(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
組織包埋カセット(10)をマーキングするためのマーキング装置であって、前記包埋カセットは、プラスチック材料から作られ、かつ平らな基部(11)と、前記平らな基部(11)に垂直、かつ互いに平行な第1および第2表面(12,13)をそれぞれ有する互いに対向する第1および第2外側面とを備え、かつ平らな斜面(14)を有する第3外側面をさらに備えるタイプであり、前記装置(1)は、
その前に提示されたプラスチック表面をマーキングするのに適した、少なくともマーキングデバイス(2)と、
包埋カセット(10)の把持および解放が交互に可能な少なくとも把持手段(31,32)と、
少なくとも第1回転軸(R)および少なくとも第2回転軸(Q)に対して前記把持手段(31,32)を回転させるための移動機構(5,6,7)と、
を備え、
使用時に前記把持手段(31,32)によって把持されるカセット(10)の前記垂直表面(12,13)が位置する仮想平面に平行、かつそれらの間に存在する仮想平面内に前記第1回転軸(R)が位置するように、前記第1回転軸(R)が前記把持手段(31,32)に対して配置され、前記把持手段(31,32)の前記第1軸(R)に関する回転により、前記第1および前記第2垂直表面(12,13)は、前記マーキングデバイス(2)の前に交互に配置されることができ、前記第2回転軸(Q)は、前記第1回転軸(R)に垂直であり、かつ使用時に、前記把持手段(31,32)の前記第2軸(Q)に関する回転により、前記把持されるカセット(10)の前記斜面(14)が前記マーキングデバイス(2)の前に位置することができるように前記把持手段(31,32)に対して配置されている、ことを特徴とする、装置。
前記マーキングデバイスがレーザー光線のための出口(20)を有するレーザーマーキングデバイス(2)であり、前記デバイス(2)は、プラスチック材料から作られた品物の表面を持続的にマーキングするのに適切であり、前記把持手段(31,32)は、前記マーキングデバイス(2)の前記出口(20)の前に配置され、かつ使用時に、前記第1または前記第2回転軸(R,Q)に関する前記把持手段(31,32)の回転により、把持されるカセット(10)の前記第1垂直表面(12)、前記第2垂直表面(13)、および前記斜面(14)が前記マーキングデバイス(2)の前記出口(20)の前に交互に配置されるように、前記第1および第2回転軸(R,Q)が選択されている、請求項1に記載の装置。
前記第1または前記第2回転軸(R,Q)に関する前記把持手段(31,32)の回転により、把持されるカセット(10)の前記第1垂直表面(12)、前記第2垂直表面(13)、および前記斜面(14)が前記マーキングデバイス(2)の前記出口(20)に面する同じ仮想平面内に交互に配置可能となるように、前記移動機構(5,6,7)の前記第1および前記第2回転軸(R,Q)が互いに対して配置されている、請求項2に記載の装置。
前記把持手段が2つのあご部(31,32)を有する把持プライヤーを備え、前記2つのあご部は、1回に1つのカセット(10)を受け入れるよう開くことができ、かつ前記カセット(10)を把持するよう閉じることができ、前記あご部(31,32)は、前記カセットの前記第1および第2垂直表面(12,13)および前記斜面(14)を覆わずに、前記カセット(10)の前記平らな基部(11)および前記基部(10)に対向する上部分と係合するのに適している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
前記レーザーマーキングデバイス(2)は、前記把持プライヤー(31,32)の上に配置され、前記第1回転軸(R)回りの回転により、前記プライヤーの前記あご部(31,32)が互いに上下にあるため、使用時に、把持されるカセット(10)が水平に配置される中間位置と、前記プライヤー(31,32)が前記中間位置に対して90度回転し、前記把持されるカセットの前記第1垂直表面(12)が前記レーザーマーキングデバイスの前記出口(20)に直接面する第1半傾斜位置と、前記プライヤー(31,32)が前記第1半傾斜位置に対して180度回転し、かつ前記把持されるカセットの前記第2垂直表面(13)が前記マーキングデバイスの前記出口(20)に水平かつ直接面する第2半傾斜位置とに、前記把持プライヤーが交互に配置可能であり、前記プライヤー(31,32)は、前記第2回転軸(Q)に関する回転により、前記把持されるカセットが重力方向に対して斜めに配置され、かつその前記斜面(14)が前記マーキングデバイスの前記出口(20)に水平、かつ直接面する傾斜位置にさらに配置可能である、請求項2または3を引用する場合の請求項4に記載の装置。
前記格納部(9)は、前記格納部内で垂直に摺動することができるようにカセット(10)の垂直スタックを収容することができ、下部載置基部は、カセットの前記スタックを支持し、前記格納部(9)は、前記基部に配置された出口開口部(90)をさらに備え、前記出口開口部は、使用時に前記基部に直接載置されたカセット(10)に直接面し、かつカセットの通過に十分な大きさを有し、前記格納部は、アクセス通路(91)をさらに有し、該アクセス通路は、前記出口開口部(90)に対向し、これによって前記カセットが外側から直接アクセス可能である、請求項9に記載の機械。
前記格納部(9)からの前記カセット(10)の排出手段を備え、前記格納部からより離れた位置と、より近い位置との間でスライド可能であり、かつ前記格納部の前記アクセス通路(91)に挿入することができるプッシャー要素(92)を備える、請求項10に記載の機械。
全て同じ方向に面する各出口開口部(90)を有する、並んで配置された複数の垂直の格納部(9)を備え、前記カセットの前記排出手段は、前記格納部へ近づきかつ遠ざかるよう交互に摺動するよう作動可能な基部カーソルと、前記基部カーソルに取り付けられた前記格納部の各アクセス通路(91)のためのプッシャー要素(92)とを備え、各プッシャー要素(92)は、前記格納部に近付く方向へ前記基部カーソルを摺動することにより前記各アクセス通路(91)に挿入することができる上位置と、前記格納部に近付く方向へ前記基部カーソルを摺動することにより、前記各格納部(9)の前記載置基部の下を自由に通過する下配置との間で移動する、請求項11に記載の機械。
前記コンベヤー手段が包埋カセット(10)を摺動可能に支持する少なくとも細長い板(93)を備え、該板は、前記格納部(9)に配置される区画を有し、およびその端部は、前記マーキング装置(1)に近く、前記コンベヤー手段は、前記板(93)上でスライド可能、かつカセット(10)に係合する押し込み座部を有する少なくともプッシャースライド(94)をさらに備え、前記スライド(94)は、前記マーキング装置(1)に近い前記端部の方向へ前記板(93)に沿って前記カセットを押すように作動可能である、請求項9に記載の機械。
前記コンベヤー手段は、包埋カセット(10)を前記板(93)から前記マーキング装置(1)へ移動させる移送シャトル(95)を備え、前記シャトル(95)は、カセットを解放可能に保持するのに適したハウジングを備え、かつ前記板(93)の前記近い端部の位置で、カセット(10)を受け入れることが可能な位置と、前記把持手段(31,32)の位置で、カセット(10)を前記把持手段に供給することが可能な位置との間で移動可能である、請求項13に記載の機械。
【背景技術】
【0003】
包埋カセットは、分析研究所および病院にて一般的に使用される医療用消耗品である。
【0004】
それらは、箱形状を有し、かつ組織試験または細胞試験のための組織試料を収容、かつ保持することが想定される。
【0005】
それらは、異なる大きさで利用可能であり、より大きなカセットは、より大きな試料を収容することに使用され、それらは、医学用語ではメガカセットおよび「スーパーメガ」カセットと呼ばれる。
【0006】
基本的に、一般的な包埋カセットは、主格納ユニットおよびカバー(時には取り外し可能タイプ)を備える。
【0007】
通常プラスチック材料から作られる包埋カセットの主ユニットは、その周囲から離隔するための側面を有する長方形基部を備え、試料を収容するための空間を画定している。
【0008】
カバーは、ハウジング内に試料を閉じ込める。
【0009】
側面の1つ、実質的には前記カセットの一側は、マーキングのための斜面を有する。
【0010】
実際、各カセットは、どこから試料が収集されたか、試料収集の日に患者が入院している病棟および他の任意の情報についての患者の詳細な識別によってマークされなければならず、したがって、この情報が試料分析の結果と関連づけることができる。
【0011】
カセットの斜面は、分析の担当者によって特別なペンまたはフェルトペンを用いて手動でマークされることが多い。このタイプのマーキングには、いくつかの欠点が存在する。
【0012】
第一に、筆記の正確さおよび明瞭性は、個人の力量および技術に依存するため、カセットにマークする人によって変化する。
【0013】
さらに、バーコード(従来のまたは2データマトリックスなどの次元のバーコード)は、手書きすることができない。
【0014】
これらの欠点を克服する試みは、組織包埋カセットの斜面のマーキングのための特別に設計された自動インクジェットプリント装置を採用することによってなされてきた。
【0015】
これらのプリント装置は、カセットにバーコードをマークすることができ、かつ均一の質のマーキングを行うことができるが、維持管理の課題およびプリントヘッドの較正に関する課題がある。
【0016】
分析研究所での使用において、これらのプリント装置によってカセットの斜面に行われるマーキングが、特に小さいものの場合には、光学的バーコードリーダー等によって読みとることができないほど詰まっていることが示されている。
【0017】
さらに、斜面の大きさは、有用な情報についてカセットに印刷できる量よりも制限された量を表し、既知のプリント装置は、非常に限られた量の有用な情報しか印刷することができない。特許文献1は、プラスチック製のカセットにマーキングするためのマーキング装置を開示し、それは、その前に提示されたプラスチック面にマーキングするのに適したプリントヘッドと、包埋カセットを交互に把持および解放することができる把持手段とを備える。プリントヘッドは、斜めの壁に隣接するカセットの面ではなくカセットの斜面のみに向くように1つの回転軸に対して回転することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図において、符号1は、提案される好ましい形のマーキング装置全体を示し、レーザー式のマーキングデバイス2を備えている。
【0035】
通常装置1は、出口20を有するレーザーマーキングデバイス2と、マーキングデバイス2の出口20の前に配置された把持手段31,32と、第1または第2回転軸R,Qに関して把持手段を回転させるための移動機構5,6,7とを想定していることに留意してください。
【0036】
本発明の構造および機能的態様を詳細に説明する前に、本発明が使用できる組織包埋カセット10の例は、下部長方形基部11を有し、そこから4つの側面が分かれて、試料のためのハウジング15を内部に形成し、カセット10の4面を外側に形成する箱形状であることに留意してください。
【0037】
4面は、それぞれ基部11に垂直、かつ互いに平行な表面12,13とを有する互いに対向する第1および第2面と、斜面14を有する第3面とを含む。
【0038】
詳細には、斜面14は、カセット10の前部外面に配置され、垂直面12,13は、その短い側から生じ、垂直面12,13は、包埋カセット10の側面を形成する外面に配置される。
【0039】
添付図面において、取り外し可能なカバーを有するタイプのカセット10を一例として示すことにしたが、詳細には、全ての図においてカバーは取り除かれた状態で示されている。
【0040】
実際には、装置1は、作業者が分析すべき試料を配置するハウジング15を有する既にマークされたカセット10をアウトプットとして供給し、作業者は、個別に利用可能なカバー(図示せず)を用いてカセット10内に試料を閉じ込めることが想定される。
【0041】
しかし、装置1は、カバーによって閉じられたカセット10でも完全に機能するため、カバーが取り外し可能であるか否かとは無関係に試料を挿入するために開かなければならない。
【0042】
カバー無しのカセット10の場合、上述の面のカバーされていない上縁部を備える、基部11に対向する部分16が存在するだろう。
【0043】
本発明は、カセット10の寸法に関連する把持手段31,32の移動機構の形状を想定している。
【0044】
実際には、これは、把持手段31,32の移動に関する回転軸R,Qの配置は、カセット10および斜面14の傾斜の寸法に関連することを意味している。一般的な点から、当該3面12,13,14を交互にマークするために、回転軸R,Qによって満たされなければならない2つの条件があることにまた留意してください。
【0045】
第1条件は、使用時に、把持されるカセット10の垂直表面12,13が位置する仮想平面に平行、かつその間にある仮想平面内に第1回転軸があるように、第1回転軸Rが把持手段31,32対して配置されることである(
図1〜
図12参照)。
【0046】
第2条件は、第2回転軸Qが第1回転軸Rに垂直であり、かつ使用時、すなわちマーキング段階の間、第2軸Qに関する把持手段31,32の回転中に、把持されるカセット10の斜面14がマーキングデバイス2の出口20の前に位置することができるように把持手段31,32に対して配置されることである。
【0047】
これら一般条件の特定の場合は、本発明がどのように動くかの説明内において、詳述されるだろう。
【0048】
本発明の動作の説明の前に、いくつかの好ましい構造の態様を見てください。
【0049】
添付図面において明らかなように、把持手段は、2つのあご部31,32を有する把持プライヤーを備え、あご部は、1回に1つのカセット10を受け入れるよう開くことができ、かつカセット10を把持するよう閉じることができる。
【0050】
図に示されるように前記あご部31,32は、カセット10の平らな基部11および上述の上部15と係合するのに適しており第1および第2垂直表面12,13および斜面14を覆わないようにする。このようにして、前記表面は、直接アクセス可能、すなわちマーキングデバイス2によって生じるレーザー発光(パルスまたは光線)に対して露出する。
【0051】
好ましい実施形態において、レーザーマーキングデバイス2は、デバイス2の発光出口20の下にある把持プライヤー31,32の上に配置される。他の構造を詳細に観察する前に、実施形態の1つとして定義された本発明の好ましい動作モードの説明を以下に述べる。
【0052】
搭載段階において、
図1、
図2および
図18に示すように、把持プライヤー31,32は、あご部31,32が上下にある中間位置に配置される。
【0053】
この段階において、カセット10は、
図1に示すように把持プライヤーが開く場合、把持プライヤー31,32に対して水平にある;そして、把持プライヤーは、
図2に示すようにカセット10の水平を維持したまま、カセット10をしっかり把持するように近づく。
【0054】
そして、第1マーキング段階において、把持プライヤー31,32は、第1回転軸に関して90度回転して、
図3、
図4、
図8および
図19に示すような第1半傾斜位置に配置される。把持されたカセット10の第1垂直表面12は、水平になり、かつレーザーマーキングデバイス2の出口20に直接面する。
【0055】
この段階において、レーザーマーキングデバイス2は、第1垂直表面に書き込むよう動作する。
【0056】
レーザーマーキングデバイス2は、高いコントラストのポジティブマーキングでカセット10表面に刻み込むのに好ましいタイプである。
【0057】
符号200は、レーザーデバイス2の動作コーン、すなわちデバイス2が書き込むことができる空間の概略表現を示すことに留意してください。
【0058】
図に示すように、把持プライヤー31,32は、書き込み段階において、カセット10が常にデバイス2の動作コーン内に配置されるように、デバイス2の出口20に対して配置される。
【0059】
第2書き込み段階の間、
図5、
図6、
図7および
図20に示すように、把持プライヤー31,32は、第1半傾斜位置に対して180度に回転されて、把持されるカセット10の第2垂直表面13が水平、かつマーキングデバイス2の出口20に直接面する第2半傾斜位置に配置され、これにより、想定される書き込みをマークすることができる。第3書き込み段階の準備のために、把持プライヤー31,32は、第1回転軸R関する90度の回転によって再度中間位置に配置される(
図2参照)。
【0060】
続く第3書き込み段階において、把持プライヤーは、第2回転軸Qに関する回転により傾斜位置に配置され、傾斜位置では、把持されるカセット10が重力方向に対して斜めに配置され、かつ斜面14は、マーキングデバイス2の出口20に対して水平、かつ直接面する(
図9および
図10参照)。
【0061】
この段階において、明らかに、カセット10の前部、つまり斜面14は、上述の回転中に持ち上げられる。
【0062】
この点において,常に、第3書き込み段階においては、マーキングデバイス2は、カセット10の斜面14に想定される識別詳細等を書き込む。
【0063】
この点において、マークされたカセット10は、
図11および
図12に示される解放段階により、作業者によって利用可能となる。
【0064】
この段階において、把持プライヤー31,32は、把持されるカセット10と共に、第一に第2軸Qに関して再度回転するが、前段階と反対方向であり、その結果把持プライヤー31,32は、カセット10が垂直軸に対して傾けられ、前部が下方に面するようになる解放位置に配置される。
【0065】
図11および
図12に示すように、把持プライヤー31,32は、開かれ、かつマーク済みカセットは、放出され、および重力によって装置1から出る。
【0066】
代替の動作モードによると、上述の段階は、異なるシーケンスで実行することができる、または例えばカセット10の斜面14のみが識別詳細によるマークが必要な場合、いくつかの段階をスキップすることができる(この場合、第1軸Rに関する回転および任意の関連する操作を実行する必要はない)。
【0067】
提案された装置1は、明らかにマーキングデバイス2、把持プライヤー31,32の移動機構5,6,7、および把持プライヤーに接続された電子プロセッサによってそれらが一致して作動するように自動的に制御される。
【0068】
マークすべき表面12,13,14が毎回かつ交互にマーキングデバイス2の出口20に面するように配置される場合、それらは、好ましく同じ仮想平面内に配置される。
【0069】
これは、マークすべきカセット10の寸法、および三角法の計算、に応じて互いに対する2つの回転軸R,Qの配置を選択することによって好ましく得られる。
【0070】
詳細には、使用時において、第1および/または第2回転軸R,Qに関する把持プライヤー31,32(または他の適切な把持手段)の回転中に、第1垂直表面12、第2垂直表面13および、斜面14が同じ仮想平面内に交互に配置されるように、第1および第2回転軸R,Qが互いに対して配置される。
【0071】
このように、マークすべき表面が常に同じ平面内にあることにより、無関係の偏差および変動にかかわらず同じレーザー発光電力を受けるため、高水準の均一性およびコントラストの高い有効性が保証される。
【0072】
事実、実際にはこの解決法により、毎回マークすべき表面が配置される仮想平面は、焦点面(すなわち焦点軸に垂直な平面)から一定距離の平面と平行にすることができる。
【0073】
したがって表面12,13,14がマークされる場合、それらは常に焦点面から同じ距離にあり、かつ偶発的な傾斜位置を示さない。
【0074】
結果として、良質なマーキングを得るためのカセット10の最良の位置のための計算およびマーキングデバイス2を設定するための操作は、容易になる。設定は、所定のタイプのマークすべきカセット10のために変わらずに残る。
【0075】
代替の動作モードが本発明の特定の変化形の説明において示されるだろう。本発明考えうる特定の構造の態様を以下に示す。
【0076】
好ましくは、あご部は、例えばプラスチック材料で作られた、互いにヒンジで連結され、かつ弾性復帰手段33(例えばバネ)によって接続された2形状ブロック31,32であり、前記ブロック31,32は、本発明の把持手段に含まれたプレッサー(不図示)(実質的に、この説明においては「把持プライヤー」と呼ばれる構成要素に含まれることができる)によって加えられた圧力によって開かれる。
【0077】
プレッサーは、小さい作動装置であり、電子プロセッサに接続可能であり、かつあご部31,32に組み込まれ、ブロック31,32の1つを交互に押す、またはそれ自体を引っ込めるよう作動可能な摺動棒を備える。実際には、一方のブロック32は、固定され、他方のブロック31は、プレッサー棒によって回転するブロック31の一点(この分野の専門家によって容易に定義される)に加えられた圧力によって、下顎状の動き(ワニのあごのような)によって前者に対して回転する。把持プライヤー31,32の移動機構5,6,7は、以下のように構成されることが可能である(
図18〜
図22参照)。
【0078】
第一に想定できる把持プライヤー31,32を支持するためのフレームは、概して図中において符号5として示され、それは、可傾アーム6の端部に強固に固定され、可傾アームは、回転軸Q回りにヒンジで連結される(後述する方法にて)。
【0079】
可傾アーム6は、例えば把持されるカセット10の斜面14をマーキングする目的で把持プライヤー31,32の第2回転軸に関する回転を行うために、直接または駆動ギアによって、アームを第2回転軸Qに関して回転させる特別モーターに接続される。
【0080】
したがって、第2回転軸Qおよび把持プライヤー31,32の相互配置、および第2回転軸Qおよび第1回転軸Rの相互配置は、回転アーム6の長さに依存する。
【0081】
把持プライヤー31,32、したがって毎回把持されるカセット10を支持するフレーム5は、アーム6自体によって順々に支持されることができ、アームは、小さい作業台、または分かるように提案される装置1がサブユニットである機械100の支持構造によって支持される。
【0082】
把持プライヤー31,32は、第1回転軸Rに関して回転可能なように、回転式にフレーム5に連結される。
【0083】
把持プライヤー31,32を第1軸R回りに回転させる考えられる解決策を以下に示す。
【0084】
第1軸Rに関する回転を発生させる第1駆動モーター7は、第2軸Qに関するその回転に対して固定され、フレーム5に取り付けられていないことが想定される。実際には、把持プライヤー31,32の後部は、回転を生成する符号7として言及された第1モーターによって係合されることに適した係合突出部34を組み込む。前記突出部34は、把持プライヤー31,32を支持するフレーム5の後部から突出する。
【0085】
突出部34は、平らな端部を有することができ、その場合、第2軸Qに関して回転する場合に、把持プライヤー31,32が不所望の方法によって第1軸Rに関して回転しないことを確実にし、かつ突出部34が第1モーターによって係合されていない場合は、特別制限構造8をモーター7およびフレーム5の間に取り付けることができる。
【0086】
構造8は、モーター7の前に直接配置されたチューブ81を備え、チューブは、モーターによって係合された場合に突出部34の自由回転を許容するのに十分な内部円筒空間を有する。
【0087】
構造8はまた、アーチ形板の上部ペアおよび下部ペアを備え、アーチ形板は、チューブ81の内部空間に連通する上部通路および下部通路を作成するように相互間距離で配置された2つの側面82,83を有する。前記通路は、第2回転軸Qに関して把持プライヤーが回転する際に起こる平らな部分がその間にある場合に、突出部34のための非回転制限を構成する。アーチ形板の形状は、円弧が、第2回転軸Qに配置されたそれぞれの点を中心とする形である。
【0088】
実際には各ペアの板の距離は、突出部34の平らな部分の厚さよりもわずかに大きい。
【0089】
それ自体の特性動作モードを有する本発明の代替の実施形態によると(図示せず)、上述した段階の全てのマーキング結果およびまたマークされている際の表面12,13,14の共平面性は、移動機構が回転アーム6を備える代わりに、把持プライヤー31,32またはフレーム5に直接接続された第2モーターを備えること、また把持プライヤー31,32またはフレームに接続される直線的な作動装置を備えることを想定することにより得ることができる。
【0090】
実際には、このバージョンにおいては、第2回転軸Qは、把持プライヤー31,32の近くになり、かつ斜面14の書き込み段階においては、第2軸Qに関する回転は、斜面14の水平の位置決めの作業のみを有すればよい。垂直表面12,13が書き込み段階の間に配置される上述した同じ仮想平面内の把持プライヤーの配置は、直線的な作動装置によって制御される。
【0091】
次の部分は、提案する装置1がサブユニットである、マーク済みの組織包埋カセットを供給する機械100について記述する。
【0092】
機械100は、最も一般的な構成および配置において、マーキング装置1と、多数の包埋カセット10を保持するための、複数の直線的なまたは円形の格納部9と、格納部9およびマーキング装置1の間に配置された1回に1つのカセット10をマーキング装置1に供給するためのコンベヤー手段93,94,95と、作業者にマーク済み組織包埋カセット10を提供するための少なくとも排出口101と、を備えなければならない。
【0093】
装置1を含む機械100の様々なユニットは、概して細い要素によって示される支持構造によって支持されるため、実際には機械100は、分析実験室のテーブルまたは作業台の上に載置することができる。次の部分は、特に
図13〜
図22を参照にして機械100のこれらユニットはどのように実現できるかを説明する。
【0094】
各格納部9は、垂直に摺動することができるカセット10の垂直スタックを収容することができ、スタックは、例えば実際には格納部9を形成する板および/または垂直棒の間に囲まれる。
【0095】
格納部9は、カセット10のスタックを支持する下部載置基部と、出口開口部90とを備え、その大きさは、カセット10の通過のために十分であり、開口部90は、基部に、例えば側面に配置される。
【0096】
格納部9がカセット10のスタックを搭載している場合、出口開口部90は、スタックの底部のカセット10、すなわち基部に直接載置されたカセット10に直接面する。
【0097】
各格納部9はまた、出口開口部90と反対にあるアクセス通路91を有し、それによってスタック底部のカセット10は、外側から直接アクセス可能となる。
【0098】
好ましくは、スタックのカセットは、下方に面する基部11を有し、かつそれらが格納部9の基部に直接載置される場合、アクセス通路91に面する第1垂直表面12と、出口開口部90に面する第2垂直表面13とを有する。
【0099】
カセット10を格納部から取り出すための考え得るシステムを以下に記載する。前記システムは、全てが同じ方向に面する、言い換えれば同一平面上の各出口開口部90、および同様に、同じ方向に面する、すなわち同一平面上の各アクセス通路91を有する並んで配置された格納部9を有して使用することが想定される。
【0100】
この場合、カセットの排出手段は、第一に、格納部アクセス通路91によって形成された半空間に配置される基部カーソル(この目的のために適する機械的な要素として図示されていない)を備え、それは、格納部9に交互に近づきかつ遠ざかるように摺動するよう動作可能(既知の手段によって)である。この基部カーソルは、並んで配置された格納部9の列に沿って延在する。
【0101】
複数のプッシャー要素92(例えば
図16参照)が各アクセス通路91に1つずつ基部カーソルに取り付けられ、各1つは、それぞれのアクセス通路91の前に配置されている。
【0102】
各プッシャー要素92は、その構造は以下に記載されるが、格納部9に近づく方向に基部カーソルを摺動して各アクセス通路91内にそれ自体を挿入可能な上位置と、格納部9に近づく方向に基部カーソルを摺動して各格納部9の載置基部の下に自由に通過できる下部配置と間で移動可能である。
【0103】
実際には、カセット10の排出は以下の通りである。
【0104】
一旦カセット10が排出される格納部9が選択されると、関連するプッシャー要素92が上位置に配置される一方で、他のものは下位置に残る。そして基部カーソルは格納部9に向かって摺動し、かつプッシャー要素92は、通路91に入り(方法は、より詳しく後述される)、かつカセット10を押し、カセットは、出口開口部90を通り出て、コンベヤー手段93,94,95(後述)によって移送される。
【0105】
その間に、他のプッシャー要素92は、格納部9の下を通過する。
【0106】
この時点で、プッシャー要素92は、下位置に戻り、基部カーソルは、格納部9から離れるように後退する(この順序である必要はない)。
【0107】
プッシャーカーソル92は、基本的に基部カーソルにヒンジで連結された一端部、および他端部を有する板形状であり、一方は、各格納部9に面し、上を向く角状の2つ以上の枝角部920を形成している。
【0108】
枝角部920に取り付けられた前記板が下位置にある場合、各格納部の下に自由に通過することができ、上部で振動する、したがって上位置にある場合、枝角部920は、アクセス通路91に入ることができ、同時にカセット10を下へ押し、かつ真上のカセットを支持することができ、枝角部920が下げられるとすぐにそれはスタック底部のカセットになる。
【0109】
これら本発明の構成要素の作動手段は、この分野の専門家によって知られている。
【0110】
この排出システムによって、例えば各格納部が異なるタイプ、例えば異なる色のカセットを収容するため、カセット10が排出される格納部9は、必要に応じ常に定義されることができる。
【0111】
本発明の概念と一致する他の排出システムも考えられ、それは、通常格納部9から離れた位置と、近い位置との間で摺動し、かつ格納部9のアクセス通路91に入るのに適したプッシャー要素を含むカセット10を格納部9から引き抜く手段を見込んでいる。
【0112】
好ましくは、コンベヤー手段は、細長い板93を備え、それは、包埋カセット10を摺動可能に支持し、その長さに沿った各区画を有する格納部9の列(しかし単一の格納部9でも機能する)のそばに配置され、格納部9の1つから押出された基部に載置されたカセット10を受け入れるように格納部9の出口開口部90に配置される。
【0113】
板93は、下部基部11に載置するカセット10を受け入れるために当然使用される。
【0114】
板93はまた格納部9から装置1へ移送するためのマーキング装置1により近い端部を有する。
【0115】
コンベヤー手段はまた、プッシャースライド94を備え、それは、板93上でスライド可能であり、かつカセット10と係合する押し込み座部を有し、スライド94は、カセット10を板93に沿ってマーキング装置1に近い前述の端部の方向へ押すように動作可能である。
【0116】
実際には、カセット10が細長い板93に沿って押される場合、スライドは、マーキング装置1へ持って行くよう作動される。
【0117】
プッシャースライドの座部は、カセット10の一部、図の例に示すように例えば斜面14と反対の後部を受け入れ、かつ係合することができるように形成され、細長い板93に載置して摺動するさいにカセット10が滑るのを防ぐ(例えば座部は、「C」形状とすることができる)。
【0118】
カセット10が板93の端部に到達すると、後述の移送シャトル95によって好ましくマーキング装置に運ばれる。移送シャトル95の構造を詳述する前に、移送シャトルはカセット10を解放可能に保持するのに適したハウジングを備えなければならず、かつまた装置1に近い板93の前記端部であり、それによってカセット10を受け入れることができる位置と、把持プライヤー31,32の位置で、それによってカセット10をそこへ送ることができる位置の間で移動可能でなければならないことに留意してください。
【0119】
好ましくは、移送シャトル95は、板の端部と同一平面に配置され、かつカセット10を受け入れ可能な下板951と、プッシャースライド94に押された場合に板951の上でカセット10を検出する制限スイッチ952と、板951と共にカセット10を解放可能に保持するのに適した「C」形状座部を形成するストッパー950と、を備える。
【0120】
移送シャトル95は、カセット10を把持プライヤー31,32に持って行くために、水平に移動することができ、把持プライヤー31,32へ移動した場合に、前述の中間位置にある把持プライヤーがカセット10の把持に近付くことができるように、移送シャトル95の高さが保たれている(
図1,
図2および
図18参照)。この段階において、移送シャトル95は、板951が細長い板93と同一平面にある位置へ後退する。
【0121】
さらに好都合な特徴は、マーク済みカセット10の排出または供給段階に関連する。
【0122】
上記の説明を考慮すると、マーク済みカセット10を落とすために重力を使用し、機械100の出口が基本的にスライド101によって形成されることが好ましい。
【0123】
出口101は、1つのスライドに1つ、または2つのスライドに2つとすることができる。出口1または2は、カセットが追加的なメカニカルハンドに取られ、かつ時系列にハニカム型の容器に配置されるようにプログラムを用いて選択する、または順番を決めることができる。
【0124】
把持プライヤー31,32がスライド101に接続するために、平らな要素35をプライヤー31,32に組み込まれた把持手段のフレーム5に取り付けることができる。平らな要素35は、プライヤー31,32が上述の解放位置に傾けられる場合にカセット10を受け入れるように配置され、かつプライヤー31,32が解放位置にある場合には常に共に連続的な斜面を形成するためにスライド101に結合するよう構成される。
【0125】
上記は、非限定的な例によって説明されていると理解され、したがって任意の構造の変形は、特許請求の範囲に概説されるように、本技術的な解決策と同じ保護の対象であると理解される。