(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046031
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】組込み空洞を有する積層構造および関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 7/02 20060101AFI20161206BHJP
G02B 5/136 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
B32B7/02 103
G02B5/136
【請求項の数】31
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-503150(P2013-503150)
(86)(22)【出願日】2011年4月6日
(65)【公表番号】特表2013-530849(P2013-530849A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】FI2011050300
(87)【国際公開番号】WO2011124765
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年3月27日
(31)【優先権主張番号】61/388,233
(32)【優先日】2010年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/282,818
(32)【優先日】2010年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515111613
【氏名又は名称】クレアオプト オウ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】リンコ,カリ
【審査官】
平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/043383(WO,A1)
【文献】
特開2005−164851(JP,A)
【文献】
特開2009−076235(JP,A)
【文献】
特開昭52−010697(JP,A)
【文献】
特開昭61−198188(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3015946(JP,U)
【文献】
特開2002−071912(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0229394(US,A1)
【文献】
特開2007−328314(JP,A)
【文献】
特表2008−510183(JP,A)
【文献】
特表2010−526341(JP,A)
【文献】
特許第5174966(JP,B2)
【文献】
特表2013−524282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00〜43/00
G02B5/00〜 5/08
5/10〜 5/136
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ技術、冷却水路、温室の照明、窓照明、街灯、交通信号灯、交通反射器または防犯フィルムに関連する光配向光学用途に適用される一体型積層構造であって、前記一体型積層構造は、
−それを通って光伝送を可能にする光学的に透明な材料を含む、平坦な平面要素として構成された第1キャリア要素と、
−それを通って光伝送を可能にする光学的に透明な材料を含み、かつ複数の表面レリーフ形態を含む少なくとも1つの表面レリーフパターンを設けられた第2キャリア要素と、を含み、
前記第1キャリア要素および前記第2キャリア要素は、前記一体型積層構造を形成するように積層され、それにより、前記少なくとも1つの表面レリーフパターンが、組み込まれたレリーフパターンを形成するように、確立された一体型積層構造内に組み込まれ、複数の光学的に機能的なマイクロ空洞またはナノ空洞が、前記組み込まれたレリーフパターンにより占有される領域内で、前記第1キャリア要素および前記第2キャリア要素の間に形成され、
前記表面レリーフ形態の寸法、材料、位置および配置、ならびにその中に設けられた空洞の内容物に関して、前記組み込まれたレリーフパターンは、キャリア材料内での伝搬のためにそこへ入射する光を内部結合し、かつ/または前記キャリア材料内で伝搬された光を外部結合するように構成される、一体型積層構造。
【請求項2】
前記積層内に形成される空洞は、前記第2キャリア要素および/または前記第1キャリア要素の材料の1つと異なる屈折率を有する流体または固体を含む、請求項1に記載の一体型積層構造。
【請求項3】
形成される空洞は、前記第2キャリア要素および/または前記第1キャリア要素の材料の1つと異なる屈折率を有する気体媒質を含む、請求項1に記載の一体型積層構造。
【請求項4】
形成される空洞は、前記第2キャリア要素および/または前記第1キャリア要素の材料の1つと異なる屈折率を有する液体またはゲルを含む、請求項1に記載の一体型積層構造。
【請求項5】
前記第2キャリア要素はフィルムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項6】
光学的に機能的なフィルムをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項7】
視覚メッセージを示すための視覚的な標示面が設けられた標示要素であって、前記視覚的な標示面は、そこに印刷された写真および/または所定数の印刷した記号、文字、および/または数字を含む、標示要素、
をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項8】
複数の組み込まれた表面レリーフ形態は、入射光と協調する場合に視覚メッセージを確立するように構成され、前記メッセージは、写真および/または所定数の記号、数字および/または文字を示してもよい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項9】
情報提供的および/または商業的視覚メッセージを示すように構成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項10】
入射光を視準するように構成された組み込まれたレリーフパターンまたはレリーフ形態、反結合するおよび/または前記パターンまたは形態に到達した方向へ戻るように光の方向を変えることによって内部光捕捉のために構成される組み込まれたレリーフパターンまたはレリーフ形態、および結合するおよび/または方向を変える内部光のために構成される組み込まれたレリーフパターンまたはレリーフ形態から成る群から選択された少なくとも1つの要素を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項11】
前記一体型積層構造は、前記第1キャリア要素および前記第2キャリア要素の基板として機能する第3キャリア要素をさらに含み、複数の表面レリーフ形態を含む少なくとも1つの組み込まれたパターンは、前記一体型積層構造において一緒に積層される前記キャリア要素のうち1つ以上によって確立される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項12】
前記組み込まれたレリーフパターンの光学機能は、光配向機能、光捕捉機能、反射機能、透過機能、半透過機能、結合機能、偏光角機能、回折機能、屈折機能、防眩機能、反射防止機能、視準機能、プリコリメーション機能、レンズ機能、集光機能、発散機能、波長補正機能、散乱機能、色付け機能、および拡散機能の群から選択される少なくとも1つの機能を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項13】
前記第1キャリア要素、前記第2キャリア要素または前記第3キャリア要素は、プラスチック、エラストマー、ポリマー、ガラス、半導体、シリコン、接着剤、樹脂、およびセラミック材料から成る群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項14】
機能的表面層をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項15】
前記機能的表面層は、被膜、表面レリーフパターンまたはそれらの組み合わせであり、前記表面層は、反射防止機能、疎水機能、親水機能、および自己洗浄機能から成る群から選択される少なくとも1つの機能を有する、請求項14に記載の一体型積層構造。
【請求項16】
前記表面レリーフパターンは、サブミクロンの大きさの複数の表面レリーフ形態を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項17】
前記表面レリーフパターンは、溝、突起、頭部、凹部、バイナリ形状、傾斜形状、長方形形状、二次曲線形状、三角形、格子画素形態、台形形状、二等辺三角形、およびレンズ形状から成る群から選択された少なくとも1つの形態を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の一体型積層構造。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の一体型積層構造を含む、視覚標示データのための標示構造。
【請求項19】
光と協調するメッセージを視覚的に示すように構成された標示要素であって、前記標示要素は、印刷された写真および/または所定数の印刷された記号、文字、および/または数字を含む、およびまたは光入射と協調する場合に視覚メッセージを示すように構成された複数の組み込まれた表面レリーフ形態を含み、前記メッセージは、写真および/または所定数の記号、数字および/または文字を示してもよい、標示要素、
をさらに含む、請求項18に記載の標示構造。
【請求項20】
前記視覚的に標示したデータのコントラストを向上させるために前記標示構造の反対面よりも前記標示要素に近くに位置する、その中に組み込まれるものとして、表面レリーフパターンを含む、請求項19に記載の標示構造。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の一体型積層構造を含む、光結合または伝送要素。
【請求項22】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の一体型積層構造を含む、光視準、拡散または発散要素。
【請求項23】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の一体型積層構造を含む、窓構造。
【請求項24】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の一体型積層構造を含む温室照明要素。
【請求項25】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の一体型積層構造を含み、かつ、光配向機能、光捕捉機能、反射機能、透過機能、半透過機能、偏光角機能、回折機能、屈折機能、防眩機能、反射防止機能、視準機能、プリコリメーション機能、レンズ機能、集光機能、発散機能、波長補正機能、散乱機能、色付け機能、および拡散機能から成る群から選択される少なくとも1つの機能を有する要素。
【請求項26】
請求項1に記載の一体型積層構造であって、前記一体型積層構造は一緒に積層された少なくとも二つのキャリア要素を含み、それにより、いずれかの要素の少なくとも1つの表面レリーフパターンが前記積層構造内に組み込まれる、一体型積層構造。
【請求項27】
ウエハ技術、冷却チャンネル、温室照明、窓照明、街灯、交通信号灯、交通反射物または安全フィルムに関連する光配向光学用途のための一体型積層構造を構築するための方法であって、前記方法は、
−それを通って光伝送を可能にする光学的に透明な材料を含む、平坦な平面要素として構成された第1キャリア要素を取得することと、
−それを通って光伝送を可能にする光学的に透明な材料を含み、かつ複数の表面レリーフ形態を含む少なくとも1つの表面レリーフパターンが設けられた第2キャリア要素を取得することと、
−前記一体型積層構造を形成するように前記第1キャリア要素および前記第2キャリア要素を一緒に積層することであって、それにより、前記少なくとも1つの表面レリーフパターンが、組み込まれたレリーフパターンを形成するように、確立された一体型積層構造内に組み込まれ、複数の光学的に機能的なマイクロ空洞またはナノ空洞が、前記組み込まれたレリーフパターンにより占有される領域内で、前記第1キャリア要素および前記第2キャリア要素の間に形成されることと、を含み、
前記表面レリーフ形態の寸法、材料、位置および配置、ならびにその中に設けられた空洞の内容物に関して、前記組み込まれたレリーフパターンは、キャリア材料内での伝搬のためにそこへ入射する光を内部結合し、かつ/または前記キャリア材料内で伝搬された光を外部結合するように構成される、方法。
【請求項28】
前記第2キャリア要素の表面レリーフパターンのためのマスターを製造する前に、前記表面レリーフパターンを有するプレマスターを製造することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2キャリア要素の表面レリーフ形態は、エンボス加工、インプリント加工、リソグラフィー、成形、微小成形、および鋳造から成る群から選択される少なくとも1つの技術を使用して生成される、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
接着剤および/または硬化は、前記表面レリーフパターンの積層および/または成形時に適用される、請求項27〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記第2キャリア要素は、前記表面レリーフパターンを覆うための硬化可能な材料を含む、請求項27〜30のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明のほとんどの実施形態は、光学系に関する。限定されるものではないが、より詳細には、本発明は、組み込まれた光学機能的空洞を有する積層構造およびその製造に関連する。
【背景技術】
【0002】
照明装置および電子装置などの様々な光学含有装置のマイクロプリズムまたは回折格子などの従来の微細構造は、もっぱら、光学的透明基板の表面領域に生成されてきた。これらの構造は、当初は、入射光を案内する(向きを変える)か、結合するか、あるいは、ほかの特定の所定の方法で入射光と相互作用するように構成されてきたが、材料の表面のその位置決めは、一般に、直ちにということはないが少なくとも長期間に生じる所定数の問題および欠点を引き起こしてきた。
【0003】
すなわち、結合光学系などの光学的に意味のある表面レリーフ構造は、自然に使用状況に応じて、一般に粉末、砂、水、油および土による汚れなどの様々な外的要因によって引き起こされるストレスに頻繁にさらされる。また、表面形成は、一般的に、例えば、潜在的に適切なマイクロメートルまたはナノメートルの大きさのこれらの細かい構造を破壊し、変形させ、ダメージを与えてもよい外部の物体による衝撃に弱い。意図的に接触した外部要素によって導入された圧力でさえ、接触表面上にパターン化された表面構造にダメージを与え、その所望の機能を妨害することがある。
【0004】
上記の問題のいくつかを説明するために、
図1aは、特に太陽電池の典型的な状況における、光伝搬および媒質境界を一般的に組み込む同じ使用シナリオにおいて一緒に発生してもよい2つの初期の問題を可視化する。左側で、太陽などの光源によって照射される光および入射の顕著な角度を有する太陽電池104のカバーガラス102上の入射106は、エアガラス界面でカバーガラス102の表面から、好ましくなく、部分的に反射される108。第2に、カバーガラス102を通過した光の一部は、ガラス太陽電池界面103から、さらに、部分的に内部で反射される110。外部媒質が空気であることを条件に、対応する屈折率は、媒質、ガラスの材質および太陽電池の上部に対しnair、n1およびn2であってよい。最終的に、カバーガラス102上の実質的に垂直な入射である交戦112などの入射光の単に限られた量は、したがって、カバーガラス102を通過し、全体の光路で遭遇する界面での反射によるかなりの量の関連する電磁エネルギー損失することなく太陽電池104へ入射してもよい。従って、効率的な分離および全効率を可能にする入射角の範囲は、狭いままである。
【0005】
前述の界面に対処するため、およびカップリング効率を向上させるため、
図1bの以下のいずれかの実質的な解決方法が、考えられる。下部の太陽電池104を保護し、したがって入射光を受ける第1要素に再びなる上記のカバーガラスなどの、最外部層102は、布袋の角度内で太陽電池104に向かう光を連結し、方向を変えるように構成された表面レリーフパターン114で提供されてきた。パターンは、具体的には、例えば、太陽電池104に対してより垂直に光線120の方向を変えるように構築されてきた。しかしながら、構造が表面レリーフ形態によって画定されたくぼみへ入るちり粒子または水滴などの追加の材料118によって明らかに容易に汚染されるように、パターン114の効果は、遅かれ早かれ、入射光の少なくとも部分が汚染118によって実際に反射される、および/またはガラス電池境界103でさらに好ましくない反射を引き起こし、提供した構造の全効率の減少を引き起こしてもよい、少しランダムな角度において太陽電池104に向かって連結されるように、劣ることになる。
【0006】
太陽電池の典型的な状況にまだ留まり、現代の解決法の達成した全効率は、おそらく15%またはそれ以下の驚くほど低く、汚染含有の反射に大いにより、太陽電池の光学的構造に一般に適用される、例えばITO(インジウム−スズ酸化物)層と他の層との間の媒質境界での反射などの、表面反射、初期反射の連結ミスでもよい。太陽電池を含む光学的構造上の太陽光入射の大部分は、特定の入射角がそれに利用される従来の光学系によって基本的に無視されるので、利用されない。言い換えれば、太陽エネルギーの説明された状況における1つは、太陽電池に到達した直射日光のみが太陽の位置に極めて敏感である太陽電池の効率へ追加することが言われうる。
【0007】
従来、例えば、その内部格子をまねるキャリア材料の屈折率において、生成する内部の、局所的な変化において、レーザの使用でさえも提案がされてきた。また、所定の高いまたは低い屈折率の具体的な膜は、その光伝搬を制御するために基板構造に適用されてきた。それにもかかわらず、これらおよび他の現代の解決方法でさえも、広域な工業規模の利用の光において非常に限定的で、パフォーマンス的に不十分で、複雑で、高価で行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、目的は、流動性配列法によってまだ満足に対処されていない上述に記載の1以上の問題を軽減することであり、光学的機能構造などの様々な機能構造を生成するために実行可能な代替案を提供することである。
【0009】
目的は、積層構造の実施形態および本発明に従った関連する製造方法によって達成される。この概要が以下の詳細な説明でさらに記載されるコンセプトの選択を導入するために一般的に提供されることは、留意すべきである。しかしながら、この概要は、主張した主題の唯一の重要な、具体的には、本質的な特徴を具体的に特定し、主張した主題の範囲を限定することを意図していない。
【発明の効果】
【0011】
従って、本発明の一態様において、ソーラー技術、ウエハ技術、冷却水路、温室の照明、窓照明、街灯、交通信号灯、交通反射器または防犯フィルムの状況における用途に適用される一体型積層構造は、
−光を透過させる光学的に実質的に透明な材料を任意に含む、プラスチックまたはガラス片などの、第1キャリア要素と、
−所定数の表面レリーフ形態を含み、その光入射に関連して少なくとも一つの光学的機能を有する少なくとも一つの表面レリーフパターンが設けられたプラスチックまたはガラス片などの、第2キャリア要素であって、該第2キャリア要素は、光を透過させる光学的に実質的に透明な材料を任意に含む、第2キャリア要素と、
を含み、
第1キャリア要素および第2キャリア要素は、少なくとも一つの表面レリーフパターンが確立された積層構造内に組み込まれ、所定数の関連した、光学的機能の空洞が該第1キャリア要素および第2キャリア要素の界面に形成されるように、相互に積層される。
【0012】
好ましくは、キャリア要素のいずれかまたは両方が光学的に実質的に透過材を含むが、一部の実施形態において、要素の少なくとも一つは、光学的に実質的に非透過でよい、および/または問題の特定の使用による非透過材を含んでよい。例えば、不透明または半透明であってよい。
【0013】
好ましくは、積層要素は、少なくとも一つの組み込まれた表面レリーフパターンによって生成される所望の、好ましい光学的機能的空洞が自然に除かれる、空隙などの好ましくない隙間が自然にラミネート加工によって一緒に安全に接合され、その間に残る。
【0014】
さらに、1つは、表面レリーフパターンまたはキャリア要素の形態が積層時に組み込まれる場合、構築された積層構造の表面上に現れず、表面レリーフパターンまたは構造の形態でないことは、一般的に留意すべきである。
【0015】
まだ、光学適用において、同じ屈折率を有するパターン化された積層は、その光入射に関連する光学機能の観点から単一要素を形成してもよい。
【0016】
一部の実施形態において、第1キャリア要素は、その光入射に関連する所定の光学機能を有し、多数の表面レリーフの形態を含む少なくとも一つの表面レリーフパターンで提供されてもよい。パターンは、積層(組み込まれた)上およびその後に第2キャリア要素に対向する側面であってもよく、または、例えば、反対側であってもよい。後者の場合、パターンは、構造の表面に残るまたは、例えば更に別の要素によって覆われてもよく、従って組み込まれる。第1キャリア要素および第2キャリア要素のパターンは、例えば、少なくとも一つの共通の機能を有する集合体多層を形成してもよい。第1キャリア要素および第2キャリア要素などの、キャリア要素は、一般的に実質的に平面であってよいが、他の形状でも可能である。
【0017】
一部の実施形態において、好ましくは積層構造に組み込まれる第2キャリアおよび/または第1キャリア要素の少なくとも一つの表面レリーフパターンは、その界面で、それぞれ、第1キャリアおよび/または第2要素の対向する部分で一緒にその中に光学的に所定数の所望の光学的機能空洞を画定するように実際に構成される。組み込まれた、閉じた空洞は、その大きさが例えば、マイクロ空洞またはナノ空洞であってよい。空洞は、第1キャリア要素および/または第2キャリア要素とは潜在的に異なる所定数の材料を含んでもよい。空洞は、空気、適切な液体、および/または固体を含んでもよく、それにより満たされてもよい。空洞は、ゲルを含んでもよい。インクは、または、適用されてもよい。インクは、透明または着色されてもよい。物質は、例えば、屈折率の観点から所定の光学性能を提供するように選択されていてもよい。屈折率は、関連したキャリア要素の1つと異なってもよく、または同じであってよい。空洞は、例えば、ドット状の、細長いまたはより複雑な形状を有してもよい。
【0018】
一部の実施形態において、利用した、潜在的に組み込まれた、所定数の表面レリーフ形態を含む表面レリーフパターンの少なくとも一つの、光学的光学機能は、光配向機能、光捕捉機能、反射機能、透過機能、半透過機能、結合機能、内結合機能、外結合機能、偏光角機能、回折機能、屈折機能、防眩機能、抗クリア機能、反射防止機能、視準機能、プリコリメーション機能、レンズ機能、集光機能、発散機能、波長補正機能、散乱機能、色付け機能、媒体分配機能、および拡散機能の群から選択される機能を含んでもよい。組み込まれたパターンの場合、1以上の機能は、要素界面で確立した関連した空洞で達成されてもよい。界面またはその所定の部分は、所望する場合、例えば、屈折率(同じ)の適切な選択で光学的に透明に作られてもよい。
【0019】
パターンの複数の表面レリーフ形態は、同じ機能を有してもよい。あるいは、パターンの異なる形態は、
異なる機能性を有してもよい。一実施形態において、単一形態は、いくつかの、少なくとも二つの、機能性を提供してもよい。同じパターンまたは形態でさえ、光を透過的に結合および、一方で、例えば、光を反射するような構成であってもよい。機能性は、光の入射角および/または波長などの、本質に依存し、および/または形態の側で光は、例えば、入射である。組み込まれていようとなかろうと、表面レリーフ形態は、例えば、関連する材料(輪郭材料および充填材料)、寸法、位置および/または配置を適切に選択することによって機能の所定の番号に設定されてもよい。
【0020】
一部の実施形態において、積層構造は、第3および任意の所定数のそれ以降のキャリア要素を含んでもよい。これらは、それに更に別の表面レリーフパターンを含んでもよい。表面レリーフパターンは、積層構造の中に組み込まれてもよい。第1要素、第2要素または任意の更に別の要素のいずれかは、積層または多層の他のタイプおよび/または複数部分要素であってよい。中間要素は、例えば、任意に組み込まれるように所定数の表面レリーフパターンで提供されてもよいフィルムなどの周囲の上部および底部要素よりも厚くてもよい。また、中間要素は、積層構造の製造中に積層内に組み込まれる表面レリーフパターンで提供されてもよい。
【0021】
一部の実施形態において、一体化された積層構造は、(当初は)表面レリーフパターンの複数の層を含んでもよい。フィルム、ホイルまたはシートなどの、各積層要素は、1以上の表面レリーフパターンを含み、1以上の光学的機能的層をそれぞれ含む。各層は、専用の光学機能性またはいくつかの機能性を有してもよい。多層パターンは、その両側に表面レリーフ形態の層を当初有する単一キャリア要素によって形成されてもよく、および/または表面レリーフ形態の少なくとも一つの層でそれぞれ提供される、複数のキャリア要素は、多層パターンをまとめて形成することに利用されてもよい。
【0022】
一部の実施形態において、第1キャリア要素および/または第2キャリア要素は、実質的に柔軟であり、屈曲可能である。柔軟性及び屈曲性の程度は、実施形態の面で異なってもよい。例えば、例えば180度の所定の屈曲は、材料の破損無しに所定の曲げ半径で達成されてもよい。さらに、キャリア要素は、同様に柔軟で、屈曲可能であってもよい。積層構造は、柔軟であり、また、屈曲可能であってもよい。
【0023】
キャリア要素は、薄膜などのように薄くてもよい。キャリア要素の厚さは、また、実施形態により変化してもよい。例えば、わずか数ナノメートルから最大で数ミリメートルの厚さであってよい。また、上記は、積層構造の更に別のキャリア要素へ適用してもよい。しかしながら、明らかにより厚い要素(単数または複数)が代わりに使用されてもよい。
【0024】
一部の実施形態において、第1キャリア要素および/または第2キャリア要素は、ポリマーまたはエラストマーなどのプラスチック材料、ガラスおよび/またはセラミック材料を含む。さらにまたは代わりに、例えば、シリコンまたはシリコンウエハの半導体材料などの他の材料(単数または複数)が、使用されてもよい。
【0025】
一部の実施形態において、任意に組み込まれる表面レリーフパターンは、格子、格子溝、バイナリ形状、傾斜形状、二次曲線形状または長方形、三角形、台形状、画素、格子画素、突起、凹部、隙間、およびレンズ形状から成る群から選択された少なくとも一つの構成要素を画定する所定数の表面レリーフ形態を含む。
【0026】
一部の実施形態において、積層構造は、透過、反射または半透過要素の少なくとも一部を含むまたは形成してもよい。
【0027】
一部の実施形態において、積層構造は、被膜および/または表面レリーフ形態を含む層などの機能的表面層を含むまたはそれが設けられた。これらの形態は、積層構造の表面に実際に残る。その機能、または「特性」は、例えば、反射防止機能、疎水機能、親水機能、および/または自己洗浄機能を含んでもよい。
【0028】
一部の実施形態において、積層構造は、標示要素および/または層を含む、それを確立する、またはそれに含まれ、1つの上部に少なくとも配置される。標示記号、ポスターまたはプレートなどの標示表面を含んでもよい。標示ウィンドウまたはディスプレイは、受動的であってもよい。1以上のシンボル、数字および/または文字を含んでもよい。示したデータは、交通信号、警告信号または登録プレートなど、実質的に情報を与えるもの、および/または生まれつき広告データなどのコマーシャルであってもよい。データ指示は、そこに結合される光と連携して、所定の視覚メッセージを、および/または表面に印刷することによって、確立するために任意に組み込まれる表面レリーフ形態を使用して実現されてもよい。要素およびそこにしめされるデータは、例えば、電子機器によって制御されてもよい。積層は、そのシナリオにおいて、例えば、光供給または光配向機能を有してもよい。
【0029】
一部の実施形態において、表面レリーフ形態および/または組み込まれるかあるいは別の形態で積層構造へ提供される関連するパターンは、その長さ、深さおよび/または幅に関して実質的にサブミクロンの大きさであってよい。あるいは、形態および/またはパターンの大きさは、最大で数ミリメーターの、例えば、約20または約30ミクロンの数ミクロンまたは数十ミクロンであってもよい。より大きな大きさでさえも、適用されてもよい。
【0030】
別の態様において、ソーラー技術、ウエハ技術、冷却チャンネル、温室照明、窓照明、街灯、交通信号灯、交通反射物または安全フィルムに関連する光学用途のための一体化された構造を構築する方法は、
−プラスチックまたはガラスの一部など、好ましくは、それを通って光伝送を可能にする光学的実質的に透明な材料を含む第1キャリア要素を取得することと、
−プラスチックまたはガラスの一部など、所定数の表面レリーフ形態を含み、入射光に関する少なくとも一つの所定の光学機能を有する少なくとも一つの表面レリーフパターンが設けられた第2キャリア要素を取得することであって、該第2キャリア要素は、好ましくは、それを通って光伝送を可能にする光学的実質的に透明な材料を含む、ことと、
−少なくとも一つの表面レリーフパターンが確立された積層構造内に組み込まれるように第1キャリア要素および第2キャリア要素を一緒に積層することと、
を含む。
【0031】
少なくとも一つの表面レリーフパターンを組み込むことは、積層において第1キャリア要素および第2キャリア要素の関連した界面で実質的に配置されるような所定数の関連する空洞を実際に引き起こしてもよい。空洞の縁の部分は、したがって、第1キャリア要素の対向する表面層によって画定されてもよい。
【0032】
一部の実施形態において、ロールツーロール方式が方法に適用される。例えば、ロールツーロールのエンボス加工またはロールツーロールのインプリント加工などのロールツーロール方式は、キャリア要素の表面レリーフパターンを確立するために適用される。あるいは、またはさらに、表面レリーフパターンは、例えば、エンボス加工、インプリント加工、微細加工、UVエンボス加工、UVインプリント加工、リソグラフィー、微小成形、および鋳造から成る群から選択される少なくとも一つの技術を利用するように形成されうる。さらに、積層工程は、ロールツーロール方式または平面加工技術を利用してもよい。
【0033】
一部の実施形態において、第2キャリア要素などの、キャリア要素は、プレマスター要素、例えば、プレマスタリングパターンを含むプレマスタープレート、が例えば、電鋳法、鋳造または成形などの適切な技術を利用するように最初に構成されるように少なくとも一つの表面レリーフパターンによって提供される。ニッケルシム、プラスチックマスタープレート、鋳造材プレート、または成形プレートなどのマスター要素は、プレマスター要素に基づいて形成される。必要に応じて、プレマスター要素のパターン(単数または複数)は、印刷などの適切な技術によって変調されてもよい。インクジェット装置によるドロップ充填は、例えば、プレマスターのインクが充填された部分が目標の要素、すなわちマスター要素においてそれ自体を表さないように、変調のために適用されてもよい。
【0034】
積層構造の様々な実施形態に関して予め提示された考察は、当業者によって理解されるように、方法の変更すべきところは変更し、その逆の実施形態へ柔軟に適用される。
【0035】
本発明の有用性は、一般的に、各特定の実施形態による複数の問題に起因する。まず第1に、両方のシンプルかつ非常に複雑な高性能、光学構造、流体構造(例えば、チャンネル)などの様々な機能性を有する一体化されたナノまたはマイクロスケール構造、冷却構造、または潤滑構造は、一緒に取り付けられた少なくとも二つの層を画定する少なくとも二つの要素を含む積層構造内に組み込まれてもよい。利用された積層技術は、好ましくは、取り付けが安全であるおよびまたは実質的に積層された要素の間に(故意でない)隙間が残されないように選択されてもよい。さらに、一体化された要素、層、被膜は、得られた積層のいずれかの側に提供されてもよい。ほとんどの実施形態において、積層構造は、比較的簡単で低コストの工業規模の方法で製造されてもよい。さらに、積層の組み込まれた構造は、外部の刺激および汚染から保護したままである。関連製品の寿命は、延び、それらの多くは、実際にメンテナンスフリーであってもよい。
【0036】
また、マルチレベル/層の組み込まれた構造は、容易に構築されてもよい。例えば、特定の幾何学形状、屈折率および/または材料を利用する内部光捕捉構造は、光を内部反射するために提供される。入射核の広い範囲で光を効果的に捕獲および視準する光捕獲層が実装されてもよい。積層は、例えば、集積電子工学、半導体、(バイオ)医療システム、トライボロジーシステム、窓照明などの窓、太陽電池、温室照明、広告、保安用途、自動車および一般的に車産業、街灯、全般照明および道路標識および発光タグなどの様々な標識またはプレートに関連して適用される。
【0037】
特に、太陽エネルギーおよび特に太陽電池(光電池)に関連して、太陽電池への入射(表面)光のより効果的な捕獲、より効果的な内部光捕捉、および汚染問題が完全に排除されてない場合の減少による操作効率における向上は、達成されてもよい。太陽電池は、静的なままであり、その配置を調整するための移動手段を実施することは、効率の増加にもかかわらず、不要である、太陽電池に取り付けられる積層構造は、事故洗浄ナノ構造、被膜などの追加の機能性および層でさらに提供されてもよい。より大きな機能的表面が構築されてもよい。剛性または柔軟な太陽電池構造は、考慮されてもよい。
【0038】
語句「所定数の」は、本明細書では、例えば、1、2、または3など、1から始まる任意の正の整数を指す。
【0039】
語句「複数の」は、本明細書では、例えば、2、3、または4など、2から始まる任意の正の整数を指す。
【0040】
語句「含む」は、本明細書では、また、記載しない特徴の存在を必要とせず、排除するオープン限定として適用される。
【0041】
用語「a」および「an」は、数量を限定するのではなく、参照する項目の少なくとも一つの存在を意味する。
【0042】
同様に、用語「第1」および「第2」は、任意の数量または重要度を意味するものではなく、むしろ一つの要素を別の要素と区別するために使用される。
【0043】
用語「光」は、可視光などの電磁放射線を指すが、可視光に限定しない。
【0044】
用語「キャリア要素」は、一般的に本明細書では、光を伝える材料、被膜または表面レリーフパターンまたは関連する空洞などの構造の少なくとも一部などの所定の機能的要素を含む要素、および/または支持、運搬、保護または完成した積層において少なくとも他の1以上の要素に固定されて、そのため、積層の内部を形成する要素など、所定の材料を含む積層の要素を指す。
【0045】
本発明の異なる実施形態は、従属した請求項に開示される。
【0046】
次に、本発明は、添付の図面を参照してより詳細が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1a】現在の太陽電池配置に関連する様々な問題を示す図である。
【
図1b】例えば、屋外などの典型的な使用条件による場合の表面レリーフ構造の様々な問題を示す図である。
【
図2】本発明に係る積層構造の一実施形態の断面図である。
【
図3】本発明に係る積層構造の別の実施形態の断面図である。
【
図4】本発明に係る積層構造のさらなる実施形態の断面図である。
【
図5】本発明に係る積層構造のさらなる実施形態の断面図である。
【
図6】本発明に係る積層構造のさらなる実施形態の断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る太陽電池の積層構造の断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る脱共役目的の積層構造の断面図である。
【
図9a】本発明の一実施形態に係る脱共役目的の構造の断面図である。
【
図9b】本発明に係る脱共役目的の2つの他の実施形態の断面図である。
【
図10】本発明に係る積層構造の一実施形態の製造を示す図である。
【
図11】本発明に係る製造方法の一実施形態を開示するフロー図である。
【
図12】ロールツーロール製造シナリオの様々な態様を示す図である。
【
図13】製造工程の選択した要素の結果の本発明に係る積層構造の一実施形態の生成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1aおよび1bは、すでに背景技術の説明に関連して説明した。
【0049】
本発明の原理は、様々な使用シナリオおよび状況に適用されてもよい。状況は、例えば、可視紫外線および/またはUV光の利用に関してもよい。
【0050】
本発明の一部の実施形態において、積層構造は、バルク板またはフィルムなどのバルク要素から生成されてもよい。これらは、結合の、例えば、内部結合または外部結合の機能などの所望の光学機能を有する光学パターンで提供されてもよい。格子、バイナリ、ブレーズド、傾斜したおよび/または台形の形態などの小さな表面レリーフ形態を有するパターンが利用されてもよい。格子画素、小さな凹部、または連続紙、細長い凹部またはチャンネル、基本的なほとんどの種類の2次元または3次元形態、などの離散パターンが利用されてもよい。好ましくは、準積層の層の接着を向上させるため、および/または所望の光伝搬および/または他の性質を得るために積層接合面(界面)上に少なくとも小さな平坦部、すなわち、接触面がある。
【0051】
組み込まれた表面レリーフパターンは、形成されてもよく、接合面で空気または他の媒体で満たされるマイクロ空洞などの所定数の閉じた空洞を含むと見なされてもよい。また、屈折構造などの所定数のより大きな構造が確立されてもよい。その結果、空洞は、好ましくは、光学的機能的であり、少なくとも一つの所定の光学機能を有する。したがって、表面レリーフ形態/パターンが組み込まれるように設計する場合、周囲の積層材料、形状および形態、界面に確立された空洞などが、好ましくはそれら、例えば光学効果を考慮するように積層に組み込まれるように形態/パターンの機能性を考慮すべきである。
【0052】
一部の実施形態において、上部または底部積層要素などの一番外側の積層要素は、使用時に、内部結合光学系、外部結合光学系および/またはワイヤグリッドまたは他の格子ソリューションなどの偏光格子など全体の光結合光学系を含んでもよい。光学系は、組み込まれた光学系および/または表面光学系を含んでもよい。
【0053】
一部の実施形態において、所定数の光源は、縁を介して、例えば、適切な光学積層および/または視準およびまたは反射光学系などの光源の一体化された結合光学系を使用して、機能的および/物理的に積層構造に接続されてもよい。底部結合は、さらに可能性がある。
【0054】
一部の実施形態において、2層光学構造などの多層は、結合または他の目的のために積層によって実行される。積層の層または他の要素は、積層の波長の特手の範囲など光の特定の波長に対して構成されてもよい。別の層は、他の波長に対して構成されてもよい。例えば、表面層または表面に近い層は、IR(長波長)および可視光(短波長)の構造により深く存在する別の層に対して構成されてもよく、その逆の場合もある。層の厚さは、目標波長に基づいて選択されてもよい。適切な厚さで、所望の層は、所望の波長の観点から実際に不可視に作られてもよい。積層は、その複数の側面に結合光学系、例えば、表面レリーフパターンを有する結合層を組み込んでもよい。
【0055】
一部の実施形態において、積層構造は、広告および標示窓、ディスプレイ、記号またはマークに適用されてもよい。積層であってもよい、プレートまたはフィルムなどの、光学的機能的要素は、個別の要素または一体(例えば、積層して)として目標の像または他の目標の要素の上部に配置されてもよい。コントラストを向上させるために反対の表面よりも像または他の目標要素の近くにに光学的に位置する表面レリーフパターンを含んでもよい。バイナリ格子または他のパターンは、例えば、パネル要素で利用されてもよい。バイナリ格子は、広視野角用途および狭角のブレーズド回折格子が望ましい。ハイブリッド格子ソリューションは、同様に可能である。拡散光学系は、ホットスポット回避およびより均一の照明のために利用されてもよい。ソリューションは、また、UIソリューション、例えばナンバープレートに適用可能である。ナンバープレートまたは同定または底に提供される他の映像データを有する他の要素で、標示された番号、文字などは、例えば、向上したコントラストに対して番号/文字の周辺が照明されるように前面プレートに接触して積層されてもよい。
【0056】
本発明の様々な実施形態において、積層構造の1以上の要素は、実質的光学的に透明、半透明または不透明であってもよい。各層との透明性の必要度は、当然、各特定の使用事例に依存する。例えば、一部の実施形態において、光の所定の波長(例えば、赤外、可視またはUV)に関する望ましい透過率は、例えば、その状況における実質的光学的に透明として考慮される材料に対して、約80〜95%の範囲内に存在してもよい。
【0057】
図面に戻って、
図2は、1つの場合を示し、本発明の実施形態が適用されてもよい。一体型積層構造202は、互いに積層された2つの平面キャリア要素204および206を含む。必要に応じて、より多くの要素が追加されうる。破線は、図面において2つの積層された要素204(図面における位置により以下「上部要素」とし、実際の使用シナリオにおいて、上部/外部に対して底部/内部スケールにおける要素の物理的位置が同じまたは、例えば、反対であってよい)、206(対応する理由により以下「底部要素」とする)間の(外)界面を示す。界面は、前述のように光学的に透明であってよい。任意の光線が図面で実線の矢印として可視化される。
【0058】
上部要素204は、当初は、その間に対応する凹部210を有してその底部に所定数の突出した表面レリーフ形態208を含む表面レリーフパターンで提供されてきた。上部要素204の基板キャリアおよび要素204、206の界面でその壁の少なくとも一部を画定する生成された空洞に対して部分的な基板として考慮されてもよい、上部要素204および下部要素206は、例えば円錐台(図面では等脚台形の断面形状である)で下方へ伸びる表面レリーフパターンの突出部208が図示で実質的に平面接触面を有する底部206の表面部分に対応して位置合わせのように接続されていたように、相互に積層されてきた。その結果、凹部210は、真空が提供されていない限りその中に封入された空気などの材料を潜在的に含む空洞を形成していた。材料は、したがって、周囲の材料と異なる屈折率を有する。要素204の材料がプラスチックである場合、その屈折率は、例えば、一般的に空気の屈折率よりも高い。
【0059】
一般に異なる材料または屈折率の使用に関して、材料層などの複数の要素が同じ指標を負う場合、これらは、光による単一要素とみなされてもよく、したがって、光学的に透明な界面を画定する。それどころか、不等な指標を有する異なる材料は、必要に応じて、例えば、全内部反射率である照明管理を修正するために利用されてもよい。
【0060】
要素204、206によって運ばれた材料の利用形状および/または屈折率nair、n1、n2は、光伝搬の観点から所望の機能的効果を提供するように選択されてきた。異なる入射角を有する所定数の光線が実質的に垂直の形態で積層の底部に向かって進むように積層構造および表面レリーフパターンの適用された構成によってどのように視準されたか矢印によって図面に示される。したがって、上部要素204は、1以上の要素206の根底にあるための光捕捉層として機能するように考慮されてもよい。一部の実施形態において、要素204は、薄く、実質的にフィルムであり、例えば、数ナノメートルの厚さであるのに対し、他の実施形態においては、数ミリメートルまたは非常にかなり厚くてもよい。同じ問題は、底部層206に適用する。示されたまたは類似の実施形態は、例えば、窓照明または太陽電池の状況に適用されうる。
【0061】
図3は、2つのキャリア要素304、306を有する別の実施形態302を開示する。この実施形態において、底部要素306は、突起部308aを有する表面レリーフパターン308を含み、中間凹部308bは、平面上部要素304が積層された上部に形成またはプロファイルする。再び、確立された空洞は、空気および/または他の材料(単数および複数)を含んでもよい。
【0062】
図4は、複数の異なる組み込まれた表面レリーフ形態が互いに積層された要素404、406に関連する所定数の組み込まれた表面レリーフパターンを形成するように構成される実施形態402を開示する。三角形408、台形410および傾斜(長方形または正方形)412形態は、図面に示される。例えば、形態および関連したパターンは、外部結合および/または図面において矢印で示されるような光の方向転換の他のタイプのために構成されてもよい。異なる形状および/または材料の形態は、共通の、共有する光学機能を提供するように構成されてもよく、またはそれらは、異なる目的で利用されてもよい。特定の組み込まれた表面レリーフパターンは、例えば光の入射角および/または面による複数の使用を有してもよい。例えば、図面で、ほとんど三角形の形状または空洞は、2つの線で可視化された、機能性を外部結合および光捕捉の両方を有する。確立された空洞は、空気および/または帆家の材料(単数または複数)を含んでもよい。積層構造402は、例えばポスター、記号またはプレート、または窓などの他の要素の上部に配置されてもよく、およびそれにより任意に積層されてもよい。あるいは、指標または他の要素は、要素406に含まれてもよい。
【0063】
図5は、更に別の実施形態502を示し、3つのキャリア要素504、505、506は、互いに積層されていた。要素504、505、506のそれぞれは、所定数の表面レリーフパターンおよび/または他の特徴を含んでもよいが、示した抽出において、底部要素506は、それらから自由であり、単に上部要素504、505の基板として機能する。底部要素506は、いくつかの場合により、例えば、標示データ(広告データ、情報提供データ)を含むおよび/または示す。例えば、印刷されたあるいはその上に構築された記号またはプレートであってよい。
【0064】
中間要素505は、ドットまたピクセル状の形態あるいは格子溝または一致する突起部などの長い溝であってよい、実質的に直角の(バイナリ)形態508の表面レリーフパターンを含む。上部要素504は、三角形510のパターンを含む。上部要素504は、少なくとも一つの光学的機能層を内部結合または外部結合機能などの少なくとも所定の機能を有する組み込み表面レリーフパターンに積層において形成してもよい。中間要素505は、少なくとも一つの他の光学的機能層を反射機能などの潜在的に他の所定の機能を有する組み込み表面レリーフパターンに形成してもよい。再び、微細構造の所定数の異なる形態および/または層は、視準またはデコリメーション特性などの所定の光内部結合または外部結合特性などの所望の機能の観点から共通の機能に関して構成されてもよい。組み込み表面レリーフ形態によって確立された空洞は、空気またはほかの材料(単数または複数)を含んでもよい。
【0065】
図6は、更に別の実施形態602を開示し、積層の上部要素604は、積層構造において底部要素606と向かい合う表面で所定数の第1、本質的に正方形の、表面レリーフ形態608および第2、本質的に長方形の、表面レリーフ形態610を含む少なくとも一つのパターンを含む。形態は、同様のまたは異なる目的を有する。例えば、第1形態608は、外部結合または内部結合などの機能のために、利用された材料(単数または複数)、寸法および/または位置決めの観点で構成されてもよいのに対し、第2形態610は、反射、潜在的に鏡面反射のためである。
【0066】
図7は、更に別の実施形態、特に、エネルギーの生産、すなわち、太陽光発電、および太陽電池の状況に適して示す。光捕捉要素として機能するように潜在的に構成された薄膜要素702(描かれた厚さおよび他の寸法は、一般に明確な目的の寸法でない)などのキャリア要素は、所定の方向、実質的には、要素702の表面を通って通過し、パターン上に入射する外部光、一般に太陽光の入射角の広い範囲から太陽電池706の下部の構成要素の方向に向かって積層構造において(狭い分布を有する)光を視準可能な複数の表面レリーフ形態708を含む表面レリーフパターンで提供されてもよい。パターンの表面レリーフ形態708の高さ/深さは、例えば、約10μmであってもよい。
【0067】
フィルム要素702および太陽電池構造のカバープラスチックまたはガラスとして機能してもよい(実際には、太陽電池は、不可欠なカバーガラスが設けられた)キャリア要素704は、例えば、まず互いに積層され、格納され、本明細書中で示唆されるような完全な太陽電池構造の台706で結合され後で運ばれてもよい。これは、図面の702aで強調され、垂直矢印は、既に積層されたフィルム要素702およびカバーガラス704が複数の水平線によって図面に示される複数の異なる層および関連する要素を一般に含む太陽電池スタック706とどのように結合するかを示す。
【0068】
例えば、好ましくは、調整されたガラスを含む、カバーガラス704で潜在的にスタックした太陽電池構造706は、背面接点、p型半導体、n型半導体、全面接点、透明接着剤、抗反射コーティングから成る群から選択された1以上の層または要素を組み込んでよい。
【0069】
702bで、一体部分として光捕捉のためのフィルム要素702を含む太陽電池全体の製造が完了した後の使用状況が示される。あるいは、フィルム要素702は、すでに所定の位置にある全面ガラス704を有する太陽電池構造に提供されてもよい。更に別の代替または補足的な選択肢として、要素702は、ガラス704と太陽電池構造の台706とのあいだに提供されてもよい。更に別の例として、ガラス704は、表面レリーフパターンで提供されてもよい。確立された空洞709は、空気および/または他の材料(単数または複数)または具体的には、積層構造の製造工程の間に配置されたそれを含んでもよい。
【0070】
一般的に、記載したナノおよびマイクロ空洞フィルム技術は、太陽電池製品702bの異なる層において利用されうる。例えば、複雑なアンダーカット形状は、可能である。また、複数形状を有する複数層は、意図的に本明細書中に記載したように適切である。光学的機能的層は、光吸収を向上させるために上面、任意の内側面(例えば、ガラス板の下の中間に)またはシリコン/光起電の表面におけるナノ形成を可能に含むシリコン面/太陽電池の表面に直接生成/適用されうる。光学形状は、好ましくは、完全に一体化される。
【0071】
矢印は、提案された構造が様々な方法で太陽電池の効率をどのように向上させるのかを図面に描く。機能708aを結合および/または配向(例えば、視準)する入射光に加え、またはその代わりに、反射および一般的に「光捕捉」機能710、712は、空洞、位置決め、位置合わせおよび材料選択を含む利用したパターンによって達成されてもよい。光捕捉は、従って、キャリア材料において真の、反射鏡面無しに形成されてもよい。
【0072】
本明細書に提案の太陽電池構造は、従来のソリューションよりも約20〜40%高い効率を提供し、全体的な効率は、例えば、40%または50%に近い。剛性と柔軟性の両方の太陽電池材料および構造は、適用および構築されてもよい。
【0073】
図8は、実施形態801を可視化し、太陽電池の台806を保護するガラス804に積層された光捕獲フィルムまたはプレート要素802は、例えば、特定のフィルム、コーティング、表面レリーフパターン、または上記のおよび/または他の要素の任意組み合わせによって実装された機能的表面層808でさらに提供されてきた。
【0074】
例えば、所定数の反射防止(AR)および/または自己洗浄(ナノ)特性は、表面反射および汚染を最小限にするために利用されてもよい。AR機能は、好ましくは、太陽電池が光を可能な限り受け、その効率が最大限になるように大気から構造内へ構造面(ノーマル)に対して約70または80度の非常に大きな入射角であっても太陽光の内部結合を可能にしてもよい。これは、矢印808bで図面に示される。要素802の組み込み表面レリーフパターン802aは、その後、太陽電池806に向かって内部結合された光の配向および視準のために利用されてもよい。パターン802aは、また、必要に応じて、例えば、120、130、140、150または160度の全範囲の入射角のかなりの範囲が結合可能になるように設計されてもよい。
【0075】
例えば、パターン802aは、入射角が少なくとも約120、130、140、150または160度の範囲を任意に画定するために適切に結合されるように構造に入る太陽光などの入射光を結合するように構成されてもよく、パターンは、太陽電池の所定の方向に実質的に向かう視準機能を有する入射光を結合するように構成される。
【0076】
また、マイクロ空洞を有する一体化された反射物は、構造の太陽光の長い内側の保持を向上してもよい、太陽電池構造を採用してもよく、エネルギー吸収は、潜在的に改善されうる。したがって、提案された積層構造は、一部の実施形態において、太陽電池の効率が大幅に向上してもよい。
【0077】
一部の実施形態において、光捕獲または他の積層された要素を含む構成された全体の太陽電池の構造が複数の例えば、2つの、反射などの、機能的な、層を含んでもよいことが言及されるべきである。1つは、好ましくは、外部の、光捕獲フィルム要素の前の入射光を受けるように光捕獲フィルム要素に関連してカバーガラスおよび他の側面のいずれかに配置されてもよい。
【0078】
大きな入射角視準を有する太陽電池結合フィルムまたは要素に関連する本明細書に記載の主な考えは、例えば実施形態に関連した温室を同様に含む他のシナリオにも一般的に適用可能である。フィルムのこれらの種類は、例えば、余分な鏡無しの太陽光の使用を増やしてもよい。フィルムの透明性は、例えば、その大きさに関する最小パターン特性の手段によって向上してもよい。
【0079】
一部の実施形態において、本明細書に記載の原理は、窓またはディスプレイの状況において決められてもよい。窓/ディスプレイは、例えば、広告、安全または防犯目的で使用されてもよい。
【0080】
一部の実施形態において、ナノ反射物などの所定数の組み込み反射物は、本明細書に記載の技術によって製造されてもよい。小さなパターン、例えば、格子ベースの反射特性は、例えば、平面反射物に直接積層され、積層された要素のそれらの小さな表面レリーフパターンは、例えば、従来の反射フィルムとは違って、完全に組み込まれる。
【0081】
一部の実施形態において、偏光板は、本明細書に記載の原理に従って、製造されてもよい。例えば、格子/ワイヤグリッド偏光板は、ロールツーロールの方法で任意に生成されてもよい。基本的な特性は、例えば、UV硬化のおよび関連した硬化可能な材料の適用によって製造されてもよく、その後、レーザによる蒸着の手段によるより高い屈折率によってコーティングする蒸着が線上に実行されてもよい。レーザは、多くの異なる材料を蒸着するために使用されてもよい。また、配向した指向性蒸着(オンサイド蒸着、非対称蒸着)が可能である。格子形状は、異なる傾斜面などを有するバイナリ、傾斜、四辺形などであってもよい。
【0082】
一部の実施形態において、本発明の所定数の特徴は、光内部結合および関連したソリューションにと関連して利用されてもよい。今日では、例えば、内部結合するLED光および一般に平面要素の視準は、重大な問題である。任意で行形態の平面ボールレンズバーは、特有のソリューションである。視準軸に応じて2Dまたは3D面を含みうる。主に、1軸視準は、十分である。そのような光学ソリューションは、平面要素と別々または一緒に製造されてもよい。可能な製造方法は、射出成形、鋳造、レーザ切断などを含む。光配向制御のために上部および底部の鏡面を使用することは可能である。また、縁および/または例えば、上部の特殊な格子配向パターンは、所望のソリューションを提供してもよい。空気媒体での視準のくさび型は、さらに実現可能な選択である。
【0083】
図9aは、内部結合の目的の一実施形態を示す。内部結合要素902は、プラスチックまたはガラスなどのキャリア材料904の所定の表面上の積層の層/要素として提供されてもよい所定数の潜在的に組み込まれた(例えば、積層フィルム)反射物形態908および潜在的に組み込まれた(例えば、積層フィルム)光配向構造906を含む。図示の場合において、複数のLED910は、光源として適用される。
【0084】
図9bは、内部結合構造に関する更に別の実施形態を示す。920で、左の920a上で、一実施形態の上部/底部面図は、LED910、レンズ形態924aおよび目標要素922などの内部結合形態、などの複数の光源で示されている。示されたレンズ形態は、基本的に円形または楕円形である。右の920b上で、レンズ形態924bなどの異なる内部結合形態を有する他の実施形態が示される。
【0085】
930で、潜在的に、対応する側面図は、追加の、好ましくは、一体化された、反射要素932で示される。レンズ形状924a、924bは、図で明らかである。
【0086】
従って、本発明の様々な実施形態において、レンズフィルムなどの積層されたレンズ要素は、ナノ/マイクロ空洞結合構造を形成するために利用されてもよい。エンボス/インプリントされたフィルムは、キャリア材料/フィルムで積層されうる。これは、多層パターンを有する新しいレンズ構造を生成することを可能にする。別の利点は、光学パターンが完全に一体化/組み込まれ、それらが簡単に欠陥または破壊されないことである。街路灯、ハロゲン代替品などのいくつかの実現可能な用途がある。
【0087】
別の潜在的照明レンズは、例えば空気媒体から光を結合する、非ダイレクト伝達要素であり、それを所望の角度に配向する。一面は、反射物(2Dまたは3D)および他の表面結合パターン(2Dまたは3D)を有してもよい。
【0088】
LEDなどの、光源バーは、少なくとも2D水平方向で視準されてもよい。これは、結合パターンをより簡素に効率的にしてもよい。ソリューションは、例えば、街路灯、公共照明などで用途を有してもよい。
【0089】
別の用途は、結合構造またはフィルムがその外側または内側の面で光を結合および配向するために形成する、光のバー、ロッドまたはチューブである。チューブソリューションにおいて、反射ロッドは、中心(内側の部分)で利用されてもよい。結合フィルムは、また、光を所望の角度(内側または外側)に配向するためにガラスで積層されてもよい。
【0090】
格子レンズなどの表面レリーフベースの、任意に組み込まれた、レンズを有する一つの追加の利点は、例えば、従来の大きなパターンよりもあまり後方反射しない同様の特徴による、およびパターンの(底部)位置を可能にする従来のフレネルレンズよりも良く、効率的である。それらのパターンが全体構造の底部側にある場合、媒体キャリアが上部側にないため、そんなに直接の後方反射なない。
【0091】
これは、例えば、沈む太陽の疑似効果(後方反射)による交通標識の利点であってもよい。また、ソリューションは、例えば、車のブレーキおよび信号灯に適している。
【0092】
図10は、本発明の実施形態に従って複数の要素1004、1006を含む積層構造1002を示す。所定数の組み込まれた、一体化された機能は、表面レリーフパターンおよび/または(例えば、屈折率の観点から)特定の材料を有する機能的キャリアフィルム1004などの新しい要素を追加することによって積層1002へ提供されてもよい。表面レリーフパターンは、目標の表面上で直接確立されてもよい。ラッカーなどの硬化可能な材料が利用されてもよい。基本的に、必要な結合および/または他の光学系そのキャリア構成要素へフィルムまたは厚い要素として積層されてもよい。ロールツーロール処理技術は、可能であり、しばしば、所望の当然に適用された要素の柔軟性および厚さなどの実施形態および性質による。
【0093】
図11は、一例のみとして、本発明に係る製造方法のフロー図を開示する。
【0094】
開始1102で、エンボス/インプリントギア、成形ギア、鋳造ギア、積層ギア、硬化ギアおよび/またはロールツーロールギアなどの必要な設備が得られて構成される。しかし、存在する場合には、必要な接着剤などの、積層の層および積層そのものの原材料が、得られる。
【0095】
1104において、一体型積層構造の少なくとも一つの層を画定する第1キャリア要素が得られる。第1要素は、所望の表面レリーフパターンおよびコーティングで提供されてもよい。ラッカーなどの硬化可能な材料は、例えば、表面レリーフパターンおよび硬化を含むために提供され、エンボス加工あるいは別の方法で加工されてもよい。要素は、プラスチックまたはガラスなどの原材料の大きな塊から所望の寸法に成形または切断されてもよい。所定数の処理にさらされてもよく、および/または積層目的のために接着剤で提供されてもよい。任意に、第1要素は、積層要素自体などの複数要素である。例えば、複数の太陽電池構成の層および/または要素を含んでもよい。
【0096】
1106において、一体型積層構造で利用される第2キャリア要素が得られる。その表面上で、ロールツーロールエンボス/インプリント、リソグライフィ、マイクロ成形、鋳造などの、異なる方法で、第1要素の一つとして、製造されてもよい所定数の表面レリーフパターンを含む。例えば、プラスチック、ガラスまたはセラミック材料を含んでもよい。適切な硬化が適用されてもよい。さらに、所望の追加の要素および/またはコーティングは、第2要素に提供されてもよい。第2要素は、積層要素などの多層であってもよい。
【0097】
本発明と併せて、表面レリーフパターンは、プレマスターパターン、マスターパターンおよび関連する要素の手段で生成されてもよい。プレマスターのパターンを有するプレマスター要素は、マイクロマシニング、リソグラフィー、インプリント、エンボスおよび/または他の方法でまず作成されてもよい。このプレマスターパターンは、その後、電鋳、鋳造または成形によって複製されてもよい。その後、形成されたニッケルシム、プラスチックマスタープレート、鋳造材料板、成形板は、表面に複数のマイクロレリーフパターン、好ましくは、小さな溝、凹部、ドット、ピクセルなどを含んでもよい。
【0098】
好ましくは、プレマスターの好ましくないレリーフパターンは、インクジェットおよび/または印刷変調処理に有利に適している。この変調処理は、既存の溝、凹部、ドット、ピクセルなどが潜在的に完全にインクジェット/印刷の材料で満たされる、充填方法に基づいてもよい。この材料は、既存のパターンを満たし「隠す」ために小さなピコ滴を形成することによって分配される。方法は、目標要素、すなわち、マスターの表面の充填率変調を完了するのに適している。当然、方法は、多くの他の用途も同様に適しており、充填率に限定されない。また、例えば、異なる個々の図面、アイコン、形態および形状を設計することに適している。これは、まず高速で、柔軟である、利用が容易な低価格の光学設計プロセスを作成することが可能になる。当業者は、本明細書に提案の充填方法が本願の単なる積層の場合以外の状況でも一般に実現可能であることを理解するだろう。
【0099】
インクなどの充填材料は、板材よりも望ましい同じ屈折率を有する、透明および光学的透明でありうる。この方法は、実際の機能のテストおよび試験を行うことを可能にする。しかし、例えば、カラーインクも可能だが、その後、複製工程が機能的光学テスト部分を得るために必要とされてもよい。
【0100】
考慮すべき一問題は、滴の大きさおよび材料の粘度であってよい。これは、制御された高品質の充填の観点から重要である。粘度が低すぎる場合、滴は、広域に対して流れ、溝底に沿う。従って、完全充填された構造は、達成することがより困難になってきている。粘度が高い場合、滴の大きさは、大きくなるが、形状は、より小型になり、あまり多く溝へ流れない。従って、所望のソリューションは、小さな滴の大きさを保証する、低粘度材料を含んでもよい。また、小さなパターン、個別の溝、凹部、ドットおよびピクセルのみを利用する場合、滴は、所望の位置に望ましいパターンのみを有利に満たす。従って、プレマスターは、好ましくは、小さなピクセルまたは個別の特性でパターン化されてもよい。
【0101】
1108において、適切な圧力、温度および任意に互いを積層するための要素間の接着剤(単数または複数)を利用して、第1要素および第2要素、ならびに任意に更に別の要素が、互いに積層される。実現可能な硬化を適用してもよい。組み込み表面レリーフ特性は、関連したマイクロおよび/ナノ空洞パターンを基本的に確立する。潜在的に、他の方法で不可能でない場合に困難である、非常に複雑なボリューム(例えば、空洞)を生成してもよい。複数層/多層パターンは、いくつかのパターン化された媒体キャリア(要素)を互いに積層することによって可能である。積層に含まれる要素は、その複数の側面で表面レリーフパターンを含んでもよい。異なるパターンは、積層において異なる機能を提供しうる。
【0102】
一実施は、例えば、プラスチックまたはガラス板などの厚いキャリア上にUVエンボス/インプリントされた薄膜(パターン化されたフィルム)の積層を明示し、その後、積層フィルムと板との間の良好な接着を得るために最終硬化を実行する。ロールツーロール積層は、積層要素が目的に対して適切、すなわち薄さ/柔軟性が十分であるように提供可能である。
【0103】
1110において、更に別の要素および/または機能は、積層に提供される。切断、余分な材料の除去、(再)繰糸、テストなどの後処理動作を実行してもよい。
【0104】
方法の実行は、1112において終了する。
【0105】
上記に開示の方法の図の方法アイテムの相互の順序付けおよび全体の動作は、それぞれ特有な使用シナリオによる要件設定に基づいて当業者によって変更されてもよい。いくつかの方法アイテムの実行を破線矢印で示されるような方法の間に相互に繰り返してもよい。
【0106】
図12は、本発明に関連して適用可能である、可能なロールツーロール製造シナリオの様々な態様を示す。示した図において、2つの要素、基本的にフィルム、シートまたはホイルの、1204、1206は、互いに積層され、表面レリーフパターン1206bは、積層の前の処理中に要素1206へシリンダー/ロール1208によって複製される。積層構造1216が形成され、パターン1206bは、積層シリンダー/ロール1210によって積層1216内に積層される。UV光硬化などの予備硬化1212は、硬化後1214、任意に再度UV硬化すると同様に行われてもよい。切断、繰糸およびテスト動作などの所定数の更に別の工程動作が実行されてもよい(図に示さず)。要素1204などの目的の要素は、また、必要に応じてその両側面のフィルムなどの複数の追加の層で提供されうる。これは、シリンダー/ロールなどの必要なハードウェアの量および性質が十分である場合、1回で実行されてもよい。代わりに、例えば、単一層がラウンド毎に積層に追加される間に複数の実行を介して同じ結果が得られる。
【0107】
図13は、本発明に関連して、好ましくはロールツーロールベースの製造方法の更に別の実施形態の異なる潜在的な項目を示す。特定の実施例は、ホイル積層についてであるが、当業者であれば、原則は同様に積層する他の様々なキャリア要素に適用されると理解するだろう。1302で、光学的機能的要素などの機能がフィルムなどのキャリア材料へどのように提供されるのかが一般に示される。図面で示唆したように、ホイル、フィルムまたは要素の他のタイプは、そこに表面レリーフ形態を形成可能で硬化可能であるラッカーなどの材料まず提供される1312。表面レリーフパターンを囲う材料は、他の選択肢のうち、例えば、実際に熱硬化可能、UV硬化可能、湿気硬化可能、または電子線硬化可能であってよい。さらに、UV硬化+熱硬化、UV硬化+湿気硬化、熱硬化+電子線硬化などの少なくとも二つの効果方法を利用する組み合わされた硬化技術は、使用される材料により適用可能であってよい。
【0108】
エンボス加工または他の技術によってラッカー適用のホイル上の表面レリーフパターン「A」のエンボス加工1316の後、パターンが、必要な場合、別のフィルムなどのキャリア要素に関連する積層1320に、潜在的に続くUV硬化などの適切な方法によって予備硬化1318されてもよい。好ましくは組み込まれるようなパターンAを含む確立された積層「A」は、ホイルなどの更なる機能的要素が好ましくは、実施例のみの方法によって、1304で「b」で補足された同質の参照番号によって示される実質的に同様の処理項目で一般に示される、積層1324によって、そこに、結合した後、1322で硬化される。にもかかわらず、これらの処理項目は、同様である必要がなく、例えば、異なるパターン形成技術および/または硬化技術が適用されうる。更に別の機能要素は、図面に示すようにパターン「B」を含んでもよい。パターンAおよびBの両方を含む最終積層は、所定数の適用可能な硬化1326手順および/または他の処理にさらされてもよい。
【0109】
従って、当業者は、この開示および一般的な知識に基づき、存在する場合には、必要な修正、削除および追加で各特定の使用事例において添付の特許請求の範囲によって画定される本発明の範囲を実行するために提供された教示を適用してもよい。
【0110】
例えば、一部の実施形態において、一体化された積層構造の1以上の要素は、均一の照明または離散照明などの所定の目的のための説明した空洞光学系を含んでもよい。光学的機能的要素は、様々な電子または他の装置のカバーなどの他の要素を有する積層によって一体化されてもよい。
【0111】
本発明は、積層などの一体化された構造内の局所的な光学機能の提供を可能にする。情報提供する表示などの局所的影響および視覚的表示は、その特定の実施形態において作成されてもよい。
【0112】
一般的に、本発明の異なる実施形態において、レリーフ形態は、キャリア基板の関連する表面レベルに対して正または負であってもよい。
【0113】
一部の実施形態において、積層の代わりに、またはそれに加えて、一体化された構造の要素は、機械的締結構造、単なる接着剤などの他の方法を利用して取り付けられてもよい。
【0114】
一部の実施形態において、本発明に係る積層構造は、チップ、チップパッケージ、太陽電池構造、光源、照明要素、電子、カバーまたは本体構造などの他の要素を含むようにさらに一体化または構成されてもよい。
【0115】
前記記載の様々な機能/機能性のそれぞれは、専用の要素、共有の要素によってまたは複数の協力する要素によって積層構造にて実行されてもよい。
【0116】
光学系の代わりに、またはそれに加えて、本明細書に記載の積層ソリューションは、マイクロ流体などの他の状況において利用されうる。例えば、冷却チャンネルは、それにより製造されうる。また、潤滑チャンネルが形成されうる。