(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046265
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ステーションとWLANとの関連付けを制御するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 48/02 20090101AFI20161206BHJP
H04W 48/08 20090101ALI20161206BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20161206BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20161206BHJP
H04W 48/20 20090101ALI20161206BHJP
【FI】
H04W48/02
H04W48/08
H04W84/12
H04W48/18 113
H04W48/20
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-544363(P2015-544363)
(86)(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公表番号】特表2016-504831(P2016-504831A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2012073954
(87)【国際公開番号】WO2014082669
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2015年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヘードバリ, トマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクバリ, ヤリ
(72)【発明者】
【氏名】ゼー, オスカル
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−535398(JP,A)
【文献】
特開2005−057728(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/048161(WO,A1)
【文献】
特表2013−509065(JP,A)
【文献】
Jerome Henry,Become a Wireless Expert: Why wireless (802.11) roaming is a nightmare (and why CCX can help) [online],2011年12月15日,Retrieved from the Internet: <http://expertwireless2be.blogspot.jp/2011/12/why-wireless-80211-roaming-is-nightmare.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)内のエンティティの動作方法であって、デバイスがWLAN APと関連付けるための要求を送信する前に、デバイスによって満たされるべき条件を含むメッセージを送信することを含み、前記条件は前記デバイスによって実現されるべき最小の受信信号強度インジケータ(RSSI)値を含む方法。
【請求項2】
前記条件は、
WLANに関連付けられるパラメータ、前記デバイスに関連付けられるパラメータ、又はWLANのカバレッジエリアと重なる一又は複数のセルを有する第3世代パートナーシッププロジェクト3GPPネットワークに関連付けられるパラメータのうちの一又は複数を使用して決定される、請求項1に記載のWLAN内のエンティティの動作方法。
【請求項3】
前記RSSI値は、最小の基本サービスセット(BSS)RSSI値及び相対RSSI値のうちの一又は複数を含む、請求項1に記載のWLAN内のエンティティの動作方法。
【請求項4】
前記条件は負荷値を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のWLAN内のエンティティの動作方法。
【請求項5】
前記負荷値は、BSS負荷又はWANメトリックのうちの一又は複数を含む、請求項4に記載のWLAN内のエンティティの動作方法。
【請求項6】
前記条件は、SSID又はWLANに関連付けられているBSSIDに関連付けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載のWLAN内のエンティティの動作方法。
【請求項7】
前記条件は、より低い負荷を有し、前記デバイスがアタッチされるPLMNをサポートするBSSが利用できない場合、より負荷の低いBSSが利用できるかどうかを含む、請求項6に記載のWLAN内のエンティティの動作方法。
【請求項8】
前記メッセージがブロードキャストメッセージである、請求項1から7のいずれか一項に記載のWLAN内のエンティティの動作方法。
【請求項9】
前記メッセージはデバイス固有のメッセージである、請求項1から8のいずれか一項に記載のWLAN内のエンティティの動作方法。
【請求項10】
少なくとも1つの条件、及びWLAN APと関連付けるための要求を送信する前に、前記条件がデバイスによって満たされるべきであることを示す指示を含むメッセージを送信するように構成された送信機を備え、前記条件は前記デバイスによって実現される最小の受信信号強度インジケータ(RSSI)値を含む、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)内のエンティティ。
【請求項11】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)内のエンティティから、少なくとも1つの条件、及びWLANと関連付けるための要求を送信する前に、前記条件がデバイスによって満たされるべきであることを示す指示を含むメッセージを受信するように構成された受信機であって、前記条件は前記デバイスによって実現される最小の受信信号強度インジケータ(RSSI)値を含む受信機と
前記条件が満たされたかどうかを判断し、前記条件が満たされていない場合には、前記デバイスが前記WLANと関連付けるための要求を送信することを防止するように構成されたプロセッサと
を備えるデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記条件が満たされているかどうかを判断する際に、前記デバイスでの前記RSSIが前記指示の前記RSSI値を上回るかどうかを判断し、前記測定されたRSSIが最小RSSIを下回る場合には、前記デバイスの前記WLANへの接続の試みを防止する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記RSSI値は、最小の基本サービスセット(BSS)RSSI値及び相対RSSI値のうちの一又は複数を含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記条件は、期間を含み、前記条件が満たされているかどうかを判断する際に、前記プロセッサは、前記期間が経過したかどうかを判断する、請求項11から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記条件は負荷値を含み、前記プロセッサは、前記ネットワーク上の前記負荷が前記負荷値を上回るときには、前記デバイスが前記WLANにつながることを防止するように構成される、請求項11から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスは、前記デバイスによって測定される負荷値、BSS負荷又はWLANメトリックのエレメントのうちの一又は複数を使用して、前記ネットワーク上の前記負荷を決定するように構成される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記条件は、より適切なRSSI値、又はより低い負荷値を有するBSSが見つからないという条件を含む、請求項11から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記条件は、より適切なRSSI値、又は負荷値を有する既知のPLMNをサポートするBSSが見つからないという条件を含む、請求項11から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記値はWLAN APのSSID又はBSSIDに依存する、請求項12から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)内のエンティティから、少なくとも1つの条件、及び前記WLANと関連付けるための要求を送信する前に、デバイスによって実現される最小の受信信号強度インジケータ(RSSI)値を含む前記条件が前記デバイスによって満たされるべきであることを示す指示を含むメッセージを受信すると、前記条件が満たされているかどうかを判断すること、及び前記条件が満たされていない場合には、前記デバイスが前記WLANとの関連付けるための要求を送信することを防止することを含む、デバイスの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はステーションとWLANの関連付けを制御するための方法及び装置に関し、より具体的には、ステーションとWLANアクセスポイ近隣無線アクセスノードントとの間の関連付けを制御するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信ネットワークのデータトラフィックは絶えず増大している。その結果、オペレータは、とりわけ高トラフィックエリアやネットワークカバレッジが十分でないエリアに、より大きな容量を提供するため、複数の無線アクセス技術(RAT)を利用するヘテロジニアスアクセスネットワークを採用している。
【0003】
典型的には、これらのヘテロジニアスアクセスネットワークの一部として利用されている無線アクセス技術は、UMTS無線アクセスネットワーク(UTRAN)、拡張型UTRAN(E−UTRAN)、及びWi−Fi/WLANを含む。例えば、
図1は、本明細書に記載されている方法の実施に適した3GPPネットワーク2及びWi−Fi RAN3を含むヘテロジニアスネットワーク1の単純化された実施例を概略的に図解している。
【0004】
3GPPネットワーク2は、幾つかの3GPP無線ノード4を含む3GPP無線アクセスネットワーク(RAN)を含み得る。例えば、3GPP RANがUTRANであるとすると、これらの無線ノードはNodeB及び無線ネットワークコントローラ(RNC)であろう。更なる実施例として、3GPP RANがE−UTRANであるとすると、これらの無線ノードはeNode Bであろう。3GPP RAN2はモバイルコアネットワーク5に接続される。
【0005】
WLAN3は、WLANアクセスコントローラ(AC)8に接続され得る多数のWLAN AP7を含む。WLAN AC8が存在する場合には、WLAN AP7の各々を制御し、WLAN3への関連付け/アタッチを望む移動局/ユーザ端末の認証を支援する。WLAN内で、WLANに関連付けられている単一のAP及び任意の移動局/ユーザ端末は基本サービスセット(BSS)と呼ばれる。BSSは、APのMACアドレスとなり得る基本サービスセットID(BSSID)を使用して識別される。
【0006】
相互接続された複数のBSS及び/又は統合されたWLANは、論理リンク制御レイヤに対して単一のBSSとして見えることがある。相互接続された複数のBSS及び/又は統合されたWLANは、拡張サービスセット(ESS)と呼ばれ、共通のサービスセットID(SSID)を有する。BSSIDとSSIDは共に、メッセージが関連する、或いはメッセージの送信元であるWLANの部分を識別するため、メッセージ内で使用され得る。
【0007】
ヘテロジニアスアクセスネットワークがUTRAN、E−UTRAN、及びWi−Fi RAN/WLANを含む場合には、UTRAN及びE−UTRAN規格は共に第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって規定されているので、関連する3GPP規格は、これらの3GPP RANでの負荷処理の分担の能力を規定する。これに対して、Wi−Fi/WLAN規格は電気電子技術者協会(IEEE)によって規定されているが、IEEE規格も3GPP規格もWi−Fi/WLANと3GPP RANでの負荷処理の分担の能力を規定していない。
【0008】
特に、最近利用可能なデバイス、例えばステーション(STA)やクライアントデバイスに関しては、デバイスがWi−Fi RAN/WLAN及び3GPPネットワークの両方のカバレッジの範囲内にあるときには、デバイスは自動的にWi−Fi RAN/WLANへの接続と、3GPP RANからのデタッチを試みる。
【0009】
STAは常に関連付けプロセスを起動し、WLAN APは、関連付け要求の内容に基づいて、関連付けの承認又は拒否を選択することができる。802.11規格(Wi−Fi)に従って動作するWLANネットワーク内では、WLAN APは、例えば、APのSSIDを含むWLANに関する情報を含むビーコンフレームを定期的に送信する。
【0010】
STAとWi−Fi APとの関連付けの方法の実施例が
図2に示されている。上述のように、Wi−Fi APは定期的にビーコンフレームを送信する。STAがビーコンフレーム内に示されたWLANとの関連付けを試みるとき、STAはWi−Fi APからの情報を要求するプローブ要求を送信する。APは、プローブ要求を受信すると、ステーションパラメータを含むプローブ応答メッセージで応答する。ステーションパラメータは、例えば、能力情報及びサポートされているデータレートを含み得る。
【0011】
Wi−Fi APと関連付けるため、STAは認証されなければならない。したがって、STAは、任意の適切な認証スキームを使用して行われる認証を要求するため認証要求を送信する。認証が行われると、Wi−Fi APはSTAに認証応答メッセージを送信し、STAはこのような応答メッセージを受信すると、関連付け要求メッセージをWi−Fi APに送信することができる。Wi−Fi APは、関連付けが承認されるか拒否されるかを示す関連付け要求に対する応答を送信する。
【0012】
オプションとして、WLANがオープンでない場合には、上述の認証に対して更なる認証が要求される。EAP−SIM/AKA/AKA’のプロトコルにおいて規定されるような更なる認証が必要とされる場合には、認証要求は、限られたポートのみをオープンして更なる認証を実行する。完全な関連付けは、更なる認証が成功裏に完了したときにのみ承認される。
【0013】
WLAN APとSTAとの間の通信を管理し得る代替的な規格はHotSpot 2.0である。HotSpot 2.0はIEEE 802.11uを基礎とするもので、認証機構及び自動プロビジョニングサポートに関する要件を付加している。HotSpot 2.0は、
図3に示されているアクセスネットワーククエリプロトコル(ANQP)を使用する。HotSpot 2.0では、ANQPは、関連付けが行われる前に、STAがAPから様々な情報を要求する機構を提供する。
【0014】
上述の関連付け手続きの任意の時点で、WLAN APはアクセスの試みを拒否することがある。WLAN AP及びネットワークの残りの部分がSTAからの要求を処理するために費やすリソースを制限するため、STAからの関連付け要求は可能な限り早く拒否することが好ましい。しかしながら、永久的な識別子(STAのIMSIなど)ではなく、WLANにとって既知のデバイスに関連付けられるMACアドレスのような一時的な識別子或いは未検証識別子では、手続きの早い段階で関連付け要求を拒否することは困難となることがある。そのため、エアインターフェースシグナリング及び処理容量の点で、WLAN AP及びネットワークの残りの部分に不必要な負荷が生ずる結果となる。
【0015】
加えて、STAによっては、WLAN APがSTAによる関連付けの試みを、例えば、認証の拒絶によってあらかじめ拒否している場合であっても、同一のWLAN APに対して、再関連付け及び再認証を引き続き試みようとすることがある。これはWLAN APに対する負荷をさらに増大させる。
【発明の概要】
【0016】
本発明の態様では、無線ローカルエリアネットワークWLAN内のエンティティの動作方法が提示される。本方法では、デバイスがWLAN APとの関連付けを要求する前に、デバイスによって満たされるべき条件を含むメッセージがデバイスに送信される。これにより、WLAN又はWLAN APは、STAがWLANへのアタッチを決定する際に、STAの動作を整えることができる。例えば、特定のWLAN APの負荷が高くても、重なり合うカバレッジを有する別のWLAN APの負荷が低く、デバイスにより適切なサービスを行い得る場合に、このことは有益であろう。
【0017】
本条件は、WLANに関連付けられるパラメータ、デバイスに関連付けられるパラメータ又は
WLANのカバレッジエリアと重なる一又は複数のセルを有する第3世代パートナーシッププロジェクト
(3GPP
)ネットワークに関連付けられるパラメータ
のうちの一又は複数を使用して決定され得る。これにより、STAがWLAN APにアタッチされる時点のネットワーク条件に適するように、STAの動作を整えることができる。
【0018】
本条件は、受信信号強度インジケータRSSI値であってもよい。このRSSI値は、最小RSSI強度、最小の基本サービスセット(BSS)RSSI値及び相対RSSI値のうちの一又は複数であってもよい。
【0019】
代替的に又は追加的に、デバイスには、条件として負荷値を含むメッセージが送信されることがある。負荷値は、BSS負荷又はWANメトリックの一又は複数であってもよい。
【0020】
本条件は、SSID又はWLANに関連付けられたBSSIDに関連付けられてもよい。
【0021】
本条件は、負荷の低いBSSが利用できない場合、或いは負荷が低く且つデバイスがアタッチされるPLMNをサポートしているBSSが利用できない場合には、デバイスがアタッチメントを要求し得ることを指定してもよい。これは、比較的高い負荷を有するWLAN APがSTAにサービス提供することが可能であっても、負荷の低い別のWLAN APが利用し得る場合には、特に有用である。このような条件を使用することによって、WLAN AP間での負荷の分散が促進される。
【0022】
メッセージはブロードキャストメッセージであってもよく、或いはデバイス固有メッセージであってもよい。
【0023】
本発明の別の態様によれば、無線ローカルエリアネットワークWLAN内のエンティティが提供される。このエンティティは、少なくとも1つの条件、及びWLAN APと関連付けるための要求を送信する前に、条件がデバイスによって満たされるべきであることを示す指示を含むメッセージを送信することができる送信器を含む。
【0024】
本発明の更なる態様によれば、デバイスが提供される。デバイスは受信器及びプロセッサを含む。受信器は無線ローカルエリアネットワークWLAN内のエンティティから、少なくとも1つの条件及びWLANと関連付けるための要求を送信する前に、条件がデバイスによって満たされるべきであることを示す指示を含むメッセージを受信する。プロセッサは条件が満たされているかどうかを判断することが可能で、条件が満たされていない場合には、デバイスがWLANとの関連付け要求を送信することを防止する。
【0025】
本条件は、受信信号強度表示RSSIの一又は複数の値であってもよく、プロセッサは、条件が満たされているかどうかを判断する際に、デバイスでのRSSIが前記の指示のRSSI値を上回るかどうかを判断し、測定されたRSSIが最小RSSIを下回る場合には、この装置のWLANへの接続の試みを防止する。
【0026】
RSSI値を含むメッセージ中の条件は、最小RSSI強度、最小の基本サービスセット(BSS)RSSI値及び相対RSSI値のうちの一又は複数を含む。
【0027】
本条件が期間である場合には、この条件が満たされているかどうかを判断する際に、プロセッサは期間が経過したかどうかを判断する。
【0028】
本条件が負荷値である場合には、プロセッサは、ネットワーク上の負荷がこの負荷値を上回る場合には、装置がWLANにつながることを防止する。
【0029】
デバイスは、デバイスによって測定される負荷値、BSS負荷又はWLANメトリックのエレメントのうちの一又は複数を使用して、ネットワーク上の負荷を決定し得る。
【0030】
本条件は、より適切なRSSI値又はより低い負荷値を有するBSSが見つからないという条件であってもよく、或いはより適切なRSSI値又は負荷値を有する既知のPLMNをサポートするBSSが見つからないという条件であってもよい。
【0031】
本条件は、SSID又はWLAN APのBSSIDに関連付けられてもよい。
【0032】
本発明の更に別の態様によれば、デバイスの動作方法が提供される。本方法は、無線ローカルエリアネットワークWLAN内のエンティティから、少なくとも1つの条件、及びWLANと関連付けるための要求を送信する前に、条件がデバイスによって満たされるべきであることを示す指示を含むメッセージを受信することを含む。本方法は、このようなメッセージを受信すると、条件が満たされているかどうかを判断し、条件が満たされていない場合には、デバイスがWLANとの関連付け要求を送信することを防止する。
【0033】
本発明の幾つかの実施形態は、添付の図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】ヘテロジニアスアクセスネットワークの実施例を概略的に示している。
【
図2】STAをWi−Fi APに関連付けるための手続きの実施例を示すシグナリングフロー図である。
【
図3】STAをWi−Fi APに関連付けるための代替的な手続きの実施例を示すシグナリングフロー図である。
【
図4】本明細書に記載されている方法によるSTAを制御する手続きを示す概略フロー図である。
【
図5】本明細書に記載されている方法を実施するように構成されているWLANエンティティの実施形態を概略的に示している。
【
図6】本明細書に記載されている方法により、STAをWi−Fi APに関連付ける手続きを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、無線ローカルエリアネットワークWLANによって一又は複数の ステーション(STA)に送信されるメッセージに関する。本メッセージは、STAがWLANとの関連付けをいつ要求し得るかを判断することを可能にするSTAに対する命令を含む。本メッセージは。ビーコンメッセージなどのように、WLANアクセスポイントAPによって、通信範囲内のすべてのSTAに送信され得る。代替的に、例えば、WLAN APからのSTAの分離、STAの認証不許可、又はWLANによるSTAの関連付け不許可の決定の結果として、メッセージは特定のSTAへ送信され得る。
【0036】
メッセージがWLANによって送信範囲内の任意のSTAに送信される一般的なメッセージである場合には、命令は、STAがWLANとの関連付けを要求する前にWLAN APとの通信で達成されるべき最小の受信信号強度表示(RSSI)、最大負荷値、または、より適切なBSSが見つからない、或いはSTAがアタッチされるPLMNをサポートするより適切なBSSが見つからない場合には、STAがWLANとの関連付けを要求し得ることを示しうる。
【0037】
メッセージがWLAN APによって特定のSTAへ送信される場合、命令は、STAがWLANとの関連付けを要求する前にWLAN APとの通信で達成されるべき最小の受信信号強度表示(RSSI)、相対RSSI値、STAがWLANとの関連付けを要求するまでの時間の量を示す時間値、最大負荷値、または、より適切なBSSが見つからない、或いはSTAがアタッチされるPLMNをサポートするより適切なBSSが見つからない場合には、STAがWLANとの関連付けを要求し得ることを示しうる。
【0038】
相対RSSI値が意味しているのは、あるWLAN APとSTAとの間の現在のRSSIと、STAがそのWLAN APとの関連付けを要求するのに必要なRSSIとの間の差を示す値である。
【0039】
これらの指示(命令)の各々については、WLAN AP及びSTAを参照して、さらに詳細に説明される。
【0040】
1. 受信信号強度インジケータ(RSSI)
上述のように、メッセージは、STAがWLAN APとの関連付けを試みる前に、STAによって実現されるべき最小RSSI値を含み得る。最小RSSI値の指示値は、802.11ビーコンメッセージなどの一般的なメッセージ又は802.11プローブ応答メッセージなどのSTAに対する固有のメッセージで、或いはANQPシグナリングのいずれかで、STAに送信されてもよい。
【0041】
RSSI値は事前に決定されWLAN APのメモリに保存された値であってもよい。代替的に、WLAN APは、一又は複数のパラメータに基づいて最小RSSI値を計算してもよい。パラメータは、STAから受信したメッセージ内のRSSI、STAがWLAN APからの分離を要求されているかどうか、STAが認証不許可されたかどうか、WLAN AP内のセル負荷、又はWLAN APのカバレッジエリアと重なり合う又は隣接するカバレッジを有する一又は複数の3GPPセル内の負荷を含んでよい。WLANは、PCT/EP2012/065970に記載の方法を使用して、隣接する3GPPセルの負荷の詳細を取得し得る。
【0042】
RSSI値は、上述のように、WLAN APによって、或いはWLAN APが通信を行っているWLANアクセスコントローラACによって決定され得る。WLAN ACは、RSSI値を決定するため、上述のパラメータと同じパラメータを使用してもよい。WLAN ACがRSSI値を計算する場合には、WLAN ACは一又は複数のWLAN APにRSSI値を送信する。WLAN APは次いで、WLAN ACから受信したRSSI値をSTAへのメッセージに含める。オプションとして、WLAN APは、RSSI値をメモリ内に保存し、STAへ送信するメッセージを生成するときにこの値を取り出してもよい。WLAN ACは、所定の時間間隔で、或いはWLAN APからのRSSI値の要求に応答して、一又は複数のWLAN APにRSSI値を送信するように構成されてもよい。
【0043】
STAは最小RSSI値を含むWLAN APからのメッセージを受信すると、WLAN APによって送信されるメッセージのRSSIをモニタする。メッセージのRSSIがインジケータ(上記の命令または指示)に含まれる最小RSSIを上回る場合には、STAは、例えば、WLAN APにプローブ要求メッセージを送信することによって、WLAN APとの関連付けを再度試みてもよい。
【0044】
2. 相対受信信号強度表示(RSSI)
上述のように、メッセージは、STAがWLAN APとの関連付けを試みる前と、STAによるWLAN APとの関連付けを試みた後に、STAによって実現される相対RSSI値を含み得る。相対RSSI値が意味しているのは、現在のRSSIと、STAがWLAN APとの関連付けを要求するのに必要なRSSIとの間の差を示す値である。
【0045】
相対RSSI値は、802.11分離フレーム(Disassociation frame)又は802.11認証不許可フレーム(Deauthentication frame)など、STAに対する特定のメッセージ内でSTAへ送信される。代替的に、相対RSSI値は任意のEAP又はDHCP応答で送信されてもよい。
【0046】
相対RSSI値は、WLAN APのメモリ内に保存されるRSSI値、並びにSTAから受信したメッセージに対して測定されるRSSI値を使用して、WLAN APによって計算されてもよい。WLAN APは、STAの現在のRSSI値を決定するため、STAから受信した最初のメッセージ、STAから受信した最後のメッセージ、又は事前に決定されたメッセージタイプを使用してもよい。例えば、メッセージはプローブ要求メッセージであってもよい。
【0047】
RSSI値は事前に決定されWLAN APのメモリに保存された値であってもよい。代替的に、WLAN APは、一又は複数のパラメータに基づいて最小RSSI値を計算してもよい。パラメータは、STAから受信したメッセージ内のRSSI、STAがWLAN APからの分離を要求されているかどうか、STAが認証不許可されたかどうか、WLAN AP内のセル負荷、又はWLAN APのカバレッジエリアと重なり合う又は隣接するカバレッジを有する一又は複数の3GPPセル内の負荷を含んでよい。WLANは、PCT/EP2012/065970に記載の方法を使用して、隣接する3GPPセルの負荷の詳細を取得し得る。
【0048】
RSSI値は、上述のように、WLAN APによって、或いはWLAN APが通信を行っているWLANアクセスコントローラACによって決定され得る。WLAN ACは、RSSI値を決定するため、上述のパラメータと同じパラメータを使用してもよい。WLAN ACがRSSI値を計算する場合には、WLAN ACは一又は複数のWLAN APにRSSI値を送信する。WLAN APは次いで、WLAN ACから受信したRSSI値をSTAへのメッセージに含める。オプションとしてWLAN APは、RSSI値をメモリ内に保存し、STAへ送信するメッセージを生成するときにこの値を取り出してもよい。WLAN ACは、所定の時間間隔で、或いはWLAN APからのRSSI値の要求に応答して、一又は複数のWLAN APにRSSI値を送信するように構成されてもよい。
【0049】
STAは相対RSSI値を含むWLAN APからのメッセージを受信すると、WLAN APによって送信されるメッセージのRSSIをモニタする。メッセージのRSSIがインジケータ(上記の命令または指示)に含まれるRSSIを上回る場合には、STAは、例えば、WLAN APにプローブ要求メッセージを送信することによって、WLAN APとの関連付けを再度試みてもよい。
【0050】
代替的に、STAは、相対RSSI値を受信すると、相対RSSI値を含むメッセージの既知のRSSI及び相対RSSI値を使用して、最小RSSI値を決定する。この最小RSSI値は、メモリに保存され、WLAN APから受信したメッセージのRSSIと比較されてもよい。
【0051】
3. タイマ
WLAN APはSTAへのメッセージ内にリエントリタイマ値を含めてもよい。この値はSTAによってカウントダウンされ、0に到達するとSTAはWLAN APとの関連付けを再度試みてよい。リエントリタイマは、好ましくは、802.11分離フレーム又は802.11認証不許可フレームなど、STAに対する特定のメッセージ内でSTAへ送信される。メッセージはEAP又はDHCP応答内に含まれてもよい。
【0052】
リエントリタイマ持続時間は、好ましくは1分間を下回るが、任意の好適な持続時間であってもよい。
【0053】
リエントリタイマ値は事前に決定されWLAN APのメモリに保存された値であってもよい。代替的に、WLAN APは、一又は複数のパラメータに基づいてリエントリタイマ値を計算してもよい。パラメータは、STAがWLAN APからの分離を要求されているかどうか、STAが認証不許可されたかどうか、WLAN AP内のセル負荷、或いは一又は複数の重なり合う又は隣接する3GPPセル内の負荷を含み得る。WLANは、PCT/EP2012/065970に記載の方法を使用して、隣接する3GPPセルの負荷の詳細を取得し得る。
【0054】
リエントリタイマ値は、上述のように、WLAN APによって、或いはWLAN APが接続されるWLAN ACによって決定されてもよい。WLAN ACはリエントリタイマ値を計算し、それをWLAN APに送信する。WLAN APは次いで、WLAN ACから受信したリエントリタイマ値をSTAへのメッセージに含める。
【0055】
リエントリタイマ値は、上述のように、WLAN APによって、或いはWLAN APが通信を行っているWLANアクセスコントローラACによって決定され得る。WLAN ACは、リエントリタイマ値を決定するため、上述のパラメータと同じパラメータを使用してもよい。WLAN ACがリエントリタイマ値を計算する場合には、WLAN ACは一又は複数のWLAN APにリエントリタイマ値を送信する。WLAN APは次いで、WLAN ACから受信したリエントリタイマ値をSTAへのメッセージに含める。オプションとして、WLAN APは、リエントリタイマ値をメモリ内に保存し、STAへ送信するメッセージを生成するときにこの値を取り出してもよい。WLAN ACは、所定の時間間隔で、或いはWLAN APからのリエントリタイマ値の要求に応答して、一又は複数のWLAN APにリエントリタイマ値を送信するように構成されてもよい。
【0056】
STAは、リエントリタイマを含むWLAN APからメッセージを受信すると、カウンタを起動し、リエントリタイマの値が事前に定義した値(例えば、0)に達すると、STAは、例えば、WLAN APにプローブ要求メッセージを送信することによって、WLAN APとの関連付けを再度試みてもよい。
【0057】
リエントリタイマはまた、802.11ビーコンフレームなどの一般的なメッセージに含まれていてもよい。STAがリエントリタイマを含む一般的なメッセージを受信すると、WLAN APへの関連付けを要求する前にリエントリタイマをカウントダウンする。例えば、ビーコンフレーム内にリエントリタイマが含まれている場合には、STAは、WLAN APから受信される最初のビーコンフレームに含まれるリエントリタイマをカウントダウンしてもよい。これは、例えば、WLAN AP上の負荷が非常に高い場合には有益である。
【0058】
4. 負荷
WLAN APは、STAへのメッセージ内に最大の負荷値を含めてもよい。負荷値は、802.11ビーコンメッセージなどの一般的なメッセージ又は802.11プローブ応答メッセージなどのSTAに対する固有のメッセージで、或いはANQPシグナリングのいずれかで、STAに送信されてもよい。
【0059】
負荷値は事前に決定されWLAN APのメモリに保存された値であってもよい。代替的に、WLAN APは、一又は複数のパラメータに基づいて負荷値を計算してもよい。パラメータは、WLAN上の負荷、WLAN AP上の負荷、WLANとカバレッジが重なるセルを含む3GPPネットワーク上の負荷、WLAN ESSとカバレッジが重なる3GPPネットワーク内のセル上の負荷、WLANとカバレッジが重なる3GPPネットワーク内のセル上の負荷、デバイスがWLANによって認証不許可されたかどうか、デバイスがWLANとの分離を要求したかどうか、及び関連付け手続きの間にデバイスとWLANとの間の関連付けが拒否されたかどうか、であってもよい。WLANは、PCT/EP2012/065970に記載の方法を使用して、隣接する3GPPセルの負荷の詳細を取得し得る。
【0060】
負荷値は、上述のように、WLAN APによって、或いはWLAN APが通信を行っているWLANアクセスコントローラACによって決定され得る。WLAN ACは、リエントリタイマ値を決定するため、上述のパラメータと同じパラメータを使用してもよい。WLAN ACが負荷値を計算する場合には、WLAN ACは一又は複数のWLAN APに負荷値を送信する。WLAN APは次いで、WLAN ACから受信した負荷値をSTAへのメッセージに含める。オプションとして、WLAN APは、負荷値をメモリ内に保存し、STAへ送信するメッセージを生成するときにこの値を取り出してもよい。WLAN ACは、所定の時間間隔で、或いはWLAN APからの負荷値の要求に応答して、一又は複数のWLAN APに負荷値を送信するように構成されてもよい。
【0061】
STAは最大負荷値を含むWLAN APからのメッセージを受信すると、ネットワーク上の負荷をモニタする。STAは、好適な方法を使用して、例えば、802.11ビーコンフレーム内に見出されるBSS負荷パラメータ、ANQPメッセージ内のWANメトリックのエレメントを使用して、或いは無線インターフェース上の負荷自体を計算することによって、ネットワーク上の負荷をモニタし得る。最大負荷値がSTAによって決定される負荷を上回る場合、STAは、例えば、WLAN APにプローブ要求メッセージを送信することによって、WLAN APとの関連付けを再度試みてもよい。
【0062】
5. その他
上記の代わりに、メッセージは、より負荷の低い及び/又はより大きなRSSIを有するBSSが存在しない場合には、STAがWLAN APとの関連付けを要求し得るというインジケータを含んでもよい。これは、STAが「最適な」WLAN APと関連付けを試みるように指示されていることを意味する。BSSは、STAがアタッチされる、すなわち、接続される又は留まるPLMNをサポートするものに限定されうる。
【0063】
最小RSSI値又は相対RSSI値は、BSSID又はSSIDにメッセージを送信する任意のWLAN APに適合するように、当該BSSID又はSSIDとリンクされていてもよい。
【0064】
図4は、WLANのエンティティによって実施される手続きの実施例を示すフロー図である。実施されるステップは以下のとおりである。
S1. WLAN エンティティはSTAにメッセージを送信する。メッセージは上述のように、一又は複数の条件を含む。メッセージは、そのエンティティの送信範囲内の任意のSTAによって受信される一般的なメッセージであってもよく、代替的に、特定のSTAに送信されてもよい。
S2. STAはメッセージを受信し、メッセージを処理する。
S3. STAは、メッセージ内に含まれる一又は複数の条件が満たされているかどうかを判断する。条件が満たされている場合、STAはステップS4に進む。条件が満たされていない場合、STAは、ステップS3を反復する前に所定の時間だけ待機する。
S4. STAは、任意の好適な方法を使用して、WLANエンティティとの関連付けを試みる。
【0065】
STAへのメッセージで送信される条件は、任意の好適な方法で計算されてもよい。例えば、条件は、WLANに関連付けられるパラメータ、デバイスに関連付けられるパラメータ、
WLANのカバレッジエリアと重なる一又は複数のセルを有する第3世代パートナーシッププロジェクト
(3GPP
)ネットワークに関連付けられるパラメータ
のうちの一又は複数を使用して決定され得る。パラメータは、STAから受信されるメッセージ内のRSSI、STAがWLAN APからの分離を要求したかどうか、STAが認証不許可されたかどうか、関連付け手続き中にデバイスとWLANとの間の関連付けが拒否されたかどうか、WLAN上の負荷、WLAN AP上の負荷、WLAN APのカバレッジエリアと重なる又は隣接するカバレッジを有する一又は複数の3GPPセル内の負荷、又はWLAN APのカバレッジエリアと重なるカバレッジを有する一又は複数のセルを有する3GPPネットワーク上の負荷を含み得る。WLANは、PCT/EP2012/065970に記載の方法を使用して、隣接する3GPPセルの負荷の詳細を取得し得る。
【0066】
図5は、上述の方法を実施するように構成されたWLAN APなどのWLANエンティティ10の概略的な実施形態を示している。WLANエンティティ10は、コンピュータハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実装可能であり、受信器11、送信器12、プロセッサ13、及びメモリ14を備える。メモリ14は、プロセッサ13によって実装される様々なプログラム/実行可能ファイルを保存し、必要となる任意のデータに対して記憶ユニットを提供する。例えば、メモリ14は、STAへのメッセージに含まれる一又は複数の条件を保存することができる。メモリ14に保存され、プロセッサ13によって実装されるプログラム/実行可能ファイルは、限定するものではないが、上述の方法を実施する、負荷及び/又はパフォーマンスのモニタリング及びレポーティングユニットを含む。オプションとして、WLANネットワークは、
図1に示されるコアネットワークに接続されてもよい。
【0067】
図6は、上述の方法を実施するよう動作するように構成される、STA20の実施形態を概略的に示している。STA20は、コンピュータハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実装可能であり、受信器21、送信器22、プロセッサ23、及びメモリ24を備える。メモリ24は、プロセッサ23によって実装される様々なプログラム/実行可能ファイルを保存し、必要となる任意のデータに対して記憶ユニットを提供する。例えば、メモリ24は、STAがWLANとの関連付けを要求し得る前に、満たされるべき条件を保存することができる。メモリ24に保存され、プロセッサ23によって実装されるプログラム/実行可能ファイルは、限定するものではないが、メモリ24に保存される条件が満たされているかどうかを判断することを含む。STAは、例えば、ユーザ機器(UE)、携帯電話、タブレット計算デバイス、又はラップトップであってもよい。
【0068】
STAは、条件が満たされるまで、受信した条件をメモリに保存してもよい。代替的に、STAは、WLAN AP又はWLANから後続のメッセージを受信すると、メモリ内に保存されている条件を別の条件で置き換えてもよい。メッセージは、当該メッセージに含まれる条件が、WLAN AP又はWLANに関連する以前の任意の条件を置き換えること(以前の条件の差し替えになること)を示す指示を含んでもよい。メッセージは、代替的に、当該条件がWLAN AP又はWLANに関連する前の任意の条件と組み合わせて使用されるべきであることを示す指示を含んでもよい。STAはさらに、所定の時間内にWLAN AP又はWLANからメッセージを受信しなかった場合には、条件を破棄するように構成されてもよい。これは、例えば、STAが当該WLAN AP又はWLANについてのカバレッジエリアから脱出したときに、WLAN AP又はWLANに関連する条件をSTAが保持しないことを意味する。
【0069】
STAは、前述の任意の1条件又は前述の条件の任意の組み合わせに基づいて、WLAN APに要求を送信するように決定してもよい。
【0070】
STAは、条件が満たされたかどうかを任意の好適な頻度でチェックしてもよい。好ましくは、SATは毎秒複数回条件をチェックする。
【0071】
上記の指示を含むメッセージはいかなる好適なプロトコルによるものであってもよい。例えば、メッセージは、802.11プロトコル、EAPプロトコル又はDHCPプロトコルのうちの任意の1つを使用して送信されてもよい。
【0072】
本発明は、IEEE 802.11及びWi−Fi Alliance規格仕様を参照して説明されているが、当業者であれば、WLAN及びWLAN APの管理に使用される任意の規格に上述の方法が適用され得ることが理解されよう。
【0073】
3GPP RAN又はネットワークが意味しているのは、3GPP規格によって管理される任意のRAN又はネットワークということである。例えば、3GPPネットワークは、UTRAN、E−UTRAN又はロングタームエボリューション(LTE)ネットワークであってもよい。WLANは、限定するものではないが、Wi−Fi RANを含む、無線ローカルエリアネットワークを意味することがある。
【0074】
本発明は上記の好適な実施形態に従って説明されているが、これらの実施形態は例示にすぎないことを理解されたい。当業者であれば、本開示を考慮すると、添付の特許請求の範囲に含まれるとみなされる修正及び代替を行うことができるであろう。本明細書で開示又は例示されている各特徴は、単独で、或いは開示又は例示されている他の特徴との任意の適切な組み合わせで、本発明に組み込まれ得る。加えて、上述の実施形態は特に、少なくとも3GPP RAN及びWLANからなるヘテロジニアスネットワークに関するが、本明細書に記載されている方法の原理は、Global System for Mobile Communications (GSM)、cdmaOne及びCDMA2000などの他の無線アクセス技術を含む異種ネットワークにも等しく適用可能である。