特許6045917IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

蓄光性蛍光材料の製造方法に関し、アルミノホウケイ酸ガラスを原料とした蓄光性蛍光材料の製造に好適である。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

資源の有効利用という観点からは、回収された液晶パネルガラスを液晶パネルガラス自体として再びマテリアルリサイクルすることが望ましい。しかし、ガラス材料とは異なる組成を有する物質または不純物などが液晶パネルガラスの表面に数多く存在している。このような事情から、回収された液晶パネルガラスを光学的特性または熱特性などの厳しい仕様が求められる液晶パネルガラスにマテリアルリサイクルする方法は技術的に確立されていない。そのため、回収された液晶パネルガラスを液晶パネルガラス以外の高付加価値な製品にリサイクルすることが求められている。 しかし、特許文献1に記載された方法では、破砕された液晶パネルをセメント材料としてリサイクルすることを意図しているため、液晶パネルガラスはスラグとなる。よって、特許文献1に開示された方法では、液晶パネルガラスを高付加価値製品にリサイクルすることは難しい。 一方、特許文献2には、ガラス廃棄物をセラミックス製品にリサイクルする方法が記載されている。しかし、特許文献2に記載された方法では、1000〜1200℃での焼成工程を経るため、再資源化にあたり多大なエネルギーを消費するといった課題がある。そのため、特許文献2に記載された方法では、エネルギーコストおよび設備コストが高くなり、得られたセラミックス製品は高価となる。 ところで、液晶パネルガラスには、通常、アルミノホウケイ酸ガラスと呼ばれるガラスが用いられている。アルミノホウケイ酸ガラスは液晶パネルの製造工程に適合するようにつくられた特殊なガラスであり、その歪点は650℃以上である。これに対し、ガラスびん、建築用窓ガラス、ガラス繊維またはガラス食器などの汎用的なガラス製品に幅広く用いられているソーダライムガラスの歪点は、550℃以下である。このように、アルミノホウケイ酸ガラスの歪点は、ソーダライムガラスの歪点よりも100℃以上高い。そのため、ソーダライムガラスの溶融加工を行う設備を用いてアルミノホウケイ酸ガラスの溶融加工(再利用のための溶融加工)を行うことは、加熱設備の性能または設備全般の耐熱性などの点において非常に困難である。また、溶融温度の高いアルミノホウケイ酸ガラスを用いて建築用窓ガラス、ガラス繊維またはガラス食器などの汎用的なガラス製品(このような汎用的なガラス製品は、通常、ソーダライムガラスを原料として使用する)を製造することは、エネルギー消費の観点から好ましくない。これらのことから、不要となったアルミノホウケイ酸ガラスを、汎用的なガラス製品の製造工程における加工温度に比べてそれほど高くない温度での加工が可能な用途に用いることが望まれている。 しかし、特許文献3には、ソーダ石灰ガラスのリサイクル方法は記載されているが、アルミノホウケイ酸ガラスへの適用の可否については記載されていない。 また、特許文献4(特開2000−86284号公報)および特許文献5(特開2000−159543号公報)には、残光特性を有するガラスが記載されている。たとえば、特許文献4には、長残光および輝尽発光を呈する酸化物ガラスのガラス材料の構成成分が少なくとも酸化テルビウム(Tb2O3)又は酸化マンガン(MnO)、酸化ガリウム(Ga2O3)又は酸化アルミニウム(Al2O3)、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物及び酸化ホウ素(B2O3)又は酸化ケイ素(SiO2)又は酸化亜鉛(ZnO)を含むことが記載されている。特許文献5には、SiO2、ZnO、Al2O3、Ga2O3およびB2O3などを含み、さらに賦活材料または助賦活材料としてLnxOy(ただし、LnはY、Ce、PrまたはNなどから選ばれる1種または2種以上の元素)を含む蓄光性蛍光ガラスまたはガラスセラミックスが記載されている。しかし、どちらの特許文献にも、アルミノホウケイ酸ガラスへの適用については記載されていない。また、上述したように、アルミノホウケイ酸ガラスの溶融加工には極めて高いエネルギーを要するという課題もある。 本発明は、かかる点を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、不要となって回収されたアルミノホウケイ酸ガラスを蓄光性蛍光材料として有効に利用する方法を提供し、低コストで蓄光性蛍光材料を製造可能な方法を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明に係る蓄光性蛍光材料の製造方法は、ガラスと発光賦活剤と結晶化促進剤とを含む混合物に対してメカニカルミリング処理を行って、中間体を得る工程と、中間体を結晶化する工程とを含む。中間体を得る工程は、高エネルギー型の粉砕装置を用いてメカニカルミリング処理を行う工程を含むことが好ましい。高エネルギー型の粉砕装置としては、たとえばボールミルを用いることができる。ここで、中間体とは、ガラスと発光賦活・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明に係る蓄光性蛍光材料の製造方法によれば、不要となって回収されたアルミノホウケイ酸ガラスを蓄光性蛍光材料として有効に利用することができる。また、本発明に係る蓄光性蛍光材料の製造方法によれば、多大なエネルギーを消費することなく蓄光性蛍光材料を製造することができるため、低コストで蓄光性蛍光材料を製造することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の蓄光性蛍光材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。

【図2】本発明の蓄光性蛍光材料の製造方法に好適に用いられるアルミノホウケイ酸ガラスを含む液晶パネルの構成の典型的な一例を示す断面図である。

【図3】実施例1の中間体のX線回折スペクトルを示すグラフである。

【図4】DTAによる実施例1の中間体の熱量変化の測定結果を示すグラフである。

【図5】実施例1の蓄光性蛍光材料のX線回折スペクトルを示すグラフである。

【図6】実施例1〜3および比較例1〜2の蓄光性蛍光材料の蛍光スペクトルを示すグラフである。

【図7】実施例1〜3および比較例1〜2の蓄光性蛍光材料の残光特性を調べた結果を示すグラフである。

【図8】比較例1の蓄光性蛍光材料のX線回折スペクトルを示すグラフである。

【図9】比較例2の蓄光性蛍光材料のX線回折スペクトルを示すグラフである。

【図10】実施例4、6、8および比較例3の蓄光性蛍光材料の蛍光スペクトルを示すグラフである。

【図11】実施例4、6、8および比較例3の蓄光性蛍光材料の残光特性を調べた結果を示すグラフである。

【図12】実施例6の蓄光性蛍光材料のX線回折スペクトルを示すグラフである。

【図13】実施例8の蓄光性蛍光材料のX線回折スペクトルを示すグラフである。

【図14】比較例3の蓄光性蛍光材料のX線回折スペクトルを示すグラフである。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1 液晶パネル、2a カラーフィルタ側ガラス基板、2b TFT側ガラス基板、3 シール樹脂体、4 液晶層、5 偏光板、6 カラーフィルタ、7 反射防止膜、8 透明導電膜、9 配向膜、10 画素電極、11 バス電極、12 絶縁膜。

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