCOVERY SIGNALを受信するための無線リソース情報や信号系列情報等が含まれている。無線リソース情報には、例えば、DISCOVERY SIGNALの送信間隔、周波数位置、符号(コード)等が含まれる。
【0127】
DISCOVERY SIGNAL測定部118は、各ローカル局20のDISCOVERY SIGNALについてMEASUREMENTを行う。MEASUREMENTの対象はMEASUREMENTレポート用の制御情報にしたがう。RSRP、RSRQ、RSSIをMEASUREMENTの対象にすることができる。例えば、DISCOVERY SIGNAL測定部118は、DISCOVERY SIGNAL受信部117で受信されたDISCOVERY SIGNALの受信信号電力(RSRP)を周期的に測定する。DISCOVERY SIGNAL測定部118は、各ローカル局20からのDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートをマクロ局30に送信する。このとき、各ローカル局20からのDISCOVERY SIGNALのうち受信信号電力の高い上位数局(例えば、上位M局)をMEASUREMENTレポートとしてマクロ局30に送信しても良い。MEASUREMENTレポートは上り信号多重部103においてマクロセルの上り信号に多重される。また、MEASUREMENTレポートをローカル局20へ送信してもよい。この場合、DISCOVERY SIGNAL測定部118は、DISCOVERY SIGNALの信号系列に基づいて送信先のスモールセルを特定する。MEASUREMENTレポートは上り信号多重部103においてスモールセルの上り信号に多重される。
【0128】
スモールセルの下りデータ信号は、下り信号測定・復調・復号部120に入力され、下り信号測定・復調・復号部120において復号(デスクランブル)及び復調される。CSI情報をフィードバックするためのローカル局情報を含んだ制御情報がRRC CONNECTION RECONFIGURATIONによって移動端末装置10に通知されている場合、下り信号測定・復調・復号部120は、制御情報によって指定されたローカル局についてCSI情報を取得する。このとき取得されたCSI情報は
図6Aに示すようにマクロ局30へフィードバックされる。CSI情報をマクロ局30へフィードバックする場合、CSI情報は上り信号多重部103においてマクロセルの上り信号に多重される。また、
図6Bに示すようにローカル局20へCSI情報をフィードバックしても良い。この場合、CSI情報は上り信号多重部103においてスモールセルの上り信号に多重される。
【0129】
また、下り信号測定・復調・復号部120は、制御情報受信部116から入力されたePDCCH受信用の制御情報に基づいて、スモールセルの下り制御信号(ePDCCH)を復号(デスクランブル)及び復調する。ePDCCH受信用の制御情報には、ローカル局20からePDCCHで受信するための無線リソース情報やDM−RS系列情報等が含まれている。無線リソース情報には、例えば、ePDCCHの送信間隔、周波数位置、符号(コード)等が含まれる。
【0130】
また、マクロセル及びスモールセルの下り信号は、送受信アンテナ110、111から同時に受信されてもよいし、送受信アンテナ110、111を切り替えて別々に受信されてもよい。
【0131】
図10を参照して、マクロ局30の全体構成について説明する。マクロ局30は、送信系の処理部として、制御情報生成部201、下り信号生成部202、下り信号多重部203、ベースバンド送信信号処理部204、送信RF回路205を備えている。
【0132】
制御情報生成部201は、マクロセル制御情報として、DS送信制御情報、DS受信制御情報及びMEASUREMENTに関する情報(MEASUREMENT CONFIGURATION)、CSI情報をフィードバックするためのローカル局情報を含んだ制御情報(RRC CONNECTION RECONFIGURATION)、ePDCCH受信用の制御情報を生成する。制御情報生成部201は、DS送信制御情報を伝送路インターフェース211に出力し、DS受信制御情報、CSI情報をフィードバックするためのローカル局情報を含んだ制御情報、ePDCCH受信用の制御情報を下り信号多重部203に出力する。DS送信制御情報は、伝送路インターフェース211を介してローカル局20に送信される。一方、DS受信制御情報、CSI情報をフィードバックするためのローカル局情報を含んだ制御情報、ePDCCH受信用の制御情報は、下り信号多重部203を介して移動端末装置10に送信される。
【0133】
下り信号生成部202は、下りデータ信号及び下り参照信号を生成する。下り信号多重部203は、マクロセル制御情報と、マクロセルの下りリンク信号として下りデータ信号と、下り参照信号とを多重する。移動端末装置10に対するマクロセルの下りリンク信号は、ベースバンド送信信号処理部204に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の下り信号の場合には、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号から時系列の信号に変換され、サイクリックプレフィックスが挿入される。そして、下りリンク信号は、送信RF回路205を通り、送信系と受信系との間に設けたデュプレクサ206を介して送受信アンテナ207から送信される。
【0134】
また、マクロ局30は、受信系の処理部として、受信RF回路208、ベースバンド受信信号処理部209、上り信号復調・復号部210、測定結果受信部212、ローカル局決定部213、初期送信電力決定部214を備えている。
【0135】
移動端末装置10からの上りリンク信号は、送受信アンテナ207で受信され、デュプレクサ206及び受信RF回路208を介してベースバンド受信信号処理部209に入力される。ベースバンド受信信号処理部209では上り信号にデジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の上り信号の場合には、サイクリックプレフィックスが除去され、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)により時間系列の信号から周波数領域の信号に変換される。上りデータ信号は、上り信号復調・復号部210に入力され、上り信号復調・復号部210において復号(デスクランブル)及び復調される。上り信号復調・復号部210は、移動端末装置10がマクロセルの上りリンク信号として送信した、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポート、ローカル局についてのCSI情報を復号してローカル局決定部213へ出力する。
【0136】
測定結果受信部212は、ローカル局20から転送されたMEASUREMENTレポート、各ローカル局へフィードバックされたCSI情報を、伝送路インターフェース211を介して受信する。測定結果受信部212は、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポート及びユーザID、CSI情報をローカル局決定部213に出力する。なお、MEASUREMENTレポートをローカル局からマクロ局30へ転送しない場合、測定結果受信部212の機能は削除できる。
【0137】
ローカル局決定部213は、DISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートに示される各ローカル局20の受信信号電力などを指標にして、CSI情報をフィードバックするローカル局を選択する。すなわち、移動端末装置10においてCSI情報を取得する対象となるローカル局を選択する。また、ローカル局決定部213は、その後にフィードバックされたCSI情報に基づいて、移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル送信するローカル局20を決定する。CSI情報を取得する対象となるローカル局情報と、データチャネル(制御チャネル)送信するローカル局20として決定したローカル局に関するローカル局情報とは、制御情報生成部201へ出力される。ここで、ローカル局決定部213は、上位数局分の受信信号電力とユーザIDとに基づいて、CSI情報を取得する対象となるローカル局20を選択する。制御情報生成部201は、ローカル局情報を含んだRRC CONNECTION RECONFIGURATION情報を生成する。
【0138】
初期送信電力決定部214は、DISCOVERY SIGNALの測定結果(受信信号電力)に基づいて、ローカル局20に対する初期送信電力(ePDCCH/PDSCH)を決定する。初期送信電力決定部214は、伝送路インターフェース211を介して初期送信電力の指示情報を、移動端末装置10の接続先となるローカル局20に送信する。
【0139】
図11を参照して、ローカル局20の全体構成について説明する。なお、ローカル局20は、移動端末装置10の直近に配置されているものとする。ローカル局20は、初期送信電力設定部301及び制御情報受信部302を備えている。また、ローカル局20は、送信系の処理部として、下り信号生成部303、DISCOVERY SIGNAL生成部304、下り信号多重部305、ベースバンド送信信号処理部306、送信RF回路307を備えている。
【0140】
初期送信電力設定部301は、伝送路インターフェース314を介してマクロ局30から初期送信電力の指示情報を受信する。初期送信電力設定部301は、初期送信電力の指示情報に基づいて、下りデータ信号(PDSCH)、下り制御信号(ePDCCH)の初期送信電力を設定する。制御情報受信部302は、伝送路インターフェース314を介して、マクロ局30からマクロセル制御情報を受信する。ここでは、マクロセル制御情報として、DS送信制御情報が受信される。制御情報受信部302は、DS送信制御情報をDISCOVERY SIGNAL生成部304に出力する。また、ローカル局20がDS受信制御情報、MEASUREMENTレポート用の制御情報を含むMEASUREMENT CONFIGURATION、CSI情報をフィードバックするためのローカル局情報を含んだRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを移動端末装置10へ転送する場合は、これら制御情報を含むMEASUREMENT CONFIGURATION情報、RRC CONNECTION RECONFIGURATION情報を下り信号多重部305へ出力する。
【0141】
下り信号生成部303は、下りデータ信号(PDSCH)、下り参照信号、下り制御信号(ePDCCH)を生成する。下り信号生成部303は、初期送信電力設定部301によって、下りデータ信号及び下り制御信号の初期送信電力が設定される。DISCOVERY SIGNAL生成部304は、制御情報受信部302から入力されたDS送信制御情報に基づいてDISCOVERY SIGNALを生成する。DS送信制御情報には、移動端末装置10にDISCOVERY SIGNALを送信するための無線リソース情報や信号系列情報等が含まれている。無線リソース情報には、例えば、DISCOVERY SIGNALの送信間隔、周波数位置、符号(コード)等が含まれる。
【0142】
下り信号多重部305は、下り送信データと、下り参照信号と、下り制御信号とを多重する。MEASUREMENT CONFIGURATION情報、RRC CONNECTION RECONFIGURATION情報がある場合は、これらの信号をスモールセルの下りリンク信号に多重する。移動端末装置10に対する下りリンク信号は、ベースバンド送信信号処理部306に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の下り信号の場合には、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号から時系列の信号に変換され、サイクリックプレフィックスが挿入される。そして、下りリンク信号は、送信RF回路307を通り、送信系と受信系との間に設けた切替スイッチ308を介して送受信アンテナ309から送信される。なお、切替スイッチ308の代わりにデュプレクサを設けてもよい。
【0143】
ローカル局20は、受信系の処理部として、受信RF回路310、ベースバンド受信信号処理部311、上り信号復調・復号部312、転送部313を備えている。
【0144】
移動端末装置10からのスモールセルの上りリンク信号は、スモールセル用の送受信アンテナ309で受信され、切替スイッチ308及び受信RF回路310を介してベースバンド受信信号処理部311に入力される。ベースバンド受信信号処理部311では上り信号にデジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の上り信号の場合には、サイクリックプレフィックスが除去され、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)により時間系列の信号から周波数領域の信号に変換される。上りデータ信号は、上り信号復調・復号部312に入力され、上り信号復調・復号部312において復号(デスクランブル)及び復調される。移動端末装置10がローカル局20へMEASUREMENTレポートを通知する場合は、上りリンク信号からDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートが復号される。また、移動端末装置10がローカル局20へCSI情報をフィードバックする場合は、上りリンク信号からCSI情報が復号される。
【0145】
転送部313は、上りリンク信号から復号されたMEASUREMENTレポート、CSI情報を、伝送路インターフェース314を介してマクロ局30に転送する。なお、ローカル局20がMEASUREMENTレポートに基づいてCSI情報をフィードバックするローカル局を自ら判断する場合は転送しない。同様に、ローカル局20がCSI情報に基づいてデータチャネル、制御チャネル送信するローカル局を自ら判断する場合もCSI情報の転送は行わない。
【0146】
そして、マクロ局30によってデータチャネル、制御チャネル送信するローカル局として決定された場合、伝送路インターフェース314を介して移動端末装置10との間でデータチャネル、制御チャネル送信する指示が通知される。
【0147】
以上のように、本実施の形態に係る無線通信システム1によれば、移動端末装置10に対してMEASUREMENT CONFIGURATIONによってDS受信制御信号をマクロ局30又はローカル局20から通知するので、移動端末装置10は初期アクセスが得られないローカル局20から送信されるDISCOVERY SIGNALを受信することができ、各ローカル局20についてDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTが可能になる。また、移動端末装置10は、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONによって通知されたローカル局20についてCSI情報を取得してマクロ30局又はローカル局20へフィードバックでき、スモールセルに対して初期アクセスする機会の得られない移動端末装置10が、CSI情報又はDISCOVERY SIGNALのMEASUREMENTレポートに基づいて決定された適切なローカル局との間でデータチャネル、制御チャネル送信を開始することができる。
【0148】
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明におけるキャリア数、キャリアの帯域幅、シグナリング方法、処理部の数、処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。