(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被処理水中の夾雑物を捕集するスクリーン装置と、前記スクリーン装置で捕集された前記夾雑物を破砕する破砕装置とが、前記被処理水が流通する水路を横断するように配置された夾雑物処理装置と、
前記夾雑物処理装置の下流側に配置され、前記破砕装置により破砕された前記夾雑物を導入し前記水路から排出する排出装置と、を備え、
前記排出装置は、
前記破砕装置において破砕された前記夾雑物が排出される方向に沿った線上に配置されると共に破砕された前記夾雑物を含む前記被処理水を導入する開口部が上流側に設けられ、前記夾雑物と前記被処理水とを分離するスクリーンが下流側に設けられたケーシングと、
前記ケーシング内に配置され、前記水路内を流通する前記被処理水の水面上まで前記夾雑物を搬送するスクリューと、を有するスクリューコンベアであって、
前記スクリューは、前記スクリューの回転軸が鉛直方向と略一致するように配置され、
前記開口部の幅は、前記スクリューの外径よりも小さい、ことを特徴する除塵設備。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る除塵設備の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
本実施形態の除塵設備は、例えば、終末下水処理場における沈砂池に設置される。除塵設備が設置された沈砂池の後段には、活性汚泥処理設備等の水処理設備が配置されている。
図1及び
図2に示すように、本実施形態の除塵設備1は、底90a及び側壁90b,90cにより画成される水路90に設置されている。水路90の上には上板90dが配置されている。水路90には、除塵設備1に向かう被処理水Wの流れを形成する突出部91,92が設けられている。突出部91は水路90の側壁90bに設けられ、突出部92は側壁90bと対面する側壁90cに設けられている。以下の説明においては、便宜上、被処理水Wが流れる方向をX方向とし、側壁90bから側壁90cに向かう方向をY方向とし、水路90における被処理水Wの深さ方向をZ方向とする。
【0015】
除塵設備1は、突出部91,92を介して水路90に設置されている。水路90に設置された除塵設備1は、水路90を流通する被処理水Wに含まれる夾雑物Gを捕集・破砕した後に、破砕した夾雑物Gを水路90から排出する。除塵設備1は、水路90を横断するように配置された夾雑物処理装置2と、夾雑物処理装置2の下流側に配置された夾雑物排出装置3とを備えている。
【0016】
夾雑物処理装置2は、被処理水W中の夾雑物Gを捕集し、捕集した夾雑物Gを破砕する。そして、夾雑物処理装置2は、破砕した夾雑物Gを下流側に設置された夾雑物排出装置3に排出する。夾雑物処理装置2は、水路90を横断するように設置されている据付枠93内に配置されている。この据付枠93には、夾雑物処理装置2を位置決めするための位置決めピンが設けられている。位置決めピンは、据付枠93の底部の所定位置に立設されている。夾雑物処理装置2は、被処理水W中の夾雑物Gを捕集するためのスクリーン装置4と、スクリーン装置4で捕集された夾雑物Gを破砕するための破砕装置6とを有している。
【0017】
図1に示すように、スクリーン装置4は、被処理水W中の夾雑物Gを捕集すると共に、被処理水Wを下流側に流通させる。スクリーン装置4は、水路90の側壁90bに設けられた突出部91と破砕装置6とに固定され、破砕装置6よりも上流側に配置されている。スクリーン装置4は、夾雑物Gを捕集するためのスクリーン部7と、スクリーン部7で捕集された夾雑物Gを破砕装置6に移送するための移送部8とを含んでいる。
【0018】
スクリーン部7は、水路90の深さ方向Zに積層された複数のスクリーン部材9を含んでいる(
図2参照)。スクリーン部材9は、平板状をなすと共に、平面視において略円弧状をなしている。スクリーン部材9は、水路90の側壁90b側に沿って、スクリーン部材9における軸心CSの斜め下流側から軸心CSの側方まで直線形状をなしている。そして、スクリーン部材9は、軸心CSの側壁90b側の側方から、側壁90cの側方及び下流側に亘り、円弧状をなしている。また、このスクリーン部材9は、その下流側であって側壁90b側が開放されている。この開放された部位9aからは、スクリーン部材9を通過した被処理水Wが下流へ放出される。
【0019】
スクリーン部材9は、深さ方向Zに互いに離間して配置され(
図2参照)、深さ方向Zに延在する複数の支柱(不図示)に溶接固定されている。このスクリーン部材9同士の間が、被処理水Wを通す目とされ、この目より大きい夾雑物Gがスクリーン部7により塞ぎ止められる。
【0020】
移送部8は、スクリーン部7に捕集された夾雑物Gを破砕装置6に移送させるレーキ11と、深さ方向Zに延びた軸心CRを中心としてレーキ11を回転させるレーキ軸12と、レーキ軸12を回転駆動する縦型電動機13(
図2参照)とを含んでいる。
【0021】
レーキ11は、平板状の部材であり、スクリーン部材9の間に配置されている。本実施形態の移送部8では、スクリーン部材9の間には3つのレーキ11がレーキ軸12を中心として平面視して120°の間隔で均等に配置されている。それぞれのレーキ11は、水流案内板15を介してレーキ軸12にボルト固定されている。
【0022】
レーキ11は、例えば硬質ゴム、その他のゴム、板バネ等の弾性体により構成されている。レーキ11の先端部は、レーキ11の回転方向に対する表側の端部の半径方向の長さが反対側の裏側の半径方向の長さよりも長くされている。このようにレーキ11の端部を形成することにより、レーキ11の端部における夾雑物Gのすべりを抑制し、効率よく夾雑物Gを破砕装置6へ移送させることができる。
【0023】
水流案内板15は、レーキ軸12と共に回転して、被処理水Wの流れ方向を変更可能とするものである。これにより、捕集された夾雑物Gをスクリーン部材9の外周縁から剥離しやすくさせる。また、本実施形態の移送部8では、水流案内板15が平面視して120°の間隔で均等に配置されているため被処理水Wが水流案内板15に及ぼす抵抗を分散して、均等化することができる。
【0024】
レーキ11及び水流案内板15が固定されたレーキ軸12は水路90の深さ方向Zに延び、レーキ軸12の両端部は軸受(不図示)により回転可能に支持されている。このレーキ軸12は、スクリーン部材9の外周縁の中心CSに対して偏心する位置に配置されている。より具体的には、レーキ軸12は、スクリーン部材9の外周縁の中心CSに対して、上流側且つ側壁90c側に偏心して配置されている。このようなレーキ軸12の配置によれば、スクリーン部材9の外周縁において夾雑物Gが付着する上流側の領域では、レーキ11の先端がスクリーン部材9の外周縁から突出する。一方、開放部9aを含む下流側の領域では、レーキ11の先端がスクリーン部材9の外周縁よりも内側に設定される。従って、レーキ11の先端部を、夾雑物Gが捕集される上流側の領域において、スクリーン部材9の外周縁から突出させることができる。
【0025】
破砕装置6は、スクリーン装置4と側壁90cの突出部92との間に配置されている。破砕装置6には、被処理水Wを破砕装置6の内部に導入する導入口14が上流側に設けられている。また、破砕装置6には、被処理水Wを破砕装置6の外部に排出する排出口16が下流側に設けられている。この排出口16は、破砕装置6の下流側に配置された夾雑物排出装置3に連通している。
【0026】
破砕装置6は、水路90の深さ方向Zに延びる回転軸周りに回転可能に支持した2個の回転破砕刃(カッタ刃)17を含んでいる。回転破砕刃17同士は、互いに噛み合うように水路90の幅方向Yに並設されている。また、破砕装置6は、その上部に回転破砕刃17を回転駆動する縦型電動機18(
図2参照)を有している。この破砕装置6は、縦型電動機18を駆動することにより、回転破砕刃17が夾雑物Gを巻き込む方向に回転させる。より詳細には、平面視においてスクリーン装置4側の回転破砕刃17を右回りに回転させると共に、側壁90c側の回転破砕刃17を左回りに回転させる。そして、導入口14から被処理水Wを導入して破砕装置6内を通して排出口16から被処理水Wを排出する。このとき、破砕装置6は、被処理水W中の夾雑物G及びスクリーン装置4から移送された夾雑物Gを、回転破砕刃17の間に挟み込んで破砕し下流側の夾雑物排出装置3に向けて排出する。
【0027】
夾雑物排出装置3は、スクリュー20と、スクリュー20を覆うケーシング19とを備えている。夾雑物排出装置3は、破砕装置6により破砕された夾雑物Gをケーシング19へ導入し、ケーシング19の内部に配置されたスクリュー20により夾雑物Gを移送し、ケーシング19の上端に設けられた排出口21(
図2参照)から夾雑物Gを排出する。夾雑物排出装置3は、夾雑物処理装置2の下流側に配置されている。より具体的には、夾雑物排出装置3は、破砕装置6の下流側に配置されている。
【0028】
図2に示されるように、スクリュー20は、夾雑物Gを鉛直上方に移送する。スクリュー20の上端側には、スクリュー20を回転させる縦型電動機22が設けられている。スクリュー20の下端側は、水路90の底90aの近傍まで延在している。スクリュー20は、スクリュー20の回転軸CWが鉛直方向と略一致するように配置されている。このような配置によれば、夾雑物排出装置3の良好な搬送効率を確保できる。本実施形態の水路90の底90aは水平に配置されているため、スクリュー20は、水路90の底90aとスクリュー20の回転軸CWとのなす角度Aが略垂直となるように配置されている。すなわち、スクリュー20の回転軸CWの向きは、深さ方向Zと略一致している。ここで、本実施形態における略垂直とは、80°以上100°以下の範囲であり、より好ましくは85°以上95°以下の範囲である。
【0029】
スクリュー20は、その中心部に開口部20aを有するスプリング状のシャフトレススクリューコンベアである。スクリュー20の開口部20aには、開口部20aの内径と略同等の外径を有する固定軸23が挿通されている。開口部20aに固定軸23を挿通させることにより、夾雑物Gの落下を抑制して、夾雑物排出装置3の搬送効率を高めることができる。
【0030】
このスクリュー20は、異なる外径寸法を有する部分を含んでいる。より詳細には、水路90の底90aの近傍から最高水位HWLよりも上まで延びた部分のスクリュー20の外径は、最高水位HWLから水路90の上板90dから突出した部分のスクリュー20の外径よりも大きくされている。ここで最高水位HWLとは、水路90を流れる被処理水Wが最も多いときの水面Lの位置であり、除塵設備1の下流側に配置されるポンプ(不図示)の動作条件から設定される。
【0031】
ケーシング19は、水路90の底90aから水路90の上板90dの上まで突出した円筒状の部材であり、スクリュー20を覆っている。ケーシング19は、水路90の上板90dから突出すると共に、上板90dから被処理水Wの最高水位HWLより上まで延びた上部ケーシング19aと、水路の底90aから最高水位HWLの上まで延びた下部ケーシング19bとを含んでいる。下部ケーシング19bと上部ケーシング19aとの間には、テーパ状の中間ケーシング19cが設けられ、下部ケーシング19b、中間ケーシング19c及び上部ケーシング19aの内部は連通している。
【0032】
ケーシング19の内壁には、スクリュー20の回転軸CWの方向に延びたフラットバー(不図示)が取り付けられている。フラットバーが取り付けられたケーシング19の内壁は、フラットバーを凸部とする凹凸形状とされている。このフラットバーは、夾雑物Gの共回りを抑制して、夾雑物排出装置3の搬送効率を高めるために用いられている。
【0033】
上板90dから突出した上部ケーシング19aの一端部には、夾雑物Gを排出するための排出口21が配置されている。排出口21から排出された夾雑物Gは、コンテナ94に一時的に積載された後に、夾雑物Gを処分する装置に移送される。また、上部ケーシング19aの一端部には、スクリュー20を回転させる縦型電動機22が配置されている。上部ケーシング19aの他端部には、フランジ24により中間ケーシング19cが接続されている。
【0034】
下部ケーシング19bの一端部は、最高水位HWLよりも上まで延在し、フランジ26により中間ケーシング19cに接続されている。下部ケーシング19bの他端部には、底面部材27が設けられている。また、下部ケーシング19bの内径は、上部ケーシング19aの内径より大きくされている。下部ケーシング19bの内径を大きくした場合には、ケーシング19内に導入可能な被処理水Wの量が増大するので、除塵設備1における夾雑物Gを排出する能力を向上させることができる。下部ケーシング19bは、上流側に開放された開口部28と、開口部28の反対側に設けられたスクリーン29とを含んでいる。
【0035】
図1に示されるように、開口部28は、破砕装置6の排出口16と連通している。開口部28と排出口16との間には、排出口16から排出された被処理水Wを開口部28へ導入するための導入部31が設けられている。これにより、破砕装置6から排出された被処理水Wは、下部ケーシング19bに流入する。
【0036】
図3に示されるように、開口部28は正面視して矩形状の形状を有している。開口部28の幅B1は、例えば50mmである。開口部28の下端28aは、スクリュー20の下端よりも上に形成されている。このような構成によれば、開口部28から流入した夾雑物Gをスクリュー20で確実に捕捉して移送することができるので、夾雑物排出装置3の搬送効率を高めることができる。
【0037】
開口部28の上端28bは、水路90における最低水位LWLよりも上に形成されている。より詳細には、開口部28の上端28bは、最低水位LWLと最高水位HWLとの間に形成され、最低水位LWLから開口部28の上端28bまでの高さH1は、スクリュー20のピッチの2倍以下となるように形成されている。このように上端28bを形成することにより、夾雑物排出装置3の搬送効率を高めることができる。ここで最低水位LWLとは、水路90を流れる被処理水Wが最も少ないときの水面Lの位置であり、除塵設備1の下流側に配置されるポンプ(不図示)の動作条件から設定される。
【0038】
図1に示されるように、スクリーン29は、下部ケーシング19b内に流入した被処理水Wに含まれる夾雑物Gを捕捉するものである。下部ケーシング19bの一部に設けられたスクリーン29は、断面が円弧状であり深さ方向Zに延在する。スクリーン29には、目詰まりを抑制するために、パンチングスクリーンやウェッジスクリーン等が用いられる。
【0039】
次に、除塵設備1の動作について説明する。除塵設備1よりも上流側では、水路90を流れる被処理水Wには夾雑物Gが含まれている。この夾雑物Gには、被処理水Wに溶け込んでいた有機成分が付着していることがある。
【0040】
水路90を流れる被処理水Wは、スクリーン装置4又は破砕装置6に流入する。スクリーン装置4に被処理水Wが流入すると、スクリーン部材9の間の間隔よりも大きい夾雑物Gが捕集され、スクリーン部材9の間の間隔よりも小さい夾雑物Gを含む被処理水Wが下流側へ流出する。捕集された夾雑物Gは、右回転するレーキ11により破砕装置6の導入口14に移送され、被処理水Wと共に破砕装置6に流入する。すなわち、破砕装置6に流入する夾雑物Gには、スクリーン装置4により捕集されてレーキ11により移送されたものと、スクリーン装置4によらず直接に流入するものとがある。
【0041】
破砕装置6に流入した夾雑物Gは、回転破砕刃17により細かく破砕される。夾雑物Gが破砕されると、夾雑物Gに付着していた有機成分が夾雑物Gから分離され、再び被処理水Wに溶け込む。従って、破砕装置6からは、夾雑物Gに付着していた有機成分が溶け込んだ被処理水Wが流出する。そして、この被処理水Wには、細かく破砕されて有機成分が取り除かれた夾雑物Gが含まれている。
【0042】
破砕装置6から流出した被処理水Wは、導入部31を介して下部ケーシング19bの開口部28に流入する。下部ケーシング19bにおいて、有機成分が溶け込んだ被処理水Wは、スクリーン29を通過して除塵設備1の下流側へ流出する。一方、夾雑物Gは、スクリーン29により下流への流出が抑制され、スクリュー20により鉛直上方へ移送される。移送された夾雑物Gは、排出口21(
図2参照)からコンテナ94に排出される。
【0043】
この除塵設備1は、被処理水W中の夾雑物Gをスクリーン装置4により捕集した後に、破砕装置6により破砕することにより、夾雑物Gから有機成分を分離する。有機成分が分離された夾雑物Gは、ケーシング19内に設置されたスクリュー20により移送されて水路90から排出される。従って、被処理水W中の夾雑物Gを除去することができる。一方、夾雑物Gが取り除かれた被処理水Wは、ケーシング19を通過して夾雑物排出装置3から流出する。流出する被処理水Wには有機成分が溶解しているので、除塵設備1の下流側に有機成分を含む被処理水Wを流すことができる。従って、除塵設備1によれば、除塵設備1の下流側に設けられた活性汚泥処理設備等の水処理設備において、被処理水W中の有機成分の減少による処理効率の低下を抑制できる。
【0044】
また、除塵設備1によれば、夾雑物Gから有機成分が除去されるため、夾雑物Gを衛生的に処理することができる。
【0045】
また、除塵設備1によれば、スクリュー20及びケーシング19が水路90の底90aに対して略垂直に配置されている。このような配置によれば、排出装置を底90aに対して、例えば、底90aとスクリューの回転軸とのなす角度が30°である場合のように斜めに配置する場合と比較して、夾雑物排出装置3の設置面積を低減することができる。
【0046】
また、開口部28は、水路90における被処理水Wの最低水位LWLよりも高い位置まで開口する。より詳細には、最低水位LWLから開口部28の上端28bまでの高さH1は、スクリュー20のピッチの2倍以下となるように形成されている。この開口部28によれば、水路90における水面Lが最も低い場合であっても、被処理水Wの水面Lの近傍に多く存在する夾雑物Gを好適に下部ケーシング19b内に導入することができる。また、開口部28を有するケーシング19によれば、スクリュー20による夾雑物Gの移送中に、夾雑物Gがケーシング19からこぼれることが抑制されるので、夾雑物Gを効率よく排出することができる。
【0047】
[第2実施形態]
第2実施形態の除塵設備について説明する。
図4に示すように、第2実施形態の除塵設備は、下部ケーシング19bの開口部32の形状が第1実施形態の開口部28の形状と異なっている。第2実施形態の除塵設備のその他の構成は、第1実施形態の除塵設備1と同様である。開口部32は、上端32aが最高水位HWLよりも上に形成されている。より詳細には、最高水位HWLから上端32aまでの高さH2がスクリュー20のピッチの2倍以下とされている。この開口部32によれば、スクリュー20による夾雑物Gの移送中に、夾雑物Gがケーシング19からこぼれることが抑制されるので、夾雑物Gを効率よく排出することができる。また、このような開口部32によれば、水面Lが常に開口部32と交差することになるので、水面L付近に多く含まれる夾雑物Gを効率的に下部ケーシング19b内に導入することができる。
【0048】
[第3実施形態]
第3実施形態の除塵設備について説明する。
図5に示すように、第3実施形態の除塵設備は、下部ケーシング19bの開口部33の形状が第1実施形態の開口部28の形状と異なっている。第3実施形態の除塵設備のその他の構成は、第1実施形態の除塵設備1と同様である。
【0049】
開口部33は、第1実施形態の開口部28と同様の形状を有する第1開口部34に加え、さらに、第1開口部34に連通する第2開口部36を有している。第2開口部36は、一端が第1開口部34の上端34aに連通し、他端が最高水位HWLよりも上に形成されている。また、第2開口部36の幅B3は、第1開口部34の幅B1よりも狭く形成されている。
【0050】
このような開口部33によれば、水面Lが常に開口部33と交差することになるので、水面L付近に多く含まれる夾雑物Gを効率的に下部ケーシング19b内に導入することができる。さらに、第2開口部36の幅B3が第1開口部34の幅B1よりも狭く形成されているので、スクリュー20により移送中の夾雑物Gが開口部33からこぼれることが抑制されるため、夾雑物排出装置3の搬送効率を高めることができる。
【0051】
なお、上述した実施形態は除塵設備1の一例を示すものである。本発明に係る除塵設備1は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施形態に係る除塵設備1を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0052】
上記実施形態では、下部ケーシング19bの内径が上部ケーシング19aの内径よりも大きくされているが、これに限定されることはない。下部ケーシング19bの内径は、上部ケーシング19aの内径と同等とされてもよい。
【0053】
スクリュー20は、下端から上端まで同一の外径寸法を有していてもよい。このような構成によれば、スクリュー20による夾雑物排出装置3の搬送効率を高めることができる。
【0054】
スクリュー20は、シャフトレススクリューコンベアに限定されることはなく、回転軸を有するスクリューコンベアであってもよい。