(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の品質パラメータの前記第2の測度が前記第2の品質基準よりも良好ではないと前記無線通信装置が判断した場合、前記現在のパケットに対して前記部分パケット復号プロセスが実行されない、
請求項1に記載の方法。
前記第1の品質パラメータが、前記通信リンクのブロック誤り率、前記通信リンクのビット誤り率、又は前記通信リンクにおける物理チャネルに関連付けられた信号対雑音比のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
前記第2の品質パラメータが、ダウンリンクチャネルを介して送信されるアップリンク送信電力制御(TPC)情報に関連付けられた信号対雑音比を含む、請求項1に記載の方法。
前記部分パケット復号プロセスが、前記現在のパケットを復号するために1回以上の試行を行うことを含み、前記1回以上の試行の各々が、前記試行時までに受信されたパケットデータの量に基づく、請求項1に記載の方法。
前記部分パケット復号プロセスを前記実行することが、前記1回以上の試行のうちの1つが成功したという判断に応じて、次の送信間隔の開始まで受信機をオフにすることを含む、請求項8に記載の方法。
前記部分パケット復号プロセスが、前記送信間隔の前記開始から所定の時間量待機した後に実行され、前記所定の時間量は、前記所定の時間量経過後の前記現在のパケットの受信部分の有効符号化レートが1未満となるように選択される、請求項1に記載の方法。
前記第2の品質パラメータの前記第2の測度を前記取得することが、前記送信間隔の前記開始から所定の時間量にわたって測定値を取得することを含み、前記所定の時間量は、前記所定の時間量経過後の前記現在のパケットの受信部分の有効符号化レートが1未満となるように選択される、請求項1に記載の方法。
前記第2の品質パラメータの前記第2の測度が前記第2の品質基準よりも良好ではないと前記無線通信装置が判断した場合、前記現在のパケットに対して前記部分パケット復号プロセスが実行されず、
第1の品質パラメータが、前記通信リンクのブロック誤り率である、
請求項12に記載の無線通信装置。
前記部分パケット復号プロセスが、前記現在のパケット全体を受信する前に、前記現在のパケットを復号するために1回以上の試行を行うことを含み、前記1回以上の試行の各々が、前記試行時までに受信されたパケットデータの量に基づく、請求項12に記載の無線通信装置。
前記部分パケット復号プロセスを前記実行することが、前記1回以上の試行のうちの1つが成功したという判断に応じて、次の送信間隔の開始まで受信機をオフにすることを含む、請求項12に記載の無線通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
略語
本特許出願では、以下の略語が使用される。
【0021】
APPD:適応型部分パケット復号(Adaptive Partial Packet Decoding)
【0022】
BLER:ブロック誤り率(Block Error Rate)(パケット誤り率と同じ)
【0023】
BER;ビット誤り率(Bit Error Rate)
【0024】
CDMA:符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)
【0025】
CPICH:共通パイロットインジケータチャネル(Common Pilot Indicator Channel)
【0026】
CRC:巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check)
【0027】
CS:回線交換(Circuit Switched)
【0028】
DL:ダウンリンク(Downlink)
【0029】
DPCH:専用物理チャネル(Dedicated Physical Channel)
【0030】
DPDCH:専用物理データチャネル(Dedicated Physical Data Channel)
【0031】
DPCCH:専用物理制御チャネル(Dedicated Physical Control Channel)
【0032】
DTCH:専用トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel)
【0033】
Ec/Io:総電力に対するパイロットチャネルのチップエネルギーの比率(Ratio of chip energy of pilot channel to total power)
【0035】
PC:電力制御(Power Control)
【0036】
PER:パケット誤り率(Packet Error Rate)
【0037】
PPD:部分パケット復号(Partial Packet Decoding)
【0038】
SINR:信号対干渉及び雑音比(Signal to Interference-and-Noise Ratio)
【0039】
SIR:信号対干渉比(Signal to Interference Ratio)
【0040】
SNR:信号対雑音比(Signal to Noise Ratio)
【0041】
TPC:送信電力制御(Transmit Power Control)
【0042】
TDM:時分割多重(Time Domain Multiplexing)
【0043】
TDMed:時分割多重化(Time Domain Multiplexed)
【0044】
TFCI:トランスポートフォーマットコンビネーションインジケータ(Transport Format Combination Indicator)
【0045】
TTI:送信時間間隔(Transmission Time Interval)
【0046】
Tx:送信(Transmission)
【0047】
UE:ユーザ機器(User Equipment)
【0049】
UMTS:ユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunication System)
通信システム
【0050】
図1は、例示的な(また簡略化された)無線通信システムを示している。
図1のシステムは、考えられ得るシステムの1つの例にすぎず、本発明の実施形態は、所望に応じて種々のシステムの任意のものにおいて実行されてよい。
【0051】
図示のように、例示的な無線通信システムは、伝送媒体を介して1つ以上のユーザ装置106−1〜106−Nと通信する基地局102を含む。本明細書では、ユーザ装置の各々を「ユーザ機器」(UE)と呼ぶあることがある。したがって、複数のユーザ装置はUEと総称される。
【0052】
基地局102は、無線基地局装置(BTS)又はセルサイトであり得、ユーザ装置106−1〜106−Nとの無線通信を可能にするハードウェアを備える。また、基地局102は、ネットワーク100と通信するために装備され得る。したがって、基地局102は、ユーザ装置間の通信、及び/又はユーザ装置とネットワーク100との間の通信を容易にすることができる。通信システムがUTMS標準に準拠するとき、基地局102は「ノードB」と呼ばれることがある。UTMSは、第3世代(3G)モバイルセルラー技術である。
【0053】
基地局102及びUE装置は、GSM(登録商標)、CDMA、WLL、WAN、WiFi(登録商標)、WiMAX(登録商標)などのような種々の無線通信技術のいずれかを使用して伝送媒体を介して通信するように構成されてもよい。
【0054】
図2は、基地局102と通信するユーザ機器(UE)106(例えば、装置106−1〜106−Nのうちの1つ)を示している。UE 106は、モバイル電話、ハンドヘルドデバイス、コンピュータ若しくはタブレット等の無線ネットワーク接続性を有するデバイス、又は実質上あらゆる種類の無線デバイスであってよい。UE 106は、メモリ内に記憶されたプログラム命令を実行するように構成されたプロセッサを含んでもよい。UE 106は、そのような記憶された命令を実行することによって、本明細書に記載された方法実施形態のいずれかを実行することができる。実施形態によっては、UE 106は、本明細書に記載されている方法実施形態のうちの任意のもの、又は本明細書に記載されている方法実施形態のうちの任意のものの任意の部分を実行するように構成されたFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のプログラム可能ハードウェア要素を含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、UE 106は、部分パケット復号(PPD)を適応的に採用するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、UEが106は、リンク品質が十分である、又は「十分に良好である」と判断されたときにのみ、部分パケット復号を使用するように構成され得る。本明細書に記載するように、リンクの品質は、種々のメトリックのいずれかによって、例えば、ブロック誤り率(BLER)、ビット誤り率(BER)、ダウンリンク電力制御ビットのシーケンス、ダウンリンクにおいてシグナリングされるアップリンクTPCビットの信号対雑音比(SNR)、共通パイロットチャネルの、例えば、UMTSにおける共通パイロットチャネル(CPICH)のSNR(Ec/Io)、専用制御チャネルの、例えば、UMTSにおける専用物理制御チャネル(DPCCH)のSNRといったメトリックのうちの1つ以上によって測定することができる。
図3−UEの例示的なブロック図
【0056】
図3は、UE 106の例示的なブロック図を示している。図示のとおり、UE 106は、種々の目的のための部分を含んでもよいシステムオンチップ(SOC)200を含み得る。例えば、図示のとおり、SOC 200は、UE 106のためのプログラム命令を実行し得るプロセッサ202と、グラフィック処理を実行し、ディスプレイ240に表示信号を提供することができる表示回路204とを含んでよい。プロセッサ202は、メモリ管理ユニット(MMU)240、並びに/又は、表示回路204、無線230、コネクタI/F 220、及び/若しくはディスプレイ240等の、その他の回路又はデバイスに連結されてもよく、MMU 240は、プロセッサ(単数又は複数)202からアドレスを受け取り、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ206、読み出し専用メモリ(ROM)250、NANDフラッシュメモリ210)内の場所に変換するように構成されてよい。実施形態によっては、MMU 240はプロセッサ202の一部として含まれてもよい。
【0057】
図示の実施形態では、ROM 250は、起動又は初期化時にプロセッサ202によって実行され得るブートローダ252を含んでもよい。同様に図示されているとおり、SOC 200はUE 106の種々の他の回路に結合されてもよい。例えば、UE 106は、(例えば、NANDフラッシュ210を含む)種々のタイプのメモリ、(例えば、コンピュータシステムに結合するための)コネクタインタフェース220、ディスプレイ240、及び(例えば、LTE、CDMA2000、Bluetooth(登録商標)、WiFiなどのための)無線通信回路を含み得る。
【0058】
UE装置106は、基地局との無線通信を実行するために、少なくとも1つのアンテナを含み得、いくつかの実施形態では、複数のアンテナを含み得る。例えば、UE装置106は、アンテナ235及び237を使用して、無線通信を実行することができる。UE 106は、複数の(例えば、少なくとも2つの)無線アクセス技術(RAT:radio access technologies)を使用してワイヤレスで通信するように構成され得る。
【0059】
図示のように、UE 106は、スマートカードと呼ばれることもあるSIM(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)310を含み得る。SIM 310は、取外し可能なSIMカードの形態をとることができる。一例として、SIM 310は、ユニバーサル集積回路カード(UICC:Universal Integrated Circuit Card)310であり得る。いくつかの実施形態では、SIM 310は、種々の電気通信ネットワーク上でローミングするために使用される優先ローミングリスト(PRL:preferred roaming list)を記憶することができる。
【0060】
UE装置106のプロセッサ202は、例えば、メモリ媒体(例えば、コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載される方法の一部又は全部を実行するように構成され得る。他の実施形態では、プロセッサ202は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)のようなプログラム可能なハードウェア要素として、又はASIC(特定用途向け集積回路)として構成され得る。
図4
【0061】
図4は、適応型部分パケット復号を実行するための方法の一実施形態のフローチャート図である。この方法は、UE 106によって実行される。
【0062】
402において、現在のパケットについて、送信時間間隔(TTI)を開始する。TTIが始まると、UE 106は以下の動作を実行する。
【0063】
404において、本方法は、現在のパケットに対する部分パケット復号(PPD)をイネーブルにするための第1の条件を評価する。第1の条件は、ブロック誤り率(BLER)に基づき得る。より詳細には、本方法は、BLERがBLERしきい値(TH
BLER)未満であるかどうかを判断する。BLERしきい値未満ではない場合には、406に示すように、現在のパケットについて部分パケット復号は使用されない。したがって、本方法は、404において、BLERベースのPPDゲート作動条件を効果的に実行する。電力制御型ダウンリンクチャネルでは、そのBLERは、UE 106によってパケット(又はTTI)ごとにアップデートされ、現在のBLERに基づいて、信号対雑音比(SNR)ターゲットが調整される。したがって、BLERは、部分パケット復号のためのゲート作動基準として使用される。現在のパケットTTIにおいてBLER<TH
BLERの場合、制御は408に進む。代替実施形態では、BLERの代わりにビット誤り率(BER)を使用することができる。PPDを適用するためのゲート作動条件として通信リンクの品質を評価するために、種々の他の方法又は技法のいずれかを使用することができる。
【0064】
ブロック誤り率(BLER)がBLERしきい値(TH
BLER)未満である場合、本方法は408に進む。
【0065】
408において、本方法は、現在のパケットの最初のxミリ秒の信号対雑音比(SNR)を測定する。(代替実施形態では、SNRの代わりにSIR又はSINRを測定することができる。)異なる実施形態では、値xは、例えば、UMTSの2ミリ秒から18ミリ秒までの範囲の異なる値を有し得る。例えば、値xは、1〜5ミリ秒から15〜20ミリ秒までの範囲のいずれかの異なる値を有し得る。いくつかの実施形態では、最初のxミリ秒は、パケットの所与の分割部分をカバーしてもよい。例えば、所与の分割部分は、パケットの30%〜70%に及んでもよい。例えば、所与の分割部分は、20〜40%から60〜80%までのいずれかに及び得る。いくつかの実施形態では、方法は、最初のxミリ秒中に複数回のSNR測定を行い、デジタルフィルタ(例えば、IIRフィルタ)を用いてSNR測定値をフィルタ処理することができる。例えば、パケットは複数のスロットを含み得、最初のxミリ秒に生じるスロットごとSNRを判断することができる。次いで、スロットSNRをフィルタ処理することができる。
【0066】
一実施形態では、フィルタは、以下の形態のIIRフィルタである。
y
n=(1−α)
*y
n-1+α
*SNR
n
式中、SNR
nは、最初のxミリ秒のn番目のSNR測定値であり、αは1未満の正の定数である。また、フィルタ出力値y
nは、f
IIR(SNR
n)によって表すことができる。IIRフィルタは、y
0=0で(又はy
0=SNR
0で)初期化することができる。種々の他のフィルタ構造のいずれかを使用してもよい。
【0067】
410において、本方法は、現在のパケットに対する部分パケット復号をイネーブルにするための第2の条件を評価することができる。一実施形態では、第2の条件は、408において測定されたSNR(又はSIR又はSINR)に、例えば、最初のxミリ秒の最後における上述したフィルタの出力値に基づく。(測定されたSNRは短期のリンク品質の測度を表し、BLERは長期のリンク品質の測度を表す。)電力制御型ダウンリンクチャネルでは、UE 106は、測定されたSNRを、ダウンリンクチャネルの現在のSNRターゲットと比較する。例えば、f
IIR(SNR)−SNR
target>TH
SNRである場合、リンク品質は十分に良好であると宣言され、それにより、412に示すように、現在のパケットの末尾まで部分パケット復号をイネーブルすることができる。(部分パケット符号化をイネーブルした状態で、UEは、パケットを復号するために1回以上の試行を行うことができる。各試行は、試行時までに蓄積されたパケットデータの量に基づき得る。もちろん、(例えば、成功裏のCRC試験によって示されるように)所与の試行が成功した場合、さらなる試行を行う必要はない。)
【0068】
反対に、f
IIR(SNR)−SNR
target<TH
SNRである場合、414に示されるように、現在のパケットについて、部分パケット復号をディスエーブルする。現在のパケットを完全に受信した後、現在のパケットの完全に受信されたコンテンツに基づく復号を実行する。
【0069】
408において、リンク品質の種々の測度のいずれかを測定することができ、それを、SNRの代わりに(又は、それに加えて)410において使用することができる。例えば、種々の実施形態では、以下の条件のうちの1つ以上(あるいは、2つ以上又はすべて)を使用することができる。
1)電力制御コマンドベース:過去のN個の電力制御コマンドにおけるDOWNコマンドの数がしきい値Mよりも大きい。
2)CPICH SNRベース:f
IIR(CPICH_SNR)>TH
CPICH_SNR、式中、CPICH_SNRは、共通パイロットチャネル(CPICH)から導出されるSNRである。
3)TPC−SNRベース:f
IIR(UL_TPC_SNR)>TH
ULTPC_SNR、式中、UL_TPC_SNRは、DLチャネル、例えば、UMTSにおける専用物理制御チャネル(DPCCH)を介して送られるアップリンクTPCに関連付けられたSNRであり、DPDCHで時分割多重化(TDMed)される。
【0070】
上記の条件2)に関しては、TH
CPICH_SNRは、0個、1つ以上のファクタ、例えば、CPICHコード電力とDPCCHコード電力との関係を考慮して、及び/又はダウンリンク電力制御のターゲットSNRを考慮して、動的にアップデートされ得ることに留意されたい。「コード電力」とは、特定の物理層コードチャネルに割り当てられた送信電力の量を意味する。
【0071】
上記で条件3)に関して、TH
UL_TPC_SNRは、0個、1つ又はそれ以上のファクタ、例えば、UL_TPC電力と専用パイロットの電力、例えば、UMTSにおけるDPCCH中の専用パイロット電力との関係を考慮して、及び/又はダウンリンク電力制御のターゲットSNRを考慮して、動的にアップデートされ得る。
【0072】
図5は、適応型部分パケット復号を実行するための方法の代替実施形態を示している。408
*において、UEは、SNRの代わりに、f
IIR(CPICH_SNR)を測定する。410
*において、UEは、条件
f
IIR(CPICH_SNR)>TH
CPICH_SNR
と、過去のN個の電力制御コマンドにおけるDOWNコマンドの数がMよりも大きいという条件の論理積を評価する。この代替実施形態の残りのステップは、
図4の実施形態の同様の番号が付されたステップと同様である。
【0073】
図6は、リンク品質の2つの測度に基づいて部分パケット復号の性能を制御するための方法の一実施形態を示している。本方法は、通信システムのユーザ機器106によって実行され得る。例えば、
図1及び
図2を参照されたい。本方法は、
図1〜
図5に関して上述した特徴の任意のサブセットを含み得る。
【0074】
610において、ユーザ機器は、現在のパケットの送信間隔の開始に応じて、通信リンクの品質の第1の測度が第1の品質基準よりも良好であるかどうかを判断することができる。品質の第1の測度は、ブロック誤り率若しくはビット誤り率、又は任意の他の望ましい測度であり得る。
【0075】
615において、ユーザ機器は、品質の第1の測度が第1の品質基準よりも良好であると判断したことに応じて、動作620〜630を実行することができる。
【0076】
620において、ユーザ機器は、通信リンクの品質の第2の測度を取得することができる。品質の第2の測度は、上記に論じた測度のうちのいずれか又はそれらの測度の任意の論理結合であり得る。第2の測度は、現在のパケット、例えば、現在のパケットの最初の部分から導出された測度であり得る。
【0077】
625において、ユーザ機器は、通信リンクの品質の第2の測度が第2の品質基準よりも良好であるかどうかを判断することができる。これらの判断は、種々に上述したように、不等式試験の形態をとることができる。
【0078】
630において、ユーザ機器は、第2の測度が第2の品質基準よりも良好であると判断したことに応じて、(現在のパケットの末尾まで)現在のパケットに対して部分パケット復号プロセスを実行することができる。部分パケット復号プロセスは、種々に上述したように実行することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、品質の第2の測度は、通信リンクに関連付けられた信号対雑音比(SNR)である。代替的には、第2の測度は、通信リンクに関連付けられた信号対干渉比(SIR)又は信号対干渉及び雑音比(SINR)であり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、第2の測度は、基地局に送信された電力制御DOWNコマンドの数を含む。例えば、
図5を参照のこと。
【0081】
いくつかの実施形態では、品質の第2の測度は、上述したように、現在のパケットに含まれる情報、例えば、現在のパケットの最初のxミリ秒に含まれる情報に基づく。
【0082】
いくつかの実施形態では、現在のパケットに対する部分パケット復号プロセスは、現在のパケットを復号するために1回以上の試行を行うことを含み得る。1回以上の試行の各々は、試行時にまでに受信された現在のパケットのデータの量に基づく。
【0083】
いくつかの実施形態では、部分パケット復号プロセスは、例えば、種々に上述したように、送信間隔の開始から所定の時間量待機した後に実行される。所定の時間量は、所定の時間量経過後の現在のパケットの受信部分の有効符号化レートが1未満となるように選択される。
【0084】
いくつかの実施形態では、品質の第2の測度を取得するアクションは、送信間隔の開始から、所定の時間量にわたって測定値を取得することを含み、所定の時間量は、所定の時間量経過後の現在のパケットの受信部分の有効符号化レートが1未満となるように選択される。
UMTSにおけるダウンリンク電力制御
【0085】
A.DTCH−内部ループPC(ILPC)
いくつかの実施形態では、スロットごとに(10msフレーム中に15個のスロットがある)、専用パイロットをUEに送信して、受信SIRを測定する。
図7は、スロットの構造の一実施形態を示している。測定SIRは、測定BLERから導出されるSIRターゲットと比較され得る。SIR<SIR
targetである場合、UEは、基地局102にUP(+)コマンドを送り、SIR≧SIR
targetである場合には、基地局102にDOWN(−)コマンドを送る。UPコマンドは、基地局に、DLチャネル上における、例えば、UMTSにおけるDPDCH及びDPCCH上における基地局の送信電力を増大させるように指示する。DOWNコマンドは、基地局に、DLチャネル上における、例えば、UMTSにおけるDPDCH及びDPCCH上における基地局の送信電力を低下させるように指示する。1つのTPCコマンドは、スロットごとに、UEから基地局に送信される。
【0086】
B.DTCH−外部ループPC(OLPC)
【0087】
BLER>BLER
targetである場合、UEは、そのSIR
targetを、dBで量Δ
Plusだけ増大させ、BLER≦BLER
targetである場合には、UEは、そのSIR
targetを、dBで量Δ
Minusだけ低下させる。パラメータΔ
Plus及びΔ
Minusは、望ましいBLERを達成するように選択され得る。例えば、1% BLER(すなわち、100パケット中1CRCエラー)を達成するためにΔ
Plus=1dB及びΔ
Minus=0.01dBを使用することができる。実際には、CRCエラーがない場合、OLPCは、0.01dBずつSIR
targetを段階的に低下させる。CRCエラーが生じると、SIR
targetを1dBずつ増大させる。
【0088】
BLERは、TTIごとにアップデートされ得る。(TTIは、UMTSにおけるDTCHの場合、20msである。)BLERがアップデートされるといつでも、SIR
targeもアップデートされ得る。
【0089】
本発明の実施形態は種々の形態の任意のもので実現されてよい。例えば、実施形態によっては、本発明は、コンピュータによって実行される方法、コンピュータ可読メモリ媒体、又はコンピュータシステムとして実現されてもよい。他の実施形態では、ASICのような1つ以上のカスタム設計されたハードウェア装置を使用して、本発明を実現することができる。他の実施形態では、FPGAのような1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素を使用して、本発明を実現することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されてもよく、プログラム命令は、コンピュータシステムによって実行される場合、コンピュータシステムに、本方法を、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれか、又は、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組合せ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組合せを実行する。
【0091】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、プロセッサ(又はプロセッサのセット)とメモリ媒体とを含むように構成されてもよく、メモリ媒体は、プログラム命令を記憶し、プロセッサは、メモリ媒体からプログラム命令を読み出し、それを実行するように構成され、プログラム命令は、本明細書に記載された種々の方法の実施形態(又は、本明細書に記載された方法の実施形態、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組合せ)のうちのいずれかを実行するように実行可能である。コンピュータシステムは、種々の形態の任意のもので実現され得る。例えば、コンピュータシステムは、(その種々の実現形態のうちのいずれかにおける)パーソナルコンピュータ、ワークステーション、カード上のコンピュータ、ボックス中の特定用途向けコンピュータ、サーバコンピューター、クライアントコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピュータなどであり得る。
【0092】
上述の実施形態はかなり詳細に説明されているが、上述の開示が完全に理解されれば、当業者には数多くの変形及び変更が明らかになるであろう。添付の請求項はこのような変形及び変更を全て包含するように解釈されることが意図されている。