特許第6045844号(P6045844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045844
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】水中油型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20161206BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20161206BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20161206BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61K8/06
   A61K8/60
   A61K8/73
   A61K8/34
   A61K8/31
   A61Q19/00
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-173106(P2012-173106)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2014-31337(P2014-31337A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】住田 泰輝
【審査官】 小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−200407(JP,A)
【文献】 特開2008−189670(JP,A)
【文献】 特開2007−153751(JP,A)
【文献】 特開2011−046657(JP,A)
【文献】 特開2010−138113(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/090581(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(E)を含有する水中油型乳化組成物。
(A)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上 組成物総量に対して0.02〜0.4質量%
(B)未処理デンプン及びエーテル化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上 組成物総量に対して0.3〜4質量%
(C)ショ糖脂肪酸エステル
(D)揮発性油剤 組成物総量に対して0.5〜18質量%
(E)炭素数1〜3の飽和1価アルコール 組成物総量に対して2〜18質量%
【請求項2】
成分(B)が、未処理デンプン及びヒドロキシプロピル化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
成分(D)が、イソドデカン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン及びジメチルポリシロキサン(25℃での動粘度0.5〜2mm2/s)から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
さらに成分(F)炭素数2〜10の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の2価以上のアルコールを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
成分(C)の含有量が、組成物総量に対して0.5〜8質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項6】
皮膚化粧料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経時安定性及び感触に優れた水中油型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル酸系高分子や多糖系高分子等の水溶性高分子化合物は乳化型組成物の保存安定性の向上や感触調整に重要な成分である。しかし、これらの効果を十分に得るべく高分子化合物をあまり多量に配合すると使用感触のベタツキが生じ、一方、少量にすると満足できる保存安定性や意図した感触が得られないといった問題があった。
【0003】
さらに、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有する製剤は、ゴマージュ化粧料として利用されている(特許文献1、2参照)ように、塗布時の高分子カス(消しゴムかす状の固まり)の析出が生じる場合があり、その配合成分の選択やその配合量には細心の注意が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−64986号公報
【特許文献2】特開2011−207827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを多量に配合しながらも十分な保存安定性を有し、意図した良好な延展性、肌なじみ、ベタツキ・ぬるつきのない優れた使用感触を有する水中油型乳化組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーの配合による使用感と保存安定性とを両立させるべく種々検討した結果、デンプン及び/又はその誘導体と、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルビキシビニルポリマーを使用し、更にショ糖脂肪酸エステル、低級アルコール、揮発性油剤を特定量組み合わせることで、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを高配合した場合であっても使用感と保存安定性とを両立した水中油型乳化組成物が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(E)を含有する水中油型乳化組成物を提供するものである。
(A)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上 組成物総量に対して0.02〜0.4質量%
(B)デンプン及びエーテル化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上 組成物総量に対して0.3〜4質量%
(C)ショ糖脂肪酸エステル
(D)揮発性油剤 組成物総量に対して0.5〜18質量%
(E)炭素数1〜3の飽和1価アルコール 組成物総量に対して2〜18質量%
【発明の効果】
【0008】
本発明の水中油型乳化組成物は、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを高配合した場合でも優れた高温、低温の保存安定性を有し、延展性、肌なじみ、べたつき・ぬるつきのなさ等の使用感が優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明で用いる(A)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上は、増粘・ゲル化剤として使用される。
【0010】
カルボキシビニルポリマーは、カルボキシル基を有する水溶性のビニルポリマーであり、例えば、ポリアクリル酸が挙げられる。カルボキシビニルポリマーを中和して、塩と為し、構造を作らせるための塩基残基としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等が好ましく例示できる。かかる塩基残基は、その含有量をカルボキシビニルポリマーに対して、2当量以下、より好ましくは1.5当量以下に調整することが好ましい。この様な形態を取ることにより、耐塩性の高いゲルが形成するためである。具体的には、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980、カーボポール981(以上、Noveon Inc.社)、シンタレン(和光純薬工業株式会社)、AQPEC HV−501E(住友精化株式会社)などの市販品を使用することができる。
【0011】
また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸とメタクリル酸アルキル(好ましくはアルキル基の炭素数8〜30)との共重合体である。例えば、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2、カーボポールEDT2020、カーボポール1382(以上、Noveon Inc.社)、などの市販品を使用することができる。
【0012】
本発明の(A)成分の含有量は、組成物総量に対して、0.02〜0.4質量%が必要であり、保存安定性、高分子カスの析出の点から、(A)成分の含有量の下限は好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、また上限は0.35質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましい。具体的には、0.05〜0.35質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%である。
【0013】
本発明で用いる(B)デンプン及びエーテル化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上は、増粘・ゲル化剤として用いられる。
【0014】
デンプンはブドウ糖を単位として数百個から数千個、あるいは数万個の鎖状または房状に連なった高分子物質であることが知られ、アミロース及びアミロペクチンで構成されている。
【0015】
デンプンとしては、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、カンショデンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、コメデンプン、モチゴメデンプン、アマランサスデンプン等の未処理(天然)デンプン及びそれらの処理デンプン(処理方法としては、酸処理、酵素処理、デキストリン及び湿熱処理からなる群から選択される1種又は2種が挙げられる。)からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。好適には未処理のバレイショデンプンがその加工後の粘性の点で適している。
【0016】
エーテル化デンプンは、カルボキシメチル化デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン(ヒドロキシエチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン)及びカチオン化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられるが、特にヒドロキシプロピル化デンプンおよび/またはカルボキシメチル化デンプンがその加工後の粘性の点で好適に用いることができるが、感触に応じて適宜変更できる。エーテル化デンプンの置換度(デンプンの構成成分であるグルコース単位当たりの官能基数)は、延展性、水への加熱溶解性の点から、0.02以上、0.15以下であることが好ましい。これらのエーテル化デンプンは市販されており、バイオスターチH、K5、LT(日澱化学社製)などを挙げることができる。
【0017】
(B)成分として、使用感(延展性、肌なじみ、べたつき・ぬるつき)の点から、より好ましくは、ヒドロキシプロピルデンプン、バレイショデンプン、カルボキシメチル化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上であり、さらに好ましくは、ヒドロキシプロピルデンプン及びバレイショデンプンであり、さらに好ましくは、ヒドロキシプロピルデンプンである。
【0018】
本発明の(B)成分の含有量は、組成物総量に対して、0.3〜4質量%であることが必要であり、保存安定性の点、感触面の点から、0.5質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、また3質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。具体的には、0.5〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.8〜2.5質量%であり、さらに好ましくは1〜2質量%である。
【0019】
本発明で用いる(C)ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖(スクロース)の水酸基に脂肪酸がエステル結合してなるノニオン界面活性剤であり、脂肪酸の炭素数が10以上のものが好ましく、脂肪酸の炭素数の下限は、10以上がより好ましく、12以上がさらに好ましく、上限は24以下がより好ましく、20以下がさらに好ましい。脂肪酸の炭素数として具体的には、10〜24がより好ましく、12〜20がさらに好ましい。
【0020】
ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル及びショ糖モノラウリン酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、これらを含有するヤシ油脂肪酸ショ糖エステル、パーム核脂肪酸ショ糖エステルも好ましい例として包含される。これらの中でも、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル及びヤシ油脂肪酸ショ糖エステルからなる群から選択される1種又は2種以上がより好ましい。本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
本発明の(C)成分の含有量は、特に限定されるものではないが、保存安定性の点、感触面の点から、組成物総量に対して、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、また8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。具体的には、0.05〜8質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。
【0022】
本発明で用いる(D)揮発性油剤としては、1気圧下における沸点が50〜260℃の炭化水素油及びシリコーン油からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
【0023】
1気圧下における沸点が50〜260℃以下の炭化水素油としては、直鎖状、分岐状のいずれの炭化水素を用いてもよく、具体例としては、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等のC12−C18アルカン類;イソデカン、イソドデカン及びイソヘキサデカン等のC8−C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)類からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
【0024】
1気圧下における沸点が50〜260℃のシリコーン油としては、メチルトリメチコン、ジメチルポリシロキサン(25℃での動粘度0.5〜2mm2/s)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン及びテトラキス(トリメチルシロキシ)シランからなる群から選択される1種又は2種以上の鎖状ポリシロキサン類;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン及びテトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサンからなる群から選択される1種又は2種以上の環状ポリシロキサン類、またはカプリリルメチコン等が挙げられる。
【0025】
これらのうち、好ましくはドデカン、イソドデカン、メチルトリメチコン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン、及びジメチルポリシロキサン(25℃での動粘度0.5〜2mm2/s)からなる群から選択される1種又は2種であり、より好ましくはイソドデカン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン及びジメチルポリシロキサン(25℃での動粘度0.5〜2mm2/s)からなる群から選択される1種又は2種以上である。これらの成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
【0026】
本発明において、(D)揮発性油剤の含有量は、組成物総量に対して、0.5〜18質量%であることが必要であり、1質量%以上が好ましく、また15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。具体的には、1〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。当該範囲内であれば、保存安定性、感触面の点で優れる。
【0027】
本発明で用いる(E)炭素数1〜3の飽和1価アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、好ましくはエチルアルコールである。
【0028】
本発明の(E)成分の含有量は、組成物総量に対して、2〜18質量%であることが必要であり、保存安定性、感触面の点から、3質量%以上が好ましく、また15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。具体的には、2〜15質量%が好ましく、より好ましくは3〜10質量%である。
【0029】
本発明の水中油型乳化組成物は、保存安定性に優れ、高分子カスの析出低減効果に優れているため、高分子カスが析出しやすい(F)炭素数2〜10の2価以上のアルコールを高濃度併用することも可能である。
【0030】
炭素数2〜10の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の2価以上のアルコール(以下、多価アルコールともいう)として、具体的には、グリコール類、グリセリン類などが挙げられる。グリコール類の具体例としては、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びネオペンチルグリコールから選択される1種又は2種以上が挙げられる。グリセリン類の具体例としては、グリセリン、ジグリセリン及びトリグリセリンからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。これらを、単独又は複数種の混合物の形態で用いることができる。
【0031】
これらの多価アルコールのうち、その1分子中における水酸基の数が、3個以上であるものを用いるのが好ましい。特に、グリセリンを用いると、保湿効果が向上するため、好ましい。また、炭素数が10を超える2価以上のアルコールを用いると、十分な低温安定性が確保できない、長期保存において乳化製剤の外観、指取れ及び塗布した際の感触が調製当初の感触と大きく異なる場合がある。
【0032】
(F)成分の含有量は、べたつき・ぬるつき感を抑え、保存安定性を良好にする点から、水中油型乳化組成物全量に対して、5質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは5〜20質量%であり、さらに好ましくは8〜15質量%である。
【0033】
また、本発明の水中油型乳化組成物には、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、上記成分以外の界面活性剤、高級アルコール、水溶性高分子、植物エキス、ビタミン類、酸化防止剤、防菌防腐剤、消炎剤、昆虫忌避剤、生理活性成分、塩類、キレート剤、中和剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。
【0034】
本発明の水中油型乳化組成物の用途としては、化粧料、医薬部外品、医薬品等に特に制限なく用いることができるが、使用感の良さから化粧料、医薬部外品として好適に用いることが出来る。具体的にはシャンプー、リンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料、洗顔料、クレンジング化粧料、ローション、乳液、クリーム、美容液、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料として好適に利用できる。これらのうち、特に乳液、クリーム、美容液等のスキンケア化粧料として適用するのが好ましい。
【0035】
次に本発明の態様及び好ましい実施態様を示す。
【0036】
<1>次の成分(A)〜(E)を含有する水中油型乳化組成物。
(A)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上 組成物総量に対して0.02〜0.4質量%
(B)デンプン及びエーテル化デンプンからなる群から選択される1種又は2種以上 組成物総量に対して0.3〜4質量%
(C)ショ糖脂肪酸エステル
(D)揮発性油剤 組成物総量に対して0.5〜18質量%
(E)炭素数1〜3の飽和1価アルコール 組成物総量に対して2〜18質量%
【0037】
<2>アルキル変性カルボキシビニルポリマーが、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である<1>の水中油型乳化組成物。
<3>成分(A)の含有量が、組成物総量に対して、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり、0.35質量%以下、好ましくは0.3質量%以下である<1>又は<2>の水中油型乳化組成物。
<4>エーテル化デンプンが、カルボキシメチル化デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン及びカチオン化デンプンから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはヒドロキシプロピル化デンプンおよび/またはカルボキシメチル化デンプンである<1>〜<3>の水中油型乳化組成物。
<5>成分(B)の含有量が、0.5質量%以上、好ましくは0.8質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、3質量%以下、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下である<1>〜<4>の水中油型乳化組成物。
<6>(C)ショ糖脂肪酸エステルが、脂肪酸の炭素数が10以上、好ましくは脂肪酸の炭素数が10〜24、より好ましくは脂肪酸の炭素数が12〜20のショ糖脂肪酸エステルである<1>〜<5>の水中油型乳化組成物。
<7>成分(C)の含有量が、組成物総量に対して、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、8質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である<1>〜<6>の水中油型乳化組成物。
<8>成分(D)が、1気圧下における沸点が50〜260℃の炭化水素油及びシリコーン油からなる群から選択される1種又は2種以上である<1>〜<7>の水中油型乳化組成物。
<9>成分(D)が、ドデカン、イソドデカン、メチルトリメチコン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン及びジメチルポリシロキサン(25℃での動粘度0.5〜2mm2/s)から選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<8>の水中油型乳化組成物。
<10>成分(D)の含有量が、1質量%以上であり、15質量%以下、好ましくは10質量%以下である<1>〜<9>の水中油型乳化組成物。
<11>成分(E)が、エチルアルコールである<1>〜<10>の水中油型乳化組成物。
<12>成分(E)の含有量が、3質量%以上であり、15質量%以下、好ましくは10質量%以下である<1>〜<11>の水中油型乳化組成物。
<13>さらに、(F)炭素数2〜10の2価以上のアルコールを含有する<1>〜<12>の水中油型乳化組成物。
<14>成分(F)が、グリコール類又はグリセリン類である<13>の水中油型乳化組成物。
<15>成分(F)の含有量が、組成物総量に対して、5質量%以上、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは8〜15質量%である<13>又は<14>の水中油型乳化組成物。
<16>化粧料又は医薬部外品である<1>〜<15>の水中油型乳化組成物。
【実施例】
【0038】
実施例1〜23、及び比較例1〜15
表1〜3に示した処方に従い、水中油型乳化組成物を調製した。これらを用いて、下記の(1)経時安定性試験(高温及び低温)、(2)官能性試験を実施し、それぞれ評価した。結果は表1〜3に併せて示した。
【0039】
(1)経時安定性試験
表1〜3に示した水中油型乳化組成物をガラス瓶に入れ、それぞれの試料を45℃及び−10℃の恒温槽に3ヶ月間保管した。調製直後の状態を基準として、3ヶ月後の外観の変化を目視により下記基準に基づいて判定した。
【0040】
(経時安定性(45℃、3ヶ月)評価基準)
○:問題なし
△:極めて軽微な分離が見られる、又は極めて軽微な過剰固化が見られる
×:分離、離油、離水が見られる、又は過剰固化が見られる
(経時安定性(−10℃、3ヶ月)評価基準)
○:問題なし
△:極めて軽微な分離が見られる、又は極めて軽微な過剰固化が見られる
×:分離、離油、離水が見られる、又は過剰固化が見られる
【0041】
(2)官能性試験
10名の評価パネラーに各試料を使用してもらい、塗布時の「延展性の良さ」、「肌なじみの良さ」、「べたつき・ヌルツキ」、「高分子カスの有無」について、下記評価基準に基づき、それぞれ評価した。各評価結果は、10名の評価パネラーの平均点を示した。
また、べたつき・ヌツルキとは、肌に製剤を塗布した後、一定時間経過し、肌状態が落ち着いた後の肌のべたつき又はヌルツキ感を評価するものとし、高分子カスとは塗擦時に垢のように肌上に形成されるものとして評価する。
【0042】
(延展性の良さ評価基準)
5:塗り広げることが容易
4:塗り広げることが比較的容易
3:どちらとも言えない
2:塗り広げることがやや難しい
1:塗り広げることが難しい
【0043】
(肌なじみの良さ評価基準)
5:良い
4:やや良い
3:どちらとも言えない
2:やや悪い
1:悪い
【0044】
(ベタツキ・ヌルツキ評価基準)
5:ベタツキ・ヌルツキを感じない
4:僅かにベタツキ・ヌルツキを感じる
3:どちらとも言えない
2:ベタツキ・ヌルツキを感じる
1:ベタツキ・ヌルツキを強く感じる
【0045】
(高分子カスの有無評価基準)
3:肌なじみ後に軽く塗擦しても高分子カス(消しゴムかす状の固まり)は出なかった
2:肌なじみ後に軽く塗擦すると僅かに高分子カスがでた
1:肌なじみ後に軽く塗擦すると多量の高分子カスがでた
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
表1〜3より、成分(A)〜(E)を特定量配合した本発明の水中油型乳化組成物は、高温及び低温での保存安定性に優れており、延展性、肌馴染みが良好で、ベタツキ・ヌルツキがなく、かつ高分子カスの析出がなかった。これに対し、成分(A)、(B)、(D)及び(E)の含有量が本発明の範囲外である場合、及び(C)ショ糖脂肪酸エステルを配合しない場合には、保存安定性及び/又は感触が低下した。
【0050】
次に、以下の処方に従い、常法にて水中油乳化組成物を調製した。いずれも官能効果に優れ、良好な経時安定性が期待されるものである。
【0051】
処方例1(クリーム)
(油相)
トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン 10.0
モノステアリン酸スクロース 2.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
水素添加ポリデセン 3.0
セバシン酸ジイソプロピル 5.0
オリーブ油 2.0
シア脂 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
β−カロテン 0.001
(水相)
カルボキシビニルポリマー 0.1
バレイショデンプン 1.5
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.05
水 残 量
(アルコール相)
エタノール 5.0
フェノキシエタノール 0.5
クロルフェネシン 0.2