(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の光拡散性光ファイバを備え、該複数の光拡散性光ファイバが、a)光結合器、b)前記光拡散性光ファイバにより形成されたファイバ束、またはc)非光拡散性光ファイバから形成されたファイバ束、を介して前記光源に光学的に結合されていることを特徴とする請求項3または4記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示による一例の光結合型光学システムの上面図
【
図3A】一例の光拡散性光ファイバの断面図であって、中心コア部(コア)の詳細な断面図を含んでいる図
【
図3B】あるコアおよびクラッドの形状を有する光拡散性光ファイバの例の断面写真
【
図3C】異なるコアおよびクラッドの形状を有する光拡散性光ファイバの例の断面写真
【
図3D】
図3Aに類似した、光散乱材料から成る外側層を含んだ光拡散性光ファイバの別の実施形態例を示した図
【
図4A】一例の光拡散性光ファイバに沿った結合端部から終端部までの距離zの関数として散乱光の強度I
C(z)をプロットした図であって、散乱損失による散乱光強度の降下を示している図
【
図4B】光拡散性光ファイバからの理想的な散乱光の強度I
S(z)を概略的にプロットした図であって、散乱光の望ましい一定の強度I
CONSTを距離zの関数として示している図
【
図5A】透明シートの縁部部分と透明シートの縁部に隣接して動作可能に配置された光拡散性光ファイバとの拡大断面図(X−Y平面)
【
図5B】
図5Aに類似し、さらに反射部材を含んだ図であって、透明シートに結合されないはずであった散乱光の少なくとも一部を透明シートに結合させるように、反射部材を光拡散性光ファイバに対して動作可能に配置した図
【
図5C】
図5Aに類似し、さらに屈折率整合材料を含んだ図であって、散乱光が屈折率整合材料を通って移動するように、屈折率整合材料が光拡散性光ファイバと透明シートとの間に配置されている図
【
図5D】
図5Bに類似した図であって、屈折率整合材料を使用して光拡散性光ファイバと反射部材とを支持している実施形態例を示した図
【
図5E】
図5Cに類似した図であって、クラッドの一部が光拡散性光ファイバの長さの少なくとも一部に沿ってこの光拡散性光ファイバから除去されてクラッド間隙を画成し、このクラッド間隙が屈折率整合材料で満たされている実施形態例を示した図
【
図5F】
図5Dに類似した図であって、光拡散性光ファイバが、屈折率整合材料で満たされたクラッド間隙を含んでいる実施形態例を示した図
【
図5G】
図5Aに類似した図であって、屈折率整合材料が、透明シートの縁部に貼り付けられた接着ストリップの形態である実施形態例を示した図
【
図5H】
図5Gに類似し、クラッドの一部に接して動作可能に直接配置された反射部材をさらに含んでいる図
【
図5I】
図5Gに類似した図であって、光拡散性光ファイバを透明シートに対して支持するよう構成された支持部材を含んでいる実施形態例を示した図
【
図5J】
図5Gに類似した図であって、光拡散性光ファイバを透明シートに対して支持するよう構成された支持部材を含んでいる実施形態例を示した図
【
図5K】屈折率整合接着ストリップと光拡散性光ファイバとが透明シートの上表面に隣接して存在している点を除いて、
図5Gに類似している図
【
図5L】
図5Kに類似し、屈折率整合材料が光拡散性光ファイバと、動作可能に配置された反射部材とを支持している図
【
図5M】
図5Kに類似した図であって、透明シートの上表面に接着された多数の光拡散性光ファイバを示している図
【
図5N】反射部材が存在せずかつ光拡散性光ファイバがクラッド間隙を有している点を除いて、
図5Lに類似している図
【
図5O】
図5Kに類似した図であって、透明シートの上表面に接着された、
図5Mで構成されているような多数の光拡散性光ファイバを示している図
【
図6A】
図1に類似した図であって、屈折率整合材料が、光拡散性光ファイバに沿った距離zの関数として変動する屈折率n
200を有している実施形態例を示した図
【
図6B】光拡散性光ファイバに沿った距離zに対する、屈折率整合材料の屈折率n
200のプロファイルの例を示した図
【
図6C】
図6Aに類似した図であって、屈折率整合材料の厚さが光ファイバに沿った距離zに伴って変動する実施形態例を示した図
【
図6D】
図6Aに類似した図であって、屈折率整合材料の厚さが光ファイバに沿った距離zに伴って変動する実施形態例を示した図
【
図6E】
図6Aに類似した図であって、光拡散性光ファイバが2つの光源に光学的に結合されている実施形態例を示した図
【
図6F】
図6Aに類似した図であって、屈折率整合材料(見易いように斜線で図示されている)が連続的ではなく、光拡散性光ファイバと透明シートとの間の離散的位置に離散部分として提供されている実施形態例を示した図
【
図7A】
図6Aに類似した図であって、透明シートの2つの縁部に隣接して光ファイバを存在させることができる曲げ部を光拡散性光ファイバが含んでいる実施形態を示した図
【
図7B】
図7Aに類似した図であって、透明シートの異なる縁部に沿って、複数の光拡散性光ファイバを採用した実施形態例を示した図
【
図7C】
図7Bに類似した図であって、非光拡散性光ファイバの端部を1つに纏めてファイバ束を形成した実施形態例を示した図
【
図7D】3つの光拡散性光ファイバと1つの非光拡散性光ファイバが纏ってファイバ束を形成し、かつ4つの光拡散性光ファイバが透明シートの各縁部に隣接して存在している、
図7Cに類似した実施形態を示している図
【
図8】本開示の光結合システムを含んでいる一例のフラットスクリーン装置を示した分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、同様の構成要素または部分の参照に同じ参照番号を使用する。デカルト座標を、参照のためにいくつかの図に示す。
【0013】
図1は、本開示による一例の光結合型光学システム(「システム」)10の上面図である。
図2は、
図1の光結合型光学システムの斜視図である。システム10は概して、透明シート20と、透明シートに隣接して動作可能に配置された光拡散性光ファイバ50と、さらに光拡散性光ファイバに光学的に結合された光源100とを備えている。一例において光源100は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)または少なくとも1つのダイオードレーザを含む。光源100が放射する光102は、一例において350nmから1,000nmまでの波長範囲内のものであり、一方別の例では、380nm(紫)から750nm(赤)までなどの可視波長範囲内のものである。
【0014】
透明シート20は、厚さTH22を画成する本体22と、対向する実質的に平面的かつ実質的に平行な上下表面24と、さらに長方形の透明シートでは4つの縁部26など、1以上の縁部26とを有している。透明シート20は、例えば、ガラス、プラスチック、コーニングのEAGLE XG(登録商標)、EAGLE(登録商標)、およびGorilla(登録商標)などのディスプレイガラス、およびPYREX(登録商標)ガラスの他、溶融シリカ、PPMAのようなプラスチック材料、または任意の他の透明材料から形成することができる。ここで「透明」という用語は、一般に、透明シートが少なくとも可視波長範囲の光102を透過し、さらに透明シート本体22の所与の厚さTH22において、吸収される光よりも透過する光の方が多いことを意味する。
【0015】
一例において、透明シート本体22の厚さTH22は0.3mm以上であり、さらに別の例では0.7mm以上である。一例において、透明シート本体22の屈折率は、550nmで約1.5以上である。また一例において、上下表面24のうちの1以上は、光102を散乱させるように設計された粗い部分を有する粗面でもよい。
【0016】
システム10は、少なくとも1つの光拡散性光ファイバ50を含んでいる。用語「光拡散」は、光の散乱が光拡散性光ファイバ50の長さに沿って実質的に連続的であること、すなわち離散的(例えば、点)散乱に関連するような飛びまたは不連続性が存在しないことを意味する。
【0017】
一例において、光拡散性光ファイバ50は、結合端部52および終端部54を含んでいる。結合端部52および終端部54は、光拡散性光ファイバ50の長さLを画成する。結合端部52は、光源からの光102が導波光102Gとして光拡散性光ファイバ50内で移動するように、光源100に光学的に結合されている。光拡散性光ファイバ50は、透明シート縁部26および透明シート表面24のうちの少なくとも1つに隣接して配置されている。一例において、終端光学部材56が光拡散性光ファイバ50の終端部54に隣接して動作可能に配置されている。一例において、終端光学部材56は光102を吸収する光吸収体であり、一方別の例において終端光学部材56は、反射された導波光が光ファイバ50に沿って反対方向に、すなわち光源100に向かって移動するよう光102(例えば、導波光102G)を反射する、光反射体である。この例では、光アイソレータ(図示なし)を採用して、光102が光源100に戻らないようにしてもよい。
【0018】
図3Aは、中心コア部(「コア」)60CSと外側クラッド66とを有している、一例の光拡散性光ファイバ50の断面図であり、コアの構造例を詳細に示したものである。光拡散性光ファイバ50は、直径D60を有する中心(すなわち内側)コア領域60と、この中心コア領域を少なくとも部分的に包囲している、外側コア領域62とを含んでいる。中心コア領域60は、
図3Aの差込み図に示したように不規則に配列された不規則なサイズの空洞64を含む環状の空洞領域60Vに包囲された、中心透明(固体)領域60Cを含んでいる。光拡散性光ファイバ50は、コア60CSを包囲しているクラッド領域66をさらに含んでいる。一例において、クラッド領域66は低屈折率ポリマーから作られ、一方コア60CSはシリカを含む。
【0019】
不規則に配列された不規則なサイズの空洞64(「不規則な空気ライン(air lines)」とも称される)を有する光拡散性光ファイバの例は、米国特許第7,450,806号明細書に記載されており、この特許は参照することにより本書に組み込まれる。
【0020】
一例において、中心透明領域60Cの公称屈折率は、波長550nmで約1.46である。また一例において、コアの直径DCSは、約125μmから300μmまでの範囲内である。さらに一例において、光拡散性光ファイバ50の直径D50は、0.2mm(200μm)から0.25mm(250μm)までの範囲内である。
【0021】
図3Bおよび
図3Cは実際の光ファイバコア60CSの断面写真であり、光ファイバの中心コア領域60および外側コア領域62の、2つの異なる構造を示している。
図3Bの光ファイバコア60CSは、比較的小さい空洞64を含んだ比較的大きい環状空洞領域60Vを有し、その損失は約1.2dB/mである。
図3Cの光ファイバコア60CSは、比較的大きい空洞64を含んだ比較的小さい環状空洞領域60Vを有し、その損失は約0.4dB/mである。
図3Bおよび
図3Cに示した両方のコア60CSにおいて、中心コア領域60および外側コア領域62はシリカであり、またクラッド66は低屈折率ポリマーである。
【0022】
光拡散性光ファイバ50の、散乱に起因する損失は、中心コア領域60および外側コア領域62の特定の構造に依存して0.2から2dB/mまで変動し得る。しかしながら、以下でより詳細に説明するが、本開示の態様は例えば最大約300dB/mまでのより大きな損失が得られるように光拡散性光ファイバ50を変更したものを含む。すなわち一例において、光拡散性光ファイバ50の損失は約0.2dB/mから約300dB/mまでの範囲内とすることができ、この損失は、250nmから2,000nmまでの波長範囲において実質的にスペクトル的に均一であり、また別の例では、可視波長すなわち「白色光」スペクトル範囲(例えば、380nmから750nm)に亘って実質的にスペクトル的に均一である。
【0023】
図3Dは
図3Aに類似した、光拡散性光ファイバ50の実施形態例を示したものである。
図3Dの光拡散性光ファイバ50は、透明部60Cおよび空洞部60Vを有している中心コア領域60と、外側コア領域62とを含んでいる。クラッド66が外側コア領域62を包囲している。コア60CSはシリカを含み、一方クラッド66は低屈折率ポリマーから成る。
【0024】
光拡散性光ファイバ50は、クラッド66を包囲する2次被覆としての役目を果たすアクリレートポリマー材料などの被覆層70をさらに含み、かつ光散乱層72がこの被覆層を包囲している。光散乱層72は、リン、TiO
2粒子、または効果的な角度間隔での散乱(すなわち、均一な角度の散乱)のためのアクリレート白インクなどのドープポリマーなど、光散乱材料を含む。
【0025】
再び
図1および
図2と、さらに
図5Aの断面図を参照すると、光拡散性光ファイバ50は、透明シート20の縁部26に隣接して動作可能に配置され、かつ縁部と接触させてもよいし、あるいは縁部から間を空けて間隙36を画成してもよい。一例において、間隙36の幅W36は、0mm(すなわち、光拡散性光ファイバ50は縁部26と接触している)から最大5mmまでの範囲内とし得る。
【0026】
システム10の一般的な動作中、光源100が光102を生成し、この光102が結合端部52で光拡散性光ファイバ50に結合され、それにより、終端部54に向かって光拡散性光ファイバに沿って移動する導波光102Gが形成される。しかしながら、導波光102Gが光拡散性光ファイバ50に沿って移動するとき、コア60を離れかつ(一実施の形態では)クラッド66から出て行く拡散光すなわち散乱光102Sが光ファイバの光拡散特性により生成され、それにより実質的に連続な散乱光102Sの光放射が光ファイバの長さの少なくとも一部に沿って提供される。
【0027】
図4Aは、コア60内を移動している導波光102Gの強度I
c(z)を、光ファイバに沿った距離zに対してプロットしたものである。強度I
c(z)は、光拡散性光ファイバ50の結合端部52での最大値I
MAXから終端部54での最小値I
MINまで単調に減少している。散乱光102Sの強度I
S(z)は、光の散乱が光拡散性光ファイバ50の長さに亘って均一であるとき、類似した形を有する。
図4Aのプロットの形状は、個々の光拡散性光ファイバ50の損失特性により決定される。
【0028】
図4Bは、散乱光102Sの理想的な強度I
S(z)を概略的にプロットしたものであり、距離zの関数として、すなわち光拡散性光ファイバ50の長さに沿って、一定の強度I
CONSTの望ましい散乱光を示している。一例においてI
CONSTは、公差範囲内、すなわち上限I
Uおよび下限I
Lの狭い強度範囲内で変動し得る。
図4Bのプロットは、透明シート20に結合される散乱光102Sの量でもあり得、したがって、光拡散性光ファイバ50からの散乱光が不均一な強度プロファイルを有していたとしても、技術を用いて、散乱光が透明シート20に入る前にこの散乱光を調整してもよい。光拡散性光ファイバ50に沿った距離に伴って散乱光の強度I
Sと導波光102Gの強度I
Cとが低下するのを少なくとも部分的に補償する方法の例を以下で説明する。
【0029】
一例において、光の散乱は等方性であるため、散乱光102Sの一部が透明シート縁部26の方に導かれてシート縁部で透明シート本体22に結合され、一方残りの部分は透明シート縁部から外れ、すなわち透明シート本体に結合されない。図面では説明を簡単にするため、透明シート本体22に結合される散乱光102Sの部分のみを図示している。透明シート本体22に結合された散乱光102Sの部分は、以下でより詳細に説明するような、フラットスクリーンディスプレイを含む様々な用途で照明光としての役目を果たし得る。
【0030】
図5Bは
図5Aに類似した図であり、反射表面142を有する反射部材140をさらに含んだものである。反射部材140は、透明シート20とは反対側で光拡散性光ファイバ50に隣接して配置されている。反射部材140は、透明シート20から外れることになるはずであった散乱光102Sを受け取って反射し、さらにこの散乱光の少なくとも一部を、散乱かつ反射された光102SRとして透明シートの縁部26に向けて導くよう(例えば、反射表面142の形状により)構成されている。すなわち、反射部材140は、光拡散性光ファイバ50内部での散乱プロセスの等方性の本質に起因して失われるはずであった少なくともいくらかの散乱された(かつ反射された)光102SRを加えることによって、透明シート20内に結合される散乱光102Sの量を増加させるように働く。
【0031】
図5Cは
図5Aに類似した図であり、散乱光102Sが屈折率整合材料を通って移動するように、光拡散性光ファイバ50と透明シート20との間に配置された屈折率整合材料200をさらに含んだものである(すなわち、屈折率整合材料は光路内に配置されている)。一例において、屈折率整合材料200の屈折率n
200は、光拡散性光ファイバ50のコア60の屈折率(n
60)と透明シート20の屈折率(n
20)の間であり、すなわち(0.99)n
60<n
200<n
20である。
【0032】
一例において、屈折率整合材料200は、さらに光拡散性光ファイバ50を透明シート20に対して支持するように働く。一例において、屈折率整合材料200は接着特性を有している。n
60の一例の値は、波長550nmで1.46であり、またn
200の一例の値は、波長550nmで1.45から1.55までの範囲内である。屈折率整合材料の例としては、ポリマーベース接着剤、光硬化性ポリマー、およびエポキシ接着剤が挙げられる。
【0033】
図5Dは
図5Bに類似した図であり、屈折率整合材料200を使用して光拡散性光ファイバ50および反射部材140を支持している実施形態例を示している。
【0034】
図5Eは
図5Cに類似した図であり、コア60CSが露出されるように、またはクラッドの厚さが大幅に薄くなるように、クラッド66の一部がその長さの少なくとも一部に沿って光拡散性光ファイバ50から除去された実施形態例を示している。クラッド66の除去された部分は、屈折率整合材料200で満たされているように図示されている、間隙68を形成する。コア60CSが露出している例では、コアの露出部分にシランを塗布してコアの表面を保護する。
【0035】
図5Eに示されている構造によれば、光拡散性光ファイバ50のコア60CSから放射される散乱光102Sの量が増加し、この増加した散乱光は、コアから外側へ実質的に放射状に間隙68内へと導かれる。この構造で光拡散性光ファイバ50の散乱損失を、例えば最大で上記の300dB/mなど、比較的高くなるようにすることができる。
【0036】
図5Fは
図5Dに類似した図であり、光拡散性光ファイバ50が屈折率整合材料200で満たされた間隙68を含んでいる実施形態例を示している。光の散乱は既に等方性ではなくなっているが、反射部材140が散乱光の少なくとも一部を透明シート20内へと逆方向に反射する利点が依然得られることに留意されたい。
【0037】
図5Gは
図5Aに類似した図であり、屈折率整合材料200が、透明シート20の縁部26に貼り付けられた接着ストリップの形態である実施形態例を示している。屈折率整合接着ストリップ200は、光拡散性光ファイバ50を縁部26に対して支持するように働き、さらに透明シート本体22内への散乱光102Sの結合を強化する上述の屈折率整合機能を果たす。
【0038】
図5Hは
図5Gに類似した図であり、透明シート20とは反対側でクラッド66の一部に動作可能に直接配置された、反射部材140をさらに含んでいる。一例において反射部材140は、反射テープ、またはクラッド部分に堆積された反射膜を含む。
【0039】
図5Iは
図5Gに類似した図であり、光拡散性光ファイバ50を透明シート20に対して支持するように構成された支持部材150を含んだ実施形態例を示している。支持部材150は、前方端部152と、前方端部152で開口している内部キャビティ154とを有している。一例において、キャビティ154は反射後面142を含み、この反射後面142は、図示のように湾曲したものでもよいし、あるいは平面でもよい。一例において、支持部材150は鋳造で形成された一体構造のものである。一例において、支持部材150は、光拡散性光ファイバ50を据え付けることが可能な、支持マウントまたは支持ステム156を含んでいる。さらに一例において、支持部材150は、多数の光拡散性光ファイバ50を支持するように構成することができる。
【0040】
一例において支持部材150の前方端部152は、透明シート20の厚さTH20に合わせたサイズの開口158を画成し、その結果、支持部材150は上下表面24を握持して透明シートの縁部部分26に摺動的にしっかりと係合することができる。一例において、前方端部152は透明シート20の上下表面24を握持するのを助けるよう柔軟である。
図5Jは
図5Iに類似した図であり、例えば反射テープを使用して形成された一例の支持部材150を示している。
【0041】
図5Kは、屈折率整合接着ストリップ200および光拡散性光ファイバ50が透明シート20の上表面24に隣接して存在していることを除いて、
図5Gに類似した図である。
図5Lは、屈折率整合材料200が光拡散性光ファイバ50と反射部材140との両方を支持するために使用されていることを除いて、
図5Kに類似した図である。
【0042】
図5Mは
図5Kに類似した図であり、透明シートの上表面24に夫々屈折率整合接着ストリップ200を介して接着された、多数の光拡散性光ファイバ50を示している。別の例では、単一の屈折率整合接着ストリップ200をこれに採用してもよい。この構造は、散乱光102Sを透明シート本体22に上表面24を介して結合させる多数の位置を提供する。
【0043】
図5Nは、反射部材140が存在していないこと、そしてクラッド66の一部が除去されて、上で論じたようなクラッド間隙68が形成されていることを除いて、
図5Lに類似した図である。この構造によれば、散乱光102Sはクラッド間隙68の位置から光拡散性光ファイバ50を出て、透明シート本体22に上表面24から入ることができる。
【0044】
図5Oは
図5Kおよび
図5Mに類似した図であり、透明シートの上表面24に夫々屈折率整合材料部分200を介して接着された、多数の光拡散性光ファイバ50を示している。別の例では、単一の屈折率整合層200をこれに採用してもよい。この構造は、散乱光102Sを透明シート本体22に上表面24を介して結合させる多数の位置を提供する、別の方法を与える。
【0045】
図6Aは
図1に類似した図であり、屈折率整合材料200が距離z(すなわち、光拡散性光ファイバ50に沿った距離)の関数として変動する屈折率n
200を有することで、光拡散性光ファイバ50からの散乱光102Sの強度I
Sが低下するのを少なくとも部分的に補償する実施形態例を示している。
図6Bは距離zに対する屈折率n
200のプロファイルの一例を示したものである。屈折率整合材料200の厚さTH200は約10μmである。コア60の(有効)屈折率は、グラフに水平な実線で示したように1.46である。透明シート20は、屈折率n
20=1.5のガラスから作られている。光拡散性光ファイバ50の結合端部52の位置またはその付近での屈折率整合材料200に関する変動する屈折率のプロファイルの値は、コアの屈折率を僅かに下回り、さらに終端部54に向かって1.49まで増加する。屈折率整合材料200の屈折率が増加すると、コア60から散乱される光の量が増加する。これは、光拡散性光ファイバ50固有の距離に伴う光散乱量の減少を、少なくとも部分的に和らげるように働く。
【0046】
図6Cおよび
図6Dは
図6Aに類似した図であり、屈折率整合材料200の厚さTH200が距離(z)に伴って変動する、すなわちTH200=TH200(z)の実施形態例を示している。厚さTH200が大きくなると、対応して散乱光102Sの減衰の量が大きくなる。すなわち、TH200(z)は光拡散性光ファイバ50の結合端部52の位置またはその付近で最も厚く、かつ終端部54の位置またはその付近の最小厚さまで単調に減少する。
図6Cは、直線的に変動している厚さプロファイルTH200(z)を示し、一方
図6Dは湾曲している厚さプロファイルTH200(z)を示している。具体的な厚さプロファイルTH200(z)は、光拡散性光ファイバ50の損失特性により決定される。
【0047】
一実施形態例において、厚さプロファイルTH200(z)は、光拡散性光ファイバ50に沿った距離に伴う散乱光102Sの強度I
Sの変動を実質的に補償するように構成され、その結果、散乱光の強度は光拡散性光ファイバの長さに沿って実質的に均一になる。
【0048】
別の実施形態例において、光拡散性光ファイバ50は、光拡散性光ファイバに沿った距離の関数としての散乱光の強度I
Sが実質的に一定になるように構成される。これは例えば、コアの空洞領域60Vに含まれる空洞64のサイズを変化させるように働く、光ファイバの延伸プロセス中の温度の変更によって達成することができる。空洞64が小さくなると、光ファイバ50の損失は大きくなる。すなわち、一実施形態例において光拡散性光ファイバ50は、その長さの少なくとも一部に亘って実質的に一定の強度I
Sで散乱光102Sを放射するように構成される。この光拡散性光ファイバ50を形成する方法の例は、米国特許出願第12/950,045号明細書に開示されており、この明細書は参照することにより本書に組み込まれる。不規則に配列された空洞を有する光ファイバを形成する方法の例は米国特許第7,450,806号明細書に開示されており、この特許は参照することにより本書に組み込まれる。
【0049】
図6Eは
図6Aに類似した図であり、光拡散性光ファイバ50が2つの光源100に各端部52および54で光学的に結合されている実施形態例を示している。光アイソレータ58が各光源100に隣接して随意的に採用されて、光源100内へと光が入っていかないようにする。この2光源構造の対称性により、散乱光102Sの実質的に均一な強度I
Sが得られる。
【0050】
図6Fは
図6Aに類似した図であり、屈折率整合材料200(ここでは見易いように斜線で図示されている)が連続的でなく、いくつかの離散的位置DLのいくつかの屈折率整合材料200の部分200Pを使用して光拡散性光ファイバ50が透明シート20に(例えば、図示のように縁部26で)光学的に結合された(一例では取り付けられた)実施形態例を示している。一例では、屈折率整合材料部分200Pが存在している離散的位置DLの密度は、入力端部52から光拡散性光ファイバ50の長さに沿って変化し、結合端部52の方で比較的低密度でありかつ終端部54の方で比較的高密度である。説明を簡単にするために、各離散的位置DLの屈折率整合材料200の部分200Pは、一実施の形態において本質的に同一のものとして図示されている。しかしながら、異なるサイズの屈折率整合材料200の部分200Pを、異なる離散的位置DLで使用してもよい。一例において、屈折率整合材料部分200Pおよび離散的位置DLの具体的構造は、光拡散性光ファイバ50の長さに沿って実質的に均一の量の散乱光102Sが透明シート本体22に入ることを可能にするように選択される。
【0051】
図7Aは
図6Aに類似した図であり、光ファイバを図示のように2つの縁部26に隣接して存在させることができる曲げ部51を光拡散性光ファイバ50が含んでいる、システム10の実施形態を示している。これにより、散乱光102Sは異なる側から入ることができ、より多くの光を透明シート20に結合させることができる。
【0052】
図7Bは
図7Aに類似した図であり、透明シート20の異なる縁部26に沿って、複数の光拡散性光ファイバ50を採用したシステム10の実施形態例を示している。
図7Bのシステム10は、3つの部分の非光拡散性光ファイバ250を採用している。光ファイバ250の第1部分は、光源100を1×2結合器280に光学的に接続する。光ファイバ250の第2部分および第3部分は、透明シート20の対向する縁部26の第1および第2の光拡散性光ファイバ50に、光結合器280を光学的に接続する。一例において、光ファイバ250の第2部分および第3部分は、機械的コネクタなどの接合部材59を介して各光拡散性光ファイバ50に光学的に接続される。
【0053】
図7Cに示した別の実施形態では、単一の光ファイバとサーキュレータとを使用するのではなく、2つの光ファイバ250を光源100で光ファイバ束FBとして1つに纏め、光102を2つの光ファイバ端部252に直接結合させる。さらに、複数の光源100を使用して、光ファイバ束FBの各光ファイバ250に対して1つずつ用いてもよい。
【0054】
一般的に言うと、光ファイバ束FBは、非光拡散性光ファイバ250、または光拡散性光ファイバ50、あるいはこれらを組み合わせたものを含み得、2以上の光拡散性光ファイバ50が透明シート20の対応する各縁部26および/または表面24に隣接して配置される。
図7Dは、3つの光拡散性光ファイバ50と1つの光ファイバ250が纏ってファイバ束FBを形成し、かつ4つの光拡散性光ファイバが透明シート20の各縁部26に隣接して存在している、
図7Cに類似した実施形態を示している。
【0055】
図8は、本開示のシステム10を含んでいる一例のフラットスクリーン装置300の分解斜視図である。フラットスクリーン装置300は、上表面312および下表面314を有した光変調ディスプレイアセンブリ310を含んでいる。光変調ディスプレイアセンブリ310は、光変調機器315に電気的に接続されている。透明シート20は、光変調ディスプレイアセンブリ310の上表面312上に、またはこれに隣接して存在している。一例において、光変調ディスプレイアセンブリ310は、透明な電気接続部318を介して光変調機器315でアドレス指定可能な複数の画素316を含んでいる。透明な電気接続部318は典型的には格子状構造(例えば、ソースバスラインおよびゲートバスラインの)を有し、図を簡単にするため選択された電気接続部のみが示されている。一例の光変調ディスプレイアセンブリは、交差偏光子で挟まれた液晶セル(画素)のアレイを画成する液晶マトリクスを含む、液晶ディスプレイアセンブリである。一例の反射型液晶ディスプレイアセンブリは、参照することにより本書に組み込まれる、米国特許第6,404,471号明細書に開示されている。
【0056】
フラットスクリーン装置300は、反射表面332を含んだ反射部材330をさらに備えている。反射部材330は、光変調アセンブリの下表面314に隣接して存在している。
【0057】
フラットスクリーン装置300の動作中、散乱光102Sは、上述したような形で例えば縁部26の位置で透明シート20に結合される。散乱光102Sはその後、透明シート20で例えば粗面24から散乱するなどして再び導かれ、光変調ディスプレイアセンブリ310を通って移動する。この散乱光102Sは、反射部材330の反射表面332で反射されて光変調ディスプレイアセンブリ310へと戻ってこれを通過し、さらに透明シート20から出ることで観察者400に見えるようになる。すなわち散乱光102Sは、光変調ディスプレイアセンブリ310を2回通過することで、光変調機器315の動作で決められたように変調される。その結果が、観察者400に見えるディスプレイの画像である。
【0058】
本開示を、好ましい実施形態とその具体的な例とを参照して本書において図示および説明してきたが、他の実施形態および例が、同様の機能を果たし得る、および/または同様の結果を達成し得ることは、通常の当業者には容易に分かるであろう。全てのこの同等の実施形態および例は、本開示の精神および範囲の範囲内であり、さらに添付の請求項によって保護されると意図されている。その精神および範囲から逸脱することなく、本開示の種々の改変および変形が作製可能であることも、当業者には明らかであろう。すなわち、本開示の改変および変形が添付の請求項およびその同等物の範囲内であるならば、本開示はこの改変および変形を含むと意図されている。