特許第6046295号(P6046295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6046295
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ポイント寄付システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20161206BHJP
【FI】
   G06Q30/02 338
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-100125(P2016-100125)
(22)【出願日】2016年5月19日
【審査請求日】2016年5月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513081136
【氏名又は名称】office ISEA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 直純
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/029796(WO,A1)
【文献】 特開2010−152489(JP,A)
【文献】 特開2016−001456(JP,A)
【文献】 特表2013−542471(JP,A)
【文献】 特開2013−175235(JP,A)
【文献】 クレカ ソムリエ,無理せず続けられる寄付活動!社会貢献カード14枚一挙紹介! - クレジットカードDB,[online],株式会社アイティーナビ,2015年 8月26日,[検索日:2016.6.29],URL,http://web.archive.org/web/20150826232347/http://card-db.com/goodandnew/contribution-to-society-2915.html
【文献】 寄付で応援! 夢の貯金箱 日本財団,[online],公益財団法人日本財団,2016年 3月21日,[検索日:2016.6.29],URL,http://web.archive.org/web/20160321100510/http://yumecho.com/about/contribute/
【文献】 「ゆめちょ総選挙」のしくみ 夢の貯金箱 日本財団,[online],公益財団法人日本財団,2016年 3月21日,[検索日:2016.6.29],URL,http://web.archive.org/web/20160321160750/http://yumecho.com/about/senkyo/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の商品の購入、サービスの受益を受けることができるクレジットカード会員の情報を記録しておくと共に当該クレジットカード会員の内、一の前記クレジットカード会員につき一票の投票権を与える会員情報記録手段と、
前記会員情報記録手段に情報が記録された前記クレジットカード会員のクレジットカードの支払い額に応じて付与されるポイントを寄付金としてプールするポイント管理手段と、
前記寄付金を用いて行う事業の候補を複数管理する候補事業管理手段と、
投票時に前記投票権を有する前記クレジットカード会員かどうかの判定を行い、前記候補事業管理手段で管理している複数の候補事業の中から各クレジットカード会員が各々保有する一クレジットカード会員一票の投票権を用いたお薦めの候補事業への投票を受け付け、その投票数によって前記寄付金を用いて行われる事業を決定する事業決定手段とを有し、
前記事業決定手段は、決定した前記事業と前記投票数を前記ポイント管理手段に伝え、
前記ポイント管理手段は、前記プールされたポイントを、当該投票数に応じて、決定した前記事業に分配するように構成されていることを特徴とするポイント寄付システム。
【請求項2】
複数のボランティア作業が管理されたボランティア管理手段を有しており、
前記ポイント管理手段は、前記クレジットカード会員に付与されて寄付されたポイント数の情報を前記ボランティア管理手段に伝え、
前記ボランティア管理手段は、前記クレジットカード会員に当該ポイント数に応じて所定のボランティア参加権を付与するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のポイント寄付システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ポイント寄付システムに関し、特に会員の支払い額に応じて付与されるポイントを寄付に回すポイント寄付システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジットカード会員が当該クレジットカードで支払いをしたり、会員システムを有する店で会員が買物をしたりすると、その支払い額に応じてポイントが付与される場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このポイントは、買物の際に金券や電子マネーのように支払いに使用したり、所定量貯めて特定の商品と交換可能となったりするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−297990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対し、ポイントを用いて手軽に寄付行為を行いたいと考える人もおり、ポイント寄付のシステムが求められていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、会員の支払い額に応じて付与されるポイントを用いて寄付行為を行うことができ、さらに寄付先が会員によって選ばれるポイント寄付システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、種々の商品の購入、サービスの受益を受けることができるクレジットカード会員の情報を記録しておくと共に当該クレジットカード会員の内、一の前記クレジットカード会員につき一票の投票権を与える会員情報記録手段と、前記会員情報記録手段に情報が記録された前記クレジットカード会員のクレジットカードの支払い額に応じて付与されるポイントを寄付金としてプールするポイント管理手段と、前記寄付金を用いて行う事業の候補を複数管理する候補事業管理手段と、投票時に前記投票権を有する前記クレジットカード会員かどうかの判定を行い、前記候補事業管理手段で管理している複数の候補事業の中から各クレジットカード会員が各々保有する一クレジットカード会員一票の投票権を用いたお薦めの候補事業への投票を受け付け、その投票数によって前記寄付金を用いて行われる事業を決定する事業決定手段とを有し、前記事業決定手段は、決定した前記事業と前記投票数を前記ポイント管理手段に伝え、前記ポイント管理手段は、前記プールされたポイントを、当該投票数に応じて、決定した前記事業に分配するように構成されているポイント寄付システムとしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、複数のボランティア作業が管理されたボランティア管理手段を有しており、前記ポイント管理手段は、前記クレジットカード会員に付与されて寄付されたポイント数の情報を前記ボランティア管理手段に伝え、前記ボランティア管理手段は、前記クレジットカード会員に当該ポイント数に応じて所定のボランティア参加権を付与するように構成されているポイント寄付システムとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ポイント寄付システムが、情報が記録された会員に投票権を与える会員情報記録手段と、会員の支払いによって付与されるポイントを寄付金としてプールするポイント管理手段と、寄付金で行う事業の候補を管理する候補事業管理手段と、会員による候補事業への投票を受け付ける事業決定手段とを有していることで、付与されたポイントを自動的に寄付金に回してプールすることができ、寄付行為を手軽に行うことができる。また、会員がお薦めの事業に投票して指示の高い事業から優先的に実行するようにできるため、指示の高い事業に多くの資金を回すことができ、会員の納得する寄付金の使い方ができるものである。
【0014】
また決定した事業に対してその投票数に応じてポイントを分配するようになっているため、より指示の高い事業に多くの資金を回すことができ、より会員の納得する寄付金の使い方ができる。
【0015】
またポイント寄付システムの会員としてクレジットカード会員を対象にすることで、比較的まとまった金額の支払いに使用されることが期待される会員を対象に、寄付を募ることができる。
【0016】
また投票権を一会員につき一票とすることで、会員の意見を比較的正確に反映した投票結果が得られるようにすることができる。
【0018】
また、請求項に記載の発明によれば、ポイント数に応じて所定のボランティアに参加できるボランティア参加権を付与するため、ボランティアに興味がある会員がシステムを利用してポイント寄付を積極的に行うように促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の実施の形態に係るポイント寄付システムの概略を示すブロック図である。
図2】同実施の形態に係るポイント寄付処理を示すフローチャートである。
図3】同実施の形態に係る事業決定処理を示すフローチャートである。
図4】同実施の形態に係るボランティア参加権通知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1図4には、この発明の実施の形態を示す。
【0022】
まずは、本実施の形態のポイント寄付システムの基本的な構成について、図1を用いて説明する。
【0023】
本実施の形態のポイント寄付システムは、会員が買物等により支払った金額に応じて付与されるポイントを自動的に全額寄付するようになっており、当該寄付されたポイントは一旦プールされ、会員による投票で決定した事業に対して当該寄付金を支出するようになっているシステムである。ここでは、会員として特定のクレジットカードを有するクレジットカード会員を対象としており、当該会員がクレジットカードで支払いを行うことで、支払い額に応じて自動的にポイントが付与され(例えば、100円毎に1ポイント付与、当該1ポイントは1円に相当する等)、当該ポイントが自動的に全額寄付されるようになっているものである。また、このポイント寄付システムでは、図1に示すように、ポイント寄付システムサーバ1とカード会社システムサーバ2と会員端末3と販売店システムサーバ4と各事業者の事業者サーバ5と各ボランティア団体の団体サーバ6とを有する構成となっている。
【0024】
このうち、ポイント寄付システムサーバ1は、当該ポイント寄付システムのメインサーバであり、会員情報管理手段10とポイント管理手段20と事業決定手段30と候補事業管理手段40とボランティア管理手段50とを有する構成となっている。
【0025】
会員情報管理手段10は、後述するカード会社システムサーバ2の会員情報記録手段60から提供された会員情報をポイント寄付システムサーバ1内で管理している箇所であり、後述する事業決定手段30からの投票時における会員確認のための会員情報照会に応じて会員情報を提供すると共に、後述するポイント管理手段20から各会員の寄付ポイント数情報の提供を受けて各会員の寄付ポイント数を更新し、後述するボランティア管理手段50に各会員の寄付ポイント数情報を提供するものである。
【0026】
ポイント管理手段20は、カード会社システムサーバ2の会員情報記録手段60からポイントが寄付される毎に当該ポイント寄付情報を受け付けるものであり、寄付されたポイント総数を管理するものである。また、ポイントが寄付される毎に当該ポイント数と当該寄付の会員の会員番号(ここではクレジットカード番号)を会員情報管理手段10に提供するようになっている。また、事業決定手段30からポイントの支出を指示されたときには、保有管理しているポイントを現実の通貨に換算して提供可能な資金を、指示された事業者の事業者サーバ5に対してメールや所定のメッセンジャー機能等によって通知するようになっている。
【0027】
事業決定手段30は、後述する候補事業管理手段40から寄付ポイントを用いて行う可能性のある候補事業の追加情報を受ける度に管理する候補事業を追加して投票サイトに表示し、会員からの投票を待つようになっている。また、会員からの事業の投票がなされるときには、当該会員が有効なクレジットカード会員かどうかの照会を会員情報管理手段10に対して行い、バックされた会員情報が有効なものであれば投票を受け付け、投票結果を更新するようになっている。また、所定期間(例えば、1年間等)を経て、当該投票結果を集計し、その結果を投票サイトで表示すると共に行う事業を決定する。ここでは、投票数(投票率)1位〜3位のものについて事業を行うことを決定するようになっている。そして、候補事業管理手段40に対して事業決定命令を出すようになっている。なお、当該集計で選ばれなかった候補事業については事業削除命令を出す場合もあるが、そのまま継続して次回の集計まで投票を受け付けておく場合もある。
【0028】
候補事業管理手段40は、寄付ポイントを用いて行う事業の候補を管理しており、当該事業を募集する事業募集サイトを有している。そして、各事業者がインターネットを介して当該事業募集サイトにアクセスし、サイト内に提供されたフォームに従って必要事項を記入して送信することで、候補事業申請を行うようになっている。候補事業申請を受けた場合、当該内容を担当者等が吟味し、候補事業に追加することが妥当と判断されたものについては、管理対象に指定し、それと同時に事業決定手段30に当該事業の事業追加情報を提供し、投票サイトに反映させるようになっている。また、事業決定手段30から事業決定命令又は事業削除命令が発せられた場合には、各事業者の事業者サーバ5の予め指定された連絡先に対してメールや所定のメッセンジャー機能等を用いて事業実行命令又は事業削除通知が伝えられるものである。
【0029】
ボランティア管理手段50は、登録された複数のボランティア作業を表示すると共にそのボランティア作業に参加する参加権を得るために必要な寄付ポイント数を表示するボランティアサイトを有しており、会員に管理しているボランティア作業と参加するために必要なポイント数をお知らせしている。また、当該ボランティア作業を募集するボランティア作業募集サイトを有している。そして、各ボランティア団体がインターネットを介して当該ボランティア作業募集サイトにアクセスし、サイト内に提供されたフォームに従って必要事項を記入して送信することで、ボランティア登録申請を行うようになっている。ボランティア登録申請を受けた場合、当該内容を担当者等が審査し、ボランティア作業に追加することが妥当と判断されたものについては管理対象に指定し、それと同時にボランティア管理手段50に当該ボランティアの登録したボランティア情報を提供するようになっている。また、会員情報管理手段10から各会員の会員情報と当該会員毎の寄付ポイント数が提供された場合には、当該寄付ポイント数が所定のボランティア作業に参加するために必要な数に到達しているか否かの判定を行い、到達しているときには該当会員にボランティア参加権が得られたことを通知するようになっている。
【0030】
また、カード会社システムサーバ2は、クレジットカードの発行会社に有するサーバであり、その中に会員情報記録手段60を有している。当該会員情報記録手段60は、随時、新規会員を募集する新規会員募集サイトを有しており、クレジットカードの申込みがあれば、所定の審査後、申込者をクレジットカード会員として登録するようになっている。また、クレジットカード会員として登録されると、当該クレジットカード会員の会員端末3に対して、事業決定手段30の候補事業の中からお薦めの事業を選択する投票の投票権を付与するようになっている。なお、ここでは、一会員につき一票の投票権を付与するようになっており、会員の登録メールアドレスや会員ページのお知らせ等に対して投票サイトのアドレスと投票方法等が通知されるようになっている。
【0031】
そして、当該会員情報記録手段60は、クレジットカード会員の氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号、クレジット利用記録等を記録して管理しており、当該会員情報を会員情報管理手段10に提供している。また、クレジットカード利用の情報が得られたときには、その支払いに応じたポイントを付与し、それを全額ポイント管理手段20に寄付するようになっている。
【0032】
また、会員端末3は、クレジットカード会員が所有するパソコン、スマートフォン、携帯電話等の端末であり、この会員端末3を通してカード会社システムサーバ2の会員情報記録手段60に対してクレジットカード会員への申込みを行い、クレジットカード会員がクレジットカードを用いてインターネットを介して販売店のネット通販サイトで買物を行うものである。また、会員端末3を通して事業決定手段30の投票サイトにアクセスし、寄付ポイントを用いて実行される事業の投票を行うようになっている。また、ボランティア作業への参加権付与の連絡が、会員の登録メールアドレスや会員ページのお知らせ等に通知されたときには、会員端末3を介して当該通知を受け取るようになっている。
【0033】
また、販売店システムサーバ4は、販売店のネット通販用サイトを表示させるサーバであり、会員端末3を通して会員がネット通販用サイトにアクセスし、当該ネット通販サイトでクレジットカードを用いて買物の支払いを行うようになっている。この販売店システムサーバ4にネット通販用サイトで会員端末3からクレジットカードを利用して買物がなされた情報が送信されると、当該クレジットカードの利用情報が前記したカード会社システムサーバ2の会員情報記録手段60に送信され、それに対する認証が行われて販売店システムサーバ4に認証済データが送信されるようになっている。
【0034】
事業者サーバ5は、ポイントによる寄付金を用いて行う事業の候補に募集する各会社のサーバであり、インターネットを介して候補事業管理手段40が提供する事業募集サイトにアクセスしてそのフォームに従って候補事業申請を行うようになっている。また、候補事業管理手段40及びポイント管理手段20からのメールやメッセンジャー機能等の連絡を受ける手段を有している。
【0035】
団体サーバ6は、人を必要としているボランティア作業に対してボランティアをしてくれる人を募集する各団体のサーバであり、インターネットを介してボランティア管理手段60が提供するボランティア作業募集サイトにアクセスしてそのフォームに従ってボランティア登録申請を行うようになっている。また、ボランティア管理手段50からの派遣申請等の連絡を受けるメールやメッセンジャー機能等の手段を有している。
【0036】
次に、当該ポイント寄付システムにおける各状態時の流れについて説明する。なお、当該ポイント寄付システム上には、複数のクレジットカード会員が存在しており、これら複数の会員によってシステムが維持されているものである。そのため、以下に説明する流れは、一会員の流れについて記載されていたとしても、それぞれの会員についてそれぞれ適用されるものである。
【0037】
まず、会員登録から当該会員が買物等でクレジットカードを利用して支払いをしたときの流れについて、図1及び図2を用いて説明する。
【0038】
本実施の形態では、図2のステップS1に示すように、会員端末3からカード会社システムサーバ2が有する新規会員募集サイトにアクセスしてクレジットカード申込みがなされると、カード会社内で所定の審査を行う。この審査を通過した場合には、カード会社システムサーバ2の中の会員情報記録手段60に当該新規のクレジットカード会員の情報を記録すると共に、ステップS2に示すように、当該新規のクレジットカード会員の情報をポイント寄付システムサーバ1の会員情報管理手段10に送信する。また、ステップS3に示すように、会員の登録メールアドレスや会員ページのお知らせ等に、事業に対する投票権を一票付与する通知を行い、会員は会員端末3を介して当該通知を受け取り可能となっている。
【0039】
その後、販売店の販売店サーバ4に有するネット通販サイトにログインして、ステップ4に示すように、当該ネット通販サイトでクレジットカードを利用して買物をすると、販売店システムサーバ4からカード会社システムサーバ2の会員情報記録手段60に、カード利用情報が伝えられる。
【0040】
会員情報記録手段60では、ステップS5に示すように、当該支払い額に応じてポイントを付与すると共に、ステップS6に示すように、当該ポイントを自動的に全額寄付に回してポイント寄付システムサーバ1のポイント管理手段20にクレジットカード番号と寄付ポイント数を通知する。
【0041】
ポイント寄付システムサーバ1のポイント管理手段20では、ステップS7に示すように、総ポイント数に当該寄付分を加えて更新し、会員情報管理手段10にクレジットカード番号と寄付ポイント数をセットにして提供し、会員情報管理手段10において各クレジットカード番号に対する寄付ポイント数を更新する。そして、会員登録後のステップS4からステップS7までの流れを会員が買物をする度に繰り返す。
【0042】
次に、会員が各候補事業の中からお薦めの事業を選んで投票し、当該投票を集計して行われる事業が決定されるときの流れについて、図1及び図3を用いて説明する。
【0043】
本実施の形態では、図3のステップS11に示すように、会員端末3からポイント寄付システムサーバ1の事業決定手段30によって表示される投票サイトにログインしてクレジットカード会員であることを証明し、ステップS12に示すように、投票サイト内で何れかの候補事業に投票を行ったかどうかの判定を行い、投票が行われた場合には、ステップS13に示すように、投票の受付を完了する。
【0044】
投票されたら、ステップS14に示すように、各候補事業の投票数を更新する。これを一定期間繰り返しておき、ステップS15に示すように、予め定めた一定期間(例えば、1年間、6か月等のある程度の長期間が望ましい)が経過したがどうかの判定を行う。
【0045】
ここで、一定期間経過していた場合には、ステップS16で最終的な集計を行い、投票数の1位から3位を決定して、ステップS17に示すように、それらを候補事業管理手段40を通して各事業者に通知し、事業開始が指示される。また、ステップS18に示すように、当該1位〜3位の投票数及び投票率(総投票数に対する得票数、または、事業を行うことが決定された1位〜3位の中での割合等、適宜)を算出して、ポイント管理手段20を介して各事業者に通知する。また、ステップS19に示すように、この投票率に応じて寄付ポイントを分配して実際の金額に換算したものを、各事業者に通知する。なお、これらの通知は、事業開始が決定された事業者のみになされるようになっていても良い。これに基づき、寄付ポイントの分配が決定された事業者は、当該寄付ポイントを事業資金として事業を開始させる。
【0046】
次に、会員が買物等でクレジットカードを利用して支払いを重ねることで所定のボランティアに参加できるようになる場合の流れについて、図1及び図4を用いて説明する。
【0047】
まず、図2のステップS7に示すように、クレジットカードで買物をする等で、会員情報管理手段10において各会員(各クレジットカード番号)に対する寄付ポイント数が更新されると、図4のステップS21に示すように、当該更新情報がボランティア管理手段50にも伝達され、当該ボランティア管理手段50においても各会員の寄付ポイント数が更新される。次に、ステップS22に示すように、各会員においてボランティア参加の意思があるかどうかの判定を行う。
【0048】
ここで、クレジットカード申し込み時等に予めボランティア参加意思があることを登録していた会員番号に対して、それぞれのボランティア作業に参加可能かどうかの判定を行う(ステップS23,S24)。ここでは、ボランティア管理手段50に登録されたボランティア作業がボランティアAとボランティアBの2つであるため、例えば、S23に示すように、ボランティアAに参加可能なポイント数を達成しているかどうかの判定を行い、達成している場合には、ステップS25に示すように、当該クレジットカード会員にボランティアAが参加可能となったことをメールやメッセンジャー機能等を用いて通知する。また、S24に示すように、ボランティアBに参加可能なポイント数を達成しているかどうかの判定を行い、達成している場合には、ステップS26に示すように、当該クレジットカード会員にボランティアBが参加可能となったことをメールやメッセンジャー機能を用いて通知する。このように、登録されたボランティアが複数ある場合には、それぞれのボランティアに対して順にボランティア参加権を与えるかどうかの判定を行う(登録されたボランティア作業が10個あれば、10回判定を行う)。
【0049】
以上のように、本実施の形態のポイント寄付システムによれば、当該ポイント寄付システムが、情報が記録された会員に投票権を与える会員情報記録手段60と、会員の支払いによって付与されるポイントを寄付金としてプールするポイント管理手段20と、寄付金で行う事業の候補を管理する候補事業管理手段40と、会員による候補事業への投票を受け付ける事業決定手段30とを有していることで、付与されたポイントを自動的に寄付金に回してプールすることができ、寄付行為を手軽に行うことができる。また、会員がお薦めの事業に投票して指示の高い事業から優先的に実行するようにできるため、指示の高い事業に多くの資金を回すことができ、会員の納得する寄付金の使い方ができるものである。
【0050】
また、本実施の形態では、決定した事業に対してその投票数に応じてポイントを分配するようになっているため、より指示の高い事業に多くの資金を回すことができ、より会員の納得する寄付金の使い方ができる。
【0051】
また、本実施の形態では、ポイント寄付システムの会員としてクレジットカード会員を対象にすることで、比較的まとまった金額の支払いに使用されることが期待される会員を対象に、寄付を募ることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、投票権を一会員につき一票とすることで、会員の意見を比較的正確に反映した投票結果が得られるようにすることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、ポイント数に応じて所定のボランティアに参加できるボランティア参加権を付与するため、ボランティアに興味がある会員がシステムを利用してポイント寄付を積極的に行うように促すことができる。
【0054】
なお、以上説明した各実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0055】
例えば、前記した実施の形態では、投票権は一会員につき一票としていたが、これに限るものではなく、一会員につき複数票有する等のパターンがあっても良い。例としては、支払いによって付与され寄付されたポイント数に応じて、投票権が増加して投票数が増えるようになっていても良い。このようになっていると、当該投票数が変化することで、より高額な寄付を行うと自分のお薦めの事業が優先的に行われるようにできるため、会員に対して支払いをより積極的に会員システムを用いて行うように促すことができる。
【0056】
また、前記した実施の形態では、支払いによって付与されたポイントを全額寄付するようになっていたが、これに限るものではなく、付与されたポイントの一部を自動的に寄付するようになっていても良い。その際、付与されたポイントのうちの一定割合(例えば、10%ずつ等)を自動的に寄付するようになっていても良いし、付与されたポイントのうちの一定額(例えば、10ポイントずつ等)を自動的に寄付するようになっていても良い。
【0057】
また、前記した実施の形態では、100円毎に1ポイント付与され、当該1ポイントが1円に相当するものであったが、これに限るものではなく、ポイントの付与率やポイントと現金との換算率については、適宜決定されれば良い。
【0058】
また、前記した実施の形態では、会員はクレジットカード会員であり、支払いをクレジットカード払いで行うことで、自動的にポイント付与及び寄付がなされるようになっていたが、これに限るものではなく、会員はクレジットカード会員以外のパターン(例えば、現金ポイント会員等)であっても良い。この場合には、会員証等を提示又は会員番号を記入して買物をすることで、ポイントが付与され、当該ポイントが寄付されるようになるものである。
【0059】
また、前記した実施の形態では、会員端末3からインターネットを介して販売店システムサーバ4が表示させる販売店のネット通販用サイトに入り、当該ネット通販サイトでクレジットカードを利用して買物をすることで、その支払い額に応じたポイントがクレジットカード会員に付与されると共に当該ポイントが寄付されるパターンについて説明してきたが、これに限るものではない。例えば、ネット通販ではなく販売店の実店舗で買物をして、その支払いをクレジットカードで行うことで、支払い額に応じたポイントが付与される等、他の方法でクレジットカードを利用して支払いを行うことで、ポイントが付与されて当該ポイントが寄付されるようになっていても良い。
【0060】
また、前記した実施の形態では、投票数が1位〜3位の候補事業に対して、その投票数(投票率)に応じて寄付ポイントが分配されるようになっていたが、これに限るものではない。例えば、寄付ポイントの分配は適宜に行われれば良く、1位〜3位の候補事業に対して、それぞれ均等に同じポイントを分配するようになっていても良い。また、投票数によらず、予め定められた分配率によって、ポイントが分配されるようになっていても良い。また、開始する事業数についても適宜で良く、例えば、投票数1位の事業のみ開始するようになっていて、ポイントも1位のみに全部支出するようになっていても良い。また、投票数1位〜10位というように、より多くの事業が開始されるようになっていて、当該1位〜10位に対して投票数に応じて、または予め定められた分配率で、または均等にポイントが分配されるようになっていても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 ポイント寄付システムサーバ
2 カード会社システムサーバ
3 会員端末
4 販売店システムサーバ
5 事業者サーバ
6 団体サーバ
10 会員情報管理手段
20 ポイント管理手段
30 事業決定手段
40 候補事業管理手段
50 ボランティア管理手段
60 会員情報記録手段
【要約】
【課題】会員の支払い額に応じて付与されるポイントを用いて寄付行為を行うことができ、さらに寄付先が会員によって選ばれるポイント寄付システムとする。
【解決手段】会員の情報を記録しておくと共に当該会員に投票権を与える会員情報記録手段60と、会員情報記録手段60に情報が記録された会員の支払い額に応じて付与されるポイントを寄付金としてプールするポイント管理手段20と、寄付金を用いて行う事業の候補を複数管理する候補事業管理手段40と、投票権を有する会員かどうかの判定を行い、候補事業管理手段40で管理している複数の候補事業の中から会員によるお薦めの候補事業への投票を受け付け、その投票数によって寄付金を用いて行われる事業を決定する事業決定手段30と、を有するポイント寄付システムとした。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4