(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施例は、静電容量式タッチスクリーンの表面が導電性液体にカバーされた場合、静電容量式タッチスクリーンの感度と検出精度が重大な影響を受ける問題を解決するために、タッチスクリーンの制御方法
、装置
、プログラム、及び記録媒体を提供する。その解決策は、以下のようである。
【0007】
本発明の実施例の第1の局面によると、タッチスクリーンの制御方法を提供し、当該方法は、
【0008】
タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得するステップと、
【0009】
基準容量値に対する前記実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定するステップと、
【0010】
前記タッチスクリーンが前記干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御するステップと、
を含み、
前記基準容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の容量値である。
【0011】
基準容量値に対する前記実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定する前記ステップは、
【0012】
各テストポイントについて、前記テストポイントが所定の条件を満たすか否かを検出するステップと、
【0013】
前記テストポイントが前記所定の条件を満たす場合、前記テストポイントの表面が前記導電性液体にカバーされたと特定し、前記実際の相互容量値と前記基準相互容量値の差に基づいて、前記導電性液体のカバー量を特定するステップと、
【0014】
各テストポイントの表面が前記導電性液体にカバーされたか否か、及び前記導電性液体のカバー量に基づいて、前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量を特定するステップと、
【0015】
前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量に基づいて、前記導電性液体の干渉レベルを特定するステップと、
を含んでもよく、
前記所定の条件は、前記テストポイントの実際の自己容量値と基準自己容量値が同じであり、且つ前記テストポイントの実際の相互容量値と基準相互容量値が異なることを含み、前記基準自己容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の自己容量値であり、前記基準相互容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の相互容量値であり、
前記差は、前記カバー量と正の相関関係にある。
【0016】
前記タッチスクリーンが前記干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御する前記ステップは、
【0017】
予め設定された対応関係から、前記干渉レベルに対応する操作モードを選択するステップと、
【0018】
前記タッチスクリーンが選択された前記操作モードにあるように制御するステップと、
を含んでもよく、
前記予め設定された対応関係は、各干渉レベルと各操作モードとの対応関係を含み、前記操作モードは、フルスクリーンの数本指操作モード、数本指と一本指のハイブリッド操作モード、フルスクリーンの一本指操作モード、及びフルスクリーンの停止操作モードのうちの少なくとも一つを含む。
【0019】
予め設定された対応関係から、前記干渉レベルに対応する操作モードを選択する前記ステップは、
【0020】
前記干渉レベルが、干渉程度が順次に増加する第1の干渉レベル、第2の干渉レベル、第3の干渉レベル、及び第4の干渉レベルを含む場合、
前記導電性液体の干渉レベルが前記第1の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの数本指操作モードを選択するステップ、或いは、
【0021】
前記導電性液体の干渉レベルが前記第2の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記数本指と一本指のハイブリッド操作モードを選択するステップ、或いは、
【0022】
前記導電性液体の干渉レベルが前記第3の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの一本指操作モードを選択するステップ、或いは、
【0023】
前記導電性液体の干渉レベルが前記第4の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの停止操作モードを選択するステップを含んでもよい。
【0025】
前記タッチスクリーンが前記数本指と一本指のハイブリッド操作モードにある場合、前記タッチスクリーンが数本指操作モードにあるように制御するステップと、
【0026】
相互容量スキャン方式によって、少なくとも一つの指に対応するタッチ位置を取得するステップと、
【0027】
いずれかのタッチ位置が導電性液体範囲に入ったか否かを検出するステップと、
【0028】
いずれかのタッチ位置が前記導電性液体範囲に入った場合、前記タッチスクリーンが前記数本指操作モードから一本指操作モードに切り替えるように制御するステップと、
【0029】
自己容量スキャン方式によって、引き続き前記導電性液体範囲に入ったタッチ位置に対応する少なくとも一つの関連タッチ位置を取得するステップと、
をさらに含んでもよく、
前記導電性液体範囲は、前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲に基づいて特定され、前記導電性液体範囲の面積は、前記実際のカバー範囲の面積より大きい。
【0031】
電子設備の中央プロセッサCPUに、前記タッチスクリーンの現在の操作モードを報告するステップをさらに含んでもよく、
前記CPUは、提示情報を生成するために用いられ、
前記提示情報は、前記タッチスクリーンの現在の操作モードを提示するために用いられる。
【0032】
本発明の実施例の第2の局面によると、タッチスクリーンの制御装置を提供し、当該装置は、
【0033】
タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得するための容量取得モジュールと、
【0034】
基準容量値に対する前記実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定するためのレベル特定モジュールと、
【0035】
前記タッチスクリーンが前記干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御するためのモード制御モジュールと、
を含み、
前記基準容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の容量値である。
【0036】
前記レベル特定モジュールは、条件検出ユニット、カバー特定ユニット、範囲特定ユニット、及びレベル特定ユニットを含んでもよく、
【0037】
前記条件検出ユニットは、各テストポイントについて、前記テストポイントが所定の条件を満たすか否かを検出し、前記所定の条件は、前記テストポイントの実際の自己容量値と基準自己容量値が同じであり、且つ前記テストポイントの実際の相互容量値と基準相互容量値が異なることを含み、前記基準自己容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の自己容量値であり、前記基準相互容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の相互容量値であり、
【0038】
前記カバー特定ユニットは、前記テストポイントが前記所定の条件を満たす場合、前記テストポイントの表面が前記導電性液体にカバーされたと特定し、前記実際の相互容量値と前記基準相互容量値の差に基づいて、前記導電性液体のカバー量を特定し、前記差は、前記カバー量と正の相関関係にあり、
【0039】
前記範囲特定ユニットは、各テストポイントの表面が前記導電性液体にカバーされたか否か、及び前記導電性液体のカバー量に基づいて、前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量を特定し、
【0040】
前記レベル特定ユニットは、前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量に基づいて、前記導電性液体の干渉レベルを特定する。
【0041】
前記モード制御モジュールは、モード選択ユニットと、モード制御ユニットを含んでもよく、
【0042】
前記モード選択ユニットは、予め設定された対応関係から、前記干渉レベルに対応する操作モードを選択し、前記予め設定された対応関係は、各干渉レベルと各操作モードとの対応関係を含み、前記操作モードは、フルスクリーンの数本指操作モード、数本指と一本指のハイブリッド操作モード、フルスクリーンの一本指操作モード、及びフルスクリーンの停止操作モードのうちの少なくとも一つを含み、
【0043】
前記モード制御ユニットは、前記タッチスクリーンが選択された前記操作モードにあるように制御する。
【0044】
前記モード選択ユニットは、第1の選択サブユニット、或いは第2の選択サブユニット、或いは第3の選択サブユニット、或いは第4の選択サブユニットを含んでもよく、
【0045】
前記干渉レベルが、干渉程度が順次に増加する第1の干渉レベル、第2の干渉レベル、第3の干渉レベル、及び第4の干渉レベルを含む場合、
【0046】
前記第1の選択サブユニットは、前記導電性液体の干渉レベルが前記第1の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの数本指操作モードを選択し、
【0047】
前記第2の選択サブユニットは、前記導電性液体の干渉レベルが前記第2の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記数本指と一本指のハイブリッド操作モードを選択し、
【0048】
前記第3の選択サブユニットは、前記導電性液体の干渉レベルが前記第3の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの一本指操作モードを選択し、
【0049】
前記第4の選択サブユニットは、前記導電性液体の干渉レベルが前記第4の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの停止操作モードを選択する。
【0051】
前記タッチスクリーンが前記数本指と一本指のハイブリッド操作モードにある場合、前記タッチスクリーンが数本指操作モードにあるように制御するための数本指制御モジュールと、
【0052】
相互容量スキャン方式によって、少なくとも一つの指に対応するタッチ位置を取得するための位置取得モジュールと、
【0053】
いずれかのタッチ位置が導電性液体範囲に入ったか否かを検出するための位置検出モジュールと、
【0054】
いずれかのタッチ位置が前記導電性液体範囲に入った場合、前記タッチスクリーンが前記数本指操作モードから一本指操作モードに切り替えるように制御するためのモード切替モジュールと、
【0055】
自己容量スキャン方式によって、引き続き前記導電性液体範囲に入ったタッチ位置に対応する少なくとも一つの関連タッチ位置を取得するための位置トラッキングモジュールと、
をさらに含んでもよく、
前記導電性液体範囲は、前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲に基づいて特定され、前記導電性液体範囲の面積は、前記実際のカバー範囲の面積より大きい。
【0057】
電子設備の中央プロセッサCPUに、前記タッチスクリーンの現在の操作モードを報告するためのモード報告モジュールをさらに含んでもよく、
前記CPUは、提示情報を生成するために用いられ、
前記提示情報は、前記タッチスクリーンの現在の操作モードを提示するために用いられる。
【0058】
本発明の実施例の第3の局面によると、タッチスクリーンの制御装置を提供し、当該装置は、
【0060】
前記プロセッサにより実行可能な命令を記憶するためのメモリと、
を含み、
【0062】
タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得し、
【0063】
基準容量値に対する前記実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定し、
【0064】
前記タッチスクリーンが前記干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御するように構成され、
前記基準容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の容量値である。
【0065】
本発明の実施例の第4の局面によると、プログラムを提供し、当該プログラムは、プロセッサに実行されることにより、上記タッチスクリーンの制御方法を実現する。
【0066】
本発明の実施例の第5の局面によると、記録媒体を提供し、当該記録媒体には、上記プログラムが記録されている。
【0067】
本発明の実施例に係る技術案は、以下の有益な効果を有する。
【0068】
タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得し、基準容量値に対する実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定し、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体が静電容量式タッチスクリーンの表面をカバーしたとき、静電容量式タッチスクリーンの感度と検出精度が重大な影響を受ける問題が解決でき、導電性液体の干渉レベルに基づいて、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体がタッチスクリーンに対する影響を大幅に減少させ、タッチスクリーンの感度と検出精度を向上させることができる。
【0069】
以上の一般的な記述と、以下の詳細の記述は、ただ例示的なものであって、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0076】
ここで、図面に例示される例示的な実施例を詳細に説明する。以下、図面に関する説明する際、別途に説明しない限り、異なる図面での同一の符号は、同一又は類似する要素を示す。以下の例示的実施例において記載する実施形態は、本発明に一致する全ての実施形態を代表するわけではない。逆に、それらは、添付される特許請求の範囲で詳細に記載される本発明の一部の形態に一致する装置と方法の例に過ぎない。
【0077】
発明者は、本発明を実現する過程で、水を代表とする少量の導電性液体がタッチスクリーンの表面をカバーした場合、指のタッチによる自己容量値の変化はTouchIC(タッチチップ)によって安定に検知されるが、指のタッチによる相互容量値の変化は、導電性液体の影響を大きく受け、TouchICによって安定に検知されにくいことが分かった。そのため、タッチスクリーンの表面が導電性液体にカバーされた場合、或いはユーザの指先が導電性液体をタッチした場合、タッチスクリーンが自己容量値の変化だけを検知するモードにあるように制御することによって、シングルポイントタッチに対する検出を保証でき、導電性液体がタッチスクリーンの感度と検出精度に対する影響をある程度減少させることができとともに、クリック、スライド等のような一本指操作を正常に検出できるようになる。以下、幾つかの実施例を通じて本発明の提供する技術方法について詳細な紹介と説明をする。
【0078】
まず、説明すべきなことは、本発明の各実施例における電子設備は、携帯電話、タブレットPC、電子ブックリーダー、MP3(MovingPicture Experts Group Audio LayerIII)プレイヤー、MP4(Moving Picture Experts GroupAudio Layer IV)プレイヤー、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、及びスマートテレビ等である。当該電子設備は、タッチスクリーンを含み、且つ当該タッチスクリーンは、静電容量式タッチスクリーンであり、静電容量式タッチスクリーンは、自己容量スキャンと相互容量スキャンの2つの方式をサポートできる。
【0079】
図1は、一つの例示的な実施例にかかるタッチスクリーンの制御方法のフローチャートであり、本実施例は、当該タッチスクリーンの制御方法を電子設備に適用することを例として説明する。当該タッチスクリーンの制御方法は、以下のステップを含む。
【0080】
ステップ102において、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得する。
【0081】
ステップ104において、基準容量値に対する実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定する。当該基準容量値は、テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の容量値である。
【0082】
ステップ106において、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御する。
【0083】
まとめると、本実施例に係るタッチスクリーンの制御方法によると、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得し、基準容量値に対する実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定し、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体が静電容量式タッチスクリーンの表面をカバーしたとき、静電容量式タッチスクリーンの感度と検出精度が重大な影響を受ける問題が解決でき、導電性液体の干渉レベルに基づいて、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体がタッチスクリーンに対する影響を大幅に減少させ、タッチスクリーンの感度と検出精度を向上させることができる。
【0084】
図2は、別の例示的な実施例に係るタッチスクリーンの制御方法のフローチャートであり、本実施例は、当該タッチスクリーンの制御方法を電子設備に適用することを例として説明する。当該タッチスクリーンの制御方法は、以下のステップを含む。
【0085】
ステップ201において、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得する。
【0086】
Touch ICは、自己容量スキャンと相互容量スキャンの方式によって、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の自己容量値と実際の相互容量値をそれぞれ取得する。
【0087】
ステップ202において、基準容量値に対する実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定する。
【0088】
実際の容量値に実際の自己容量値と実際の相互容量値が含まれる場合、基準容量値もそれに応じて基準自己容量値と基準相互容量値を含む。ここで、あるテストポイントにとって、テストポイントの基準自己容量値は、当該テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の自己容量値であり、テストポイントの基準相互容量値は、当該テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の相互容量値である。導電性媒質は、指、導電性液体、及びその他のタッチスクリーンの容量値の変化を引き起こすあらゆる導電材料を含む。
【0089】
タッチスクリーンにおけるいずれかのテストポイントについて、TouchICは、当該テストポイントの自己容量値と相互容量値に変化が発生したか否かによって、テストポイントの表面が導電性液体にカバーされたか否かを特定する。さらに、変化程度によって、当該テストポイントの表面の導電性液体のカバー量を特定することができる。その上に、TouchICは、タッチスクリーンの表面全体における導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量を特定でき、当該実際のカバー範囲とカバー量に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定する。
【0090】
ある可能な実現方式において、本ステップは、以下のサブステップを含む。
【0091】
第1に、各テストポイントについて、テストポイントが所定の条件を満たすか否かを検出する。
【0092】
ここで、所定の条件は、テストポイントの実際の自己容量値と基準自己容量値が同じであり、且つテストポイントの実際の相互容量値と基準相互容量値が異なることを含む。
【0093】
当該テストポイントの表面が導電性液体にカバーされた場合、自己容量スキャン方式を採用すると、当該テストポイントの自己容量値の明らかな変化を検出できない。即ち、実際の自己容量値と基準自己容量値が同じであるか或いは非常に接近する。当該テストポイントの表面が導電性液体にカバーされた場合、相互容量スキャン方式を採用すると、当該テストポイントの相互容量値に、より顕著な変化が発生したことが検出できる。即ち、実際の相互容量値と基準相互容量値の差がより大きい。TouchICは、この特性を用いて、テストポイントの自己容量値と相互容量値の変化程度によって、当該テストポイントの表面が導電性液体にカバーされているかどうかを特定することができる。
【0094】
説明すべきなことは、相互容量スキャン方式のみによってテストポイントの相互容量値の変化を検出すると、TouchICは、当該変化が導電性液体のカバーによるものであるか、それとも指のタッチによるものであるか特定できない。さらに、導電性液体のカバーによってはテストポイントの自己容量値に顕著な変化が発生せず、指のタッチによってはテストポイントの自己容量値に顕著な変化が発生するため、自己容量値の変化程度と相互容量値の変化程度を組み合わせることによって、テストポイントの表面が導電性液体にカバーされているかどうかを正確に特定できる。
【0095】
第2に、テストポイントが所定の条件を満たすと、テストポイントの表面が導電性液体にカバーされていると特定し、実際の相互容量値と基準相互容量値の差に基づいて、導電性液体のカバー量を特定する。
【0096】
テストポイントが所定の条件を満たすと、Touch ICは、テストポイントの表面が導電性液体にカバーされていると特定し、更に、相互容量値の変化程度に基づいて、導電性液体のカバー量を特定する。ここで、実際の相互容量値と基準相互容量値との差は、導電性液体のカバー量と正の相関関係にある。即ち、相互容量値の変化程度が大きいほど、導電性液体のカバー量が多く、相互容量値の変化程度が小さいほど、導電性液体のカバー量が少ない。
【0097】
なお、テストポイントが所定の条件を満たさないと、テストポイントの表面が導電性液体にカバーされていないと特定する。
【0098】
第3に、各テストポイントの表面が導電性液体にカバーされたか否か、及び導電性液体のカバー量に基づいて、タッチスクリーンの表面における導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量を特定する。
【0099】
Touch ICは、各テストポイントの表面が導電性液体にカバーされたか否か、及び導電性液体のカバー量を取得した後、上記情報を統合して、導電性液体のタッチスクリーンの表面全体における実際のカバー範囲とカバー量を特定する。
【0100】
第4に、タッチスクリーンの表面における導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定する。
【0101】
本実施例において、干渉程度が順次に増加する第1の干渉レベル、第2の干渉レベル、第3の干渉レベル、及び第4の干渉レベルを予め設定すると仮定する。技術者は、各干渉レベルに対して、実際のカバー範囲に対応する数値区間、及びカバー量に対応する数値区間を対応付けることができ、TouchICは、タッチスクリーンの表面における導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量を取得した後、対応する数値区間を特定でき、さらに対応する干渉レベルを取得できる。
【0102】
可能な実現方式において、導電性液体が水であることを例とする。
【0103】
1、タッチスクリーンの表面に水がない場合或いは薄い水煙がある場合、TouchICは、水の干渉レベルが第1の干渉レベルであると特定する。ここで、水煙は、肉眼では見えない若干の水滴で構成される。例えば、タッチスクリーンの表面における水の実際のカバー範囲が大きいがカバー量が第1の閾値より小さい場合、水の干渉レベルが第1の干渉レベルであると特定する。例示的な実施例において、第1の閾値は、0.25ml〜0.5mlに設定できる。
【0104】
2、タッチスクリーンの表面に小さい水滴がある場合、Touch ICは、水の干渉レベルが第2の干渉レベルであると特定する。例えば、タッチスクリーンの表面における水の実際のカバー範囲が小さいがカバー量が第1の閾値に達する場合、水の干渉レベルが第2の干渉レベルであると特定する。
【0105】
3、タッチスクリーンの表面に厚い水煙がある場合、Touch ICは、水の干渉レベルが第3の干渉レベルであると特定する。例えば、タッチスクリーンの表面における水の実際のカバー範囲が大きく且つカバー量が第2の閾値に達する場合、水の干渉レベルが第3のレベルであると特定する。ここで、第2の閾値は、第1の閾値以上である。
【0106】
4、タッチスクリーンの表面に大きい水滴或いは水膜がある場合、TouchICは、水の干渉レベルが第4の干渉レベルであると特定する。ここで、水膜は、連続する水層である。例えば、タッチスクリーンの表面における水の実際のカバー範囲が大きく且つカバー量が第3の閾値に達する場合、水の干渉レベルが第4の干渉レベルであると特定する。ここで、第3の閾値は、第2の閾値より大きい。
【0107】
説明すべきなことは、干渉レベルに関する数量は、実際の情況に基づいて設定できる。本実施例では、4つの干渉レベルを例として説明するが、本発明の実施例は、これについて具体的に限定しない。
【0108】
さらに説明すべきなことは、異なる電子設備のタッチスクリーンのサイズが異なるため、各干渉レベルに対応付けられている実際のカバー範囲に対応する数値区間、及びカバー量に対応する数値区間も異なり、実際の応用において、電子設備のタッチスクリーンのサイズと数回の実験によって上記数値区間を設定でき、本発明の実施例は、これについて具体的に限定しない。
【0109】
ステップ203において、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御する。
【0110】
本ステップは、以下のようなサブステップを含む。
【0111】
第1に、予め設定された対応関係から、干渉レベルに対応する操作モードを選択する。
【0112】
予め設定された対応関係は、各干渉レベルと各操作モードとの対応関係を含み、操作モードは、フルスクリーンの数本指操作モード、数本指と一本指のハイブリッド操作モード、フルスクリーンの一本指操作モード、及びフルスクリーンの停止操作モードのうちの少なくとも一つを含む。
【0113】
ここで、フルスクリーンの数本指操作モードとは、タッチスクリーン全体が数本指タッチをサポートするモードである。数本指と一本指のハイブリッド操作モードとは、導電性液体範囲以外では数本指タッチをサポートし、導電性液体範囲以内では一本指タッチをサポートするモードである。フルスクリーンの一本指操作モードとは、タッチスクリーン全体が一本指タッチのみをサポートするモードである。フルスクリーンの停止操作モードとは、タッチスクリーン全体がタッチ操作をサポートできず、TouchICがCPU(Central ProcessingUnit,中央プロセッサ)にタッチ情報を報告しないモードである。
【0114】
導電性液体の干渉レベルが、干渉程度が順次に増加する第1の干渉レベル、第2の干渉レベル、第3の干渉レベル、及び第4の干渉レベルを含む場合、本ステップは、以下のようなケースを含む。
【0115】
1、導電性液体の干渉レベルが第1の干渉レベルであると、予め設定された対応関係からフルスクリーンの数本指操作モードを選択する。
【0116】
第1の干渉レベルの干渉程度が最も低く、この場合、導電性液体のタッチ操作に対する影響は非常に小さいか或いは影響がない。TouchICは、相互容量スキャン方式或いは相互容量スキャン方式と自己容量スキャン方式の組み合わせによって、依然としてシングルポイントタッチ、及びマルチポイントタッチを正確に検出できる。そのため、導電性液体の干渉レベルが第1の干渉レベルである場合、TouchICは、予め設定された対応関係からフルスクリーンの数本指操作モードを選択して、ユーザのマルチポイントタッチに対する正常な検出を確保する。
【0117】
2、導電性液体の干渉レベルが第2の干渉レベルである場合、予め設定された対応関係から数本指と一本指のハイブリッド操作モードを選択する。
【0118】
第2の干渉レベルは、第1の干渉レベルに比べて干渉程度が多少高い。そのため、この場合は数本指と一本指のハイブリッド操作モードを採用する。例えば、ユーザの指が導電性液体範囲以外にある場合、TouchICは、相互容量スキャン方式或いは相互容量スキャン方式と自己容量スキャン方式の組み合わせによって、依然としてシングルポイントタッチ、及びマルチポイントタッチを正確に検出できる。ユーザの指が導電性液体範囲以内にある場合、指のタッチによる自己容量値の変化はTouchICによって安定に検知できるが、指のタッチによる相互容量値の変化は導電性液体の影響を大きく受けて、TouchICによって安定に検知できないため、Touch ICは、自己容量スキャン方式によって、ユーザの一本指タッチに対する正常な検出を確保し、それによって、例えば、クリック、スライドなどの一本指操作に対する正常な検出を保証する。
【0119】
3、導電性液体の干渉レベルが第3の干渉レベルである場合、予め設定された対応関係からフルスクリーンの一本指操作モードを選択する。
第3の干渉レベルは、第2の干渉レベルに比べて干渉程度が多少高い。そのため、この場合はフルスクリーンの一本指操作モードを採用して、TouchICが自己容量スキャン方式によってユーザの一本指タッチを検出するようにする。これによって、例えば、クリック、スライドなどの一本指操作に対する検出の正確度を確保する。
【0120】
4、導電性液体の干渉レベルが第4の干渉レベルである場合、予め設定された対応関係からフルスクリーンの停止操作モードを選択する。
【0121】
第4の干渉レベルは、干渉程度が最も高い。そのため、このような場合、導電性液体が一本指タッチと数本指タッチに対する影響はいずれも大きい。TouchICが間違ったタッチ信号を検出しCPUに間違ったタッチ情報を報告して、CPUが当該間違ったタッチ情報に基づいて誤動作することを防止するために、TouchICは、フルスクリーンの停止操作モードを選択し、CPUにタッチ情報を報告することを停止する。
【0122】
第2に、タッチスクリーンが選択された操作モードにあるように制御する。
【0123】
Touch ICは、予め設定された対応関係から干渉レベルに対応する操作モードを選択した後、タッチスクリーンが選択された操作モードにあるように制御する。
【0124】
以下、タッチスクリーンが数本指と一本指のハイブリッド操作モードにある場合に電子設備がタッチ操作に対する制御と処理方式を説明する。
【0125】
ステップ204において、タッチスクリーンが数本指と一本指のハイブリッド操作モードにある場合、タッチスクリーンが数本指操作モードにあるように制御する。
【0126】
数本指と一本指のハイブリッド操作モードにおいて、Touch ICは、まずタッチスクリーンが数本指操作モードにあるように制御する。数本指操作モードは、ユーザの数本指タッチ操作をサポートする。
【0127】
ステップ205において、相互容量スキャン方式によって、少なくとも一つの指に対応するタッチ位置を取得する。
【0128】
数本指操作モードにおいて、相互容量スキャン方式或いは相互容量スキャン方式と自己容量スキャン方式の組み合わせによって、数本指タッチ操作と一本指タッチ操作を正常に検出でき、各指に対応するタッチ位置を取得できる。
【0129】
ステップ206において、いずれかのタッチ位置が導電性液体範囲に入ったか否かを検出する。
【0130】
ここで、導電性液体範囲は、タッチスクリーンの表面における導電性液体の実際のカバー範囲に基づいて特定され、導電性液体範囲の面積は、実際のカバー範囲の面積より大きい。導電性液体範囲の面積を、実際のカバー範囲の面積より適切に大きくすることにより、指が導電性液体に触れる情況を予め判断して、後続のプロセスで当該指に対応するタッチ位置を持続的、且つ正確に取得することを保証する。
【0131】
ステップ207において、いずれかのタッチ位置が導電性液体範囲に入った場合、タッチスクリーンが数本指操作モードから一本指操作モードに切り替えるように制御する。
【0132】
一本指操作モードは、ユーザの一本指タッチ操作をサポートする。一本指操作モードにおいては、自己容量スキャン方式によって、一本指タッチ操作を正常に検出できる。
【0133】
ステップ208において、自己容量スキャン方式によって、引き続き導電性液体範囲に入ったタッチ位置に対応する少なくとも一つの関連タッチ位置を取得する。
【0134】
本実施例において、導電性液体範囲に入った指をユーザが現在タッチ操作を行っている指と判断し、自己容量スキャン方式によって当該指に対応するタッチ位置を持続的に検出することで、ユーザのタッチ操作に対して正確に応答するように保証できる。
【0135】
まとめると、本実施例に係るタッチスクリーンの制御方法によると、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得し、基準容量値に対する実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定し、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体が静電容量式タッチスクリーンの表面をカバーしたとき、静電容量式タッチスクリーンの感度と検出精度が重大な影響を受ける問題が解決でき、導電性液体の干渉レベルに基づいて、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体がタッチスクリーンに対する影響を大幅に減少させ、タッチスクリーンの感度と検出精度を向上させることができる。
【0136】
また、本実施例に係るタッチスクリーンの制御方法は、導電性液体の干渉程度によって、導電性液体をいくつかの干渉レベルに分け、異なる干渉レベルに対して異なる制御対策を提供することによって、導電性液体のタッチスクリーンに対する影響を最大限に減少させる。干渉程度が低い場合、ユーザの数本指タッチに対する正常な検出を確保でき、干渉程度が比較的高い場合、優先的に、例えばクリック、スライドなどの一本指操作に対する正確な検出を保証でき、干渉程度が非常に高い場合、CPUへのタッチ情報の報告を停止して、CPUが間違ったタッチ情報を受信して誤動作することを防止できる。
【0137】
説明すべきなことは、前記ステップ203の後、Touch ICは、電子設備のCPUにタッチスクリーンの現在の操作モードを報告してもよい。当該CPUは、提示情報を生成する。提示情報は、タッチスクリーンの現在の操作モードを提示して、ユーザが、当該提示情報に基づいてタッチスクリーンの現在の操作モードを把握できるようにする。また、ユーザは、当該提示情報に基づいて、タッチスクリーンの表面に導電性液体が存在するか否かを把握でき、導電性液体が存在してユーザの正常なタッチ操作に影響する場合、導電性液体を直ちに取り除くことができる。
【0138】
以下は、本発明の装置実施例であり、本発明の方法実施例を実行できる。本発明の装置実施例に対して説明する際、披露してない詳細は、本発明の方法実施例を参照すればよい。
【0139】
図3は、一つの例示的な実施例に係るタッチスクリーンの制御装置のブロック図であり、当該タッチスクリーンの制御装置は、ソフトウェア、ハードウェア或いは両者の組み合わせによって具現されて、電子設備の一部或いは全部を構成できる。当該タッチスクリーンの制御装置は、容量取得モジュール310、レベル特定モジュール320、及びモード制御モジュール330を有する。
【0140】
容量取得モジュール310は、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得するように構成される。
【0141】
レベル特定モジュール320は、基準容量値に対する前記実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定するように構成される。前記基準容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の容量値である。
【0142】
モード制御モジュール330は、前記タッチスクリーンが前記干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御するように構成される。
【0143】
まとめると、本実施例に係るタッチスクリーンの制御装置によると、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得し、基準容量値に対する実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定し、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体が静電容量式タッチスクリーンの表面をカバーしたとき、静電容量式タッチスクリーンの感度と検出精度が重大な影響を受ける問題が解決でき、導電性液体の干渉レベルに基づいて、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体がタッチスクリーンに対する影響を大幅に減少させ、タッチスクリーンの感度と検出精度を向上させることができる。
【0144】
図4は、別の例示的な実施例に係るタッチスクリーンの制御装置のブロック図であり、当該タッチスクリーンの制御装置は、ソフトウェア、ハードウェア或いは両者の組み合わせによって具現されて、電子設備の一部或いは全部を構成できる。当該タッチスクリーンの制御装置は、容量取得モジュール310、レベル特定モジュール320、モード制御モジュール330を含む。
【0145】
容量取得モジュール310は、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得するように構成される。
【0146】
レベル特定モジュール320は、基準容量値に対する前記実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定するように構成される。前記基準容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の容量値である。
【0147】
前記レベル特定モジュール320は、条件検出ユニット320a、カバー特定ユニット320b、範囲特定ユニット320c、及びレベル特定ユニット320dを含む。
【0148】
前記条件検出ユニット320aは、各テストポイントについて、前記テストポイントが所定の条件を満たすか否かを検出するように構成される。前記所定の条件は、前記テストポイントの実際の自己容量値と基準自己容量値が同じであり、且つ前記テストポイントの実際の相互容量値と基準相互容量値が異なることを含む。ここで、前記基準自己容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の自己容量値であり、前記基準相互容量値は、前記テストポイントに導電性媒質の影響がない場合の相互容量値である。
【0149】
前記カバー特定ユニット320bは、前記テストポイントが前記所定の条件を満たすと、前記テストポイントの表面が前記導電性液体にカバーされていると特定し、前記実際の相互容量値と前記基準相互容量値の差に基づいて、前記導電性液体のカバー量を特定するように構成される。前記差は、前記カバー量と正の相関関係にある。
【0150】
前記範囲特定ユニット320cは、各テストポイントの表面が前記導電性液体にカバーされているか否か、及び前記導電性液体のカバー量に基づいて、前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量を特定するように構成される。
【0151】
前記レベル特定ユニット320dは、前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲とカバー量とに基づいて、前記導電性液体の干渉レベルを特定するように構成される。
【0152】
モード制御モジュール330は、前記タッチスクリーンが前記干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御するように構成される。
【0153】
前記モード制御モジュール330は、モード選択ユニット330aとモード制御ユニット330bとを含む。
【0154】
前記モード選択ユニット330aは、予め設定された対応関係から前記干渉レベルに対応する操作モードを選択するように構成される。前記予め設定された対応関係は、各干渉レベルと各操作モードとの対応関係を含み、前記操作モードは、フルスクリーンの数本指操作モード、数本指と一本指のハイブリッド操作モード、フルスクリーンの一本指操作モード、及びフルスクリーンの停止操作モードのうちの少なくとも一つを含む。
【0155】
前記モード選択ユニット330aは、第1の選択サブユニット330a1、第2の選択サブユニット330a2、第3の選択サブユニット330a3、或いは第4の選択サブユニット330a4を含む。
【0156】
前記干渉レベルが、干渉程度が順次に増加する第1の干渉レベル、第2の干渉レベル、第3の干渉レベル、及び第4の干渉レベルを含むとすると、
【0157】
前記第1の選択サブユニット330a1は、前記導電性液体の干渉レベルが前記第1の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの数本指操作モードを選択するように構成される。
【0158】
前記第2の選択サブユニット330a2は、前記導電性液体の干渉レベルが前記第2の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記数本指と一本指のハイブリッド操作モードを選択するように構成される。
【0159】
前記第3の選択サブユニット330a3は、前記導電性液体の干渉レベルが前記第3の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの一本指操作モードを選択するように構成される。
【0160】
前記第4の選択サブユニット330a4は、前記導電性液体の干渉レベルが前記第4の干渉レベルである場合、前記予め設定された対応関係から前記フルスクリーンの停止操作モードを選択するように構成される。
【0161】
前記モード制御ユニット330bは、前記タッチスクリーンが選択された前記操作モードにあるように制御するように構成される。
【0162】
選択的に、前記装置は、数本指制御モジュール331、位置取得モジュール332、位置検出モジュール333、モード切替モジュール334、及び位置トラッキングモジュール335をさらに含む。
【0163】
数本指制御モジュール331は、前記タッチスクリーンが前記数本指と一本指のハイブリッド操作モードにある場合、前記タッチスクリーンが数本指操作モードにあるように制御するように構成される。
【0164】
位置取得モジュール332は、相互容量スキャン方式によって、少なくとも一つの指に対応するタッチ位置を取得するように構成される。
【0165】
位置検出モジュール333は、いずれかのタッチ位置が導電性液体範囲に入ったか否かを検出するように構成される。前記導電性液体範囲は、前記タッチスクリーンの表面における前記導電性液体の実際のカバー範囲に基づいて特定され、且つ前記導電性液体範囲の面積は、前記実際のカバー範囲の面積より大きい。
【0166】
モード切替モジュール334は、いずれかのタッチ位置が前記導電性液体範囲に入ると、前記タッチスクリーンが前記数本指操作モードから一本指操作モードに切り替えるように制御するように構成される。
【0167】
位置トラッキングモジュール335は、自己容量スキャン方式によって、引き続き前記導電性液体範囲に入ったタッチ位置に対応する少なくとも一つの関連タッチ位置を取得するように構成される。
【0168】
選択的に、前記装置は、モード報告モジュール336をさらに含む。
【0169】
モード報告モジュール336は、中央プロセッサCPUに前記タッチスクリーンの現在の操作モードを報告するように構成される。前記CPUは、提示情報を生成するために用いられ、前記提示情報は、前記タッチスクリーンの現在の操作モードを提示するために用いられる。
【0170】
まとめると、本実施例に係るタッチスクリーンの制御装置によると、タッチスクリーン上の各テストポイントの実際の容量値を取得し、基準容量値に対する実際の容量値の変化程度に基づいて、導電性液体の干渉レベルを特定し、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体が静電容量式タッチスクリーンの表面をカバーしたとき、静電容量式タッチスクリーンの感度と検出精度が重大な影響を受ける問題が解決でき、導電性液体の干渉レベルに基づいて、タッチスクリーンが干渉レベルに対応する操作モードにあるように制御することによって、導電性液体がタッチスクリーンに対する影響を大幅に減少させ、タッチスクリーンの感度と検出精度を向上させることができる。
【0171】
また、本実施例に係るタッチスクリーンの制御装置は、導電性液体の干渉程度によって、導電性液体をいくつかの干渉レベルに分け、異なる干渉レベルに対して異なる制御対策を提供することによって、導電性液体のタッチスクリーンに対する影響を最大限に減少させる。干渉程度が低い場合、ユーザの数本指タッチに対する正常な検出を確保でき、干渉程度が比較的高い場合、優先的に、例えばクリック、スライドなどの一本指操作に対する正確な検出を保証でき、干渉程度が非常に高い場合、CPUへのタッチ情報の報告を停止して、CPUが間違ったタッチ情報を受信して誤動作することを防止できる。
【0172】
上記実施例における装置について、その各モジュールが実行する操作の具体的な方法は、すでに関連する方法実施例で詳細に記述しているため、ここでは詳細な説明をしない。
【0173】
図5は、一つの例示的な実施例に係るタッチスクリーンの制御用の装置500のブロック図である。例えば、装置500は、タッチチップTouchICである。
【0174】
図5を参照すると、装置500は、以下の一つ或いは複数のプロセスアセンブリ502とメモリ504とを含む。
【0175】
プロセスアセンブリ502は、一般的には装置500の全体の操作を制御するものであり、例えば、電子設備のタッチスクリーン上の各テストポイントの容量値を取得し、タッチスクリーンの現在の操作モードを制御し、電子設備のCPUに情報を報告する。プロセスアセンブリ502は、一つ或いは複数のプロセッサ520を含み、これらによって命令を実行することにより、上記の方法の全部或いは一部のステップを実現する。なお、プロセスアセンブリ502は、一つ或いは複数のモジュールを含んで、プロセスアセンブリ502と他のアセンブリの間のインタラクションを容易にしてもよい。
【0176】
メモリ504は、各種類のデータを記憶することにより装置500の操作を支援するように構成される。これらのデータの例は、装置500において操作されるいずれのアプリケーションプログラム又は方法の命令を含む。メモリ504は、いずれの種類の揮発性メモリ、不揮発性メモリ記憶デバイスまたはそれらの組み合わせによって実現されてもよく、例えば、SRAM(StaticRandom Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable ProgrammableRead Only Memory)、PROM( ProgrammableROM)、ROM(Read OnlyMember)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、或いは光ディスクである。
【0177】
例示的な実施例において、装置500は、一つ以上のASIC(ApplicationSpecific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、DSPD(Digital Signal Processing Device)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の電子部品によって実現されるものであり、上記
図1或いは
図2に示されるタッチスクリーンの制御方法を実行する。
【0178】
例示的な実施例において、命令を含むコンピュータ読取り可能な非一時的な記録媒体、例えば命令を含むメモリ504をさらに提供し、装置500のプロセッサ520により上記命令を実行して上記
図1或いは
図2に示されるタッチスクリーンの制御方法を実現する。例えば、前記コンピュータ読取り可能な非一時的な記録媒体は、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶デバイス等である。
【0179】
一種のコンピュータ読取り可能な非一時的な記録媒体は、当該記録媒体における命令が装置500のプロセッサにより実行されると、装置500が上記
図1或いは
図2に示されるタッチスクリーンの制御方法を実行できるようにする。
【0180】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実践を通じて、本発明の他の実施形態を容易に得ることができる。本発明は、本発明に対する任意の変形、用途、または適応的な変化を含み、このような変形、用途、または適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開示していない本技術分野の公知の知識、または通常の技術手段を含む。明細書と実施例は、ただ例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0181】
本発明は、上記で記述し、図面で図示した特定の構成に限定されず、その範囲を離脱しない状況で、様様な修正と変更を実現できる。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。