【実施例】
【0045】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
調製例1.オリーブ抽出物の調製
オリーブ果実のオイル搾りカス8 kgを、80℃の熱水32 Lで30分間ずつ2回抽出した。ナイロンメッシュ(日本理化学器械株式会社製、商品名:NRS-500)でろ過をした後、#131(φ330 mm)ろ紙2枚+200 gハイフロスーパーセル(ナカライテスク株式会社)を用いた吸引ろ過により搾りカスを除き、抽出液を得た。50%アセトンにて洗浄し水で平衡化したアンバーライトXAD7-HP樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株))5 L(カラムサイズφ14×32 cm)に、この抽出液を全量負荷した。5 Lの水で洗浄後、20 Lの水、35 Lの15%エタノール水溶液、20 Lの60%エタノール水溶液で順次溶出した。15%溶出画分と60%溶出画分を各々減圧濃縮した後、凍結乾燥し、それぞれ37.2 gと66.0 gの分画物を得た。このうち、60%溶出画分から得られた分画物をオリーブ抽出物(アクテオシド含量9.1%)として後の動物実験に用いた。
調製例2.アクテオシドの調製
オリーブ果肉の抽出エキス末(インデナ社製のオレアセレクト(商標)(Batch No.10219))100 gをメチルエチルケトン1200 mlと蒸留水600 mlに溶かし、3 L容の分液漏斗でよく振って、有機層を回収した。水層にメチルエチルケトン1200 mlを加えよく振って、有機層を回収し、更に同様の操作を繰返した。計3回分の有機層を合併し、濃縮、凍結乾燥を行い、52.5 gの乾燥物を得た。
【0046】
この乾燥物全量を200 mlの70%エタノール水溶液に溶解させ、更に水で10倍に希釈した後、水で平衡化した1 LのMCI GEL CHP-20P(三菱化学株式会社製、75-150 μm)に負荷した。10 Lの10%エタノール水溶液を流した後、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、35%のエタノール水溶液で各1 Lずつ、さらに、2 Lの40%エタノール水溶液で順次溶出を行った(エタノール濃度はすべてV/V%)。12.5%から27.5%までの溶出液は250 mlずつ4フラクションに分画回収し、このうち20%溶出液の第4フラクションから25%溶出液の第3フラクションまでを合わせて濃縮して5.98 gの精製アクテオシドを得た。
実施例1.DRAの製造−1
ナリンギナーゼ(
Penicillium decumbens由来、300 units/g、シグマ社製)0.37 mgを0.1 M酢酸緩衝液( pH 4.0) 1.68 mlに懸濁し、0.22 mg /mlの酵素液を調製した(略称:1/10)。この1/10酵素液を、0.1 M酢酸緩衝液( pH 4.0)を用いて希釈し、3倍、10倍、30倍希釈の酵素液を調製した(それぞれの略称:1/30、1/100、1/300)。ねじ口ガラス試験管にそれぞれの酵素液を0.9 ml採取し、調製例2で得られた精製アクテオシドの50%エタノール水溶液(20 mg/ml)0.1 mlを添加し、40℃にて振とうした(100-130回/分、Water Bath Shaker MM-10型、大洋科学工業(株)(現在タイテック(株))製)。反応開始1、2、3、4、5、24時間後に0.1 ml採取し、除タンパクを目的にして、等量の氷冷したアセトニトリルを添加撹拌し、10分氷冷下に静置したのち、遠心分離をおこなった(10000回転、10分、5℃、微量高速冷却遠心分離機 MX-100型、(株)トミー精工製)。得られた遠心分離上清4μlを下記の分析条件でのHPLC分析に供した。酵素無添加群の5、24時間目を同様に処理し、アクテオシドの安定性をチェックした(略称:Ez(-))。また反応生成物がDRAであることは、LC/MS分析によって確認した。
<HPLC分析条件>
システム:Waters 2690/2695 セパレーションモジュール、996 フォトダイオードアレイ検出器
カラム:Develosil(商標)
RPAQUEOUS-AR-5 (3*150 mm)
移動相:A:0.1% ギ酸-15%アセトニトリル/蒸留水、B:0.1% ギ酸-50%アセトニトリル/蒸留水
プログラム:0分(0% B)、30分(100% B)
流速:0.43 ml/分
注入量:4 μl
検出波長:280 nm
上記分析条件で、DRAは8.958±0.008分(n=24)、アクテオシドは9.348±0.009分(n=18)に溶出した。HPLCのピーク面積を指標にした経時的変化の結果を
図1および
図2に示す。アクテオシドの減少に伴い、DRAが生成することが確認された。
実施例2.DRAの製造−2
調製例2で得られた精製アクテオシド4 gを100 mlの50%エタノール水溶液に溶解した。この溶解液全量を2 Lの0.1 M酢酸緩衝液(pH 4.0)に加えて40℃に保ち、ナリンギナーゼ(
Penicilliumdecumbens由来、300 units/g、シグマ社製)400 mgを添加した。40℃で3時間撹拌した後、ただちに反応液全量を、水で平衡化した700 mlのMCI GEL CHP-20P(三菱化学株式会社製、75-150 μm)に負荷した。2 Lの水で洗浄した後、2 Lの15%エタノール水溶液、1200 mlの20%エタノール水溶液を流した。続けて、22.5%、25%、27.5%のエタノール水溶液各750 mlで溶出し、それぞれ250 mlずつ3画分に分画した。さらに、 1250 mlの30%エタノール水溶液で溶出し、250 mlずつ5画分に分けた。このうち、27.5%溶出液の第1および第2画分を合せたもの、27.5%溶出液の第3画分から30%溶出液の第3画分までを合せたものを別々に濃縮し、それぞれ438 mgと1.562 gの乾燥物を得た。27.5%溶出液の第3画分から30%溶出液の第3画分の乾燥物を用いてMSおよびNMR解析を行い、DRAであることを確認した。
実施例3.DRA含有オリーブ抽出物の製造−1
蒸留水160 mlを40℃にインキュベートし、オリーブ果肉の抽出エキス末(インデナ社製 オレアセレクト(商標)(Batch No.10219))4 gの50%エタノール水溶液20 mlを添加して撹拌し(このときのpH 4.7)、氷酢酸を用いてpH 4.0に調整した。次に、ナリンギナーゼ(
Penicilliumdecumbens由来、300 units/g、シグマ社製)40 mgの蒸留水懸濁液20 mlを加え、反応を開始した。0.5分、2分から30分まで2分間隔、60分から210分まで30分間隔に100 μl採取し、除タンパクを目的にして、等量の氷冷したアセトニトリル100 μlを添加して撹拌後、遠心分離をおこなった(10000回転、10分、5℃、微量高速冷却遠心分離機 MX-100型、(株)トミー精工製)。加温210分後の反応液のpHは4.1であった。また、酵素液の代わりに蒸留水を添加して同様に処理した試料を対照とした。得られた遠心分離上清4 μlをHPLC分析に供し、DRAとアクテオシドのピーク面積を求めた。また、DRAとアクテオシドを用いて、50%アセトニトリルによる段階希釈液を調製し、同一条件で分析し、検量線を作成した(DRA検量線のR
2=0.9999、アクテオシド検量線のR
2=1)。検量線の作成に用いたDRAおよびアクテオシドの標品は、それぞれ実施例2、調製例2で得られたものを使用した。ピーク面積値と検量線から濃度を算出し、下記の算出式により元の試料中(分析時10 mg/ml相当)のDRAおよびアクテオシド含量を求めた。結果を表1に示す。
<HPLC分析条件>
システム:Waters 2690/2695 セパレーションモジュール、996 フォトダイオードアレイ検出器
カラム:Develosil(商標)
RPAQUEOUS-AR-5 (3*150 mm)
移動相:A:0.1% ギ酸-15%アセトニトリル/蒸留水、B:0.1% ギ酸-60%アセトニトリル/蒸留水
プログラム:0分(0% B)、30分(100% B)
流速:0.43 ml/分
注入量:4 μl
検出波長:280 nm
<算出式>
反応時の試料濃度は20 mg/ml、さらにアセトニトリルで2倍希釈しているので試料濃度は分析時10 mg/ml相当量であることから、含量(%)=100*濃度(μg/ml)/10000(μg/ml)
表1は、DRAおよびアクテオシド含量の経時的変化を示すものである。アクテオシドの減少に伴い、DRAが生成することが確認された。
【0047】
【表1】
実施例4.DRA含有オリーブ抽出物の製造−2
<抽出>
オリーブ果実のオイル搾りカス2 kgを、80℃の熱水16 Lで2時間抽出した。ナイロンメッシュ(日本理化学器械株式会社製、商品名:NRS-500)でろ過をした後、#131(φ330 mm)ろ紙2枚+400 gハイフロスーパーセル(ナカライ株式会社)を用いた吸引ろ過により搾りカスを除き、抽出液を得た。
<脱ラムノシル反応>
抽出液を40℃まで冷やし、酢酸32 mlを添加しpHを3.93まで下げた。水浴中で40℃に保ちながら、ナリンギナーゼ(
Penicilliumdecumben由来、540 units/g、シグマ社製)130 mgを添加し、3.5時間反応した。反応を終了させるため、6 N硫酸35 mlを添加してpHを3.0に調整し、80℃で10分間加熱することにより酵素を失活させた。その後水浴にて40℃以下に冷却し、当量の4 N NaOH水溶液52.5 mlを添加した。
<精製>
50%アセトンにて洗浄し水で平衡化したアンバーライトXAD7-HP樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株))1 L(カラムサイズφ8×20 cm)に、上記の反応液を全量負荷した。2 Lの水で洗浄後、6 Lの15%エタノール水溶液、4 Lの60%エタノール水溶液で順次溶出した。この15%溶出画分と60%溶出画分を各々減圧濃縮した後、凍結乾燥し、それぞれ8.73 gと16.8 gの分画物を得た。このうち、60%溶出画分から得られた分画物を、DRA含有オリーブ抽出物(DRA含量8.9%)として後の動物実験に用いた。
実施例5.DRAの血中抗酸化活性
<測定方法>
DRAの血中抗酸化活性におよぼす影響をラットを用いて評価した。血中抗酸化活性の評価にはFRAP、ORACを用いた。また、DRAおよびアクテオシドは、それぞれ実施例2および調製例2と同様の方法で調製したものを用いた。
【0048】
SD(IGS)系雄性ラット(6週齢)を日本チャールスリバー社より購入し、1週間試験環境で馴化させた後、順調な発育を示した動物を試験に供した。一晩絶食させたラットを各群3匹からなる5群に分けた。1群には0.5% CMC溶液を、2群にはDRAの0.5% CMC懸濁液(0.8 mM)を、3群には精製アクテオシドの0.5% CMC懸濁液(0.8 mM)を、4群にはオリーブオイル溶液(ナカライテスクcode.073-26)を、5群にはDRAのオリーブオイル懸濁液(0.8 mM)を、それぞれ5 ml/kgの用量でゾンデを用いて経口投与した。1-3群は投与前、投与後0.5、1、3、6、9、24時間後に、4-5群は投与前、投与後1、3、6、9、24時間後に尾静脈よりヘパリン採血管に血液を採取し、遠心分離操作(8,000 rpm、10 min)により血漿サンプルを得た。後日血漿FRAP活性およびアセトン除タンパク処理後上清のORAC活性を測定した。
【0049】
結果を
図3〜
図6に示す。アクテオシド投与群では血中の抗酸化活性の上昇はほとんど認められなかったが、DRA投与群では投与後に血中抗酸化活性の明らかな上昇が認められた。特にFRAP活性で見ると、投与初期(1-3時間後)と9時間目に2相性の抗酸化活性のピークを認めたことから、DRAが徐放的な作用を有することが確認できた。
実施例6.体内吸収
実施例5で血中抗酸化活性の測定用に採取した血漿サンプルのうち、1群(0.5% CMC溶液投与群)、2群(DRAの0.5% CMC懸濁液投与群)、3群(アクテオシドの0.5% CMC懸濁液投与群)の血漿の一部を使用して、各サンプル投与時の血中濃度の測定を行った。
<測定方法>
各群3匹の血漿を等量混合し均一にした後、血漿90 μlにカタツムリ由来のβ-グルクロニダーゼ/アリルスルファターゼ/酢酸緩衝液(pH 5.0) 90 μlを添加し、37℃で1時間インキュベーションを行った。アセトニトリル900 μlを添加し反応を終了、続いて1%アスコルビン酸水溶液10 μl、内部標準容液10 μlを添加し混合し、遠心分離操作(15,000 rpm、10 min)後の上清を回収した。回収した上清を減圧濃縮後、50% メタノールに再溶解しフィルターろ過してLC-MS/MSに付してアクテオシド、DRAおよびヒドロキシチロソール、カフェ酸の定量を行った。アクテオシド、DRA、ヒドロキシチロソール、カフェ酸量は、ピーク面積と、内部標準として用いたヘスペリジン(Wako)のピーク面積との比により決定した。LC-MS/MS分析条件を以下に示す。
<HPLC分析条件>
カラム:ACQUITY BEH18 (1.7 μm、2.1Φ×100 mm、日本ウォーターズ)
移動相:A;0.1% ギ酸水溶液、B;アセトニトリル
流速:0.30 ml/min
グラジエント:B液が5%で5分間、その後5分間でB液が5%から10%、2分間B液が10%を維持、その後7分間でB液が10%から24%、さらに4分間でB液が24%から80%のリニアグラジエント
<MS/MS分析条件>
測定モード:選択反応モニタリング
検出
:アクテオシド(保持時間約17.4分);前駆イオンm/z=623([M-H]-)、生成イオンm/z=161
:DRA(保持時間約17.0分);前駆イオンm/z=477([M-H]-)、生成イオンm/z=161
:ヒドロキシチロソール(保持時間約3.1分);前駆イオンm/z=153([M-H]-)、生成イオンm/z=123
:カフェ酸(保持時間約8.1分);前駆イオンm/z=179([M-H]-)、生成イオンm/z=135
:ヘスペリジン(保持時間約18.7分);前駆イオンm/z=609([M-H]-)、生成イオンm/z=301
イオン化法:ESI法
結果を
図7、
図8、
図9に示す。アクテオシドを投与した際のアクテオシドの最大血中濃度(Cmax)は1 μMにも満たなかったが、代謝物としてヒドロキシチロソールおよびカフェ酸が検出された。ヒドロキシチロソールの最大血中濃度(Cmax)は11.7 μM、カフェ酸の最大血中濃度(Cmax)は0.7 μMであった。これに対してDRAを投与した際のDRAの最大血中濃度(Cmax)はやはり1 μMにも満たなかったが、代謝物としてヒドロキシチロソールおよびカフェ酸が高濃度検出された。ヒドロキシチロソールの最大血中濃度(Cmax)は32.8 μM、カフェ酸の最大血中濃度(Cmax)は7.3 μMであった。
【0050】
アクテオシド、DRAどちらもそのままの形で吸収、血中移行しておらず、代謝物であるヒドロキシチロソールやカフェ酸として体内に存在していたため、ヒドロキシチロソールおよびカフェ酸のAUCを用いて体内吸収量を比較した結果を
図10に示す。DRAの体内吸収量は、ヒドロキシチロソールのAUCで比較するとアクテオシドの約3倍、カフェ酸のAUCで比較すると約13倍上昇した。
【0051】
以上の結果より、DRAはアクテオシドに比べて、体内吸収量が増加し、代謝物であるヒドロキシチロソールおよびカフェ酸のもつさまざまな生理活性が高いことが示唆された。
実施例7.血中抗酸化作用の含量依存性評価
DRAを様々な濃度で含有するオリーブ抽出物の血中抗酸化作用を比較した。
<測定方法>
SD(IGS)系雄性ラット(6週齢)を日本チャールスリバー社より購入し、1週間試験環境で馴化させた後、順調な発育を示した動物を一晩絶食させ、各群4匹からなる5群に分けた。実施例2と同様の方法で製造したDRAと、調製例1で得られたオリーブ抽出物を用いて、DRA含有オリーブ抽出物を調製した。このDRA含有オリーブ抽出物をオリーブオイルに溶解させて、DRAを0、0.5、1、2、5%含有する投与液を作成し、5 ml/kgの用量でゾンデを用いて経口投与した。投与前、投与後1、3、6、9、24時間後に尾静脈よりヘパリン採血管に血液を採取し、遠心分離操作(8,000 rpm、10 min)により血漿サンプルを得た。後日血漿FRAP活性を測定した。
【0052】
結果を
図11に示す。DRAの含量依存的に血中抗酸化活性は上昇し、2%以上の濃度で明らかな血中抗酸化活性の上昇作用を認めた。
実施例8.血中抗酸化活性
オリーブ抽出物の脱ラムノシル反応有無による血中抗酸化活性をFRAP活性により比較した。
<測定方法>
サンプルは、実施例4で調製したDRA含有オリーブ抽出物(DRA含量8.9%)と、実施例4の工程のうち、脱ラムノシル反応のみを行わず、他の工程は同様に処理した酵素未処理のオリーブ抽出物(アクテオシド含量9.1%)を用いた。
【0053】
SD(IGS)系雄性ラット(6週齢)を日本チャールスリバー社より購入し、1週間試験環境で馴化させた後、順調な発育を示した動物を試験に供した。一晩絶食させたラットを各群4匹からなる3群に分け、1群にはオリーブオイル溶液、2群にはDRA含有オリーブ抽出物のオリーブオイル懸濁液、3群には酵素未処理オリーブ抽出物のオリーブオイル懸濁液をそれぞれ500 mg/5 ml/kgの用量でゾンデを用いて経口投与した。投与前、投与後1、3、6、9、24時間後に尾静脈よりヘパリン採血管に血液を採取し、遠心分離操作(8,000 rpm、10 min)により血漿サンプルを得た。後日血漿FRAP活性を測定した。
【0054】
結果を
図12に示す。酵素処理によりDRA含量を高めることで抗酸化活性を上昇させることが確認できた。
実施例9.DRAの徐放性
試験動物および投与液は実施例8と同様の方法にて準備した。投与は、500 mg/5 ml/kgの用量を24時間間隔で5日間連続投与し、最終投与9時間後にヘパリン採血管に血液を採取し、遠心分離操作(8,000 rpm、10 min)により血漿サンプルを得た。後日血漿FRAP活性を測定した。
【0055】
結果を
図13に示す。DRA含有オリーブ抽出物投与群で酵素処理をしないオリーブ抽出物投与群と比較して、最終投与9時間後の血中抗酸化活性の有意な上昇が認められ、DRAの徐放性が確認された。
製剤例1.錠剤
(1粒あたり配合量)
DRA含有オリーブ抽出物(DRA含量8.9%) 25 mg
無水ケイ酸 5 mg
微結晶セルロース 120 mg
マルチトール 150 mg
上記各成分を均一に混合し、単発式打錠機にて打錠し、径10 mm、1粒300 mgの錠剤を製造した。1日あたり4粒を推奨摂取量とする。
製剤例2.顆粒剤
(スティック1本あたり配合量)
DRA含有オリーブ抽出物(DRA含量8.9%) 150 mg
トウモロコシデンプン 400 mg
マルチトール 1000 mg
上記各成分を均一に混合した後に10%ハイドロキシプロピルセルロース・エタノール溶液100 mlを加え、常法通り練和し、押し出し、乾燥して顆粒剤を得た。このスティック1.5g/本を1日あたり1本摂取する。
製剤例3.ソフトカプセル剤
一粒あたり配合量 1日2粒を推奨摂取量とする。
【0056】
(重量%)
ゼラチン 70.0
グリセリン 29.7
カラメル 0.3
水 適量
合計 100
上記成分からなるソフトカプセル剤皮の中に、以下に示す組成物を常法により充填し、1粒300 mgのソフトカプセルを得た。このソフトカプセル1日2粒を推奨摂取量とする。
【0057】
(一粒あたり配合量)
DRA含有オリーブ抽出物(DRA含量8.9%) 50 mg
ビーワックス 0.02 ml
オリーブオイル 0.1 ml
製剤例4.ドリンク剤
呈味:DL−酒石酸ナトリウム 0.1 g
コハク酸 0.009 g
甘味:液糖 800 g
ビタミンC 10 g
DRA含有オリーブ抽出物(DRA含量8.9%) 1 g
ビタミンE 30 g
シクロデキストリン 5 g
香料 15 ml
塩化カリウム 1 g
硫酸マグネシウム 0.5 g
上記成分を配合し、水を加えて10 Lとした。このドリンク剤は、1回あたり約100 mlを飲用する。