特許第6045906号(P6045906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6045906
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
   A63F7/02 315A
【請求項の数】2
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2012-278464(P2012-278464)
(22)【出願日】2012年12月20日
(65)【公開番号】特開2014-121400(P2014-121400A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2014年12月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小川 正悟
【審査官】 足立 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−240425(JP,A)
【文献】 特開2005−288004(JP,A)
【文献】 特開2009−279276(JP,A)
【文献】 特開2010−063560(JP,A)
【文献】 特開2004−154486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを行う表示手段と、図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する当り判定手段と、を備え、前記図柄変動ゲームにおいて予め定めた当り表示結果が表示されたことを条件として、遊技者に有利となる当り遊技が生起される遊技機において、
普通始動条件の成立により、普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが普通当りとなるか否かを判定する普通当り判定手段と、
前記普通図柄変動ゲームにおいて予め定めた普通当り表示結果が表示された場合に普通入球口が開状態と閉状態を取り得るように動作する開閉手段を有する可変入球手段と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことを条件として特殊入球口が開状態と閉状態を取り得るように動作する特殊開閉手段を有する特殊入球手段と、
前記特殊入球口から入球した遊技球が通過することで当り遊技が生起され得る特殊通過領域と、
前記図柄変動ゲームの実行中に前記特殊通過領域への遊技球の通過による当り遊技が生起された場合には、該図柄変動ゲームを中断させる中断手段と、
前記中断手段によって図柄変動ゲームを中断させた場合において当り遊技が終了したときには、該図柄変動ゲームを再開させる再開手段と、
前記特殊通過領域への遊技球の通過による当り遊技が生起された場合、該当り遊技の終了後に、前記可変入球手段に遊技球が入球し易くなる入球率向上状態を特定回数の図柄変動ゲームを上限として付与可能に制御する遊技状態制御手段と、
前記図柄変動ゲームの実行中に前記特殊通過領域への遊技球の通過による当り遊技が生起された場合、前記中断手段によって中断された図柄変動ゲームの残り時間を判定する残り時間判定手段と、
前記図柄変動ゲームの実行中に前記特殊通過領域への遊技球の通過による当り遊技が生起された場合において、該当り遊技が終了した後に特定回数の図柄変動ゲームを上限として入球率向上状態が付与されるときには、前記残り時間判定手段によって判定された結果に基づいて、前記中断手段によって中断された図柄変動ゲームの残り時間に関する報知を報知手段に行わせる制御を行う報知制御手段と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記中断手段によって中断された図柄変動ゲームを前記特定回数に含めず、中断された図柄変動ゲームの終了後に行われる図柄変動ゲームを前記特定回数に含め、前記入球率向上状態の付与を制御し、
前記入球率向上状態の付与については、前記特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを経て生起される当り遊技の終了後よりも前記特殊通過領域を遊技球が通過することで生起される当り遊技の終了後の方が有利であり、
前記入球率向上状態が付与されているときの前記特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームの変動時間を複数種類有する遊技機。
【請求項2】
遊技球の入球によって前記図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る始動手段と、
前記始動手段に遊技球が入球したことを契機に、図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定するための当り判定用情報と、図柄変動ゲームの変動時間を決定するための変動時間決定用情報とを取得する情報取得手段と、
前記始動手段に遊技球が入球したことを契機に、前記情報取得手段によって取得された当り判定用情報と変動時間決定用情報とを始動保留情報に対応付けて記憶する保留記憶手段と、
前記当り判定手段の判定結果に基づいて、前記情報取得手段によって取得された変動時間決定用情報に対応して図柄変動ゲームの変動時間を決定する変動時間決定手段と、
前記保留記憶手段に前記始動保留情報と対応付けて記憶された当り判定用情報に基づく前記当り判定手段の判定前に、該始動保留情報と対応付けて記憶された当り判定用情報及び変動時間決定用情報を判定する事前判定手段と、
前記当り判定手段の判定前に、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、保留されている図柄変動ゲームの変動時間を特定する変動時間特定手段と、を備え、
前記報知制御手段は、前記中断手段によって中断された図柄変動ゲームの残り時間と、前記変動時間特定手段によって特定された保留されている図柄変動ゲームの変動時間とに基づいて、入球率向上状態の付与が終了するまでの合算時間に関する報知を前記報知手段に実行可能に制御する請求項1に記載の遊技機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された場合には、遊技者に有利となる大当り遊技が生起される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、始動入賞口への遊技球の入球を契機に、特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが行われ、その結果、大当り表示結果として表示された場合には、大入賞口が開放可能となり、多数の賞球が払い出される大当り遊技が付与される。
【0003】
このような遊技機の中には、始動入賞口が開放状態と閉鎖状態を取り得るように開閉部材を作動させるものが一般的である。そして、例えば、特許文献1に示すように、作動ゲートへの遊技球の通過などの普通始動条件が成立すると、特別図柄とは異なる普通図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームが行われ、その結果、普図当りとなった場合に、開閉部材が開放状態となるものが開示されている。このときには、始動入賞口に遊技球が入賞し易くなり、図柄変動ゲームの始動条件が成立し易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−20960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような遊技機において、例えば、始動入賞口の開閉手段が開放状態となっても、それ以前から同じように始動入賞口に遊技球が入賞するか否かに注目している傾向があり、遊技が単調となってしまうおそれがあり、斬新な遊技性を提供することにより、遊技に対する興趣の向上を図ることが望まれている。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、斬新な遊技性を提供することができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決する遊技機は、特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを行う表示手段と、図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する当り判定手段と、を備え、前記図柄変動ゲームにおいて予め定めた当り表示結果が表示されたことを条件として、遊技者に有利となる当り遊技が生起される遊技機において、普通始動条件の成立により、普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが普通当りとなるか否かを判定する普通当り判定手段と、前記普通図柄変動ゲームにおいて予め定めた普通当り表示結果が表示された場合に普通入球口が開状態と閉状態を取り得るように動作する開閉手段を有する可変入球手段と、前記可変入球手段に遊技球が入球したことを条件として特殊入球口が開状態と閉状態を取り得るように動作する特殊開閉手段を有する特殊入球手段と、前記特殊入球口から入球した遊技球が通過することで当り遊技が生起され得る特殊通過領域と、前記図柄変動ゲームの実行中に前記特殊通過領域への遊技球の通過による当り遊技が生起された場合には、該図柄変動ゲームを中断させる中断手段と、前記中断手段によって図柄変動ゲームを中断させた場合において当り遊技が終了したときには、該図柄変動ゲームを再開させる再開手段と、前記特殊通過領域への遊技球の通過による当り遊技が生起された場合、該当り遊技の終了後に、前記可変入球手段に遊技球が入球し易くなる入球率向上状態を特定回数の図柄変動ゲームを上限として付与可能に制御する遊技状態制御手段と、前記図柄変動ゲームの実行中に前記特殊通過領域への遊技球の通過による当り遊技が生起された場合、前記中断手段によって中断された図柄変動ゲームの残り時間を判定する残り時間判定手段と、前記図柄変動ゲームの実行中に前記特殊通過領域への遊技球の通過による当り遊技が生起された場合において、該当り遊技が終了した後に特定回数の図柄変動ゲームを上限として入球率向上状態が付与されるときには、前記残り時間判定手段によって判定された結果に基づいて、前記中断手段によって中断された図柄変動ゲームの残り時間に関する報知を報知手段に行わせる制御を行う報知制御手段と、を備え、前記遊技状態制御手段は、前記中断手段によって中断された図柄変動ゲームを前記特定回数に含めず、中断された図柄変動ゲームの終了後に行われる図柄変動ゲームを前記特定回数に含め、前記入球率向上状態の付与を制御することを要旨とする。
【0008】
上記遊技機について、前記入球率向上状態の付与については、前記特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを経て生起される当り遊技の終了後よりも前記特殊通過領域を遊技球が通過することで生起される当り遊技の終了後の方が有利であり、前記入球率向上状態が付与されているときの前記特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームの変動時間を複数種類有する構成としてもよい。
【0010】
上記遊技機について、遊技球入球によって前記図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る始動手段と、前記始動手段に遊技球が入球したことを契機に、図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定するための当り判定用情報と、図柄変動ゲームの変動時間を決定するための変動時間決定用情報とを取得する情報取得手段と、前記始動手段に遊技球が入球したことを契機に、前記情報取得手段によって取得された当り判定用情報と変動時間決定用情報とを始動保留情報に対応付けて記憶する保留記憶手段と、
前記当り判定手段の判定結果に基づいて、前記情報取得手段によって取得された変動時間決定用情報に対応して図柄変動ゲームの変動時間を決定する変動時間決定手段と、前記保留記憶手段に前記始動保留情報と対応付けて記憶された当り判定用情報に基づく前記当り判定手段の判定前に、該始動保留情報と対応付けて記憶された当り判定用情報及び変動時間決定用情報を判定する事前判定手段と、前記当り判定手段の判定前に、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、保留されている図柄変動ゲームの変動時間を特定する変動時間特定手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記中断手段によって中断された図柄変動ゲームの残り時間と、前記変動時間特定手段によって特定された保留されている図柄変動ゲームの変動時間とに基づいて、入球率向上状態の付与が終了するまでの合算時間に関する報知を前記報知手段に実行可能に制御する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
図2】当り遊技の種類を説明する説明図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】変動パターンを説明する説明図。
図5】特別図柄開始処理を示すフローチャート。
図6】特別図柄変動中処理を示すフローチャート。
図7】役物ゲーム制御処理を示すフローチャート。
図8】(a)〜(h)は、演出表示装置の表示態様を説明する説明図。
図9】(a)〜(h)は、演出表示装置の表示態様を説明する説明図。
図10】(a)〜(d)は、パチンコ遊技機において行なわれる図柄変動ゲームの制御と役物抽選ゲームの制御と大当り遊技の制御とを示すタイミングチャート。
図11】(a)〜(d)は、パチンコ遊技機において行なわれる演出制御を示すタイミングチャート。
図12】報知演出の演出パターンを説明する説明図。
図13】事前情報判定処理を示すフローチャート。
図14】先読みコマンドを説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、図1図12を参照して本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1実施形態について説明する。
【0016】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する報知手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲーム(以下、「変動ゲーム」と示す)を含み、該変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。なお、演出表示装置11の変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
【0017】
また、演出表示装置11の右下には、14セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。この特別図柄表示装置12は、演出表示装置11とは別体で設けられている。表示手段としての特別図柄表示装置12では、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、変動ゲームは、特別図柄表示装置12において、特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄が1回として実行される。
【0018】
本実施形態において特別図柄表示装置12には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。特図は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得る図柄となるはずれ図柄(はずれ表示結果)とに分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
【0019】
また、本実施形態において演出表示装置11には、複数の図柄列毎に複数種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された図柄から当り又ははずれを認識し得る。
【0020】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄としては、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせである。
【0021】
また、特別図柄表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄としては、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせである。
【0022】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の図柄が一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列となり、左列及び右列がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。
【0023】
特別図柄表示装置12の右には、複数個(本実施形態では2個)の特図保留発光部を有する特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。なお、以下、変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を「保留記憶数」と示す。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口14に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、変動ゲーム中に始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。
【0024】
また、特別図柄保留表示装置13の右には、複数個(本実施形態では2個)の普図発光部を有する普通図柄表示装置20が配設されている。普通図柄表示装置20では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。なお、以下、普通図柄を「普図」と示し、普通図柄変動ゲームを「普図ゲーム」と示す。また、この普図ゲームにおいても変動ゲームと同じように、遊技盤10に配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで普図用の始動保留球(普図始動保留球)が記憶される。この普図始動保留球の記憶数(普図保留記憶数)は、作動ゲート19への遊技球の通過により、所定の上限数(本実施形態では「4」)を上限として「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。
【0025】
また、本実施形態においては、変動ゲーム及び普図ゲームとは別に、普通電動入賞口15に遊技球が入賞したことを条件として開放状態となる第1大入賞口24に入賞した遊技球が図示しない特殊通過領域を通過するか否かの役物抽選が行われる役物抽選ゲーム(以下、「役物ゲーム」と示す)が実行される。そして、役物抽選に当選した場合には、第1大入賞口24が閉鎖状態となった後に遊技者に大当り遊技が付与される。なお、本実施形態において、第1大入賞口24が所定回数(例えば1回)開放状態となってから閉鎖状態となるまでを役物ゲームとする。
【0026】
また、本実施形態において、原則として、変動ゲームと役物ゲームとが同時に実行されるように構成されている。その一方で、例外として、役物ゲームにおける役物抽選の当選による大当り遊技が開始すると、変動ゲームの実行中であった場合には、その変動ゲームの実行が中断され、役物ゲームにおける役物抽選の当選による大当り遊技が終了すると、中断されていた変動ゲームが再開される。また、変動ゲームにおける大当り抽選の当選による大当り遊技の実行中に、役物ゲームで特殊通過領域を遊技球が通過した場合には、役物ゲームにおける役物抽選の当選による大当り遊技が無効となる。また、普図ゲームは、変動ゲーム及び役物ゲームと同時に実行可能である。
【0027】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入賞口14aを有する始動入賞口14が配設されている。始動手段としての始動入賞口14の奥方には入賞した遊技球を検知する始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。始動入賞口14は、入賞した遊技球を始動口スイッチSW2で検知することにより、変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、図示しない発射ハンドルの発射操作に応じて発射された遊技球が符号Xに示すように遊技盤10の左側から転動したときと、符号Yに示すように遊技球が遊技盤10の右側から転動したときとの両方で始動入賞口14に入賞するように、障害釘等が配設されている。つまり、始動入賞口14は、遊技盤10の左側を主とする第1流路Xと、遊技盤10の右側を主とする第2流路Yとの両方に設けられている。
【0028】
演出表示装置11の右には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW1(図3に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW1で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、普通電動役物としての普通電動入賞口15の開閉羽根16を開放状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。即ち、普通当り抽選に当選すると、開閉羽根16の開放によって普通電動入賞口15に遊技球を入賞させ易くなる。
【0029】
また、演出表示装置11の右には、作動ゲート19の下方に、遊技球の作動口15a(普通入球口)を有する普通電動入賞口15が配設されている。可変入球手段としての普通電動入賞口15は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。普通電動入賞口15は、開閉手段としての開閉羽根16の開動作により作動口15aが開放されることで遊技球の入賞が許容される。つまり、普通電動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により開状態(第1状態)とされたときには、閉状態(第2状態)とされたときよりも作動口15aに遊技球が入賞(入球)し易くなる。そして、普通電動入賞口15の奥方には入賞した遊技球を検知する作動口スイッチSW3(図3に示す)が配設されている。普通電動入賞口15は、入賞した遊技球を作動口スイッチSW3で検知することにより、特段の抽選を行うことなく、第1大入賞口24の開放条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、本実施形態において、符号Xに示すように遊技球が遊技盤10の左側から転動したときには、符号Yに示すように遊技盤10の右側から転動したときよりも、普通電動入賞口15に入賞し難くなるように、障害釘等が配設されている。つまり、普通電動入賞口15は、遊技盤10の右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0030】
また、演出表示装置11の右には、作動ゲート19と第2始動入賞口との間に、遊技球が入賞可能な特殊入賞口24a(特殊入球口)を有する第1大入賞口24が配設されており、第1大入賞口ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動により両側方において開閉動作を行う第1大入賞口羽根23を備えている。特殊入賞口24aの奥方には、入賞した遊技球を検知する第1カウントスイッチSW4(図3に示す)が配設されている。特殊入球手段としての第1大入賞口24は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。第1大入賞口24は、普通電動入賞口15における作動口15aに遊技球が入賞すると、特殊開閉手段としての第1大入賞口羽根23の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、普通電動入賞口15に遊技球が入賞すると、遊技者は、賞球を獲得できる機会を得ることができる。
【0031】
普通電動入賞口15に遊技球が入賞すると、第1大入賞口24の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われ、第1大入賞口24に規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間(本実施形態では1.7s)が経過するまでの間、開閉される。
【0032】
また、第1大入賞口24の奥方には、図示しない特殊通過領域と、図示しない複数の一般通過領域(本実施形態では9つ)とが分岐流路として並列に形成されている。各通過領域は、第1大入賞口24に入賞した遊技球が通過可能に形成されている。また、特殊通過領域には、通過した遊技球を検知する特殊通過スイッチSW6(図3に示す)が配設されており、第1大入賞口24が開放状態となり、第1大入賞口24に入賞した遊技球が特殊通過領域を通過すると、変動ゲームにおいて大当り遊技が行われていなければ、大当り遊技が付与される。なお、本実施形態において、第1大入賞口24に入賞した遊技球が特殊通過領域を通過する確率としては、約1/10となっている。
【0033】
また、普通電動入賞口15の下には、遊技球が入賞可能な特別入賞口22a(特別入球口)を有する第2大入賞口22が配設されており、第2大入賞口ソレノイドSOL3(図3に示す)の作動により開閉動作を行う第2大入賞口扉21を備えている。第2大入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する第2カウントスイッチSW5(図3に示す)が配設されている。特別入球手段としての第2大入賞口22は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。第2大入賞口22は、変動ゲーム及び役物ゲームにおける各種抽選の当選による大当り遊技中に特別開閉手段としての第2大入賞口扉21の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できる機会を得ることができる。
【0034】
この大当り遊技は、大当り抽選の結果に基づいて大当りに当選し、特別図柄表示装置12の変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後に開始される。また、この大当り遊技は、役物ゲームにおいて第1大入賞口24における特殊通過領域への遊技球の通過することで役物抽選に当選し、第1大入賞口24が閉鎖状態となった後に開始される。
【0035】
大当り遊技が開始すると、第2大入賞口22が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(上限ラウンド数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、第2大入賞口22の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に第2大入賞口22に、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0036】
また、大当り遊技の終了後には、変動短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される場合がある。この変短状態では、開閉羽根16を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比較して短縮される。また、変短状態では、普通当り抽選に当選した際、非変短状態とは異なる動作パターンで開閉羽根16が開閉動作するようになっている。なお、本実施形態において、非変短状態で普通当り抽選に当選する場合には、開閉羽根16が短開放態様で開放する一方で、変短状態で普通当り抽選に当選する場合には、開閉羽根16が長開放態様で開放する。つまり、開閉羽根16は、変短状態では、非変短状態と比較して、1回の普通当りに対応する合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。このため、変短状態は、開閉羽根16が開放状態に動作し易い入球率向上状態であり、変動ゲームが実行され易くなる傾向がある。
【0037】
また、変短状態は、大当りの種類により、大当り遊技の終了後、予め定めた回数(本実施形態では2回)の変動ゲームを上限として付与される場合がある。なお、普通当りとなった場合に開閉羽根16が開放されるが、閉鎖する前であっても、入賞上限個数の遊技球が入賞したときには、開閉羽根16は閉鎖するようになっている。
【0038】
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機での仕様は以下の通りである。飾図としては[1]〜[8]の8種類の数字が採用されており、大当り図柄としては[111][222][333][444][555][666][777][888]が採用されている。また、当りの当選確率としては、220/65536が、普通当りの当選確率としては、21845/65536がそれぞれ規定されている。また、パチンコ遊技機における図示しない払出操作からの遊技球の賞球数としては、始動入賞口14及び普通電動入賞口15に対して3個が、第1大入賞口24及び第2大入賞口22に対して15個がそれぞれ規定されている。また、開閉羽根16の短開放態様としては、開閉羽根16が1回開放し、開放してから40ms経過するまで開放状態を維持する態様が規定されている。また、開閉羽根16の長開放態様としては、開閉羽根16が3回開放し、開放してから1600ms経過するまで開放状態を維持する態様が規定されている。また、開閉羽根16の閉鎖条件である入賞上限個数としては、「10球」が規定されている。また、各ラウンド遊技では、第1大入賞口24又は第2大入賞口22の開放回数として「1回」が、入賞上限個数として「8球」が、それぞれ設定されている。また、特別図柄表示装置12には、101種類の特図があり、100種類の大当り図柄と、1種類のはずれ図柄とに分類される。
【0039】
次に、図2に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について以下に説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、変動ゲームにおいて、大当り抽選に当選した場合に、2種類の大当りの中から1つの当りが決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置12に確定停止表示される100種類の特図の大当り図柄は、大当りの種類毎に分類される。
【0040】
そして、特別図柄表示装置12に確定停止表示される当り図柄のうち、図柄ZAには50種類の大当り図柄が、図柄ZBには50種類の小当り図柄が、それぞれ振分けられている。このように、特別図柄表示装置12に確定停止表示される特図の種類から大当りの種類が特定可能となる。
【0041】
図柄ZA又は図柄ZBに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときには、大当り遊技が生起される。この場合における大当り遊技では、第2大入賞口22を開放させるラウンド遊技が規定されており、ラウンド遊技の規定ラウンド数が「16回」に設定されている。
【0042】
その一方で、本実施形態のパチンコ遊技機では、役物ゲームにおいて、役物抽選に当選した場合に、1種類の大当りが決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与されるようになっている。
【0043】
役物抽選に当選したときにおける大当り遊技では、第2大入賞口22を開放させるラウンド遊技が規定されており、ラウンド遊技の規定ラウンド数が「15回」に設定されている。このため、第1大入賞口24の開放を1ラウンドとして、第1大入賞口24の開放と第2大入賞口22の開放とを連続させた大当り遊技は、ラウンド遊技の規定ラウンド数が実質的に「16回」に設定されているといえる。
【0044】
各ラウンド遊技の最大時間として各大当り遊技で「25(秒)」が、各ラウンド遊技における第2大入賞口22の開放回数として「1回」が、1回のラウンド遊技の入賞上限個数として「8球」が、それぞれ設定されている。また、各大当り遊技で、オープニング時間として「10(秒)」が、各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)として「2(秒)」が、エンディング時間として「15(秒)」が、それぞれ設定されている。
【0045】
また、変動ゲームにおいて、図柄ZAに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、「2回」の変動ゲームを上限として変短状態が付与されるようになっている。その一方で、図柄ZBに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、変短状態が付与されないようになっている。このように、変動ゲームでは、大当り抽選に当選した場合には、1/2の確率で、大当り遊技の終了後に変短状態が付与され、1/2の確率で、大当り遊技の終了後に変短状態が付与されないようになっている。つまり、大当り抽選の当選による大当り遊技を介して、非変短状態から変短状態に突入する変短突入率が50%となっている。
【0046】
また、役物ゲームにおいて、役物抽選に当選したときに付与される大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、「2回」の変動ゲームを上限として変短状態が付与されるようになっている。このように、役物ゲームでは、役物抽選に当選した場合には、必ず、大当り遊技の終了後に変短状態が付与され、大当り遊技の終了後に変短状態が付与されるようになっている。つまり、役物抽選の当選による大当り遊技を介して、変短状態の付与が継続される継続率が100%となっており、2回の変動ゲームが終了するまでに、役物抽選に当選させることによって、必ず変短状態の付与が継続されることとなる。
【0047】
このように、非変短状態では、開閉羽根16が短開放態様で開放状態となるため、普通電動入賞口15に遊技球が入賞し難く、始動入賞口14に遊技球を入賞させ、変動ゲームを主に実行させるように遊技が進行される。したがって、非変短状態では、約1/298の確率で大当りに当選することとなる。
【0048】
その一方で、変短状態では、開閉羽根16が長開放態様で開放状態となるため、普通電動入賞口15に遊技球が入賞し易く、普通電動入賞口15に遊技球を入賞させ、役物ゲームを主に実行させるように遊技が進行される。したがって、普図ゲームにおいて普通当りとなり、普通電動入賞口15が開放状態となる確率が約1/3、第1大入賞口24に入賞した遊技球が特殊通過領域を通過する確率が約1/10となっており、約1/30の確率で大当りとなる。
【0049】
次に、図3を参照してパチンコ遊技機の制御構成について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御手段としての主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が配設されている。報知制御手段としての演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。
【0050】
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW6が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、及び普通図柄表示装置20が接続されている。また、主制御用CPU30aには、普通電動役物ソレノイドSOL1、第1大入賞口ソレノイドSOL2、及び第2大入賞口ソレノイドSOL3が接続されている。
【0051】
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン決定用乱数の値などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、当り抽選(当り判定)で用いる乱数である。特図振分乱数は、当り図柄となる特図の決定で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン決定用乱数は、変動パターンの決定で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、普図ゲームにおいて普通当りとなるか否かを判定する場合に用いる普通当り判定用乱数が記憶されている。
【0052】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(当り判定値など)が記憶されている。当り判定値は、当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
【0053】
また、主制御用ROM30bには、変動ゲームに関する複数種類の変動パターンが記憶されている。これらの変動パターンは、変動ゲームが開始してから変動ゲームが終了するまでの間の演出(遊技演出)のベースとなるパターンであって、変動ゲームの変動時間(演出時間)を特定(指定)することができ、変動ゲームの変動内容(演出内容)も特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用変動パターン、はずれリーチ変動用変動パターン、及びはずれ変動用変動パターンに分類できる。大当り変動は、大当り遊技が付与されると決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的に当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれリーチ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経ないで、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。
【0054】
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの演出制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
【0055】
ここで、図4を参照して本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて説明する。
本実施形態では、図4に示すように、変動パターンとして、変動ゲームの変動時間を指定する変動パターンが設定されている。具体的な一例としては、変動時間として、変動パターンP01が12sに、変動パターンP02が3sにそれぞれ規定されている。また、変動パターンP11が1sに、変動パターンP21が60sに、変動パターンP22が120sに、変動パターンP23が180sに、変動パターンP24が240sに、変動パターンP25が300sにそれぞれ規定されている。特に、変動パターンP11は、変動パターンP01,P02よりも短い変動時間として規定されており、変動パターンP21〜P25は、変動パターンP01,P02よりも長い変動時間として規定されている。
【0056】
これら変動パターンは、主に、大当り遊技が付与されるか否か、はずれとなる場合においてリーチ演出を実行するか否かによって選択される。具体的には、変動パターンP04,P31が大当り変動用の変動パターンとして規定されている。また、変動パターンP03がはずれリーチ変動用の変動パターンとして、変動パターンP01,P02,P11,P21〜P25がはずれ変動用の変動パターンとして規定されている。
【0057】
また、変動パターンP02は、変動パターンP01の変動時間を短縮させる変動パターンであり、変動パターンP01と比較して、左列及び右列の図柄(飾図)が一旦停止表示されるまでの時間を短縮された変動パターンであり、右列の図柄が一旦停止表示されてから変動ゲームが終了するまでは同じ演出が実行されることとなる。なお、変動パターンP01,P02は、保留記憶数に応じて何れかが決定される変動パターンであり、保留記憶数が大きくなるにつれて、変動パターンP02が決定され易くなる。なお、変動パターンP01,P02は、変動パターンP03や変動パターンP04と比較して選択され易く、それらのうちで最も選択され易い変動パターンである。
【0058】
また、これら変動パターンは、変短状態が付与されているときと、変短状態が付与されていない通常状態(非変短状態)であるときとに分類される。変動パターンP01〜P04は、通常状態であるときに選択される変動パターンであり、変動パターンP11,P21〜P25,P31は、変短状態であるときに選択される変動パターンである。
【0059】
また、変短状態において選択される変動パターンには、特殊条件によって、選択可能な変動パターンが異なる。この特殊条件とは、大当り遊技の終了後に変短状態が付与されている場合に、その大当り遊技の終了後に実行された変動ゲームの実行回数によって異なる。具体的に、大当り遊技の終了後、1回目の変動パターンにおいて、はずれ変動用の変動パターンが選択される場合には、変動時間が1sとなる変動パターンP11が選択される。その一方で、大当り遊技の終了後、2回目の変動パターンにおいて、はずれ変動用の変動パターンが選択される場合には、変動時間が60s以上となる変動パターンP21〜P25が選択される。
【0060】
なお、本実施形態において、変短状態において選択される変動パターンとしては、大当り変動用の変動パターンが選択される場合には、特殊条件に拘わらず、変動時間が1sとなる変動パターンP31が選択される。また、変短状態において選択される変動パターンとしては、はずれリーチ変動用の変動パターンが規定されていない。
【0061】
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づいて実行する特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、特別図柄変動中処理、普通図柄入力処理、普通図柄開始処理、役物ゲーム制御処理などの各種処理について以下に説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では、4ms)毎に各種処理を実行する。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する主制御用CPU30aが情報取得手段、当り判定手段、大当り判定手段、当り種類決定手段、変動時間決定手段、時間決定手段、遊技状態制御手段、普通当り判定手段、開閉制御手段、特殊開閉制御手段、中断手段、再開手段として機能し、主制御用RAM30cが保留記憶手段として機能する。
【0062】
まず、特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、始動入賞口14に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を「1」加算する。保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では当り判定用乱数の値など)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。また、主制御用CPU30aは、保留記憶数を指定する保留指定コマンドを演出制御基板31に出力する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0063】
次に、図5を参照して特別図柄開始処理について説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、図5に示すように、主制御用RAM30cに割り当てられた特図制御フラグが「0」であるか否かを判定する(ステップS11)。この特図制御フラグは、特別図柄表示装置12における変動ゲームの変動状態を示すものであり、変動ゲームが実行可能である場合には「0」が、変動ゲームが実行中である場合には「1」が、変動ゲームが終了した場合には「2」が、それぞれ設定される。つまり、主制御用CPU30aは、変動ゲームが実行されておらず、新たな変動ゲームが実行可能であることを判定することとなる。この判定結果が否定(特図制御フラグが「0」ではない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その一方で、判定結果が肯定(特図制御フラグが「0」である)の場合、主制御用CPU30aは、ステップS12に移行する。
【0064】
ステップS12において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられたシステムフラグが「0」であるか否かを判定する。このシステムフラグは、変動ゲームの結果に基づく大当り遊技、又は役物ゲームの結果に基づく大当り遊技が実行中であるか否かを示すものであり、実行中である場合には「1」が、実行中ではない場合には「0」が、それぞれ設定される。なお、変動ゲームにおいて大当り遊技が実行中である場合には本処理を実行しないため、主制御用CPU30aは、役物ゲームにおいて大当り遊技が行われているか否かを判定することとなる。この判定結果が否定(システムフラグが「0」ではない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0065】
その一方で、この判定結果が肯定(システムフラグが「0」である)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を読み出し(ステップS13)、保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する保留判定処理を実行する(ステップS14)。主制御用CPU30aは、保留記憶数が「0」である場合、特別図柄開始処理を終了する。その一方で、主制御用CPU30aは、保留記憶数が「1」以上の場合、特図制御フラグに「1」を設定し(ステップS15)、変動ゲームが実行中となったことを特定可能とする。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数を「1」減算し(ステップS16)、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数を指定する保留指定コマンドを演出制御基板31に出力し、ステップS17に移行する。
【0066】
ステップS17において、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする(ステップS18)。
【0067】
この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる変動ゲームであることを示す第1大当りフラグに「1」を設定し(ステップS19)、ステップS20に移行する。ステップS20において、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた変動パターン決定用乱数の値と、変短状態が付与されているか否かを示す作動フラグの値とを主制御用RAM30cから読み出し、該変動パターン決定用乱数の値と、作動フラグとに基づいて、変動ゲームにおける大当り変動用の変動パターンを決定する(ステップS21)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS22に移行する。
【0068】
その一方で、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを特定する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う(ステップS23)。なお、リーチ判定値としては、変短状態が付与されているか否か、減算後の保留記憶数によって異なる値が定められており、リーチ演出を実行させるか否かを決定する確率が異なる場合がある。特に、本実施形態において、変短状態である場合には、リーチ判定が肯定とならないように規定されている。
【0069】
このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選したことから、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する(ステップS24)。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた変動パターン決定用乱数の値と、作動フラグの値とを主制御用RAM30cから読み出し、該変動パターン決定用乱数の値と、作動フラグとに基づいて、はずれリーチ変動用の変動パターンを決定する(ステップS25)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS22に移行する。
【0070】
その一方で、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選しなかったことから、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する(ステップS26)。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた変動パターン決定用乱数の値と、作動フラグの値とを主制御用RAM30cから読み出し、該変動パターン決定用乱数の値と、作動フラグとに基づいて、はずれ変動用の変動パターンを決定する(ステップS27)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS22に移行する。
【0071】
ステップS22において、主制御用CPU30aは、変動ゲームに係る各種処理を実行し、特別図柄開始処理を終了する。具体的には、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられた変動タイマに、決定した変動パターンにより指定される変動時間を設定し、特別図柄表示装置12における特図の変動制御を行う。
【0072】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図用の特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図の確定停止表示に際して全図柄停止コマンドを演出制御基板31に出力する。
【0073】
主制御用CPU30aは、大当りに当選した場合、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づいて特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31の演出制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。なお、ここでいう大当りの種類としては、変動ゲームにおいて大当り抽選に当選した場合と、役物ゲームにおいて役物抽選に当選した場合とに分類される。主制御用CPU30aは、変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンドの開始毎にラウンドコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンドのラウンド遊技が終了すると、インターバル時間の経過後にエンディングコマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、エンディング時間の経過後、大当りフラグをクリアし、大当り遊技を終了させる。なお、主制御用CPU30aは、大当りに当選した場合、第1大入賞口24を開放させるときに、開放信号を出力し、第1大入賞口24を閉鎖させるときに、閉鎖信号を出力する。
【0074】
また、主制御用CPU30aは、作動フラグの制御により、変短状態に関する遊技状態の制御を行うこととなる。具体的には、主制御用CPU30aは、大当り遊技の種類に拘わらず、大当り遊技の開始時に、作動フラグをクリアする(「0」を設定する)。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に、当選した当りの種類に基づいて、変短状態を付与するか否か、変短状態を付与する上限回数を決定する。そして、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合には、変短状態を付与することを示す値を作動フラグに設定する。そして、主制御用CPU30aは、作動フラグに対応する変短指定コマンドを演出制御基板31に出力する。変短指定コマンドは、変短状態が付与されているか否かを示すコマンドである。このように、主制御用CPU30aは、当りの種類に基づいて、当り遊技の終了後に変短状態を付与可能に制御するとともに、変短状態が付与される場合に、変短状態が付与される変動ゲームの上限回数を決定することとなる。
【0075】
また、主制御用CPU30aは、予め定めた回数(本実施形態では2回)を上限回数として変短状態が付与される場合には、その回数を示す値を作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。また、主制御用CPU30aは、変動ゲーム毎に(変動ゲームの終了時に)作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグをクリアし、変短終了コマンドを演出制御基板31に出力する。この変短終了コマンドは、変短状態が終了した旨を示すコマンドである。なお、本実施形態において、変動ゲームの実行中に役物抽選に当選した場合には、主制御用CPU30aは、変動ゲームを中断させ、大当り遊技の終了後に再開させることとなるが、再開させた変動ゲームを1回目の変動ゲームとして特定することとなる。
【0076】
なお、本実施形態において、ステップS21,S25,S27において、変動パターンが決定されるが、この変動パターンの決定について以下に説明する。
主制御用CPU30aは、変動パターン決定用乱数の値と、作動フラグとに基づいて、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、はずれ変動用の変動パターンを決定することとなる。
【0077】
特に、主制御用CPU30aは、作動フラグに基づいて変短状態であると特定した場合において、はずれ変動用変動パターンを選択するときには、主制御用RAM30cから作動回数を読み出し、該作動回数に基づいて、変動パターンを決定する。主制御用CPU30aは、作動回数が「2」である場合、即ち、大当り遊技が終了して1回目の変動ゲームにおいては、はずれ変動用変動パターンとして変動パターンP11を決定する。その一方で、主制御用CPU30aは、作動回数が「1」である場合、即ち、大当り遊技が終了して2回目の変動ゲームにおいては、はずれ変動用変動パターンとして変動パターンP21〜P25のうち何れかを決定する。
【0078】
また、主制御用CPU30aは、非変短状態である場合においてはずれ変動用変動パターンを選択する場合には、変動時間が12sとなる変動パターンP01、又は変動時間が3sとなる変動パターンP02を決定する。
【0079】
このように、主制御用CPU30aは、変短状態である場合と非変短状態である場合とで、異なる変動パターンを決定することとなる。特に、はずれ変動用変動パターンが決定される場合において、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームにおいては、非変短状態で選択されるはずれ変動用変動パターンP01,P02よりも短い変動時間の変動パターンP11が決定される。その一方で、はずれ変動用変動パターンが決定される場合において、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームにおいては、非変短状態で選択されるはずれ変動用変動パターンP01,P02よりも長い変動時間の変動パターンP21〜P25が決定される。
【0080】
次に、図6を参照して特別図柄変動中処理について説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、図6に示すように、主制御用RAM30cに割り当てられた特図制御フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS31)。つまり、主制御用CPU30aは、変動ゲームが実行中であるか否かを判定することとなる。この判定結果が否定(特図制御フラグが「1」ではない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄変動中処理を終了する。その一方で、判定結果が肯定(特図制御フラグが「1」である)の場合、主制御用CPU30aは、ステップS32に移行する。
【0081】
ステップS32において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられたシステムフラグが「0」であるか否かを判定する。なお、変動ゲームにおいて大当り遊技が実行中である場合には本処理を実行しないため、主制御用CPU30aは、役物ゲームにおいて大当り遊技が行われているか否かを判定することとなる。この判定結果が肯定(システムフラグが「0」である)の場合、主制御用CPU30aは、ステップS33に移行する。その一方で、この判定結果が否定(システムフラグが「0」ではない)の場合、主制御用CPU30aは、ステップS41に移行する。
【0082】
ステップS33において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられた中断フラグから値を読み出し、中断フラグが「0」であるか否かを判定する。中断フラグは、役物ゲームで大当り遊技の実行中である場合に、変動ゲームを中断しているか否かを示すものであり、変動ゲームの実行が中断されている場合に「1」が、変動ゲームの実行が中断されていない場合に「0」が、それぞれ設定される。ステップS33の判定結果が肯定の場合(中断フラグが「0」である)、主制御用CPU30aは、ステップS34〜S36を実行することなく、ステップS37に移行する。その一方で、ステップS33の判定結果が否定の場合(中断フラグが「0」ではない)、主制御用CPU30aは、ステップS34に移行する。このように、主制御用CPU30aは、変動ゲームが実行中であり、役物ゲームにおける大当り遊技が行われていない場合において、中断フラグが「1」であるときには、その中断を解除させるべく、ステップS34〜S36を実行することとなる。
【0083】
ステップS34において、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行の中断を解除させるべく、主制御用RAM30cに割り当てられた中断フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行の中断を解除させることを示す特図中断解除指定コマンドを主制御用RAM30cに設定し(ステップS35)、特別図柄表示装置12における特図の変動を再開させ(ステップS36)、ステップS37に移行する。このように、主制御用CPU30aは、変動ゲームを中断させた場合において、役物ゲームにおける大当り遊技が終了したときには、その変動ゲームを再開させることとなる。
【0084】
ステップS37において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられた変動タイマを減算し、その変動タイマから値を読み出し、変動タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップS38)。つまり、主制御用CPU30aは、特図を確定停止表示させるタイミングであるか否かを判定することとなる。ステップS38の判定結果が否定の場合(変動タイマが「0」ではない)、主制御用CPU30aは、ステップS39,S40を実行することなく、特別図柄変動中処理を終了する。その一方で、ステップS38の判定結果が肯定の場合(変動タイマが「0」である)、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行を終了させるべく、ステップS39に移行する。
【0085】
ステップS39において、主制御用CPU30aは、変動ゲームにおける特図を確定停止表示させることを示す全図柄停止コマンドを主制御用RAM30cに設定し、特別図柄表示装置12における特図の変動停止制御を行い、特図制御フラグに「2」を設定し(ステップS40)、特別図柄変動中処理を終了する。
【0086】
その一方で、ステップS41において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられた中断フラグを読み出し、中断フラグが「0」であるか否かを判定する。ステップS41の判定結果が否定の場合(中断フラグが「0」ではない)、主制御用CPU30aは、ステップS42〜S44を実行することなく、特別図柄変動中処理を終了する。その一方で、ステップS41の判定結果が肯定の場合(中断フラグが「0」である)、主制御用CPU30aは、ステップS42に移行する。
【0087】
ステップS42において、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行を中断させるべく、主制御用RAM30cに割り当てられた中断フラグに「1」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行を中断させることを示す特図中断指定コマンドを主制御用RAM30cに設定し(ステップS43)、特別図柄表示装置12における特図の変動を中断させ(ステップS44)、特別図柄変動中処理を終了する。このように、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行中に、特殊通過領域への遊技球の通過により、役物抽選に当選し、大当り遊技が生起された場合には、その実行中の変動ゲームを中断させることとなる。なお、特別図柄表示装置12は、特図を変動表示させたままとなる。
【0088】
次に、特別図柄終了処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられた特図制御フラグが「2」であるか否かを判定する。つまり、主制御用CPU30aは、実行されていた変動ゲームが終了したか否かを判定することとなる。この判定結果が否定(特図制御フラグが「2」ではない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄終了処理を終了する。その一方で、判定結果が肯定(特図制御フラグが「2」である)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられたシステムフラグが「0」であるか否かを判定する。なお、変動ゲームにおいて大当り遊技が実行中である場合には本処理を実行しないため、主制御用CPU30aは、役物ゲームにおいて大当り遊技が行われているか否かを判定することとなる。そして、この判定結果が否定(システムフラグが「0」ではない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄終了処理を終了する。その一方で、この判定結果が肯定(システムフラグが「0」である)の場合、主制御用CPU30aは、特図制御フラグに「0」を設定し、第1大当りフラグが「1」であるならば、システムフラグに「1」を設定し、特別図柄終了処理を終了する。
【0089】
次に、普図ゲームに関する普通図柄入力処理について以下に説明する。
普通図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート19を通過したと判定した場合、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。そして、その判定結果が肯定(普図保留記憶数<「4」)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を「1」加算し、普図保留記憶数を書き換える。続いて、主制御用CPU30aは、普通当り判定用乱数や普図振分乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を普図保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定し、普通図柄入力処理を終了する。
【0090】
次に、普図ゲームに関する普通図柄開始処理について以下に説明する。
主制御用CPU30aは、普図が変動表示中又は普通当り遊技中ではない場合において、読み出した普図保留記憶数が「0」よりも大きいときには、普図保留記憶数を「1」減算し、当該普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した普通当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定して普通当り判定を行う。つまり、主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート19を通過し、普図保留記憶数が「4」未満であるというように普通始動条件の成立により、普図ゲームが普通当りとなるか否かを判定することとなる。
【0091】
普通当り判定の結果が肯定である場合、主制御用CPU30aは、普通当りとなる普図ゲームであることを示す普通当りフラグを主制御用RAM30cに設定する。
そして、主制御用CPU30aは、普通当りを決定した場合、普図ゲームの終了後、普通当り遊技に関する制御を実行する。また、主制御用CPU30aは、普図ゲームが開始したときに変短状態が付与されているか否かによって異なる開放態様にて、開閉羽根16を開放させるよう普通電動役物ソレノイドSOL1を制御する。具体的に、主制御用CPU30aは、普図ゲームが開始したときに変短状態が付与されていない場合には、短開放態様で開閉羽根16を開放させるように普通電動役物ソレノイドSOL1を制御する(本実施形態では40ms開放)。その一方で、主制御用CPU30aは、普図ゲームが開始したときに変短状態が付与されている場合には、長開放態様で開閉羽根16を開放させるように普通電動役物ソレノイドSOL1を制御する(本実施形態では1600ms3回開放)。このように、変短状態が付与されていない場合には、普通電動入賞口15が開放されるものの、開閉羽根16が開放される時間が極めて短く設定されているため、普通電動入賞口15に遊技球がほとんど入賞しない。その一方で、変短状態が付与されている場合には、普通電動入賞口15が開放され、開閉羽根16が開放される時間が普通電動入賞口15に遊技球が入賞可能な時間として設定されているため、普通電動入賞口15に遊技球が入賞し易い。
【0092】
また、本実施形態において、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されているか否かに応じた普図ゲームの変動パターンを選択し、決定する。これにより、主制御用CPU30aは、変短状態では、非変短状態よりも普図ゲームの変動時間を短くさせるよう制御するとともに、1回の普通当りに対応する合計開放時間を長く開放させるよう制御する。
【0093】
また、普通図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、普通当りを決定した場合、普図ゲームの終了後、普通当り遊技に関する制御を実行する。主制御用CPU30aは、普図ゲームが開始したときに非変短状態である場合には、短開放態様で開閉羽根16を開放させるよう普通電動役物ソレノイドSOL1を制御する。その一方で、主制御用CPU30aは、普図ゲームが開始したときに変短状態である場合には、長開放態様で開閉羽根16を開放させるよう普通電動役物ソレノイドSOL1を制御する。
【0094】
また、主制御用CPU30aは、普通電動入賞口15に遊技球が入賞した場合には、第1大入賞口24の開閉制御中であるか否かを判定する。第1大入賞口24の開閉制御中ではないと判定した場合、主制御用CPU30aは、第1大入賞口ソレノイドSOL2に開放信号及び閉鎖信号を出力し、第1大入賞口24の開閉制御を行う。
【0095】
次に、図7を参照して役物ゲーム制御処理について説明する。この役物ゲーム制御処理は、役物抽選の当選による大当り遊技が実行されておらず、第1大入賞口24の開閉制御が開始されている場合に、所定の周期毎に主制御用CPU30aに呼び出される。つまり、主制御用CPU30aは、普通電動入賞口15に遊技球が入賞したことを一つの条件として、第1大入賞口24の開閉制御が行われるときに、所定の周期毎に役物ゲーム制御処理を呼び出すこととなる。
【0096】
最初に、主制御用CPU30aは、図7に示すように、特殊通過スイッチSW6からの通過信号に基づいて特殊通過領域への遊技球の通過を検知したか否かを判定する(ステップS51)。この判定結果が否定(特殊通過領域への遊技球の通過を検知していない)の場合、主制御用CPU30aは、役物ゲーム制御処理を終了する。その一方で、この判定結果が肯定(特殊通過領域への遊技球の通過を検知した)の場合、ステップS52に移行する。
【0097】
ステップS52において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられたシステムフラグが「0」であるか否かを判定する。なお、役物ゲームにおいて大当り遊技が実行中である場合には本処理を実行しないため、主制御用CPU30aは、変動ゲームにおいて大当り遊技が行われているか否かを判定することとなる。この判定結果が否定(システムフラグが「0」ではない)の場合、主制御用CPU30aは、役物ゲーム制御処理を終了する。その一方で、この判定結果が肯定(システムフラグが「0」である)の場合、主制御用CPU30aは、役物抽選に当選したことを示す第2大当りフラグに「1」を設定し(ステップS53)、変動ゲームに係る各種処理を実行し(ステップS54)、役物ゲーム制御処理を終了する。具体的には、主制御用CPU30aは、特殊通過領域を通過したことを指定する特殊通過コマンドを演出制御基板31に出力する。
【0098】
また、役物ゲーム制御処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、第1大入賞口24の開閉制御が終了する終了条件が成立した場合、第2大当りフラグから値を読み出し、第2大当りフラグが「1」であるならば、システムフラグに「1」を設定する。
【0099】
次に、各種演出を含む変動ゲームを実行させるために演出制御用CPU31aが実行する制御内容について以下に説明する。
主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、演出制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。
【0100】
具体的に、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び当該特図指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づいて、演出表示装置11に表示させる飾図を決定する。
【0101】
より詳しくは、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が付与される大当り図柄の場合、飾図を大当り図柄の中から決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動となる変動パターン指定コマンドを入力した場合、リーチ状態を形成するはずれ図柄の中から飾図を決定し、はずれ変動となる変動パターン指定コマンドを入力した場合、リーチ状態を形成しないはずれ図柄の中から飾図を決定する。
【0102】
そして、演出制御用CPU31aは、飾図の変動表示を開始するように演出表示装置11の表示制御を行い、全図柄停止コマンドを入力すると、決定した飾図を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示制御を行う。また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの入力により、該変動パターン指定コマンドにより指定された変動時間を特定するとともに、変動時間計数カウンタに変動時間を設定し、時間の経過毎に変動時間計数カウンタの値を減算(更新)することで、変動ゲームが開始されてからの経過時間を計数する。
【0103】
また、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、該コマンドに対応するオープニング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、ラウンドコマンドを入力すると、各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0104】
また、演出制御用CPU31aは、変短指定コマンド、変短終了コマンドを入力すると、当該コマンドに対応する値を演出制御用RAM31cに設定する。特に、演出制御用CPU31aは、大当りとなる変動ゲームの開始時に特図指定コマンドを入力すると、特図の種類から大当りの種類が特定可能である。また、演出制御用CPU31aは、その大当りの種類に基づいて、変短状態が付与されるか否か、変短状態の上限回数が特定可能である。そして、演出制御用CPU31aは、変短状態が付与された場合には、演出制御用RAM31cに割り当てられた作動回数に特定した変短状態の上限回数を設定する。この作動回数は、変短状態が付与された回数を計数するためのカウンタである。そして、演出制御用CPU31aは、作動回数が「0」となるまで、変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算する。
【0105】
演出制御用CPU31aは、特殊通過コマンドを入力すると、そのコマンドを演出制御用RAM31cに設定する。また、演出制御用CPU31aは、特図中断指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31cに中断フラグを設定し、変動ゲームが開始してからの経過時間の計数も中断させる。その一方で、演出制御用CPU31aは、特図中断解除指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31cに中断フラグをクリアし、変動ゲームが開始してからの経過時間の計数を再開させる。
【0106】
なお、本実施形態において、変短状態において、変短状態の付与が継続可能な時間(継続可能時間)を示す継続可能時間報知演出が実行される。この継続可能時間報知演出には、逐次に継続可能時間をカウントダウンするカウントダウン演出と、大当り遊技の終了後に継続可能時間を報知する初期時間演出と、初期時間演出が実行された後であり、所定の時間となったときに継続可能時間を報知する上乗せ時間演出とが含まれている。
【0107】
ここで、図8及び図9を参照して演出表示装置11の画像表示部GHに表示される画像の具体的な一例について説明する。
まず、非変短状態において、図8(a)に示すように、画像表示部GHには、飾図の変動表示が行われる。そして、図8(b)に示すように、はずれ図柄が確定停止表示される場合がある。その一方で、図8(c)に示すように、飾図の変動表示が行われ、左列の飾図と右列の飾図とが一致するように一旦停止表示され、リーチ状態となり、図8(d)に示すように、大当り図柄が確定停止表示される場合もある。
【0108】
図8(e)に示すように、変動ゲームにおける大当り抽選の当選による大当り遊技が開始されると、第2大入賞口22に遊技球を入賞させることを促すように、「右打ちをしてください」という画像が表示される。そして、図8(f)に示すように、その大当り遊技が終了すると、図8(g)に示すように、変短状態が付与される場合があり、そのときには、「チャンスタイム」、「ReadyGo!」という開始画像が表示され、変短状態が開始されることを示す開始演出が実行される。
【0109】
続いて、図8(h)に示すように、変短状態において敵キャラクタと戦う味方キャラクタが表示され、変短状態の付与が継続可能な継続可能時間が1分であることを示す画像が表示され、初期時間演出が実行される。なお、この場合において、継続可能時間を示す画像が表示されてから1分経過すると必ず変短状態が終了するわけではなく、最低限1分間は変短状態の付与が継続されることを示している。なお、この変動ゲームでは、実際には、変動時間が180sとなる変動パターンP23が決定されており、その変動パターンに基づく変動ゲームが終了する3分後に変短状態の付与が終了することとなるが、継続可能時間として、3分以内(3分を含む)の時間が1分刻みで報知可能となる。また、画像表示部GHの右上には、その継続可能時間に対応するカウントダウン画像が表示され、カウントダウン演出の実行が開始される。
【0110】
そして、時間が経過する毎にカウントダウン画像が変化していき、大当りとなることなく、報知された継続可能時間である1分が経過したときには、図9(a)に示すように、継続可能時間が2分上乗せされることを示す上乗せ時間画像が表示され、上乗せ時間演出が実行される。なお、この場合においても、継続可能時間を示す画像が表示されてから2分経過すると必ず変短状態が終了するわけではなく、最低限2分間は変短状態の付与が継続されることを示している。また、画像表示部GHの右上には、その継続可能時間に対応するカウントダウン画像が表示され、カウントダウン演出の実行が開始される。
【0111】
また、このように変短状態が付与されている間には、味方キャラクタが走り周る演出が実行され、図9(b)に示すように、敵キャラクタと戦うことがあり、役物抽選に当選した場合には、図9(c)に示すように、敵キャラクタとの戦いに勝利し、大当りとなる。また、この場合において、カウントダウン画像として24.36sが表示されている。
【0112】
そして、役物ゲームにおける役物抽選の当選による大当り遊技が開始され、図9(d)に示すように、大当り遊技が終了すると、再度、カウントダウン画像として24.36sが表示され、図9(e)に示すように、継続可能時間として、中断した変動ゲームの残りの変動時間を示す画像が表示され、初期時間演出が実行される。
【0113】
そして、時間が経過する毎にカウントダウン画像が変化していき、大当りとなることなく、24.36sが経過したときには、図9(f)に示すように、報知された継続可能時間が3分上乗せされることを示す上乗せ時間画像が表示され、上乗せ時間演出が実行される。なお、この場合においても、上乗せ時間画像が表示されてから3分経過すると必ず変短状態が終了するわけではなく、最低限3分間は変短状態の付与が継続されることを示している。なお、この変動ゲームでは、実際には、変動時間が300sとなる変動パターンP23が決定されており、その変動パターンに基づく変動ゲームが終了する3分後に変短状態の付与が終了することとなるが、継続可能時間として、3分以内(3分を含む)の時間が1分刻みで報知可能となる。また、画像表示部GHの右上には、その継続可能時間に対応するカウントダウン画像が表示され、カウントダウン演出の実行が開始される。
【0114】
また、時間が経過する毎にカウントダウン画像が変化していき、大当りとなることなく、3分が経過したときには、図9(g)に示すように、変短状態の付与が終了することを示す「チャンスタイム終了」という終了画像が表示され、変短状態から非変短状態となる場合もある。
【0115】
次に、図10を参照して遊技の進行について説明する。なお、図10においては、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームとして、変動時間が300sとなる変動パターンP25が決定されたことを前提としている。
【0116】
まず、図10(a)に示すように、非変短状態において変動ゲームで大当り抽選に当選した場合には、符号T0に示すタイミングから符号T1に示すタイミングまで変動ゲームが実行される。そして、符号T1に示すタイミングから符号T2に示すタイミングまで、変動ゲームにおける大当り抽選の当選による大当り遊技が行われる。
【0117】
そして、その大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合には、符号T2に示すタイミングから符号T10に示すタイミングまで、1回目の変動ゲームが実行される。この1回目の変動ゲームにおいてはずれとなる場合には、変動時間が1sである変動パターンP11が決定される。
【0118】
次に、1回目の変動ゲームが終了した場合において、2回目の変動ゲームにおいて、はずれとなり、変動時間が60sである変動パターンP21が決定されたときには、符号T10のタイミングから符号T11のタイミングまで、2回目の変動ゲームが実行され、変短状態が終了する。この場合、60s(1分)を単位期間とすると、単位期間1個分となる第1期間で2回目の変動ゲームが実行されることとなる。
【0119】
図10(b)に示すように、2回目の変動ゲームにおいて、はずれとなり、変動時間が120sである変動パターンP22が決定されたときには、符号T10のタイミングから符号T12のタイミングまで、2回目の変動ゲームが実行され、変短状態が終了する。この場合、単位期間2個分となる第1期間と第2期間とで2回目の変動ゲームが実行されることとなる。
【0120】
図10(c)に示すように、2回目の変動ゲームにおいて、はずれとなり、変動時間が300sである変動パターンP25が決定されたときには、符号T10のタイミングから符号T15のタイミングまで、2回目の変動ゲームが実行され、変短状態が終了する。この場合、単位期間5個分となる第1〜第5期間で2回目の変動ゲームが実行されることとなる。
【0121】
このように、変動ゲームにおける大当り抽選の当選による大当り遊技の終了後に変短状態が付与された場合には、1回目の変動ゲームにおいて、はずれとなるときには、変動時間が1sである変動パターンP11が決定され、相対的に短い時間で終了するように規定されている。
【0122】
そして、2回目の変動ゲームにおいて、はずれとなるときには、変動時間が1〜5分である変動パターンP21〜P25が決定される。このように2回目の変動ゲームにおいて決定される変動パターンの種類によって、変短状態の付与が継続する時間が異なることとなる。なお、本実施形態において、変動ゲームが実行されていない状態で役物抽選に当選したときにも同じような制御が行われる。
【0123】
続いて、変短状態の付与が継続している間に、右打ちを行い、役物抽選に当選させて、役物抽選の当選による大当り遊技が生起され、変短状態の付与を継続させるように遊技を進行させる。また、右打ちが行われても始動入賞口14に遊技球が入賞するため、変動ゲームにおいて大当り抽選の当選による大当り遊技が生起され、変短状態の付与を継続可能となるように遊技を進行させることにもなり得る。
【0124】
また、変短状態において、変動ゲームの実行中に役物抽選に当選した場合には、図10(d)に示すように、変動ゲームの実行が中断される。具体的に、変動ゲームの変動時間が時間Taである場合において、符号T4に示すタイミングのように、変動ゲームが開始してから時間Tbが経過し、残りの変動時間が時間Tcとなったときに役物ゲームで役物抽選に当選したときには、そのタイミングでその変動ゲームが中断される。そして、符号T4に示すタイミングから符号T5に示すタイミングまで、役物抽選の当選による大当り遊技が行われる。
【0125】
続いて、役物抽選の当選による大当り遊技の終了後に、中断した変動ゲームが、1回目の変動ゲームとして再開される。この場合、1回目の変動ゲームとしては、変動パターンP11などが選択されるわけではなく、中断させた変動ゲームが実行され、残りの変動時間分である時間Tcが変動時間となる。そして、2回目の変動ゲームにおいて、はずれとなる場合には、変動パターンP21〜P25のうち何れかが決定される。
【0126】
このように、変動ゲームの実行中に役物抽選の当選による大当り遊技の終了後に変短状態が付与された場合には、1回目の変動ゲームにおいて、中断されている変動ゲームが特定される。この場合、1回目の変動ゲームの変動時間が、中断された変動ゲームの残りの変動時間となる。
【0127】
そして、2回目の変動ゲームにおいては、変動ゲームによる大当り遊技の終了後と同じように、はずれとなるときには、変動時間が1〜5分である変動パターンP21〜P25が決定される。このように2回目の変動ゲームにおいて決定される変動パターンの種類によって、変短状態の付与が継続する時間が異なることとなる。つまり、複数種類の変動パターンP21〜P25の変動時間(規定時間)が、中断された変動ゲームの終了後において、変短状態の付与が終了する2回目の変動ゲームが終了するまでの時間として規定されているともいえ、それらの何れかが決定されることとなる。
【0128】
次に、図11を参照して遊技の進行に伴う演出の実行タイミングについて説明する。
図11(a)に示すように、変動ゲームにおける大当り抽選の当選による大当り遊技の終了後に変短状態が付与された場合には、符号T2に示すタイミングから符号T10に示すタイミングまで、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームが実行されることとなるが、そのときには、開始演出が実行される。
【0129】
次に、符号T10に示すタイミングから符号T15に示すタイミングまで、2回目の変動ゲームが実行される場合、符号T10に示すタイミングから符号T15に示すタイミングまで、カウントダウン演出が実行される。
【0130】
また、符号T10に示すタイミングから所定時間で、初期時間演出が実行される。この初期時間演出においては、5分後に変短状態の付与が終了するものの、その時間以内である2分が継続可能時間であると報知される。
【0131】
そして、2回目の変動ゲームが開始し、継続可能時間が2分であると初期時間演出により報知されてから2分が経過すると、符号T12に示すタイミングから所定時間で、上乗せ時間演出が実行される。この上乗せ時間演出においては、3分後に変短状態の付与が終了するものの、その時間以内である1分が継続可能時間であると報知される。
【0132】
続いて、2回目の変動ゲームにおいて、継続可能時間が1分であると初期時間演出により報知されてから1分が経過すると、符号T13に示すタイミングから所定時間で、再度上乗せ時間演出が実行される。この上乗せ時間演出においては、2分後に変短状態の付与が終了するものの、その時間以内である1分が継続可能時間であると報知される。
【0133】
更に、2回目の変動ゲームにおいて、継続可能時間が1分であると初期時間演出により報知されてから1分が経過すると、符号T14に示すタイミングから所定時間で、再度上乗せ時間演出が実行される。この上乗せ時間演出においては、1分後に変短状態の付与が終了するものの、その時間である1分が継続可能時間であると報知される。
【0134】
その一方で、図11(b)に示すように、変動ゲームの実行中に役物ゲームにおける役物抽選の当選による大当り遊技の終了後に変短状態が付与された場合には、符号T5に示すタイミングから符号T10に示すタイミングまで、中断された変動ゲームが、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームとして再開されることとなる。この場合、符号T5に示すタイミングから所定時間で、初期時間演出が実行される。この初期時間演出においては、2回目の変動ゲームが終了すると変短状態の付与が終了するものの、1回目の変動ゲームの残りの変動時間が継続可能時間であると報知される。
【0135】
次に、符号T10に示すタイミングから符号T15に示すタイミングまで、2回目の変動ゲームが実行される場合、符号T10に示すタイミングから所定時間で、上乗せ時間演出が実行される。この上乗せ時間演出においては、5分後に変短状態の付与が終了するものの、その時間以内である2分が継続可能時間であると報知される。
【0136】
そして、2回目の変動ゲームが開始し、継続可能時間が2分であると上乗せ時間演出により報知されてから2分が経過すると、符号T12に示すタイミングから所定時間で、上乗せ時間演出が実行される。この上乗せ時間演出においては、3分後に変短状態の付与が終了するものの、その時間以内である1分が継続可能時間であると報知される。
【0137】
また、2回目の変動ゲームにおいて、図11(a)と同じように、符号T12〜T14に示すタイミングから所定時間で、1分が継続可能時間であると報知される上乗せ時間演出が実行される。また、符号T5に示すタイミングから符号T15に示すタイミングまで、カウントダウン演出が実行される。
【0138】
このように、初期時間演出、上乗せ時間演出が実行されることによって、変短状態の付与が終了する時間以内の継続可能時間、又は変短状態の付与が終了する時間を示す継続可能時間が報知され、上乗せ時間演出が実行されることによって、変短状態の付与が継続したかのような演出が実行可能である。
【0139】
また、これら初期時間演出及び上乗せ時間演出の演出パターン(演出態様)は、図12に示すような演出パターンテーブルが参照されることにより決定される。
図12に示すように、演出パターンテーブルには、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームにおける変動パターンと、演出パターンとが対応付けられている。具体的に、変動時間が60sである変動パターンP21に対しては、演出パターンEP11が対応付けられている。変動時間が120sである変動パターンP22に対しては、演出パターンEP21,EP22が対応付けられている。変動時間が180sである変動パターンP23に対しては、演出パターンEP31〜EP34が対応付けられている。変動時間が240sである変動パターンP24に対しては、演出パターンEP41〜EP48が対応付けられている。変動時間が300sである変動パターンP25に対しては、演出パターンEP51〜EP66が対応付けられている。
【0140】
このように変動パターンに対応付けられた演出パターンは、初期時間演出又は上乗せ時間演出が実行される実行タイミングと、その演出内容とが対応付けられている。初期時間演出又は上乗せ時間演出が実行される実行タイミングとしては、基準期間(1分)刻みに符号T10〜T14に示すタイミングから所定時間である。また、演出内容としては、2回目の変動ゲームが終了するまでの時間以内となる継続可能時間で基準期間(1分)刻みに規定されている。なお、図中において「1M」と示す演出内容が1分を示し、「2M」と示す演出内容が2分を示し、「5M」と示す演出内容が5分を示す。
【0141】
具体的に、演出パターンEP58では、符号T10に示す第1期間の開始タイミングにおいて、継続可能時間が2分として報知され、符号T12〜T14に示す第3〜第5期間の開始タイミングにおいて、継続可能時間が1分として報知される。この演出パターンEP58が決定された場合には、図11(a)及び図11(b)に示すように、初期時間演出及び上乗せ時間演出が実行されることとなる。
【0142】
なお、本実施形態において、変動ゲームの実行中に役物抽選に当選した場合には、中断させた変動ゲームの残りの変動時間が継続可能時間として初期時間演出が実行されることとなる。また、本実施形態において、カウントダウン演出については、初期時間演出及び上乗せ時間演出の演出パターンや、中断された変動ゲームの残りの変動時間によって、指定する継続可能時間が決定される。
【0143】
演出制御用CPU31aは、変動パターンP11を指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、開始画像を演出表示装置11に表示させる制御を行うことによって、開始演出を実行させる。
【0144】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP21〜P25のうち何れかを指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、図12に示す演出パターンテーブルを参照し、指定された変動パターンに対応する演出パターンから何れかを選択し、演出制御用RAM31cに設定する。
【0145】
そして、演出制御用CPU31aは、設定された演出パターンに対応する実行タイミングで、対応する演出内容に対応する継続可能時間を示す画像を演出表示装置11に表示させる制御を行うことによって、初期時間演出及び上乗せ時間演出を実行させる。
【0146】
このように、演出制御用CPU31aは、変動ゲームの実行中に役物抽選の当選による大当り遊技が生起された場合において、その大当り遊技の終了後、2回の変動ゲームを上限として変短状態が付与されるときには、変動パターンに基づいて、2回目の変動ゲームが終了するまでの時間(変動時間)に関する報知を行わせることとなる。また、この報知は、変短状態の付与が終了するまでの時間が予め定めた単位期間(1分)以上である場合に、単位期間刻みで実行可能となる。
【0147】
演出制御用CPU31aは、特図中断解除指定コマンドを入力すると、特図中断指定コマンドを入力した際に計数を中断させた変動時間計数カウンタから値を読み出し、変動時間計数カウンタから値に基づいて、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームとしての残りの変動時間を特定する。つまり、演出制御用CPU31aは、変動ゲームの実行中に役物抽選の当選による大当り遊技が生起された場合、中断された変動ゲームの残りの変動時間(残り時間)を判定することとなる。
【0148】
そして、演出制御用CPU31aは、その残りの変動時間を演出表示装置11に表示させる制御を行うことによって、初期時間演出を実行させる。このような処理を実行する演出制御用CPU31aは、残り時間判定手段として機能する。
【0149】
このように、演出制御用CPU31aは、変動ゲームの実行中に役物抽選の当選による大当り遊技が生起された場合において、その大当り遊技の終了後、2回の変動ゲームを上限として変短状態が付与されるときには、中断された変動ゲームの残りの変動時間(残り時間)の判定結果に基づいて、その残りの変動時間に関する報知を行わせることとなる。
【0150】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)変動ゲームの実行中に、特殊通過領域への遊技球が通過して、役物抽選の当選により大当り遊技が生起された場合、その変動ゲームを中断させ、その大当り遊技の終了後に再開させる。実行中の変動ゲームが中断された場合において、大当り遊技の終了後に、その変動ゲームを含む2回の図柄変動ゲームを上限として変短状態が付与されるときには、中断させた変動ゲームの残りの変動時間に基づいて、その残りの変動時間に関する報知を行う。このような報知が行われることによって、変短状態の付与が終了するまでの時間に含まれる中断させた変動ゲームの残りの変動時間に関する予測が可能となり、変短状態の付与が終了するまでに特殊通過領域に遊技球を通過させるという遊技性を提供するとともに、その遊技性における演出効果を高めることができる。したがって、斬新な遊技性を提供することができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0151】
(2)また、中断させた変動ゲームの残りの変動時間と、2回の変動ゲームが終了するまでの時間とに関する報知が行われることによって、変短状態の付与が終了するまでの時間に関する予測が可能となる。そして、変短状態の付与が終了するまでに特殊通過領域に遊技球を通過させるという遊技性を提供するとともに、その遊技性における演出効果を高めることができる。したがって、斬新な遊技性を提供することができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0152】
(3)1分という予め定められた単位期間を基準として報知を行わせることによって、遊技者に各種時間に関する予測を行わせ易くすることができ、演出効果を高めることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0153】
(4)少なくとも変短状態の付与が終了するまでの時間が予め定められた単位期間以上である場合に、単位期間を基準として報知を実行可能に制御する。このため、予め定めた単位期間を基準として報知を行わせることによって、遊技者に各種時間に関する予測を行わせ易くすることができ、演出の整合性を保ちつつ、演出効果を高めることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明を具体化した第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0154】
第1実施形態では、大当り遊技の終了後、変短状態が付与される場合、2回目の変動ゲームで、その変動ゲームの変動時間に関する報知を行うことで、変短状態の付与が終了するまでの時間に関する報知を行ったが、これに限らない。例えば、第2実施形態においては、2回目の変動ゲーム以前において、1回目の変動ゲームと2回目の変動ゲームとの合算変動時間に関する報知を行うことで、変短状態の付与が終了するまでの時間に関する報知を行うように構成する。
【0155】
具体的には、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームの変動時間を事前判定することによって、事前判定の結果に基づいて、2回目の変動ゲームよりも前に、1回目の変動ゲームと2回目の変動ゲームとの合算変動時間に関する報知が行われる。
【0156】
この事前判定とは、その事前判定の対象となる変動ゲーム(特定図柄変動ゲーム)の実行が制御される前に、その変動ゲームにおいて当りとなるか否か等が判定される。具体的に、本実施形態においては、始動入賞口14に遊技球が入賞してから、その入賞に対応する変動ゲームの実行が制御されるまでで、その変動ゲームの始動保留球と対応付けて記憶された各種乱数に基づいて事前判定が実行され、その結果が参照される。このような事前判定は、主制御用CPU30aによって行われ、その事前判定の結果を示す情報が演出制御用CPU31aに出力されることで、演出制御用CPU31aによって特定予告演出を実行させる制御が可能となる。
【0157】
本実施形態においては、変動ゲームの実行中に役物抽選に当選し、大当り遊技の終了後に、2回の変動ゲームを上限として変短状態が付与される場合に、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームの開始時に、2回目の変動ゲームの変動時間が事前判定される。そして、その判定結果に基づいて、1回目の変動ゲームと2回目の変動ゲームとの合算変動時間に基づいて、合算変動時間に関する報知が行われる。これによって、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームの開始前に、変短状態の付与が終了するまでの時間が特定可能となる。
【0158】
例えば、図9(c)に示すように、中断させる変動ゲームの残りの変動時間が24.36sである場合において、2回目の変動ゲームの変動時間が180sと特定したときには、図9(h)に示すように、24.36sと180sとを合算した204.36sという変短状態の付与が終了するまでの時間が報知可能となる。
【0159】
この場合、図11(c)に示すように、大当り遊技の終了後に、符号T5に示すタイミングから、中断された変動ゲームが1回目の変動ゲームとして再開されるが、符号T5に示すタイミングから所定時間で、1回目の変動ゲームの残りの変動時間と、2回目の変動ゲームの変動時間とを合算した合算変動時間が報知され、初期時間演出が実行される。これによって、2回目の変動ゲームが実行される前に、変短状態の付与が終了するまでの合算時間が遊技者によって特定可能となる。
【0160】
また、変短状態の付与が終了するまでの時間以外にも、その時間以内で報知が可能となる。この場合、図11(d)に示すように、初期時間演出以外に、符号T13のタイミングから所定時間で、上乗せ時間演出が実行される。
【0161】
ここで、図13を参照して、主制御用CPU30aによって実行される事前情報判定処理について説明する。この事前情報判定処理は、合算変動時間に関する報知を行わせるために各種乱数を参照する処理である。また、事前情報判定処理は、保留記憶数が上限数ではない状態において始動入賞口14への遊技球の入賞を契機として、特別図柄入力処理の終了直後に実行され、特別図柄入力処理において始動入賞口14への入賞に伴って取得された各種乱数を、該入賞に対応する変動ゲームの実行よりも前に(事前に)判定する処理である。なお、本実施形態では、事前判定処理を実行する主制御用CPU30aが事前判定手段として機能する。
【0162】
最初に、図13に示すように、主制御用CPU30aは、大当り遊技において、ラウンド遊技が終了し、エンディング時間が開始されるか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が否定の場合(エンディング時間が開始されない)、本処理を終了する。その一方で、この判定結果が肯定の場合(エンディング時間が開始される)、ステップS102に移行する。
【0163】
ステップS102において、主制御用CPU30aは、当選した大当りの種類に基づいて、大当り遊技の終了後に変短状態が付与されるか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(変短状態が付与されれない)、本処理を終了する。その一方で、この判定結果が肯定の場合(変短状態が付与される)、ステップS103に移行する。
【0164】
ステップS103において、主制御用CPU30aは、変動ゲームにおいて大当り抽選に当選し、変動ゲームによる大当りであるか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合(変動ゲームによる大当りである)、主制御用CPU30aは、保留記憶数「2」における各種乱数を参照し(ステップS104)、参照結果に基づく先読みコマンドを主制御用RAM30cに設定し(ステップS106)、本処理を終了する。この判定結果が否定である場合(変動ゲームによる大当りではない)、主制御用CPU30aは、保留記憶数「1」における各種乱数を参照し(ステップS105)、参照結果に基づく先読みコマンドを主制御用RAM30cに設定し(ステップS106)、本処理を終了する。なお、本実施形態において、変動ゲームが実行中ではなく、役物抽選に当選した場合には、ステップS104に移行し、変動ゲームの実行中に役物抽選に当選した場合には、ステップS105に移行することとなる。
【0165】
その後、事前情報判定処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、ステップS106において主制御用RAM30cに設定された先読みコマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。なお、本実施形態において、先読みコマンドを出力する場合には、その前に保留指定コマンドが出力されるように構成されている。
【0166】
このように、変動ゲームにおいて大当り抽選の当選により大当り遊技が付与された場合には、その大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームでは、変動時間が1sとなる変動パターンが決定されることが確定しており、保留記憶数「2」に対応する各種乱数に基づいて、2回目の変動ゲームで決定される変動パターンが特定される。その一方で、変動ゲームの実行中に役物ゲームにおいて役物抽選の当選により大当り遊技が付与された場合には、その大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームとしては中断させた変動ゲームの残りの変動時間が特定可能であり、保留記憶数「1」に対応する各種乱数に基づいて、2回目の変動ゲームで決定される変動パターンが特定される。
【0167】
先読みコマンドとしては、図14に示すように、当り判定用乱数の値と、変動パターン決定用乱数の値とに基づいて決定される。なお、本実施形態において、変短状態で変動ゲームではずれとなる場合、変動パターン決定用乱数の値が「0」〜「35」であるときには、変動パターンP21が決定される。また、変動パターン決定用乱数の値が「36」〜「95」であるときには、変動パターンP22が、変動パターン決定用乱数の値が「96」〜「180」であるときには、変動パターンP23が、それぞれ決定される。また、変動パターン決定用乱数の値が「181」〜「228」であるときには、変動パターンP24が、変動パターン決定用乱数の値が「229」〜「240」であるときには、変動パターンP25が、それぞれ決定される。
【0168】
このため、図13のステップS104,S105において、主制御用CPU30aは、それぞれ指定された保留記憶数に対応する当り判定用乱数の値を読み出し、その値が大当り判定値であるか否かによって、先読みコマンドを決定し、ステップS106において、主制御用RAM30cに設定する。具体的に、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値を読み出し、その値が大当り判定値であるか否かを特定(判定)する。当り判定用乱数の値が大当り判定値であると特定した場合、主制御用CPU30aは、先読みコマンドとして「E5H00H」又は「E6H00H」を決定し、ステップS106において、主制御用RAM30cに設定する。
【0169】
また、当り判定用乱数の値が大当り判定値ではないと特定した場合、主制御用CPU30aは、それぞれ指定された保留記憶数に対応する変動パターン決定用乱数の値によって、先読みコマンドを決定し、ステップS106において、主制御用RAM30cに設定する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターン決定用乱数の値を読み出し、その値が何れの判定値であるか否かを特定(判定)する。そして、主制御用CPU30aは、その判定結果に基づいて、先読みコマンドとして「E5H01H」〜「E5H05H」、又は「E6H01H」〜「E6H05H」を決定し、ステップS106において、主制御用RAM30cに設定する。
【0170】
このように、主制御用CPU30aは、始動保留球と対応付けて記憶された当り判定用乱数(当り判定用情報)に基づく大当り判定前に、その始動保留球と対応付けて記憶された当り判定用乱数及び変動パターン決定用乱数(変動時間決定用情報)を判定することとなる。
【0171】
その一方で、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドと、保留指定コマンドとが入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合(先読みコマンドと、保留指定コマンドとが入力した)、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドから事前判定の対象となる変動ゲームの保留記憶数を特定し、その保留記憶数に対応して先読みコマンドを記憶する。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに割り当てられた先読みコマンドに基づいて、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームにおける変動時間を特定することとなる。
【0172】
その後、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームとして、中断されていない新しい変動ゲームが開始されると判定し、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンを特定し、その変動パターンの変動時間を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、1回目の変動ゲームと2回目の変動ゲームの変動時間を合算し、合算変動時間を算出し、演出制御用RAM31cに設定する。
【0173】
その一方で、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドではなく特図中断解除指定コマンドを入力すると、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームとして、中断されていた変動ゲームが再開されると判定し、変動時間計数カウンタから値を読み出し、その変動ゲームの残りの変動時間を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、1回目の変動ゲームの変動時間と2回目の変動ゲームの変動時間とを合算して合算変動時間を算出し、演出制御用RAM31cに設定する。
【0174】
そして、演出制御用CPU31aは、設定した合算変動時間に基づいて、演出表示装置11の表示制御を行うことで、初期時間演出、上乗せ時間演出、及びカウントダウン演出を実行させる。特に、本実施形態においては、1回目の変動ゲームの開始タイミングから所定時間で、合算変動時間自体を報知する場合と、合算変動時間以内で継続可能時間を報知する場合とが含まれている。
【0175】
このように、演出制御用CPU31aは、大当り判定前に、事前判定の判定結果を示す先読みコマンドに基づいて、保留されている変動ゲームの変動時間を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、中断された変動ゲームの残り時間と、特定された保留されている変動ゲームの変動時間とに基づいて、変短状態の付与が終了するまでの合算時間に関する報知を行わせる。
【0176】
以上詳述したように、第2実施形態は、第1実施形態における(1)〜(4)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(5)保留されている変動ゲームにおける変動時間を事前に判定し、その判定結果に基づいて変動ゲームの変動時間を特定する。そして、特定された変動ゲームの変動時間に基づいて、変短状態の付与が終了するまでの合算時間の報知を行わせる制御を行う。このため、保留されている変動ゲームの変動時間を特定することによって、変短状態の付与が終了するまでの合算時間に関する報知を実行可能とすることができ、演出効果を高めることができる。したがって、斬新な遊技性を提供することができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明を具体化した第3実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0177】
第1実施形態及び第2実施形態では、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームとして中断した変動ゲームが特定されたが、これに限らない。例えば、第3実施形態において、1回目の変動ゲームとして、中断した変動ゲームを特定せずに、次の変動ゲームを特定するように構成してもよい。
【0178】
具体的に、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行中に役物抽選の当選により大当り遊技が付与された場合、大当り遊技の終了後、中断されていた変動ゲームを再開させ、その変動ゲームが終了したときには、作動回数を減算しない。その一方で、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、中断されていない変動ゲームを実行させる場合には、その変動ゲームが終了したときには、作動回数を減算する。
【0179】
また、変短状態の上限回数としては、上記実施形態においては変動ゲーム及び役物ゲームにおいて「2回」として規定されていたが、第3実施形態においては「1回」として規定される。これによって、変動パターンP11のような変動パターンが規定されていなくても問題ない。
【0180】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・第2実施形態において、エンディング時間の開始を契機として、事前判定を行い、先読みコマンドを出力したが、これに限らず、例えば、始動入賞口14への遊技球の入賞を契機として、事前判定を行い、先読みコマンドを出力してもよい。
【0181】
・第2実施形態において、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームの開始以降に、継続可能時間に関する報知を行ったが、これに限らず、例えば、1回目の変動ゲームの開始前であってもよく、大当り遊技中(オープニング時間、ラウンド時間、又はエンディング時間)に、継続可能時間に関する報知を行ってもよい。
【0182】
・第2実施形態において、主制御用CPU30aが事前判定手段(事前特定手段)として機能したが、これに限らず、例えば、演出制御用CPU31aが事前判定手段として機能してもよい。この場合、例えば、各種乱数が、主制御用CPU30aから演出制御用CPU31aに出力されてもよい。また、例えば、乱数の値と所定の判定値とを主制御用CPU30aが事前に特定し、その結果を先読みコマンドとして演出制御用CPU31aに出力する場合であっても、その先読みコマンドを事前に特定する事前判定手段であってもよい。すなわち、事前判定手段の機能を乱数の事前特定(事前判定)に限らず、コマンド(先読みコマンド)の事前特定を含むように構成してもよい。つまり、当り判定用情報としては、当り判定用乱数や当り判定用乱数に基づく情報(例えば、先読みコマンド)が該当し、変動時間決定用情報としては、変動パターン決定用乱数や変動パターン決定用乱数に基づく情報(例えば、先読みコマンド)が該当する。
【0183】
・第2実施形態において、事前判定の判定結果に基づいて、大当り判定が行われる前に、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームの変動時間を特定したが、これに限らず、例えば、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームが一定の変動時間として規定されており、事前判定を行うことなく、合算変動時間を特定可能としてもよい。具体的な一例としては、大当り遊技の終了後、2回目の変動ゲームとして、変動時間が180sの変動パターンしか選択されず、1回目の変動ゲームの変動時間との合算変動時間が算出されるように構成してもよい。この場合、大当り変動用変動パターンも同じような変動時間として規定されてもよく、その際に、大当りが確定する全回転変動が実行されてもよい。
【0184】
・上記実施形態において、役物ゲームの結果を表示するような装置を備えなかったが、これに限らず、例えば、役物ゲームの結果を表示する表示装置を備えてもよい。例えば、通常は、はずれランプが点灯しているが、特殊通過領域を通過したときに大当りランプが点灯するように構成してもよい。また、例えば、第1大入賞口24が開放状態となっている場合にはずれランプや大当りランプが点滅するように制御してもよい。
【0185】
・上記実施形態において、所定の上限数を上限として普図ゲームの実行を保留可能としたが、これに限らず、例えば、普図ゲームの実行を保留しなくてもよい。
・上記実施形態において、変短状態の付与が終了するまでの時間が単位期間以上である場合に、単位期間刻みで継続可能時間に関する報知を行ったが、これに限らない。例えば、単位期間に拘わらず、継続可能時間に関する報知を行ってもよい。また、継続可能時間に関する報知が行われるタイミングが予め定められていなくても、変短状態の付与が終了するまでの時間が単位期間以上であると判定された場合に、継続可能時間に関する報知を行うように制御してもよい。
【0186】
・上記実施形態において、各種演出により、継続可能時間自体を報知したが、これに限らず、例えば、継続可能時間に対応するキャラクタ画像や背景画像等の他の演出画像から、継続可能時間を予測可能としてもよい。また、継続可能時間を特定可能な演出が実行されたが、これに限らず、例えば、継続可能時間を予測可能なように、継続可能時間を示唆する演出が実行されてもよい。つまり、継続可能時間が経過するまでの時間(残り継続可能時間)が長い場合と短い場合とで異なる演出態様で継続可能時間に関する演出が実行されてもよい。
【0187】
・上記実施形態において、継続可能時間が「0」となってから上乗せ時間演出を実行させたが、これに限らず、例えば、継続可能時間が「0」となる前に上乗せ時間演出を実行させてもよい。
【0188】
・上記実施形態において、変短状態の付与が継続する最後の変動ゲームにおいて、はずれ変動用変動パターンを決定するときに、変動パターンP01,P02よりも長い変動時間である変動パターンP21〜P25が決定可能であったが、これに限らない。例えば、変動パターンP01,P02よりも短い又は同じ変動時間である変動パターンが決定されてもよい。
【0189】
・第1実施形態において、変短状態の付与が開始する最初の変動ゲームにおいて、はずれ変動用変動パターンを決定するときに、変動パターンP01,P02よりも短い変動時間である変動パターンP11が決定可能であったが、これに限らない。例えば、変動パターンP01,P02よりも長い又は同じ変動時間である変動パターンが決定されてもよい。
【0190】
・上記実施形態において、変短状態が最低限継続できる継続可能時間と、実際に変短状態が終了するまでの時間との両方を報知したが、これに限らず、例えば、何れか一方であってもよく、少なくとも、中断させた変動ゲームの残りの変動時間に関する報知が行われればよい。また、言い換えると、初期時間演出のみが実行され、上乗せ時間演出が実行されないように構成してもよい。
【0191】
・上記実施形態において、大当りの種類に基づいて、大当り遊技の終了後に変短状態の上限回数を同じとしたが、これに限らず、例えば、大当りの種類に基づいて、大当り遊技の終了後に変短状態の上限回数を異ならせてもよい。つまり、上記実施形態において、変短状態の上限回数を「1回」や「2回」に定めたが、これに限らず、例えば、複数種類の変短状態の上限回数が定められていてもよい。具体的には、変短状態の上限回数が「1回」と「5回」であってもよい。また、例えば、1回の変動パターンが単位期間(例えば、1分)として規定されており、変短状態の上限回数が「1回」である場合には、変短状態の付与が終了するまでの時間が1分となり、変短状態の上限回数が「5回」である場合には、変短状態の付与が終了するまでの時間が5分となるように構成してもよい。
【0192】
・上記実施形態において、当選した大当りの種類によって変短状態を付与しない場合があるが、これに限らず、例えば、大当り遊技の終了後に必ず変短状態を付与してもよい。
・上記実施形態において、変動ゲームにおける特図に対応する飾図が演出表示装置11に表示されたが、これに限らず、例えば、普図ゲームにおける普図に対応する飾図が演出表示装置11に表示されるように構成してもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0193】
・上記実施形態において、演出表示装置11により画像を表示させることにより、各種演出を実行したが、これに限らず、演出表示装置11による画像以外でも、例えば、スピーカからの音声、ランプ等の発光、振動部の振動、可動体の変位、送風装置からの送風などであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0194】
・上記実施形態において、大当り抽選の当選による大当り遊技で、ラウンド遊技の規定ラウンド数(上限ラウンド数)が「16回」に設定されるが、これに限らない。例えば、当選した大当りの種類によっては、規定ラウンド数を異ならせてもよく、更には、一部のラウンド遊技において実質的に出玉が得られないように設定してもよい。また、例えば、全てのラウンド遊技において実質的に出玉が得られないように設定してもよい。
【0195】
・上記実施形態において、役物抽選の当選による大当り遊技で、ラウンド遊技の規定ラウンド数(上限ラウンド数)が実質的に「16回」に設定されるが、これに限らない。例えば、例えば、複数の特殊通過領域を設けてもよい。この場合、通過した特殊通過領域の種類によっては、規定ラウンド数を異ならせてもよく、更には、一部のラウンド遊技において実質的に出玉が得られないように設定してもよい。また、例えば、全てのラウンド遊技において実質的に出玉が得られないように設定してもよい。
【0196】
・上記実施形態において、変短状態が付与されているか否かに対応して、開閉羽根16を開閉動作させる開放パターンが決定されたが、これに限らない。例えば、普通当りの種類に対応して、開閉羽根16を開閉動作させる開放パターンが決定されてもよい。また、変短状態としては、開閉羽根16を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が非変短状態と比較して短縮されること、普通当り抽選に当選した際、非変短状態と比較して長い開放時間となる動作パターンで開閉羽根16が開閉動作することの何れかであってもよい。もちろん、変動ゲームの変動時間が非変短状態と比較して短縮されてもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0197】
・上記実施形態において、普通電動入賞口15において、開閉羽根16が閉鎖状態となると、遊技球が入賞不可能となったが、これに限らず、例えば、開放状態よりも入賞し難くければ、遊技球が入賞可能であってもよい。また、第1大入賞口24及び第2大入賞口22において、第1大入賞口羽根23及び第2大入賞口扉21が閉鎖状態となると、遊技球が入賞不可能となったが、これに限らず、例えば、開放状態よりも入賞し難くければ、遊技球が入賞可能であってもよい。つまり、開閉羽根16、第1大入賞口羽根23及び第2大入賞口扉21が開状態と閉状態とを取り得るように動作可能であればよい。
【0198】
・上記実施形態において、例えば、作動ゲート19、第1大入賞口24、普通電動入賞口15が遊技盤10の右側にそれぞれ配設されたが、これに限らず、例えば、遊技盤10の左側にそれぞれ配設されてもよい。また、例えば、第2大入賞口22が遊技盤10の右側にそれぞれ配設されてもよい。また、上記実施形態において、上方から順番に、作動ゲート19、第1大入賞口24、普通電動入賞口15が配設されたが、これに限らず、例えば、普通電動入賞口15が上方に配設されていても問題ない。
【0199】
・上記実施形態において、普通図柄表示装置20に普通当り図柄が表示された場合に、作動口15aが開放状態となったが、必ずしも普通当り図柄が表示されることが条件ではなく、普通当り抽選で当選し、普通当り遊技が付与されることで有利な状態となり得る場合に作動口15aが開放状態となるようにすればよい。
【0200】
・上記実施形態において、特図及び普図の表示態様は問わない。例えば、上記実施形態において、特図としては14セグメント型の表示装置を用いたが、これに限らず、数字を表示するものでなくても、複数のドットを表示する表示装置や、単に複数のLED等を点灯及び消灯を行う表示装置であってもよい。
【0201】
・上記実施形態において、例えば、第2大入賞口22に入賞した遊技球が通過可能な特定通過領域と一般通過領域とを形成し、ラウンド制御が終了するまでに特定通過領域を遊技球が通過しなかった場合に、それ以降のラウンド制御が実行されないで大当り遊技が終了するように制御してもよい(所謂、「パンク」)。また、例えば、特定ラウンドのラウンド制御に限り、特定通過領域を遊技球が通過しなかった場合に、それ以降のラウンド制御が実行されないで大当り遊技が終了するように制御してもよい。
【0202】
・上記実施形態において、第1大入賞口24と第2大入賞口22とを別体として構成したが、これに限らず、例えば、1つの大入賞口で構成してもよい。
・上記実施形態において、変動ゲームと役物ゲームとを原則として独立して実行させたが、これに限らず、例えば、第1変動ゲームと第2変動ゲームとを同時に実行させてもよい。この場合、普通電動入賞口15に遊技球が入賞することが第2変動ゲームの始動条件となる。また、特図に関する各種制御が、第1変動ゲームと第2変動ゲームとで行われる。また、一方の変動ゲームで大当り遊技が付与された場合、他方の変動ゲームを中断させ、その大当り遊技が終了すると、その変動ゲームを再開するように制御する。例えば、第2変動ゲームにおいて、当り抽選の結果により当りに当選した場合に、特図の種類により、当りの種類(大当り及び小当り)を決定し、小当りに当選した場合に、第1大入賞口24を開放状態とするように構成してもよい。また、例えば、大当り抽選と、小当り抽選とを別々に行うように制御してもよく、その実行順序も問わず、大当り抽選に当選しなかった場合に、小当り抽選を行っても、小当り抽選に当選しなかった場合に、大当り抽選を行ってもよい。また、例えば、第2変動ゲームにおいて当り抽選の結果に基づいて小当りに当選した後に、特殊通過領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技が生起される一方で、第2変動ゲームで当り抽選の結果に基づいて大当りに当選した場合に、特殊通過領域を遊技球が通過したか否かに拘わらず、大当り遊技が生起されなくてもよい。また、例えば、当り抽選の結果に基づいて小当りに当選しないように構成してもよい。また、例えば、第2変動ゲームにおいて大当りに当選した場合に、大当り遊技が生起され、1ラウンド目のラウンド遊技において、第1大入賞口24を開放状態に動作させ、特殊通過領域を遊技球が通過したときに、大当り遊技が継続され、2ラウンド目のラウンド遊技において、第2大入賞口22を開放状態に動作させるように制御してもよい。つまり、変動ゲームにおいて大当り表示結果が表示された場合に、第1大入賞口羽根23(第1大入賞口24)が開放状態となる大当り遊技が生起され、特殊通過領域を遊技球が通過したことを条件として大当り遊技が継続されるように構成してもよい。また、2種類の変動ゲームではなく、例えば、1種類又は3種類以上の変動ゲームや、複数種類の役物ゲームを実行させてもよい。
【符号の説明】
【0204】
11…演出表示装置(報知手段)、12…特別図柄表示装置(表示手段)、14…始動入賞口(始動手段)、15…普通電動入賞口(可変入球手段)、15a…作動口(普通入球口)、16…開閉羽根(開閉手段)、21…第2大入賞口扉(特別開閉手段)、22…第2大入賞口(特別入球手段)、23…第1大入賞口羽根(特殊開閉手段)、24…第1大入賞口(特殊入球手段)、24a…特殊入賞口(特殊入球口)、30…主制御基板、30a…主制御用CPU(当り判定手段、大当り判定手段、小当り判定手段、当り種類決定手段、変動時間決定手段、時間決定手段、遊技状態制御手段、普通当り判定手段、開閉制御手段、特殊開閉制御手段)、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU(報知制御手段、残り時間判定手段、事前判定手段、変動時間特定手段)。
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