(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施の形態に係る半導体記憶装置のブロック図の一例である。
【
図2】第1の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の回路図の一例である。
【
図3】第1の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の積層構造を示す斜視図の一例である。
【
図7】第1の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。
【
図8】第1の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。
【
図9】第1の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。
【
図10】第1の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。
【
図11】第2の実施の形態に係るメモリ層40をX方向からみた図である。
【
図12】第3の実施の形態に係るメモリ層40をX方向からみた図である。
【
図13】第3の実施の形態に係るメモリ層40をY方向からみた図である。
【
図14】第3の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。
【
図15】第3の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。
【
図16】第3の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。
【
図17】第3の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。
【
図18】第4の実施の形態に係るメモリ層40をX方向からみた図である。
【
図19】その他の実施の形態に係るメモリ層40をX方向からみた図である。
【
図20】その他の実施の形態に係るメモリ層40をY方向からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1の実施の形態]
[構成]
先ず、第1の実施の形態に係る半導体記憶装置の全体構成について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る半導体記憶装置のブロック図の一例である。
図1に示すように、半導体記憶装置は、メモリセルアレイ11、行デコーダ12、列デコーダ13、上位ブロック14、及び電源15、及び制御回路16を有する。
【0008】
メモリセルアレイ11は、互いに交差する複数のワード線WL、及びビット線BL、並びに、これらの各交差部に配置されたメモリセルMCを有する。行デコーダ12は、アクセス(データ消去/書き込み/読み出し)時に、ワード線WLを選択する。列デコーダ13は、アクセス時に、ビット線BLを選択し、アクセス動作を制御するドライバを含む。
【0009】
上位ブロック14は、メモリセルアレイ11中のアクセス対象となるメモリセルMCを選択する。上位ブロック14は、行デコーダ12、列デコーダ13に対して、それぞれ行アドレス、列アドレスを与える。電源15は、データ消去/書き込み/読み出しの、それぞれの動作に対応した所定の電圧の組み合わせを生成し、行デコーダ12及び列デコーダ13に供給する。制御回路16は、外部からのコマンドに従い、上位ブロック14にアドレスを送付するなど制御を行い、また、電源15の制御を行う。
【0010】
次に、
図2及び
図3を参照して、第1の実施の形態に係るメモリセルアレイ11について詳しく説明する。
図2は、メモリセルアレイ11の回路図の一例である。
図3はメモリセルアレイ11の積層構造を示す斜視図の一例である。なお、
図2において、X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交し、X方向は紙面垂直方向である。また、
図2に示す構造は、X方向に繰り返し設けられている。
【0011】
メモリセルアレイ11は、
図2に示すように、上述したワード線WL、ビット線BL、及びメモリセルMC以外に、選択トランジスタSTr、グローバルビット線GBL、及び選択ゲート線SGを有する。
【0012】
ワード線WL1〜WL4は、
図2及び
図3に示すように、所定ピッチをもってZ方向に配列され、X方向に延びる。ビット線BLは、X方向及びY方向にマトリクス状に配列され、Z方向に延びる。メモリセルMCは、これらワード線WLとビット線BLが交差する箇所に配置される。したがって、メモリセルMCは、X、Y、Z方向に3次元マトリクス状に配列される。各種動作においてワード線WL1〜WL4中の選択ワード線WLは、そのZ方向の位置にかかわらず同じ電圧を印加することができる。また、ワード線WL1〜WL4中の非選択ワード線WLは、そのZ方向の位置にかかわらず同じ電圧を印加することができる。
【0013】
メモリセルMCは、
図2に示すように、可変抵抗素子VRを含む。可変抵抗素子VRは電気的に書き換え可能で抵抗値に基づいてデータを不揮発に記憶する。可変抵抗素子VRは、ある一定以上の電圧をその両端に印加するセット動作によって高抵抗状態(リセット状態)から低抵抗状態(セット状態)に変化し、ある一定以上の電圧をその両端に印加するリセット動作によって低抵抗状態(セット状態)から高抵抗状態(リセット状態)に変化する。また、可変抵抗素子VRは、製造直後においては容易に抵抗状態を変化させない状態にあり且つ高抵抗状態にある。そこで、可変抵抗素子VRの両端にセット動作及びリセット動作以上の高電圧を印加するフォーミング動作が実行される。このフォーミング動作により、可変抵抗素子VR内に局所的に電流が流れ易い領域(フィラメントパス)が形成され、可変抵抗素子VRは容易に抵抗状態を変化させることができ、記憶素子として動作可能な状態となる。
【0014】
選択トランジスタSTrは、
図2に示すように、ビット線BLの一端とグローバルビット線GBLとの間に設けられる。グローバルビット線GBLは、X方向に所定ピッチをもって並び、Y方向に延びる。1本のグローバルビット線GBLは、Y方向に一列に配列された複数の選択トランジスタSTrの一端に共通接続されている。また、Y方向に隣接して配列された2つの選択トランジスタSTrのゲート電極は共通接続されている。選択ゲート線SGは、Y方向に所定ピッチをもって並び、X方向に延びる。1本の選択ゲート線SGは、X方向に一列に配列された複数の選択トランジスタSTrのゲートに共通接続されている。なお、Y方向に隣接して配列された2つの選択トランジスタSTrのゲート電極を分離して、2つの選択トランジスタSTrをそれぞれ独立に動作させることもできる。
【0015】
次に、
図3、
図4及び
図5を参照して、第1の実施の形態に係るメモリセルアレイ11の積層構造について説明する。
図4は
図3のF4−F4平面をX方向からみた図(Z−Y平面図)であり、
図5は
図3の上面図である。なお、
図3及び
図5において層間絶縁層は省略している。
【0016】
メモリセルアレイ11は、
図3及び
図4に示すように、基板20上に積層された選択トランジスタ層30及びメモリ層40を有する。選択トランジスタ層30は選択トランジスタSTrとして機能し、メモリ層40はメモリセルMCとして機能する。
【0017】
選択トランジスタ層30は、
図3及び
図4に示すように、導電層31、層間絶縁層32、導電層33、及び層間絶縁層34を有する。これら導電層31、層間絶縁層32、導電層33、及び層間絶縁層34は、基板20に対して垂直なZ方向に積層されている。導電層31はグローバルビット線GBLとして機能し、導電層33は選択ゲート線SG及び選択トランジスタSTrのゲートとして機能する。
【0018】
導電層31は、基板20に対して平行なX方向に所定ピッチをもって並び、Y方向に延びる(
図5参照)。層間絶縁層32は、導電層31の上面を覆う。導電層33は、Y方向に所定ピッチをもって並び、X方向に延びる(
図5参照)。層間絶縁層34は、導電層33の側面及び上面を覆う。例えば、導電層31、33はポリシリコンにより構成される。層間絶縁層32、34は酸化シリコン(SiO
2)により構成される。
【0019】
また、選択トランジスタ層30は、
図3及び
図4に示すように、柱状半導体層35、及びゲート絶縁層36を有する。柱状半導体層35は選択トランジスタSTrのボディ(チャネル)として機能し、ゲート絶縁層36は選択トランジスタSTrのゲート絶縁膜として機能する。
【0020】
柱状半導体層35は、X及びY方向にマトリクス状に配置され、Z方向に柱状に延びる。また、柱状半導体層35は、導電層31の上面に接し、ゲート絶縁層36を介して導電層33のY方向の側面に接する。そして、柱状半導体層35は、積層されたN+型半導体層35a、P+型半導体層35b、及びN+型半導体層35cを有する。
【0021】
N+型半導体層35aは、
図3及び
図4に示すように、そのY方向の側面にて層間絶縁層32に接する。P+型半導体層35bは、そのY方向の側面にて導電層33の側面に接する。N+型半導体層35cは、そのY方向の側面にて層間絶縁層34に接する。N+型半導体層35a、35cはN+型の不純物を注入されたポリシリコンにより構成され、P+型半導体層35bはP+型の不純物を注入されたポリシリコンにより構成される。ゲート絶縁層36は例えば酸化シリコン(SiO
2)により構成される。
【0022】
メモリ層40は、
図3及び
図4に示すように、Z方向に交互に積層された層間絶縁層41a〜41d、及び導電層42a〜42dを有する。導電層42a〜42dは、それぞれワード線WL1〜WL4として機能する。導電層42a〜42dは、Z方向から見た場合、それぞれX方向に対向する一対の櫛歯形状を有する(
図5参照)。層間絶縁層41a〜41dは例えば酸化シリコン(SiO
2)にて構成され、導電層42a〜42dは例えばポリシリコンにて構成される。
【0023】
また、
図4に示すように、上層にある導電層42a〜42dほどZ方向の厚みは厚い。すなわち、導電層42dのZ方向の厚みLa4は、その下層の導電層42cのZ方向の厚みLa3よりも厚い。同様に、導電層42cのZ方向の厚みLa3は、その下層の導電層42bのZ方向の厚みLa2よりも厚く、導電層42bのZ方向の厚みLa2は、その下層の導電層42aのZ方向の厚みLa1よりも厚い。ここで、Z方向において、導電層42a〜42dの膜厚は徐々に厚くなっていると言える。
【0024】
また、メモリ層40は、
図3及び
図4に示すように、柱状導電層43、及び可変抵抗層44を有する。柱状導電層43はビット線BLとして機能する。可変抵抗層44は可変抵抗素子VRとして機能する。
【0025】
柱状導電層43は、X及びY方向にマトリクス状に配置され、柱状半導体層35の上面に接すると共にZ方向に柱状に延びる。可変抵抗層44は、柱状導電層43のY方向の側面と層間絶縁層41a〜41dのY方向の側面との間に設けられる。また、可変抵抗層44は、柱状導電層43のY方向の側面と導電層42a〜42dのY方向の側面との間に設けられる。柱状導電層43は例えばポリシリコンにより構成され、可変抵抗層44は例えば金属酸化物(例えば、HfO
X、Al
2O
X、TiO
X、NiO
X、WO
X、Ta
2O
X等)により構成される。
【0026】
次に、
図6を参照して、柱状半導体層43と導電層42a〜42dの形状についてより具体的に説明する。
図6は、
図3のF6−F6平面をY方向からみた図(Z−X平面図)である。なお、
図6において、層間絶縁層41a〜41d、及び可変抵抗層44は省略している。
【0027】
図6に示すように、柱状半導体層43は、Y方向からみてテーパ状に形成されおり、柱状半導体層43のY方向の側面のX方向の幅は+Z方向(
図6の上方向)に進むにつれて狭くなる。すなわち、第1位置における柱状半導体層43のY方向の側面のX方向の幅は、第1位置よりも下の第2位置における柱状半導体層43のY方向の側面のX方向の幅よりも狭い。なお、この柱状半導体層43のテーパ形状は、後述する製造時のエッチング条件を調整することにより形成することができる。上述したように本実施の形態において、上層にある導電層42a〜42dほどZ方向の厚みを厚くしている。ここで、仮に導電層42a〜42dのZ方向の厚みが均一であるとすると、導電層42aと柱状半導体層43との対向面積が最も大きく、導電層42dと柱状半導体層43との対向面積が最も小さくなる。これにより、導電層42a〜42d(ワード線WL1〜WL4)と柱状半導体層43(ビット線BL)の間に形成される可変抵抗素子VRの特性にばらつきが生じる。
【0028】
そこで、本実施の形態においては、
図6に示すように、上記の柱状半導体層43の形状に対応して、上層にある導電層42a〜42dほどZ方向の厚みLa1〜La4を厚くしている。したがって、導電層42a〜42dと柱状半導体層43との対向面積を略一定にすることができる。これにより、本実施の形態は、可変抵抗素子VRの特性のばらつきを抑制することができる。
【0029】
[製造方法]
次に、
図7〜
図10を参照して、第1の実施の形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明する。
図7〜
図10はメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図の一例である。なお、以下で説明する製造方法においては、メモリ層40の製造方法のみを示す。
【0030】
図7に示すように、選択トランジスタ層30の上面に、酸化シリコン(SiO
2)とポリシリコン(Si)を交互に積層させ、X方向及びY方向に広がる層間絶縁層41a’〜41d’、導電層42a’〜42d’を形成する。また、導電層42d’の上に保護層51’を形成する。ここで、導電層42d’のZ方向の厚みLa4は、その下層の導電層42c’のZ方向の厚みLa3よりも厚い。同様に、導電層42c’のZ方向の厚みLa3は、その下層の導電層42b’のZ方向の厚みLa2よりも厚く、導電層42b’のZ方向の厚みLa2は、その下層の導電層42a’のZ方向の厚みLa1よりも厚い。ここで、Z方向において、導電層42a’〜42d’の膜厚は徐々に厚くなっていると言える。なお、簡易的に、2層の導電層の膜厚を同じにして、2層おきに導電層の膜厚を厚くするなど種々の変更ができる。
【0031】
図8に示すように、層間絶縁層41a’〜41d’、導電層42a’〜42d’、及び保護層51’を貫通するトレンチT1を形成する。トレンチT1は、Y方向に所定ピッチをもって配列し、X方向に延びる。このトレンチT1により、層間絶縁層41a’〜41d’、導電層42a’〜42d’、及び保護層51’は、X方向に延びる層間絶縁層41a〜41d、導電層42a〜42d、及び保護層51となる。
【0032】
図9に示すように、トレンチT1の側面に可変抵抗層44を形成する。そして、トレンチT1を埋めるように柱状半導体層43’を形成する。例えば、可変抵抗層44は金属酸化物をアトミックレイヤーデポジション(ALD))により堆積させて形成される。ここで、可変抵抗層44はトレンチT1の全側面に面状に形成される。
【0033】
図10に示すように、柱状半導体層43’を貫通するトレンチT2を形成する。トレンチT2は、X方向に所定ピッチをもって配列する。このトレンチT2により、柱状半導体層43’は、XZ平面で見た場合、テーパ状に加工され、柱状半導体層43となる。そして、トレンチT2を酸化シリコンにより埋めて、トレンチT2内に層間絶縁層を形成する。
【0034】
[第2の実施の形態]
[構成]
次に、
図11を参照して、第2の実施の形態に係る半導体記憶装置について説明する。
図11は、第2の実施の形態のX方向からみたメモリ層40の一例を示す。
図11に示すように、第2の実施の形態のメモリ層40において、可変抵抗層44のY方向の厚みは、−Z方向(
図11の下方向)に進むにすれて薄くなる。したがって、より上層に位置する導電層42a〜42dほど、それに接する可変抵抗層44の抵抗値を変化させるために必要な電圧は高くなる。そこで、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、上層にある導電層42a〜42dほどZ方向の厚みLa1〜La4を厚くしている。この厚みに伴い、より上層に位置する導電層42a〜42dほど配線抵抗は低くなる。したがって、導電層42a〜42dの一端に同じ電圧を印加して可変抵抗層44に電圧を転送する場合、より上層に位置する可変抵抗層44ほど高い電圧が印加されることになる。これにより、第2の実施の形態は、複数の可変抵抗層44の抵抗値を均一に変化させることができる。
【0035】
また、上層に位置する導電層42dと可変抵抗層44の接触面積は、下層に位置する導電層42cと可変抵抗層44の接触面積に対して大きくなる。ここで、可変抵抗層44の膜厚が厚くなるとフォーミング電圧が高くなり、導電層42と可変抵抗層44の接触面積が大きくなるとフォーミング電圧が低くなる傾向がある。したがって、上層の可変抵抗層44の膜厚が厚くなっても、導電層42dと可変抵抗層44の接触面積が大きくなるのでフォーミング電圧は上昇しない。これにより、第2の実施の形態は、上層から下層まで同じフォーミング電圧を用いても、下層の可変抵抗層44のフォーミングを確実に行うことができる。
【0036】
[第3の実施の形態]
[構成]
次に、
図12及び
図13を参照して、第3の実施の形態に係る半導体記憶装置について説明する。
図12はX方向からみたメモリ層40を示し、
図13はY方向からみたメモリ層40を示す。なお、
図13において、層間絶縁層41a〜41d及び可変抵抗層44は省略している。また、
図12における平面は
図3のF4−F4断面に、
図13における平面は
図3のF6−F6断面に相当する。
【0037】
第3の実施の形態においては、
図13に示すように、柱状半導体層43はY方向からみて逆テーパ状に形成されおり、柱状半導体層43のY方向の側面のX方向の幅は−Z方向(
図13の下方向)に進むにつれて徐々に狭まる。すなわち、第1位置における柱状半導体層43のY方向の側面のX方向の幅は、第1位置よりも上の第2位置における柱状半導体層43のY方向の側面のX方向の幅よりも狭い。なお、この柱状半導体層43の逆テーパ形状は、後述する製造時のエッチング条件を調整することにより形成することができる。ここで、仮に導電層42a〜42dのZ方向の厚みが均一であるとすると、導電層42dと柱状半導体層43との対向面積が最も大きく、導電層42aと柱状半導体層43との対向面積が最も小さくなる。これにより、導電層42a〜42d(ワード線WL1〜WL4)と柱状半導体層43(ビット線BL)の間に形成される可変抵抗素子VRの特性にばらつきが生じる。
【0038】
そこで、本実施の形態においては、
図12及び
図13に示すように、上記の柱状半導体層43の形状に対応して、下層にある導電層42a〜42dほどZ方向の厚みLb1〜Lb4を厚くしている。具体的に、導電層42aのZ方向の厚みLb1は、その上層の導電層42bのZ方向の厚みLb2よりも厚い。同様に、導電層42bのZ方向の厚みLb2は、その上層の導電層42cのZ方向の厚みLb3よりも厚く、導電層42cのZ方向の厚みLb3は、その上層の導電層42dのZ方向の厚みLb4よりも厚い。したがって、導電層42a〜42dと柱状半導体層43との対向面積を略一定にすることができる。これにより、本実施の形態は、可変抵抗素子VRの特性のばらつきを抑制することができる。
【0039】
[製造方法]
次に、
図14〜
図17を参照して、第3の実施の形態に係る半導体記憶装置の製造方法の一例について説明する。
図14〜
図17はメモリセルアレイ11の製造方法を示す斜視図である。なお、以下で説明する製造方法においては、メモリ層40の製造方法のみを示す。
【0040】
図14に示すように、第1の実施の形態と同様に、層間絶縁層41a’〜41d’、導電層42a’〜42d’、保護層51’を形成する。ここで、導電層42a’のZ方向の厚みLb1は、その上層の導電層42b’のZ方向の厚みLb2よりも厚い。同様に、導電層42b’のZ方向の厚みLb2は、その上層の導電層42c’のZ方向の厚みLb3よりも厚く、導電層42c’のZ方向の厚みLb3は、その上層の導電層42d’のZ方向の厚みLb4よりも厚い。ここで、Z方向において、導電層42a’〜42d’の膜厚は徐々に薄くなっていると言える。なお、簡易的に、2層の導電層の膜厚を同じにして、2層おきに導電層の膜厚を薄くするなど種々の変更ができる。
【0041】
図15に示すように、第1の実施の形態のトレンチT1と同様に、層間絶縁層41a’〜41d’、導電層42a’〜42d’、及び保護層51’を貫通するトレンチT3を形成する。トレンチT3は、X方向に所定ピッチをもって配列する。このトレンチT3により、層間絶縁層41a’〜41d’、導電層42a’〜42d’、及び保護層51’は、X方向に延びる層間絶縁層41a〜41d、導電層42a〜42d、及び保護層51となる。
【0042】
図16に示すように、トレンチT3の側面に可変抵抗層44を形成する。そして、トレンチT3を埋めるように層間絶縁層45’を形成する。
【0043】
続いて、
図17に示すように、層間絶縁層45’を貫通するトレンチT4を形成する。トレンチT4は、X方向に所定ピッチをもって配列する。このトレンチT4により、XZ平面で見た場合、層間絶縁層45’は、テーパ状に加工され、層間絶縁層45となる。そして、トレンチT4をポリシリコンにより埋めて、トレンチT4内に柱状半導体層43を形成する。
【0044】
[第4の実施の形態]
[構成]
次に、
図18を参照して、第4の実施の形態に係る半導体記憶装置の一例について説明する。
図18は、X方向からみたメモリ層40を示す。
図18に示すように、第4の実施の形態のメモリ層40において、可変抵抗層44のY方向の厚みは、−Z方向(
図11の下方向)に進むにすれて厚くなる。したがって、より下層に位置する導電層42d〜42bほど、それに接する可変抵抗層44の抵抗値を変化させるために必要な電圧は高くなる。そこで、第4の実施の形態においては、第3の実施の形態と同様に、下層にある導電層42a〜42dLb1〜Lb4ほどZ方向の厚みを厚くしている。この厚みに伴い、より下層に位置する導電層42a〜42dほど配線抵抗は低くなる。したがって、導電層42a〜42dの一端に同じ電圧を印加して可変抵抗層44に電圧を転送する場合、より下層に位置する可変抵抗層44ほど高い電圧が印加されることになる。これにより、第4の実施の形態は、複数の可変抵抗層44の抵抗値を均一に変化させることができる。
【0045】
また、下層に位置する導電層42aと可変抵抗層44の接触面積が上層に位置する導電層42bと可変抵抗層44の接触面積に対して大きくなる。ここで、可変抵抗層44の膜厚が厚くなるとフォーミング電圧が高くなり、導電層42と可変抵抗層44の接触面積が大きくなるとフォーミング電圧が低くなる傾向がある。したがって、下層の可変抵抗層44の膜厚が厚くなっても、導電層42aと可変抵抗層44の接触面積が大きくなるのでフォーミング電圧は上昇しない。これにより、第4の実施の形態は、上層から下層まで同じフォーミング電圧を用いても、下層の可変抵抗層44のフォーミングを確実に行うことができる。
【0046】
[その他]
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0047】
例えば、
図19及び
図20に示すように、第4の実施の形態において複数の可変抵抗素子VRの抵抗値を均一に変化させ得る場合、導電層42a〜42dのZ方向の厚みLcは一定としても良い。