(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
概して図面を参照しつつ、広告単位における広告を表示するシステムおよび方法を開示する。広告は、これら広告の寸法が広告単位の寸法とは異なるように広告単位内でレンダリングできる。本開示の一実装例では、広告の寸法は広告単位の寸法よりも小さい。様々な編集特性を適用して、この広告単位における広告のレンダリング終了時にこの広告と共に表示する付加的な視覚コンテンツを決定できる。こうした視覚コンテンツによって、寸法がその広告単位の寸法に一致しない広告をより見栄えよく表示可能となる。これにより、所与の広告単位で表示できる潜在的な広告の数が増加する。
【0011】
図1を参照すると、記載した実装例による、広告管理システムが広告サービスを管理する代表的な環境100のブロック図が示されている。
図1で示しかつ記載する代表的な環境100および記載した管理システムは、本開示で記載したシステムおよび方法を実行するために使用される(例えば、広告単位で表示される広告を選択し、付加的な視覚コンテンツを表示する)。
【0012】
環境100は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット、またはそれらの組合せなどのネットワーク102を含む。ネットワーク102は、ウェブサイト104と、ユーザデバイス106と、広告主108と、広告管理システム110とを接続する。環境100は、多数のウェブサイト104と、ユーザデバイス106と、広告主108とを含むことができる。
【0013】
ウェブサイト104は、ドメイン名に関連付けられかつ1つまたは複数のサーバがホストとして働く1つまたは複数のリソース105を含む。代表的なウェブサイトは、テキスト、画像、マルチメディアコンテンツ、およびスクリプトなどのプログラミングエレメントを含みうるハイパーテキスト作成言語(HTML)で書式設定されたウェブページの収集体である。
【0014】
リソース105は、ネットワーク102を介して提供できる任意のデータである。リソース105は、全域リソース位置指示子(URL)などのリソース105に関連付けられたリソースアドレスにより識別される。リソース105は、一部しか列挙しないが、ウェブページ、ワードプロセッシング文書、ポータブルドキュメントフォーマット(PDF)文書、画像、ビデオ、プログラミングエレメント、インタラクション型コンテンツ、フィードリソースなどを含むことができる。リソース105は、埋め込み情報(ハイパーリンクでのメタ情報など)および/または埋め込み命令を含みうる単語、語句、画像および音声などのコンテンツを含むことができる。埋め込み命令は、ウェブブラウザ内などユーザのデバイスで実行されるコードを含むことができる。コードは、JavaScript(登録商標)またはECMAScript(登録商標)などの言語で書けばよい。
【0015】
ユーザデバイス106は、ユーザの制御下にある電子デバイスであって、ネットワーク102を介してリソース105を要求し受信できる。代表的なユーザデバイス106は、パーソナルコンピュータ、移動通信デバイス、およびネットワーク102を介してデータの送受信が可能な他の装置を含む。ユーザデバイス106は、典型的には、ネットワーク102を介したデータの送受信を促進するウェブブラウザなどのユーザアプリケーションを含む。
【0016】
ユーザデバイス106は、ウェブサイト104からリソース105を要求できる。すると、リソース105を表現するデータが、ユーザデバイス106による表示のためユーザデバイス106に与えられる。リソース105を表現するデータは、広告を提示してよいリソースの一部またはユーザディスプレイの一部(例えば、ポップアップウインドウの提示位置またはウェブページのスロット)を指定するデータを含むことができる。リソース105またはユーザディスプレイのこれら指定された部分は、広告スロットまたは広告単位と呼ばれる。
【0017】
ネットワーク102を介してアクセスできる膨大な数のリソース105の検索を容易にするため、環境100は、ウェブサイト104で与えられるリソース105をクローリングしかつ索引付けすることでリソース105を識別する検索システム112を含むことができる。リソース105に関するデータは、このデータが関連付けられているリソース105に基づいて索引付けできる。リソース105の索引付けされかつオプションでキャッシュされたコピーは、検索索引(図示しない)に格納される。
【0018】
ユーザデバイス106は、ネットワーク102を介して検索システム112に検索クエリを提出できる。それに応答して、検索システム112は検索索引にアクセスして、その検索クエリに関連したリソース105を識別する。代表的な一実装例では、検索クエリは1つまたは複数のキーワードを含む。検索システム112はこのクエリに応答するリソース105を識別し、リソース105に関する情報を検索結果の形式で与え、この検索結果をユーザデバイス106に検索結果のページで返す。検索結果は、特定の検索クエリに応答するリソース105を識別する検索システム112により生成されたデータを含むことができ、さらに、そのリソース105へのリンクを含むことができる。代表的な検索結果は、ウェブサイトのタイトル、ウェブサイト104から抽出されたテキストのスニペットまたは画像の一部、リソース105の描画、およびウェブページ104のURLを含むことができる。検索結果ページは、広告を提示できる1つまたは複数の広告単位を含むこともできる。
【0019】
検索結果ページは、広告単位が提示されるウェブページの一例として説明する。すなわち、広告単位が提示されるウェブページの種類は様々であることは理解すべきである。他の実装例では、任意のウェブページを環境100で使用してよい。例えば、ニュース記事を含むウェブページをこのウェブページとすることができ、リソースを特定し、広告単位をそのウェブページ上に提示できる。検索結果ページの説明は、本開示のシステムおよび方法が使用される一例として挙げたものである。
【0020】
検索結果ページは、検索システム112から、ユーザデバイス106のウェブブラウザにHTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)クッキーを設定するための要求を付けて送信してよい。クッキーは、例えば、特定のユーザデバイス106および特定のウェブブラウザを表すことができる。例えば、検索システム112は、検索結果ページをHTTP応答で送信することでクエリに返答するサーバを含む。このHTTP応答は、サーバがホストとして働くサイトまたはそのサーバのドメインのクッキーをブラウザに格納させる命令(例えば、クッキー設定命令)を含む。このブラウザがクッキーをサポートしており、クッキーが使用可能であれば、同一サーバまたはそのサーバのドメイン内のサーバへの以降のページ要求すべてはこのクッキーを含むことになる。このクッキーは、一意のまたはほぼ一意の識別子を含む様々なデータを格納できる。この一意またはほぼ一意の識別子は匿名化でき、ユーザ名とは繋がっていない。HTTPは状態を持たないプロトコルなので、クッキーを使用すると、検索システム112または他のシステムのような外部サービスが、ユーザの特定の行為および状態を多数のセッションにわたり追跡できるようになる。ユーザは、例えば、ブラウザの設定でクッキーを無効にすることで、ユーザ行為の追跡から選択的に離脱できる。
【0021】
リソース105または検索結果がユーザデバイス106により要求されたり、ユーザデバイス106に与えられたりすると、広告管理システム110は、広告をリソース105または検索結果とともに提供する要求を受け取る。この広告の要求は、要求されたリソース105または検索結果ページに関して定義された広告単位の特性を含むことができ、広告管理システム110に与えてもよい。例えば、広告単位が定義されているリソース105への参照(例えば、URL)、広告単位のサイズ(例えば、その広告単位の寸法)、および/またはその広告単位での提示に使用できるメディアの種類を広告管理システム110に与えてもよい。同様に、要求されたリソース105に関連付けられたキーワード(すなわち、コンテンツに関連付けられた1つまたは複数の言葉)(「リソースキーワード」)または検索結果を要求している検索クエリも広告管理システム110に与えることで、リソース105または検索クエリに関連した広告を容易に識別可能になる。
【0022】
広告の要求は、広告管理システム110に提示できる、ウェブサイトのユーザからのユーザデータの識別情報を含むことができる。広告管理システム110は、ユーザの識別情報に基づいて、ユーザに興味データ(interest data)を割り当て、この興味データを広告主から提供された広告に関連付ければよい。広告管理システム110は、第2ユーザに関連性がある広告を提供するために、コンテンツ(例えば、キーワード、写真、ビデオなど)を興味データに関連付けてよい。
【0023】
広告の要求に含まれるデータに基づいて、広告管理システム110は、その要求に応答して提供するのに適格な広告(「適格広告」)を提供できる。適格広告は、広告単位に収まる広告(例えば、その寸法が広告単位の寸法内に収まる広告)を含むことができる。適格広告は、ユーザにより識別されたユーザデータに一致する特性を備えた広告をさらに含むことができる。
【0024】
広告管理システム110は、リソース105(例えば、ウェブページ上のユーザのプロファイル)またはウェブページの各広告スロット用に1つまたは複数の適格広告を選択する。広告管理システム110は広告データベースから適格広告を選択できる。この広告データベースは、広告管理システム110と通信したクラウドデータベースでよい。リソース105またはウェブページは、ユーザデバイス106での提示のためユーザデバイス106により受信される。提示された広告とのユーザインタラクションを表すユーザインタラクションデータは、履歴データ記憶装置119に格納すればよい。例えば、広告がユーザに広告サーバ114を介して提示されると、データはログファイル116に格納できる。このログファイル116は、履歴データ記憶装置119内の他のデータと集約(aggregate)できる。従って、履歴データ記憶装置119は、広告のインプレッションを表すデータを含む。例えば、広告の提示は、提示されるその広告の要求に応答して格納される。例えば、この広告要求は、特定のクッキーを識別するデータを含むことができ、よって、このクッキーを識別するデータは、その要求に応答して提供された広告を識別するデータと関連付けて格納できる。幾つかの実装例では、このデータは履歴データ記憶装置119に直接格納してよい。
【0025】
同様に、ユーザが提示された広告を選択する(すなわちクリックする、触れる、信号を送るなど)と、その広告の選択を表すデータはログファイル116、クッキー、または履歴データ記憶装置119内に格納されうる。幾つかの実装例では、このデータは、この広告によりリンクされたウェブページに対する要求に応答して格納される。例えば、この広告のユーザ選択が、広告主により(または広告主に代わって)提供されるウェブページの提示要求を開始するようにしてもよい。この要求は、ユーザデバイスのクッキーを識別するデータを含むことができ、このデータは履歴データ記憶装置119内に格納できる。
【0026】
ユーザインタラクションデータは、ユーザインタラクションの実行に使用された対応するユーザデバイスを表す一意の識別子に関連付けることができる。例えば、幾つかの実装例では、ユーザインタラクションデータは、1つまたは複数のクッキーに関連付けることができる。各クッキーは、そのクッキーがこのユーザデバイス106に初めて設定された時刻を示す初期設定時刻を指定する内容を含むことができる。
【0027】
また、ログファイル116または履歴データ記憶装置119は、広告への参照と、各広告がユーザへの提示のために選択された条件を表すデータとを格納する。例えば、履歴データ記憶装置119は、ターゲティングキーワードと、ビッドと、適格広告を提示目的で選択するための他の判断基準とを格納できる。さらに、履歴データ記憶装置119は、各広告のインプレッションの回数を明示したデータを含んでもよく、各広告に関するインプレッションの回数は、例えば、それら広告インプレッションを生じさせたキーワードおよび/またはそれらインプレッションに関連付けられたクッキーを用いて追跡できる。また、各インプレッションに関するデータを格納して、各インプレッションおよびユーザ選択が、選択された広告および/またはこの広告が提示のために選択される原因となったターゲティングキーワードに関連付けられる(すなわち、この広告および/またはターゲティングキーワードへの参照と共に格納しかつ/またはこの広告および/またはターゲティングキーワードに従って索引を付ける)ようにすることも可能である。
【0028】
環境100は、さらに広告表示システム120を含む。広告表示システム120は、ウェブページ104で表示するための広告に画像編集を適用するよう構成されている。広告表示システム120の機能は
図2〜9でより詳細に示した。広告表示システム120は
図1では別のシステムとして示されているが、広告表示システム120は、ウェブサイト104に直接接続された広告管理システム11の一部としてもよいし、環境100内の他の任意システムおよびモジュールの一部としてもよい。
【0029】
環境100は、本開示のシステムおよび方法と共に使用するための例示的な環境として示されている。すなわち、様々な実装例では、環境100は、本開示のシステムおよび方法と共に使用するより多くのまたは少ないシステムおよびモジュールを含んでいてもよい。例えば、検索システム112は環境100から省略し、広告は、広告管理システム110によって検索結果ページ以外のウェブページに提供してもよい。別の例として、環境100は、履歴データ記憶装置119およびログファイル116を省略しても、ユーザデバイス106用の広告を広告単位においてレンダリングできる。
【0030】
図2を参照すると、広告単位内で表示する広告の視覚コンテンツを決定するために編集特性を適用するための、説明した実装例による方法200のフローチャートが示されている。本開示による方法を実行する多くのやり方が存在するため、方法200は例示目的で記載されている。方法200は、様々なシステムの組合せのいずれかにより実行または実施すればよい。方法200は、コンピュータ、コンピュータプログラム製品、コンピュータプログラム、クライアント、サーバ、クライアント・サーバ関係などにより実装すればよい。本明細書では、方法200は、一例として、
図1の環境100に示した広告表示システム120により実行されるものとして記載されている。
【0031】
方法200は、広告単位のフォーマット優先設定(preference)を受け取る段階を含む(ステップ202)。この広告単位は、
図1に示したウェブサイト104のようなウェブサイト上で表示するためのものでよい。広告単位のフォーマット優先設定は、この広告単位の寸法(例えば、この広告単位の高さおよび幅)を含むことができる。その他のフォーマット優先設定は、この広告単位の背景や、ウェブページに表示される他のコンテンツに関連したこの広告単位の他の構成情報を含むことができる。
【0032】
方法200は、選択された広告と、この選択された広告のサイズとを受け取る段階をさらに含む(ステップ204)。選択された広告は、例えば、
図1の広告管理システム110により決定すればよい。選択された広告のサイズは、当該広告の寸法(例えば、高さおよび幅)を含むことができる。さらに、ステップ204では付加的な広告情報を受け取ることができる(例えば、属性(attribution)情報、表示優先設定など)。本開示で記載する選択された広告は、一実装例によれば任意種類の広告でよい(例えば、画像広告、フラッシュ広告、複合HTML広告、ビデオ広告、複数種類の広告の任意組合せなど)ことは理解すべきである。他の実装例によれば、他の種類の広告も本明細書に記載したシステムおよび方法と共に使用できる。
【0033】
方法200は、選択された広告の付加的な視覚コンテンツを決定するために編集特性を適用する段階をさらに含む(ステップ206)。この付加的な視覚コンテンツは、当該広告単位のフォーマット優先設定および選択された広告のサイズを使って決定される。付加的な視覚コンテンツは、例えば、空白スペースを含んでよく、広告単位に空白スペースを挿入することで、広告が広告単位内で中央揃えされているように見えるようになる。広告の寸法が広告単位の寸法より小さい場合は、空白スペースを用いて広告が中央揃えされているように見せることができる。さらに、この空白スペースを用いて広告単位の他の位置(上、下、左、右)における広告の位置調整を行ってもよい。
【0034】
視覚コンテンツの別の例としては、広告の背景を透明にしてもよい。背景を透明にすることで、ウェブページの残り部分の背景が広告単位のスペースの一部または全部を介して見えるようになる。視覚コンテンツのさらに別の例としては、この視覚コンテンツは、広告または広告単位を囲んでいるように見える境界を含んでいてもよい。この境界は、例えば、広告または広告単位の境界に付加する陰影でよい。後に詳述する
図5〜13は、視覚コンテンツの幾つかの例を示す。
【0035】
この編集は、広告をそれ自身のフレーム内でレンダリングする段階もさらに含んでよい。広告をそれ自身のフレーム内でレンダリングすることにより、広告の一部がウェブサイトのユーザの視野から隠れることが意図されている場合、広告が広告単位でこの付加的な視覚コンテンツと共に表示されると、この一部分が隠れた状態とすることができる。
【0036】
この視覚コンテンツは、ウィジェットまたは属性をさらに含むことができ、編集特性はウィジェットまたは属性の広告単位での位置を調整することを含むことができる。一例として、これらウィジェットおよび属性は、広告単位内に表示されるよう構成可能である。編集特性を用いてこれらウィジェットおよび属性を広告単位内で表示できるが、これらウィジェットおよび属性は広告のビューを見えにくくすることはない。こうした構成は
図5〜9により詳細に示されている。
【0037】
方法200は、これら編集特性を適用することで、選択された広告と視覚コンテンツとを広告単位内でレンダリングする段階をさらに含む(ステップ208)。
【0038】
図3を参照すると、記載した実装例による、広告単位において広告をレンダリングするための方法300のフローチャートが示されている。本開示による方法を実行する多くのやり方が存在するため、方法300は例示目的で記載されている。方法300は、様々なシステムの組合せのいずれかにより実行または実施すればよい。方法300は、コンピュータ、コンピュータプログラム製品、コンピュータプログラム、クライアント、サーバ、クライアント・サーバ関係などにより実装すればよい。本明細書では、方法300は、一例として、
図1の環境100に示した広告表示システム120により実行されるものとして記載されている。
【0039】
方法300は、広告単位のフォーマット優先設定を受け取る段階を含む(ステップ302)。方法300は、フォーマット優先設定を用いて、広告単位に収まりうるすべての可能なフォーマットを特定する段階をさらに含む(ステップ304)。例えば、この広告単位のフォーマット優先設定が、例えば336x280のピクセルでサイズを指定していれば、ステップ304では336x280サイズに収まりうるすべての可能なフォーマットが特定される(例えば、336x280、300x250、250x250、200x200など)。
【0040】
すべての可能なフォーマットは、
図1の環境100で記載されたように、他の情報と共に広告選択モジュールに与えられる(ステップ306)。これら可能なフォーマットは、広告選択モジュール(例えば、
図1の広告管理システム110)によってフィルタとして使用でき、広告単位に適合する広告のみが選択される。
【0041】
広告選択モジュールは、可能なフォーマットの1つに適合するすべての可能な広告を収集でき(ステップ308)、可能な広告のリストから1つの広告を選択する(ステップ310)。この選択は、くじ引きまたはオークションによってもよいし、無作為でもよいし、他の任意の方法により選択してもよい。選択された広告は、
図2で一般的に説明したように広告単位でレンダリングされる(ステップ312)。
【0042】
図4を参照すると、記載した実装例による、1つの広告単位において複数の広告をレンダリングするための方法400のフローチャートが示されている。本開示による方法を実行する多くのやり方が存在するため、方法400は例示目的で記載されている。方法400は、様々なシステムの組合せのいずれかにより実行または実施すればよい。方法400は、コンピュータ、コンピュータプログラム製品、コンピュータプログラム、クライアント、サーバ、クライアント・サーバ関係などにより実装すればよい。本明細書では、方法400は、一例として、
図1の環境100に示した広告表示システム120により実行されるものとして記載されている。
【0043】
図3の方法300と比較すると、方法400は、複数の広告が単一の広告単位内で表示される実装例を記述する。第1の広告が広告単位内での表示のために選択され、第2の広告(またはそれ以上)を表示する空スペースが広告単位内に存在すれば、方法400を用いて第2の広告を選択する。
【0044】
方法400は、広告単位のフォーマット優先設定を受け取る段階を含む(ステップ402)。方法400は、フォーマット優先設定を用いて広告単位に収まりうる単一の広告のすべての可能なサイズを特定する段階をさらに含む(ステップ404)。各可能なサイズについて、広告単位に未使用スペースが残っていることがある。方法400は、各可能なサイズに対して、広告単位内で使用可能な残りのスペースを求める段階を含む(ステップ406)。
【0045】
残り使用可能スペースについて、この残りスペースに収まる可能なサイズを特定できる(ステップ408)。次に、ステップ406および408は、広告単位内に残りの使用可能スペースがなくなるまで繰り返せばよい(ステップ410)。ステップ406〜410の結果は、広告モジュールのための、広告のサイズの可能な組合せリストとすればよい。一例として、広告単位が600x400の寸法を備えていれば、ステップ404は、サイズが400x400および600x400の広告がこの広告単位内に収まることを特定する段階を含み、ステップ406は400x400のサイズに関し、この広告単位内に200x400ピクセルの未使用スペースがあることを特定する段階を含み、ステップ408は、400x400サイズの広告に加えて200x400のサイズの広告がこの広告単位内に収まりうることを特定する段階を含む。400x400と200x400を組合せて、この広告単位内で表示するために400x400サイズに収まる1つの広告と、200x400サイズに収まる1つの広告とを選択できる。
【0046】
方法400は、すべての可能なフォーマットの組合せのリストを広告選択モジュールに与える段階をさらに含む(ステップ412)。フォーマットの組合せのいずれかに適合するすべての可能な広告は、広告選択モジュールを用いて収集され(ステップ414)、1つまたは複数の広告が選択される(ステップ416)。この選択は、くじ引きまたはオークションによってもよいし、無作為でもよいし、他の任意の方法により選択してもよい。この1つまたは複数の選択された広告は、次に広告単位内でレンダリングされる(ステップ418)。
【0047】
概して
図5〜9を参照すると、本開示で記載する様々な編集特性および視覚コンテンツを示す広告単位を備えたさまざまなウェブサイトが図示されている。
図5〜9に示したウェブサイトはニュース記事および単一の広告単位を図示しているが、本開示のシステムおよび方法は、1つのウェブページにおける任意の数の広告単位や、1つの広告単位を含む任意種類のウェブページに使用してよい。
図5〜9に示した広告単位は境界を備えることが図示されている。しかし、この境界は例示目的で示したものであって、広告単位の境界の表示は本開示のシステムおよび方法では必須ではないことは理解すべきである。
【0048】
図5を参照すると、ウェブサイト500は、広告単位504を備えたニュース記事502を含む。広告506は広告単位504内で中心揃えされていることが図示されており、広告のコンテンツ(車の写真および「今すぐ新車を購入!」というメッセージ)の上下左右に未使用スペースがある。広告506は左上角または別の位置ではなく、中央揃えされていることが示されている。
図2で説明した画像編集特性を用いて視覚コンテンツを空白スペースの形式で生成できる。広告506が空白スペースの下(または側方)に配置されると広告506が中央揃えされているように見えるように、この空白スペースは広告単位506に挿入される。
【0049】
広告単位504は、付加的な視覚コンテンツをウィジェット508および属性(attribute)510の形式でさらに示す。ウィジェット508および属性510は、広告単位504内で広告506の真下に表示されている。ウィジェット508および属性510は、広告506を見えにくくすることなく、広告単位504内で表示されるよう構成できる。
図2で説明した編集特性を用いて、ウィジェット508および属性510の位置を変更して、ウィジェット508および属性510が広告506の寸法内に表示されないようにしてもよい。この広告表示システムは、広告506の寸法を特定し、ウィジェット508および属性510の広告506に対する位置を変更して、ウィジェット508および属性510が図示したように広告506の真下に見えるように構成できる。
【0050】
図6を参照すると、ウェブサイト600は、ニュース記事604および広告単位602を含む。広告604は、中央揃えした表示広告606およびクリッカブルなアイコン612を含む。クリッカブルなアイコン612は、広告単位604内部で(ウィジェット508および属性510など)広告単位604の隅または他の位置に表示されるよう構成できる。
【0051】
広告単位604内の広告606は、付加的な視覚コンテンツをユーティリティボタン608および610の形式で含んでいる。ユーティリティボタン608および610は、広告単位604の隅または任意の他の場所で表示されるよう構成できる。ユーティリティボタン608および610は、広告単位604の未使用スペースを埋めるために広告表示システムによりレンダリングされうる。ユーティリティボタン608および610は様々な制御手段を提供する。例えば、ユーティリティボタン608によって、ユーザはこの広告または広告情報を保存でき、ユーティリティボタン610によってユーザは広告を拡大または縮小表示でき、また、他のユーティリティボタンを設けて広告のコンテンツを回転させたり、左右にパンさせてもよい。
【0052】
広告単位604は、付加的な視覚コンテンツを陰影614の形式で含んでいる。広告表示システムは、広告単位604内の未使用スペースを満たす助けとするために、境界(例えば陰影)を広告単位604に付加するように構成してもよい。境界は、任意のパターン、色、またはデザインとしてよい。
【0053】
図7を参照すると、ウェブサイト700は、ニュース記事702および広告単位704を含む。
図4を参照して記載したように、広告単位704は、複数の広告がこの単位に収まる場合は、複数の広告を表示するよう構成される。2つの広告706および708が、広告単位704にレンダリングされていることが示されている。広告706および708は広告単位704での表示のために与えられたスペースで中央揃えしてもよいし、
図2に記載した編集特性を広告単位704および708に概して適用してもよい。例えば、広告706は広告単位704の上半分を「割り当て」られ、その単位のちょうど上半分での表示ために編集し、広告708には下半分を「割り当て」てもよい。
【0054】
図8を参照すると、ウェブサイト800は、ニュース記事802および広告単位804を含む。広告806は広告単位804内に表示され、ビデオ構成要素808を含む。ビデオ構成要素808を備えた広告に関して、このビデオ構成要素は広告単位804内でレンダリングでき、また、広告表示システムは、広告806の他の部分に編集特性を適用するよう構成してよい。
【0055】
図9を参照すると、ウェブサイト900は、ニュース記事902および広告単位904を含む。広告906が広告単位904内に表示されている。ウェブサイト900はパターンを含む背景を含んでいる。広告表示システムは、広告単位904の背景を透明にし、背景パターンが広告内部でも見える(例えば、背景を透明にする視覚コンテンツを、広告単位904に加えることにより)ようにするよう構成できる。この透明性によって、広告単位904内の未使用スペースをパターンで満たすことができる。広告906は非透明として図示されている。すなわち、このパターンは広告906のスペース内では見えない。別の実装例では、広告表示システムは広告906も透明にするよう構成してもよい。
【0056】
本明細書に記載した主題および動作の実装例は、デジタル電子回路またはコンピュータソフトウェア、ファームウェアもしくは本明細書で開示された構造体およびその構造的等価物を含むハードウェアまたはそれらの1つもしくは複数の組合せで実装してよい。本明細書に記載した主題の実装例は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置による実行またはデータ処理装置の動作制御のため1つまたは複数のコンピュータ記憶媒体で符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装してよい。代替的にまたは付加的に、これらプログラム命令は、データ処理装置により実行するため適切な受信装置への送信用に情報を符号化するため生成される人工生成伝搬信号(例えば機械生成電気、光学、または電磁気信号など)で符号化すればよい。コンピュータ格納媒体は、コンピュータ可読格納媒体、コンピュータ可読格納基板、ランダムまたはシリアルアクセス記憶装置アレイもしくはデバイス、またはそれらの1つもしくは複数の組合せとすることができ、あるいはそれらに含まれていてもよい。さらに、コンピュータ格納媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ格納媒体は、人工生成伝搬信号で符号化されたコンピュータプログラム命令の供給源または出力先となりうる。コンピュータ格納媒体は、1つもしくは複数の別々の構成要素または媒体(例えば、複数のCD、ディスク、または他の記憶装置)することができ、またはそれらに含まれていてもよい。従って、このコンピュータ格納媒体は有形かつ非一時的である。
【0057】
本開示に記載された動作は、1つまたは複数のコンピュータ可読格納装置に格納されたまたは他の供給源から受け取られたデータに対してデータ処理装置によって実行されうる動作として実現すればよい。
【0058】
「クライアント」または「サーバ」という用語は、例示的には、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、チップ搭載システム、それらの複数または組合せを含む、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、機械を含む。こうした装置は、例えば、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向けIC(ASIC)などの専用論理回路を含むことができる。さらに、この装置は、ハードウェアに加え、当該コンピュータプログラムの実行環境を作成するコード(例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームのランタイム環境、仮想マシン、これらの1つまたは複数の組合せなどを構成するコードなど)を含むことができる。これら装置および実行環境は、ウェブサービス、分散形計算およびグリッドコンピューティング・インフラストラクチャなどの様々な異なる計算モデルインフラストラクチャを実現できる。
【0059】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイル済みもしくは解釈実行言語または宣言型もしくは手続き型言語を含む任意形式のプログラミング言語で書けばよく、こうしたプログラムは、独立型プログラムもしくはモジュール、構成要素、サブルーチン、オブジェクトまたは計算環境における使用に適した他の単位を含む任意形式で導入すればよい。コンピュータプログラムは、ファイルシステムのファイルに対応することがあるが、そうである必要はない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部、このプログラム専用の単一ファイル、または多数の調整ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの複数部分を格納するファイル)に格納できる。コンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたは単一サイトに配置された複数のコンピュータもしくは複数サイトに分散されて通信ネットワークにより相互接続した複数のコンピュータで実行されるよう導入することもできる。
【0060】
本明細書で説明したプロセスおよび論理フローは、入力データに作用しかつ出力を生成することによって動作を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラマブルプロセッサにより実行できる。これらプロセスおよび論理フローは専用論理回路(例えば、FPGA又はASIC)により実行でき、装置も専用論理回路専用論理回路(例えば、FPGA又はASIC)として実装できる。
【0061】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例示目的だが、汎用および専用マイクロプロセッサならびに任意種類のデジタルコンピュータの1つ又は複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリもしくはランダムアクセス記憶装置またはそれら両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの不可欠な要素は、命令に従って動作を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つまたは複数の記憶装置とである。一般に、コンピュータは、1つ又は複数の大容量記憶装置(例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクなど)を含むか、それらからデータを受信又は転送、或いはその両方を行うため機能的に接続されている。しかし、コンピュータはそうした装置を備えている必要はない。さらに、コンピュータは別の装置(例えば、携帯電話、個人情報端末(PAD)、携帯オーディオもしくはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、または携帯用記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)など)に埋め込んでもよい。コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適した装置は、例えば、半導体記憶装置を含むあらゆる形式の不揮発性記憶装置、媒体および記憶装置(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリ装置、例えば内部ハードディスク又はリムーバルブディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスク)を含む。こうしたプロセッサ及びメモリは、専用論理回路により補足するかそれに組み込み可能である。
【0062】
ユーザとのインタラクションを実現するため、本開示に記載された主題の実施形態は、情報をユーザに表示するための表示装置(例えば、CRT(ブラウン管)、LCD(液晶表示装置)、OLED(有機発光ダイオード)、TFT (薄膜トランジスタ)、または他の柔軟性構成モニタなどの)と、ユーザがコンピュータに入力を与えるのに使用するキーボードと、例えばマウス、トラックボール、タッチスクリーン、タッチパッドなどのポインティングデバイスとを備えたコンピュータで実装してよい。他の種類のデバイスを使ってもユーザとインタラクションを実現できる。例えば、ユーザに与えられるフィードバックは、任意形式の感覚フィードバック(視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックなど)でよく、ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含む任意形式で受信してよい。さらに、コンピュータは、例えば、ウェブブラウザから受信した要求に応答してウェブページをユーザのクライアント装置上のウェブブラウザに送るなど、ユーザが使用する装置との間で文書を送受信することでユーザとインタラクションすればよい。
【0063】
本開示に記載された主題の実装例は、バックエンド構成要素(例えばデータサーバとして)を含んだ計算機システム、ミドルウェア構成要素(例えばアプリケーションサーバとして)を含んだ計算機システム、ユーザが本開示に記載された主題の実装とインタラクションする手段となるグラフィカル・ユーザインタフェースもしくはウェブブラウザを備えたフロントエンド構成要素(例えばクライアントコンピュータとして)を含む計算機システム、または1つまたは複数のそうしたバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンド構成要素の任意組合せ含む計算機システムで実装してよい。こうしたシステムの構成要素は、任意形式または媒体のデジタルデータ通信(例えば通信ネットワークなど)により相互接続してよい。通信ネットワークの例は、LAN、WAN、相互接続ネットワーク(例えば、インターネット)、およびピアツーピアネットワーク(例えば、アドホック・ピアツーピアネットワーク)を含む。
【0064】
本開示は多くの特定の実装例の詳細を含むが、これらはいかなる開示の範囲または請求項の限定と解釈されるべきでなく、特定の開示の特定の実装例に固有な特徴の記述と解釈すべきである。別々の実装例の文脈で本開示に記載された幾つかの特徴は、組み合わせることにより単一の実装例でも実現してもよい。反対に、単一の実装例の文脈で記載された幾つかの特徴は、複数の実装例で別々にまたは任意適切な部分的な組合せでも実現してもよい。さらに、幾つかの特徴は、特定の組合せで動作するように上記で説明されかつ請求項にも当初そのように記載されているかもしれないが、請求項に記載の組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはこうした組合せから削除でき、さらに、この請求項に記載の組合せは、部分的組合せまたは部分的組合せの変形例に関するものとしてよい。
【0065】
同様に、動作は図面では特定の順序で図示されているが、所望の結果を得るためには、こうした動作は、図示した特定の順序または連続した順序で実行する必要があると理解すべきではなく、またすべての例示的な動作が実行される必要があるとも理解すべきではない。一定の状況では、多重タスク処理および並列処理が有利となることがある。さらに、上述の実装例における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装例でそうした分離が必要であると理解すべきでなく、上述のプログラム構成要素およびシステムは、概して単一のソフトウェア製品に統合または多数のソフトウェア製品に実装してよいことを理解すべきである。
【0066】
ここまで本主題の幾つかの実装例を説明してきた。他の実装例も次の請求項の範囲に入る。幾つかの場合では、請求項に記載の動作は、異なる順序で実行しても所望の結果を得ることができる。さらに、添付図面に示したプロセスは、所望の結果を得るために図示した順序や連続した順番で実行する必要があるわけではない。幾つかの実装例では、多重タスク処理および並列処理が有利となることがある。