特許第6046243号(P6046243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6046243オプトエレクトロニクスデバイスおよびそのようなデバイスを有する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046243
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクスデバイスおよびそのようなデバイスを有する装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/12 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   H01L31/12 E
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-515436(P2015-515436)
(86)(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公表番号】特表2015-525478(P2015-525478A)
(43)【公表日】2015年9月3日
(86)【国際出願番号】EP2013058643
(87)【国際公開番号】WO2013182351
(87)【国際公開日】20131212
【審査請求日】2015年2月3日
(31)【優先権主張番号】102012104910.6
(32)【優先日】2012年6月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】ハルブリッター フーベルト
【審査官】 井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−049473(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0327164(US,A1)
【文献】 特表2011−525239(JP,A)
【文献】 特開平08−086643(JP,A)
【文献】 谷塚英一ら,ITER周辺トムソン散乱計測のための光学設計,プラズマ・核融合学会 第27回年会,2010年12月,P.01P02
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/12
H03K 17/78
Science Direct
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射を生成する目的で設けられている第1の部品(21)と、放射を受光する目的で設けられている第2の部品(22)と、接続キャリア(4)と、フレーム(3)と、を備えたオプトエレクトロニクスデバイス(1)であって、
− 前記第1の部品および前記第2の部品が、前記接続キャリアの上に配置されており、
− 前記フレームが前記接続キャリアの上に配置されており、
− 前記第1の部品が、前記フレームの第1の開口部(31)の中に配置されており、前記第1の開口部は、前記第1の部品の周囲を完全に囲んでおり、
− 前記第2の部品が、前記フレームの第2の開口部(32)の中に配置されており、前記第2の開口部は、前記第2の部品の周囲を完全に囲んでおり、
− 前記第1の開口部および前記第2の開口部が、前記接続キャリアとは反対側に位置している前記フレームの主面(30)から、前記接続キャリアの方向に延びており、前記第1の開口部および前記第2の開口部は、前記フレームを完全に貫いており、
− 前記主面が、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に中間領域(5)を有し、前記中間領域において、前記主面に入射する放射の反射が低減され、
− 前記中間領域(5)が、
(i)前記接続キャリアの主延在面に垂直に延びる方向に、完全に、または部分的に、前記フレームを貫いている少なくとも1つの凹部(51)を有する構造化部(50)、および、
(ii)前記接続キャリアに対して斜めに延在している前記主面の表面領域(54)有する、
オプトエレクトロニクスデバイス(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの凹部(51)を有する構造化部(50)が、前記中間領域に形成されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの凹部は、前記接続キャリアの主延在面に垂直に延びる方向に、完全に前記フレームを貫いている、
請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記構造化部が複数の凹部を有し、2つの隣接する凹部の間に、前記フレームのウェブ形状の凸部(52)が形成されている、
請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ウェブ形状の凸部が、前記主面の方向において前記接続キャリアから見て前記第1の部品の方に傾いている、
請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ウェブ形状の凸部が、前記接続キャリアから前記主面の方向に次第に細くなっている、
請求項4または請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記凹部の間に複数のウェブ形状の凸部(52)が形成されており、前記主面の平面視において、ウェブ形状の凸部の曲率半径が、前記第1の部品からさらに離れているウェブ形状の凸部の曲率半径より小さい、
請求項4から請求項6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
前記中間領域が、前記接続キャリアに対して斜めに延在している前記主面の表面領域(54)を有する、
請求項1から請求項7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記中間領域が、前記第1の部品と前記第2の部品との間の結合線(71)に平行または実質的に平行に延びている稜線(53)を有し、前記表面領域が、前記稜線に垂直に延びる横断方向において前記接続キャリアに対して斜めに延在している、
請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記稜線の両側において、前記中間領域と前記接続キャリアとの間の距離が、前記稜線からの距離が増すにつれて減少する、
請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記オプトエレクトロニクスデバイスが近接センサとして具体化されている、
請求項1から請求項10のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記オプトエレクトロニクスデバイスが表面実装デバイスとして具体化されている、
請求項1から請求項11のいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、放射窓(100)を有する装置(10)において動作するように設けられており、前記第2の部品が、前記第1の部品によって放出されて前記放射窓を透過し被測定体(75)において反射された放射を受光する目的で設けられている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記中間領域が、
前記第1の部品によって放出されて前記放射窓において反射された放射が、前記中間領域に最初に入射した時点で、その大部分が前記第1の部品の方に向きが変化するように形成されている構造化部、
を有する、
請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記中間領域が、
前記第1の部品によって放出されて前記放射窓において反射された放射が、前記中間領域に最初に入射した時点で、その大部分が、前記第1の部品と前記第2の部品との間の結合線を通りかつ前記接続キャリアに垂直な平面、から離れる方向に導かれるように形成されている構造化部、
を有する、
請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
放射窓(100)と、請求項1から請求項12のいずれかに記載のデバイス(1)とを備えた装置(10)であって、
前記第2の部品が、前記第1の部品によって放出されて前記放射窓を透過し被測定体において反射された放射を受光する目的で設けられている、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、オプトエレクトロニクスデバイスと、そのようなデバイスを有する装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
放射源によって放出され被測定体において反射される放射を検出する近接センサの場合、例えば装置内で近接センサが背後に配置されている放射窓における迷放射(stray radiation)によって、測定結果に誤差が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願の目的は、高い費用効果で製造することができ、かつ迷放射の影響が減少する単純なオプトエレクトロニクスデバイスを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、本オプトエレクトロニクスデバイスは、放射を生成する目的で設けられている第1の部品を備えている。この第1の部品は、ルミネセンスダイオードとして具体化することができる。
【0005】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、本オプトエレクトロニクスデバイスは、放射、特に、本デバイスの動作時に第1の部品によって放出される放射、を受光する目的で設けられている第2の部品を備えている。この第2の部品は、例えばフォトダイオードまたはフォトトランジスタとして具体化することができる。
【0006】
第1の部品もしくは第2の部品またはその両方は、パッケージングされていない半導体チップとして具体化することができる。すなわち、部品自体はハウジングを有さない。したがって、デバイスのコンパクトな構造が単純化される。これに代えて、部品は、ハウジングを有する部品として具体化することもできる。
【0007】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、本オプトエレクトロニクスデバイスは、接続キャリアを備えている。この接続キャリアの上に、第1の部品および第2の部品を配置し、特に固定することができる。具体的には、第1の部品もしくは第2の部品またはその両方を、それぞれ接続キャリアの少なくとも2つの接続領域に導電接続することができる。接続キャリアは、例えば回路基板(例:プリント基板(PCB))として、または金属コア回路基板として具体化することができる。接続キャリアは、裏面において、すなわちオプトエレクトロニクスデバイスの放射通過面とは反対側の面において、オプトエレクトロニクスデバイスを終端させることができる。回路基板に代えて、接続キャリアを例えばリードフレームとして具体化することができる。
【0008】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、本オプトエレクトロニクスデバイスは、表面実装デバイス(SMD)として具体化されている。接続キャリア(例えば回路基板)は、オプトエレクトロニクスデバイスの一部であり、オプトエレクトロニクスデバイスは、実装キャリアの上(例えばさらなる回路基板の上)に実装するようにすることができ、実装キャリアに導電接続することができる。
【0009】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、接続キャリアは、放射通過面とは反対側の面に、外部からの電気的接触を形成するための接触領域を有する。この接触領域は、接続キャリアを貫くめっきスルーホールを介して、オプトエレクトロニクス部品およびさらなるオプトエレクトロニクス部品(適切な場合)に電気的に接続することができる。したがって、外部からのオプトエレクトロニクスデバイスとの電気的接触を裏面から形成することができる。
【0010】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、本オプトエレクトロニクスデバイスはフレームを備えている。このフレームは、第1の開口部を有することができ、第1の開口部の中に第1の部品が配置されている。フレームはさらに第2の開口部を有することができ、第2の開口部の中に第2の部品が配置されている。フレームは、接続キャリアの上に配置することができ、さらに、例えば固定層によって接続キャリアに固定することができる。特に、第1の開口部もしくは第2の開口部またはその両方は、横方向において第1の部品もしくは第2の部品またはその両方の周囲を完全に囲んでいることができる。第1の部品と第2の部品との間の直接的なビーム経路が、フレームによって遮られる。
【0011】
この場合、横方向とは、接続キャリアの主延在面に沿って延びる方向を意味するものと理解されたい。
【0012】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、フレームは、接続キャリアとは反対側に主面を有する。第1の開口部もしくは第2の開口部またはその両方は、接続キャリアとは反対側に位置しているフレームの主面から、接続キャリアの方向に延びている。第1の開口部もしくは第2の開口部またはその両方は、フレームを完全に貫いていることができる。
【0013】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、主面は中間領域を有する。中間領域は、第1の開口部と第2の開口部との間に配置されている。主面に入射する、第1の部品からの放射の反射が、中間領域において減少する。
【0014】
本オプトエレクトロニクスデバイスは、放射窓とともに動作するように設けられていることが好ましい。放射窓は、特にフレームの主面から隔てられている。放射窓は、例えば、本オプトエレクトロニクスデバイスを含む装置に形成することができる。本デバイスの動作時、第1の部品によって生成された放射が放射窓を透過し、被測定体において反射された後に第2の部品に入射する。放射窓は、接続キャリアの主延在面に平行または実質的に平行に延在していることが好ましい。
【0015】
本出願において、「実質的に平行」とは、最大で10゜の角度を意味するものと理解されたい。
【0016】
中間領域は、本オプトエレクトロニクスデバイスの動作時、放射のうち、放射窓において反射された後に主面に入射し、主面において反射されてさらに放射窓において反射された後に第2の部品に入射し、この第2の部品において望ましくない迷信号(stray signal)を発生させる放射部分を減少させるために使用される。放射窓を通過せずに第2の部品に入射する、この望ましくない迷放射を、以下では「内部迷放射」と称する。特に、中間領域は、放射窓において反射された後にフレームの主面に1回のみ入射して反射され、さらに放射窓において反射されて第2の部品に入射する放射部分を減少させるため、使用される。
【0017】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、少なくとも1つの凹部を有する構造化部が中間領域に形成されている。構造化部は、放射窓において反射された後に主面において1回反射され、さらに放射窓において反射されて第2の部品に入射する放射を減少させる目的で設けられている。構造化部は、特に、第1の開口部と第2の開口部との間に平面状の主面を有する構造と比較して内部迷放射が減少するように、形成することができる。特に、内部迷放射の割合が高くなるためには、放射が少なくとも2回フレームに入射した後に第2の部品によって受光されなければならない。
【0018】
構造化部に代えて、または構造化部に加えて、中間領域を意図的に吸収性の構造とすることによって、反射を減少させることができる。意図的に吸収性とは、第1の部品によって放出されて中間領域に入射する放射の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%が吸収されることを意味する。フレームを、中間領域において、意図的に吸収性の材料から作製する、または意図的に吸収性の材料によって被覆することができる。
【0019】
第1の開口部および第2の開口部から隔てて、凹部が配置されている。凹部は、垂直方向に、すなわち接続キャリアの主延在面に垂直に延びる方向に、完全に、または部分的に、フレームを貫いていることができる。特に、凹部は、開口部とは異なり、オプトエレクトロニクス部品を受け入れる目的で設けられてはいない。
【0020】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、構造化部は、複数の凹部を有する。2つの隣接する凹部の間に、フレームの凸部が形成されている。フレームは、複数の凸部を有することもできる。少なくとも1つの凸部は、特に、ウェブ形状に具体化することができる。ウェブ形状の凸部の主延在方向は、第1の部品と第2の部品との間の結合線に対して横切る方向または垂直に延びていることが好ましい。
【0021】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、ウェブ形状の凸部は、主面の方向において接続キャリアから見て第1の部品の方に傾いた状態に具体化されている。
【0022】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、ウェブ形状の凸部は、接続キャリアから主面の方向に次第に細くなっている。したがって、ウェブ形状の凸部の断面は、接続キャリアからの距離が増すにつれて小さくなる。
【0023】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、凹部の間に複数のウェブ形状の凸部が形成されている。主面の平面視において、ウェブ形状の凸部の曲率半径は、第1の部品からさらに離れているウェブ形状の凸部の曲率半径より小さいことが好ましい。特に、第1の部品からの距離が増すにつれて凸部がより大きな曲率半径を有するように、複数の凸部を形成することができる。
【0024】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、中間領域は、接続キャリアに対して斜めに延在している主面の表面領域を有する。言い換えれば、主面は、中間領域において、少なくとも部分的に接続キャリアの主延在面に対して斜めに延在している。
【0025】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、中間領域は、第1の部品と第2の部品との間の結合線に対して平行または実質的に平行に、したがって最大で10゜の角度において延びている稜線(ridge line)を有する。表面領域は、稜線に垂直に延びる横断方向において接続キャリアに対して斜めに延在している。したがって、表面領域は、横断方向における断面視において、屋根形状の基本形状を有する。特に、稜線の両側において、中間領域と接続キャリアとの間の距離を、稜線からの距離が増すにつれて小さくすることができる。
【0026】
本オプトエレクトロニクスデバイスの少なくとも一実施形態によると、本オプトエレクトロニクスデバイスは、近接センサとして具体化されている。
【0027】
本オプトエレクトロニクスデバイスは、特に、例えば通信用の装置、例えば携帯型装置(例:携帯機器)において使用するのに適している。この装置は、例えば携帯電話とすることができる。
【0028】
本装置の少なくとも一実施形態によると、本装置は、オプトエレクトロニクスデバイスと放射窓とを備えている。第2のオプトエレクトロニクス部品は、第1のオプトエレクトロニクス部品によって放出されて放射窓を透過し被測定体において反射された放射を受光する目的で設けられている。放射窓は、特に、本装置のハウジングに設けることができる。
【0029】
本デバイスの少なくとも一実施形態によると、構造化部は、第1の部品によって放出されて放射窓において反射された放射が、中間領域に最初に入射した時点で、その大部分(すなわち少なくとも51%の割合)が第2の部品から離れる方向に向きが変化するように、形成されている。したがって、各入射点から見ると、反射された放射の大部分が、デバイス全体のうち第1の部品の側の半分の空間の中に導かれる。
【0030】
本デバイスの少なくとも一実施形態によると、構造化部は、第1の部品によって放出されて放射窓において反射された放射が、中間領域に最初に入射した時点で、その大部分が、第1のオプトエレクトロニクス部品と第2のオプトエレクトロニクス部品との間の結合線を通りかつ接続キャリアに垂直な平面、から離れる方向に導かれるように、形成されている。
【0031】
以下では、例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明のさらなる特徴、有利な構造、および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】オプトエレクトロニクスデバイスを備えた装置の第1の例示的な実施形態を概略断面図として示している。
図2A】オプトエレクトロニクスデバイスの例示的な実施形態を示している。
図2B図2Bは、図2Aによるオプトエレクトロニクスデバイスのフレームの凸部のさまざまな形状を示している。
図3】オプトエレクトロニクスデバイスの第3の例示的な実施形態を概略断面図として示している。
図4A】オプトエレクトロニクスデバイスの第4の例示的な実施形態を平面図として示している。
図4B】オプトエレクトロニクスデバイスの第4の例示的な実施形態を概略断面図として示している。
図5】オプトエレクトロニクスデバイスの第5の例示的な実施形態を概略平面図として示している。
図6】オプトエレクトロニクスデバイスの第6の例示的な実施形態を概略断面図として示している。
図7A】オプトエレクトロニクスデバイスの第7の例示的な実施形態を概略平面図として示している。
図7B】オプトエレクトロニクスデバイスの第7の例示的な実施形態を縦方向の断面図として示している。
図7C】オプトエレクトロニクスデバイスの第7の例示的な実施形態を横方向の断面図として示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面において、同じ要素、同じタイプの要素、または同じ機能の構成要素には、同じ参照数字を付してある。
【0034】
図面それぞれは概略図であり、したがって必ずしも正しい縮尺ではない。むしろ、比較的小さい要素と、特に層の厚さは、図を明確にする目的で、誇張した大きさで示してあることがある。
【0035】
図1は、オプトエレクトロニクスデバイス1を備えている装置10の例示的な実施形態を示している。装置は、例えば通信用の携帯機器(例:携帯電話)とすることができる。
【0036】
装置10は、放射窓100を備えており、放射窓100の背後にオプトエレクトロニクスデバイス1が配置されている。オプトエレクトロニクスデバイスは、放射を生成する目的で設けられている第1の部品21と、第1の部品からの放射を受光する目的で設けられている第2の部品22とを備えている。したがって、第1の部品および第2の部品は、放出器−検出器の対を形成している。
【0037】
第1の部品21および第2の部品22は、接続キャリア4の上に配置されている。接続キャリアは、例えば、回路基板(例:プリント基板(PCB))とすることができる。第1の部品21および第2の部品22との電気的接触を形成するため、接続キャリアは、部品側の面に接続領域を有する(図1には明示的には示していない)。
【0038】
オプトエレクトロニクスデバイス1は、表面実装デバイスとして具体化されていることが好ましい。外部からオプトエレクトロニクスデバイスとの電気的接触を形成するため、部品21,22とは反対側の接続キャリア4の面に電気接触部を形成することができる(図を簡潔にするため図1には明示的には示していない)。これらの電気接触部は、実装キャリア105(例えばさらなる回路基板)に導電接続されている。
【0039】
第1の部品21は、ルミネセンスダイオード、特に、発光ダイオードとして具体化されていることが好ましい。この部品は、好ましくは近赤外領域(NIR、真空波長750nm〜1400nm)の放射、特に好ましくは800nm〜1000nmの範囲内(両端値を含む)の波長の放射を放出する。
【0040】
第2の部品22は、フォトダイオードまたはフォトトランジスタとして具体化されていることが好ましい。感光性の集積回路(例えば専用に具体化された特定用途向け集積回路(ASIC))を採用することもできる。
【0041】
第2の部品22は、シリコン系であることが好ましい。この変形形態として、第2の部品は、異なる半導体材料系、例えばIII−V族化合物半導体材料系とすることもできる。
【0042】
第1の部品21もしくは第2の部品22またはその両方それぞれは、パッケージングされていない半導体チップとして具体化することができる。結果として、オプトエレクトロニクスデバイス1の特にコンパクトな構造が単純化される。これに代えて、第1の部品もしくは第2の部品またはその両方は、半導体チップを有するハウジングを備えていることができる。
【0043】
フレーム3は、接続キャリア4の上に配置されており、例えば結合層(例:接着剤層)によって接続キャリアにしっかりと結合されていることが好ましい。フレームは、プラスチックから、例えば射出成形またはトランスファ成形によって作製されていることが好ましい。フレーム3と接続キャリア4は、横方向において(すなわち接続キャリア4の主延在面に沿って延びる方向において)、少なくとも部分的に、好ましくはデバイスの周囲全体に沿って、互いに端部が揃っている。したがって、オプトエレクトロニクスデバイス1の製造時、フレーム3および接続キャリア4は、共通の個片化ステップにおいて単純な方法で切断することができる。
【0044】
垂直方向、すなわち接続キャリア4の主延在面に垂直に延びる方向には、フレームは、接続キャリアとは反対側の主面30と、接続キャリアの側の裏面35との間に延在している。
【0045】
主面30には、第1の開口部31および第2の開口部32が形成されている。第1の部品21は第1の開口部の中に形成されており、第2の部品22は第2の開口部32の中に形成されている。これらの開口部は、横方向に互いに隔てられている。
【0046】
開口部31の境界部および開口部32の境界部は、それぞれ、第1の部品21および第2の部品22のための絞りを形成していることが好ましい。すなわち、第1の部品によって放出される円錐状放射(radiation cone)、または第2の部品によって直接的に(すなわち開口部の側面において反射されることなく)受光される円錐状放射は、それぞれ、第1の開口部または第2の開口部によって決まる。この場合、用語「円錐状」は、開口部の断面に関する制限を意味しない。
【0047】
主面30は、第1の開口部31と第2の開口部32との間に、中間領域5を有する。中間領域5は、第1の部品21によって放出されて放射窓100において反射された放射が、フレーム3においてさらに反射されることなく第2の部品に入射することができないように、方向が変化するように形成されている。したがって、第2の部品22に入射して望ましくない信号部分を発生させる内部迷放射(図1には光線6によって示してある)が減少する。
【0048】
図示した例示的な実施形態においては、中間領域5は、複数の凹部51を有する構造化部50を有する。凹部は、垂直方向にフレーム3を完全に貫いている。凹部は、第1の部品と第2の部品との間の結合線に沿って互いに並んで配置されている。2つの隣接する凹部の間にはそれぞれの凸部52が形成されている。凸部は、デバイス1の平面視においてウェブ形状に具体化されていることが好ましく、凸部の主延在方向は、結合線に対して斜めに、または垂直に延びている。したがって、内部迷放射6はフレーム3の平面状の主面に入射せずに側面510において反射され、この放射の大部分は対向する側面に入射する。
【0049】
構造化部に代えて、または構造化部に加えて、中間領域5は、意図的に吸収性の材料を備えていることもできる。特に、フレーム3は、中間領域5において、または全体を、第1の部品21によって生成される放射を意図的に吸収する材料から形成することができる。これに代えて、意図的に吸収性の材料からなる被覆を中間領域に設けることもできる。
【0050】
図2Aに示した第2の例示的な実施形態は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と実質的に同じである。第1の例示的な実施形態と異なる点として、フレーム3が、中間領域5において、主面の方向において接続キャリア4から見て第1の部品21の方に傾いている凸部52を有する。
【0051】
図示した例示的な実施形態においては、凸部52の傾きは、第1の部品21からの距離が増すにつれて大きくなる。結果として、内部迷放射のうち、主面30に入射せずに側面510に入射する放射の割合を大幅に増大させることができる。凸部52は、フレーム3の平面視において互いに隣接する、または互いに重なるように、互いに隔てられていることが好ましい。このことは、点線8によって概略的に示してある。したがって、側面510に入射する放射の割合が大幅に増大する。この変形形態として、複数の凸部、またはすべての凸部が同じ傾きを有することができる。
【0052】
図2Bは、図2Aに示した凸部52の抜粋部分7のさまざまな形状を示している。主面30に平行に延びるフレーム3の表面の割合は、図示した形状のすべてにおいて最小化されている。
【0053】
凸部52a,52bは、四辺形の基本形状を有する断面を有し、上面520が主面30に対して傾いている。凸部52aの上面520は、第2の部品22の方を向いている。この形状では、内部迷放射のうち上面520に入射する放射の割合が最小化される。凸部52bの場合、上面520は第1の部品21の方を向いている。この形状の効果として、反射される放射は第2の部品22から離れる方向に反射され、その結果として、第2の部品に入射する迷放射を同様に減少させることができる。
【0054】
凸部52c,52d,52eそれぞれは、断面において三角形の基本形状を有し、凸部52d,52eはそれぞれ直角三角形の基本形状を有する。
【0055】
凸部52fに示したように、凸部52の上端面を円弧状に具体化することもできる。このことは、特に、凸部52a〜52eのすべての形状にあてはまる。
【0056】
図3に示した第3の例示的な実施形態は、図2Aに関連して説明した第2の例示的な実施形態と実質的に同じである。第2の例示的な実施形態と異なる点として、凹部51が垂直方向にフレーム3を完全には貫いていない。このような構造の場合、フレームは中間領域5において高い安定性を有することができる。さらに、デバイス1の平面視において、接続キャリア4が中間領域5において完全に覆われており、したがって見えない。当然ながら、凹部51のこのような構造は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態にも適用することができる。
【0057】
図4Aは、オプトエレクトロニクスデバイス1の第4の例示的な実施形態を平面図として示しており、この例示的な実施形態は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と実質的に同じである。フレーム3の中間領域5における凸部52は、はしご状の構造を有し、凸部を互いに結合している2本の結合ウェブ55の間にウェブ形状の凸部が形成されている。凸部52の主延在方向は、平面視において互いに平行または少なくとも実質的に平行に延びている。さらに、平面視において、凸部52は、第1の部品21と第2の部品22との間の結合線71に対して斜めに、または垂直に延在している。結合ウェブ55は、結合線71に平行または実質的に平行に延在している。
【0058】
図4Bは、図4Aに示した線AA’に沿った断面図における、凸部52の構造の2つの異なるバリエーションを示している。凸部52の上面520それぞれは、結合線71に平行または実質的に平行に延びる稜線53を有する。左側に示したバリエーションの場合、稜線は中央に延びており、したがって、稜線の両側の上面520それぞれが、斜めに延在する表面領域54を有する。右側に示したバリエーションの場合、稜線は凸部52の縁部領域に形成されており、したがって上面は、斜めに延在する1つの表面領域54のみを有する。斜めに延在する表面領域と接続キャリア4の主延在面との間の角度は、5゜〜70゜の範囲内(両端値を含む)であることが好ましい。
【0059】
1つまたは2つの斜めに延在する表面領域54により、放射が、主面30に延びる平面において中間領域5において反射され、さらに放射窓100において1回だけ反射された後に第2の部品22に入射する危険性が、大幅に減少する。
【0060】
図5に示した第5の例示的な実施形態は、図4に関連して説明した第4の例示的な実施形態と実質的に同じである。第4の例示的な実施形態と異なる点として、フレーム3の平面視において、凸部52が部分的に湾曲した状態に具体化されている。凸部52の曲率半径は、第1の部品21からの距離が増すにつれて大きくなる。当然ながら、すべての凸部52を湾曲した状態に具体化する必要はない。図示した例示的な実施形態においては、凸部52それぞれは、第1の部品21から見て凹状に湾曲した状態に具体化されている。したがって、内部迷放射の影響を大幅に減少させることができる。
【0061】
図6に示した例示的な実施形態は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と実質的に同じである。第1の例示的な実施形態と異なる点として、中間領域5が1つのみの凹部51を有する。第1の開口部31と第2の開口部32との間に連続的かつ平面状に延在する主面30を有するフレーム3の構造と比較して、内部迷放射のうち第2の部品22に入射する放射の割合は、迷放射の光学経路が長くなっていることによって減少する。これにより、内部迷放射に起因する第2の部品22の信号部分が減少する。
【0062】
さらに、図6には、被測定体75において反射されるターゲット放射61のビーム経路を概略的に示してある。
【0063】
図7A図7Cに示した第7の例示的な実施形態は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と実質的に同じである。第1の例示的な実施形態と異なる点として、中間領域5には、凹部の間に形成される凸部52が存在しない。フレーム3は、中間領域5において少なくとも1つの斜めに延在する表面領域54を有する。一例として、中間領域5は、図7Cに図解した断面図に示したように、屋根形状の基本形状を有することができる。稜線53は、第1の部品21と第2の部品22との間の結合線に平行または実質的に平行に延びていることが好ましい(図4Aを参照)。
【0064】
図7Aにおいては、放射を受光する目的で設けられているさらなる部品23が、第2の開口部32の中にさらに配置されている。このさらなる部品は、特に、第2の部品とは異なるスペクトル感度分布を有することができ、例えば周囲光を検出することができる。当然ながら、このようなさらなる部品23は、上述したさらなる例示的な実施形態において採用することもできる。
【0065】
したがって、このオプトエレクトロニクスデバイス1は、近接センサの機能と周囲光センサの機能の両方を果たすことができる。
【0066】
中間領域5の機能は、ビーム6に基づいて示してある。第1の部品21によって放出された放射は、放射窓100における第1の入射点62において、拡散的もしくは指向的またはその両方においてデバイスの方向に反射される。この反射された放射は、フレーム3の中間領域5における第2の入射点63に入射し、傾斜領域54の傾きのため、第1の部品21と第2の部品22との間の結合線を通り、かつ接続キャリア4に垂直な平面65から離れる方向に導かれ、したがって、放射はもはや第2の部品22に入射することができない、または少なくとも極めて小さい割合のみが第2の部品22に入射しうる。
【0067】
当然ながら、稜線53は、図4Bに関連して説明したように、1つのみの傾斜領域54が形成されている構造とすることもできる。
【0068】
フレーム3の中間領域5の説明した構造では、簡単かつ効果的に達成できることとして、特に、開口部31と開口部32との間の主面30の平面状の構造(反射率が低下しない)と比較して、迷放射に起因する第2の部品22の信号部分が大幅に減少する。
【0069】
ここまで、本発明について例示的な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はこれらの例示的な実施形態に限定されない。本発明は、任意の新規の特徴および特徴の任意の組合せを包含しており、特に、特許請求項における特徴の任意の組合せを含んでいる。これらの特徴または特徴の組合せは、それ自体が特許請求項あるいは例示的な実施形態に明示的に記載されていない場合であっても、本発明に含まれる。
【0070】
関連出願
本特許出願は、独国特許出願第102012104910.6号の優先権を主張し、この文書の開示内容は参照によって本明細書に組み込まれている。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C