【実施例】
【0016】
本発明の具体的な実施例について
図1に基づいて説明する。
【0017】
本実施例は、一般道路や高速道路で工事を行う場合などに車線規制を行う際に用いる矢印板に、矢印向きが左右いずれを向いているかを検知する加速度センサを設け、この加速センサで検知した矢印向きを利用してサーバに保存される道路情報を更新する矢印板設置情報収集システムである。
【0018】
具体的には、本実施例は、矢印表示発光部を備えた道路に設置される矢印板に、この矢印表示発光部の矢印向きが左右いずれを向いているかを検知する加速度センサと、操作器から送信される制御信号を受信して前記矢印表示発光部の点灯を制御する点灯制御部と、この点灯制御部による前記矢印表示発光部の点灯が完了した際、前記操作器に点灯情報及び前記加速度センサにより検知した前記矢印表示発光部の矢印向き情報を送信する矢印板情報送信部とを設け、前記操作器に、道路情報が記憶されたサーバに前記矢印板の前記矢印向き情報を送信する送信部を設け、前記サーバに、前記矢印向き情報をもとに道路情報を更新する道路情報更新部を設けたものである。
【0019】
更に具体的には、前記矢印板を複数設け、前記各矢印板に夫々設けられる前記点灯制御部は親機と子機とで構成し、前記操作器により前記親機に前記制御信号を送信して前記親機が設けられた前記矢印板の前記矢印表示発光部を点灯させた際、前記子機が設けられた前記矢印板の前記矢印表示発光部を前記親機に連動して点灯させるように前記点灯制御部を構成している。この親機と子機とは本実施例においては特定小電力無線機器により構成される。
【0020】
また、前記道路情報更新部は、前記矢印板の矢印向き情報から片側2車線以上の道路においていずれの車線が使用不可であるかを判定し、前記道路情報に反映するように構成している。
【0021】
各部を具体的に説明する。
【0022】
矢印板は、一般的な自発光式のものであり、自立可能な本体の前面に矢印表示発光部が設けられた構成である。
【0023】
この矢印板は、矢印表示発光部を本体に固定状態に設け、本体を上下反転設置可能に構成(本体の上下面を夫々設置面として構成)している。従って、本体を上下反転設置することで、180°矢印の向きを変えることができる。
【0024】
前記点灯制御部の親機が設けられる矢印板(親矢印板)の本体の裏面には、加速度センサ、点灯制御部及び矢印板情報送信部を設けている。加速度センサ及び点灯制御部は、夫々矢印板情報送信部に接続され、加速度センサで検知した矢印向き情報及び点灯制御部からの点灯完了を報告する点灯情報が、夫々矢印板情報送信部へ送信される。矢印板情報送信部は、これらの情報を操作器へと送信する。なお、前記点灯制御部の子機が設けられる矢印板(子矢印板)の本体の裏面には、当該点灯制御部の子機のみを設ける。
【0025】
加速度センサは、本体の重力方向に対する向きを検出することで、矢印板の矢印表示発光部の矢印向きを検知するものであり、静電容量検出方式やピエゾ抵抗方式等、一般的な構成のものを採用できる。
【0026】
操作器、点灯制御部の親機(及び矢印板情報送信部)はBluetooth(登録商標)等に対応する適宜な無線通信機器により構成されている。また、点灯制御部は、操作器から送信される矢印表示発光部の点灯及び消灯指示(制御信号)に応じて矢印表示発光部の点灯及び消灯動作を行うように構成している。この際、点灯及び消灯が完了したことを示す点灯情報を、矢印向き情報と共に矢印板情報送信部を介して操作器に返信するように構成している。
【0027】
また、本実施例においては、上述したように点灯制御部を親機と子機とで構成しており、親機に対してのみ操作器から指示を送信することで、複数の子機も連動して操作することができる。従って、一の親矢印板にのみ加速度センサを設けるだけで、これと連動点灯する複数の子矢印板(2〜10程度)を含む矢印表示群全体の左右誘導向き情報を取得することができ、道路情報として活用することが可能となる。
【0028】
また、本実施例においては、操作器(携帯端末)としてスマートフォンを採用している。このスマートフォンのアプリケーションを用いて点灯制御部の操作と、点灯情報及び矢印向き情報の受信、及び、矢印向き情報のサーバへのインターネットを介しての送信を行えるように、点灯制御部操作手段、受信手段及び送信手段を備えた構成としている。なお、点灯情報はスマートフォンの表示部に点灯完了の旨を表示し、作業者が点灯完了を確認できるようにして利用する。
【0029】
サーバには、道路の渋滞の検知及び予測を行ったり、目的地毎に最適ルートとその目的地までの推定到着時間を算出したりする一般的な道路情報が保存されている。
【0030】
また、サーバには、上記道路情報の通行不可車線や渋滞予測を、矢印板の設置した位置を道路情報上で特定するための設置位置情報及び前記矢印向き情報をもとに更新(追加表示)する道路情報更新部(道路情報更新手段)を設けている。この道路情報は、スマートフォン等の道路情報確認アプリケーション等に利用できる。
【0031】
矢印板の設置位置情報は、予め入力する構成としても良いし、前記送信部から前記他の情報と共にサーバに送信する構成としても良い。
【0032】
なお、携帯端末及びサーバは一般的なコンピュータであって、具体的には、HDD等の記憶装置に記憶されたプログラムに基づいてCPU等の演算処理部が上記各手段として機能するように構成しているものであり、更に詳述すると、CPUと、RAM,ROM及びHDD等の記憶装置とを備え、これらがシステムバスを介して互いに接続されており、CPUが、HDD等に記憶されたOSのプログラムやアプリケーションプログラムに基づいて四則演算等の各種の演算及びハードウェアの制御を行うものである。
【0033】
本実施例は上述のように構成したから、矢印板を車線規制を行う道路上に設置し、作業者がスマートフォン等の携帯端末により矢印表示発光部を点灯させる際、操作器により、矢印板の点灯が完了したことを操作者が確認するための点灯情報と共に加速度センサにより検知した矢印向き情報を取得できる。そして、この操作器からサーバに矢印向き情報を送信することで、矢印向き情報に基づいてサーバの道路情報を更新することができ、例えば前記矢印板の矢印向き情報から片側2車線以上の道路においていずれの車線が使用不可であるかを判定し(例えば矢印が左向きであれば2車線中右側の車線が塞がれていることが分かる)、前記道路情報に反映すること等が可能となる。
【0034】
よって、本実施例は、自発光式の矢印板及び矢印板を点灯させる操作器を利用して矢印板の設置時に矢印向き情報を簡単に取得でき、これを道路情報の更新に利用可能な今までにない矢印板設置情報収集システムとなる。
【0035】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。