特許第6046105号(P6046105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046105
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】医療デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/34 20060101AFI20161206BHJP
   A61F 2/46 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   A61F2/34
   A61F2/46
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-260355(P2014-260355)
(22)【出願日】2014年12月24日
(62)【分割の表示】特願2010-545557(P2010-545557)の分割
【原出願日】2009年2月9日
(65)【公開番号】特開2015-96206(P2015-96206A)
(43)【公開日】2015年5月21日
【審査請求日】2015年1月16日
(31)【優先権主張番号】0802277.4
(32)【優先日】2008年2月7日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】397070118
【氏名又は名称】ティージェイ スミス アンド ネフュー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・キャネル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ターナー
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05540697(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/34
A61F 2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントへの接続デバイスと、本体を備え、前記本体が前記本体内に配置された少なくとも1つの湾入部を有するインプラントとの組合せであって、使用時、前記インプラントが前記インプラントへの接続デバイスによりクランプされるように、少なくとも1つの湾入部が前記インプラントへの接続デバイスの少なくとも2つの突出部を受け、
前記インプラントへの接続デバイスが、
使用時、インプラントにおける少なくとも1つの湾入部に接続可能な少なくとも2つの突出部と、
接続位置と分離位置との間で前記本体の長軸の周りに前記突出部を回転する機構と、
を備え、使用時、前記インプラントが前記インプラントへの接続デバイスによりクランプされるように、前記突出部が前記少なくとも1つの湾入部に接続し、
前記突出部を回転する機構が、前記本体の長軸の周りに、前記突出部を互いに対して、回転し、かつ使用時、前記突出部が前記インプラントの内面から内側に突出しないようにかつ前記インプラントの外面から外側に突出しないように、前記突出部が前記少なくとも1つの湾入部に接続する、組合せ。
【請求項2】
前記インプラントが、内面および外面を有する本体と、
前記本体内に配置された少なくとも1つの湾入部であって、使用時、前記突出部が、前記インプラントの本体の内面から内側に突出しないようにおよび/または前記インプラントの本体の外面から外側に突出しないように、前記少なくとも1つの湾入部が前記インプラントへの接続デバイスの少なくとも2つの突出部を受ける、少なくとも1つの湾入部と、
を備える請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
前記インプラントが、寛骨臼コンポーネントである請求項1または2に記載の組合せ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの湾入部が、バヨネットコネクタ式である請求項1から3のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの湾入部が、少なくとも1つのテーパー状係止具突出部を受けるように形成された請求項1から4のいずれか一項に記載の組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラントに接続するとともにインプラントを挿入するためのデバイスに関する。本発明はまた、このデバイスに接続するインプラントに関する。本発明はまた、このデバイスおよびインプラントを用いた方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属と金属とのベアリングを用いた股関節の表面置換において、インプラントの寛骨臼コンポーネントが導入器にしっかり取り付けられることは非常に重要である。導入器は、寛骨臼コンポーネントを挿入するとともに操作するために用いられるデバイスである。導入器は、調整された寛骨臼内にインプラントを完全に挿入するのに十分に丈夫なものであることが求められている。導入器はまた、一旦、挿入された後、必要に応じて、インプラントを回転するとともに再配置できることが求められている。導入器はまた、インプラントに対し再装着することができて、誤った位置に置かれていると判断された場合、取り外すことができることが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これは、ライナー(たとえば、ポリエチレン)を利用する寛骨臼インプラントにとって、比較的簡単である。それは、アタッチメントが、金属製の寛骨臼コンポーネントの内部に構成することができるときであり、金属製の寛骨臼コンポーネントが次にライナーにより覆われる。しかしながら、ライナーを用いない金属と金属とのコンポーネントにとって、インプラントの内部への取付けは可能ではない。なぜなら、座面を危うくするからである。
【0004】
既知のタイプの導入器は、インプラントに取り付けられたワイヤーにより、寛骨臼インプラントに接続する。インプラントが配置されると、ワイヤーが切断されて、導入器が取り外される。しかしながら、ワイヤーが切断された後に、インプラントを再配置することは、非常に困難である。
【0005】
他の既知のデバイスは、寛骨臼インプラントの内部に機械加工された特徴部分に、取り付けられている。しかしながら、座面の内部に特徴部分を作ることは、インプラントの性能に影響を与えてしまう。たとえば、高度に研磨された金属面が損傷を受けることがある。また、この特徴部分は、人工関節の表面積を少なくしてしまう。さらに、インプラントの内部に接続する既知のデバイスは、あらゆるインプラントサイズを考慮するためのモジュラー接続を可能にするものではない。
【0006】
他の既知のデバイスは、インプラントの外部に取り付けられている。しかしながら、これを行うためには、機器を取り付けるとき、インプラントの外径を上回る必要がある。しかしながら、それが移植された後、インプラントから機器を取り外すためには、機器が、調整された寛骨臼よりも大きいサイズへ後退される(retracted)必要がある。これは、機器がインプラントと調整された骨との間に捕捉されてしまう可能性を生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、インプラントの関節特性または構造強度を損なうことなく、インプラントが前記デバイスにしっかり固定される特徴部分を有する、インプラントおよびデバイスを提供することにある。インプラントは、移植前も移植後も、前記機器に容易に接続することできる(インプラントを取り外すまたは再配置することができるようにするため)。
【0008】
本発明の第一の態様によれば、使用時、前記インプラント内の少なくとも一つの湾入部に接続可能な少なくとも二つの突出部と、
接続位置と接続解除位置との間で前記突出部を動かす機構と、
を備えている、インプラントに対する接続デバイスが提供される。
【0009】
本発明の第二の態様によれば、使用時、前記インプラント内の少なくとも一つの湾入部に接続可能な少なくとも二つの突出部と、
接続位置と接続解除位置との間で前記突出部を動かす機構と、
を備え、使用時、前記インプラントが前記デバイスによりクランプされるように、前記突出部が前記少なくとも一つの湾入部に接続する、インプラントに対する接続デバイスが提供される。
【0010】
本発明の第三の態様によれば、使用時、内側および外側面を有するインプラント本体内の少なくとも一つの湾入部に接続可能な少なくとも二つの突出部と、
接続位置と接続解除位置との間で前記突出部を動かす機構と、
を備え、使用時、前記突出部が前記インプラント本体の内側および/または外側面を越えて突出しないように、前記突出部が少なくとも一つの湾入部に接続する、インプラントに対する接続デバイスが提供される。
【0011】
本願において、湾入部は、突出部を受ける/収容する、任意の手段とすることができる。例えば、湾入部は、凹部または溝とすることができる。
【0012】
本願において、突出部は、湾入部に接続する、または、湾入部により受けられる/収容される任意の手段とすることができる。例えば、突出部は、係止具(catch)、ペグ(peg)、またはラグ(lug)とすることができる。
【0013】
前記突出部を、面取りすることができる。前記突出部は、テーパー状のキャッチ部(tapered catch)の形態とすることができる。前記突出部は、鳩尾(dovetail)の形とすることができる。
【0014】
本発明の好適な実施形態によれば、前記機構は、前記突出部を、互いに独立して動かす。
【0015】
前記機構は、前記突出部を、異なる方向に動かすことができる。
【0016】
前記機構は、前記突出部を、反対方向に動かすことができる。
【0017】
前記機構は、前記突出部を、異なる方向に回転することができる。
【0018】
前記機構は、前記突出部を、反対方向に回転することができる。
【0019】
本発明の第四の態様によれば、使用時、インプラント内の少なくとも一つの湾入部に接続可能な少なくとも二つの突出部と、
接続位置と接続解除位置との間で前記突出部を動かす機構と、
を備え、前記機構は前記突出部を互いに独立して動かす、インプラントに対する接続デバイスが提供される。
【0020】
前記機構は、前記突出部を、異なる方向に動かすことができる。
【0021】
前記機構は、前記突出部を、反対方向に動かすことができる。
【0022】
前記機構は、前記突出部を、異なる方向に回転することができる。
【0023】
前記機構は、前記突出部を、反対方向に動かすことができる。
【0024】
前記デバイスは、金属製とすることができる。前記デバイスは、ステンレス鋼製とすることができる。
【0025】
前記デバイスは、プラスチック製とすることができる。前記デバイスは、高密度のポリエチレン製とすることができる。前記デバイスは、ポリアセタール製とすることができる。前記デバイスは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製とすることができる。
【0026】
前記デバイスは、金属およびプラスチックを組合せて、できたものとすることができる。
【0027】
本発明の第五の態様によれば、前記本体内に配置された少なくとも一つの湾入部を有する本体を備え、使用時、前記インプラントが前記デバイスによりクランプされるように、少なくとも一つの湾入部が、前記インプラントに対する接続デバイスの少なくとも二つの突出部を受ける、インプラントが提供される。
【0028】
本発明の第六の態様によれば、内側および外側面を有する本体と、
前記本体内に配置された少なくとも一つの湾入部と、
を備え、使用時、前記突出部が前記インプラント本体の内側および/または外側面を超えて突出しないように、少なくとも一つの湾入部が前記インプラントに対する接続デバイスの少なくとも二つの突出部を受ける、インプラントが提供される。
【0029】
前記インプラントは、寛骨臼コンポーネントとすることができる。前記インプラントは、寛骨臼カップとすることができる。前記インプラントは、表面置換カップ(resurfacing cup)とすることができる。
【0030】
前記寛骨臼カップは、44〜68mmの範囲内の外径を有することができる。前記寛骨臼カップは、38〜62mmの範囲内の内径を有することができる。
【0031】
少なくとも一つの湾入部は、差込コネクタ(bayonet connector)の形態とすることが
できる。
【0032】
少なくとも一つの湾入部は、少なくとも一つの面取りされた突出部を受けるように、形成することができる。少なくとも一つの湾入部は、少なくとも一つのテーパー状係止具を受けるように、形成することができる。少なくとも一つの湾入部は、少なくとも一つの鳩尾型突出部(dovetail shaped protrusion)を受けるように、形成することができる。
【0033】
前記インプラントは、金属製とすることができる。前記インプラントは、金属合金製とすることができる。前記インプラントは、ステンレス鋼製とすることができる。前記インプラントは、チタン製とすることができる。前記インプラントは、コバルトクローム製とすることができる。
【0034】
本発明の第七の態様によれば、使用時、前記インプラント内の少なくとも一つの湾入部に接続可能な少なくとも二つの突出部、および、接続位置と接続解除位置との間で前記突出部を動かす機構を備えている、インプラントに対する接続デバイスを提供するステップと、
少なくとも一つの湾入部を備えているインプラントを提供するステップと、
前記突出部を接続解除位置から接続位置に動かすように、前記機構を動作することにより、前記インプラントに前記デバイスを接続するステップと、
を備える、デバイスに対しインプラントを接続する方法が提供される。
【0035】
前記インプラントが前記デバイスによりクランプされるように、前記突出部は、少なくとも一つの湾入部に接続することができる。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記インプラントが内側および外側面を有し、かつ、前記突出部が前記インプラント本体の内側および/または外側面を超えて突出しないように、前記突出部は少なくとも一つの湾入部に接続している。
【0037】
本発明にかかる方法によれば、本発明の第一〜第四の態様にかかる任意のデバイス、および/または、本発明の第五または第六の態様にかかる任意のインプラントを使用することができる。
【0038】
本発明の利点は、以下の点を含む。本発明のいくつかの実施形態によれば、使用時、前記インプラントが前記デバイスによりクランプされるように、前記デバイスの突出部は少なくとも一つの湾入部に接続している。したがって、前記インプラントと前記デバイスとの間の接続は、確実かつ安定的であり、前記インプラントの挿入および操作の間中の、有用性が明らかである。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記デバイスの突出部は、前記インプラントの内側面を越えて突出していない。この結果、インプラント本体の内側座面の修正は必要とされない。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記デバイスの突出部は、前記インプラント本体の外側面を越えて突出していない。この結果、前記デバイスは、よりスリム/小型なものとなり、また使用中、組織に対するダメージが小さいものとなり、低侵襲手術の使用に適したものとしている。前記デバイスは、寛骨臼コンポーネントの移植後に容易に再接続することができ、インプラントの取り外しまたは再位置決めを可能にしている。
【0041】
前記デバイスの設計は、あらゆるインプラントサイズを考慮している一連のモジュラー接続を有することができることを意味する。これは、機器キットの全体の体積を大幅に減らしている。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記湾入部は、前記インプラントの内側座面内にて設けられておらず、この結果、インプラントの性能に影響を与えることがない。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記インプラントの外側面上の複数位置に配置された一連の湾入部を備える、寛骨臼インプラントコンポーネントが提供される。前記湾入部は、前記インプラントの外側ドーム面上に配置されていると共に、前記インプラントの厚さの途中の深さまで切り抜かれている。前記湾入部は、前記インプラントの上部の平坦な面に対して加工されており、インプラントの外径を超えることを必要とせずに、デバイスが接続できるように及び実質的に取り外されるようにしている。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも二つの突出部が、テーパー状係止具または鳩尾型の形態である。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記インプラント本体内に配置された少なくとも一つの湾入部が、両側でテーパー状係止具または鳩尾型を有している。関連デバイスは、二つのプレートを有しており、各プレートがテーパー状係止具または鳩尾の形態の突出部を有している。二つのプレート上の鳩尾は、形状が同一であるものの、互いに反対方向を向いている。二つのプレートを互いに回転することにより、各鳩尾のテーパーは、前記デバイスに前記インプラントを単に取り付けるのではなく、デバイスに対するインプラントの「クランピング」を生じさせる。これは、はるかに確実かつ安定的な接続を提供する。
【0046】
実施例によって添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、本発明の一実施形態にかかるデバイスの側面図である。
図2図2は、図1に示したデバイスの遠位端の拡大図である。
図3図3は、図1に示したデバイスの分解図である。
図4図4は、本発明の一実施形態にかかるインプラントの横方向輪郭である。
図5図5は、図4のインプラントに接続された図1のデバイスの側面図である。
図6図6は、図5に示したデバイスの遠位端の拡大図である。
図7図7は、本発明の一実施形態にかかるデバイスの側面図である。
図8図8は、図7に示したデバイスの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1および2に示されたデバイス1は、本体2を備えている。本体2は、本体2の遠位端に配置された、上部アダプタープレート3および下部アダプタープレート4を有している。アダプタープレート3,4はそれぞれ、突出部8,9に接続されている。図1および2に示された実施形態において、アダプタープレート3,4は、二つの突出部8,9を有している。アダプタープレート3,4は、二以上の突出部を有することができる。
【0049】
図1のデバイスはまた、ハンドル5の近位端に配置された固着面6を備えている。使用時、外科医は、固着面6に力を加えるにより、インプラントを寛骨臼の中に詰め込んでいる。
【0050】
図1のデバイス1はまた、アライメントガイド(図示省略)に対する、取付ポイント7を備えている。この接続は、デバイスに取り付けられるアライメントガイドのモジュール設計を可能とし、インプラントの位置決めについての視覚補助を提供している。
【0051】
図3は、図1に示したデバイスの分解図である。明確化するために、アライメントガイドに対する取付ポイント7は、図示されていない。ハンドル5は、本体2の近位端に配置されている。本体2は、シャフト11を収容する導路を有している。遠位でハンドル5に位置するのは、調整ネジ10、リング12、およびクロスピン13である。リング12およびクロスピン13は、主軸内にスロットを通じて配置されている。調整ネジ10の回転により、ロッド11を下方に進め、また、リング12およびクロスピン13を、回転することなく、軸方向に動かす。
【0052】
本体2は、部分的にヘリックス(helix)14の切り欠き(cut-out)を有する。該ヘリックス14は、クロスピン13により、係合される。へリックス14上でのクロスピン13の横方向運動は、軸11に対して本体2を回転させる。アダプター板3,4は、本体2および軸11にそれぞれ接続されている。機構の設計は、(ハンドル5に対する)調整ネジ10の回転が、アダプター板3,4および突出部8,9を本体2の長軸の周りに反対方向に回転させるように行われている。
【0053】
遠位でリング12に位置するのは、伸縮バネ(return spring)15であり、該伸縮バ
ネは、調整ネジ10が後退させられると(retracted)、前記機構の取り外しを可能にする。伸縮バネ15は、リング12が調整ネジ12に対してきつく押され、その結果、この部分の任意の運動に追従することを、確実にしている。
【0054】
図4は、本発明の一実施形態にかかるインプラント16を示す。インプラント16は、寛骨臼カップコンポーネントであり、本体17を有している。該本体17は、内側座面18および外側面19を備えている。三つの湾入部(indentation)20は、本体17内に配置されており、本体17の周囲の周りに、実質的に等間隔に、置かれている。各湾入部20は、使用時、デバイス1の二つの突出部8,9を受けるように、形成されている。図4に示された実施形態において、各湾入部20は、鳩尾(ダブテール)の形状を有する、面取りされた凹部である。
【0055】
図4のインプラント16はまた、選択的な回転防止フィン/ブレード21を備えている。該フィン/ブレードは、本体17の外側面19に配置されている。移植されると、フィン/ブレード21は、寛骨臼と係合し、それにより寛骨臼内でインプラント16が回転してしまうのを防いでいる。
【0056】
図5および図6は、デバイス1に接続されたインプラント16を示す。図6において、より明確に理解できるように、インプラント16の湾入部20は、デバイス1の突起物8,9を受けるように、形成されている。突出部8,9と湾入部20との間の接続は、インプラント16がデバイス1によりクランプされる(clamped)ものである。突出部8,9と湾入部20との間の接続はまた、突出部8,9が、インプラント本体17の内側面18および外側面19を超えて突出しないものである。したがって、インプラント16は、インプラント16の関節特性または構造強度を損なうことなく、デバイス1にしっかり接続することができる。インプラント16は、デバイス1に、移植の前も移植の後も、(インプラントを取り外すまたは再配置することができるようにするため)、容易に接続することができる。
【0057】
図7および8は、本発明の別の実施形態にかかるデバイスを示す。デバイス全体を一緒に保持するために使用されるスクリュー22は、半球状輪郭を有しており、図3に示した標準スクリュー23とは対照的である。半球状輪郭の目的は、それが、インプラント16にデバイス1を接続するときのガイドとして機能する点にある。それは、デバイス1の突出部8,9を、インプラント16上の対応する湾入部20に取り付けるのに役立つからである。スクリュー22の輪郭は、インプラント16の内側よりも小となるように設計されている。それは、インプラント16を詰め込んでいるとき、力が、インプラント本体17の上面を通じて、常に伝達されることを確実にするためである。
【0058】
なお、本発明において、以下の実施例を含むことも好適である。
(実施例1)
使用時、インプラント内の少なくとも一つの湾入部に接続可能な少なくとも二つの突出部と、
接続位置と接続解除位置との間で前記突出部を動かす機構と、
を備える、インプラントに対する接続デバイス。
(実施例2)
使用時、前記インプラントが前記デバイスによりクランプされるように、前記突出部が少なくとも一つの湾入部に接続する実施例1に記載のデバイス。
(実施例3)
前記インプラントが、内側および外側面を有し、また、使用時、前記突出部が前記インプラントの内側および/または外側面を超えて突出しないように、前記突出部が少なくとも一つの湾入部に接続する実施例1または実施例2に記載のデバイス。
(実施例4)
前記突出部は、ペグである実施例1から実施例3のいずれかに記載のデバイス。
(実施例5)
前記各突出部は、テーパー状係止具の形態である実施例1から実施例3のいずれかに記載のデバイス。
(実施例6)
前記機構は、前記突出部を、互いに独立して動かす実施例1から実施例5のいずれかに記載のデバイス。
(実施例7)
前記機構は、前記突起部を、異なる方向に動かす実施例1から実施例6のいずれかに記載のデバイス。
(実施例8)
前記機構は、前記突出部を、反対方向に動かす実施例1から実施例7のいずれかに記載のデバイス。
(実施例9)
前記機構は、前記突出部を、反対方向に回転する実施例1から実施例8のいずれかに記載のデバイス。
(実施例10)
本体内に配置された少なくとも一つの湾入部を有する本体を備え、使用時、インプラントがデバイスによりクランプされるように、少なくとも一つの湾入部が、前記インプラントに対する接続デバイスの少なくとも二つの突出部を受けるインプラント。
(実施例11)
内側および外側面を有する本体と、
前記本体内に配置された少なくとも一つの湾入部と、
を備え、使用時、前記突出部が前記インプラント本体の内側および/または外側面を超えて突出しないように、前記少なくとも一つの湾入部が前記インプラントに対する接続デバイスの少なくとも二つの突出部を受けるインプラント。
(実施例12)
前記インプラントは、寛骨臼コンポーネントである実施例10または実施例11に記載のインプラント。
(実施例13)
少なくとも一つの湾入部は、差込コネクタの形態である実施例10から実施例12のいずれかに記載のインプラント。
(実施例14)
前記少なくとも一つの湾入部は、少なくとも一つのテーパー状係止具の突出部を受けるように形成されている実施例10から実施例13のいずれかに記載のインプラント。
(実施例15)
使用時、前記インプラント内の少なくとも一つの湾入部に対して接続可能な少なくとも二つの突出部、および、接続位置と非接続位置との間で前記突出部を動かす機構を備える、インプラントに対する接続デバイスを提供するステップと、
少なくとも一つの湾入部を備えているインプラントを提供するステップと、
前記突出部を接続解除位置から接続位置へ動かすように前記機構を動作することにより、前記デバイスを前記インプラントに接続するステップと、
を備える、デバイスにインプラントを接続する方法。
(実施例16)
前記突出部は、前記インプラントが前記デバイスによりクランプされるように、少なくとも一つの湾入部に接続する実施例15に記載の方法。

(実施例17)
前記インプラントは、内側および外側面および突出部を有し、
また、前記突出部は、前記突出部が前記インプラント本体の内側および/または外側面を超えて突出しないように、少なくとも一つの湾入部に接続する実施例15または実施例16に記載の方法。
【符号の説明】
【0059】
1 デバイス
2 本体
3,4 アダプタープレート
5 ハンドル
6 固着面
7 取付ポイント
8,9 突出部
10 調整ネジ
11 シャフト
12 リング
13 クロスピン
16 インプラント
17 インプラント本体
20 湾入部
21 フィン,ブレード
22 スクリュー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8