【文献】
XINRONG LI,COMPARISON OF INDOOR GEOLOCATION METHODS IN DSSS AND OFDM WIRELESS LAN SYSTEMS,VEHICULAR TECHNOLOGY CONFERENCE 2000,IEEE,2000年 9月24日,P3015-3020
【文献】
ISRAEL MARTIN-ESCALONA,IMPACT OF GEOMETRY ON THE ACCURACY OF THE PASSIVE-TDOA ALGORITHM,IEEE 19TH INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON PERSONAL, INDOOR AND MOBILE RADIO COMMUNICATIONS (PIMRC 2008),米国,IEEE,2008年 9月15日,P1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記相対的な地理的配置が実質的には同一直線上にあり、前記ワイヤレスアクセスポイントが前記移動局と前記傍受デバイスとの間にある、または、前記移動局が前記ワイヤレスアクセスポイントと前記傍受デバイスとの間にある、ということが決定され、前記方法は、
前記正確な処理遅延として前記範囲の上端から値を選択すること、
をさらに備える、請求項7に記載の方法。
前記相対的な地理的配置は、実質的には同一直線上にあり、そして、前記ワイヤレスアクセスポイントは前記移動局と前記傍受デバイスとの間にある、または、前記移動局は前記ワイヤレスアクセスポイントと前記傍受デバイスとの間にある、ということが決定され、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
正確な処理遅延として前記範囲の上端から前記処理遅延推定値を選択させる、
請求項19に記載の装置。
前記相対的な地理的配置が実質的に同一直線上にあり、そして、前記傍受デバイスが前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントとの間にある、ということが決定され、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
正確な処理遅延として前記範囲の下端から前記処理遅延推定値を選択させる、
請求項19に記載の装置。
前記相対的な地理的配置は、実質的には同一直線上にあり、前記ワイヤレスアクセスポイントは前記移動局と前記傍受デバイスとの間にある、または、前記移動局は前記ワイヤレスアクセスポイントと前記傍受デバイスとの間にある、ということが決定され、前記装置は、
正確な処理遅延として前記範囲の上端から前記処理遅延推定値を選択するための手段、
をさらに備える、請求項27に記載の装置。
前記相対的な地理的配置は、実質的には同一直線上にあり、前記ワイヤレスアクセスポイントは前記移動局と前記傍受デバイスとの間にある、または、前記移動局は前記ワイヤレスアクセスポイントと前記傍受デバイスとの間にある、ということが決定され、前記命令は、
前記コンピュータに、正確な処理遅延として前記範囲の上端から前記処理遅延推定値を選択させる命令、
をさらに備える、
請求項34に記載の機械可読記録媒体。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の態様は、本発明の具体的な実施形態を対象とする下記の説明と関連図面の中で開示されている。代替的実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなく、考案される。さらに、本発明の広く周知なエレメントは、詳細には説明されない、または、本発明に関連している詳細を不明瞭にしないために省略される。
【0016】
用語「例示的な(exemplary)」は、「例(example)、インスタンス(instance)、又は実例 (illustration)としての役割を果たすこと」を意味するように、ここでは使用されている。「例示的(exemplary)」としてここに説明されるいずれの実施形態も、他の実施形態よりも好ましい、または有利であるとは必ずしも解釈されない。同様に、用語「本発明の実施形態(embodiments of the invention)」は、本発明のすべての実施形態が説明される特徴、利益、または動作モードを含むということを必要としない。
【0017】
ここに使用される用語は、具体的な実施形態を説明する目的のためであり、本発明の実施形態を制限することを意図していない。ここにおいて使用されているように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明瞭に示していないかぎり、複数形も含むように意図されている。本明細書において使用される際の用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」「含む(includes)」および/または「含んでいる(including)」は、上述された特徴、整数、ステップ、オペレーション、エレメントおよび/またはコンポーネントの存在を特定しているが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、オペレーション、エレメント、コンポーネント、および/または、それらのグループ、の存在または追加を除外しない、ということが更に理解される。
【0018】
さらに、多くの実施形態は、例えばコンピューティングデバイスのエレメントによって実行されるべき動作のシーケンスの観点から説明されている。ここにおいて説明される様々な動作は、特定の回路(例、特定用途向け集積回路(ASICs))によって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されているプログラム命令によって、または、それらの組み合わせによって、実行されることができるということは理解される。さらに、本明細書において説明されているこれらの動作のシーケンスは、実行時において、本明細書において説明される機能を関連するプロセッサに実行させるような対応するセットのコンピュータ命令、を保存している任意の形態のコンピュータ可読媒体内で全体的に具現化されるとみなされ得る。したがって、本発明の様々な態様は、多数の異なる形式で具現化されてもよく、それらの全ては、特許請求された主題の事項の範囲内にあるように考えられている。さらに、本明細書において記載される実施形態のそれぞれについて、そのような実施形態の任意のいずれかに対応する形態は、例えば記載された動作を実行する「ように構成されたロジック(logic configured to)」としてここに記載される。
【0019】
図1は、ネットワークと通信している移動局108のための例示的な動作環境100の図であり、本開示の実施形態に対して整合している図である。動作環境100は、1つまたは複数の異なるタイプのワイヤレス通信システムおよび/またはワイヤレス位置決めシステムを含むことができる。
図1で示される実施形態では、衛星位置決めシステム(SPS)は、移動局108のための現在位置情報の独立したソースとして使用されることができる。移動局108は、SPS衛星から地理的位置の情報(geo location information)を導出するために信号を受信するように具体的に設計される1つまたは複数の専用SPS受信機を含むことができる。
【0020】
動作環境100はまた、広域ネットワークであってもよいバックエンドネットワークを含むことができる(ここでは、バックホールネットワークとも呼ばれる)。バックエンドネットワークは、1つまたは複数の有線および/または無線のネットワークを含むことができ、インターネットおよび/またはセルラデータネットワークアクセスを提供することができる。バックエンドネットワークは、1つまたは複数の広域ネットワーク・ワイヤレスアクセスポイント(WAN−WAPs)104をさらに含むことができ、そしてそれは、ワイヤレス音声および/またはデータ通信に使用されることができ、場合によっては、移動局108の独立した現在位置情報の別のソースとして使用されることができる。WAN−WAPs104は、既知の位置においてセルラ基地局を含むことができるワイヤレス広域ネットワーク(WWAN)、および/または、他の広域ワイヤレスシステム、例えばWiMAX(登録商標)(例、802.16)へと組み込まれてもよい。WWANは、(例えば、基地局コントローラのような)1つまたは複数のコントローラ114と、ゲートウェイ120と、をさらに含み、広域ネットワーク118でWWANを相互接続することができる。他の周知のネットワークコンポーネントもさらに含まれうるが、簡略化のため、
図1では示されていない。一般的には、各WWAN内のWAN−WAPs104a−104cは、固定された、既知の位置から動作することができ、大都市および/または地域エリアにわたって、ネットワークサービスエリアを提供する。
【0021】
バックエンドネットワークは、広域ネットワーク118に接続されることができる、個別のポジショニング決定エンティティ(PDE)112をさらに含むことができる。バックエンドネットワークはまた、広域ネットワーク118に対してローカルエリアネットワークを相互接続するために、相互接続するネットワーク116を含むことができる。ネットワーク116は、
図1で示されているように有線のネットワークであってもよいが、他の実施形態では、全体的または部分的のいずれかで、無線のネットワークであってもよい。さらに、様々な実施形態は、バックエンドネットワークの別の部分にPDE機能が置かれてもよい。
【0022】
動作環境110は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)をさらに含むことができる。WLANは、1つまたは複数のローカルエリアネットワーク・ワイヤレスアクセスポイント(LAN−WAP)106(簡略のため
図1では1つのみ示されている)と1つまたは複数の傍受デバイス(ED)110を含むことができる。WLANは、ワイヤレス音声および/またはデータ通信、そして、現在位置データの別の独立したソース、に使用されることができる。LAN−WAP106は無線方式または有線方式のいずれかで、バックエンドネットワークに接続することができる。範囲にあるとき、移動局108は、LAN−WAP106で無線でパケットを交換することができる。本開示の後続する節で説明される様々な実施形態では、各ED110
1−Nは、いずれのデバイスとも関連付けられることもなく、LAN−WAP106と移動局108とによって送られるパケットを受信することができる。EDs110
1−Nによるこの受信モードは、ここでは、「傍受する(eavesdropping)」と呼ばれ、移動局の現在位置を決定するためにネットワークセントリックなプロセスの一部として使用されることができる。WLANは、一般的にはビルの中で動作し、WWANよりも小さい地理的領域上で通信を実行することができ、そしてそれは、Wi−Fiネットワーク(IEEE802.11x)、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、フェムトセルなどのプロトコルの下で動作することができる。
【0023】
移動局108は、SPS送信機102、WAN−WAPs104、および/またはLAN WAP106のうちのいずれか1つまたは組み合わせから他の独立した現在位置情報を導出することができる。前述のシステムのそれぞれは、異なる技術を使用して、移動局108のための現在位置の独立した推定値を提供することができる。いくつかの実施形態では、移動局108は、現在位置データの精度を改善するために異なるタイプのアクセスポイントのそれぞれから導出される複数の解を組み合わせてもよい。アクセスポイントは、従来のWLANアクセスポイント、フェムトセル、WiMaxデバイス、Bluetoothデバイスなどを含むことができる。下記のセクションでは、従来型の移動局108の現在位置を決定するための詳細が簡単に提示されている。
【0024】
さらに
図1を参照すると、移動局108は、いずれのタイプのポータブルワイヤレスデバイスをも表すことができる。したがって、制限ではなく例として、移動局108は、無線デバイス、セルラ電話デバイス、コンピューティングデバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、携帯情報端末(PDA)、パーソナル情報マネージャ(PIM)、ラップトップ、または、例えばワイヤレス通信および/またはナビゲーション信号を受信することができる、他の適切なモバイルデバイス、を含むことができる。用語「移動局 (mobile station)」はまた、例えば短距離のワイヤレス、赤外線、ワイヤライン接続、または他の接続によって、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)と通信するデバイスを含むように意図されており、衛星信号受信、支援データ受信、及び/または位置決め関連処理がデバイスにおいてまたはPNDにおいて生じるかどうかに関らない。「移動局(mobile station)」は、例えばインターネット、Wi−Fi、または他のネットワークを介するようなサーバと通信することができるワイヤレス通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどを含むすべてのデバイスを含むように意図されており、衛星信号受信、支援データ受信、および/または、位置決め関連処理が、デバイスにおいて、サーバにおいて、あるいはネットワークと関連付けられる別のデバイスにおいて、生じるかどうかに関らない。上記のいずれの動作可能な組み合わせもまた、「移動局(mobile station)」とみなされる。
【0025】
ここにおいて使用されているように「ワイヤレスデバイス(wireless device)」は、ネットワーク上で情報を転送することができる、そして、現在位置の決定および/またはナビゲーション機能を有することもできるような、如何なるタイプのワイヤレス通信デバイスを指してもよい。ワイヤレスデバイスは、いずれのセルラモバイル端末、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、ラップトップ、携帯情報端末、または、ネットワーク及び/またはSPS信号を受信し処理することができるような如何なる他の適切なモバイルデバイスであってもよい。
【0026】
SPSを使用して現在位置データを導出するとき、移動局108は、利用可能なSPS送信機102によって送信される複数の信号から、従来技術を使用して、現在位置を抽出する(extracts)SPSを使用するために具体的に設計される受信機を使用することができる。送信機は、エンティティが、送信機から受信される信号に少なくとも部分的には基づいて地上でまたは地上より上でそれらの現在位置を決定することができるように、配置されることができる。そのような送信機は、1セット数のチップの繰り返し擬似ランダムノイズ(pseudo-random noise)(PN)でマークされる信号を一般的に送信し、そして、地上に設置された制御局、ユーザ機器、及び/または、スペースビークル(space vehicles)上に配置されることができる。具体的な例では、そのような送信機は、地球周回軌道衛星ビークル(satellite vehicles)(SV)上に配置されることができる。例えば、例えばグローバルポジショニングシステム(GPS)、Galileo、GlonassまたはCompassのようなグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)のコンスタレーションにおけるSVは、(例えば、GPSにおいてみられるように各衛星について異なるPNコードを使用して、または、Glonassにおいてみられるように異なる周波数上で同じコードを使用して)コンスタレーションにおいて他のSVによって送信されるPNコードと区別することができるPNコードでマークされる信号を送信することができる。ある態様にしたがって、ここにおいて提示される技術は、SPSのためのグローバルシステム(例、GNSS)に限定されない。例えば、ここにおいて提供されている技術が適用されることができ、そうでない場合には、様々な地域内システムの使用のためにイネーブルされ、システムは、例えば、日本の準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System)(QZSS)、インドのインド地域内ナビゲーショナル衛星システム(Indian Regional Navigational Satellite System)(IRNSS)、中国の北斗(Beidou)等、及び/または、1以上の世界的な及び/または地域内のナビゲーション衛星システムを用いた使用と関連付
けられることができ、そうでない場合にはイネーブルにされることができる、様々なオーギュメンテーションシステム(例えば、衛星ベースのオーギュメンテーションシステム(Satellite Based Augmentation System)(SBAS))がある。制限ではなく、例として、SBASは、例えば広域オーギュメンテーションシステム(Wide Area Augmentation System)(WAAS)、欧州静止ナビゲーションオーバーレイサービス(European Geostationary Navigation Overlay Service)(EGNOS)、多機能の衛星オーギュメンテーションシステム(Multi-functional Satellite Augmentation System )(MSAS)、GPS援助型ジオオーギュメントされるナビゲーションまたはGPS及びジオオーギュメントされるナビゲーションシステム(GPS Aided Geo Augmented Navigation or GPS and Geo Augmented Navigation system)(GAGAN)および/または同様なもの、のような、インテグリティ情報 (integrity information)、ディファレンシャル訂正(differential corrections)などを提供する、オーギュメンテーションシステム(augmentation system)(単数または複数)を含むことができる。したがって、ここにおいて使用されているように、SPSは、1以上の世界的な及び/または地域内のナビゲーション衛星システム及び/またはオーギュメンテーションシステム、のいずれの組み合わせをも含むことができ、そして、SPS信号は、SPS、SPSと類似のもの、および/またはこのような1以上のSPSと関連付けられる他の信号を含むことができる。
【0027】
さらに、開示されている方法と装置は、擬似衛星または衛星と擬似衛星との組み合わせを使用するポジショニング決定システムを用いて使用されることができる。擬似衛星は、例えばGPS時間と同期化されることができる、L帯域(または他の周波数)キャリア信号上で変調される、PRNコードまたは他の距離測定コード(GPSまたはCDMAセルラ信号と類似する)をブロードキャストする地上に設置された送信機である。そのような送信機の各々は、遠隔受信機による識別を可能にするために、固有のPNコードを割り当てられることができる。擬似衛星は、例えばトンネル、鉱山、ビル、都市の谷間(urban canyons)、または他の閉鎖エリア、のような軌道衛星からのGPS信号が利用不可能である状況において役立つ。擬似衛星の別の実装形態は無線ビーコンとして知られている。用語「衛星(satellite)」は、ここにおいて使用されているように、擬似衛星、擬似衛星の均等物、そして、場合によっては他のもの、を含むように意図される。用語「SPS信号 (SPS signals)」は、ここにおいて使用されているように、擬似衛星または擬似衛星の均等物からのSPSのような信号を含むように意図される。WWANから現在位置を導出するとき、各WAN−WAPs104a−104cは、デジタルセルラネットワーク内で基地局の形態をとることができ、移動局108は、現在位置を導出するために基地局信号を活用することができるセルラトランシーバおよびプロセッサを含むことができる。デジタルセルラネットワークは、追加の基地局または
図1で示される他のリソースを含むことができるということが理解されるべきである。WAN−WAPs104は、実際には、移動可能である、または、そうでない場合には、再配置されてもよいが、説明のために、それらが実質的には固定された位置に配置されるということは想定される。移動局108はまた、例えば先進的順方向リンク三辺測量(AFLT)のような従来の到達時間技術を使用して現在位置の決定を実行することができる。他の実施形態では、各WAN−WAP104a−104cは、WiMaxワイヤレスネットワーキング基地局の形態をとることができる。この場合、移動局108は、WAN−WAP104によって提供される信号からの到達時間(TOA)技術を使用して、その現在位置を決定することができる。移動局108は、スタンドアロンモードで、または、従来のTOA技術を使用している広域ネットワーク118および独立した位置決めサーバ(図示されず)の支援を使用して、現在位置を決定することができる。本開示の実施形態は、異なるタイプであるWAN−WAPs104を使用して現在位置情報を移動局108に決定させることを含むことができるということに留意されたい。例えば、いくつかのWAN−WAPs104は、セルラ基地局であってもよく、他のWAN−WAPsは、WiMax基地局であってもよい。そのような動作環境では、移動局108は、異なるタイプのWAN−WAPの各々からの信号を活用することができ、さらに、精度を改善するために導出された位置の解を組み合わせる。
【0028】
WLANを使用している従来の技術に基づいて移動局の独立した現在位置情報を導出するとき、移動局108は、位置決めサーバ(図示されず)および広域ネットワーク118の支援で、到達時間および/または信号強度の技術を使用することができる。従来の現在位置決定技術はまた、例えばワイヤレス広域ネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)などのような他の様々なワイヤレス通信ネットワークに関連して使用されることができる。
【0029】
用語「ネットワーク(network)」と「システム(system)」はしばしば互換性をもって使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、WiMax(IEEE802.16)ネットワークなどであってもよい。CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))などのような1つまたは複数の無線アクセス方法(RAT)をインプリメントすることができる。cdma2000は、IS−95、IS−2000、及びIS−856標準を含む。TDMAネットワークはモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))、デジタル高度モバイル電話システム(D−AMPS)あるいは他の何らかのRATをインプリメントすることができる。GSMとW−CDMAは、「第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)」と名づけられたコンソーシアムの文書の中で説明されている。cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2(3rd Generation Partnership Project 2)」(3GPP2)と称されたコンソーシアムの文書の中で説明されている。3GPP及び3GPP2の文書は公的に入手可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークであってもよく、WPANは、Bluetoothネットワーク、IEEE802.15x、または何らかの他のタイプのネットワークであってもよい。本技術はまた、WWAN、WLAN、および/またはWPANのいずれの組み合わせについても使用されることができる。
【0030】
上記されるローカライゼーション技術と既知である他の任意の従来型の現在位置決定アプローチは、様々なネットワークセントリックな現在位置決定の実施形態と関連して使用されることができ、精度および/または性能を改善する。従来技術により決定されたローカライゼーション情報を利用するネットワークセントリックな実施形態は、発明の詳細な説明の後続する節でより詳細に説明される。
【0031】
移動局のネットワークセントリックな現在位置決定(Network Centric Position Determination of the Mobile Station)
いくつかの実施形態にしたがって、移動局108の現在位置は、LAN−WAP106と移動局108との間のパケット交換と関連付けられた情報を集めることによって決定されることができる。この情報は、1つまたは複数の傍受デバイス(ED)110
1−Nによって、集められ、最初に処理される。引き続き、この情報は、移動局108の現在位置を決定するために、ネットワーク116および118上で、ポジション決定エンティティ(PDE)112に対して送られることができる。
【0032】
図1をさらに参照すると、一実施形態では、移動局108は、LAN WAP106に対して、初期ワイヤレスパケット(例、ユニキャストプローブパケットPRとして示されている)を送ることができる。ここにおいて記載される実施形態は、プローブパケットを使用することに制限されていないが、LAN−WAP106を対象としたいずれのユニキャストパケットであっても使用することができる、ということは理解するべきである。初期ワイヤレスパケットは、WLAN上でLAN−WAP106によって受信されてもよく、LAN−WAPの処理時間に対応する遅延の後で(ここでは、「処理遅延(processing delay)と呼ばれる」)、LAN−WAP106は、移動局108に応答パケットを返送することができる(例えば、
図1ではAKパケットとして示されている)。複数のEDs110は、それぞれ、バックエンドネットワークにとって既知のおよび/または判定可能である位置を有しており、移動局108によって送信される初期パケットと、LAN−WAP106によって送信される応答パケットを受信することができる。これらのパケットは、LAN WAP106も移動局108も、ED110によるそれらの受信を「気づいて(aware)」いないため、「『傍受すること(eavesdropping)』によって決定された」と言われている。各ED110kは、初期パケットの、到達時間、信号強度、および/または他の情報、およびその関連するレスポンスを最初に測定することができる。到達時間の情報を使用して、各ED110kはまた、LAN WAPの処理遅延の大雑把な推定値をさらに決定することができる。測定されるタイミング、推定される処理遅延、および/または他の情報は、PDE112による処理のために、バックエンドネットワークによって、調整され、集められることができる。集められた情報を使用し、そして、LAN−WAP106とED110の位置を知ることによって、PDE112は、1セットの距離の差を正確に算出することができる。各距離の差は、LAN−WAP106と移動局との間の距離から、各ED110kと移動局との間の距離を引いたもの、として算出されることができる。1セットの距離の差から、PDE112は、移動局108の現在位置を算出することができる。現在位置の決定プロセスのより詳細は、例えば
図4Aを説明している後続の節の中で、提供されている。
【0033】
他の実施形態では、PDEの機能は、
図1で示されているように、個別のエンティティで行われておらず、システム100のどこかで行われている。例えば、一実施形態では、バックエンドネットワークにおける他のエレメント、例えばコントローラ114は、調整および現在位置の決定機能を実行することができる。別の実施形態では、この機能は、EDs110
1−Nのうちのいずれか1つへと組み込まれてもよく、したがって、ED内の1つまたは複数のソフトウェアモジュール(単数または複数)は、現在位置の決定エンティティとしてみなされることができる。
【0034】
情報の収集と後続の処理は、LAN−WAP106と移動局108とでは生じないので、これらのデバイスについての新しい機能は必要とされていない。したがって、現在位置の決定と関連付けられる新しい機能は、ED110および/またはバックエンドネットワークによって実行されることができるため、様々な実施形態は、レガシーのLAN−WAPと移動局を使用する利点を有する。さらに、バックエンドネットワークは、移動局の現在位置を算出するための時間差に基づいているにすぎず、恣意的なタイミングオフセットは抹消され、したがって、ED110の中のクロック同期は回避される。
【0035】
図2は、例示的な傍受デバイス(ED)110kの様々なコンポーネントを図示しているブロック図である。簡略化のために、
図2のブロック図で示される様々な特徴及び機能は、これらの様々な特徴および特性が操作的に共に結合される旨を表すことを意味する共通バスを使用して共に接続される。当業者は、他の接続、メカニズム、特徴、機能、または同様なものは、必要なときに、実際のポータブルワイヤレスデバイスを操作的に結合し構成するために、提供され、適応されることができるということを理解する。さらに、
図2の例で図示される特徴または特性のうちの1つまたは複数はまた、さらに再分割されてもよい、または、
図2で図示されている特徴または特性のうちの2以上は、組み合わせられてもよいということが理解される。
【0036】
ED110kは、LAN−WAP106と移動局108との間のワイヤレスネットワークトラヒック上で傍受し、タイミング測定値および/または処理タイミング遅延計算を実行することができ、そして、バックエンドネットワークに対してインタフェース接続することができる、いずれのネットワークデバイス/エンティティであってもよい。この目的のために、EDは、例えば、タイミング測定値および/または処理遅延計算を実行するためにファームウェア、ソフトウェア、および/またはハードウェアの修正がされたローカルエリアネットワーク・ワイヤレスアクセスポイント(LAN−WAP)であってもよい。他の実施形態では、EDは、専用ネットワークデバイス、ピア・ツー・ピアモードで動作している別の移動局、パーソナルコンピュータまたはサーバ、ラップトップ、スマートブック、ネットブックおよび/またはハンドへルドコンピュータ、ルータ、スイッチ、および/またはそれらのいずれの組み合わせ、であってもよい。ここにおいて使用されているように、ED110kは、WLAN内のワイヤレス信号に関して傍受し、バックエンドネットワークで情報を通信する機能を有することができるいずれの静的なデバイス、ポータブルおよび/または移動可能なデバイスであってもよい。
【0037】
ED110kは、適切なワイヤレス周波数帯上で送信および/または受信するように構成されることができる1つまたは複数のアンテナ202をインタフェース接続することができる1つまたは複数の広域ネットワークトランシーバ(単数または複数)を含むことができる。広域ネットワークトランシーバ204は、WAN−WAPs104間の信号と通信するために、および/または、検出するために、適切なデバイス、ハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを備えることができる。広域ネットワークトランシーバ204は、さらに、バックエンドネットワーク内で他の有線および/または無線のデバイスと直接通信することができる。一態様では、広域ネットワークトランシーバ204は、ワイヤレス基地局のCDMAネットワークと通信することに適切なCDMA通信システムを備えることができるが、他の態様では、ワイヤレス通信システムは、別のタイプのセルラ電話ネットワーク、例えばTDMAまたはGSMを備えることができる。さらに、例えばWiMax(IEEE802.16)などのようないずれの他のタイプのワイヤレスネットワーキング技術が使用されることができる。
【0038】
ED110kはまた、有線および/または無線でありうる1以上のローカルエリアネットワークトランシーバ206を含むことができ、バックエンドネットワーク(例、ワイヤードネットワーク116および/またはWAN118を含んでいる)との通信のために1以上のアンテナ202および/または標準ポート(例、イーサネット(登録商標)、図示されず)に接続/結合されていてもよい。LAN−WAP106間の、移動局108間の、および/または他のED間の信号と通信し、および/または、ネットワーク内の他のワイヤレスデバイスと直接通信する、および/または検出するための適切なデバイス、ハードウェア、および/またはソフトウェアを、ローカルエリアネットワークトランシーバ206は備えることができる。一般的には、移動局108とLAN−WAP106との間のパケット交換に関して傍受するために使用されることができるワイヤレストランシーバである。一態様では、ローカルエリアネットワークトランシーバ206は、1つまたは複数のワイヤレスアクセスポイントと通信するのに適しているWi−Fi(IEEE802.11x)通信システムを備えることができるが、他の態様では、ローカルエリアネットワークトランシーバ206は、別のタイプのワイヤレスローカルエリアネットワーク、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(例、Bluetooth)などを備えることができる。さらに、例えばウルトラワイドバンド、ZigBee、ワイヤレスUSB、などのようないずれの他のタイプのローカルワイヤレスネットワーキング技術が使用されることができる。
【0039】
様々な実施形態では、ED110kは、静的であってもよく、ED110kの位置は、事前に、バックエンドネットワークに対して既知でもよい。例えば、PDE112は、ネットワーク118上でそれらを受信した後で、各ED110kの位置を保存することができる。他のオプションの実施形態では、1つまたは複数のED110は、静的でなくてもよく、したがって、それらの位置を決定するために任意の従来の方法で追跡されることができる。したがって、EDが静的でないとき、それは、その位置を、それがPDE112に対して通常提供する情報に加えて、含むことができる。
図2で示されているように、オプションの衛星位置決めシステム(SPS)受信機208(点線で示されている)は、その運動を追跡するためにED110kに含まれることができる。SPS受信機208は、衛星信号を受信するために1つまたは複数のアンテナ202に接続/結合されてもよく、そして、SPS信号を受信し処理するためのいずれの適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えることができる。
【0040】
他の実施形態では、オプションの動きセンサ212(点線で図示されている)は、プロセッサ210に結合され、広域ネットワークトランシーバ204、ローカルエリアネットワークトランシーバ206、およびSPS受信機208によって受信される信号から導出される動きデータから独立している相対的な運動および/または方向情報を提供することができる。制限としてではなく、例として、動きセンサ212は、加速度計(例、MEMSデバイス)、ジャイロスコープ、地磁気センサ(例、コンパス)、高度計(例、気圧高度計)、および/またはいずれの他のタイプの動き検出センサ、を使用することができる。さらに、動きセンサ212は、複数の異なるタイプのデバイスを含み、それらの出力を、動き情報を提供するために、組み合わせることができる。
【0041】
プロセッサ210は、広域ネットワークトランシーバ204、ローカルエリアネットワークトランシーバ206、そしてオプションで、SPS受信機208および/または動きセンサ212に接続/結合されることができる。プロセッサ210は、例えば、処理機能と、他の計算および制御機能を提供する、例えば1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コントローラ、ASIC及び/またはデジタル信号プロセッサを含むことができる。プロセッサ210はまた、ED内でプログラムされる機能を実行するためのデータおよびソフトウェア命令を保存するためにメモリ214を含むことができる。メモリ214は、プロセッサ210にオンボードで(例、同じICパッケージ内で)あってもよく、および/または、メモリは、プロセッサに対して外付けメモリであってもよく、データバス上で機能的に結合されてもよい。
【0042】
多数のソフトウェアモジュールおよび/またはデータ・テーブルは、メモリ214に常駐していてもよく、通信および/または位置決めの決定機能の両方を管理するためにプロセッサ210によって利用されてもよい。ここで説明されているように、メモリ214内では、ED110kは、到達時間差の決定モジュール216をさらに含む、または、そうでない場合には該到達時間差を提供することができる。到達時間差の決定モジュール216は、LAN−WAPと移動局から発信されている傍受されたパケットの到達時間を決定することができ、そのあとで、その差異を決定することができる。このことは、ランニングタイマーを使用し、プローブと応答パケットの到達の時間を記録し、PDE112に対してバックエンドネットワーク上でこの情報を送る前にそれらの差をバッファして、達成されることができる。
【0043】
別の実施形態では、ED110kは、現在位置の決定エンティティの機能をさらに実行し、メモリは、下記のオプションモジュール(点線で示されている):処理遅延推定モジュール215、調整モジュール218、処理遅延の改善モジュール220、そしてポジショニングモジュール222、を更に含むことができる。調整モジュールは、1つまたは複数の適切なEDs110
1−Nをインタロゲートし、そして、それらに情報(例、初期ユニキャストパケットおよび確認応答パケットの到達時間、これらのパケット間の到達の時間差、EDのオプションのポジションデータ等)を提供するように命令することができる。この情報は、入ってくるユニキャストパケットを処理し、確認応答パケットのようないずれの適切な応答を提供するのにLAN−WAP106がかかる処理時間の量によって導入される時間遅延の初期推定値を算出することができる、処理遅延推定モジュール215に対して提供されることができる。推定値は、処理遅延の改善モジュール220によって改善され、LAN−WAP106と関連づけられた処理遅延の推定値を改善する。いったん処理遅延の推定値が決定されると、既知の技術(例、多辺測量)を使用して移動局の推定値を決定するために、ポジショニングモジュール222において使用されることができる。この実施形態では、オプションモジュールのいずれの組み合わせも、ED110kで具現化された現在位置の決定エンティティのソフトウェア実装とみなされる。
【0044】
図2で示されるモジュールは、メモリ214に含まれている例の中で図示されているが、ある実装形態では、そのようなプロシージャは提供されうる、または、そうでない場合には、他のメカニズムまたはさらなるメカニズムを使用して操作的に配置されうる、ということは理解される。例えば、処理遅延の推定モジュール215、処置遅延の改善モジュール220、ポジショニングモジュール222、調整モジュール218、および/または、到達時間差決定モジュール216、のすべてまたは一部分は、ファームウェアで提供されることができる。さらに、この例では、処理遅延の推定モジュール215と処理遅延の改善モジュール220は、別個の特徴として図示されているが、例えば、そのようなプロシージャは、1つのプロシージャとして一緒に組み合わせられてもよく、または、場合によっては、他のプロシージャを伴って組み合わせられる、または、そうでない場合には、複数のプロシージャにさらに分けられる、ということが理解される。
【0045】
いくつかの実施形態では、例えば、ED110kは、ラップトップである、または、第2の移動局でさえある場合(ピア・ツー・ピアネットワークが使用されている事象において)、ED110kは、オプションでユーザインタフェース250を含むことができ、そしてそれは、いずれの適切なインタフェースシステム、例えば、ユーザインタラクションを可能にする、マイクロフォン/スピーカー252、キーパッド254、および/またはディスプレイ256(すべて点線で示されている)を含むことができる。マイクロフォン/スピーカー252は、広域ネットワークトランシーバ204および/またはローカルエリアネットワークトランシーバ206を使用して音声通信サービスを提供することができる。キーパッド254は、ユーザ入力のためのいずれの適切なボタンを備えることができる。ディスプレイ256は、例えばバックライトのLCDディスプレイのような、いずれの適切なディスプレイを備えることができ、さらなるユーザ入力モードのためのタッチスクリーンディスプレイをさらに含むことができる。
【0046】
図3は、ポジション決定エンティティ(PDE)112の1つの例示的な実施形態を図示しているブロック図である。ポジション決定エンティティは、バックエンドネットワーク内に常駐する個別のデバイスであってもよい。それは、(LAN−WAP106および移動局108からの傍受されるパケットを使用して決定される)適切なEDによって提供される情報の受信を調整することができ、そして、さらに、受信された情報を組み合わせそして処理し、移動局108の現在位置を決定する。いったん移動局108の現在位置が決定されると、移動局108に対して、および/または、ED110のうちのいずれかひとつに対して、バックエンドネットワークを介して、提供されることができる。バックエンドネットワーク上で常駐するとき、EDは、一般的には、
図3で例示される静的サーバであってもよい。しかしながら、上記で
図2の説明の中で説明されているように、いくつかの実施形態では、PDE112の機能は、ED110のうちの1つ(または複数)にオプションで組みこまれてもよい。
【0047】
簡略化のために、
図3のブロック図で示される様々な特徴及び機能は、これらの様々な特徴および機能が操作的に共に結合される旨を表すことを意味する共通バスを使用して共に接続される。当業者は、他の接続、メカニズム、特徴、機能、または同様なものは、必要なときに、実際のデバイスを操作的に結合し設定するために、提供され、適応されることができるということを理解する。さらに、
図3の例で図示される特徴または機能のうちの1つまたは複数は、さらに再分割されてもよい、または、
図3で図示されている特徴または機能のうちの2以上は、組み合わせられてもよいということもまた理解される。
【0048】
PDE112は、WANおよび/またはLAN上で通信するために有線および/または無線であってもよいネットワークインタフェース305を含むことができる。一実施形態では、PDE112は、WAN118を介してバックエンドネットワークにおいて他のネットワークエレメントと通信することができ、そしてそれは、ゲートウェイ120を介してWWANと通信することを含むことができる。PDEはまた、WAN118および/または相互接続するネットワーク116上でネットワークインタフェース305を使用して通信し、1つまたは複数のED110と情報を交換することができる。ネットワークインタフェース305は、いずれの既知の有線ネットワーキング技術(例、イーサネット)および/またはワイヤレス技術(例、Wi−Fi(IEEE802.11x))を使用することができる。
【0049】
プロセッサ310は、ネットワークインタフェース305、ユーザインタフェース315、およびメモリ320に接続/結合されることができる。プロセッサ310は、処理機能と、他の計算および制御機能を提供する、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、及び/またはデジタル信号プロセッサを含んでもよい。プロセッサ310は、プログラムされた機能を実行するためのソフトウェア命令および/またはデータを読み取る/書き込むために、メモリ320にアクセスすることができる。メモリ320は、プロセッサ310にオンボード(例、同じICパッケージ内で)であってもよく、および/または、メモリは、プロセッサに対して外付けメモリであってもよく、データバス上で機能的に結合されていてもよい。
【0050】
多数のソフトウェアモジュールおよび/またはデータ・テーブルは、メモリ320に常駐していてもよく、ED調整および/または位置決めの決定機能の両方を管理するためにプロセッサ310によって利用されてもよい。ここで図示されているように、メモリ320内で、PDE112は、調整モジュール325、処理遅延決定モジュール330、そして、ポジショニングモジュール335をさらに含む、または、そうでない場合には、提供することができる。調整モジュール325は、1つまたは複数の適切なED110にインタロゲートし(interrogate)、情報を提供するようにそれらに命令することができ、移動局108の現在位置の決定を容易にする。PDE112によってリクエストされるとき、各ED110kは、それぞれ、例えば、移動局108からのプローブおよび確認応答パケットの到達時間と、LAN−WAP106からのプローブおよび確認応答パケットの到達時間、LAN−WAP106と関連付けられる各ED110kによって算出される処理遅延の推定値、ED110kのオプションの位置データなどを提供することができる。いったん、この情報がPDE112によって受信されると、調整モジュール325は、さらなる処理を実行することができ、処理遅延決定モジュール330上へと情報を受け渡すことができる。処理遅延決定モジュールは、LAN−WAP106と関連付けられた改善された処理遅延の推定値を決定するために、受信情報を使用し組み合わせることができる。いったん、改善される処理遅延の推定値が決定されると、多辺測量のような既知の技術を使用して移動局108の推定値を算出するために、各ED110kで受信されるプローブおよび確認応答パケットの到達距離時間(time of arrival distances of the probe and acknowledgment packets received at each ED 110k)と、各ED110kの位置と、LAN−WAP106の位置と共に、ポジショニングモジュール335において使用されることができる。
【0051】
図3で示されるソフトウェアモジュールは、メモリ320に含まれている例の中で図示されているが、ある実装形態の中では、そのようなプロシージャが提供されてもよい、または、そうでない場合には、他のメカニズムまたはさらなるメカニズムを使用して操作的に配置されてもよい、ということは理解されるべきである。例えば、調整モジュール325、処理遅延決定モジュール330、および/またはポジショニングモジュール335、のすべてまたは一部分は、ファームウェアにおいて提供されることができる。さらに、
図3においてモジュールは異なるエンティティとして示されているが、例えば、図示されるモジュールは、1つのプロシージャとして一緒に組み合わせられる、または、場合によっては図示されていない他のモジュールを伴って組み合わせられる、または、そうでない場合には、異なるグループのプロシージャへさらに区分化される、ということが理解されるべきである。
【0052】
ED110kによって集められる情報が移動局108の現在位置の決定を支援するために、どのように使用されうるかを説明するための、簡略的なネットワーク全体の地理的配置の図を
図4Aは示している。ED110k(なお、k=1,2,…,Nである)は、
図1で示されるような傍受デバイスED110
1−Nのうちのいずれか1つであってもよい。
図4Aで図示される例示的な地理的配置は2次元で示されるが、ここにおいて説明されている実施形態は、3次元で動作するように拡張されてもよい、ということを理解するであろう。また、ただ1つのLAN−WAP106が図示されているが、移動局108は、複数のLAN−WAPと通信することができる。最後に、
図4Aでは1つのED110kのみが図示されているが、一般的には、移動局108とLAN−WAPのワイヤレス範囲内にある対象のエリアにわたって複数のEDがあり、多数の異なる地理的配置から集められた傍受されるパケットを得る。
【0053】
動作中において、移動局108は、LAN−WAP106に対してパケット送信(ユニキャストプローブパケット(unicast probe packet)(PR)であってもよい)を開始することができる。その後、LAN−WAPはパケットを受信し処理することができる。処理時間に対応する処理遅延Δの後で、LAN−WAP106は、それに応じて、移動局108に対して応答パケット(AL)を返送することができる。処理遅延Δの正確な知識は、一般的には、先験的に知られていない。いくつかの例では、処理遅延Δは、各パケット交換毎に一定であってもよい。他の実装形態では、処理遅延は、各パケット交換毎に異なっていてもよい。さらに、処理遅延Δは、幅広い不確実性(a wide range of uncertainty)を有する。下記で詳細に示されているように、処理遅延Δは、移動局108の現在位置を正確に決定するために、他の情報と共に使用されることができる。したがって、ここに含まれる実施形態は、処置遅延Δを正確に推定するためにネットワークのための1セットの技術を説明する。
【0054】
図4Aで示されているように、移動局108は、位置座標(x
0,y
0)で配置され、LAN−WAP106でパケットを交換し、そしてそれは、(x
1,y
1)で配置される。(x
k,y
k)で配置されるED110kは、LAN−WAP106と移動局108の両方によって送られるパケット上で傍受することができる。この相対的な地理的配置を与えられると、移動局108とLAN−WAP106との間の距離はd
0と表され、移動局108とED110kとの間の距離はd
0kと表され、LAN−WAP106とED110kとの間の距離は、d
1kと表される。下記で提示される数学的表記を簡略化するために、これらの距離は、フィートおよび、それに関連付けられ、ナノ秒(ns)単位で表される時間で表されるので、パケットを符号化する電磁信号の伝搬の速度は、自由空間で1ft/nsに近似化される。
【0055】
したがって、T
k,0は、移動局108から送られるパケットがED110kに到達する時間(ns)であり、T
k,1は、LAN−WAP106からのパケットがED110kに到達する時間(ns)であり、T(ns)は、ED110kにおける恣意的なクロックタイミングオフセットであり、Δ(ns)は、LAN−WAP106によって導入される既知の処理遅延である。
【0056】
ED110kで、移動局108からのパケットがED110kに到達する時間T
k,0は下記のように表されることができる。
【数1】
【0057】
さらに、ED110kで、LAN−WAP106からのパケットがED110kに到達する時間T
k,1は下記のように表されることができる。
【数2】
【0058】
ED110kは、時間差を下記のように計算することができる。
【数3】
【0059】
ワイヤレスアクセスポイントによって送信されるパケットの到達の時間と、移動局によって送信されるパケットの到達の時間と、における差異である、この値T
kは、移動局108の現在位置の決定において使用されるべきバックエンドネットワーク(例、PDE112)に対して提供されることができる。この時間差を使用して距離を決定するために、多辺測量と呼ばれる既知技術が現在位置の決定のために使用されることができる。双曲線ポジショニング(hyperbolic positioning)としても知られる多辺測量は、そのオブジェクトによって提供される信号から2以上の受信機までの距離の差を正確に算出することによってオブジェクトを位置づけるプロセスである。
【0060】
多辺測量に必要とされる距離の差は、下記の式によって与えられる。
【数4】
【0061】
ネットワークは、例えばLAN−WAP106とED110kが静的で既知の位置にある(または、例えばSPSポジショニングのような従来の技術を使用して追跡される)場合、距離d
1Kを知ることができる。したがって、ネットワークは、いったん処理遅延Δが推定されると、距離の差d
0−d
kを計算することができる。
【0062】
式(4)から、処理遅延Δは、下記のように表される。
【数5】
【0063】
処理遅延の第1の推定値(オプションでED110kによって算出される)は、三角不等式に基づいて、Δに関する上限値と下限値を制限することによって得られることができ、下記の式によって表されることができる。
【数6】
【0064】
一般的に
図1で示されているようにネットワーク全体の地理的配置100で利用されるED110
1−Nは複数個あってもよいので、処理遅延Δは、適切なED(例、移動局108とLAN−WAP106の両方からの合理的な信号強度を有しているもの)によって受信されるおよび/または計算される情報を調整し組み合わせることによって改善されることができる。調整および/または動作を組み合わせることは、改善される推定値Δとそれに引き続いて移動局108の正確な現在位置を決定するために、バックエンドネットワークで(例、PDE112で)生じうる。
【0065】
例えば、k=1,2,3,…,N,である複数のED110kが与えられると、式(7)は、下記のように上限と下限という観点から表されることができる。
【数7】
【0066】
しかしながら、式(8)から見出される処理遅延Δは、広域の不確実性によって境界が定められる。したがって、処理遅延Δを計算する他の技術は、バックエンドネットワークにおいて、単独でまたは組み合わせで、処理遅延Δの推定値を改善するために、使用されることができる。移動局108の現在位置を決定することは、処理遅延を使用して各時間差を調整することと、その調整される時間差から、ワイヤレスアクセスポイントと各傍受デバイスとの間の距離を差し引くことによって距離の差を決定することと、移動局108の現在位置を推定するために距離の差を使用して多辺測量を実行することと、を備える。
【0067】
下記では多数の異なる技術が説明されており、バックエンドネットワークで利用されてもよく、さらに処理遅延Δを改善し、移動局108の現在位置をよりよく推定する。これらの技術は、移動局108、LAN−WAP106とED110kの相対的な地理的配置の決定と;ED110kにおいて受信される信号強度と;移動局108への距離を使用する三辺測量と;移動局108の以前の位置に基づいて改善すること;に基づいて処理遅延を改善することを含むことができる。
【0068】
地理的配置に基づいて処理遅延を改善すること(Refining Processing Delay Based Upon Geometry)
移動局108、各ED110k、そしてLAN−WAP106の相対的な位置の決定に依存する形で、処理遅延Δの推定値を改善するために、一定の仮定が置かれる。
図4B、4C、そして4Dにおいて、Δを改善するためにそれぞれ異なる仮定がおかれる、いくつかの異なる相対的な地理的配置を図示する。
【0069】
一例では、
図4Bで示されているように、移動局108、LAN−WAP106、そしてED110kは、移動局108とED110kとの間でLAN−WAP106とほぼ同一直線上にある。
図4Bによって例示されるこのシナリオは、人口が密集しているED110
1−Nおよび/またはLAN−WAPを備えたエリアにおいて生じうる。
【0070】
したがって、式(5)から、処理遅延は、下記の式によって計算される。
【数8】
【0071】
したがって、
図4Bからわかるように、d
0kは、大体d
0+d
1kに等しく、式(9)における距離の量は、抹消される(Cancel Out)傾向にある。したがって、特に密な配置の場合、処理遅延Δは、式(8)で表される範囲の上端部(higher end)にある可能性がある。
【0072】
別の例では、
図4Cで示されているように、移動局108、LAN−WAP106、およびED110kは、LAN−WAP106とED110kとの間の移動局108とほぼ同一直線上にある。上記のように、
図4Cによって例示されるシナリオは、人口が密集しているED110
1−Nおよび/またはLAN−WAPを備えたエリアにおいて生じうる。
【0073】
ED110kはまたネットワーク全体の地理的配置において別のLAN−WAPとしてサービス提供する場合には、移動局108はLAN−WAP106により近い、という仮定がされることができ、そうでない場合には、ED/LAN−WAP110kと関連付けられる。したがって、これらの仮定が与えられると、下記の式となる。
【数9】
【0074】
したがって、式(5)から、処置遅延は、下記の式によって計算されることができる。
【数10】
【0075】
この状況においては、処理遅延Δは、式(8)で示されているように範囲の上部にある可能性がある。
【0076】
図4Dで示されるさらなる例では、式(8)で示される許容範囲の下端部は、移動局108、LAN−WAP106、そしてED110kがほぼ同一直線上にあるときに生じ、なお、ED110kは実質的には中間にある。したがって、
図4Cからわかるように、この状況では、d
0は、d
0k+d
1kにほぼ等しい。このことを考慮にいれ、それに応じて式(5)を変更することで、処理遅延Δは、下記のように表されることができる。
【数11】
【0077】
しかしながら、ED110kがまたLAN−WAPとしても機能する場合には、この状況は、EDとLAN−WAP110kとの間がより近いため、移動局108はLAN−WAP106とおそらく関連付けられないので、起こりそうにもない。したがって、EDがまたLAN−WAPとしても機能する実施形態の場合、特に密な配置の場合、処理遅延Δは、式(8)で表される範囲の上端部にある可能性がある。
【0078】
信号強度に基づいて処理遅延を改善すること(Refining Processing Delay Based Upon Signal Strength)
いくつかの実施形態では、ED110kと各信号ソースとの間の距離は、受信信号強度(例、RSSI)に距離を関係付けるモデルに基づいて改善されることができる。そのようなモデルは、Attorney Docket No. 090334を有する、組み込まれた関連特許出願「調節されたラウンドトリップ時間測定値を使用しているワイヤレス現在位置決定(WIRELESS POSITION DETERMINATION USING ADJUSTED ROUND TRIP TIME MEASUREMENTS)」の中で説明されている。
【0079】
例えば、移動局108とED110kとの間の範囲は、バックエンドネットワーク内で推定されることができる下記の式によって境界を定めることができる。
【数12】
【0080】
バックエンドネットワークはまた、移動局108がLAN−WAP106の無線範囲内にあるということを想定することができ、したがって、下記の範囲が想定されることができる。
【数13】
【0081】
ED110kは、LAN−WAP106または移動局108で観測されるRSSIを推定することができないということは理解されるべきである。したがって、この距離推定値は、移動局108とLAN−WAP106との間でパケットに使用されるデータレートに基づく。より高いデータレートは、移動局108がLAN−WAP106により近いということを一般的に示すことができる。
【0082】
最終的に、ED110kがまたLAN−WAP機能を実行する場合には、バックエンドネットワークは、移動局がLAN−WAP間でどのようにハンドオフするかに関する知識に基づいて、いくつかの要因内で、ED/LAN−WAP110kよりもLAN−WAP106におそらく近いということを想定することができる。数学的に、これは、下記の式として表されることができる。
【数14】
【0084】
は、従来モデルに基づくことができるハンドオフの振る舞い(hand-off behavior)および距離を関係づける関数である。
【0085】
三辺測量に基づいて処理遅延を改善すること(Refining Processing Delay Based Upon Trilateration)
上述されているように、信号強度測定値(例、RSSI)と距離を関係付けるモデルが存在する。そのようなモデルは、移動局108と各ED110kとの間の距離に関する境界を推定するために、バックエンドネットワークによって使用されることができる。数学的に、これらの境界は、下記の式によって表されることができる。
【数16】
【0086】
いったん、これらの境界が信号強度モデルを使用して決定されると、各距離は、適切なED110kの各々について式(16)の範囲の中間点として推定されることができる。これらの範囲を与えられると、バックエンドネットワークは、おおよその距離を使用して移動局108の現在位置を推定するために、従来の多辺測量技術を使用することができる。いったん、移動局の現在位置が決定されると、k=1,…Nの場合の1セットの適切な距離
【数17】
【0087】
は、LAN−WAPに対するおおよその距離
【数18】
【0088】
と共に、算出される。この推定される距離は、距離推定値を改善するために後続的な多辺測量の動作を使用するときにさらに反復される。これらの技術は、Attorney Docket No. 090334を有する、組み込まれている関連特許出願「調節されるラウンドとリップ時間測定値を使用しているワイヤレス現在位置決定(WIRELESS POSITION DETERMINATION USING ADJUSTED ROUND TRIP TIME MEASUREMENTS)」の中で説明されている。
【0089】
いったん、距離推定値が決定されると、移動局108の推定される現在位置は、下記の式
【数19】
【0090】
を使用して処理遅延を改善するために使用されることができる。
【0091】
バックエンドネットワークは、式(17)で算出されるように改善される処理遅延Δと共に、多辺測量アルゴリズムを使用して移動局108のより正確な現在位置を決定することができる。
【0092】
以前の位置に基づいて処理遅延を改善すること(Refining Processing Delay Based Upon Previous Position)
処理遅延Δを改善するための別の技術は、移動局108の現在の位置を決定するために、移動局108の以前の位置をバックエンドネットワークに利用させることによるものである。この例示的な実施形態では、バックエンドネットワーク112は、移動局108の現在位置を予め計算している。さらに、移動局108の以前の位置は、そのスピード、そして、該以前の位置が決定されてから時間がどのくらい経過したか、例えば歩行者スピードでの数秒、によって決まる有効な推定値(good estimate)であってもよい。このような状況では、移動局108は大幅に距離を移動していない可能性があり、したがって、移動局の以前の位置を、処理遅延Δを改善するのに役立たせる。例えば、移動局108とLAN−WAPとの間の第1の距離の推定値は、移動局108の以前の位置に基づいて計算されることができ、移動局108とEDとの間の第2の距離の推定値は、移動局108の以前の位置に基づいて計算されることができる。
【0093】
より詳細には、移動局108の以前の位置は、下記の式によって、各LAN−WAPのための処理遅延Δ
kを推定するために使用されることができる。
【数20】
【0094】
その後で、ED110kのそれぞれによって処理遅延Δ
kの値は、処理遅延Δ
avgについての新しい推定値を得るように平均化されることができ、下記のように表される。
【数21】
【0095】
さらに、式(19)によって表される処理遅延Δ
avgについての新しい推定値は、三角不等式によって表される境界条件を満たすことができる。例えば、式(8)で示される三角不等式は、k=1,2,3…,Nの場合には、改善された処理遅延Δ
avgは、max{T
k−2d
1k}≦Δ
avg≦min{T
k}の範囲内にある可能性があるという意味を含む。
【0096】
あとで、移動局108の現在位置は、処理遅延Δ
avgを使用して従来の多辺測量技術を介して計算されることができる。
【0097】
図5は、ED110kにおいて実行されることができる方法を図示する例示的なフローチャート500を示す。方法は、移動局108によって送られる初期パケットを受信することによって開始する(505)。初期パケットは、LAN−WAP106に対して向けられるユニキャストプローブパケット(PR)であってもよいが、他のタイプのパケットが使用されてもよい。ED110kは、初期PRパケットに対して、それに応答する形で送信されるLAN−WAP106によって送られるパケット(AK)を受信することができる(510)。ED110kによって受信されるパケットは、一般的には、このデバイスについて意図されておらず、移動局および/またはLAN−WAP106は、ED110kによってパケットが傍受されている事を「気づいて(aware)」いない。さらに、LAN−WAP106およびまたは移動局108からの各パケットは、(例えばMACアドレスのような)パケットに含まれる情報を識別するいずれの形とそれを関連づけることによって識別されることができる。また、ED110kは、それが受信する各パケットの信号強度を記録し、さらにパケットの識別している情報と該強度を関連づけることができる。
【0098】
ED110kは、PRパケットの到達時間とAKパケットの到達時間を使用して、時間差を算出することができる(515)。別の実施形態では、ED110kは、式(5)を使用して処理遅延Δの初期推定値を算出するために、LAN−WAP106とED110k(d
1k)との間の距離の知識と算出される時間差をオプションで使用することができる(図示されず)。ED110kは、現在位置の決定エンティティに対して算出される時間差を提供することができる(520)。さらに、ED110kはまた、移動局および/またはLAN−WAP106から受信されるパケットと関連づけられる信号強度を提供することができる。
【0099】
図6は、バックエンドネットワークでPDE112において実行されることができる方法を図示している例示的なフローチャート600を図示する。PDE112は、ネットワーク全体の地理的配置における各ED110kとLAN−WAPsと関連付けられるパラメータを最初に初期化することができる(605)。このことは、エンティティが静的である場合にはデータベースからネットワーク上でこれらのエンティティの位置を得ること、または、それらが静的でないという事象においてはエンティティ自体から動的な位置決め結果を得ること、を含むことができる。PDE112は、ED110
1−Nの中でアクティビティを調整することができ、そしてそれは、情報を得るために適切なED110kを決定すること、そして、適切な傍受デバイスがPDE112に対して情報を送るということをリクエストすること、を含むことができる(610)。上記で説明されているように、この情報は、時間差、初期処理遅延推定値、信号強度などを含むことができる。適切なED110kは、移動局108および/または他の要因に対して、その相対的な地理的配置に基づいて、移動局108から適切な信号を受信することができるものであってもよい。PDE112は、適切な傍受デバイスの各々から、ワイヤレスアクセスポイントによって送信されるパケットの到達時間と移動局によって送信されるパケットの到達時間との差を表す時間差を受信することができる(615)。
【0100】
PDE112は、各LAN−WAP106についての改善された処理遅延推定値を決定することができる。改善された処理遅延推定値は、上記で説明される処理遅延の改善アプローチのうちのいずれか1つまたは複数を使用して、初期の処理遅延推定値、時間差、信号強度、および/または他の情報に基づくことができる(620)。PDE112は、従来の多辺測量技術を使用して受信される時間差と改善される処理遅延推定値に基づいて移動局108の現在位置を決定することができる(625)。
【0101】
図7は、処置遅延を推定し改善し、移動局108の現在位置を決定することもできる(例えば、PDE112の機能の実行もする)ED110kによって実行されることができる方法を図示している例示的なフローチャート700を示す。ED110kは、移動局108によって送られるユニキャストパケットを最初に受信する(傍受する)(705)。ED110kは、LAN−WAP106によって送られる応答パケットをそのあとで受信する(傍受する)(710)。ED110kは、プローブ及び確認応答パケットの到達の時間差を決定することができる(715)。ED110kはまた、LAN−WAP106と関連づけられた処理遅延の初期推定値を決定することができる(720)。
【0102】
この時点で、ED110kは、上記で説明されているようにスタンドアロンPDE112の機能を実行することができ、そしてそれは、情報を得る他の適切なED110を決定することを最初に含むことができ、そのあとで、適切なED110に情報を送らせるリクエストを送る(725)。ED110kは、適切な傍受デバイスの各々から、ワイヤレスアクセスポイントによって送信されるパケットの到達時間と移動局によって送信されるパケットの到達時間との差を表す時間差を受信することができる。さらに、ED110kはまた、受信されるパケットと関連付けられた信号強度情報を受信することができる。その後、ED110kは、ワイヤレスアクセスポイントと関連付けられた処理遅延予測を改善することができる(730)。一旦この情報が得られると、ED110kは、改善された処理遅延推定値と受信される時間差とに基づいて、移動局108の現在位置を決定することができる(735)。
【0103】
図8は、移動局108の現在位置が本開示の様々な実施形態を使用して決定されることができる、例示的なネットワーク全体の地理的配置の図を示す。
図8を参照すると、EDs110
1−N、LAN−WAP106、および移動局108は、地形図(topographical map)上に配置される。地形図は、おおよそ300フィート×300フィートの大きさである。移動局108は、ED110
1−3によって受信されることができるLAN−WAP106とパケットを交換することができる。しかしながら、この例では、ED110
Nは、移動局108の範囲外であってもよい。
【0104】
さらに、移動局108は、位置座標(181,71)に配置される。LAN−WAP106は、(150,150)に配置され、ED110
1は、(100,0)に配置され、ED110
2は、(0,150)に配置され、ED110
3は、(300,100)に配置され、そしてED110
Nは、(200,300)に配置される。結果、移動局108からLAN−WAP106までの距離d
0は、85フィートと等しく、移動局108からED1101までの距離d
01は、108フィートと等しく、移動局108からED1102(ft)までの距離d
02は、197フィートと等しく、そして移動局108からED110
N(ft)までの距離d
0Nは、229フィートと等しい。移動局108の現在位置は決定される必要があるので、これらの距離は、ネットワークに対して知られていなくてもよい
この例示的な実施形態では、LAN−WAP106における処理遅延Δは16325nsに等しい。LAN−WAP106における処理遅延Δは通常知られていないが、説明の目的のために、処理遅延Δは、処理遅延Δの三角不等式推定値の正確さを実証するために予め知られている。
【0105】
さらに、ED110kのそれぞれは、移動局108から送られるパケットとLAN−WAP106から送られるパケットがED110kのそれぞれにおいて到達するときの時間差を測定することができる。例えば、式(3)から、ED110
1T
1の時間差は16460(ns)に等しく、ED110
2T
2の時間差は16362(ns)に等しく、ED110
3T
3の時間差は16446(ns)に等しい。
【0106】
ED110
1−NとLAN−WAP106のそれぞれの間の距離は、
図7で示される地形図から決定されることができる。例えば、LAN−WAP106とED110
1の間の距離は158フィートと等しく、LAN−WAP106とED110
2の間の距離は150フィートと等しく、LAN−WAP106とED110
3の間の距離は158フィートと等しい。これらの距離は、ネットワークに対して知られていてもよく、LAN−WAPの位置は、一般的には静的である。
【0107】
式(8)は、処理遅延Δに関して上限と下限をもたらすために、二つの部分で使用されることができる。処理遅延Δの下限は、{T
k−2d
1k}の最大値で表されることができる。{158,150,158}に等しいd
1kの値と、{16460,16362,16446}に等しいT
kの値を使用することは、{T
k−2d
1k}={16143,16062,16130}をもたらす。後で、{16143,16062,16130}の最大をとると、16143nsに等しい処理遅延Δの下限をもたらす。
【0108】
処理遅延Δの上限は、16362nsに等しい処理遅延Δの上限をもたらす、{T
k}={16460,16362,16446}の最小値によって表されることができる。
【0109】
結果、三角不等式の方法によってもたらされる処理遅延Δは、16143≦Δ≦16362である。中間値16252をとり、実際の処置遅延値Δ16325nsと比較すると、73nsの不一致がある。第2の改善は、中間点よりも式(8)で表される範囲の上端部をとることである。
【0110】
LAN−WAP106と他のEDのLAN−WAPs110
1−Nではないものでパケットを移動局108は交換するので、移動局108は、他のEDの110
1−NよりもLAN−WAP106に近いということが想定される(この例では、EDはまたLAN−WAPsとしても機能するということを想定する)。したがって、式(11)は、処理遅延Δに関して蓋然性が高い下限をもたらすために使用されることができる。処理遅延Δの下限は、{T
k−d
1k}によって表されることができる。{158,150,158}に等しいd
1kの値と{16460,16362,16446}に等しいT
kの値を使用することは、{T
k−d
1k}={16302,16212,16288}をもたらす。後で、{16302,16212,16288}の最大値をとると、16302nsに等しい処理遅延Δの下限をもたらす。
【0111】
処理遅延Δの上限は、{T
k}={16460,16362,16446}の最小であり、上限16362nsをもたらす。結果、処理遅延Δは、16302nsと16362nsとの間にある可能性がある。実際の処理遅延値Δ16325nsを比較すると、エラーは最大で37nsであり、そしてそれは、三角不等式単独を使用して得られる73nsよりも少ない。
【0112】
当業者は、情報と信号が様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表わされてもよいということは理解する。例えば、上記の説明の全体にわたって参照されることができる、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場あるいは磁粒子、光場あるいは光学粒子、あるいはそれらのいずれの組み合わせ、によって表わされることができる。
【0113】
ここにおいて記載される方法は、アプリケーションによって、様々な手段によって実装されることができる。例えば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、それらの組み合わせで実装されることができる。ハードウェアの実装形態の場合には、プロセッサ/処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASICs)、デジタルシグナルプロセッサ(DSPs)、デジタル信号処理デバイス(DSPDs)、プログラマブル論理デバイス(PLDs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、ここにおいて記載された機能を実行するように設計された他の電子ユニット、または、それらの組み合わせ、内で実装されることができる。
【0114】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアの実装形態の場合、ここにおいて記載されている機能を実行するモジュール(例、プロシージャ、関数、など)で実装されることが出来る。命令を明白に具現化しているいずれの機械可読媒体は、ここにおいて説明されている方法を実装することにおいて使用されることができる。例えば、ソフトウェアコードは、メモリに保存され、プロセッサ/処理ユニットによって実行されることが出来る。メモリは、プロセッサ/処理ユニット内で、または、プロセッサ/処理ユニットの外で、実装されてもよい。ここにおいて使用されているように、用語「メモリ(memory)」は、いずれのタイプの長期、短期、揮発性、不揮発性、または他のメモリを指しており、いずれの特定タイプのメモリまたは複数メモリ、または、メモリが保存されるメディアのタイプに限定されない。
【0115】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装される場合には、機能は、コンピュータ可読媒体上で、1つまたは複数の命令あるいはコードとして、保存されることができる。実例は、データ構造で符号化されたコンピュータ可読媒体と、コンピュータプログラムで符号化されたコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、物理的なコンピュータ記憶装置媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる、いずれの利用可能な媒体であってもよい。例として、また限定されないが、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMあるいは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージあるいは他の磁気ストレージデバイス、あるいは、命令あるいはデータストラクチャの形で望まれるプログラムコードを保存あるいは搬送するために使用されることができる、また、コンピュータによってアクセスされることができる、任意の他の媒体も備えることができ、ここに使用されているように、ディスク(disk)とディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)、光学ディスク(optical disc)、デジタル汎用ディスク(digital versatile disc)(DVD)、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標) disc)を含んでおり、「ディスク(disks)」は、大抵、データを磁気で再生しているが、「ディスク(discs)」は、レーザーで光学的に再生する。上記のものの組み合わせも、また、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0116】
コンピュータ可読媒体上の保存に加えて、命令および/またはデータは、通信装置に含まれる送信媒体上で信号として提供されることができる。例えば、通信装置は、命令とデータを示す信号を有するトランシーバを含むことができる。命令とデータは、1つまたは複数のプロセッサ/処理ユニットに、本願の請求項で述べられている機能をインプリメントさせるように構成される。すなわち、通信装置は、開示される機能を実行するために、情報を示す信号を備えた送信媒体を含む。第1のときに、通信装置に含まれる送信媒体は、開示される機能を実行する情報の第1の部分を含み、第2のときに、通信装置に含まれる送信媒体は、開示される機能を実行する情報の第2の部分を含む。
【0117】
前述の開示は、本発明の説明のための実施形態を示しており、様々な変更および修正は、特許請求の範囲によって規定されているように本発明の範囲から逸脱することなくここにおいてなされることができるということに留意されたい。ここにおいて記載される本発明の実施形態にしたがった方法の請求項の機能、ステップ、および/または動作は、いずれの具体的な順序で実行される必要はない。さらに、本発明の構成要素は、単数形で説明あるいは特許請求されているが、単数形の限定が明示的に述べられていない限り、複数形が意図されている。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
移動局の現在位置を決定するためにワイヤレスアクセスポイント内の遅延を較正する方法、該方法は下記を備える方法
傍受デバイスにおいて、前記移動局によって送られる、初期パケットを受信すること;
前記傍受デバイスにおいて、前記ワイヤレスアクセスポイントによって送られる、応答パケットを受信すること;
前記初期パケットの到達時間と前記応答パケットの到達時間に基づいて時間差を算出すること;および、
現在位置決定エンティティに対して前記時間差を提供すること。
[C2]
前記初期パケットに対応する第1の到達時間を測定することと、
前記応答パケットに対応する第2の到達時間を測定することと、
前記第2の到達時間と前記第1の到達時間との差を決定することと、
をさらに備えるC1に記載の方法。
[C3]
前記ワイヤレスアクセスポイントは、従来のワイヤレスアクセスポイントまたはフェムトセルを備え、および/または、前記モバイルデバイスは、従来のモバイルデバイスを備える、C1に記載の方法。
[C4]
前記ワイヤレスアクセスポイントと関連づけられた処理遅延の初期推定値を決定することと、
情報をリクエストするために少なくとも1つの適切な傍受デバイスを決定することと、
適切な傍受デバイスの各々から前記リクエストされる情報を得ることと、
をさらに備えるC1に記載の方法。
[C5]
情報を送るために前記適切な傍受デバイスに対してリクエストを提供することと、
適切な傍受デバイスの各々から、前記ワイヤレスアクセスポイントによって送信されるパケットの到達時間と前記移動局によって送信されるパケットの到達時間との差を表す時間差を受信することと、
前記受信される時間差に基づいて前記処理遅延の前記初期推定値を改善することと、
前記改善された処理遅延と前記受信される時間差とに基づいて、前記移動局の現在位置を決定することと、
をさらに備えるC4に記載の方法。
[C6]
前記受信される時間差に基づいて前記ワイヤレスアクセスポイントの前記処理遅延の境界値を定めることと、
をさらに備えるC5に記載の方法。
[C7]
前記処理遅延は、三角不等式によって境界値を定められる、C6に記載の方法。
[C8]
移動局の現在位置を決定するためにワイヤレスアクセスポイント内の遅延を較正することを改善する方法、該方法は下記を備える:
情報を送るために適切な傍受デバイスに対してリクエストを提供すること;
前記ワイヤレスアクセスポイントによって送信されるパケットの到達時間と前記移動局によって送信されるパケットの到達時間との差を表す時間差を、適切な傍受デバイスの各々から、受信すること;
前記時間差に基づいて処理遅延推定値を決定すること;および、
前記処理遅延推定値と前記受信される時間差とに基づいて前記移動局の現在位置を決定すること。
[C9]
前記処理遅延推定値を決定することは、
前記受信される時間差を三角不等式において使用することによって、前記処理遅延についての範囲を決定すること、
をさらに備える、C8に記載の方法。
[C10]
前記処理遅延推定値を決定することは、
前記モバイルデバイス、前記ワイヤレスアクセスポイント、そして各傍受デバイスの相対的な地理的配置を決定することと、
前記受信される時間差を三角不等式において使用することによって前記処理遅延についての範囲を決定することと、
前記決定される相対的な地理的配置に基づいて前記範囲から値を選択することと、
をさらに備える、C8に記載の方法。
[C11]
前記相対的な地理的配置が実質的には同一直線上にあり、前記ワイヤレスアクセスポイントが前記移動局と前記傍受デバイスとの間にある、または、前記移動局が前記ワイヤレスアクセスポイントと前記傍受デバイスとの間にある、ということが決定され、前記方法は、
前記改善される処理遅延として前記範囲の上端から値を選択すること、
をさらに備える、C10に記載の方法。
[C12]
前記相対的な地理的配置が実質的に同一直線上にあり、前記傍受デバイスが前記移動局と前記アクセスポイントとの間にある、ということが決定され、前記方法は、
前記改善される処理遅延として前記範囲の下端から値を選択すること、
をさらに備える、C10に記載の方法。
[C13]
前記処理遅延推定値を決定することは、
各傍受デバイスにおいて受信された前記移動局の前記パケットと関連付けられる信号強度値を、前記適切な傍受デバイスのそれぞれから、受信することと、
前記信号強度値に基づいて、前記傍受デバイスと前記移動局との間の前記距離の境界値を定めることと、
をさらに備える、C8に記載の方法。
[C14]
前記処理遅延推定値を決定することは、
前記移動局と各傍受デバイスとの間の距離についての範囲を、前記傍受デバイスにおける受信信号強度に基づいて決定することと、
前記移動局と各傍受デバイスとの間の距離を前記範囲の中間点として推定することと、
前記推定される距離に基づいて、三辺測量を使用して前記移動局の前記現在位置の推定値を計算することと、
前記モバイルデバイスの前記推定される現在位置に基づいて、前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントとの間の前記距離および、移動局と各傍受デバイスとの間の前記距離を計算することと、
前記計算される距離と前記時間差に基づいて前記処理推定値を改善することと、
をさらに備える、C8に記載の方法。
[C15]
前記処理遅延推定値を決定することは、
前記移動局の以前の位置に基づいて、前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントとの間の第1の距離推定値を計算することと、
前記移動局の前記以前の位置に基づいて、前記移動局と各傍受デバイスとの間の第2の距離推定値を計算することと、
前記第1の距離の推定値と各第2の距離の推定値に基づいて、処理遅延推定値を決定することと、
前記処理遅延推定値を組み合わせることによって処理遅延推定値を改善することと、
をさらに備える、C8に記載の方法。
[C16]
前記移動局の現在位置を決定することは、
前記処理遅延を使用して各時間差を調整することと、
前記調整された時間差から、前記ワイヤレスアクセスポイントと各傍受デバイスとの間の距離を差し引くことによって距離の差を決定することと、
前記移動局の前記現在位置を推定するために前記距離の差を使用して多辺測量を実行することと、
をさらに備える、C8に記載の方法。
[C17]
ワイヤレスアクセスポイント内の遅延を較正し、移動局の現在位置を決定するための装置、該装置は下記を備える
ワイヤレストランシーバ;
前記ワイヤレストランシーバに結合されるプロセッサ;
前記プロセッサに結合されるメモリ;
なお、前記メモリは、前記プロセッサに、下記を実行させるための実行可能な命令とデータを保存する:
傍受デバイスにおいて、前記移動局によって送られる、初期パケットを受信すること;
前記傍受デバイスにおいて、前記ワイヤレスアクセスポイントによって送られる、応答パケットを受信すること;
前記初期パケットの到達時間と前記応答パケットの到達時間に基づいて、時間差を算出すること;および、
現在位置の決定エンティティに対して前記時間差を提供すること。
[C18]
前記命令は、前記プロセッサにさらに下記を実行させる、C17に記載の装置:
前記初期パケットに対応する第1の到達時間を測定すること;
前記応答パケットに対応する第2の到達時間を測定すること;および、
前記第2の到達時間と前記第1の到達時間との差を決定すること。
[C19]
前記ワイヤレスアクセスポイントは、従来のワイヤレスアクセスポイントまたはフェムトセルを備え、および/または、前記モバイルデバイスは、従来のモバイルデバイスを備える、C17に記載の装置。
[C20]
前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
前記ワイヤレスアクセスポイントと関連づけられた処理遅延の初期推定値を決定させ、
情報をリクエストするために少なくとも1つの適切な傍受デバイスを決定させ、
各適切な傍受デバイスから前記リクエストされる情報を得させる、
C17に記載の装置。
[C21]
前記命令は、前記プロセッサに、さらに下記を実行させるC20に記載の装置:
情報を送るために前記適切な傍受デバイスに対してリクエストを提供すること;
各適切な傍受デバイスから、前記ワイヤレスアクセスポイントによって送信される前記パケットの到達時間と前記移動局によって送信される前記パケットの到達時間との差を表す時間差を受信すること;
前記受信される時間差に基づいて前記処理遅延の前記初期推定値を改善すること;および、
前記改善された処理遅延と前記受信される時間差とに基づいて前記移動局の現在位置を決定すること。
[C22]
前記命令は、前記プロセッサに、さらに下記を実行させるC21に記載の装置:
前記受信される時間差に基づいて、前記ワイヤレスアクセスポイントの前記処理遅延の境界値を定めること。
[C23]
前記処理遅延は、三角不等式によって境界値が定められる、C22に記載の装置。
[C24]
ワイヤレスアクセスポイント内の遅延を較正し、移動局の現在位置を決定するための装置、該装置は下記を備える:
ネットワークインタフェース;
前記ネットワークインタフェースに結合されるプロセッサ;
前記プロセッサに結合されるメモリ;
なお、前記メモリは、前記プロセッサに下記を実行させるための実行可能な命令とデータを保存する:
情報を送るために適切な傍受デバイスに対してリクエストを提供すること;
各適切な傍受デバイスから、前記ワイヤレスアクセスポイントによって送信されるパケットの到達時間と前記移動局によって送信されるパケットの到達時間との差を表す時間差を受信すること;
前記時間差に基づいて処理遅延推定値を決定すること;および、
前記処理遅延推定値と前記受信される時間差とに基づいて前記移動局の現在位置を決定すること。
[C25]
前記命令は、前記プロセッサに、さらに下記を実行させるC24に記載の装置:
前記受信される時間差を三角不等式において使用することによって前記処理遅延についての範囲を決定すること。
[C26]
前記命令は、前記プロセッサに、さらに下記を実行させるC24に記載の装置:
前記モバイルデバイス、前記ワイヤレスアクセスポイント、そして各傍受デバイスの相対的な地理的配置を決定すること;
三角不等式において前記受信される時間差を使用することによって前記処理遅延についての範囲を決定すること;および、
前記決定される相対的な地理的配置に基づいて前記範囲から値を選択すること。
[C27]
前記相対的な地理的配置は、実質的には同一直線上にあり、そして、前記ワイヤレスアクセスポイントは前記移動局と前記傍受デバイスとの間にある、または、前記移動局は前記ワイヤレスアクセスポイントと前記傍受デバイスとの間にある、ということが決定され、前記命令は、前記プロセッサに、
改善される処理遅延として前記範囲の上端から値を選択させる、
C26に記載の装置。
[C28]
前記相対的な地理的配置が実質的に同一直線上にあり、そして、前記傍受デバイスが前記移動局と前記アクセスポイントとの間にある、ということが決定され、前記命令は、前記プロセッサに、
前記改善される処理遅延として前記範囲の下端から値を選択させる、
C26に記載の装置。
[C29]
前記命令は、前記プロセッサに、さらに下記を実行させるC24に記載の装置:
各傍受デバイスにおいて受信された前記移動局の前記パケットと関連付けられる信号強度値を、前記適切な傍受デバイスのそれぞれから受信すること;および、
前記信号強度値に基づいて前記傍受デバイスと前記移動局との間の前記距離の境界値を定めること。
[C30]
前記命令は、前記プロセッサに、さらに下記を実行させるC24に記載の装置:
前記移動局と各傍受デバイスとの間の距離についての範囲を、前記傍受デバイスにおける受信信号強度に基づいて決定すること;
前記範囲の中間点として、前記移動局と各傍受デバイスとの間の距離を推定すること;
前記推定される距離に基づいて、三辺測量を使用して前記移動局の前記現在位置の推定値を計算すること;
前記モバイルデバイスの前記推定される現在位置に基づいて、前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントと、そして、移動局と各傍受デバイスと、の間の前記距離を計算すること;および、
前記計算される距離と前記時間差に基づいて前記処理遅延推定値を改善すること。
[C31]
前記命令は、前記プロセッサに、さらに下記を実行させるC24に記載の装置:
前記移動局の以前の位置に基づいて、前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントとの間の第1の距離推定値を計算すること;
前記移動局の前記以前の位置に基づいて、前記移動局と各傍受デバイスとの間の第2の距離推定値を計算すること;
前記第1の距離の推定値と各第2の距離の推定値とに基づいて、処理遅延推定値を決定すること;および、
前記処理遅延推定値を組み合わせることによって処理遅延推定値を改善すること。
[C32]
前記命令は、前記プロセッサに、さらに下記を実行させるC24に記載の装置:
前記処理遅延を使用して各時間差を調整すること;
前記調整される時間差から、前記ワイヤレスアクセスポイントと各傍受デバイスとの間の距離を差し引くことによって距離の差を決定すること;および、
前記移動局の前記現在位置を推定するために前記距離の差を使用して多辺測量を実行すること。
[C33]
ワイヤレスアクセスポイント内の遅延を較正し、移動局の現在位置を決定するための装置、該装置は下記を備える:
傍受デバイスにおいて前記移動局によって送られる初期パケットを受信するための手段;
前記傍受デバイスにおいて、前記ワイヤレスアクセスポイントによって送られる、応答パケットを受信するための手段;
前記初期パケットの到達時間と前記応答パケットの到達時間に基づいて時間差を算出するための手段;および、
現在位置の決定エンティティに対して前記時間差を提供するための手段。
[C34]
下記手段をさらに備えるC33に記載の装置:
前記初期パケットに対応する第1の到達時間を測定するための手段;
前記応答パケットに対応する第2の到達時間を測定するための手段;および、
前記第2の到達時間と前記第1の到達時間との差を決定するための手段。
[C35]
ワイヤレスアクセスポイント内の遅延を較正し、移動局の現在位置を決定するための装置、該装置は下記を備える:
情報を送るために適切な傍受デバイスに対してリクエストを提供するための手段;
各適切な傍受デバイスから、前記ワイヤレスアクセスポイントによって送信されるパケットの到達時間と前記移動局によって送信されるパケットの到達時間との差を表す時間差を受信するための手段;
前記時間差に基づいて処理遅延推定値を決定するための手段;および、
前記処理遅延推定値と前記時間差とに基づいて前記移動局の現在位置を決定するための手段。
[C36]
前記処理遅延推定値を決定するための手段は、下記手段をさらに備える、C35に記載の装置:
前記モバイルデバイス、前記ワイヤレスアクセスポイント、そして各傍受デバイスの相対的な地理的配置を決定するための手段;
前記受信される時間差を三角不等式において使用することによって前記処理遅延についての範囲を決定するための手段;および、
前記決定される相対的な地理的配置に基づいて前記範囲から値を選択するための手段。
[C37]
前記相対的な地理的配置は、実質的には同一直線上にあり、前記ワイヤレスアクセスポイントは前記移動局と前記傍受デバイスとの間にある、または、前記移動局は前記ワイヤレスアクセスポイントと前記傍受デバイスとの間にある、ということが決定され、前記装置は、
改善される処理遅延として前記範囲の上端から値を選択するための手段、
をさらに備える、C36に記載の装置。
[C38]
前記処理遅延推定値を決定するための手段は、下記手段をさらに備える、C35に記載の装置:
各傍受デバイスにおいて受信された前記移動局の前記パケットと関連付けられる信号強度値を、前記適切な傍受デバイスのそれぞれから受信するための手段;および、
前記信号強度値に基づいて前記傍受デバイスと前記移動局との間の前記距離の境界値を定めるための手段。
[C39]
前記処理遅延推定値を決定するための手段は、下記手段をさらに備える、C35に記載の装置:
前記移動局と各傍受デバイスとの間の距離についての範囲を、前記傍受デバイスにおける受信信号強度に基づいて、決定するための手段;
前記範囲の中間点として、前記移動局と各傍受デバイスとの間の距離を推定するための手段;
前記推定される距離に基づいて、三辺測量を使用して前記移動局の前記現在位置の推定値を計算するための手段;
前記モバイルデバイスの前記推定される現在位置に基づいて、前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントと、そして、移動局と各傍受デバイスと、の間の前記距離を計算するための手段;および、
前記計算される距離と前記時間差に基づいて前記処理遅延推定値を改善するための手段。
[C40]
前記処理遅延推定値を決定するための手段は、下記手段をさらに備える、C35に記載の装置:
前記移動局の以前の位置に基づいて、前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントとの間の第1の距離推定値を計算するための手段;
前記移動局の前記以前の位置に基づいて、前記移動局と各傍受デバイスとの間の第2の距離推定値を計算するための手段;
前記第1の距離の推定値と各第2の距離の推定値に基づいて、処理遅延推定値を決定するための手段;および、
前記処理遅延推定値を組み合わせることによって処理遅延推定値を改善するための手段。
[C41]
前記移動局の現在位置を決定するための手段は、下記手段をさらに備える、C35に記載の装置:
前記処理遅延推定値を使用して各時間差を調整するための手段;
前記調整される時間差から、前記ワイヤレスアクセスポイントと各傍受デバイスとの間の距離を差し引くことによって距離の差を決定するための手段;および、
前記移動局の前記現在位置を推定するために前記距離の差を使用して多辺測量を実行するための手段。
[C42]
機械によって実行される際、前記機械に演算を実行させる命令を備える機械可読媒体であって、前記命令は、下記の命令を備える機械可読媒体:
傍受デバイスにおいて、移動局によって送られる、初期パケットを受信する命令;
前記傍受デバイスにおいて、前記ワイヤレスアクセスポイントによって送られる、応答パケットを受信する命令;
前記初期パケットの到達時間と前記応答パケットの到達時間に基づいて時間差を算出する命令;および、
現在位置決定エンティティに対して前記時間差を提供する命令。
[C43]
下記をさらに備えるC42に記載の機械可読媒体:
前記初期パケットに対応する第1の到達時間を測定する命令;
前記応答パケットに対応する第2の到達時間を測定する命令;および、
前記第2の到達時間と前記第1の到達時間との差を決定する命令。
[C44]
機械によって実行されるとき、前記機械にオペレーションを実行させる命令を備える機械可読媒体であって、前記命令は、下記の命令を備える機械可読媒体:
情報を送るために適切な傍受デバイスに対してリクエストを提供する命令;
適切な傍受デバイスの各々から、ワイヤレスアクセスポイントによって送信されるパケットの到達時間と移動局によって送信されるパケットの到達時間との差を表す時間差を受信する命令;
前記時間差に基づいて処理遅延推定値を決定する命令;および、
前記処理遅延推定値と前記時間差とに基づいて前記移動局の現在位置を決定する命令。
[C45]
前記処理推定値を決定する命令は、下記の命令をさらに備えるC44に記載の機械可読媒体:
前記モバイルデバイス、前記ワイヤレスアクセスポイント、そして各傍受デバイス、の相対的な地理的配置を決定する命令;
三角不等式における前記受信される時間差を使用することによって前記処理遅延ついての範囲を決定する命令;および、
前記決定される相対的な地理的配置に基づいて前記範囲から値を選択する命令。
[C46]
前記相対的な地理的配置は、実質的には同一直線上にあり、前記ワイヤレスアクセスポイントは前記移動局と前記傍受デバイスとの間にある、または、前記移動局は前記ワイヤレスアクセスポイントと前記傍受デバイスとの間にある、ということが決定され、前記命令は、
改善される処理遅延として前記範囲の上端から値を選択する命令、
をさらに備える、
C45に記載の機械可読媒体。
[C47]
前記処理遅延推定値を決定する命令は、下記の命令をさらに備えるC44に記載の機械可読媒体:
各傍受デバイスにおいて受信された前記移動局の前記パケットと関連づけられる信号強度値を、前記適切な傍受デバイスのそれぞれから受信する命令;および、
前記信号強度値に基づいて、前記移動局と前記傍受デバイスとの間の距離の境界を定める命令。
[C48]
前記処理遅延推定値を決定する命令は、下記の命令をさらに備えるC44に記載の機械可読媒体:
前記移動局と各傍受デバイスとの間の距離についての範囲を、前記傍受デバイスにおける受信信号強度に基づいて決定する命令;
前記移動局と各傍受デバイスとの間の距離を前記範囲の中間点として推定する命令;
前記推定される距離に基づいて、三辺測量を使用して前記移動局の前記現在位置の推定値を計算する命令;
前記モバイルデバイスの前記推定される現在位置に基づいて、前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントとの間の前記距離および、移動局と各傍受デバイスとの間の前記距離を計算する命令;および、
前記計算される距離と前記時間差に基づいて前記処理遅延推定値を改善する命令。
[C49]
前記処理遅延推定値を決定する命令は、下記の命令をさらに備えるC44に記載の機械可読媒体:
前記移動局の以前の位置に基づいて、前記移動局と前記ワイヤレスアクセスポイントとの間の第1の距離推定値を計算する命令;
前記移動局の前記以前の位置に基づいて、前記移動局と各傍受デバイスとの間の第2の距離推定値を計算する命令;
前記第1の距離の推定値と各第2の距離の推定値に基づいて、処理遅延推定値を決定する命令;および、
前記処理遅延推定値を組み合わせることによって処理遅延推定値を改善する命令。
[C50]
前記移動局の現在位置を決定する命令は、下記の命令をさらに備えるC44に記載の機械可読媒体:
前記処理遅延推定を使用して各時間差を調整する命令;
前記調整される時間差から、前記ワイヤレスアクセスポイントと各傍受デバイスとの間の距離を差し引くことによって距離の差を決定する命令;および、
前記移動局の前記現在位置を推定するために前記距離の差を使用して多辺測量を実行する命令。